新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2021年5月30日 日曜日。
ゴッデスファイト決勝トーナメント。
遊撃隊として激戦を戦っている、大きいネプテューヌとケイブ、それにうずめにあんみつ。
「おいおい……かなりの数の敵を通しちまったぜ。防衛隊は大丈夫か?」
クロワールが珍しく真剣な声で言う。
彼女の言う通り、大きいネプテューヌ達も善戦しているが、それ以上に敵が多く沢山の敵がネプギア達の守る中央の塔に向かって行ってしまった。
「くうっ……不覚……」
戦いながら悔しそうに言う、あんみつに、「まさか、ここまで敵が出て来るなんて……」とケイブも苦しそうな顔をする。
「そろそろ、オーディンとゼウスがギャラクシーシャイン・スーパーノヴァを完成させる頃だ。取りに行くぞ」
クロワールの言葉に、「無理だよ、クロちゃん。こんなに敵が居たら動けないよ!」と大きいネプテューヌが言うと、「それでも行くしかねーんだ。目的を誤るなよ? キングがネプギア達や塔で、お前らはポーンだ」とクロワールがチェスの駒に例えて言う。
「確かにクロワール殿の言うとりです。大きいネプテューヌ殿とクロワールだけでも……」
あんみつがそこまで言うと、「待って。うずめが残るよ。みんなはぎあっちのところに行って!」とうずめが言う。
「しかし、一人だけでは……」
ケイブの言葉に、「さっさと決めろよ。本当に手遅れになるぞ」とクロワールが急かす。
そんな時、うずめの脳裏に声が響く。
【オレと力を合わせろ】
暗黒星くろめの声だった。
(こんな時に何言ってやがる! 俺は絶対にお前を解放しないって言った筈だぞ!)
うずめがそう言うと、【グズグズするな! 正直言えばお前みたいなヘタレと力を合わせるなんて反吐が出るが、オレとお前はぎあっちを守るって一点だけでは利害は一致している筈だ。オレを信じろとは言わないが、ぎあっちを守るにはそれしかないぞ】とくろめが焦りの声で言う。
(くろめ……お前マジで……)
驚きの声を上げるうずめに、くろめはうずめの胸倉を掴んで、【早くしろよ!! ぎあっちが死んでもいいのかっっ!!】とくろめが焦りの叫びを上げる。
くろめの目は今までにうずめが見たくろめとは思えない程真剣だった。
(……わかった。お前を信じる。どうすればいい?)
うずめの問いに、【目を閉じて神経を集中しろ。後はオレがなんとかする】とくろめが言うと、(いいか! ぎあっちだけじゃないぞ! ゆにっち達も守るんだ!)とうずめが念を押すと、【わかってる。今はその時じゃない】とくろめが答える。
くろめの言う通り目を閉じて神経を集中するうずめ。
するとうずめの変身が解けてしまう
「おい! うずめ。こんな何を……」
クロワールがそこまで言うと、「やあ、久しぶりだね。クロワール」とうずめが言う。
「うずめ?」
「うずめ殿?」
うずめの変化に戸惑う、大きいネプテューヌとあんみつに、「髪の色が変わった?」とケイブも驚きの声を上げる。
「お前、くろめか?」
クロワールの質問に、「そう言えばオレはそう呼ばれていたな。まぁ、他の奴等はどうでもいいが、ぎあっちがオレをくろめと呼ぶならオレはくろめで構わない」とうずめが言う。
「どうして、くろめが……」
戸惑う大きいネプテューヌだが、「状況は把握している。邪魔だ。さっさと行け」とくろめが真剣な声で言う。
それを聞いたクロワールが、「行くぞ。グズグズするなよ。巻き込まれるぞ」と言ってワープをする為の次元ゲートを開く。
「でも!」
大きいネプテューヌの言葉に、「心配するな。俺達がネプギアの味方である限り、コイツも味方だ」とクロワールが言うと、「クロワールの言う通りだ。あんまりノロノロしてると本当に巻き込むぞ」とくろめが凄む。
「わかったよ。死なないでね、くろめ」
大きいネプテューヌがそう言うと、「誰に言ってるんだい? でっかいねぷっち」とくろめが言うと、「その心配は相手にした方がいいぞ、今のアイツはネプギアが絡むと手加減の『て』の字もねぇぞ」とクロワールが言う。
同時に、大きいネプテューヌとクロワールとあんみつとケイブがワープゲートに入って消えてしまう。
