隠れ
恐らく、ここでしょう。この地図に不備がなければ、ですけども。挨拶、は聞こえないでしょうから勝手ながら、気持ちを込めて入らせてもらいますね。でも気持ちだけでもとどけばいいなーなんて、思います。うぅおう。びっくり。死体かと思いました。これは、もしかしなくても護衛でしょうか。もしもーし、ふむ。杖で突いても反応なしと。目立った外傷はなりませんし、脈はあるようで安心です。にしてもなんでこんなところで倒れているのでしょうか。薬莢も落ちていませんし、暗器なんかを使ったのでしょうかね。
肝心の護衛対象はどこにいるんですかー。問うても意識がなければどうにもなりませんか。意識があっても返事はないでしょうが。では失礼して、お邪魔します。
よっと、恐らくですが、この手の隠れ家は地下室か屋根裏があるものでしょう。セーフハウスが名ばかりのものではないと願うばかりですね。地下室。となればどこかにハッチがあってもおかしくはありませんね。すこし探してみましょうか。
えと、ここはキッチンでしょうか。キッチン。いりますかね?料理でもするわけじゃないでしょうし、紅茶を入れるにしても電気ケトルじゃダメなのでしょうか。まあ、ダメなのだからキッチンがあるのでしょうね。うあ、ここにも護衛が一人。南無三ですね。脈は、先の護衛の様子を見るに大丈夫そうですが。不測の事態がありますから測って──
うぁっ、ぁはっ。音が。でかい急に、びっくしたぁ
銃声?これは、二階からですかね。
なるほど。桐藤さんは屋根裏でしたか。二分一を外しましたね。もともと、そんな気がしてた、というのは負け惜しみでしょうか。
ともすれば、つまり。出遅れましたか。うーん仕方ありません。目的だけ果たしたら、さっさと逃げましょうか。百合園さんの話では彼女らに敵意はありませんから、こちらがおかしなことをしなければ打たれることはないでしょう。おそらく、たぶん。
よし。そうなれば、階段は、こちらですね。お、ありました。よいしょっと
ふぅ。では、屋根裏への道はどちらにありますか。っと、足音が。
あ、どうも
「ッ──誰だ」
おおう。臨戦態勢といったところでしょうね。えーと、白い髪に、翼の、白洲さんでしたっけ。
出来れば、敵意はありませんので、撃たないでくれるとありがたい限りなのですけども。ほら、この挙げた両腕に免じて、お願いします。
あと、できれば浦和さんと話をさせていただけませんかね?その角の手前にいますよね?
「ハナコ、出てくるな」
「名を名乗れ、そもないと撃つ」
名乗れ、と来ましたか、困った。一世一代のピンチです。名乗れないんですが、そういった場合は個別に対応していただけたりしませんかね。無理そうですね。そうですよね、知っています。
うーん浦和さんに話をつないでいただけると幸いなのですけども。
ほら、この杖の音は、みたいな感じで私のことを認識してくれませんか?とんとんって。
「動くな、次動いたら撃つぞ」
「・・まってくださいアズサちゃん。」
「もしかしてツムグさんですか?」
え?まじですか。半分ふざけてやったんですが。やはり天才は違いますね。
そうですそうです。私がツムグです。あ、こんばんは浦和さん。かなり大きい荷物をしょっていますね。
「ハナコ、知り合いか?」
「ええ、確かに知り合いです。」
さて、ここからどうするかを考えましょうか