新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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011共同生活

 翌日。

 

G.C.2019年6月24日 月曜日の早朝。

 

 

(……少し早く起きすぎちゃったな……)

 

 

 目が覚めたネプギアは時計を見ると、いつもより早い時間に起きていた。

 

時計を見ると午前五時を指していた。

 

 

(少しお散歩でもしようかな?)

 

 

 ギャザリング城には昨日来たばかりなので、城内の間取りも良く分かっていない。

 

その為、少し散歩でもしようと思ったネプギアはパジャマのまま部屋を出る。

 

 

「あ、ネプギア」

 

 

 部屋を出ると同時に隣の部屋のドアが開き、ユニが出て来た。

 

 

「おはよう、ユニちゃん」

 

 

 ユニに近づいて挨拶をするネプギアにユニも、「おはよ」と返す。

 

 

「その恰好はジョギング?」

 

 

 ネプギアはユニに問いかける。

 

ユニは黒いノースリーブのランニングウェアに同じく黒いスパッツと動きやすい恰好をしていた。

 

左の二の腕には黒いアームバンドが付いており、そこに携帯ゲーム機U.N.Iが付いていた。

 

 

「そうよ」

 

 

 ユニがそう言うと、「ユニちゃん、スポーティーでカッコいいよ」ネプギアは目を輝かせてユニの姿を褒める

 

 

「ま、まあ、当然よね」

 

 

 髪をかき上げてポーズを決めるユニ。まんざらでもないご様子。

 

 

「もしかして毎日ジョギングしてるの?」

 

 

 ネプギアは話をジョギングに戻すと、「そうよ。ここに来たからって休むわけにはいかないし」とユニはネプギアの質問に答える。

 

努力家の彼女は毎朝のジョギングを欠かしたことは無い。

 

 

「そうなんだ……私も一緒に行っていいかな?」

 

 

 ネプギアは少し考えると、ユニに同行を申し出る。

 

普段はジョギングとかしていないが、ユニが一緒なら楽しいと思ったらしい。

 

 

「いいけど、あんまりノロノロしてたら置いてくわよ」

 

 

 ユニは内心凄く嬉しいが、いつも通り少し素直になれず、ちょっと突き放す言葉を言ってしまう。

 

 

「うん、頑張るね。それじゃあ、ちょっと待ってて」

 

 

 ネプギアは部屋に引き返すと、Nギアを取り出して素早く操作しインターネットショップのamazoo.nepに接続する。

 

 

「どうせだったら、ユニちゃんとお揃いがいいよね」

 

 

 ネプギアはスポーツウェアの項目を検索し、ユニが着ているものと似たようなランニングウェアを購入する。

 

支払いが終わると、Nギアのアイテム欄に購入したランニングウェアが登録されているので、ネプギアはNギアを操作してそのウェアを選択するとネプギアの目の前にランニングウェアが現れる。

 

ネプギアはパジャマを脱いで、ランニングウェアに着替え始める。

 

 

「お待たせ」

 

 

 手早く着替えを済ませたネプギアの姿はユニと同じく、白いランニングウェアにピンクのスパッツに着ており、髪はリボンで結んでポニーテールにしていた。

 

ユニと同じように白いアームバンドにはNギアが装着されている。

 

 

「オッケー、じゃ行くわよ」

 

 

 ユニはそう言って先を歩き出すと、「えー……ユニちゃん、何かないの?」とネプギアが不満そうに頬を膨らます。

 

ユニは振り返ると「何かって?」と不思議そうな顔をする。

 

 

「……感想とか……」

 

 

 ネプギアはポツリとそう呟く。

 

どうやら運動着をユニに褒めてもらいたいらしい。

 

自分は褒めたのに不公平だと感じたようだ。

 

 

「あー……似合ってる似合ってる。可愛いわよ」

 

 

 ユニはネプギアの言いたいことを察したようで、おざなりであるがネプギアを褒めておく。

 

 

「はぁ……全然心がこもってない……」

 

 

 ネプギアは溜息を吐くとガッカリと肩を落とす。

 

どうやらリテイクをご希望のようだ。

 

 

(しょうがないわね……)

 

 

 ユニはそう思いながらも、ネプギアに付き合うことにする。

 

 

「んんっ……」

 

 

 ユニは小さく咳ばらいをすると、「とっても可愛いわ。ポニテもよく似合ってるし」と先程のおざなりな態度とは真逆の感情をこめた明るい声で言う。

 

 

「ホント! ありがとう、ユニちゃん」

 

 

 ネプギアは嬉しそうに目を輝かせる。

 

ロムとラムの前では年上の手前、こうやってユニに甘えることが出来ないが、今は二人きりなので存分に甘えてしまったのだ。

 

ユニもユニで、ネプギアが二人きりの時に見せてくれるこういう子供っぽい態度が気を許してくれている感じがして好きだった。

 

 

***

 

 

 城内を進み城門から外に出るネプギアとユニ。

 

 

「走るってなると、やっぱり橋かな?」

 

 

 湖に囲まれたギャザリング城の走る場所というと橋の上ぐらいだと思ったネプギアがそう提案すると、「そうね、橋の上を往復しましょ」とユニもそれに同意する。

 

 

「いつもどれぐらい走ってるの?」

 

 

 ネプギアが質問すると、「5キロは走ってるわ」とユニが答えると「わー! ユニちゃん凄い」ネプギアは胸の前で両手を合わせてユニを褒める。

 

 

「じゃあ、この橋片道五百メートルぐらいあるらしいから五往復しようよ」

 

 

 ネプギアはNギアを取り出して地図を確認してそう提案すると、「ええ、いいわ。そうしましょ」とユニが頷く。

 

 

「まずは準備体操だね」

 

 

 ネプギアはそう言うと両手を組み高く上に上げて伸びをして準備体操の用意をする。

 

すると、「二人なんだから、ストレッチもしましょ」とユニが提案してくる。

 

 

「うん、いいよ」

 

 

 ネプギアがそう言って頷くと、「じゃ、ラジオ体操第一やるわよ」とユニが言う。

 

ゲイムギョウ界にもラジオ体操はあり、スタンダードな準備運動として普及している。

 

 

「「いっちに、さんし」」

 

 

 ラジオ体操を始めるネプギアとユニ。

 

ネプギアとユニは声に合わせて二人で体操をする

 

準備体操が終わると、ストレッチをする為に二人で背中合わせにして手を組む、ネプギアとユニ。

 

 

「ユニちゃんの背中あったかーい」

 

 

 ネプギアはユニの背中のぬくもりを感じて嬉しそうにする。

 

 

「じゅ、準備運動したからじゃないの」

 

 

 ネプギアのストレートで好意的な感想に戸惑ってしまうユニ。

 

まずはネプギアが自分の背中にユニを乗せる。

 

 

「ユニちゃん、軽いー」

 

 

 ネプギアはユニを持ち上げると驚いたように言う。

 

 

「当たり前でしょ。ちゃんとベスト体重維持してるんだから」

 

 

 ユニが得意そうにそう言うと、ネプギアはユニを降ろしてと今度はユニがネプギアを背中に乗せる。

 

 

「アンタは少し太ったじゃないの?」

 

 

 ユニがイタズラっぽい微笑みを浮かべてそう言うと、「えー! そ、そんなことないよ!」と焦るネプギア、不摂生な生活をしてはいないが特別ダイエットをしている訳ではないので、もしかしてと思ってしまう。

 

 

「冗談よ。馬鹿ねー」

 

 

 ユニが焦るネプギアに対して面白そうに笑うと、「もー、ユニちゃんの意地悪ー」とネプギアは抗議の意を表すように浮いた足をバタバタさせる。

 

 

「ちょ……暴れないでよ」

 

 

 暴れるネプギアを何とか降ろすユニに対してネプギアは、「だって、ユニちゃんが悪いんだもーん」と頬を膨らます。

 

相変わらずユニと一緒だとネプギアは年相応の顔を見せる。

 

 

「次は前屈ね」

 

 

 ユニがそう言うと「うん、まず私が押すね」とネプギアが言い、ユニは後ろを向いて腰を下ろすと両足を広げる。

 

ネプギアは目の前に座ったユニの背中を軽く押す。

 

 

「いっちに、さんし、ユニちゃん、柔らかーい」

 

 

 ネプギアはしなやかに曲がるユニの体に感心すると、「これぐらい当然よ。もっと強く押してもいいわよ」とユニが言う。

 

ネプギアが押す力を強くするとユニの体はペタッと地面に付く。

 

 

「次は私だね」

 

 

 ユニの背中を押し終えると今度はネプギアがユニの前に座る。

 

 

「そーれ!」

 

 

 一気にネプギアの背中を押すユニに、「いたた、ユニちゃん、痛いってば! もっと優しく~」とネプギアは痛そうに悲鳴を上げる。

 

どうやらユニのようにはいかないようだ。

 

 

「これぐらい我慢しなさい」

 

 

 ユニに押され、ネプギアは何とか体が地面に付く。

 

運動を毎日続けているユニとはやはり差があるようだった。

 

ストレッチを終えたネプギアとユニは橋の前に立つ。

 

 

「最初はアンタのペースに合わせてあげるわ」

 

 

 ユニがそう言うと、「ありがとう、ユニちゃん」とネプギアは嬉しそうに微笑む。

 

そしてネプギアは足を前に出して軽く走り始める。

 

 

「へー、なかなか速いじゃない」

 

 

 ユニはネプギアのペースが思ったより速くて感心したようだ。

 

 

「そうかな」

 

 

 ネプギアはユニに褒められて嬉しそうにそう言うと、二人は仲良く並走する。

 

