僕は空我になりたくなかった   作:宮ノ入蓮慈

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4話

教会へとバイクを走らせるには理由があった、恐らくもう一条さんはあのコウモリ型の怪物と相対してるだろうという予想と言えるものでは無いが車が駐車してあるのを見て当たっていることを確信し、そのまま教会の扉へとバイクをぶち当てて入りそのまま怪物へと衝突させた。

「一条さん!!」

「何しに来た!」

 慌てて上着を脱ぎ火の手に包まれそうになる一条さんのコートをはたきこれ以上燃えることのないようにした後に今の僕にできる覚悟を示す。

「戦いに来たんです!」 

「まだそんなことを!」 

 声を荒げて襟首を掴むとそんな事をさせるつもりは無いとばかりに睨みつける一条さんを振り切り怪物の前に躍り出ると僕は鼓舞する為に叫び言う

「僕は!護る怖さを、戦う勇ましさを決めてきました!」

 怪物の振るう鋭く尖った爪を転がり避けながら熱い教会の中でタックルをかまし怪物を押し退けて戦う。

「そうだとしてなんになる!力が及ばなかっただろ!」

「それは僕の恐怖が妨げになっていたからです!だけど今は!」

覚悟を示す時だ、戦う恐怖、死ぬ恐怖、敵を殴る嫌な感触を今は乗り越えて己を騙すようにするのではなく鼓舞するために大きな声で言う。 

「だから今は!見ててください俺の変身を!」

 拳を握りしめ腕を交差し広げるとアークルが現れ自然と「彼」と似た変身ポーズをとる自分が居た。

「ア゙ア゙ア゙ア゙!」

 激情に身を任せ拳を振るう右の腕は顔の横でガードしたまま、左の腕で素早くまっすぐ打ち込む。また、打ったら直ぐに腕を引き、1回1回確実に打ち、軽く素早く2~3回連続で打つ度に腕から変わっていった。

「オ゙オ゙オ゙!」

 怪物の腕を掴み投げ飛ばすと椅子に当たりよろめき倒れる。

「ゴラゲパ!クウガ!!」

怪物も僕も構えをとりじりじりと近づいていき制空権を探り緊張が走る、怪物が少し動いたその刹那に右腕で軽く殴るフリをし、防御する動きを見せた隙を見計らって腰をひねり足をつま先立ちにし、力をありったけ込めて左腕を振るう。

「グガァ!?」

殴り飛ばした隙に一条さんを抱え燃え上がる教会から脱出したが炎の海を怪物は滑空し飛び出しそのまま僕へと襲いかかり掴まれたまま、近くの建物へと落とされた。

「うわぁぁぁ!」

 怪物からの追撃を躱し、交差する形で拳を繰り出すと蹴りを腹に入れられ蹴落とされた。そして怯んだ隙に怪物は滑空して降りそのまま鋭く尖った爪を突き立てようとしたのを転んで躱し、体勢を整えて構えをとる。じりじりと横へ移動しつつ相手の出を伺い怪物が接近する隙を見計らってカウンター気味に横蹴りをかます。

「セァ!」

 建物にぶつかり怯んだと思った時に、またもや蜘蛛型怪物が現れてしまった。予想はついていたので蜘蛛糸でのスイングしながらの蹴りを避けて1体1の状況へと持ち込むように戦おうとする、しかし蜘蛛型に捕まり首を絞められコウモリ型にトドメを刺されそうになった時に一条さんからの援護射撃をしてもらい形勢を逆転した。

「グァ!?」

「フッ!」

 コウモリ型は朝日を浴び何処かへと去っていたが蜘蛛型は依然としてその場で戦う姿勢を見せる。襲いかかった蜘蛛型の両腕を掴み巴投げのように後ろに転がるようにし右足で屋上へと蹴り飛ばした。

