新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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010ルートビルド計画

 ネプギアが開拓計画をするという会議から三日が経った。

 

G.C.2019年6月20日 木曜日。

 

先日と同じプラネタワーの会議室に、今度は九人の女性が集まって円卓を囲み椅子に座っていた。

 

ネプギアにネプテューヌ、イストワール、それにユニとロムとラムにノワールにブランにベール。

 

 

「みなさん、お集りいただきありがとうございます」

 

 

 まずはイストワールが一礼して口を開く。

 

 

「やー、みんなご苦労」

 

 

 ネプテューヌがそれに続き、右手をシュタッと上げると自分が目上の存在のように全員を労う言葉を掛ける。

 

 

「あなたの為に集まったんじゃないわ」

 

 

 即座にノワールが切り返す。

 

 

「はい、お約束のツンデレ台詞いただきましたー! 流石はノワール」

 

 

 ネプテューヌは右手の指をパチンと鳴らすとニヤニヤと笑う。

 

その様子は予想通りと言わんがばかりだった。

 

 

「本当にあなたの為じゃなくて、ラステイションの為なのっ!」

 

 

 ノワールは机をドンと叩きながら否定をするが、ネプテューヌはニヤニヤと笑うのを止めず、「そんなこと言ってー、本当は誘ってくれて嬉しかったんでしょー」とからかうように言う。

 

 

「そそそ、そんな訳ないでしょ! 女神の仕事だから仕方なくよ!」

 

 

 ノワールは必要以上に慌てて取り繕う。

 

少しは心当たりがあるようだ。

 

 

「あなた達はいつも騒がしいのよ」

 

 

 その横でブランが、ネプテューヌとノワールの騒ぎ声を迷惑そうに言う。

 

 

「もー、ブランはテンション低いなー。女神が全員集まったんだから楽しくやろうよ」

 

 

 ネプテューヌは明るく言うが、ブランはそれを無視するように小さな文庫本を読み始める。

 

 

「私もルウィーの為に仕方なく来てるのよ。あなた達の漫才に付き合ってる暇はないわ」

 

 

 ブランはそれだけ言うと我関せずの顔で文庫本を読む。

 

 

「でも、ネプテューヌの言う通り楽しいに越したことはありませんわ」

 

 

 ネプテューヌとブランの会話にベールが割って入る。

 

 

「そうだそうだー!」

 

 

 ネプテューヌもベールの言うことに乗ってブランに抗議する。

 

 

「ブランも広い心を持ちませんと」

 

 

 そう言うとベールは組んだ腕に乗せた豊満な胸を揺らすと、「……そこで胸を揺らす必要があるの?」とブランの眉が少し吊り上がり声色も少し変わる。

 

以前触れたようにベールは胸が大きくグラマーであった。それに対してブランはお世辞にも胸が大きいとは言えない幼児体系であった。

 

 

「やっぱり、広い心は大きな胸に宿るものかなぁと」

 

 

 ベールは余裕を持った笑みで言うと、ブランは机をドンと強く叩いて、「ベール! テメェ! 私の胸が小さいから心が狭いって言ってるのか!」と怒鳴り散らす。

 

ブランは普段は物静かだが、ストレスが溜まると性格が豹変する。特に気にしているスタイルの話になると沸点が低くなる。

 

ベールは自分のプロポーションに絶大な自信を持っており、事あるごとに、ひけらかすので、ブランとベールはこの手の話で争いが絶えない。

 

 

「いやー、ブランもベールも催促みたいだね」

 

 

 ネプテューヌはブランとベールのやり取りに満足そうに頷くが、「お姉ちゃん、それを言うなら息災じゃないかな?」と間違えた言葉をしっかりネプギアに訂正される。

 

 

「でも、四女神がこうやって会議で集まるのは久しぶりだねー」

 

 

 ネプテューヌはそう言って、しみじみと頷く。

 

四女神。

 

超次元の4国、プラネテューヌ、ラステイション、ルウィー、リーンボックスそれぞれの守護女神、ネプテューヌ、ノワール、ブラン、ベールを指してそう呼ばれている。

 

この場にいるイストワールを除く八人が超次元に住む女神全員である。

 

 

「みんな聞いてよー。この作品ってばわたしの扱いが悪いんだよー」

 

 

 ネプテューヌは不満そうにノワール、ブラン、ベールの三人の女神に愚痴をこぼし始める。

 

 

「少し食べすぎたぐらいで太ったり、仕事しないぐらいでいーすんやあいちゃんが冷たかったり、動画撮ったら炎上するとか、わたしってこんなキャラじゃないよね?」

 

 

 口を尖らせて抗議するネプテューヌだが、「「「それはギャグで言ってるの?」」」と三人の女神は口を揃えて即答する。

 

どうやら三人のネプテューヌに対する認識は同じようだ。

 

 

「えー! みんな冷たいよ。わたしって居るだけで主人公パワーで何でも解決しちゃうキャラでしょ?」

 

 

 ネプテューヌは三人に対して抗議するが、ベールは、「流石にそれは言い過ぎではないかしら?」と言うと、続けてブランも、「そんなチート能力今どきラノベでも流行らないわよ」と冷ややかな視線でネプテューヌを見る。

 

 

「主人公パワーとか言って、大半は私達が無理矢理ネプテューヌに巻き込まれるパターンじゃない」

 

 

 そして最後にノワールが腕組みをしながら呆れかえる。

 

 

「それに主人公なら、笑いをとる為に体を張るものよ」

 

 

 ブランが変わらず冷ややかな言葉でそう付け加えると、「わたし、ギャグマンガの主人公じゃないから!」とそれを必死で否定するネプテューヌ。

 

 

「ネプテューヌなら、ギャグマンガの主人公にピッタリですわ」

 

 

 ベールがそう言ってブランに同意すると、「あなたが高い所から落ちても無傷なのってギャグマンガ補正だと思ってたわ」とノワールも同意する。

 

 

「この作品はギャグじゃなくて【ねぷねぷ】だよ!ほら、ジャンルにだって【ねぷねぷADV】とか【ねぷねぷアクションRPG】とか【ねぷねぷマルチアクション】って書いてあるでしょ」

 

 

 ネプテューヌお得意のメタ発言。

 

確かに彼女達が出演している一部のゲームには何故かそういう個性的な表記がある。

 

 

「また、ネプテューヌが意味不明なこと言いだしたわ」

 

 

 ノワールは付き合っていられないと言わんがばかりに、お手上げのポーズをして首を横に振る。

 

 

「そもそも、ねぷねぷってどんなジャンルですの?」

 

 

 ベールは少し興味があるように口元に指を当てるとネプテューヌに質問する。

 

 

「よくぞ聞いてくれました! ねぷねぷとは、わたし中心で回ってる、わたし至上主義作品のことだよ。あ、もちろんベール達も出番あるよ。引き立て役がいないと主役が光らないからね」

 

 

 ネプテューヌはドヤ顔でベールに説明するが、ベールは呆れ果てた顔で溜息を漏らすと、「そんな作品辞退いたしますわ」とキッパリとそう言い放つ。

 

 

「あなたはどうしてそこまで自己評価が高いのよ?」

 

 

 ノワールは心底不思議そうに質問するが、「だって主人公だもーん」とネプテューヌはピースサインとウインクをしてポーズを決めて即答する。

 

 

「それよ! どうして自分が主人公だって思うのよ?」

 

 

 ノワールはそんなネプテューヌの態度を気にも止めずにネプテューヌをビシッと指差すと厳しく質問をするが、「え? それ説明が必要?」とネプテューヌはノワールを思いっきりバカにしたような態度で答える。

 

 

「くっ……いいから説明しなさい!」

 

 

 ノワールは怒りをこらえてネプテューヌに説明を促す。

 

 

「わたしってば、元気で明るく可愛らしく誰とでも仲良くなれる抜群のコミュ力持ったスーパーポジティブなキャラ!」

 

 

 ネプテューヌは元気よく身振り手振りで自己アピールしながら自信満々に言い放つ。

 

 

「しかし、変身後はクールでセクシー! しかも、ちょっとお茶目な一面も!」

 

 

 今度は後頭部に両手を当てて、腰をくねらせてセクシーポーズ決める。

 

 

「つまりギャップ萌えかつ幅広い需要に対応できる! だから、みんなわたしが大好き! アンチなんていない! と、言うことでわたしが主人公なのはコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実!」

 

 

 最後に腰に手を当てて、胸を張ってドヤ顔を決め込む。

 

 

「空気読めずにウザ絡みする二重人格キャラじゃないの?」

 

 

 しかし、ノワールは冷たく突き放す。

 

ちなみにネプテューヌの変身後は性格がガラッと変わる上に、ネプテューヌ本人も変身中のことはよく憶えていないらしい。

 

ノワールはそれを揶揄して二重人格と言ったのだ。

 

 

「そーゆー根暗で陰キャラな思考してるから、いつまでもボッチなんだよ」

 

 

 ネプテューヌは【やれやれ】と言わんがばかりに首を振って答える。

 

 

「わたしをシンデレラなアイドルで言うと、本田美代と三つ葉杏と鷹鍵楓の最強無敵のユニットだよ! 全人類がファンになって、チケット倍率0.000000001%! 電池で動く人造人間メカの起動確立と同レベルだよ!」

 

 

「お姉ちゃん、チケット倍率って言うのは高いほど競争率が高いんだよ。百人中一人の場合が百倍ってふうに」

 

 

 ネプテューヌは大人気アイドルゲームの人気キャラの名前を持ち出して自分の凄さを表現するが、チケット倍率をガチャの最高レアの排出率か何かと勘違いしているようで、ネプギアにやんわりとツッコミをされる。

 

 

「じゃあ、五千兆倍!」

 

「世界の人口が七十七億人だから、一人しか入れない客席に全人類が応募しても五千兆倍にはならないよ。それに五千兆人も人が居たら地球がすし詰め状態になっちゃうよ」

 

 