そのまま橋を二往復したところで、「それじゃ、そろそろ本気出そうかしら」と言ってユニがペースを上げる。

 

 

「えっ……待ってよ、ユニちゃん」

 

 

 ユニがペースを上げると、ネプギアは置いて行かれてしまう。

 

 

「最初だけって言ったでしょ。それにノロノロしてたら置いてくって言ったじゃない」

 

 

 ユニは更にペースを上げてネプギアを突き放すと、「もー! ユニちゃんの意地悪ー!」と言いながら必死に追いつこうとするネプギア。

 

 

「むむっ! 意外とやるわね」

 

 

 思いっ切り突き放したと思ったネプギアがすぐ後ろに付いて来ていることに驚くユニ。

 

 

「私だって、負けないんだから」

 

 

 苦しそうに息をしながらも追いすがるネプギア。

 

 

「それでこそアタシのライバルよ」

 

 

 ユニは嬉しそうニヤリと笑ってネプギアを見る。

 

そのまま二人は走り続け、五往復を走り終える。

 

 

「ふぅ……やっぱり、ユニちゃん速いね」

 

 

 走り終えたネプギアは両手を太ももの上に置いて、ゼイゼイと息を切らす。

 

 

「そりゃ、毎日やってるんだから、初日のアンタに負けたら落ち込むわよ」

 

 

 それに対してユニはまだ余裕があるように涼し気に答える。

 

 

「ふー……何だか爽快な気分」

 

 

 ネプギアは体を起こすと額の汗を右手で拭う。

 

 

「朝早く走るのって気持ちいいでしょ? 良い汗かいたって感じがして」

 

 

 ユニはそんなネプギアを見ながらそう言うと、ネプギアはにこやかな顔をして「なるほど。良い汗かいてストレス発汗だね」と自信満々に言う。

 

発散【はっさん】と発汗【はっかん】をかけたダジャレのようだ。

 

 

「アンタ……そのダジャレいつになったら止めるの?」

 

 

 ユニが腕を組んでジト目でネプギアを見ると、「ええー? ダメだったかな? いい感じだと思ったんだけど……」とネプギアは残念そうに眉を八の字に曲げる。

 

 

「全然ダメよ。発汗なんて普段使わない言葉を使って、またロムとラムに説明するのが目に見えてるわ」

 

 

 ユニが腕を組みながら右手の人差し指を上げてそう指摘すると、「う~」とネプギアはうらめしそうな目でユニを見る。

 

 

「前々から言ってるけど、アンタにダジャレなんて似合わないし向いてないわよ」

 

 

 ユニがお手上げのポーズで首を左右に振りながらそう言うと、「そうかなぁ……」とネプギアは腕を組みながらあごに右手を当てて首を傾げる

 

 

「そうなの」

 

 

 ユニはそんなネプギアを押し込むように少し強い声色でそう言うと、「じゃあ、ユニちゃんはダジャレを言う私と言わない私どっちが好き?」とネプギアが質問してくる。

 

 

「なによ? その質問は?」

 

 

 目を丸くして予想外の質問に驚くユニに、ネプギアは上目遣いで、「だって自分じゃ上手く決められないから、ユニちゃんの好きな方にしようかなぁって……」と言う。

 

 

「え、えーと……」

 

 

 突然の質問に狼狽えるユニに、「ねぇ、どっち? どっちの私が好き?」とネプギアが答えを急かす。

 

 

「ど、どっちも!」

 

 

 ユニが思わずそう言うと、「え? どっちもって……」とネプギアが小首を傾げる。

 

 

「あ……」

 

 

 勢いとは言え大胆なことを言ってしまったと思ったユニは思わず右手で口を覆う。

 

しかし、ネプギアにはちゃんと聞こえたらしく、「ユニちゃん……そんなに私のこと思って……」と目を輝かせてユニを見つめる。

 

 

「か、勘違いしないでよね! アタシがそれぐらいで友達の優劣を決めるなんてありえないんだから! べ、別にダジャレを言うネプギアも可愛いとか全然思ってないんだからねっ!」

 

 

 ユニは右手でネプギアを指差しすると思いっきり早口でまくし立てる。

 

 

「そうだよね。ごめんねユニちゃん、変な質問して、ユニちゃんに嫌われたら嫌だなーって思ったら、つい……」

 

 

 そんなユニの言葉を素直に受け入れたネプギアが謝ると、「そ、そう! 別に嬉しくないけど! ホントなんだからね!」とユニはそっぽを向いてしまう。

 

 

「ところで、私も毎日ジョギングしようと思うんだけど……ユニちゃん、明日からも付き合っていいかな?」

 

 

 ネプギアがユニに期待を込めた目でそう言うと、「……いいけど」と素っ気なく返すユニ。

 

内心凄く嬉しいのだが、素直に態度に出せる性格じゃない。

 

 

「ありがとう、じゃあよろしくね」

 

 

 ネプギアが嬉しそうにそう言うと、ユニは、「ええ」と言って頷く。

 

そのままギャザリング城に戻るネプギアとユニ。

 

シャワーを浴びた頃には丁度朝食の時間になっていた。

 

 

「「「「いただきますー」」」」」

 

 

 今日も全員が食卓に着いて食事を始める。

 

 

「うん、朝運動するとご飯が美味しい」

 

 

 ネプギアは嬉しそうに手を動かす。

 

 

「そうでしょ。気分も爽やかになるし、良いことずくめよ」

 

 

 ユニも嬉しそうにそれに答える。

 

 

「ネプギアちゃん、ユニちゃんと何かしたの?」

 

 

 ロムは首を傾げて尋ねると、「朝のジョギングをしたんだよ」とネプギアは素直に答える。

 

 

「えー! ズルいわよ! どうしてわたし達を置いて行くの~」

 

 

 ラムが頬を膨らませる。

 

その様子は子供達に内緒で美味しいものを食べた両親だが、そのことが子供達にバレてしまい責められているように見えた。

 

 

「アンタ達は寝てたでしょ」

 

 

 ユニは至極当然のことを言うが、ラムは、「起こしてくれればいいじゃない」と文句を言う。

 

 

「ごめんね。起こしちゃ悪いかなって思ったから」

 

 

 ネプギアはラムにやんわりと謝ると、「……明日もするの?」とロムが上目遣いでネプギアを見つめてくる。

 

 

「うん」

 

 

 ネプギアはロムの質問に素直に頷くと、「じゃあ、連れてって!」とラムがせがむ。

 

 

「起きれるの? 朝早いわよ」

 

 

 そんなラムにユニは釘を刺すとラムは、「起きれるもん!」と元気よく言いロムも、「起きれる」と強気に言う。

 

どうしても付いて行きたいロムとラム。

 

ネプギアとユニだけで何かをするのは同じ女神候補生として置いて行かれるようで嫌なのである。

 

幼いなりに彼女達も置いてかれないよう必死なのだ。

 

 

「じゃあ、明日から一緒に行こうか?」

 

 

 ネプギアが優しくそう言うと、「わーい!流石はネプギア」とラムはバンザイして、「ネプギアちゃん優しい(ぽっ)」とロムは頬を赤く染める。

 

 

「プラエも来るといいわ」

 

 

 ラムが明るい声で誘うが、プラエは俯いて、「プラエも行きたいけど……」と呟く。

 

そこに隣のあんみつが、「プラエ様はあまりお体が強くありません。朝から激しい運動は出来ないでしょう」と残念そうに言う。

 

 

「そうなんだ。ゴメンね、プラエ」

 

 

 ラムが申し訳なさそうに謝ると、「ううん、プラエの体が弱いのがいけないの。誘ってくれてありがとう」とプラエが答える。

 

 

「取材ってことで、私も行っていいかな?」

 

 

 ファミ通が立候補すると、「はい、いいですよ」快く返事をするネプギア。

 

しかし、その隣のユニは少し面白くない顔をしていた。

 

 

「……せっかく、ネプギアと二人になれる時間が見つかったと思ったのに……」

 

 

 ユニは小さな声で独り言を言う。

 

ユニはネプギアが二人きりの時に見せてくれる少し子供っぽいところが好きだった。

 

ネプギアを独占できる時間が見つかったと言うのにそれが無くなってしまったのが不満なのだ。

 

ロムとラムのことを邪険にしている訳ではないのだが、二人きりになれる時間が欲しいのが正直な気持ちだ。

 

しかし、ネプギアこういう誰にでも優しいところも好きなの特に反論はしない。

 

 

「ユニちゃん、何か言った?」

 

 

 ネプギアはユニが何か言ったような気がするので質問するが、「な、何でもないわよ、早く食べましょ」と言ってユニは朝食を口に運ぶ。

 

 

***

 

 

 朝食後、今日もモンスター討伐のクエストに出かけるネプギア達。

 

今日はアイエフのバイクとコンパとファミ通の車で少し遠出をしている。

 

アイエフのバイクの後ろにはネプギアが乗り、残りの八人とイストワールは車に乗っていた。

 

フィナンシェは城で留守番兼メイドのお仕事をしている。

 

 

 ネプギア達の向かった先は【ダークネス60】と呼ばれる場所。

 

昔は巨大な工場地帯だったが今は廃れ廃工場になっており、取り壊しするにもモンスターを退治してからである。

 

 

「今日は、このダークネス60に住み着いた大型ロボット型モンスター 【ガダンム】の討伐です」

 

 

 イストワールの出したホログラムには緑色の人型ロボットが映し出される。

 

 

「……ガダンムですよね」

 

 

 ネプギアはイストワールの説明に念を押ように真面目な声で聞き返すと、「ええ、ガダンムです」とイストワールも神妙な顔でそれに返す。

 

 

「……どうしたの? ネプギアちゃん」

 

