時期は昼時
中庭で燦燦と降りしきる日差しに目を焼かれています。ここには誰もいなくて、来る人はよっぽど
の物好きか、どこかからか飛んでくる野鳥か、私ぐらいですから。ベンチに座ってあくびを一つ。
あーあ目が開けられなくなったよ
これは、あれです。あのー、夏の日に外で一度目を瞑ってしまうともう一度開けることが億劫になるような、そう。それに近いな。夏が近いですし人によってはもう夏だと言い張っておりますから
つまりは、そんなんです。もうどうにでもよくなってきたなー
このままここで眠ってしまっても誰も困らないでしょう。人は来ませんし、陽気にくるまれて、暗くなる頃には目が覚めるでしょう。そうだ、では。
「──きて。──おきて、──起きてください」
はい、はい。覚めてます。わかってます。起きてますって。
あら、まだ若干日が落ちておりませんね。いや、落ちかけているのほうが適切かな?
うむ、月が上りかけていると言っても差し支えないかな。まださすがに上らんが
まだボーとしてます。気を確かにもち、もて、持つ。うしおーけいおーけい大丈夫です。
焦点が──あらピンク
「起きましたか。」
ああ、これはどうも。へっ?隣に座るんですか?いや別にいいんですけど
あー心配してくれてたんですか。それは、どうも。受け取っておきましょう。別に私は猫じゃないですから。まずったときは医務室に行きますよ。ええ、死にたくはないので。
立てるか、どうだ。ふむふむ足は動きますから。私、いけます。たぶん。あ。杖、杖杖つえがどこどこどかに落としおいて来てしまったのですがわかりま知っていませんか。
わたしはあれがないとどうどうにもなりないことに歩けしないたて立ててないんですか。はい
あああ。おいてきもうてしまいましたから。
「…杖なら足元です」
ああ、ああっあったったありましたぁよかったありがとうございます。見苦しいところを見せましたね。だいじょーぶです。大丈夫です。大丈夫。歩けます。立てますまだいきれますからはい
ええ、何キロだって歩いてやりましょう。
「探しましたよ」
探したっていうと、私ですか?それとも私物?私物だったら見つかってよかったですね。私だったなら別に探さなくて結構です。でしょう?私がいなくなって困ったこと──綺麗っすね夕陽、これはこれでまぶしい。あーやる気が吸われていくような気がします。ねむくなってきたかも
探し物といえば、そのテレポート使って探せたりしないんですか。こう、探し物?人?の位置に
テレポートって感じで。出来たら便利そうですけど。できない?そうでしょうね
「そろそろ門限が閉まるので、立てますか?」
立てないって言ったらどうするのです?いや、立てます。立てますけど。杖があれば。うーん気づかなかったけれどもすっかり暗くなりましたね。鷲見さんいい時間に起こしましたね、
よっこいしょっと
「その様子ですと、大丈夫そうですね。」
ええ。もちろんですとも。大丈夫ですから