「行ったか……」
くろめはそう言うと、「オレのプリンセスを困らせるのはお前達だな?」と周囲に居る無数の暗黒竜の兵士を睨む。
「なんだコイツ? 一人でなにイキがってるんだ?」
「こんな奴さっさと殺して女神のところに行こうぜ」
「そうだ。女神を捕まえてお楽しみと行こうじゃ……」
兵士がそこまで言った瞬間、「うぼあっ!」その兵士の頭が弾け飛ぶ。
「……何て言った今?」
くろめが凄まじい怒りの表情になる。
顔中に血管が浮き出ていた。
以前のくろめからは想像できない顔だ。
「オレのプリンセスに指一本。いや、視界にですら入って見ろ。消し飛ばすぞ」
くろめはそう言うと、おもむろに兵士の一人の顔を握りをアイアンクローすると、一瞬で握りつぶす。
鮮血がくろめの顔に飛び散る。
「「「ひいっ!?」」」
恐れおののく兵士達。
「こ、コイツ、ヤベぇぞ!?」
「び、ビビるな!? 一斉にかかれ!!」
囲んでいた兵士が一斉に、くろめに襲い掛かる。
「そう言えば時間がないんだったな。さっさと片付けるか」
くろめはそう言うと、両腕に力を籠める。
「はあああああああ!!!」
くろめは気合の叫びと凄まじい勢いで両手でパンチを繰り出す。
一発ごとに無数の兵士の鎧が砕け吹き飛んでいく。
一分も経たずに周りの兵士が全て吹き飛ぶ。
「ふん……雑魚が」
くろめはそう言うと、「待っててくれ、ぎあっち。今助けに行く」と言って凄いスピードで兵士を蹴散らながら中央の塔に向かって行く。
まるで無双ゲームで馬に乗って敵を蹴散らすようだ。
***
その頃、中央の塔ではネプギア達が、何とかブランは撃退したが押し寄せる兵士に苦戦を強いられていた。
「次から次へと! キリがないわね!」
ユニが苦しそうな表情で言うと、「これじゃあ、ギャラクシーシャイン・スーパーノヴァが届いても魔法の詠唱ができないわ!」とラムも焦りの声を上げる。
「その間にも、神次元のお姉ちゃん達は苦戦してるのに!」
悔しそうな声を上げるロムに、「ブランさんを倒したのに負けちゃうの!?」とプラエも悲しそうな声を出す。
「その心配はないっ!!」
力強い声が聞こえて来る。
「この声! うずめさん!?」
喜びの声を上げるネプギア。
「うおおおおおおおお!!」
うずめの雄叫びとともに、十戒の海が割れるシーンのように敵が吹き飛んでいく。
「うずめ、すごーーーい! カッコイイ!!」
喜びの声を上げるラムに、ロムも、「うずめちゃん、つよーーーい!!」と歓喜する。
「でも、何で変身してないのかしら?」
ユニが首を傾げると、「そう言えばそうだね」とプラエも同意する。
その間にも、うずめの快進撃は続き、空を飛んでる飛竜ですら飛び蹴りで倒してしまう。
「テメェ等! ぎあっちの視界に入るなよ!! オレのぎあっちが穢れるだろ!!」
凄まじい勢いで敵を蹴散らして、ネプギアの元に一直線で進む、うずめ。
「うずめ。待って! こっちにまだ敵が残って……」
ユニが叫ぶが聞こえてないかのようにネプギアの方に走って行くうずめ。
「大丈夫かっ! ぎあっち!!」
必死の声と共に、ネプギアの元に滑り込むうずめ。
「は、はい……大丈夫ですけど……」
うずめのあまりの真剣さに戸惑ってしまうネプギア。
「良かった……無事で……」
うずめはそう言うと、真剣な顔でネプギアの前で片膝を付くと、ネプギアの右手を大事そうに両手で握ると右目から涙を流す。
「う、うずめさん!? そんな泣くほどのことじゃ……」
更に戸惑うネプギアに、「涙も出るさ。一日千秋の思いで、この瞬間を何年も待ち続けたんだ……」とうずめが言う。
「何年も? え? え?」
混乱するネプギアに、「オレが分からないのかい? ぎあっち」とうずめが寂しそうに言うと、「もしかして……もしかして、くろめさんですか!?」とネプギアが驚きの表情で叫ぶ。
「ああ……分かるんだね? やはり君はオレのプリンセスだ……」
くろめがそうに言うと、「ネプギア!! そいつから離れて!!」とユニが叫びながら、くろめに銃を向けるが、「待って! 待って、ユニちゃん! 私、くろめさんに言いたいことが! 言わなきゃいけないことがあるの!」とネプギアが答える。
「……伝わったさ。あの時、うずめの奴を通して君の真剣な想いはオレの胸に痛いほど届いたよ」
