神の都合で全てが変わる世界で主人公やってます。 作:ラ メ ル テ オ ン
「それで……何で私みたいな美少女と屋上で2人きりなのにそんなに怯えてるんですか?」
一ノ瀬は屋上に着くなり突っ込んでいいのかわからない疑問をぶつけてくる。
「…何が言いたいんだ?」
「普通同じ年頃の男子なら私といる時言葉の節々がニチャついたり無駄に吐息多めの喋り方になるんです。なのに貴方は…私の動きひとつひとつに過剰と言えるくらいに怯えています。その理由を教えてもらえますか?」
一ノ瀬が俺のことをどう認識しているかははわからないが…俺から感じる違和感は相当な様で鋭い目つきで質問に答える様に要求してくる。
この感じだと強行手段に出るほどの確証はない感じか…ならこの手段が使えそうだな…俺は少し下を向いて悲しそうな顔をしながら、
「…昔女の子に虐められてから女の子が苦手になったんだ。気に障ったなら謝るよ。ごめん…」
「そう…だったんですね。こちらこそすみませんでした…」
滅茶苦茶嘘をついた。気まずくして話す気すら無くしてやる。転生者を舐めんなよ。
「話ってそれだけかな?それなら帰るけど…」
俺は流れで話を終わらせようとしたが、
「あ…いえ!どちらかというとこちらが本題なんですけどこの映像見ていただけますか?」
終わることはなく一ノ瀬がポケットから取り出したスマホの画面を見せられることになった…一ノ瀬が見せてきた映像は昨日ユウジに見せられたものと同じ、巨人と戦う西園の映像だった。
「コレって最近話題なってる魔法少女の奴?」
「はい。実は昔この方に命を救われたんです。できる事ならあってお礼がしたいので探しているんですが…実は私あまり頭が良くなくて…それで悩んでる時ユウジさんから貴方はすごく頭が良くて着眼点もいいと教えてもらったので何か気がつく事があれば教えてもらいたくて…」
一ノ瀬はそれっぽい事を言いながら映像を再生してくる。
「この映像昨日見たけど…見たまんまのことしかわかんないよ?」
「ええ…それでいいので教えてもらえませんか?」
コレ絶対あれだろ…この映像になんか変なところがある奴だろ…俺も舐められたもんだ…こんな状況に慣れている俺はこんな所でボロは出さない。見たまんまの情報だけ伝えてやる。
「獣人の魔法少女が戦ってる様に見えるよ」
「やっぱり見えてるんですね」
一ノ瀬はそう言うと同時に流れる様な動作で俺を地面に組み伏せた。
「痛い!痛い!なんで!?見たまんま話したじゃん!何で急に組み伏せられてるんだよ!」
「それがおかしいんですよ。魔法少女の衣装には正体が敵にバレない様にどれも認識阻害魔法が掛けられています」
「何それ…」
俺は衝撃の事実に思わず呟く。
いや…わかるわけねえだろ!!そんなルールあるなら最初から俺にも共有しろや!!動揺している俺に気を使うことなく一ノ瀬は続ける。
「この映像に写っているものはカメラがない時代に作られているので録画こそされますが映像越しでも正体は誰にもわかりません。なのに貴方は正体が獣人だと言い当てました。昨日の事と合わせて考えると…貴方魔法が効かない体質ですよね」
やばい…同じ様な状況でもキングとは全然違う…限りなく正解に近い答えを出してくる一ノ瀬に冷や汗が止まらない…そんな俺の様子を見てか顔を見なくてもわかるくらいに一ノ瀬は自信満々に語り出す。
「そんな存在見た事がなくて昨日家に帰ってから貴方の正体を探るため文献を漁りました…すると該当する存在が1つだけ出てきたんです」
やばい…俺の正体がバレたら何されるかわかんないのに…くっそぉ……俺の平穏な生活もこれまでか……
「魔法が作られた時代に世界中の魔法使いから力を奪い取って異世界に消えた存在……魔王カイザー。貴方は異世界から戻ってきて力がまだ取り戻せてない魔王…そうですよね?」
…ん?カイザー?魔王?いや…
「全然ちげえよ!!!」
自信満々な一ノ瀬の素晴らしい推理から繰り出される的外れな俺の正体に俺は思わず声を上げた…