新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2021年5月30日 日曜日。
ゴッデスファイト決勝トーナメント。
準決勝第一試合後のブランとミナの控室。
ネプギアがユニを救出する為に開けたバトルフィールドの穴の修理で第二試合は延期されていた。
「……くそっ……ネプギア奴、わたしの妹を手懐けやがって」
ブランが毒々しく言うと、「……ブラン様」と教祖の西沢ミナが切なそうに呟く。
その時、突如として控室の床の一部が光る。
「これは!?」
驚きの声を上げるミナ。
次の瞬間、ブランとミナの目の前に、白髪の優雅そうな女性と、少年のような元気そうな少女が現れる。
「文子様!? それに音子様まで!!」
驚きの声を上げるブランが、すぐさま床にひざまずくと、ミナもその隣でひざまずいて。
以前にも書いたことがあるが文子はゲイムギョウ界の元祖とも言われる偉大なルウィーの女神で、現在のゲイムギョウ界の元号であるG.C.は彼女の誕生を元に始まっている。
キリスト教で言えば、ゲイムギョウ界のイエスキリストに当たる。
その為、G.C.2021年当たる現在は彼女は二千歳を超えている。
音子はその妹に当たり、ゲイムギョウ界の初代携帯ゲームとも言って良い女神だ。
文子程ではないが、彼女もかなりの高齢の女神だ。
「よー! ブラン。苦戦してるみてーじゃん」
少年のような女神、音子が気軽にブランに声を掛ける。
「見苦しい様をお見せして、申し訳ありません!」
それに対してブランは平身低頭で真剣な声で答える。
「音子よ」
文子が鈴の鳴るような声で言うと、「なんだよ? ねーちゃん」と音子が両手で後頭部を押さえながら言う。
「時間がない。あと、公の場ではねーちゃんは止めなさい」
文子がそう言うと、「はーい」と音子が不満そうに言う。
「ブランよ、すまぬ。苦労を掛けた」
文子がそう言って軽く頭を下げると、「いえっ!! 文子様に何一つ非はありません。全てはわたしの不徳の致すところ!!」とブランが音子の時より更に平身低頭になる。
ブランは文子を非常に尊敬しており、彼女の命であれば死地にでも赴くほどだ。
「いや、謝らせてもらおう。わらわがロキに騙されておらねば、このような事態にはならなんだ」
文子がそう言うと、「ねーちゃん、時間がねぇんじゃねーの?」と音子が口を挟む。
「そうじゃったな。あと、公の場ではねーちゃんは止めなさい」
文子がそう言うと、「単刀直入に言おう。ルウィーの危機じゃ、ファイターエムブレムほぼ壊滅し暗黒竜が猛威を振るっている」と続けて言う。
「そんな!? ファイターエムブレムが!? 文子様の軍が!?」
驚きの声を上げるブランに、「すまぬ。スターライトスーパーノヴァが新たな暗黒司祭カーネフの魔法に破られた」と文子が言う。
「ねーちゃんのスターライトスーパーノヴァは暗黒魔法ムコーに対する唯一の手段だった筈なんだ。だがそれが通じねぇんだ」
音子がそう言うと、「わらわの慢心じゃ。あの魔法があればカーネフなど物の数ではないと、高を括っておった」と文子が言いながら、【ペシン】と音子の頭を叩く。
「いてーよ、ねーちゃん!」
不満を言う音子の頭を更に、【ゴツン】と文子がゲンコツをする。
「公の場ではねーちゃんは止めなさいと何度言わせるのですか?」
文子が怒気を含んだ声で言うと、「だって、ねー……」と音子がそこまで言うと、文子の右手に凄まじい魔力が溜まる。
「や、やめっ! ねー、ねー、ね、姉様!!」
音子が顔を真っ青にして言うと、文子の右手の魔力が収まる。
「ふーふー……あ、あぶねー……」
安堵の声を上げる音子。
「用件は三つです。一つは今すぐ援軍が欲しい、もう一つはスターライトスーパーノヴァを進化させるヒントになるような物、最後のその進化したスターライトスーパーノヴァの使い手がいります」
文子が簡潔に言うと、「一つ目は直ぐに手配します」とブランが言うと、「ミナ」と隣のミナに声を掛ける。
「かしこまりました」
ミナはそう言うと、「失礼します」と言って通信魔法を唱え始める。
「二つ目と三つ目はどうじゃ?」
文子の問いに、「大変申し訳ございません。即答をいたしかねます」とブランが心底申し訳なさそうに言う。
「そうなのか? 確かにお前には魔法の才能がないけど、確か妹達が魔法の使い手って、ねーちゃ……」
音子がそこまで言うと、凄まじい魔法の音が周囲に響く。
音子が恐る恐る後ろを見ると、文子が今度は両手に凄まじい魔力を貯めていた。
「し、死ぬ!? 助け! お、お姉様!!」
音子の声で、文子の魔力が収まる。
「ブランよ」
文子がそう言うと、「ははっ!」とブランが返事をする。
「もしやと思うが、わらわ達の言葉がお前達姉妹を苦しませてしまったか?」
文子がそう言うと、「そのようなことは決して!! 文子様の言に間違いはありません。わたしが愚妹の説得に失敗したのです!」とブランが平身低頭で申し訳なさそうに言う。
「ブランや……音子を見れば分かるであろう? 妹とは姉に甘えたいのじゃ、二千年歳を超えた今も音子はまったく成長しておらん」
