新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

126 / 126
125最悪のシナリオを回避せよ

 G.C.2021年5月30日 日曜日。

 

ゴッデスファイト決勝トーナメント。

 

アンデッド化したノワールと戦うネプテューヌは激しい葛藤に襲われていた。

 

 

(またノワールを殺すの? もつのわたしの心は……大切な親友を二度も手に掛けて。あの時ノワールはわたしを強いと言ってくれたけど、全然そんなことない。一度あなたを殺したわたしの心はボロボロで今にも壊れそう)

 

 

 ネプテューヌは迷っている間にもノワールの攻撃は止まるどころか、更に激しくなってくる。

 

 

(このまま、わたしがノワールに討たれたら、わたしはともかくノワールはどうなるの? 永遠にニャルラトホテプの道具に……それだけは!!!)

 

 

 ネプテューヌは覚悟を決めるとノワール攻撃を思いっ切り弾き後退して距離を取る。

 

 

「……早く、殺して……」

 

 

 ノワールが何度も呟いた台詞を再び呟く。

 

 

「わかったわ、ノワール。全ての罪も悲しみも、わたしが背負う」

 

 

 ネプテューヌの凛とした声に、「……ネプテューヌさん」とラステイション教祖の神宮寺ケイが辛そうに呟く。

 

彼女にもネプテューヌの葛藤が痛いほど伝わっていた。

 

 

「頼む。ネプテューヌさん、ノワールを解放してあげてくれ」

 

 

 ケイはネプテューヌの意志を後押しするように言うと、「ありがとう」とネプテューヌが短くケイにお礼を言う。

 

 

「その代わり一つ頼みがあるわ」

 

 

 ネプテューヌの言葉に、「僕にできることなら」とケイが頷く。

 

 

「ノワールを……親友を二度も殺した罪に、わたしの心が耐えれなかった時、その時はネプギア達の事を……システィーナのことをお願い」

 

 

 ネプテューヌがそう言うと、「……親友……そうか君はノワールのことをそこまで……わかった。約束しよう。その時は僕に任せてくれ」とケイが言う。

 

 

「行くわよ! ノワール!!」

 

 

 ネプテューヌは真剣な顔でノワールと向き合うとプロセッサユニットのブースターを全開にしてノワールに接近する。

 

 

***

 

 

 その頃、ネプギア達は暗黒竜メジュースを倒していた。

 

 

「やったわね。ネプギア」

 

 

 ネプギアとユニがグータッチを交わすと、ロム、ラム、プラエが続いてネプギアの元に駆け寄ってくる。

 

 

「やったね、ネプギアちゃん」

 

 

「流石はわたし達のネプギアだわ」

 

 

「凄いよ。ネプギアお姉さん」

 

 

 ロム、ラム、プラエが喜びの言葉と共に両手をを出すと、ネプギアも両手を出して三人と順々にハイタッチを交わす。

 

 

「でも、喜ぶのはまだ早いよ。お姉ちゃん達も心配だし、ロキやニャルラトホテプにイクスも残ってる」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「そうね。油断せず行きましょ」とユニが言うと、「まずはメジュースが逃げたって言ってたロキとニャルラトホテプを追いましょうよ」とラムが言う。

 

 

「まさかメジュースを倒すとはなぁ! 三流にしては上出来だ」

 

 

 その言葉と同時にロキが現れる。

 

同時にメジュースの死骸から黒い靄が現れて、ロキに吸収される。

 

 

「くっくっくっ……これでプラネテューヌのダークドラゴンの力とルウィーの暗黒竜の力が俺様の物だ」

 

 

 ロキが嬉しそうに言うと、「ご苦労だったなぁ。ライジングフォースのリーダーにして、ファイターエムブレムのスターロード」とネプギアに向けて言う。

 

 

「お前が奴等を殺してくれたお陰で楽に奴等の力を吸収できた」

 

 

 ロキが嬉しそうに言う。

 

彼の言う通り、以前にプラネテューヌでロキが復活させたダークドラゴンをネプギアが光の軍勢ライジングフォースを率いてダークドラゴンを倒した時、死んだと思われていたロキがダークドラゴンの力を吸収して生き延びたのだ。

 

そして今、同じく彼が復活させた筈の暗黒竜メジュースもネプギアによって倒され力を吸収されたのだ。

 

 

「もしかして、元々それが目的で復活させたの!?」

 

 

 ロムがそう言うと、「ヒドイ! 仲間じゃないの!?」とプラエがロキを糾弾する。

 

 

「仲間ぁ? そんな訳ねぇだろ。神も竜も人間もゲイムギョウ界なんざ低次元の生き物なんて、俺様からすれば駒なんだよ」

 