 

 ロムはそんな二人の様子を不思議に思うようで首を傾げている。

 

 

「大事なことだからちゃんと確認しておかないとって思って」

 

 

 ネプギアは真面目な顔でロムに答えると、「大事なのガダンム?」とラムも首を傾げる。

 

 

「うん、ガダンムってことが大事なの。決して並び替えとか……」

 

 

 そんな二人に対して踏み込んだ説明をするネプギアだが、「ネプギア! それ以上はいけないわ!」とユニに途中で止められてしまう。

 

 

「「?」」

 

 

 困惑顔のロムとラムに対して、意味の解っていたアイエフは、「と、とりあえず、行きましょ」と言って先に進むよう促す。

 

ネプギア達はダークネス60の敷地内に入ると一つ一つ建物を回って行く。

 

 

「現在の平均レベルは28で前衛はネプギア様とアイエフと私。後衛はユニ様、ロム様、ラム様、イストワール様にコンパにプラエちゃんにミクちゃん……」

 

 

 ファミ通は歩きながら小声で戦力確認をし、メモを書き込んでいる。

 

 

「……どこにいるんだろう」

 

 

 Nギアのレーダーを見ながら辺りを見回すネプギアに、「誰もいないね……」とプラエが返す。

 

 

「上空のネプギアンダムからも何の報告もないし」

 

 

 ネプギアは偵察用ネプギアンダムを工場の上空に飛ばして偵察をさせているが、今のところ何の情報も無いようだ。

 

 

「今回も、綿密なコンビネーションでやっつけちゃおう」

 

 

 意気揚々にラムが言うと、「そう出来ればいいけどね」とユニが答える。

 

 

ビービービー!!

 

 

 その直後、Nギアから警報音が鳴り響く

 

 

「何の音(びくびく)」

 

 

 ロムは身を縮こまらせて驚き、ネプギアの腰に抱きつくと、ネプギアが、「私達、ロックオンされてる!」とNギアを見ていたネプギアが叫ぶ。

 

 

「ろっくおん?」

 

 

 ロックオンの意味が分からないプラエはネプギアの顔を見上げると、その横でユニが、「敵に見つかったってことよ!」と手短に説明する。

 

 

「えー! 誰もいないわよ?」

 

 

 ラムは辺りを見渡すが、それらしい影はなかった。

 

 

ビーーーーー!!

 

 

 Nギアから更に激しい警告音がする。

 

 

「みんな散って!!」

 

 

 再びネプギアが叫ぶ。

 

それと同時に30メートル程先にあった金属扉が赤く灼熱すると変形し丸い穴が開く。

 

 

ズキューン!

 

 

穴から巨大なビーム光線が飛んでくる。

 

 

「くっ!」

 

 

 ユニが横に飛ぶと、「きゃあ!?」とラムも悲鳴を上げながら、ユニとは逆方向飛ぶ。

 

 

「ロムちゃん!」

 

 

 ネプギアは反応の遅れたロムを抱えて横に飛び退き、「コンパ!」とアイエフが叫んでコンパの手を引き飛び退き、プラエとあんみつ、イストワールとミク、ファミ通もそれに続く。

 

 

ギャィィィィン

 

 

 ビーム光線が通り過ぎると、床が熱で変形していた。

 

Nギアの警告がなかったら、大ダメージを受けていたかもしれない。

 

 

「……ネプギアちゃん、ありがとう(ぽっ)」

 

 

 頬を赤く染めてネプギアにお礼を言うロム。

 

 

「もー! いきなり攻撃するなんて、ヒキョーよ!」

 

 

 ラムが、ビームが飛んできた方向に向かって思いっ切り抗議する。

 

 

「助かったわ。ネプギアが言ってくれなかったら危なかったわね……」

 

 

 アイエフはコンパの手を握りながら一息付くと、「ネプギア様のNギアは本当に万能デバイスだね」とファミ通がNギアを褒める。

 

 

「私の自慢の子です」

 

 

 珍しく自信満々のネプギア。

 

それだけ自分が改造したこのNギアのことが好きなのである。

 

 

「敵は私達より広範囲のレーダーを持っているようですね」

 

 

 イストワールが冷静に状況を分析する。

 

携帯機のNギアやネプギアンダムと、大型ロボットのレーダーでは探索範囲に差が出てしまうようだ。

 

 

「レーダに反応多数!」

 

 

 ネプギアがNギアのレーダーに敵の反応が出たことを告げる。

 

 

ピコピコピコピコ……

 

 

 機械音がすると同時に溶解した扉から直径1m程の球状のロボットが大量に入ってくる。

 

ゲイムギョウ界で【ビット】と呼ばれる小型ロボットモンスターである。

 

ビットは数にものを言わせてネプギア達の正面を塞いでくる。

 

 

「今回は状況が状況です。全員で戦いに当たりましょう」

 

 

 イストワールがそう言うと、「はいっ!」とネプギアが頷く。

 

 

「私達が露払いをするわ。ファミ通、付いてきて」

 

 

 ビットの群れに走り出すアイエフに、「了解」と言ってファミ通が付いて行く。

 

 

「はあっ!」

 

 

 アイエフのカタールが一体のビットを切り裂くと263のダメージが当たり、続けてファミ通が、「とりゃー!」とエビで上から垂直にビットを叩いて283ダメージを与える。

 

 

「わたしも行くですー」

 

 

 コンパが注射器から液体を飛ばしビットに命中すると196ダメージが当たり、ビット一体が戦闘不能になる。

 

ビット一体のHPは700前後のようだ。

 

 

「次はプラエに任せて!」

 

 

 今度はプラエが、「クロックチェーン十一時、闇の力よ!」と左手の小指から鎖を伸ばす。

 

鎖はビットを打ち据えると183のダメージを与える。

 

 

「良い攻撃ですぞ、プラエ様」

 

 

 続いて、あんみつが刀でビットを切り裂くと。329のダメージが当たる。

 

 

「ここからなら、私だって」

 

 

 ミクがネギをライフルのように構えると、ネギの先から弾丸が発射される。

 

弾丸はビットに命中すると、199のダメージが当たりビットが戦闘不能になる。

 

このネギは【ミクのネギライフル】と呼ばれ以前にミクがプラネテューヌのゲームでコラボした際に使っていたものをネプギアが最新技術で作り直したものだ。

 

接近戦用に、【ミクのネギセイバー】もあり、これもネプギアが作ったものだ。

 

ただし、ミクのクラスが吟遊詩人なので攻撃力はあまり高くなく、メインは歌による援護になる。

 

 

「……我が記憶に眠る荒れ狂う雷雲よ……その力を持って、敵を貫け……」

 

 

 イストワールはその間に魔法の詠唱を行っていた。

 

イストワールの周囲にはペンネルで、黄色い光を放つ魔法陣が描かれる。

 

 

「雷の記憶!」

 

 

 イストワールが詠唱を終えると、彼女の手のひらから巨大な青い電撃が直進して直線上のビットに600以上のダメージが当たる。

 

更に、アイエフ達がダメージを受けたビットを狙って攻撃をすると、ビット達は次々と戦闘不能に陥る。

 

 

「ネプギアさん達はボスモンスターを!」

 

 

 イストワールがそう言うと、「わかりました!」とネプギアは頷いて、仲間達により道が開いた敵陣を駆け抜ける。

 

 

「ロム、ラム、行くわよ」

 

 

 ユニがそう言ってネプギアの後を追うと、ロムは、「うん」と頷き、ラムは、「おー!」と左手を上げて二人してネプギアの後を追う。

 

 

「みんな頑張ってね」

 

 

 プラエが声援を送ると、「ありがとう」とネプギアがお礼を言い、「そっちも気をつけなさい」とユニが忠告をする。

 

 

 ネプギア達四人は走りながらも自然にフォーメーションを組んでいた。

 

ネプギアが先頭で、中衛の右側にロム、左側にラム、後衛がユニのフォーメーションである。

 

 

「ネプギアンダムより通信。ここから12時の方向に巨大な敵影を確認!」

 

 

 ネプギアがネプギアンダムから届いた情報を仲間に伝えると、「要はあの穴くぐって真っ直ぐ行けばいいのよね」とユニが言うと、「突撃ー!」とラムが走り出すと、「おー!」とロムもラムの後に続く。

 

女神候補生達は敵の射撃で空いた穴をくぐり建物を出る。

 

敷地内に出ると焼けて抉れたビームの通り道を辿って敵に近づいていく。

 

 

ビービービー!!

 

 

 再びNギアから警報音が鳴り響く。

 

 

「ユニちゃん、ミサイル反応。10時の方向!」

 

 

 ネプギアがNギアから伝達された情報を元にユニに指示を飛ばすと、「任せなさい!」とユニはライフルを構える。

 

すると、左斜めからミサイルが三発飛んでくる。

 

ユニは素早く銃の照準を合わせてトリガーを引く。

 

 

ズキューン!

 

 

 ユニの銃から弾が飛ぶと、見事にミサイルに命中する。

 

 

ドカーーン!

 

 

 一発のミサイルが爆発すると、「次!」と言ってユニは再び照準を合わせて銃を撃つ。

 

 

ドカーーン!

 

 

 二発目も見事に撃ち落し、ユニは、「ラスト!」と言って三発目に照準を合わせて銃を撃つ。

 

 

ドカーーーーーン!

 

 

 三発目も撃ち落すと、「流石ユニちゃん!」左側にいるラムがユニを褒める。

 

 

ビービービー!!

 

 

「3時方向! ロムちゃん、シールド!」

 

 

 再びアラートを確認したネプギアは、今度はロムに指示を飛ばす。

 

 

「うん(ばりあ)」

 

 

 ロムは右前に出ると両手を前に突き出し、防御の魔方陣を張る。

 

 

ズキューン!

