魔法少女みつ restart   作:紀野感無

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☆レプリカ

「…………」

「やっ、色々派手にやってたねぇ。『魔法少女殺し』レプリカ」
「で?」
「あのオレンジの魔法少女、レプリカなら救えたでしょ」
「かもね」
「なんで助けなかったの?」
「助けてなんの利がある?」
「……」

目の前の魔法少女は、呪い殺せそうなほど殺意の籠った目で見てくる。


はー……ダリィ


お前の理想像を押し付けるのは勝手だけど、それに見合わなければ殺す、ってか。
むしろ実力行使(そっち)をしてくれた方が殺し易いし願ったり叶ったりなんだけど…現状を見るに、そんなことは起きないだろうね。

「で、話はそれだけ?」
「いいや?そんな訳ないでしょ。レプリカ。------」




「……」
「じゃ、頑張ってちょ」
「……」
「そんな目で見ても、私の(この)世界じゃ君は手を出せないでしょ?強がるのやめたら?」
「……殺してやるよ。()()()()以上に、徹底的に、苦しみを延々と味合わせてやる」
「あっそ。せいぜいガンバ」

手を出そうにもやっぱり動かせず、意識が暗転した。


8話 幕間〜帰還したあとやることは〜

☆百花みつ

 

「ッ〜〜……!ハァー…ッ、ハァー…ッ」

 

荒野で一瞬意識が落ちたと思うと、すぐに起きれた。

辺りを見るとよく知ってる私の配信部屋。時間を確認すると0時3分で、日付は()()メールが来た次の日だった。

 

「ッ、うぷ…」

 

あのゲームで過ごした3日。現実に何の影響もないとは言え何度命の危機に陥ったのだろう。

特に最後のレプリカさんとのやりとり。

 

ペチカさんの首に手を伸ばされた

 

それだけの筈なのに途方もない気持ち悪さが私を襲った。

思い返す度に吐いてしまいそうになる。

 

 

 

ピコン ピコン ピコン

 

 

 

「……?何の……あ」

 

不意に何かの通知音のようなものが鳴って、そっちを見ると配信画面がついたままだった。

幸か不幸か、音声はミュートになってたおかげでリスナーのみんなには気づかれていないと思う。

 

「えーと…『ごめんね、ちょっと離席してる』。あ、初見さん来てくれてる…『ホワイトスノーさん。ようこそ、こんみつー。ちょっとだけ離席してるから待っててね』」

 

とコメントだけ残して、急いでうがいしたり、色々と体調を(無理矢理)整える。

 

何度か深呼吸してようやく落ち着けたと思う。多分。

 

「(気付かれないようにしないと…)」

 

荒野でファルに説明されたことを思い出しながら、必死に冷静になる。

 

 

(ログアウト中に別の人に今回の魔法少女育成計画のことを教えないで欲しいぽん。これは秘密の試験な為、もし広めてしまったら罰を与えなければならないぽん)

 

 

何でこんな目に……

 

 

 

コメント

・料理人ペチカさん(初見)が入室しました

・はじめまして こんばんは

・初見さんいらっしゃい

・初見様だ囲え囲え!(n回目

・こんみつー 枠主さん離席中だからもう少し待ってくれよな

・今のうちにみつさんの素晴らしさ説くか

・カルト宗教やめれ

 

「あ、あー。えっと、聞こえるかな?」

 

・きこえるよー

・何かあったんで?

 

「いやいや!何も無いよ。ただお父さんの声が入りかけちゃって。そうだ、初めまして初見さん。こんみつー。百花みつです。仲良くしてねー」

 

・流石真のヒロインお父様

・えっと。こんみつです。初めましてペチカです

・こんみつー 初めましてホワイトスノーです。よろしくお願いします

 

と、ようやくペチカさんが来てくれていたのだと分かり、内心ものすごく嬉しくなった。

それとホワイトスノーさんも優しそうだし--

 

「……?あれ、ホワイトスノーさん、何処かでお会いしたかな?見たことあるような…」

 

・そうなん?

