新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2021年5月30日 日曜日。
ゴッデスファイト決勝トーナメント。
決勝戦前。ノワールの意識は闇の中を漂っていた。
「僕は神宮寺ケイ。今日からラステイションでお世話になる」
「目的? まぁ、君も勘づいているんじゃないかな? 不振のラステイションの立て直しと冴えない三代目女神の監視役」
「ふむ……噂とは当てにならないものだね。世間では冴えない三代目と言うが、やはり不景気の波が問題か?」
「コーヒーでも飲むかい? ブラックが嫌なら砂糖とミルクもあるよ」
「僕を教祖に? 正気かい? 僕はただの監視役で……わかった。君にそこまでの覚悟があるなら君の力になるよ、ノワール」
「そこはそうじゃないだろう? うんうん……君の言う事も分かるがリスクが大きすぎる。そうか、そこまで言うなら僕も出来る限りフォローするよ」
「すまない。君に無理をさせてしまった。まさか犯罪組織はあそこまで強いと思わなかったんだ。仕事は僕に任せてじっくり休養するといい」
「もういいのかい? 無理は禁物だよ」
「ラステイションを立て直すには、もっと上から根本的に見直す必要がある。だから僕は行くよ。本当は君の側に居てあげたかったんだが、本部からの誘いでもあるし、これが成功すればラステイションを立て直せるかもしれないんだ」
ノワールの頭の中では何度も教祖の神宮寺ケイとのやり取りが思い出されていた。
(最初はいけ好かない子だと思ってた。監視とか冴えないとか……でも、直ぐに間違いであることに気付かされた。ケイは優秀で冷静に物事を判断してくれる。私の仕事を本心から認めてくれたのはケイだけだった。クールでドライなんて言われているけど、それは仕事や契約に対して真剣に取り組んでいるだけ。ケイはいつも私の考えを分かって的確にフォローしてくれる。そんなケイを信用して教祖に……いえ、違うわね。あの時からだった、ケイだけが私の本当の理解者だって気付いて側に居て欲しくて……ああっ……もっと早く気付いて素直になっていれば)
ノワールがそこまで思うと、彼女に黒い闇がまとわりつく。
(くっ……またなの? 何度あの子をネプギアを憎ませるの……このまま意識を保ったままラステイションがゲイムギョウ界を滅ぼすのを見ていることしか出来ないの? そんなの拷問よ……助けて……助けてケイっ……)
***
同じ頃、ブランもまた闇の中を漂っていた。
「今日から、お主がルウィーの守護女神だ」
「どうじゃ? 守護女神の仕事は順調か?」
「何をむくれておる? ふむふむ……あやつ等がまた文句を言って来たか。すまん、歴史がある分しがらみも多いんじゃ。あやつ等にはわらわからキツく言っておこう」
「何でそんなに良くしてくれるかじゃと? わらわも守護女神の苦労を知っているからな」
「気分が乗らぬか? そういう時は本じゃな。本は良いぞ。知識を与えてくれるだけでなく心も落ち着かせてくれる」
「よくやったぞ、ブラン。これでルウィーも蘇る。お主の手柄じゃ」
「よく無事で戻って来た。なに犯罪組織に負けたのが悔しい? そうじゃな今のルウィーは危機的状況だ。わらわも力を貸す。共に乗り切ろうぞ」
「そうか、回復したか? それはなによりじゃ。ブランの元気な顔が見れてわらわも嬉しい」
「なに? 妹のイタズラが困る? ほっほっほっ……何がおかしいかじゃと、嬉しいんじゃブランがそのような笑顔を見せてくれることが」
ブランの頭の中では何度も偉大な先輩女神である文子とのやり取りが思い出されていた。
(わたしの味方は文子様だけだった。何人もの先輩女神の嫌味に挫けそうになった時、いつも慰めてくれたのはあの方だった。本を勧めてくれたのもあの方だった……姉? 母? いやあの方はそれ以上にわたしの支えだった。どんなに困ったときでも親身になってわたしの言葉に耳を傾けてくれて、わたしのことを一番に考えてくれた。あの方の喜ぶ顔が見るのが好きだった。あの方の為なら死んでもいいとすら思える……だけど、こんなこんなことに……)
ブランがそこまで思うと、彼女に黒い闇がまとわりつく。
(くそっ! またかよ……どんだけネプギアが憎いんだコイツ。このまま意識を保ったまま、ルウィーがゲイムギョウ界を滅ぼすのを指を咥えて見てるしか出来ないのか……申し訳ございません文子様。本当に本当に申し訳ございません)