 

 

 それと同時に、先程と同じ巨大なビームが飛んでくる。

 

 

ジジジジジ!

 

 

 ロムの魔方陣にビームが当たると火花が散る。

 

 

「ううっ!」

 

 

 ロムがビームとの鍔迫り合いに呻き声を上げると、「ロムちゃん頑張れ!」とラムが声援を送る。

 

 

「ていっ!」

 

 

 ロムが気合を入れると、魔法陣が一際輝きだしビームを消滅させる。

 

 

「ロムちゃんのバリアはそんなへなちょこビームに負けないわよ」

 

 

 ビームを防ぎきったロムを自慢するラム。

 

ネプギア達はそのまま真っ直ぐ走り続ける。

 

その後もミサイルとビームが交互に飛んでくるが、ユニの迎撃とロムの防御で防ぎきるネプギア達。

 

 

「レーダーに反応! パターン赤! ボスモンスターだよ!」

 

 

 ネプギアが叫ぶ。

 

モンスターに近づいたことにより、Nギアのレーダーが敵を捉えたようだ。

 

ネプギアはNギアから伝達された情報で敵の位置を確認する。

 

 

ビービービー!!

 

 

 それと同時に今度はミサイルとビームが同時に飛んでくる。

 

 

「ボム!」

 

 

 ネプギアの左手にボムが現れ、それを正面に投げる。

 

 

ボカーーーン!

 

 

 ボムは爆発を起こし、飛んできたミサイルとビームを消滅させる。

 

ボムの相殺効果はかなり高く爆風に巻き込めば大抵の飛び道具は無効に出来る。

 

 

「みんな、もうすぐだよ!」

 

 

 更に走る続けるネプギア達の目に5メートルはある巨大な人型ロボットが狙撃銃を構えている姿が映る。

 

 

「ターゲット生存。攻撃を続けます」

 

 

 ロボットが機械的な音声で喋ると、長距離用と思われる狙撃銃と肩のミサイルランチャーを投棄して、機関銃と一体化した左腕をネプギアに向ける。

 

 

「みんな! 私に力を貸して!!」

 

 

 ネプギアは後列のユニ、ロム、ラムに指示を出す。

 

 

「まもってあげる」

 

 

 ロムが防御力アップの魔法をネプギアにかけると、「たっちするよ!」とラムも続けて魔法をかけてくれる。

 

ラムの使った【たっちするよ】はHPの自動回復である、リジェネレイト機能が付与される魔法。

 

 

ドガガガガガガ!!!

 

 

 その直後、ロボットの左腕から機関砲が火を噴く。

 

 

「負けません!」

 

 

 ネプギアは左腕を前にかざして、防御の魔方陣を張ると真っ直ぐ最短距離で突撃する。

 

 

キュンキュンキュン!

 

 

 魔方陣が機関銃の弾を弾く。防御力の上がった効果である。

 

しかし、全てを防ぐことは出来ずに数発ネプギアに当たってしまう。

 

30前後のダメージを連続で受けてネプギアのHPゲージが一割、二割とどんどん減って行く。

 

 

「ネプギアちゃん!」

 

 

 ネプギアを心配するロムだが、「大丈夫よ。わたしがたっちしたんだから」とラムが自信満々に言い放つ。

 

ラムの言う通り、ネプギアのHPが自動で回復し、直ぐにHPゲージは満タンに戻る。

 

 

カチッカチッ……

 

 

 ロボットの左腕から弾切れを知らせる音が鳴る。

 

ネプギアの防御とラムのリジェネイト魔法によって弾薬が尽きたようだ。

 

 

「……リロードします」

 

 

 ロボットが右腕で左腕のに弾倉を装填しようとする。

 

 

「させないわ! トリコロールオーダー!」

 

 

 ユニはその隙を逃さず連続射撃を撃ち込む。

 

【トリコロールオーダー】とは、ユニの得意とする三連続射撃である。

 

 

ズキューン! ズキューン! ズキューン!

 

 

 三つ弾は見事にロボットの弾倉に命中する。

 

 

ドカーーーン!

 

 

 弾倉が爆破したロボットは432のダメージを受ける。

 

 

「エマージェンシー! エマージェンシー!」

 

 

 ロボットは慌てたように警報を鳴らすと、「その隙、見逃しません!」とネプギアがその隙にロボットの懐に飛び込む。

 

 

「捕らえました! リンドバーグ!!」

 

 

 ネプギアが得意の高速剣舞を叩き込む。

 

【リンドバーグ】とはネプギアの扱う高速剣技のうちの一つ。

 

基盤は関係ないらしい。

 

80前後のダメージが連続で当たり、合計400以上のダメージが当たる。

 

 

「ガガッ……損傷確認」

 

 

 ロボットの態勢が大きく揺らぐと、「そんな暇ないわよ!」ユニはそう言うと特殊弾を銃に込める。

 

 

「ラディアントブレット!」

 

 

 ユニは素早くロボットの左腕の関節に照準を合わせて弾丸を撃ち込む。

 

撃ち込んだ弾丸が大爆発を起こすと、456ダメージを与えてロボットの左腕を吹き飛ばす。

 

部位破壊である。

 

 

「ビー……左腕大破」

 

 

 ロボットが警報と同時に音声を上げる。

 

【ラディアントブレット】とはラステイション特製の炸裂弾。

 

 

「まだまだ終わらないわよ! 氷の聖域よ嵐となりて敵を吹き飛ばせ!!」

 

 

 ラムが氷属性の呪文の詠唱を始めると、ラムの周囲にペンネルが青白い五芒星の魔法陣が描かれる。

 

 

「アイスサンクチュアリ!!」

 

 

 ラムが叫ぶとロボットの右腕に氷の竜巻を発生する。

 

激しい竜巻が502ダメージを与えてロボットの右腕をもぎ取る。

 

ユニに続いて二度目の部位破壊だ。

 

 

「ビー……右腕大破」

 

 

 ロボットは先ほどより激しい警報を鳴らしながら声を上げる。

 

【アイスサンクチュアリ】とは氷の竜巻を起こす魔法。

 

 

「ネプギアちゃん! とびでるよ!」

 

 

 ロムの魔法で攻撃力が強化されたネプギアは、間髪入れずに次の攻撃を叩き込む為にビームソードを振り上げる。

 

 

「はあああああ!!」

 

 

 ネプギアの右手が白く光り輝き、ビームソードが巨大な剣に変わる。

 

 

「ティンクルスター!!」

 

 

 その右手でロボットを斬り払う。

 

縦、横、斜めの三段斬りだ。

 

 

「損傷甚大……損傷甚大……」

 

 

 合計で700以上のダメージを受けたロボットは後方によろける。

 

【ティンクルスター】とは電子の力を宿した剣による攻撃である。

 

 

「機能停止します」

 

 

 ロボットがそう言うと頭部のゴーグルから光が消えて右膝を地面に着いて停止する。

 

 

「やりました!」

 

 

ネプギアはガッツポーズを決めて、喜びをあらわにする。

 

 

「意外とあっけなかったわね」

 

 

 ユニはポーチに銃を収めて戦闘態勢を解除する。

 

 

「わたし達のフォーメーションが最強すぎるのよ」

 

 

 ラムがそう言ってVサインを決めて戦闘態勢を解除すると、「わたし達最強(ぶいっ}」とロムもVサインを決めて戦闘態勢を解除する。

 

 

「先制攻撃をされて驚いたけど、みんなと上手くフォーメーションが組めたお陰だね」

 

 

 ネプギアもユニ達に合流する為に戦闘態勢を解除すると、振り返り帰路に付こうとする。

 

 

「支援を要請します……支援を要請します」

 

 

 ネプギア背中を向けると、機能を停止したと思ったロボットの頭部のゴーグルが点滅する。

 

どうやら再起動をしているようだ。

 

 

「え?」

 

 

 ネプギアが慌てて振り返ると、奥からロボットのパーツらしきモノが飛んでくる。

 

 

ガシン! ガシン! ガシン!

 

 

 ロボットの右腕にガトリング砲、左腕に大型のライフルが装着され、左肩にキヤノン砲、頭の上に菱形の板が装着される。

 

 

「わー! 破壊された箇所を強化パーツで補強するなんて、ロボットアニメの王道だよね」

 

 

 メカ好きのネプギアは目を輝かせて感動しているが、「感心してる場合じゃないわ! 来るわよ!」とユニがネプギアにツッコミを入れながら銃を構える。

 

 

「再セットアップ完了……攻撃を再開します」

 

 

ドガガガガガガ!!!

 

 

 ロボットはネプギアに対して、右腕のガトリング砲で攻撃を開始する。

 

 

「くっ!」

 

 

 回避が間に合わないと悟ったネプギアは左手に魔方陣を張り防御して耐える。

 

しかし、強力になった弾丸は魔法陣を貫きネプギアに60前後のダメージを連続で与えてくる。

 

 

「あうっ!?……これじゃあ、リジェネイトが追い付かない」

 

 

 ネプギアの言う通り、今度はリジェネイトの回復速度よりガトリング砲のダメージ方が勝っており、ネプギアHPゲージがジワジワと減って行く。

 

 

ズキューン! ズキューン!

 

 

 更にロボットは左手のビーム砲をネプギアに向けて撃ってくる。

 

 

「きゃあ!!」

 

 

 ネプギアは110ダメージを受けた上に防御の魔法陣が破壊されてしまう。

 

 

「このっ! 止めなさいよ! ……氷の聖域よ嵐となりて敵を吹き飛ばせ……」

 

 

 ラムは再び氷の呪文を唱える。

 

 

「アイスサンクチュアリ!!」

 

 

 ラムが叫ぶと先程と同じようじロボットの右腕に氷の竜巻が発生する。

 

 

カキーーーン!