・まあホワイトスノーさんめっちゃ可憐な美少女って感じだし、見たことある気がするのもわかる

・可憐というよりは私はあれだな。なんか正義のために何でもしてそうってイメージだった。

・厨二病がよ

 

・ええと…初めまして、なはず…です。

 

「ああごめんね!大丈夫、見たことある気がするって言っても、白っぽい色じゃなかったはずだし、たぶん気のせいだと思うから!」

 

・いえ、大丈夫ですよ。それにしても優しい声をしてますね。思わず聞き入ってしまいそうです。

 

「ほんと?ありがと〜」

 

・あ、あのう……その、はじめ、まして。ペチカです…。みつさん、よろしくおねがいします

 

「…!は、はじめまして!みつです!仲良くしてね!」

 

今更、本当に今更ペチカさんがいることに気づいた。

声がうわずって変な感じになった気もしたけど、とにかく来てくれたことが嬉しい。

 

「あ、そういえばね、みんな!」

 

ひっそりとペチカさんをフォローしておき、その後もなんとか空元気で1時間ほど配信を続けた--

 

 

 

 

 

 

「それじゃみんな、3、2、1でおつみつするねー」

 

・らじゃ

・りょーかい

・わかりましたー

 

「いくよー。3、2、1、おつみつー」

 

みんなからのおつみつコメントを見て配信を閉じる。

その瞬間にドッと疲れが出て来て、ベットに潜り込む。

 

「……でも、3日後にまた()()なん…だよね」

 

あの荒野や草原で起きたモンスターとの殺し合い。幸いパーティになってくれた人が守ってくれたから戦うことはほとんどなかったけど、それでも先の見えない、ゲームクリアのイメージさえもつかないあの世界で3日おきに(現実に影響がないとはいえ)生死をかけたゲームをしなきゃいけない。

 

ほんっとうに、嫌だった。

 

 

ピコン

 

 

「ん…DM?」

 

告知用のSNSアカウントに突如DMが送られてくる。開いてみると『ホワイトスノー』というアカウントから来ているみたいだった。

 

「ホワイトスノーって…今日来てくれた人?」

 

・改めて初めまして。ホワイトスノーです。今日の配信、とても聞いてて楽しかったです

 

「うぇっ⁉︎え、えーと…『ありがとうございます。楽しんでもらえて何よりです』…。……嬉しいなぁ」

 

初めて来てくれた人がこんなメッセージを送ってくれた。それだけで心がどこか軽くなったような、そんな気がした。

 

・あの、もしお節介だったら聞き流して欲しいんですが。今日お声聞いてて、もしかして何か困ってることあるのかなって。

 

えっ?

 

・私、実は困ってるなーって人を見分けるの得意で。もしよかったら話せる範囲でいいので相談してくださいね。絶対力になりますから!それではおやすみなさい!

 

と、ホワイトスノーさんはそれだけ送って来たと思うと、オフライン表記になった。

もしかして、隠しきれなかったのかな……。

 

「ど、どうしよう。これでダメだって言われたら……」

 

何に困ってるかは言ってないからバレてないはず。

でも何かがあるとバレるだけでもダメだったら?

 

「うぅ……どうしたら……」

 

 

 

 

 

 

 

〜3日後〜

 

☆レプリカ

 

「……」

 

一瞬意識が飛んだと思うと、すぐ目が覚めた。

周りを見渡すと荒野のど真ん中だった。

 

「はー……ダルっ」

 

もしかして毎回初期スタート地点から始めろって言うんじゃないだろうな。

草原の街から始めさせろよ。

 

 

ピコン

 

 

愚痴を色々と言ってるとマジカルフォンから通知音が聞こえる。相変わらず持ちにくいなコレ

 

『新しいミッションが追加されました』

「はいはい」

『これよりサーバーメンテナンスが始まる3日後の夕暮れまでに3人以上のパーティを作ってください。失敗した場合はペナルティが課されます』

「だろうね」

 

()()()()()()()()()()()が機械音声で聞こえ、ひとまず思ったのは--

 

「ダッッッル」

 

本当にだるい。1人でやらせろよ。嫌がらせにも程があるだろ。

 

「マジで…アテなんて無い……し……」

 

 

突然暗くなった。不思議に思って見上げると、さっきまでなかったはずの物が--中程から切断されたビルの()()()()()()()()()()()()

 

「あ…」

 

そして考える暇もなく、視界が真っ黒になった





☆???

レプリカ?誰のこと?……ああ、そういえばそんな名前の奴産んだ(つくった)わね。
で、それが?

あの事件の責任……?なんで?

確かにアレは私が丹精込めて作って、色々とキッカケを作ってあげたわ。
でも、ただそれだけよ。

そこからどんな判断を、決断を、人生にしたのかは全てアレよ。

私は関係ないわ。

蛙の子は蛙?あははっ



よく言われるわ
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