 ネプギアのツッコミに言い直すネプテューヌだが、またもネプギアのツッコミを受けてしまう。

 

 

「とにかく! わたしは不動の主人公!! 人気投票やったら、一位から十位までわたしで埋まっちゃうぐらいの主人公オブ主人公! 神に感謝、妥当な順位ですね、だよ!!」

 

 

「お姉ちゃん、投票って言うのは一人一枠しかないんだよ」

 

 

 ネプテューヌが人気投票でお決まりの某鼻毛漫画のネタを持ち出すが、ネプギアには通じなかったらしく丁寧に一人で複数枠を持てないことを伝える。

 

 

「ううっ……真人間を相手に噛み合わない会話をしているオタクの気分……ネプ子さんのライフはとっくにゼロですよ……」

 

 

 ネプテューヌは古今東西様々なネタを用いて自分をアピールするものの、ネプギアの至極真っ当なツッコミの連続に精神的ダメージを受けたようだ。

 

 

「ご、ごめんね、なにか傷つけちゃった?」

 

 

 ネプギアは理由も分からずガックリと肩を落とし項垂れるネプテューヌに心配そうに声を掛ける。

 

 

「ネプギアは細かいよ~! こーゆーのはノリと勢いが大事なの!」

 

 

 ネプテューヌは顔を上げると不満そうに唇を尖らせる。

 

 

「そうなんだ……ごめんね、空気読めなくて」

 

 

 ネプギアは何も悪くはないのだが、ネプテューヌのことを尊敬している彼女は素直に謝ってしまう。

 

 

「姉妹漫才はそれぐらいにしてもらえるかしら?」

 

 

 ノワールは片方のツインテールをかき上げると不機嫌そうに言う。

 

 

「ネプテューヌ、そんなに私TUEEEEがしたいなら一人でやってちょうだい。私達を巻き込まないで、迷惑だわ」

 

 

 ブランはそう言うと話は終わりと言わんがばかりに文庫本のページをめくる。

 

 

「そうね、付き合うのも馬鹿馬鹿しい」

 

 

 ノワールはそう言うとそっぽ向いてしまうと、「時間の無駄ですわ」とベールも呆れ果てて話を切り上げる。

 

 

「ぶーぶー!」

 

 

 ノワール、ブラン、ベールと三者三葉に塩対応されて露骨なブーイングを飛ばすネプテューヌ。

 

 

「みんなして冷たいよー! 何かあった?」

 

 

 ネプテューヌはブーイングを止めると机に両手を置いて三人に詰め寄る。

 

 

「心当たりがまったく無いって訳じゃないでしょ?」

 

 

 ノワールは腕組みをしてネプテューヌを見つめるが、「え? なんのこと?」とネプテューヌは何のことだかサッパリ分からない顔をする。

 

 

「動画で私達のことを公然とディスたことよ」

 

 

 ブランは文庫本を読みながら冷静に説明をする。

 

三人の女神は謝りもせずに、いつものペースで話を進めるネプテューヌに辟易していたようだ。

 

 

「ああ、あのこと。まだ根に持ってるの? みんな心が狭いなー」

 

 

 しかし、ネプテューヌが謝るどころか呆れたように三人を見る。

 

 

「あなたねぇ! 怒り狂う信者達を抑えるのに私達がどれだけ苦労したと思ってるのよ!」

 

 

 ノワールは両手で机をバンッと叩きながら立ち上がると不機嫌そうに言う。

 

 

「いやー。めんごめんご、許してチョンマゲ」

 

 

 ネプテューヌは両手で頭の上にチョンマゲを作るような動作をしながら、軽いノリで謝る。

 

 

「テメェ! そんなフザケた死語で謝ってるつもりか!」

 

 

 本を読んでいたブランが豹変して握り拳で机をドンッと叩きながら怒鳴る。

 

 

(あうぅ……やっぱり皆さん、もの凄く怒ってるんだ……お姉ちゃん、どうして素直に謝れないのかな……お姉ちゃんらしいと言えばらしいけど……)

 

 

 ネプギアはノワールとブランを見ながら、ネプテューヌをフォローしようにも空気が険悪すぎて口を挟めずにいた。

 

ネプテューヌの明るく自信満々で強気な態度は、いつもネプギアに勇気を与えてくれるが、こういう時はしおらしく謝って欲しいと思ってしまう。

 

イストワールと他の候補生達も口を挟めず黙って事の成り行きを見つめている。

 

 

「罪を憎んで人を憎まずって言うじゃなーい」

 

 

 ネプテューヌはそんなブランの豹変も慣れた様子で受け流すと、いけしゃあしゃあと言い放つ。

 

 

「ネプテューヌにしてはまともなこと言ってるけど、それは止むを得ない事情があった上にキチンと罪を反省している人に当てはまるのよ。それに罪を犯した当人が言うことじゃないわ」

 

 

 ノワールはネプテューヌを厳しく睨みつける。

 

 

「反省してるってば~、なんなら今度はスライディングからのジャンピング宙返り土下座を見せてあげようか?」

 

 

 ネプテューヌはそう言うとスライディングの助走をつける為か部屋に端に移動する。

 

その姿は反省しているどころか、バク転などを見せつけて自慢したい子供のようだった。

 

 

「なんでこの子は素直にごめんなさいが言えないのかしら……」

 

 

 呆れ果てて頭を抱えるノワール。

 

 

「サルでも反省はできるのにね。これじゃあ、サル以下……いえ、以下ではサルに失礼ね。サル未満だわ」

 

 

 ブランは落ち着きを取り戻して、ネプテューヌをなじるように言う。

 

以下ではサルと同等の可能性もある為に、未満と言い直したのだ。

 

 

「不思議な事に申し訳ないという気持ちが一ミリもわいてこない!」

 

「なんだとテメェ!!!」

 

 

 しかし、ネプテューヌのあっけらかんとした切り返しに即座にキレてしまうブラン。

 

 

「だって、主人公ならこれぐらい許されるでしょ。友達の彼女を寝取っても全然OKなんだし。やめてよね……本気でケンカしたら、みんながわたしにかなうはずないでしょ!」

 

 

 ネプテューヌが平然とそう言うと、「ならやってみる!?」とノワールが挑発に乗り、ブランも「ボコにしてやんよ!」と殺気立って椅子から立ち上がる。

 

 

「まあまあ、ノワールもブランも落ち着いて」

 

 

 ベールは喧嘩腰のノワールとブランを宥めるようにそう言うと、「鳥頭のネプテューヌに対して数日前のことを責めても仕方ありませんわ」と諦めたように言う。

 

 

「そうそう。アルツハイマー型認知症かつ痴呆症のわたしにそんなことは無駄無駄無駄ァ! どれぐらい無駄かって言うと三十秒に渡って無駄無駄ラッシュしちゃうぐらい!」

 

 

 ネプテューヌはシュッシュッとシャドウボクシングの真似をするが、即座に「……って!わたし、そんなボケ老人じゃないよー!」とベールに抗議をする。

 

 

「わたくし、そこまでは言ってませんけど?」

 

 

 ネプテューヌの前のめりなノリツッコミにも慌てず対応するベール。

 

真面目なノワールとブランとは違い、ベールはややお茶目な一面を持っており、ネプテューヌに思考も近いので彼女の扱いも心得ている。

 

とは言え、ネプテューヌに比べれば十分真面目ではあるが……。

 

 

「感謝してほしいですわね。わたくしが止めに入らなかったら、主人公は主人公でもナイスなボートの主人公になってましたわよ」

 

 

 ベールが優雅に髪をかき上げてネプテューヌに感謝を求めると、「ええっ!? わたし、ブランにめった刺しで殺された挙句、精神病んだノワールに首ちょんぱされてボートで遊覧しちゃうの!」ネプテューヌは頬に両手を当てて顔を青くし物騒な展開を連想する。

 

 

「オイ! 何だその配役は!」

 

「誰が精神病むのよ!」

 

 

 ノワールとブランはそのネプテューヌの連想した展開に抗議をする。

 

抗議はするが先程のように殺気立ってはいない、ベールの横槍で毒気を抜かれたようだ。

 

 

 ちなみにナイスなボートと言うのは、18歳未満はお断りの【R18アイランド】で発売されたゲームの話である。

 

学園を舞台にしたほのぼのラブコメシチュエーションかと思いきや、話しが進むにつれて主人公を巡ってドロドロの愛憎劇が展開され【学園昼ドラもの】と呼ばる。

 

そして、アニメ化をされた際に主人公はネプテューヌの言うような凄惨な末路を迎える。

 

 

(今なら皆さんも話を聞いてくれるかも!)