 

 

 しかい、硬い金属音と共に【guard】の表示が出てしまう。

 

 

「なに!? 何が起こったの?」

 

 

 ラムが驚きの目でロボットを見ると、頭の上についていた菱形の板が右腕に移動していた。

 

 

「あれはシールドなの?」

 

 

 ユニがそう言うと、「わたしの魔法が通じないなんて!」とラムが悔しそうに言う。

 

菱形の板は攻撃された場所に移動してピンポイントで防ぐシールドであった。

 

 

「厄介なシールドね、何とか突き破れないかしら……」

 

 

 ユニはシールド破壊に適した弾を考えている。

 

すると、ラムが自信満々で腰に手を当て、「そんなの簡単よ。私とロムちゃんの魔法で壊してあげるわ!」と言う。

 

 

「行くよ、ロムちゃん!」

 

 

 ラムがそう言うとロムは、「うん」と頷いて二人は合体魔法の構えを取る。

 

 

「待ちなさい! ロムは回復を重視して!」

 

 

 ユニはそんな二人を慌てて止める。

 

 

ズカーーーン!

 

 

 その直後にロボットの左肩のキャノン砲から弾が発射されネプギアに命中する。

 

 

「あうっ……」

 

 

 ネプギアは両手をクロスさせたガードで何とか防ぐが、154のダメージを受けてしまう。

 

ガトリング砲とビーム砲で蓄積したダメージと今のキャノン砲の一撃の強力さに片膝を付くネプギア。

 

残りHPは一割にも満たない。

 

ガッツが発動するとは言え、この状態で次の一撃を受けたら恐らくHPがゼロになってしまう。

 

しかも今のネプギアはダメージの蓄積で動くことが出来ない。

 

すぐさまロムが回復しなければならない緊急事態なのだが、合体魔法で手が塞がってしまったロムは回復魔法を唱えることが出来なかった。

 

 

「回復回復……(おろおろ)」

 

 

 合体魔法の詠唱を中断して回復魔法唱えるロム。

 

しかし、焦りで詠唱が遅れてしまう。

 

 

ズカーーーン!

 

 

 回復魔法が間に合わず、次のキャノン砲が発射されネプギアに命中してしまう。

 

 

「きゃああああああ!」

 

 

 112のダメージを受けて大きく上空に吹き飛ばされるネプギア。

 

その上ダメージの大きさに意識を失っている。

 

HPは完全にゼロになっていた。

 

 

「間に合って!」

 

 

 ユニは特殊弾を取り出すと、吹き飛ばされるネプギアに照準を合わせ弾を発射する。

 

弾が命中すると淡い緑の光がネプギアを包む。

 

 

「はっ!」

 

 

 その瞬間意識を取り戻したネプギアは受け身を取って着地する。

 

 

「ナイス回復弾! 流石ユニちゃん」

 

 

 着地したネプギアはユニを称賛する。

 

【回復弾】はラステイション極東支部で開発された特殊な弾で、少量であるが体力を回復することが出来る。

 

少量ではあるが、その即効性はダウン前なら戦闘不能からも立ち直れる程である。

 

 

「油断しないで来るわ!」

 

 

ドガガガガガガ!!! ズキューン! ズキューン!

 

 

 ネプギアの生存を確認したロボットが再びガトリング砲とビーム砲で攻めてくる。

 

ネプギアはガッツにが発動したことにより回避力が上がり走り回って弾を回避する。

 

 

キュンキュン!

 

 

 ネプギアの回避により、地面に着弾したロボットの弾は激しい金属音を鳴らす。

 

ネプギアは右回りに半円を描くように走り続け、回避しながらもロボットとの距離を詰める。

 

 

「たあっ!」

 

 

 ロボットを間合いに捉えたネプギアは、ロボットの左横に向けて大きくジャンプして一気に距離を詰める。

 

それと同時にユニがロボットの右足を狙って銃を放つと、ネプギアより先に着弾するユニの弾に対してロボットのシールドが動く。

 

 

カキーーン

 

 

 先程と同じようにguardの文字が現れ、ユニの弾は防がれてしまうが、「ラジカルセイバー!」と直後にネプギアの叫びと共にジャンプからの力を込めた斬り下ろしがロボットに命中する。

 

ガッツの補正のよりクリティカルヒットが発生し、705の大ダメージが当たる。

 

 

「ガガッ……」

 

 

 ロボットが小さくよろけると後退する。

 

ネプギアの一撃が効いたようだ。

 

 

「ナイス、ユニちゃん」

 

 

 ネプギアがユニに向けてサムズアップをすると、ユニも同じくサムズアップを返す。

 

ユニが銃でシールドを引き付けると同時に、ネプギアが逆側から攻撃を仕掛けることにより、ピンポイントで移動するバリアをすり抜けて攻撃を当てたのである。

 

敵のシールドの特性を素早く見抜いた、ネプギアとユニの機械に対する洞察力と即興で同時攻撃を仕掛けられる練度の高い連携の賜物である。

 

 

「ちりょうだよ!」

 

 

 その間に回復魔法を唱え終わったロムがネプギアを回復する。

 

ネプギアのHPが一気に全快する。

 

 

「ふぅ……何とか立て直したわね。冷や冷やしたわ」

 

 

 ユニが額の汗を拭いながらそう言うと、「ごめん、わたしのせいで!」とラムが謝り、「ごめんなさい……」とロムも頭を下げる。

 

 

 ロムとラムは。ネプギアがピンチになったことを自分達に非があると思い謝ってくる。

 

 

「ロムちゃんは悪くないわ! 悪いのはわたし!」

 

 

 ラムがロムを庇おうとすると、「これぐらい、へっちゃらへっちゃら。ドンマイドンマイ」とネプギアは二人が気に病まないよう笑顔で答える。

 

 

「カバーできるミスだったからいいけど次は気を付けなさいよ」

 

 

 ユニも軽く注意するだけで責めたりはしなかった。

 

 

「うん」

 

 

 ロムは頷き、次は失敗しまいと、いつでも回復魔法を使える構えをとる。

 

 

「よーし! お面返上しちゃうわよ!」

 

「……ラムちゃん、お面じゃなくて汚名ね……」

 

 

 汚名返上に息巻くラムだが言い間違えて、ネプギアに訂正される。

 

 

 

***

 

 

 

「たあっ!」

 

 

 ネプギアがビームソードでロボットを切り付ける。

 

 

カキーーーン

 

 

 しかし、ロボットのシールドがネプギアの正面に移動して来てビームソードを防いでしまう。

 

 

「……炎の矢よ敵を蹂躙せよ……ファイヤーラッシュ!」

 

 

 ラムの杖から複数の炎の矢がロボットに襲い掛かる。

 

【ファイヤーラッシュ】はファイヤアローを連続で放つ魔法

 

 

カンカンカン!

 

 

 またもシールドが移動して炎の弾を防ぐ。

 

 

「貫通弾ならどう!」

 

 

 今度はユニが銃を放つ。

 

 

カーン!

 

 

 しかし、これでもシールドを突き破れない。

 

 

ドガガガガガガ!!! ズキューン! ズキューン!

 

 

 ロボットが両手の銃器で反撃してくる。

 

ネプギアはそれを時間経過で修復された防御の魔方陣で防ぐ。

 

しかし、完全に防げる訳ではなく、連続でダメージを受けたネプギアのHPゲージが五割程減ってしまう。

 

 

「ヒール!」

 

 

 ネプギアはすかさず回復魔法でHPを八割まで回復させる。

 

 

「くっ……斬撃も魔法も貫通も通じないなんて……」

 

 

 ネプギアが唇を噛む。

 

それと同時にロボットの左肩のキヤノン砲の銃口がネプギアの方を向く。

 

 

「くるっ!」

 

 

 ネプギアは両手を突き出し防御の魔法陣に全力を籠める。

 

 

ズカーーーン!

 

 

 キヤノン砲の銃口から発射された弾がネプギアに命中する。

 

ネプギアのHPがゲージが三割まで減るが、その直後に、「ちりょうだよ!」とロムの声がしてネプギアのHPが全快する。

 

 

「ありがとう、ロムちゃん」

 

 

 ネプギアはロムにお礼を言うとビームソードを正眼に構えてロボットと対峙する。

 

 

「攻撃を続行します」

 

 

 ロボットの機械音声で喋ると、再び両手の銃器で攻撃をしてくる。

 

女神候補生達とロボットは一進一退の戦いを繰り広げていた。

 

フェンリル戦と同様にネプギアはタンクで執拗な攻撃と小まめな回復をしてヘイトを稼ぎつつ前衛を務めていた。

 

ロムはいつでもネプギアを回復出来るように回復魔法の詠唱を終えたまま、直ぐに発動させずに待機して、ロボットの必殺攻撃であるキャノン砲がネプギアに命中した直後にネプギアのHPを回復する。

 

 

「くっ……なかなか隙を見せないわね」

 

 

 ユニが唇を噛む。

 

先程のネプギアとユニのように、シールドをくぐり抜けるように同時攻撃もしているが、ロボットの激しい弾幕でそのチャンスも限られており、思うようにダメージが出せず攻め手に欠けていた。

 

 

「ヒール!」

 

 

 ネプギアは先程と同じようにロボットの攻撃の合間を縫って、回復魔法を使う。

 

 

(もうMPが半分以下になってる……このままじゃ……)

 

 

 回復魔法は無限に使える訳ではなくMPが切れてしまったら使えない。

 