くろめはそう言うと、「ぎあっちがオレの気持ちを承知の上で言うよ。オレはぎあっちが好きだ。ぎあっちを愛している。君はオレの特異点になって監獄のような世界から解放してくれた。そして再び青い空を見せてくれた……ネガティブエネルギーの塊だった以前のオレでは言えなかったが、今ならハッキリと言える。ぎあっち愛してる!」と真剣な声で続けて言う。
「くろめさん……ありがとうございます。気持ちは凄く嬉しいけど、私は女神で……」
ネプギアがそうに言うと、「今はそれでいいさ。でも、いつかオレは君を手に入れてみせる。絶対にだ」とくろめが言うと、くろめは怪しく微笑んだ。
「……っ!?」
ネプギアは何故かその微笑みに寒気を覚えた。
「さて、ぎあっちの為にもう少し働くか。時間も限られているしね」
くろめはそう言うと悠々とユニとすれ違い、「先に告ったのはオレだ……オレの勝ちだなゆにっち」とユニに囁く。
「なっ!?」
驚きの表情で振り返るユニだが、既にくろめは戦場に走り出して先程と同じように敵兵を蹴散らしていた。
「大丈夫? ネプギア?」
ユニはくろめの事は諦めてネプギアの心配をするが、「うん……くろめさんの気持ちは分かってるし、味方だと思う。けど……」とネプギア言うと、「けど? けどなに?」とユニが心配そうに言う。
「最後、少し……ほんの少しだけ怖かった」
ネプギアがそう言うと、「大丈夫。アタシがいるわ。ネプギアがアイツを信じるならアタシも信じるけど、油断は禁物よ」とユニが真剣な声で言う。
「うん……ありがとう、ユニちゃん。ユニちゃんが居るなら安心だよ」
ネプギアが安心そうな声でそう言うと、「おーおー、やってるやってる。長い間溜め込んでた思いをぶちまけたんだ。そりゃスッキリしただろうな」とクロワールの声がすると同時に、ワープゲートが現れてクロワールや大きいネプテューヌが現れる。
クロワールの視界には縦横無尽に暴れ回る、くろめが映っていた。
「おい、くろめに告られたんだろ? 何て答えたんだよ?」
クロワールの質問に、「えっと……」と戸惑うネプギア。
「こらっ! クロちゃん、他人の告白の内容を聞くなんてデリカシーが無いよ」
大きいネプテューヌが注意すると、「ま、大体予想はついてるからいいけどな」とクロワールが言う。
「だけど、アイツを簡単に信用し過ぎるなよ? お前はやり過ぎたんだ。凍てついたアイツの心を溶かすだけで良かったのに。お前の熱すぎる想いが、溶かすどころかアイツを恋の炎に包んじまったんだ。溶かしただけなら上手い具合に成仏したんだろうが、今のアイツはお前の想いだけで生きてる。善も悪ない、ただ単純にお前だけを求めてる。お前を手に入れる為なら手段を選ばねーぞ?」
クロワールの説明に、「わたしはネプギアが正しかったと思うよ。わたしもくろめを救いたかったし、あのまま成仏なんて寂しいもんね」と大きいネプテューヌが言う。
「俺は忠告したからな? それより出来たぞ。ギャラクシーシャイン・スーパーノヴァが」
クロワールはそう言うとネプギアに魔導書を手渡す。
「ありがとうございます。クロワールさん」
ネプギアはクロワールにお礼を言うと、「みんな魔法の詠唱をするよ! 集まって!」とシスティーナの仲間達に声を掛ける。
「わたし達はくろめに加勢しよう」
大きいネプテューヌがそう言って敵陣に斬り込んで行くと、ケイブとあんみつもそれに続く。
「ヤッホー! くろめ。元気してた?」
笑顔でくろめに挨拶する大きいネプテューヌ。
「でっかいねぷっちか。オレは今気分がいいんだ。何でも出来る気がする。ぎあっちのナイトはオレだ! 誰にも邪魔はさせない」
くろめの言葉に、「ナイトは何人居てもいい気がするけどね? その方がネプギアも喜ぶよ」と大きいネプテューヌが言う。
「いや、ぎあっちのナイトはオレ一人だ。邪魔するなら潰すぞ?」
くろめの威圧に、「ま、その辺は追い追いね」と大きいネプテューヌがウインクすると、「そんな簡単に行けばいいけどな……」とクロワールが心配そうに言う。
「うずめはどうなったの?」
心配そうに言う大きいネプテューヌに、「時間がくれば自然に戻る。心配するな」とくろめが答えた。