 

 

 ネプギアはベールのお陰で険悪なムードが一瞬薄まったと感じて、勇気を出して立ち上がる。

 

 

「み、みなさん! お気持ちは分かりますけど、お姉ちゃんも悪気があった訳じゃないんです! 悪い人に騙されてあんなことしちゃったんです」

 

 

 ネプギアはそう言うと、神次元で出会ったボークのことと、それに乗せられたネプテューヌの話を三人の女神に話す。

 

 

「なるほど、あの動画はネプテューヌとプルルートの狂信者が指示したものなのね」

 

「ネプテューヌはお調子者ですから、少しおだて上げればコロっと騙されそうですわね」

 

「ブタもおだてりゃ木に登るとも言うしね……」

 

 

 ノワール、ベール、ブランと順々にネプギアの話に納得してくれたようだ。

 

その様子にネプギアはホッと胸を撫でおろす。

 

 

「もー! みんなしてヒドイなー。人のことをサルだの鳥だのブタだのって、桃太郎のお供じゃないんだよ」

 

「お姉ちゃん、落ち着いて。それにブタは桃太郎のお供じゃないよ」

 

 

 先程から動物と揶揄されて不満顔のネプテューヌをネプギアが優しく宥める。

 

 

「そんなに犬がお望みなら言ってあげる……今回の件は犬に噛まれたと思って早く忘れることにするわ……」

 

 

 そんな二人の様子を見ていたブランが静かに口を挟む。

 

 

「おお! ブランが珍しく知的なこと言ってる」

 

「あなたとは認識のズレがあるようね。私は常に知能派よ」

 

 

 茶化すネプテューヌに対して冷静に答えるブラン。

 

 

「それって脳味噌に血が上りやすいって意味で、血脳派ってことだよね」

 

「なんだとゴラァ! 人が水に流してやるって言ってるのに、ブッ飛ばされてぇのか?!」

 

 

 更に茶化すネプテューヌに対して、やっぱりキレてしまうブラン。

 

 

「確かにブランの言う通りね、ユニ達の手前もあるし、私も水に流してあげるわ」

 

 

 ノワールはブランに同調す形でそう言う。

 

妹達の前で、これ以上険悪な会話をしても見苦しいと思ってのことだろう。

 

 

「それにネプテューヌは単純でお調子者だから扇動とか催眠とか洗脳とか、そういう類の耐性全然なさそうだもんね」

 

 

 ノワールは呆れた目でネプテューヌを見ながら、付け加える。

 

 

「そんなことないってばー! わたしの鋼の意思は何者にも曲げられないよ!」

 

「鋼? 針金の間違いではなくて?」

 

「ネプテューヌなら催眠をかけようとして、自分でかかってしまうぐらいのお約束はやりそうね……」

 

 

 ネプテューヌはノワールに反論するが、すかさずベール、ブラン順々にツッコミを受けてしまう。

 

ネプテューヌ自身メンタルは強いのだが、おだてに乗りやすく気楽な性格であまり物事を深く考えないため、ひたすら褒めちぎる相手に騙されやすいのは確かである。

 

実際のところは、騙したとされるボーク自身は本気でネプテューヌを賛美して他の女神を貶めたからなのだが。

 

 

 ネプテューヌをからかう三人の女神の姿は、先程の塩対応とは違って明るい雰囲気だった。

 

 

「この話はもう終わりにしましょう。事情もよく分かったし、代わりに無償でネプギアのシェアエネルギー効率化システムを教えて貰ったし、それにネプギアにはプロセッサユニットの改造の技術協力もしてもらったし」

 

 

 ノワールは機嫌を直し、話を締めくくると、落ち着いて椅子に座る。

 

イストワールが言ったように先日のパナンジャングルで見せたシェアエネルギーの効率化の無償公表は効果抜群であり、イストワールの謝罪とこれの公表で三人の女神は事を穏便に済ませてくれたのだ。

 

それと以前にエフーシャが訪れた際に話したプロセッサユニットの改造もネプギアの技術協力のお陰で各国ともプロセッサユニットの改造ができるようになったのだ。

 

 

「ところで、シェアエネルギー効率化ってどういう原理なの?」

 

 

 ノワールはネプギアに質問すると、「NG粒子とシェアエネルギーが結合することにより、シェアエネルギーが強化されることが発見されたんです。それを利用して効率化をしたんです」とネプギアが答える。

 

 

「なるほど……」

 

 

 ノワールがあごに手を当てて納得したように頷くが、「でも、シェアエネルギーが強化されるなら、効率化より単純な強化でも良かったんじゃないかしら?」と再びネプギアに質問する。

 

 

「それは私も考えましたけど、現時点の技術では難しいんです。NG粒子によるシェアエネルギーの強化をそのまま試すと、過負荷による体への負担がかなり大きいんです」

 

 

 ネプギアはそこまで言うと、Nギアを出して画面からホログラムを浮かび上がらせる。

 

 

「従来のシェアエネルギーの量でNG粒子を結合させると、一時的に約1.2倍の力を得ることが出来ますが、過負荷により約3分しか戦えなくなります」

 

 

 ネプギアが説明をすると、「……割が合わないわね」とノワールが渋い顔をするが、「でも、そーゆーリスクありのパワーアップってカッコよくない? 海王剣ーーー! とか言っちゃってさ」と気楽そうにネプテューヌが言う。

 

 

「お姉ちゃん、それだけじゃないんだよ。過負荷による後遺症で全身が凄く痛くなっちゃうんだよ」

 

 

 ネプギアが諭すように言うと、「え……どれぐらい?」ネプテューヌが不安そうに質問する。

 

 

「歯医者さんより痛いかも」

 

 

 ネプギアが真剣な顔で答えると、「ええっ!? それは嫌だよー! 歯医者キラーイ!」とネプテューヌが嫌そうに言う。

 

 

「実際のところはその程度じゃ済まないのよね?」

 

 

 ノワールが質問すると、「はい。ですから、効率化を優先で研究を進めたんです。実用化までのプログラム作成に少し手間取りましたが、ようやく完成しました」とネプギアが答える。

 

 

「お詫びとは言え、あんな画期的な発明をタダで貰ってよかったのかしら? プラネテューヌで独占すればゲイムギョウ界の勢力図が大きく変わったかもしれないのに」

 

 

 今度はブランが不思議そうな顔でネプギアに質問する。

 

プラネテューヌの最先端技術は時に世界のパワーバランスを崩すこともある。

 

以前にイストワールが開発したプロセッサユニットもそれに当たる。

 

ブランは今回の件もそれに値するとの見解のようだ。

 

 

「シェアエネルギーの効率化はゲイムギョウ界全体の繁栄に繋がります。だから、プラネテューヌの一国で独占してはいけないんです。それに全ゲイムギョウ界で研究をすれば私一人で研究するより良い結果が得られると思います」

 

 

 ネプギアは落ち着いてブランの質問に答える。

 

ネプギアはプラネテューヌが優位になるより、ゲイムギョウ界全体の発展を選んだのだ。

 

 

「まあ! ネプギアちゃん、なんて良い子なの! ぎゅ~」

 

 

 ベールはネプギアに素早く近づくと強く抱きしめる。

 

 

「べ、ベールさん苦しいです~」

 

 

 大きな胸で圧迫されて苦しそうな声を出すネプギア。

 

ベールは妹がおらず、事あるごとに女神候補生達を妹のように可愛がっている。

 

特に素直で真面目なネプギアがお気に入りで、隙あらば自分の妹にしようと企んでいる。

 

 

「本当に出来た妹ね」

 

 

 ノワールはネプギアの殊勝な態度に関心を示すと、「本当に血が繋がっているのかしら」とブランはネプギアとネプテューヌを見比べる。

 

 

「ヒドイなー! よく似たもの姉妹って言われるんだよ」

 

「どのあたりが?」

 

 

 ネプテューヌの抗議にノワールが真顔で質問する。

 

 

「髪の色とかー、瞳の色とかー、肌の色とかー」

 

「それは、見た目以外はまったく似ていないと言う認識でいいのかしら?」

 

 

 ブランはネプテューヌの言うことを冷静に分析する。

 

 

「やっぱりネプギアちゃんはわたくしの妹なのですわ!」

 

「「「それはない」」」

 

 

 さり気なくネプギアを自分の妹と主張するベールに三人の女神が素早くツッコミを入れる。

 

 

「皆さん、つれないですわ~、しくしく……」

 

 

 ベールは両手を目に当てて、わざとらしい泣き真似をする。

 

 

「ところで今日は何の話なんですか? 女神候補生のアタシ達まで呼ばれるなんて……」

 

 

 話が一段落したところで、ノワールの隣に座っていたユニが質問をする。

 

 

「ユニちゃんがネプギアの嫁になるって話だよ!」

 

 

 ネプテューヌがドヤ顔でユニに向けてとんでもないことを言いだす。

 

 

「「えええええ!?」」

 

 

 驚きで目を丸くするネプギアとユニ。

 

 

「えー! ユニちゃんだけズルイわよ!」

 

 

 ネプテューヌに対して、ブランの隣に座ってラムが割って入ると、「わたし達もネプギアちゃんのお嫁さんになりたい(うるうる)」それに合わせるようにロムが訴えかけるように言う。

 

 

「勿論、ロムちゃんもラムちゃんもどーんと来いだよ」

 

 

 ネプテューヌは胸を叩いて、二人の要望を聞き入れると、ラムはバンザイして、「やったー!」と言い、ロムは両手を祈るように組んで、「うれしい……(にこにこ)」と言う。

 

 

「お姉ちゃん…私の意思は?」

 

「そんなものはない!」

 

 

 当人であるネプギアが至極当然なことを言うが、ネプテューヌは即座に切り返す。

 

その様子は見事な髭を持つ某武将のようだった。

 

 

「妹の結婚相手は姉が決めるって法律で決まってるのー! これはゲイムギョウ界の六法全書にも書かれてる一般知識だよ? よく勉強しとくように」

 

 

 ネプテューヌは右手の人差し指を上げて、さも当然のように説明すると、「え……そうなの? 知らなかった……私、司法には詳しくないから」とネプギアは素直に納得してしまう。

 

 

「なに信じてるのよ! そんなのある訳ないでしょ!」

 

 

 ユニは信じかけているネプギアに対して、素早くツッコミを入れる。

 

 

「……そんな法律いつ決まったのよ……」

 

 

 ノワールが呆れながらそう言うと、「今さっきわたしが決めた! 女神こそゲイムギョウ界の法律! つまりわたしこそルール!」と言ってネプテューヌは椅子の上でサタデーナイトフィーバーのポーズをする。

 

 

「じゃあ、わたしは反対するわ」

 

「わたくしも反対ですわ」

 

「当然、私も反対」

 

 

 しかし、ブラン、ベール、ノワールが次々と反対してくる。

 

 

「えー! みんなノリ悪いよー」

 

 

 ネプテューヌは目をバッテンにさせて腕をバタバタさせて駄々をこねる。

 

 

「ノリで法律を決めないで下さい。と、言うか同性婚と重婚は違法です」

 

 

 しかし、イストワールが冷静に宥めてくる。

 

 

「ホーリツとかよく分からないけど、ネプギアと結婚しちゃダメなの?」

 

 