このペースではロボットを撃破する前にネプギアのMPが切れてしまいそうだ。

 

 

「……ユニちゃん、MPがあんまり残ってないの」

 

 

 ロムもMPが残り少ないようで困った声を出す。

 

 

「MPチャージよ。飲みなさい」

 

 

 ユニは携帯倉庫のポーチからブレイン・マシン・インターフェイスで呼び出した、ガラス瓶のドリンクをロムに手渡す。

 

【MPチャージ】は名前の通りMPを回復する飲み物。

 

 

「……ストロー」

 

 

 ロムは瓶を両手に持ったまま再び困った声を出す。 

 

どうやらストローが無いと飲めないらしい。

 

 

「あー! もう、グイッと行きなさいよ!」

 

 

 ユニが少しイラついた声でそう言うと、ラムは携帯ゲーム機の2RMを取り出して操作するとポケット倉庫からストローを出して、「はい、ロムちゃん、ストロー」とロムにそれを手渡す。

 

流石に戦闘に関係ないストローはポーチにセットしていないらしい。

 

 

「……ちゅーちゅー……」

 

 

 ロムが急いでMPチャージを飲んでいる最中、ユニはロムの代わりに前衛で戦うネプギアのHPを回復弾で回復すると、「回復弾も弾切れか……このままじゃジリ貧ね……」と言って舌打ちする。

 

 

「変身する?」

 

 

 ラムが魔法で攻撃をしながらユニにそう質問すると、「この程度の相手に変身するのも癪ね……。でも、抱え落ちはもっとみっともないわね」とユニが答える。

 

【抱え落ち】とはゲームにおいて、攻撃手段や生存手段を残したまま全滅することなどを指す。

 

この場合の意味は変身という奥の手を使わずに負けてしまっては元も子もないということになる。

 

 

「手こずっているようですね」

 

 

 そこに露払いで小型ロボット達の相手をしていたイストワール達が追いつくとユニ達後衛のメンバーに声を掛ける。

 

 

「あのバリアが邪魔なのよー!」

 

 

 ラムは憤慨しながら攻撃を防ぐシールドを指差す。

 

 

「どれ?」

 

 

パンパンパン!

 

 

 アイエフが一歩前に出ると試しと言わんばかりに拳銃から弾を放つ。

 

 

カンカン……

 

 

 当然のようにシールドに防がれてしまう。

 

 

「そんな拳銃じゃ無理よ。徹甲榴弾だって通じなかったんだから」

 

 

 ユニはアイエフに諦めるよう言い放つ。

 

 

「かなり優秀な防御システムのようですね」

 

 

 イストワールは眉を寄せて、ロボットの防御システムに感心すると、「わたし達もお手伝いするですか?」とコンパが手伝いを申し出る。

 

プラエも小さくガッツポーズをしながら、「プラエもいつでもいけるよ」とアピールをしてくれた。

 

 

「いえ、今回は女神候補生のみなさんだけにお願いしましょう。出来れば変身もしないで下さい」

 

 

 しかし、イストワールは女神候補生だけでの撃破を指示する。

 

しかも変身せずにである。

 

 

「……そんなー(しくしく)……」

 

 

 イストワールの出した厳しい条件にロムが悲しそうな声を出して涙目になる。

 

 

「前衛のネプギア様、かなり辛そうですけど……」

 

 

 ファミ通が前衛でロボットの攻撃を耐え凌ぐネプギアを見ながら言う。

 

先程からユニ達後衛の援護を受けながら、攻撃、回復、防御、回避を適切に繰り返しているが、MPは既に三割を切っていた。

 

 

「ネプギアさんはこの程度で根を上げるような子ではありません」

 

 

 厳しい言葉だが、イストワールの目はネプギアを信用している目だった。

 

 

「でも……」

 

 

 それでも納得のいかなそうなプラエに、「私はみなさんなら、この苦境も乗り越えられると信じています」とイストワールは力強く言う。

 

 

「ネプギア! 今回もアタシ達だけでやるわよ!」

 

 

 ユニはイストワールの言うことに納得して、前方でロボットの攻撃を防いでいるネプギアに大きな声を掛ける。

 

 

「うん! わかった!」

 

 

 ネプギアは振り返らずに返事だけ返すとロボットとの戦闘を続ける。

 

 

「ほら! ロムもボーっとしてないで回復する!」

 

 

 ユニがMPチャージを飲み終えたロムに指示を飛ばす。

 

 

「う、うん!(あわあわ)」

 

 

 ロムは慌てながらも、回復魔法の詠唱を始める。

 

 

「よーし! こうなったら、あのバリアが壊れるまで攻撃を叩き込んであげるわ」

 

 

 ラムも覚悟を決めたように杖の先をロボットに向けるが、「そういうやり方はスマートじゃないわよ」とユニが口を挟む。

 

 

「えー! 私、太ってないわよ」

 

 

 口を尖らすラムに、「それは、スリム。アタシが言ってるのはスマートよ。賢いって意味」とユニがラムに説明をする。

 

 

「賢く?」

 

 

 首を捻るラムに、「そ、華麗に決めなきゃね」とユニはそう言いながらウインクする。

 

 

「ユニちゃんって本当にカレー好きだよね」

 

 

 ラムが少し呆れたように言うと、「違うわよ! 華麗よ。か・れ・い!」と怒って訂正するユニ。

 

 

「お魚?」

 

 

 回復魔法の発動を終えてネプギアのHPの回復を確認したロムがそう言って小首を傾げると、「それもちがーーーう!」とユニが叫ぶ。

 

 

「カレーでもラーメンでも良いから早く決めてよ」

 

 

 ラムはユニのもったいぶった発言に答えを急かすと、「定食屋で迷ってるふうに言わないでくれる……」とユニはウンザリ気味のも答える。

 

 

「ネプギアちゃんが前衛で頑張ってる……」

 

 

 ロムが話を先に進めないユニを少し批難するように言うと、「先にボケたのはアンタ達でしょ……」とユニは脱力して肩を落とす。

 

その頃、ロボットと交戦しているネプギアの耳にブレイン・マシン・インターフェースを通して、「エネミーの解析が完全に完了しました」とNギアからの電子音声が聞こえてくる。

 

 

「推定HPは80000。現在のダメージは22,235。弱点属性は雷属性です」

 

 

 Nギアが続けて敵のデータを伝えると、「ありがとう、詳細データをみんなに転送して」とネプギア言う。

 

すると、「了解しました」とNギアが答える。

 

同時にユニの携帯ホルダーU.N.Iととロムとラムのポシェット内の2RMから【ピーッ!】電子音がする。

 

 

「来たわ! ネプギアからの解析データ!」

 

 

 ユニは携帯ホルダーからゲーム機を取り出すとロムとラムもそれに続いてゲーム機を取り出す。

 

先程までおどけていたのが嘘なような俊敏な動作である。

 

 

「エネミーの射程、攻撃、行動パターン、弱点、40秒で頭に叩き込みなさい」

 

 

 ユニはゲーム機を操作しながら、ロムとラムに指示を飛ばすと、「40秒? 冗談。20秒で十分よ」とラムは強気に返すと「ネプギアちゃんの為に頑張る(ふんす)」とロムも弱音を吐いたりしなかった。

 

 

「いいわね」

 

 

 ユニはきっかり20秒後にロムとラムに確認を取る。

 

力強く頷くロムとラム。

 

それを確認したユニは銃に特殊弾を装填して発射する。

 

 

パーーン!

 

 

 弾は信号弾で破裂すると緑の光を発した。

 

ネプギアはその光を確認すると左手にボムを出して正面に投げつける。

 

 

ドカーーン!

 

 

 通常のボムとは違い、爆風が鮮やかな赤い色をしていた。

 

 

「やっぱりそう来たわね。フォーメーションレッドよ」

 

 

 ユニが右正面に走り出すと「オッケー! 行くよ、ロムちゃん」とラムも走り出し、ロムも「うん!」と頷くとラムの後を追う。

 

ロムとラムはユニとは逆の左正面に走り出す。

 

中央でネプギアと対峙するロボットに対して、ユニが右側、ロムとラムが左側から回り込む形である。

 

 

「一体なにが?」

 

 

 ファミ通はゲーム機からの電子音から、30秒足らずで散開したユニとロムとラムの行動に理解が追いつかない。

 

 

「敵の攻略法を見つけて作戦を立てたんですよ」

 

 

 イストワールがファミ通の疑問に答えると、「この短時間で?」と驚くファミ通。

 

 

「ネプギアさんが前衛で戦うことで、敵のデータを収集解析、それを後列のユニさん達とデータリンクして作戦を決めるのです」

 

 

 イストワールは作戦を立てるまでの流れを説明する。

 

話している間にもユニ達はロボットと100メートル以上の距離を保って走り続ける。

 

 

「見て下さい。ユニさん達は敵の射程を把握して、攻撃が当たらない安全なルートで回り込んでいるんです」

 

 

 イストワールはユニ達を指差しながら説明をすると同時に、「敵勢力の接近を確認」とロボットが機械音声で喋り右腕のガトリング砲をユニに向けて乱射するが、距離が開きすぎて極端に命中率が落ちているので、一発もユニに当たらなかった。

 

 

「おおー!」

 

 

 感嘆の声を上げるファミ通に、「流石ね。完全に有効射程を把握しているわ」とアイエフがあごに右手をあてがら感心する。

 

敵はヘイトの高いネプギアを基本的に狙うが、絶対では無く先程のユニのように低確率だがヘイトが低い相手を攻撃することもある。

 