文子が優しい声でそう言うと、「ルウィーの伝統を重んじて厳しく躾けるのは否定せん。だが加減を誤るな」と今度は厳し目の声で言う。
「ははっ!! 面目次第もありません!!」
ブランが心底申し訳なさそうに言うと、「して、どうじゃ?」と文子が言う。
「妹達は、責任を持ってわたしが説得します。スターライトスーパーノヴァの強化も他国の技術を頼れば見込みはあると思います」
ブランが真剣な声で言うと、「すまぬ。苦労をかける」と文子が言う。
「もったいないお言葉。必ずや成し遂げてみせます!」
ブランが力強く嬉しそうに言うと、「時にブランよ……その禍々しい気はなんじゃ?」と文子が厳しめの声で言う。
「こ、これは……」
ブランが狼狽すると、「すまぬ。わらわがロキに騙された時のものじゃな?」と文子が言う。
「……はっ」
誤魔化しが効かないと感じたブランは申し訳なさそうに頷く。
「その力はいかん。わらわが浄化……」
文子がそこまで言うと、「そうはいかねぇなぁ」と男の声がする。
「ヤバイよ! ねーちゃん! アイツだ! 蝶子でも止められなかったんだ!!」
音子がそう言うと、「苦労かけさせやがって!」とロキが現れ、同時に現れた一人の女性の頭を踏みつける。
「くうっ!!!」
苦しそうに声を上げる女性。
「蝶子様!!!」
ブランが叫ぶと、「す、すみません。文子様……時間を稼げませんでした……」と蝶子と呼ばれた女性が苦しそうに言う。
「うるせえよ。黙れ」
ロキはそう言うと、蝶子の腹に蹴りを入れる。
「ぐうっ!」
痛みで声を上げる蝶子。
彼女は文子の後を継いだ三代目のルウィーの女神だ。
ゲイムギョウ界に文子に次ぐ長期政権を築いたが、晩年はラステイションやプラネテューヌのCDソフトに技術に追い付けず、後塵を拝することになる。
「テメェ!! 蝶子様になんてことしやがる!!」
ブランが激高してロキに向かって行くが、「威勢はいいが、俺様に攻撃できるかな?」とロキは余裕の表情だ。
「いかん! ブラン、考えなしでは奴に勝てん!」
文子が警告するが一瞬遅かった。
「悪霊よ……善き者の手足を封じよ……ムコー!!」
ロキが魔法を唱えると、ブランの手足が動かなくなる。
「な、なんだコイツは?」
驚くブランに、「おらよっ!!」とロキがブランの腹にボディブローを入れる。
「ぐあっ!?」
吹き飛ばされるブラン。
「あれあ、新しいムコー……」
ミナがそう言うと、「そっちの教祖は分かってるみてぇだな」とロキが言う。
「さてと、早速だが死んでもらうか」
ロキがそう言うと、「くっ……この獅子身中の虫が……」と文子が悔しそうに唇を噛む。
「ああ、そう言えばそうだったな。弓使いのカシウだったか? あいつに化けたら、お前らあっさり信用するんだもんな。アッハハハハハハ!!!!!」
ロキがそう言って高笑いすると、「しねー!」と今まで黙っていた音子がロキの背後から蹴りを入れようとする。
「バカか? テメェなんて、ムコーを使うまでもねぇよ」
ロキが鋭い裏拳を音子に当てると、音子は思いっきり吹っ飛んで意識を失ってしまう。
「おっ! 面白いこと思いついたぜ」
ロキはそう言うと、文子に向かって行く。
「くっ……!」
文子は素早く魔法を溜めるが、「効かねぇよ。悪霊よ……善き者の手足を封じよ……ムコー!!」とロキが言うと、溜まった魔法が霧散してしまう。
「やはり無理か……」
悔しそうに言う文子の右手をロキが捩じ上げる。
「ぐうっ!?」
苦しそうな表情を浮かべる文子。
「文子様っっっ!!!!」
焦りの声を上げるブラン。
「おっと、少しでも動いてみな。文子様とやらがただじゃすまないぜ」
余裕の声を上げるロキに、「俺様の言う事を聞けば解放してやるよ」と続けて言う。
「ブラン! わらわに構うな!!」
声を上げる文子だが、「……望みはなんだよ」とブランがぶっきらぼうに言う。
「ブラン!!!」
声を上げる文子に、「……申し訳ございません文子様。その命だけは聞けません」とブランが頭を下げる。
「聞き分けがいいじゃねぇか。今、カオスエナジーに逆らってるよな? ソイツを止めろ」
ロキがそう言うと、「いかん!! それだけはならん!!」と文子が大声を上げるが、「黙れよババア」と言ってロキが文子の腕をねじ上げる。
「やめろ……やめるのじゃブラン……」
必死に訴える文子だが、「……本当に申し訳ございません。文子様、ご無事で……」ブランはそれだけ言うと、悔しそうに目を閉じる。
「うぐっ!? うああああああああああああああああああああああああ!!!」
苦しそうに呻くブラン。
次の瞬間、以前より更に尻尾の数が増えた、カオス化したネクストフォームのブランが居た。
「コイツで御膳立ては出来た。後はイクス次第か?」
ロキがそう言うと、「約束です! 文子様を離しなさい!!」とミナが大声で言う。
「嫌だね。コイツを返して欲しかったら、暗黒竜を倒してみるんだな。無理だろうがな!! アーーッハッハッハッハーーー!!」
ロキはそう言うと文子を連れて消えてしまう。
(頼むぞ、音子……お前に託したスターライトスーパーノヴァの魔導書がファイターエムブレム。いや、ゲイムギョウ界の最後の希望じゃ)
文子はそう思いながらロキに手を引かれるまま連れ去れれて行く。