 ラムは残念そうに首を傾げると、「わたし、ユニちゃんとラムちゃんと一緒にネプギアちゃんと結婚したかったのに(しょんぼり)」とロムも心底残念そうに肩を落とす。

 

 

「おままごとと現実は違うのよ」

 

 

 ブランは、そんなロムとラムを窘めるように言う。

 

 

「まったく……子供達をからかって遊んでるんじゃないわよ」

 

 

 ノワールはネプテューヌを責めるように言うと、ブランが、「イストワール、これ以上脱線しないように話を進めてちょうだい」と言い、ベールも、「ネプテューヌが話し出すと話が先に進みませんわ」とイストワールに言う。

 

 

「わかりました。みなさんには女神候補生を中心としたルートビルド及び交易都市の建設計画に協力して貰いたいのです」

 

 

 イストワールがキーボードを操作すると、画面にゲイムギョウ界の地図のホログラムが現れる。

 

全員がホログラムに注目し、ブランも本を閉じる。

 

 

 ルートビルドとはゲイムギョウ界において女神が道を作ることを指す。

 

守護女神のシェアによる光の道で通常なら何日も掛かる道を早く移動できる道だ、高速道路に近いものだろう。

 

都市を作るならば同時にルートビルドも必要になってくる。

 

 

「アタシ達が中心?」

 

 

 ユニが首を傾げると、「そうです、今までルートビルドなどは女神様によって行わてきましたが、今回は女神候補生のみなさんで行ってもらうのです」とイストワールが言う。

 

イストワールが更にコンソールを叩くと、地図に新たな道が出来てプラネテューヌ、ラステイション、ルウィー三国が結ばれるようになり、その中心に都市が出来ている。

 

 

「これを、わたし達が作るの?」

 

 

 ラムがイストワールに質問すると、「その通りです。この都市で三国の交易が盛んになります。更にこの辺りは三国の首都から離れているので治安があまり良くなく、ここに都市を作ることでそれを改善するのです」イストワールが答える。

 

 

「……何でわたし達なの? いつもはお姉ちゃんなのに……」

 

 

 ロムがおずおずと質問すると、「今回の件は、女神候補生の皆さんの訓練も兼ねています。皆さんで力を合わせて立派な女神様に一歩でも近づいて欲しいのです」とイストワールが言う。

 

そしてホログラムが切り替わるとディフォルメされた女神候補生の姿が映り、横にレベルアップと書かれていた。

 

 

「ほら! 大体合ってた」

 

「結婚と協力じゃ、だいぶレベルが違うと思うんだけど……」

 

 

 女神候補生が協力し合うことを結婚と同レベルで結び付けたネプテューヌはドヤ顔でふんぞり返るがネプギアが素早くツッコミを入れる。

 

 

「話は分かったわ。でも、これは国境を跨ぐ計画……とても大掛かりかつデリケートな問題でもあるわ」

 

 

 ブランは難しそうな顔をすると、「まさかとは思うけど、プラネテューヌが主導なんて言わないわよね」ノワールは釘を刺すようにイストワールに質問する。

 

 

「お察しの通り、プラネテューヌが主導をさせていただきます」

 

 

 しかし、イストワールは平然と言い放つ。

 

 

「なら反対ね」

 

「わたしも反対よ」

 

 

 ノワールに続きブランもすかさず反対してくる。

 

 

「お姉ちゃん、どうして?」

 

 

 意味が分からないと言った感じのユニに、「ラステイションの国益に叶わないからよ」と彼女の質問をあっさりと切り捨てるノワール。

 

 

「右に同じ」

 

 

 それに便乗するブランだが、ラムは、「コクエキってなによー! 道が繋がって街が出来た方がみんなといっぱい遊べるじゃない!」不満そうに手足をバタバタ動かし、ロムは、「……お姉ちゃん、いじわる(しくしく)」と悲しそうな顔をする。

 

現在、ルウィーからプラネテューヌへのルートビルドの道は無く、ラステイションを経由することになる。

 

なので、このルートビルドで道が出来れば移動時間が短縮出来るのだ。

 

更に街が出来れば、そこに集まってみんなで遊べるのだ。

 

 

「でも、イストワールさんの言うようにこの辺は国から離れてるからモンスターが多いし、中継する場所があった方がいいと思います」

 

 

 ユニが意見をすると、「ユニ、もっとよく考えなさい。ここに交易都市が出来てしまったら、ラステイション本国の貿易が少なからず打撃を受けるわ」とノワールが答える。

 

それを聞いたユニは、「それはそうかもしれないけど……」不満そうに呟く。

 

 

「ぼーえきだか、せーえき知らないけど、何でそんなに反対するのよー!」

 

「ぶっ!?」

 

 

 ラムが不満そうに言うと、ブランが思わず吹き出してしまう。

 

 

「お姉ちゃん、どうしたの?」

 

 

 ロムが不思議そうに首を傾げると、ブランは、「交易と貿易よ。せいえきは違うわ」とやや恥ずかしそうに言うと、「せいえきとは気軽に言っていい言葉ではないわ。以後言わないように」と念を押す。

 

ラムが、「じゃあ、言わなかったら賛成してくれる!」と目を輝かせるが、ブランは冷静に、「それとこれとは話が別よ」とバッサリと切り捨てる。

 

 

「もー! お姉ちゃんの意地悪! きらーい!」

 

 

 ラムが反対の態度を崩さないブランにそう言うと、「嫌い……(つーん)」とロムがそれに続く、「ぐっ……」ブランは少し堪えたようだが、それで意見を変えるようなことは無いようだ。

 

 

「ロムちゃんもラムちゃんもブランを責めてはいけませんわ。それにイストワールにはもう一つ思惑がありますのよ」

 

 

 ベールはロムとラムを宥めながら、腕を組んでイストワールに厳しい視線を送る。

 

そこには先程の柔和で優しそうなお姉さんという雰囲気は無く、一国の国主としての威厳があった。

 

 

「流石は女神様、私の考えなどお見通しなのですね。確かに、この計画がプラネテューヌ主導となれば一番利益を得るのはプラネテューヌです」

 

 

 イストワールは隠す様子も慌てる様子もなく冷静に答える。

 

 

「つまり、あなた達の成長を餌に私達を出し抜こうとしているのよ」

 

 

 ノワールもイストワールに厳しい視線を送りながら言うと、「こんな見え透いた手に出なければならない程プラネテューヌは苦しいのかしら?」とブランは、聞くに値しない話だと言わんがばかりに文庫本を開く。

 

 

「えー! 何でこんな険悪になるかなー? いいじゃん、わたし主人公なんだし」

 

 

 ネプテューヌは明るい声を出して、三人の女神に協力を要請するが、「まぁ、こんな調子で誰かさんが失策したからでしょうけど」とベールはそれを皮肉交じりに返す。

 

先程はネプテューヌをフォローしてくれたベールだが、国全体が関わることとなると私情を挟まない。

 

 

「皆さんのご意見はごもっともです。しかし、この計画は女神候補生を中心と言うからには最初から最後までネプギアさんが主導になります」

 

 

 イストワールは険悪な空気をものともせず、ネプギアを指差す。

 

 

「は、はい! がんばりまひゅ!」

 

 

 ネプギアはこの険悪な空気の中で精一杯頑張って返事をするが緊張のあまり噛んでしまう。

 

 

「なに噛んでるのよ。しっかりしなさい」

 

 

 ユニはそんなネプギアを励ますそうに言うと、「ネプギアちゃん、頑張って(ふれーふれー)」とロムが続き、「ネプギア頑張れー!」とラムもネプギアを応援してくれる。

 

 

「……そう……そういう手を打ってくるのね」

 

 

 そう言いながら文庫本を静かに閉じるブランに、「やるわね、イストワール」とノワールも態度を軟化させる。

 

 

「あの……私で、いいんですか?」

 

 

 二人の態度の変化に驚くネプギアに、「わたくし達は犯罪組織との戦いでネプギアちゃんに大きな借りがありますわ。そのネプギアちゃんに手を貸さないと恩知らずと罵られてしまいますの」ベールが少し自虐気味に答えてくれた。

 

 

「暗黒星くろめに捕まったときもそうだけど、あなたがユニ達女神候補生を率いて戦ってくれなかったら、今の私達はないのよ」

 

 

 ノワールがそう言うと、「しかも、ついこの間シェアエネルギーの効率化やプロセッサユニットの改造を無償で提供してくれたばかり……」とブランが付け足してくる。

 

現にネプギア達女神候補生は囚われた四女神を二度も救っている。

 

そしてネプギアはその女神候補生のリーダーであり彼女達にとってなくてはならない存在なのだ。

 

実際に神次元から始まる事件で、キセイジョウ・レイが襲撃して来た際に、ネプギアを欠く女神候補生達はネプギアが合流するまで後方待機を命じられてしまう。

 

 

「更に、今のわたくし達の友好関係があるのはネプギアちゃん達女神候補生達のお陰。あなた達の戦う姿を見て、わたくし達は本当の意味で力を合わせると言うことを知りましたわ」

 

 

 ベールがそう言うと「私達がマジック・ザ・ハードに負けたのは実力不足以上に、ライバル同士である私達四女神が力を合わせると言うことに心のどこかでわだかまり感じていたからよ」とノワールが言う。

 

 

「それを取り去ってくれたのが、女神候補生をまとめてくれたあなたよ。ロムとラムにも良くしてくれるし、あなたは私達女神にとって中和剤なのよ」

 

 

 ブランがそう言うと、「……ふっ……こうやって挙げてみれば、あなたへの借りは枚挙にいとまがないわ。私達の方が先輩なのにね」とノワール少し自嘲気味に笑う。

 

 

「そんな……借りなんて……」

 

 

 ネプギアは遠慮気味にそう言う。

 

ネプギアにとって、犯罪組織や暗黒星くろめのとの戦いで四女神を助けたのは当然であって貸し借りなんて想像だにしていなかった。シェアエネルギーの効率化なども先に彼女が述べた通りである。

 

