神の都合で全てが変わる世界で主人公やってます。 作:ラ メ ル テ オ ン
刺客が現れると世界は刺客を中心として新たな物語を紡ぎ出す。これから始まる物語の展開を予測する為にも今俺には西園の情報が必要だ…だから今俺は、
「めるる!今日はあの豚野郎を探すよ!」
「了解める〜!」
西園をストーキングしている。我ながら少し引いてしまうが…俺がここまで手段を選んでいないのには理由がある。それは刺客が起こすイベントに高確率で巻き込まれてしまうからだ。
超能力者が現れた時は本当に大変だった…なんせどれだけ刺客との会話イベントを避けてフラグをへし折ってもも刺客が起こした戦闘イベントに必ず巻き込まれて敵の能力の分析役を担う羽目になって死にかけたんだから…
超能力者の時にわかったが、おそらく神は俺の事を物語に組み込んで結末がどう転ぶかを楽しんでるんだと思う…そうじゃ無いと説明がつかないほどに巻き込まれる…だから今回はやり方を変える、刺客は避けない。色々情報を集めて程よく協力しつつ神が満足する結末を迎えさせてできるだけ早く平穏な生活を取り戻してやる。
それにしても…豚野郎って口悪すぎだろ…多分敵勢力の誰かの事なんだろうが…刺客がバイオレンスだと物語の治安も悪くなって俺が大変になるから勘弁して欲しいんだけど…
だが刺客が出てきて初日で敵勢力との関係性がわかるかもしれないのはでかいぞ。これがわかるだけで西園に対する関わり方も掴めるからな…
そんな事を思いながら商店街に入っていく2人にある程度の距離を保ちながらついていく。さて…今回はどんな物語が始まったのかな…
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「あいつら遊んでるだけじゃねえか!」
1時間のストーキングを終えた後俺は時間を無駄にしたことに気づき裏路地で怒鳴り声をあげていた。この1時間あいつらがしたことは本屋で立ち読みして肉屋でコロッケ買い食いしてただけ…しまいには怪人を探す事を忘れて野良猫と追いかけっこを始めやがった…
ただ商店街観光してるだけじゃねえかふざけやがって!ただでさえ魔法少女ものは作品によって平気で死者出たりマスコットに騙されて世界破滅に導かれてたりするからさっさと敵勢力との関係性知りたいのに!
俺は全然上手く行かない計画に頭を抱えて座り込む。
はあ…一回落ち着こう…今回であの2人の楽観的な感性がわかっただけでも収穫があっただろう。あれが主人公ならドギツいシリアスなんてそうそう起きない。そう思って自分を慰めていた時、
「オイ!てめえあの裏切りモンになんの様だ?」
裏路地の奥から声をかけられて俺は思わず振り返る。そうして声の主の姿を視界に入れた時振り返らずに逃げればよかったと後悔した…
声の主は豚の鼻、豚の皮膚、豚の耳を持っている二足歩行の獣人で、服装もどこか別の世界から来た様な異質な雰囲気を放っている。そんなどこか嫌悪感を感じてしまう生き物が不機嫌そうに一歩また一歩と俺の近くに歩み寄って来る…
口ぶりと見た目から察するに…こいつがあいつらが探してた怪人か…本当にやらかした…俺は世界改変の影響を受けないだけで身体能力は一般人と変わんねえんだぞ…いきなり魔法少女と戦える敵キャラと戦っても死んじゃうって…