ネプギア後ろにいる内はネプギアが盾になるので安全だが、接近する際は万が一に備えて敵の攻撃範囲に入らないよう細心の注意を払う必要がある。

 

 

「あなたの相手はこっちですよ!」

 

 

 ネプギアはユニを攻撃する為に横を向いたロボットの側面に飛び掛かると、「サンダーエッジ!」と電撃を纏った斬撃をお見舞いする。

 

【サンダーエッジ】は雷属性の斬撃。

 

シールドが間に合わず攻撃を受けたロボットに青白い電撃が走る。

 

 

「キケンキケン! 標的を変更します」

 

 

 726の大ダメージを受けたロボットはネプギアを危険と察知して標的を変更する。

 

雷属性が弱点なので、ヘイトが一気に上がったようだ。

 

 

「ギアちゃん、ロボットさんの弱点を見つけたみたいです~」

 

 

 コンパは嬉しそうに柏手を打って関心すると、「なるほどー……確かに皆さんの動きが一気に変わりましたね。正に攻略法を見つけたって感じです」とファミ通があごに右手を当てて、ふむふむと頷く。

 

 

「先程、ユニさんの放った緑色の信号弾は【敵の情報を把握した】と言う意味なんです。ロボットや人型などのある程度知能のある相手には、作戦が知られないよう、あのような信号弾で伝達をしているのです」

 

 

 イストワールはファミ通に信号弾の意味を伝えると、「そういえば、データの収集と解析ってどうやっているんですか? そんな暇無いように見えますけど……」とファミ通が腕を組んで首を傾げる。

 

前衛でパーティ全体を守るネプギアは応戦で手一杯で、いつデータを集めているかが気になった。

 

 

「ネプギアの髪飾りあるでしょ。脳波コンって言うんだけど、あの中に小型カメラが入ってて、そこから得た情報をNギアで解析するのよ」

 

 

 今度はアイエフがファミ通の質問に答えると、「なるほどー、それもネプギア様のお手製ですか?」といそいそとメモを取りながら質問を続けるファミ通。

 

 

「ええ、諜報部員の私もお世話になってるわ」

 

 

 アイエフはリボンの隙間に差してあるネプギアに作って貰った自分の小型カメラを取り出し、ファミ通に見せる。

 

 

「ネプギアさんが戦えば戦うほど敵のデータが蓄積され、敵の弱点や攻撃範囲や行動パターンなどの攻略法が明らかになるのです」

 

 

 イストワールがそう言うと同時に、「狙い撃つわ!」とユニが叫んでロボットの右側に止まると射撃体勢を取り、「サンダーバレット!」と言って銃を撃つ。

 

 

ズキューン

 

 

 ユニの弾が命中すると先程のサンダーエッジ同様に青白い電撃がロボットを包むと799ダメージ当たる。

 

【サンダーバレット】は電撃の力を宿した弾丸を放つ技。

 

 

「サンダーアロー!(びりびり)」

 

 

 少し遅れてロボットの左側にロムが止まると、杖から青白い電撃の矢を放つ。

 

ロボットに命中すると722のダメージが出る。

 

 

「おおっと! ユニ様達の攻撃が始まりましたね。これは挟撃ですか?」

 

 

 その姿を確認したファミ通がネプギア達の作戦が挟撃であることを予想する。

 

 

「いいえ、更にもう一手です」

 

 

 イストワールはファミ通の予測不足を伝えると、「電撃よ、我が手に宿り敵を滅ぼせ!! サンダーボルト!!」と叫び声が聞こえる。

 

 

バリバリバリ!

 

 

 激しい電撃音と共に青白い電気を纏った光線がロボットに命中し1002のダメージが当たる。

 

いつの間にか背後に回り込んでいたラムの攻撃魔法である。

 

【サンダーボルト】はサンダーアローの上位魔法。

 

瞬発力の高いラムは全速力で一気にロボットの背後に回り込んだのだ。

 

 

「これは包囲!?」

 

 

 ファミ通はラムの攻撃でネプギア達がロボットをいつの間にか包囲していたことに気付く。

 

 

「ネプギアさんの赤いボムは包囲作戦の指示です」

 

 

 イストワールは赤い爆発のボムの意味をファミ通も教えると、「これは鮮やかな包囲戦術ですね! 良い記事が書けそうです!」満足顔のファミ通。

 

 

「あのシールドはピンポイントにしか防御できないみたいだから、包囲するのは効果的ね」

 

 

 アイエフはネプギアの作戦に感心すると、「こんな大胆で電撃的な作戦は敵の情報を完全に把握した上で、高い練度がないと実現できませんよ」とファミ通が嬉しそうにメモを取る。

 

ミクも、「本当にあっという間に囲んじゃったね」と驚きの声を漏らす。

 

 

「たあっ!」

 

 

 ネプギアがビームソードを振るうとロボットはシールドでガードする。

 

それと同時に、「がら空きよ!」とユニが銃を放ち、「集中攻撃!」とロムが魔法を飛ばし、「やーいやーい! 防いでみなさいよ~」とラムも魔法を放つ。

 

同時に左右後方からの三方向から攻撃の直撃を受けたロボットは合計5000近いダメージを受けて、大きくよろめく。

 

 

「効いてます! 効いてますよ!!」

 

 

その鮮やかな連携攻撃に感嘆の声を上げるファミ通。

 

 

「戦術的に見て少数を倒すには退路を断ち、集中放火を浴びせた方が確実な戦果を挙げられるわ。この場合、包囲・殲滅という作戦を取ったネプギア達の判断は正しい。しかも、相手の戦力を完全に把握してから行動を起こすところまで完璧よ」

 

 

 アイエフが腕組みをしながら、ネプギア達の作戦に称賛を送る。

 

 

「それ! サンダーアロー!」

 

 

 ラムの手から電撃が放たれロボットを襲う。

 

ロボットはシールドを後ろに回してガードするが、その間にネプギアが斬りかかる。

 

 

「サンダーエッジ!」

 

 

 正面のガードがガラ空きになったロボットにネプギアの剣技がヒットする。

 

それと同時に右側からユニの放った銃弾、左側からロムの放った電撃が当たり合計で4000以上のダメージが当たると、「エマージェンシー!」とロボットが悲鳴のように警報を鳴らす。

 

 

ドガガガガガガ!!! ズキューン! ズキューン!

 

 

 ロボットも負けずに両手の銃器をネプギアに向けて乱射してくる。

 

 

「ジャストガード!!」

 

 

 ネプギアは弾が当たるタイミングを見極めて左手の防御の魔法陣を張る。

 

 

キュンキュン!

 

 

 

 ロボットの弾は魔法陣に弾かれて、合計でも15前後のダメージしか受けずHPゲージの減少は一割にも満たない。

 

何度も攻撃を受けた経験と、Nギアの解析能力でネプギアは敵の行動パターンと防御するタイミングを完全に掴んでいた。

 

 

 ジャストガードもタイミングの良し悪しで更にダメージの減少が抑えられる。

 

ガードは音ゲーのように、ミス、バッド、グッド、グレート、パーフェクトの判定があり、グレート以上がジャストガードでパーフェクトなら更にダメージを減少できる。

 

今のネプギアの防御タイミングは言うまでもなくパーフェクトであった。

 

 

「今度はわたし、サンダーアロー」

 

 

 今度はロムがロボットに電撃を放つ。

 

先程と同じようにロボットはシールドを左側に回す。

 

 

「サンダーバレット、シュート!」

 

 

 しかし、逆方向の右側にいるユニが銃を放つとシールドは移動済みなのでなす術になく銃弾に当たるロボット。

 

 

「サンダーエッジ!」

 

 

 同時に、ネプギアが正面から斬りかかると「サンダー!」と背後からラムの魔法が飛んできて、両方ともロボットに命中し、6000近いダメージが当たる。

 

包囲戦術により、ロボットの守りを崩したネプギア達。

 

攻撃の順番も変えることで変則的な攻めをし、ロボットに防御の予測もさせない。

 

弱点の電撃攻撃も効果抜群である。

 

 

「キュイーーン! リミッター解除、リミッター解除!」

 

 

 ロボットのゴーグルが赤く点滅し、その体に赤いオーラを纏う。

 

 

「ガッツが発動しましたね! でも……」

 

 

 ロボットのHPが残り三割を切ってガッツが発動してパワーアップをしたようだ。

 

ロボットのキャノン砲が火を噴く。

 

 

ズカーーーン!

 

 

キャノン砲の弾はネプギアに当たり大爆発を起こす。

 

 

「あなたの攻撃のタイミングは完全に掴んでます」

 

 

 しかし、硝煙が晴れると防御の魔法陣を張ったネプギアが平然と立っていた。

 

ジャストガードのタイミングは完璧で、ガッツが発動してパワーアップした攻撃でもそのダメージは100に満たずHPゲージの減少は三割程度であった。

 

戦闘開始時は最大で150以上のダメージを受けていたのに対して、半分近くのダメージをカットしている。

 

 

「ヒール!」

 

 

 しかし、累計ダメージは馬鹿にならず、ネプギアはヒールで体力を回復する。

 

MPは尽きかけているが、ここでMPを惜しんではいられない。

 

ロボットの有効射程内にはネプギアしか居なく、そのネプギアもロボットの攻撃を見切って防御とHP回復のタイミングを掴んでいた。

 

攻撃も防御も崩されたロボットは完全に詰んでいた。

 

 

「ガガッ……キューィン……」

 

 

 その後もネプギア達の包囲連携攻撃は続き、ロボットはかなり消耗したようだ。

 

体のあちこちに漏電によるスパークが発生している。

 

 

「みんな、そろそろ決めるよ!」

 

 

 ネプギアは左手にボムを出して正面に投げつける。

 

 

ドカーーーン!