ユニやロムとラムと仲良くしてるのだって、友達になったのだから当然のことであった。

 

しかし、犯罪組織との戦いの中で生まれた女神同士の絆の中心はネプギアであり、それは彼女が思っている以上に重要な立場であった。

 

 

「あなたがそう思っていても、私達や世間がそう思わないのよ」

 

 

 ノワールはネプギアの台詞を予想していたかのように素早く返すと、「目上の者が目下の者に恩を受けておきながら返さないというのは、世間的に印象が悪いの」とブランもそれに続く。

 

 

「逆を言えば、ちゃんと恩を返せば義理堅いと言うことで、わたし達の評判も上がるわ」

 

 

 更にブランがそう続けると、「いつかは切られる外交カードだとは思っていましたが、こんなところで使ってくるとは思いませんでしたわ」とベールが言ってイストワールの手腕に感嘆した様子だった。

 

三人共いつかはネプギアに借りを返さねばとは心の中で思っていたが、ネプギア自身の謙虚な姿勢とプラネテューヌから何もアクションが無かったので、今の今まで特になにもしてこなかったのだ。

 

 

「ゲイムギョウ界の未来の為です、惜しくはありません。さあ、ネプギアさん皆さんにお願いをして下さい」

 

 

 イストワールはネプギアに話を振ると、ネプギアは椅子から立ち上がり一礼をする。

 

 

「……私、まだ未熟者で国益とか正直わかりません」

 

 

 ネプギアは両手を胸の前に当てる。

 

会議室にいる八人が静かに聞き入る、

 

 

「でも、この計画でゲイムギョウ界がより良くなって、私達女神候補生が女神様に一歩でも近づけるなら、全力で取り組みたいと思います」

 

 

 ネプギアは胸の前に当てた手を強く握り強い意志を示す。

 

 

「ですから、皆さんの力を貸してください!」

 

 

 そして三人の女神に訴えるように声を大きくする。

 

 

「お姉ちゃん、アタシもネプギアと一緒に頑張りたい」

 

 

 ネプギアの言葉に続けて、ユニも立ち上がりノワールに訴えかけると、「わたしもやりたい!」とラムが、「お姉ちゃんお願い(うるうる)」とロムも立ち上がりブランに訴える。

 

 

パチパチ……

 

 

「今回だけよ」

 

 

 ノワールが拍手を鳴らす。

 

 

パチパチ……

 

 

「……仕方ないわね」

 

 

 続けてブランも拍手を鳴らす。

 

 

パチパチ……

 

 

「流石はネプギアちゃん、素晴らしいスピーチですわ」

 

 

 そしてベールも拍手を鳴らす。

 

 

パチパチ……

 

 

「ネプギア、頑張ってね」

 

 

 そしてネプテューヌも当然のように拍手を鳴らす。

 

これで四女神全員の同意を得られたことになる。

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

勢い良く頭を下げるネプギア。

 

 

ごんっ!

 

 

「痛っ!」

 

 

 しかし勢いが良すぎて机に頭をぶつけてしまう。

 

 

「もう何やってるのよ……締まらないわね」

 

 

 ユニは呆れ顔だが、椅子から立ち上がると心配そうにネプギアに駆け寄る。

 

続けてロムとラムもそれに続く。

 

 

「痛いの痛いのとんでけー」

 

 

 ロムはそう言ってネプギアの額をさすると、ラムも「タッチしてあげる」と言って同じくネプギアの額をさする。

 

特に魔法は使っていないが小さなロムとラムの手にネプギアは癒される気分だった。

 

 

「ごめんね、変なところでドジして……」

 

 

 ネプギアは駆け寄ってくれた女神候補生の仲間に謝る。

 

 

「仕方ないわね。アタシ達がしっかりフォローしてあげるわ」

 

 

 ユニはそう言いながらも、どこか嬉しそうである。

 

 

「うん! みんながフォローしてくれるなら安心だよ。みんなよろしくね」

 

 

 ネプギアはそう言って右手を出す。

 

 

「任せなさい」

 

 

 ユニがネプギアの上に右手を重ねると、「わたし、ネプギアちゃんの為に頑張る(ぐっ)」とロムがその上に右手を重ね、「ラムちゃんにお任せよ!」と最後にラムが右手を重ねる。

 

 

「「「「えいえいおー!」」」」

 

 

 女神候補生四人の声が綺麗に重なる。

 

 

「いやー、相変わらずネプギア達は仲が良いねー」

 

 

 そう言いながらネプテューヌは右手を出す。

 

 

「……」

 

 

 文庫本を読むブラン。

 

 

「はぁ~、わたくしも妹が欲しいですわ~」

 

 

 鼻血を出しながら妹達を眺めるベール。

 

 

「……なにやってるのよあなたは?」

 

 

 冷めた視線のノワール。

 

 

「えー! みんな冷たいよー! わたし達も、えいえいおーしようよ」

 

 

 ネプテューヌが誰も手を出してくれないことを嘆くと、「そんな簡単に手を出すほど、私は安くないのよ」ノワールはそんなネプテューヌを更に突き放す。

 

 

「そんなこと言ってー、本当はノワールもああいうの憧れてるんでしょ~?」

 

 

 しかし、ネプテューヌは気にした様子もなく逆にノワールをからかうように言う。

 

 

「そ、そそんな訳ないでしょ!」

 

「はい、テンプレテンプレー」

 

「だーかーら! 私はネプテューヌのことなんて好きじゃないんだからね!」

 

「またしてもテンプレいただきましたー」

 

 

 反論するノワールに対して、ことごとくツンデレのテンプレ台詞と言って、ニヤニヤと笑うネプテューヌ。

 

 

「……」

 

 

 黙々と本を読み続けるブラン。

 

 

「はぁはぁ……ネプギアちゃん」

 

 

 妹達の写真を撮り始めるベール。

 

姉たち守護女神も、それぞれのスタンスで長年付き合っており仲は悪くはない。

 

しかし、全員自己主張が強く目立ちたがり屋なので、リーダーなど決めようと言おうものならば大荒れになる。

 

以前も誰が一番人気かと話が出ただけで、ゲイムギョウ界全体を巻き込んだ総選挙を始めてしまうぐらいだ。

 

ちなみに総選挙の結果は奇跡的に四人共同じ票数だった。

 

 

***

 

 

 四女神会議から三日が経った。

 

G.C.2019年6月23日 日曜日。

 

女神候補生達とルートビルド計画のメンバーはプラネテューヌの北東にあるギャザリング城に集合する。

 

 

 ギャザリング城は湖に囲まれた洋風の古城である。

 

以前は荒れ放題だったが、ウラヌスの意識が住む城ということでキチンと清掃されるようになっている。

 

 

「「「わーい!」」」

 

 

 城のテラスにロムとラムとプラエが元気よく飛び込む。

 

 

「今日から、ここが私達の拠点なのね」

 

 

 ユニがそう言いながらテラスに向かって歩いていくと、ネプギアが、「うん、プラネタワーは少し遠いからね」と言ってユニの後をついて行く

 

 

「うわー! 湖綺麗だよー!」

 

 

 ラムが城を囲む湖を指差すと「うん、キラキラしてる(ぴかぴか)」とロムも嬉しそうに湖を眺める。

 

プラエも、「綺麗ー!」とウットリした顔で湖を眺める。

 

 

「みなさんにこの城を気に入って頂けて嬉しいです」

 

 

 イストワールがテラスの入口から女神候補生達に向かって声を掛ける。

 

 

「ちょっと古いけど、掃除したら綺麗になったわね」

 

 

 その後ろに居たアイエフがテラスにいる女神候補生達と景色を眺めながら言う。

 

 

「厨房も広くって腕の振るいがいがあるです~」

 

 

 その隣に当然のようにコンパも居た。

 

彼女は料理が得意であり、その友人達はしっかり胃袋を捕まれている。

 

 

「その絵いいね! 一枚撮っていいかな?」

 

 

 ファミ通がカメラを構えて、ネプギア達女神候補生を撮影すると、ラムは、「いえーい!」とロムは、「ぶいっ!」と言ってファミ通にVサインで応えるロムとラム。

 

プラエもややぎこちなくではあるが、「ぴ、ぴーす」と言いながらダブルピースをしている。

 

 

「こうかしら?」

 

 

 ユニが髪をかき上げポーズを取と、ネプギアは、「ふふっ……ユニちゃん、それノワールさんに似てる」とその姿があまりにも姉のノワールに似ていたので笑ってしまう。

 

 

「はい、チーズ!」

 

 

 シャッターをおろすファミ通。

 

ルートビルド計画が始まり女神候補生四人を中心に、イストワールが補佐、アイエフは護衛、コンパが医療と料理、ファミ通が広報と言う形でチームが形成された。

 

プラエとあんみつは民間からの協力者と言うことで同行をしている。

 

当然ながらネプギアの作ったミクも一緒だ。

 

 

「ところでこの城以外目立った建物が無いんだけど、この辺りってなにがあるの?」

 

 

 ユニがネプギアに尋ねると、「この辺りは自然豊かで野菜や果物が美味しいんだよ」とネプギアがにこやかに答える。

 

 

「……つまり見ての通り、ド田舎ってことね」

 

 

 ユニがネプギアの答えを自分なり解釈するが、「amazoo.nepさんがあるから大丈夫」とネプギアがNギアを出しながら言う。

 

ネプギアがNギアを操作すると画面には動物のキャラクターが描かれたインターネットサイトが映っていた。

 

【amazoo.nep】とはインターネットショップでありNギアなどの携帯端末でも購入したものが即携帯ゲーム機のアイテム倉庫に転送される便利な店である。

 

 

「そういうのもあるけど、面白い場所とか見どころとかないの?」

 

 

 ユニが右人差し指を立ててそう言うと、ラムも左手を上げて、「あ、それわたしも気になる」と言いロムも右手を上げて、「わたしも」と続くと、「プラエも気になる」とプラエも右手を上げる。

 

 