「グガァ!」

 蜘蛛型は起き上がりざまに糸を飛ばしたがそれを俺は掴み綱引きへと移行した。そして思い切り力を込め引きつけると体を横にして右足を怪物へと叩き込んだ。

「ハァ!」

「……クウガ!クウガァァァ!!」

 そう叫ぶと怪物は爆発四散し、赤と緑の炎を上げ跡形もなく散っていった。

「……フゥ…」

 ――――――――――――――――――――――――――――――

 眠る一条さんをそのままにする訳にもいかない為、「彼」がしたように肩を貸し朝日を眺めて待っていると起きる気配がした。

「おはようございます、一条さん」

「なんで君の肩に……」

「まぁ、成り行きですねぇ」

「一生の不覚だ」

そう言われてどこか可笑しさ感じ自然と笑みがこぼれた。

――――――――――――――――――――――――――――――

長野にある生家から東京にある家へと僕は移動していた。もちろん沢渡さんの荷物持ちをして……。親は大学生の頃に交通事故により亡くなり僕だけが生き残ってしまっていた。幸いな事に成人していた事、両親の残した遺産と生命保険でお金があった事で生家は残して居られた。在学中に作家デビューする事になり印税で暮らしていけるようになったため東京で部屋を借り長野と東京を行き来するようになった。 そして今回東京へと帰ったのは次回作の打ち合わせためなのだった。

「先生、今度の作品でなんかいい題材ありましたか?」

 編集がカップに入った紅茶を1口飲んでそう言うと僕はコーヒーに砂糖とミルクを丁寧に掻き回して1口含んで言う。

「えぇまぁ、ただ今度のは少し時間をかけてみたいのでお時間をいただきたいんです」

「それでしたら構いませんよ先生は締め切りを守る事が多いですから融通が効きます」

 そうして滞りなく打ち合わせが終わり帰り道バイクを失った僕は電車で帰ることにした、この時間なら人も少ないだろうと思った為だ。するとバイクの転倒する音と叫び声が聞こえてきた、

「うあああ!?」

 音のする方向に急いで駆けつける中そういえばこの時に「彼」はチーター型と遭遇したなと思い至った。現場に駆けつけるとチーター型は倒れる青年に対してトドメを刺そうとしていたをすかさずタックルして遠ざけた。

「……」

 じりじりと近づいてくる、青年は既に逃亡しており気配や姿は見えなかった。そのため僕は素早く変身を遂げると勢いよく右腕で殴りかかった。

「変身!!セャァ!」

 すると多くのパトカーが現れて僕とチーター型グロンギにサクラを向けてきた。襲いかかるチーター型、警察の照準、やりにくくて仕方ない!

「……クッ…」

「撃てぇ!!」

 銃弾の雨が降り注ぐ、チーター型が襲いかかる、その中でやるのは困難だ、逃げるに超したことない。

 ――――――――――――――――――――――――――――――

スマホが鳴る寝ぼけまなこで確認すると一条さんだった。

「君に話したい事がある今から言う場所に来てくれ」

 言われた場所に着くとそこは警察署だった。受付にて一条さんの名前を出すとおかけになってお待ちくださいと言われ待っていると暫くして一条さんが出てきた。案内をされつつ話をしていると駐車場に出た。 

「待たせたな、君に協力をする覚悟が出来た。」

「協力ですか、一体何が起きたんですか」

「なに、君の力を借りなければいけなくなっただけだ」

 そう言うと倉庫にたどり着いた一条さんは暗証番号を打ち込みある部屋へと案内した。

「やはりチーター型が未だに暴れてるんですね」

「あぁ、そうだ、その為に君にこれを託す」

そこにはトライチェイサーが置かれていた、あのバイクが今、僕の目の前に……。

「あとから合流する」

「わかりました。」

 そう言いグリップを手渡された僕は差し込み番号を入力した、0318…「彼」の誕生日…。やはりいるのではないかと未だに疑う僕がいる。

「……君にはまるで分かってるようだな」

 そう言う彼の目は疑う眼差しではなく見逃せない何かを確信しているように見えた。

「いずれ話します」

そう伝えると満足したように頷きゲートを開けた。眩しい光を見つつ変身を行う

「変!身!!」

 ――――――――――――――――――――――――――――――

 バイクを走らせる、風を切り、現場へと少しでも早く着くように、犠牲者の数を1人でも減らせるように、現場に着くとチーター型に首を絞められつつも刑事が1人で抵抗していた

「やめろぉぉ!!」

バイクの前輪を上げてウィリー走行しチーター型へと迫る避けられはしたものの狙い通り手を離させることはできたので良しとする。そのままバイクを止め倒れた刑事さんに近づいて声をかけると呆気にとられていた。

「大丈夫ですか!」

「え、」 

「クウガ!」

 【続く】




ここまで書いて力尽きた……
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