 

 

 紫の爆風が辺りを包むと、「了解っ!」その爆風を見たユニが別の弾を装填する。

 

 

「えいっ! サンダーエッジ!」

 

 

 ネプギアがロボットに斬りかかり、ロボットのシールドを誘導する。

 

ロボットはシールドでネプギアの攻撃を防ぐが、「「アイスホールド!」」同時にその無防備な瞬間にロムとラムが声を合わせアイスホールドを唱える。

 

 

ピキピキピキ……カチーーン!

 

 

 ロボットは両手両足が凍り付いて動けなくなる。

 

 

「ビービービー!」

 

 

 必死にもがくロボットだが、なかなか拘束を解くことが出来ない。

 

そこに、「いくわよ! ロボット用捕獲弾!」と、もがくロボットに照準を合わせてユニが銃を撃つ。

 

 

「ビー! システム異常!」

 

 

 弾に当たったロボットは痙攣したようにビクビク動く、「もう一発!」更にもう一発撃つユニ。

 

 

「ビー…ビー…ぴー………」

 

 

 二発目があたるとロボットのゴーグルに激しいノイズが入り、ガクンと片膝を着く。

 

 

「後は、わたし達が氷漬けにして終わりね」

 

 

 それと同時にラムがロボットに走り寄ると、「かちんこちんにしちゃう」とロムも走り寄る。

 

ロムとラムはロボットに、直接手を当てると「「……氷よ敵を捕獲せよ……」」と同時に氷属性の呪文を詠唱し始める。

 

 

「「フリジットキャプチャー!!」」

 

 

 二人が同時にそう叫ぶとロボットの全身が巨大な氷に覆われて氷漬けになる。

 

【フリジットキャプチャー】は捕獲専用の氷属性の魔法。

 

かなり弱った相手でないと効かないがモンスターを捕獲することが出来る。

 

 

 【捕獲】とは弱らせたモンスターを捕らえる行為である。

 

それにより得られる希少アイテムもある。

 

ちなみに強力な攻撃で葬り去るオーバキルとは同時に行うことが出来ず、基本的にはパーティ内でどちらかにするか話し合う必要がある。

 

 

「よし、捕獲完了。ミッションコンプリートね」

 

 

 ユニが誇らしげに銃を収めると、「やったあ! これなら、いっぱいパーツが手に入るね」とネプギアは目をキラキラさせながら喜ぶ。

 

 

「これはまた見事な捕獲コンビネーション……」

 

 

 後方で感嘆するファミ通。

 

そこに女神候補生達が戻ってくると、「みなさん、お疲れ様でした。捕獲した敵は後で回収班に回収させます」とイストワールが労をねぎらう。

 

 

「相変わらず、鮮やかなチームプレイね」

 

 

 アイエフがそう褒めるとコンパも、「みんなカッコ良かったですー」とネプギア達を褒める。

 

プラエも笑顔で、「みんなすごーい!」と歓声を送り、「ネギちゃんさすがー」とミクも歓声を送る。

 

 

「みんなのおかげです」

 

 

 ネプギアは仲間達に感謝すると、「毎回素晴らしいチームプレイですけど、何か秘訣はあるんですか?」とファミ通がネプギア達に質問する。

 

 

「あえて言うなら、ワン フォー オール オール フォー ワン【one for all all for one】の精神ね」

 

 

 ユニがファミ通の質問に答えるが、「わんふぉーおーる……なにそれ?」ロムは首を傾げ、「1なのか4なのかハッキリしてよー」とラムが抗議をする。

 

ロムとラムにはユニの言うことが理解できなかったようだ。

 

 

「ユニちゃんの言ったことは【一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために】って言って、私達の場合は、戦いの勝つ為に一人一人が全力で役割を果たして助け合っていこうってことになるの」

 

 

 ネプギアがロムとラムに丁寧に説明すると、「なるほど(ふむふむ)」と素直に頷くロム。

 

 

「ユニちゃんの言う通り。ネプギアちゃんは一生懸命わたし達の為に戦ってくれるし、わたし達も精一杯ネプギアちゃんをフォローしてる」

 

 

 ロムはネプギアの説明でユニの考えに同調したようだった。

 

 

「そうね。今日もわたし達のミスをユニちゃんがフォローしてくれたし」

 

 

 同じくラムもユニの言葉に理解を示すが、「でも、ユニちゃんってば、もっと簡単に言えばいいのに。ユニちゃんのカッコつけマン」とユニをからかうように指差す。

 

 

「変なあだ名付けないでくれる」

 

 

 ユニはラムの言葉に呆れた顔をするが、「ユニちゃんは女の子だからカッコつけウーマンだよ」と言うネプギアに、「問題はそこじゃないっ!」と手の甲でツッコミをする。

 

 

「流石は女神様。崇高な精神です」

 

 

 ファミ通がネプギア達の意見に感動をするが、「別に女神だからって訳じゃないわ」と、ユニが即座に否定する。

 

 

「え?」

 

 

 目を丸くするファミ通にユニは、「アタシ、昔は一人で戦うことしか知らなかったし。こうやって仲間を信頼してチームプレイが出来るようになったのはネプギアに会ったからよ」と腕を組みながら言う。

 

 

「私?」

 

 

 自分に話を振られて驚くネプギアに、「バカみたいに真面目で、誰にでも優しくて、何にでも一生懸命なネプギアと一緒に戦っている内に、こうやって仲間を信頼して戦うのも良いなって思えるようになったのよ」とユニが話を続ける。

 

 

「わたし、ネプギアちゃんに会ってから変われた」

 

 

 ユニの言葉にロムも胸に両手を当ててそう言うと、ラムも「わたしも! わたしも!」と左手を上げる。

 

 

「だから、アタシ達の信頼関係は元からじゃなくて、一から築かれたものよ」

 

 

 ユニがファミ通に力説すると、「なるほど……話からして、やはりネプギア様が中心なんですね」とファミ通はあごに手を当てながらそう言うとネプギアに目を向ける。

 

 

「え……? ただ私は、みんなと協力できたらいいなって思っていただけで、中心だなんて……」

 

 

 控えめに発言するネプギアの言葉を、「そりゃそうよ! わたし達のリーダーなんだから!」とラムが素早く遮る。

 

 

「ネプギアちゃんはわたし達のリーダー(ぽっ)」

 

 

 何故かロムはうっとりした表情でネプギアを見つめると、「今更うだうだ言わないの。アンタがリーダーって決まったんでしょ」とユニはネプギアに喝を入れるように言う。

 

 

「でも、私今までお姉ちゃんに引っ張られて生きてきたから、みんなを引っ張っていくなんて自信ないよ……」

 

 

 ネプギアはしゅんとしてしまうが、「それでもやってみせなくてはいけません。ネプギアさんには女神様としての責任もあります」とイストワールは少し厳しい口調でネプギアに言い聞かせる。

 

 

「……いーすんさん」

 

 

 不安そうな顔をするネプギアに、イストワールは今度は優しい声で、「大丈夫です。私は何があってもネプギアさんの味方です。それにユニさん達もフォローしてくれますよ」と言う。

 

 

「そうですね……弱気になってごめんなさい。頑張ります」

 

 

 イストワールの言葉に自信を取り戻すネプギア。

 

 

「では、早速ですが、今日は帰ったら自由時間になりますが、どうされますか?」

 

 

 イストワールがネプギアに質問するとネプギアはNギアを出して時間を確認する。

 

時計を見ると12時前だった、つまり午後からは自由時間なのである。

 

 

「みんなは何がしたい?」

 

 

 ネプギアはユニ達に意見を求めると、「はーい! わたし、かくれんぼしたい!」とラムが手を上げ、「わたしも、かくれんぼがいい」とロムもそれに同意する。

 

それを聞いたプラエは目を輝かせて、「みんなとかくれんぼなんて楽しそう!」と言う。

 

 

「いいよ。ユニちゃんも付き合ってくれる?」

 

 

 ネプギアはにこやかにそう言うと「いいわよ、子供っぽいけど付き合ってあげるわ」とユニも頷いて了承する。

 

 

「アイエフさん達もどうですか?」

 

 

 ネプギアはアイエフ達にも仲間に入るよう勧めると、「うーん……私達は大人だし……」とアイエフは難色を示すが、「でも、たまにはいいと思うですー」とコンパは乗り気のようだ。

 

 

「そうだね。童心に返るのも悪く無いね」

 

 

 ファミ通も乗り気なので、「仕方ない、付き合ってあげるわ」とアイエフも付き合うことにする。

 

 

「あんみつもやろうよ」

 

 

 プラエがそう言ってあんみつを誘うと、「わかりました。私は手強いですよ」と言って、あんみつが微笑む。

 

 

「ネギちゃん、かくれんぼってなに?」

 

 

 ミクの質問に、「知らないなら、わたし達が教えてあげるわ」とラムが言い。「わたし達に任せて(ぐっ)」とロムがそれに続く。

 

 

「いーすんさんも一緒にやりましょうよ。人数が多い方が楽しいですから」

 

 

 ネプギアはイストワールにも勧めると、「そうですね……お付き合いましょう」とイストワールは少し考えてから同意する。

 

 

「よーし!帰ったらみんなで、かくれんぼね!」

 

 

 ラムが嬉しそうにバンザイしてそう言うと、「フィナンシェさんも誘おうね(うきうき)」とロムも嬉しそうに言い、二人しては嬉しそうに先頭を走る。

 

 

「かくれんぼが終わったら、ミクと一緒にバンドの練習でもしない」

 

 

 ユニがネプギアに向かって言うと、「うん、いいねそれ」とネプギアが柏手を打つ。

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