「うーん……見どころって訳じゃないけど、この辺りにはデミヒューマンの人達が住んでるって言われてるよ」

 

 

 ネプギアは少し考えた後で、思い出したかのよう両手を合わせるとそう言う。

 

 

「「「でみひゅーまん?」」」

 

 

 ロムとラムとプラエが揃って首を傾げると、「デミヒューマンって言うのは人間に似てるけど違う種族のことだよ。エルフとか人魚とか」ネプギアがロムとラムとプラエに向けて説明する。

 

 

「本当にいるの?」

 

 

 ユニが半信半疑で聞くと、「実在しますよ。みなさんは人間の作った都市に住んでいるから分からないかもしれませんが、ゲイムギョウ界には古くからデミヒューマンが住んでいます」とイストワールが話に加わってくる。

 

 

「「「へー」」」

 

 

ロムとラムとプラエが声を合わせて関心を示す。

 

 

「過去にプラネテューヌで、【ライジングフォース】と呼ばれる多数の種族で構成された軍隊が、ダークドラゴンの脅威と戦ったこともあります。これはプラネテューヌでゲームにもなりましたね」

 

 

 イストワールが説明を続ける。

 

ライジングフォースとはプラネテューヌで発売されたSRPGで、今も【ライジングシリーズ】として続編が出されている。

 

ちなみにネプギアが使う攻撃力アップの補助魔法に同名の名前が付けられている。

 

 

「ルウィーにも似たお話がある……」

 

 

 ロムがそう言うと、「ルウィーを襲った暗黒竜を倒した、【ファイターエンブレム】の軍ですね」とイストワールが答えると「うんうん、それそれ。ゲームにもなってるよ」とラムが嬉しそうに頷く。

 

ファイターエンブレムはルウィーのSRPGで、ライジングシリーズと同じく今でも続編が出ている人気シリーズだ。

 

 

「ダークドラゴンと暗黒竜か……意味は同じよね」

 

 

 ユニがあごに手を当ててそう言うと、「関係性は色々と調査されましたが、今のところは不明です。当時はドラゴンによる脅威が多かったので」とイストワールが答える。

 

 

「デミヒューマンさん達は何でわたし達と一緒に住まないの?」

 

 

 ロムがイストワールに質問すると、「彼等には彼等なりの生態と文化があります」と言いながらイストワールがテラスから見える景色に指を差す。

 

 

「エルフは自然の精霊達と共に暮らし、ドワーフなら地中を好み岩穴で暮らします。人魚に至っては水辺でしか暮らすことが出来ません」

 

 

 イストワールが森や山や湖を指差しながら説明すると、プラエが、「そっか、人魚さんは街に住めないもんね」と納得したように頷く。

 

 

「人間は利便性を求め続け、デミヒューマンは昔の生活を守り続けてきました」

 

 

 イストワールがそう言うと、ネプギアが、「人間とデミヒューマンさん達の考え方が合わなくなってきたんですね」と言う。

 

 

「はい、その結果大きな争いは起きませんでしたが、人間とデミヒューマンは次第に別々に暮らすことになり、今はデミヒューマンはプラネテューヌとルウィーの辺境でひっそりと暮らしているのです」

 

 

 イストワールはネプギアの言葉に頷いて説明を続けると、ユニが、「ラステイションには居ないんですか?」とユニが質問する。

 

 

「いない訳ではありませんが、ラステイションが建国した頃には各国の都市化が進んでおりゲイムギョウ界の文化もファンタジー主流ではなくなっていました」

 

 

 イストワールの言う通り、昔のゲイムギョウ界は剣と魔法のファンタジーが主流だったが、時代が経つにつれ銃などの近代的な機械が混じって来ている。

 

 

「その為、ラステイションはデミヒューマンとの関わりが浅いのです」

 

 

 イストワールがユニの質問に答えると、「ここでお仕事していれば会えるでしょうか?」と今度はネプギアが質問する。

 

 

「会うこともあるでしょう。その時は女神様の立場を忘れずに寛大なお心で接して下さい。見た目は違いますが彼等もゲイムギョウ界を共に支えてきた仲間なのですから」

 

 

 イストワールが答えると、「はい、わかりました」とネプギアは素直に頷く。

 

 

 ネプギア達はテラスを後にして室内に入る。

 

 

「それでは早速ですが、お仕事のお話です」

 

 

 イストワールが話を切り出すと、手元に呼び出したキーボードを操作し始める。

 

 

「本格的な女神の仕事するなんて緊張するなー」

 

 

 ネプギアがそう言うと、ユニも、「そうね。アタシも緊張してるわ」と言いお互いルードビルド計画やそれに関するクエストに対して緊張を隠せない。

 

 

「そんなの簡単よ」

 

 

 そんな二人に対してラムが明るい声で割って入ると、「「え?」」と言ってネプギアとユニが首を傾げる。

 

 

「いい事して悪い奴をやっつければいいんだから」

 

 

 腰に手を当ててドヤ顔で宣言するラム。

 

彼女のこういう自信満々で単純なところはネプテューヌに似ている。

 

 

「ラムちゃんすごい(ぱちぱち)」

 

 

 ロムは嬉しそうにラムに拍手を送る。

 

 

「そんなに緊張しないで下さい。まずは基本中の基本モンスター討伐です」

 

 

 イストワールがキーボードを操作し終わると、ギャザリング城周辺の地図をホログラムで出す。

 

 

「まぁ、やっぱりそう来るわよね」

 

 

 ユニはそれを予想していたかのように腕組みして頷く。

 

 

「恥ずかしながら、ネプテューヌさんがお仕事をしない所為でモンスター討伐は山盛りです」

 

 

 地図に沢山の赤い点が映る。

 

 

「うわー、これ全部クエストなのー?」

 

 

 ラムは驚きの声を上げると、「大変そう……(おろおろ)」とロムも困り顔である。

 

 

「予想以上に多いわね」

 

 

 ある程度の数を予想していたユニも難しい顔をしている。

 

 

「ごめんね。私も頑張ったんだけど、捌き切れなくて」

 

 

 ネプギアは少し申し訳なさそうに驚く三人に声を掛ける。

 

ネプギアも頑張ってはいるのだが、どうしてもプラネテューヌ首都中心のクエストが優先になってしまう。

 

しかも、ネプテューヌは遠出を嫌がる上に最近はゲームと漫画とプリンに明け暮れて、まったくクエストをしていない。

 

 

「ネプギアの所為じゃないわよ。イストワール様、これはプラネテューヌ国内の問題、ネプ子にやらせるべきじゃないですか?」

 

 

 アイエフはネプギアをフォローしつつ、自分の意見をイストワールに伝える。

 

彼女の言う通り、ルートビルド計画に必要なクエストだけ女神候補生達で処理して他はネプテューヌにやらせるべきであろう。

 

 

「アイエフさんの言う事はごもっともですが、女神様の活躍は働く国民に力を与えます」

 

 

 イストワールがキーボードを操作すると、ディフォルメされた女神候補生達がモンスターを倒す姿がホログラムで表示される。

 

すると、つるはしを持った国民が喜ぶ姿が映し出される。

 

 

「アタシ達が国民の士気を高めるってことですね」

 

 

 ユニはイストワールの説明に納得したようで深く頷く。

 

 

「どういうこと? シキってなに? ロムちゃん、プラエ分かる?」

 

「ううん……わからない(ふるふる)」

 

 

 ロムとラムには少し難しかったようである。

 

プラエも首を左右に振って分からないと言った顔をしていた。

 

 

「私達がお仕事を頑張れば、一緒に道を作ってくれる国民のみんなも頑張ってくれるんだよ。士気って言うのは、みんなのやる気のことだよ」

 

 

 ネプギアがロムとラムとプラエに優しく説明をすると「……みんなで一緒に頑張ろうってこと?」と言ってプラエが首を傾げる。

 

 

「うん、私達が率先してお仕事することで、国民のみんなもお仕事してくれるの」

 

 

 ネプギアはプラエの言うことが当たっていると頷くと説明を続ける。

 

 

「ソッセン?」

 

 

 ロムがネプギアの説明に知らない文字が出たので首を傾げながら質問する。

 

 

「先頭に立つことだよ」

 

 

 ネプギアが質問に答えると、ラムは元気よく左手でガッツポーズを作り、「わかったわ! わたし達が先陣切ってガンガン行くのね!」と嬉しそうに言う。

 

 

「その通りです。これもルートビルド計画の一端です」

 

 

 イストワールはそう言いながら嬉しそうに頷く。

 

女神候補生達の理解が早く、自分の考えに好意的で、仕事に対しても積極的なのが嬉しいようだ。

 

すれているネプテューヌの相手で苦労しているイストワールには、ネプギア達のすれていない純粋さが癒しのようだ。

 

 

「それに、今ねぷねぷはプラネタワーでゲームしたりお菓子食べたりお昼寝してるですー」

 

 

 コンパの言う通り、ネプテューヌは以前の会議でイストワールのお許しを得たので、相変わらず仕事をせずにまったり過ごしている。

 

 

「上手いところ他国の女神に自国のお仕事させるなんて、イストワール様は案外策士だねー」

 

 

 ファミ通は素直な感想を言うと、「そうね、ああ見えてもプラネテューヌ今の今まで引っ張って来た手腕は伊達じゃないわね」とアイエフも感嘆の声を上げる。

 

 

「じゃあ、みんな頑張ろう!」

 

 

ネプギアはそう言って以前のように右手を出すと、いつものように他の女神候補生とプラエが手を重ねる。

 

 

「「「「「えいえいおー!」」」」」

 

 

女神候補生とプラエの声が綺麗に重なる。

 

 

「私の力じゃありません。これはネプギアさんを中心とした女神候補生達の信頼関係から成り立つことです」

 

 

 イストワールは女神候補生達を嬉しそうに眺めながら、アイエフとファミ通にそう言う。

 

 

「なるほど」

 

 

 ファミ通はイストワールの発言を素早くメモに取る。

 

