神の都合で全てが変わる世界で主人公やってます。   作:ラ メ ル テ オ ン

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干渉の代償

 

「う、裏切り者ってなんですか?」

 

俺は恐怖を隠しながら今まで見た事ない生物にできるだけ下手に出て接する。新たな種族、獣人がどんな文化を築いているのか全然わからないからどこに地雷があるかわからない…だからできる限り刺激しない様にしないと…

 

「何って…知ってるんだろう?あの女がが魔法少女な事を。じゃないと1時間もストーキングしないよな?」

 

豚野郎さんは俺壁に追い込みキスしそうな距離感で睨みを利かせてくる。距離近すぎだろ!息臭いし…俺は鼻にくる匂いに耐えつつこんな時の為に用意していた言い訳を使う。

 

「な、 何か勘違いしてるなら申し訳ないんですけど…僕はあの子と同じ学校で彼女の落とし物を渡しに来ただけで…」

 

「そんな理由で1時間も声をかけずに尾行するのか?」

 

くっそ…見られてた時の言い訳考えてねえよ…何て言おう…俺は少し考えた後、

 

「それは…その…あの子が可愛くてつい眺めてたというか…声をかける勇気がなかったというか…」

 

こんな状況になってもおかしくない情けない言い訳を呟いた。

 

「はは!情けないな!お前あれだろ陰キャって奴だろ?我みたいなイケてるオスとは違って声かけたら気持ち悪がられるもんな〜」

 

「はは…そうなんですよ…」

 

絶対お前よりはモテるけどな!物語のネームドキャラっぽい奴にこんな覚えられ方するなんて…最悪だ…物語に干渉しようとした罰を受けている気がして落ちこむ…すると、

 

「ならば!そんなお前にあいつと関われるきっかけをくれてやろう!」

 

モテない奴に仲間意識でもあるのか豚野郎さんが救いの手を差し伸べてくれる。…案外いい奴なのか?

 

「え?マジっすか?」

 

「ああ、ただし我の家臣になればだがな」

 

「ええ…それは大丈夫です」

 

全然打算的だったわ…俺は豚野郎さんの提案を断ると早歩きで裏路地から抜け出そうと足を進める。

 

「ち、ちょっと待てよ!我もお前もメリットあるんだからいいでしょうが!」

 

「…いや、そんな事するくらいなら話しかけた方がいいじゃないっすか」

 

「話しかけられないから困ってるんでしょ!我のやり方なら100%話せるから!何なら心配されるから!」

 

豚野郎さんは俺にしがみついて裏路地から抜け出すのを阻止してくる。思っていたより悪い奴じゃなさそうだからかましてみたが…これは敵キャラもコメディ寄りだな。ならいよいよシリアス展開になる事なんてなさそうだ。今日の目的は大体終わった。後は…この豚野郎さんを満足させて帰ろう…

 

「はあ…仕方ないっすね…じゃあ家臣になるんで名前を教えてください」

 

「まじで!こ、こほん…俺はいずれ獣人の王になる者…だからキングと呼べ!」

 

「これからよろしくお願いしますキング様。で、どんな方法を使うんすか?」

 

「それは…お前を化け物にしてさしむけるんだよ」

 

キングは今まで見せていた人当たりのいい表情とは違う人を騙すことに慣れ切った笑顔でとんでもない事を伝えてきた。

 

「……冗談ですよね?」

 

「安心してくれ。魔法少女は魔法で変えられた人間は基本的に助けるから死ぬことはない。後日心配されて話しかけられるからその時に何とか仲良くなってくれたまえ」

 

キングがそう言うと、先程しがみつかれていた部分に見たことのない文字が浮かび上がり発光し始めた。こいつ…抜け目がねえ…俺は下手に物語に干渉した事を後悔しながら強まる光に思わず目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…光が鎮まった頃…

 

「……あ、あれ?」

 

特に何も起こらずに困惑するキングの前で自分の能力について思い起こしていた。

 

俺は世界の影響を受けない。それは世界が変わったことで生まれた存在にも当てはまる。今回の世界で言うなら俺に直接影響を与える魔法は効かない。魔法は物語を始める上で世界に新しく生まれたルールだからだ、

 

だが俺はこの世界の物理法則に則って生活している。だから魔法で身体能力を上げた身体から放たれるパンチや魔法で作り出した炎などは普通にダメージを受ける。

 

そして物語においてこういう洗脳技や化け物に変える技が効かない存在は基本的に、

 

「お前…やっぱり一ノ瀬家の人間か!!」

 

何かしらの理由がある…能力が効かなかった事で勘違いしたキングがナイフを取り出して迫ってくる。

 

「ちょっ!?キング様!話し合いましょう!いきなり刃物はやばいですって!」

 

「黙れ!よくも我を騙してくれたな!」

 

クソ…魔法少女が余程怖いのか話が通じねえ…仕方がない…俺はキングの後ろに指を刺し、

 

「あ!魔法少女!」

 

「なに!?」

 

嘘でキングの注意を逸らし、

 

「おら!!」

 

「オウッ!?!?」

 

金的を蹴り上げて急いで裏路地から走り去る。急所が同じで助かった…って、安心してる場合じゃねえ…急いで商店街に向かわねえと。頼む…移動してんじゃねえぞ!

 

そう思い俺が裏路地を抜け出し商店街へと向かい始めた頃、

 

ピシャーン!!!

 

裏路地から落雷の様な音と光が放たれて驚きのあまり振り向く。

 

俺の目に入ってきたのは…顔だけで3メートルはある豚の鼻と豚の耳と豚の肌を持っている生物が俺のことを怒りに満ちた目で睨んでいた。

 

あのデカい豚は何だ…?えっ…もしかしてキングか?何でそんな姿に…

 

俺はデカくなったキングを見て朝ユウジから見せられた動画を思い出しひとつの考察が頭を巡る。もしかしてあの動画で西園が戦ってたデカい奴ってキングに魔法にかけられた人ってことか?そして今…その魔法を自分にかけたって事か……?つまり…獣人の巨人…?

 

「それは…!?ジャンルが違うだろ!?」

 

俺は学生時代ににトラウマを刻んでくれた作品を思い出しながら全力で逃げ出した…

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