 

「それじゃ、クエストに行こっか」

 

 

 ネプギアがそう言うとテラスを後にする。

 

ユニも、「そうねそうしましょう」と言いネプギアの後に着いて行く、ラムは飛び跳ねながら「率先してガンガン行くわよ~」とネプギアを抜いて先頭を走り、ロムは「いっぱい士気をあげようね(ぐんぐん)」と両手で小さくガッツポーズする。

 

やる気十分でギャザリング城の出入り口まで行く女神候補生達。

 

門に着くと、あんみつとフィナンシェが待っていた。

 

二人は丁寧に一礼をすると「「みなさま行ってらっしゃいませ」」と言う。

 

どうやら見送りに来てくれたようだ。

 

 

「行ってくるねー! フィナンシェ、あんみつー」

 

 

 ラムは二人に大きく手を振る。

 

 

「フィナンシェさんも来てたんだね」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「……お姉ちゃんがつけてくれたの」とロムが答えてくれる。

 

フィナンシェはルウィーに住むブランのメイドだが今回の計画でロムとラムの世話を頼まれたのである。

 

 

「私個人もフィナンシェさんとお付き合いがありましたので、お願いしておきました」

 

 

 イストワールとフィナンシェは以前からの知り合いでメル友でもある。

 

 

「そういえば、コンパってお料理上手なのよね?」

 

 

 ラムがコンパに確認するように言うと、「はいですぅ、みんな美味しいって言ってくれます」コンパはそう言って嬉しそうに頷く。

 

前述したようにコンパは料理が得意でネプギアやネプテューヌにアイエフ等に料理を振るうことがよくある。

 

家庭的で美味しいと皆に評判である。

 

 

「フィナンシェもお料理は上手なのよ」

 

 

 ラムは得意そうに言うと「それは楽しみですー、お料理友達になれたらいいです」とコンパはウキウキ顔で嬉しそうに言う。

 

それを聞いたプラエは、「お料理なら、あんみつも上手だよ」と言った。

 

 

「……今日のご飯楽しみ(うきうき)」

 

 

 ロムも嬉しそうに言うと、ネプギアが、「それじゃあ、しっかりお仕事してお腹減らさないとね」と言い、「そうね、空腹は最大のスパイスって言うし」とユニもそれに続く。

 

 

***

 

 

 初日ということで周囲のスライヌやひよこ虫退治などの簡単なクエストを終えてギャザリング城に戻ったネプギア達。

 

そして夜になり、食卓にコンパとフィナンシェとあんみつの作った夕食が並ぶ。

 

 

「わ! 凄く美味しそうです」

 

 

 色とりどりの料理に目を輝かせるネプギア。

 

 

「頑張って腕を振るいました~」

 

 

 コンパは喜ぶネプギアを見ながら、嬉しそうに料理を並べている。

 

 

「みなさんのお口に合えばよいのですけど」

 

 

 フィナンシェもコンパと一緒に料理を並べると、「ウチのシェフより豪勢かも」とユニも関心をする。

 

そうしている間にコンパとフィナンシェとあんみつが料理を並べ終える。

 

 

「早く食べようよ」

 

 

 ラムがそう言ってナイフとフォークを握ると、ロムも、「早く食べたい(わくわく)」と言って同じようにナイフとフォークを握る。

 

早く食べたくて待ちきれないと言った感じである。

 

 

「ロムちゃん、ラムちゃん、もう少し待って。みんなで、いただきますしてからだよ」

 

 

 ネプギアはそんな二人を優しく諭すように制する。

 

 

「「はーい」」

 

 

 素直に言うことを聞くロムとラム。

 

二人とも幼いので多少ワガママなところはあるが、食事のマナーは心得ているようだ。

 

 

「……ネプギアちゃん、いただきますってどういう意味なの?」

 

 

 待っている間退屈なのかロムが首を傾げながらそう質問すると、「そう言えば、お姉ちゃんとミナちゃんに言うように言われてるけど意味は知らないかも」とラムもそれに続いて首を傾げる。

 

プラエも首を傾げて、「プラエも知らない」と言った。

 

 

「いただきますは食事の素材を作ってくれた農家の人達や、料理を作ってくれた料理人の人達、そしてその食材になってくれた生き物に感謝する言葉だよ」

 

 

 ネプギアは三人の退屈しのぎに付き合うように、優しい声で説明をしてあげる。

 

 

「ごちそうさまは?」

 

 

 ロムが続けて質問すると、「それも知りたいー」とラムが左手を上げる。

 

 

「ごちそうさまも、料理そのものに対しての感謝だけじゃなくて、料理を用意してくれた人達に対して感謝の気持ちを表した言葉だよ」

 

 

 ネプギアは続けてロムとラムに説明すると、ロムとラムとプラエは声を揃えて、「「「へー」」」と言う。

 

 

「ネプギアちゃん物知り(かんしん)」

 

 

 ロムは素直に感心するが、ラムは腕を組んで首を傾げると、「でも、わたし達女神なのに言わなきゃいけないの?」と言う、自分は女神なのだからいちいち言う必要があるのかと言う疑問があるようだ。

 

 

「女神様だからだよ。みんなの模範にならなきゃいけないでしょ」

 

 

 ネプギアはそんなラムに優しく言い聞かせるように言う。

 

 

「モハン? 狩りゲー?」

 

「それはモンハン」

 

 

 模範の意味の分からないラムはいつものように当てずっぽうな意見を言うが、今度はユニがツッコミを入れる。

 

ちなみにモンハンとは略称で正式名は【モンスターハングリー】。

 

狩りゲーと呼ばれる大人気3DアクションRPGで、巨大なモンスターと戦いモンスターから素材を採取してパワーアップするゲームである。

 

主にラステイションで人気のあるゲームだが、ルウィーでも好評で、ユニとラムはこのゲームが得意である。

 

ちなみに彼女達の友人の【シーシャ】もこの狩りゲーが大得意。

 

 

「お手本のことだよ。偉い人ほど、みんなのお手本になるんだよ」

 

 

 ネプギアが模範のことを簡潔にラムに教えると、「そうよ、偉いからってふんぞり返って横着ちゃダメなのよ」とユニが付け加える。

 

 

「うん、みんな平等だって思わなきゃ」

 

 

 ネプギアはユニの言葉に対して、頷いて更に言葉を繋げる。

 

 

「わかったわ。みんなのお手本になるよう頑張るわ」

 

 

 ラムは納得したようで深く頷くと、「みんな平等(にこにこ)」とロムも嬉しそうに微笑む。

 

 

「流石は女神様、素晴らしい教養ですね」

 

 

 いつの間にか食卓に居たファミ通が感嘆の声を上げると、「いーすんさんの教育が良いからですよ」とネプギアは自分の教育をしてくれたイストワールを褒める。

 

 

「やっぱり、ネプギアの教育はイストワール様が?」

 

 

 その言葉に同じく食卓に現れたアイエフがイストワールに質問をすると、「ネプテューヌさんが育てて、ネプギアさんのような子が育つと思いますか?」とイストワールが答える。

 

 

「それもそうですね……未だにどっちが姉か怪しいですし」

 

 

 イストワールの回答に素直に頷いて納得するアイエフ。

 

 

「それでは、みなさん揃ったので、いただきましょう」

 

 

 ネプギアはリーダーとしての責務を果たす為に全員に声を掛ける。

 

それに合わせて全員席に着くが、フィナンシェとあんみつは席を外そうとする。

 

 

「フィナンシェ達も一緒に食べようよー」

 

 

 そんなフィナンシェにラムが声を掛けるが、「メイドである私達が皆さんと同じ食卓に付く訳にはいけません」フィナンシェはそう言ってキッパリと断る。

 

 

「わたし、前からフィナンシェさんと一緒にご飯食べたかった(うるうる)」

 

 

 ロムがそんなフィナンシェを上目遣いで見上げると、「そのような目をされても困ります……」とフィナンシェは眉をハの字にして困り顔になってしまう。

 

いつもなら彼女達の姉であるブランが止めてくれるのだが、この場にはブランは居ない。

 

ロムとラムもそれを分かって言っているのだろう。

 

 

「ロムちゃん、ラムちゃん、フィナンシェさん困ってるよ」

 

 

 ネプギアはそんなフィナンシェに助け舟を出すが、ラムは、「えー!ネプギア、さっき【みんな平等】って言ったじゃない」と口を尖らせ、ロムは、「嘘だったの(がっかり)」と悲しそうな顔をする。

 

二人とも本気でネプギアに失望した訳ではない。

 

ネプギアの言いたいことは普段からブランにも言われていることだから本当は分かっているけど、ネプギアに自分たちのワガママに付き合って欲しくてこんなことを言っているのだ。

 

歴史と伝統を重んじるルウィーの女神であるブランでは許してくれないが、リベラルなプラネテューヌの女神の上に優しいネプギアなら許してくれるだろうと思っていた。

 

要はネプギアに甘えているのだ。

 

 

「確かにそうだけど、フィナンシェさんにも立場や考え方が……」

 

 

 ネプギアはフィナンシェの立場や信念など色々丁寧に説明しようとしたが途中で言葉を止める。

 

 

(そっか……ロムちゃんとラムちゃんは普段はフィナンシェさんと一緒にご飯食べられないんだよね……それって寂しいよね……ロムちゃんもラムちゃんも、そしてフィナンシェさんも……)

 

 

 ネプギアは何となくだが、ロムとラムが言いたいことが分かったようだ。

 

皆で仲良く食べたいと身分と言う大人の事情を無視した単純で子供じみた理由だが、ネプギアはそれを叶えて上げたいと思った。

 

それに、ネプギア自身も本当はロムとラムのお願いどおり、フィナンシェ達に一緒に食事をして欲しいと思っている。

 

 

(それにここで長話なんかしたら、折角のご飯が冷めちゃうし……よし! 決めた!)

 

 

 ネプギアは心にそう決めるとフィナンシェの方を向く。

 

何となくだが、自分に助けを求めているようなフィナンシェの顔を見ると心が痛む気がするが、自分の考えが正しいと信じて口を開く。

 

 

「フィナンシェさん、ごめんなさい! やっぱり一緒にご飯食べて下さい。私もフィナンシェさん達と一緒にご飯食べたいです」

 

 

 ネプギアはフィナンシェに頭を下げるとそう言う。

 

 

「ええええ!?」

 

 

 フィナンシェはネプギアが自分の事情を説明してくれると思っていので驚いてしまう。

 

事の成り行きを見守っていた、あんみつも、「ネプギア殿!?」と驚きの声を上げてしまう。

 

 

「折角の食事が冷めてしまいますし、それにやっぱり別々に食べるのは寂しいと思います」

 

 

 ネプギアは一人で食事をするフィナンシェの姿を想像して、それを寂しく思ったのか説得にも熱が入る。

 

 

「慣れてますし……」

 

 

 それでも退かないフィナンシェだが、ネプギアは、「リーダー権限です!」と言ってフィナンシェを強引に押し込もうとする。

 

普段は大人しく権限などひけらかすことのないネプギアだが、正しいと思ったことには多少強引でも全力で一直線に突き進む。

 

 

「リーダーの命令よ。従いなさい」

 

 

 ラムがフィナンシェを指差してそう言うと、ロムも同じように指差しをして、「命令(びしっ)」と言う。

 

二人とも自分達の思った通りネプギアが味方してくれたのが嬉しいようだ。

 

 

「そんなー」

 

 

フィナンシェはオロオロしてしまう。

 

 

「フィナンシェさん、私からもお願いします。このままでは折角の食事も冷めてしまいますし、無礼講と言うことでお付き合い下さい」

 

 

 イストワールもネプギア達の味方をすると、フィナンシェは「し、仕方ないですね。ブラン様には秘密ですよ……」と諦めたように言う。

 

女神のネプギア達や友人のイストワールに言われ、フィナンシェも観念したようだ。

 

 

「あ、あんみつ……プラエも……」

 

 

 プラエが物欲しそうな上目遣いで、あんみつを見る。

 

その目はロムとラムと同じように、一緒に食べようと言っているようだった。

 

 

「わかりました。プラエ様に従いましょう」

 

 

 今までの話の流れからして、反対しても無駄だと悟ったあんみつは素直に了承をする。

 

それを聞いたプラエは笑顔で、「やった。ありがとう、ロムさん、ラムさん、ネプギアお姉さん」と感謝の言葉を言った。

 

 

「流石はネプギアちゃん(にこにこ)」

 

 

 ロムが嬉しそうに微笑んでそう言うと、ラムも「うん、わたし達のリーダーだもんね」と言ってニコニコする。

 

 

「ネプギアって変なところで強引なところあるわよね」

 

 

 ユニはネプギアを呆れ顔で見つめると、ネプギアは、「ダメだったかな……。でも、食事はみんなで食べた方が美味しいし……」と不安そうな顔をする。

 

ユニに、自分がリーダー権限の乱用をしたように思われて嫌われたんじゃないかと思ってしまったようだ。

 

 

「べ、別にダメとは言ってないでしょ。そんな顔してないでよ」

 

 

 ユニは慌てて、訂正をする。

 

本当は、ユニはネプギアのこういうところが好きなのである。

 

しかし、素直になれないのか、つい少し捻くれた言い方をしてしまったのである。

 

 

「では、失礼します」

 

「プラエ様、一緒に食べましょう」

 

 

 その間に、フィナンシェとあんみつは自分の分の食事を持って食卓に着く。

 

それを確認したネプギアは、「いただきます」と手を合わせて言うと、「「「「いただきます」」」」」と全員がそれに続く。

 

 

「おいしーーー!」

 

 

 一口食べるとラムが大声で絶賛し、「……コンパさんのお料理美味しい……」とロムも目を輝かせてモクモクと食べ、「本当、家庭的で美味しいわね。何て言うか温かさがあるわ」ユニも嬉しそうに食べ続ける。

 

 

「そんなに褒められると照れちゃいます~」

 

 

 みんなの称賛に嬉しそうにするコンパ。

 

 

「こーゆーの、おたふくの味って言うのよね」

 

 

 ラムが得意そうにそう言うと「ええっ! 風邪の味がしますか?」とコンパが驚いてしまう。

 

 

「えーと……おふくろの味の間違いだと思います」

 

 

 ネプギアは落ち着いてラムの言い間違いをコンパに伝える。

 

 

「フィナンシェ達の料理もなかなかのものよ」

 

 

 今度はアイエフがフィナンシェとあんみつの料理を褒めると、「はい、コンパさんのと同じくらい美味しいです」ネプギアも美味しそうに料理を口に運び、「これは、プラチナ殿堂入りだね」とファミ通も褒める。

 

 

「ありがとございます。お口にあったようで何よりです」

 

 

 フィナンシェは嬉しそうに微笑むと一礼する。

 

 

「フィナンシェとコンパとあんみつの料理は、わたし達、女神候補生と同じくらい最強の組み合わせね」

 

 

 ラムがコンパとフィナンシェとあんみつを褒める。

 

 

「わたしもフィナンシェさん達と一緒にお料理できて楽しかったです」

 

 

 コンパが嬉しそうにそう言うと、フィナンシェも微笑んで、「私もコンパ様に色々と学ぶところがありました」と言う。

 

 

「ところでネプギア……アレは大丈夫なの?」

 

 

 ユニが指を刺したのは長ネギを丸ごとバリバリと食べているミクだった。

 

 

「あれは見た目だけで、中身はミクちゃんのエネルギー源になる、【メカビタンA】だから平気だよ」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「あの緑のジュースも?」とユニが再び質問する。

 

 

「うん、あれもメカビタンA」

 

 

 ネプギアの答えに、「もうちょっと見た目とか何とかならなかったの?」とユニが訝しげに聞いてくる。

 

 

「どうもこうも、ミクちゃんのリクエストだし……」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「あっそ……本当にネギとか好きなのね」とユニが呆れ顔で答える。

 

ネプギア達はみんなで談話しながら楽しい夕食を過ごし、夕食を終えたネプギア達は談話室に座っていた。

 

 

「はー、食べた食べた」

 

「おなかいっぱい(ぽんぽん)」

 

 

 ロムとラムは満足そうにお腹をさすると、「二人とも食べ過ぎよ」とユニはロムとラムに軽く注意する。

 

 

「だって美味しかったんだもーん」

 

 

 ラムは特に気にした様子もなく言う。

 

 

「ネプギアちゃん、膝枕して……」

 

 

 ロムは食べ過ぎたから横になりたいのかネプギアの袖を引っ張りながらそうお願いをしてくる。

 

 

「いいよ、はい」

 

 

 ネプギアは快くロムに膝を差し出すと、「わーい(ふかふか)」とロムは嬉しそうにネプギアに膝枕される。

 

 

「あー! ロムちゃん、いいなー、私も」

 

 

 ラムは羨ましそうに手をブンブン振る。

 

 

「二人いっぺんには無理だよ。ユニちゃんお願い」

 

 

 二人を膝枕するのは無理なので、ネプギアはユニにお願いする。

 

 

「仕方ないわね、ほら」

 

 

 ユニは特に反対もせず、ラムに膝を差し出す。

 

 

「わーい、ユニちゃんもふかふかー」

 

 

 ラムも嬉しそうにユニに膝枕されると、「いいですねー、絵になりますねー」とファミ通がその四人の姿をカメラで撮影する。

 

それを見たプラエは羨ましそうに、「あ、あんみつ……」とあんみつに呼びかけると、「どうぞ」とあんみつは自分の膝をプラエに差し出す。

 

 

「えへへ……。これで、ロムさんとラムさんとお揃い」

 

 

 プラエは嬉しそうに微笑んで、あんみつの膝に自分の頭を乗せる。

 

 

「ギアちゃん達仲良しさんです~」

 

 

 コンパは嬉しそうにその光景を眺めると、「そうね。私達も見習わなきゃね」アイエフはコンパの言葉に頷く。

 

 

「あいちゃんも膝枕して欲しいですか?」

 

 

 コンパは何故かアイエフが膝枕したいという解釈に至り、アイエフに膝を差し出す。

 

 

「べ、別にそういう訳じゃ……。でも、コンパがどうしてもって言うなら……」

 

 

 アイエフは一瞬ためらうが、コンパに膝枕されたいという欲望が勝り素直に膝枕される。

 

 

「なんだか和みますね~」

 

 

 フィナンシェが和みながらその光景を見つめると、イストワールも、「そうですね」と言い嬉しそうにお茶をすする。

 

 

「そう言えば、ウラヌスさんはどうしたんですか?」

 

 

 ネプギアは膝枕をしているロムの頭を撫でながらイストワールに質問をする。

 

 

「ウラヌスさんにはこの場所を使うことをお伝えして承諾を得ています」

 

 

 イストワールがそう言うと、「毎日お供え物をするよう承っております」とフィナンシェが続けて言う。

 

 

「そうですか。騒がしくて嫌がられたらどうしようと思っちゃいました」

 

 

ネプギアがホッとしながらそう言うと、「すぅすぅ……」と安らかな寝息が聞こえてきた。

 

 

「ロムちゃん? ……寝ちゃったのかな?」

 

 

ネプギアがそう言うと、「こっちも寝ちゃったわね」と言ってユニがラムの頭を撫でる。

 

 

「ユニちゃん、ベッドまで運ぼ」

 

 

 ネプギアはそう言うと、起こさないようにロムを抱きかかえ、ユニも、「そうね」と言ってラムを抱きかかえて二人はロムとラムの部屋に歩いて行く。

 

 

「いやー……和やかで良い雰囲気ですねー」

 

 

 ファミ通が写真を撮りながらそう言うと、「この調子ならルートビルド計画も上手く行きそうです」とイストワールも微笑みながら同意する。

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