 

 ロキの言葉に、ネプギアは以前に戦ったダゴンに言われた言葉を思い出した。

 

 

【ゲームのキャラなど、ストレス解消になじられていれば良かったものを】

 

 

【貴様等なぞ、下等な人間の作り出した道具に過ぎん】

 

 

 ネプギアはロキを睨みつけると、「あなたも邪神と同じなんですね!!」とロキに向けて言う。

 

 

「フン……ニャルラトホテプのことか? 確かにアイツとは少しは気が合うが、いずれは俺様が上に立つ」

 

 

 ロキはそう言うと、飛び去って行く。

 

 

「逃げるわ!! 追いましょ!!」

 

 

 ラムがそう言うと、「追っちゃダメーーーーー!!」と少女の声が聞こえて来る。

 

 

「この声! オワ……じゃなくて、彩ちゃん!」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「今、オワールさんって言おうとしなかった?」と凄い不機嫌そうなオワールこと桧月彩花が白い羽根と共に現れる。

 

 

「き、気のせいだよ! 気のせい!! それより何で追っちゃダメなの!」

 

 

 ネプギアが誤魔化すように早口でまくし立てると、「そうだ! 絶対に追っちゃダメ!」と彩花が真剣な顔で言う。

 

 

「そんなに手強いの? アイツ」

 

 

 ユニがそう言うと、「確かに手強いけど、今はそれどころじゃないの。早くネプテューヌさんとノワールさんを止めて!! でないとバッドエンドに直行だよ!!」と彩花が言う。

 

 

「ばっどえんど?」

 

 

 ロムが首を傾げると、「ノワールさんも救われずに、ネプテューヌさんの心が壊れちゃうって最悪のシナリオだよ!」と彩花が言うと、「お姉ちゃんを救う? お姉ちゃんはもう……」と悲しそうにユニが言うと、「諦めちゃダメ。私達のような世界なら死んだ人は生き返らないけど、このゲイムギョウ界ならチャンスはあるから!」と彩花が言う。

 

 

「チャンス? 何とかなるの!」

 

 

 嬉しそうに言うユニに、「あと、お姉ちゃんの心が壊れるって? お姉ちゃんは私みたいに弱くない……」とネプギアそこまで言いかけると、「ギアちゃん達が思っている以上に、四女神のみんなの絆は深いの。特にネプテューヌさんとノワールさんは」と彩花が答える。

 

 

「ケンカする程、仲がいい?」

 

 

 ロムがそう言って首を傾げると、「その通り。だから早く!! ネプテューヌさんが二度ノワールさんを殺してしまう前に!」と彩花が急かす。

 

 

「ネプギアお姉さん。プラエ、彩花さんの言う通りにした方がいいと思う」

 

 

 プラエの言葉に、「ロキは私が追います」と声がする。

 

 

「この声……Vさん!?」

 

 

 ネプギアがそう言うと、そこにはいつもの仮面の姿では無い女神の姿のVが居た。

 

薄紫色のロングヘアーに白に金の装飾が付いたプロセッサユニットを纏った姿は神々しかった。

 

 

「Vさん? ですよね?」

 

 

 ネプギアの質問に、「少々、強敵と戦って女神化したのです」とVが答える。

【挿絵表示】

 

 

 

「それがVさんの女神化? 何かネプギアに似てない?」

 

 

 ラムの質問に、「気のせいですよ」とVが言うと、「そうだよ。ラムちゃん、Vさんは私より背も高いしスタイルも良いし、何より大人っぽいでしょ?」とネプギアが言う。

 

 

「逆を言えばそれ以外はソックリよ」

 

 

 ユニの言葉に、「ネプテューヌさんより、ネプギアお姉さんのお姉さんっぽい」とプラエも頷く。

 

 

「気のせい♪ 気のせい♪」

 

 

 彩花は笑顔でそう言うと、「それより、急いで下さい。本当に手遅れになる前に」とVが言うと、「詳しいことは私が向こうで説明するから」と彩花が言う。

 

 

「俺の次元ゲートで運んでやるよ」

 

 

 クロワールがそう言うと、「いいんですか?」とネプギアが遠慮がちに言う。

 

 

「お前等にはイイもん食わしてもらってるからな。それにお前のことはアイツに頼まれてるんだ」

 

 

 クロワール言葉に、「アイツ?」とネプギアが首を傾げると、「お前が話すに相応しいと俺が思ったら話してやるよ。それより急ぐぞ」とクロワール言うと次元ゲートを開く。

 

次元ゲートに入るネプギア達とクロワールと彩花。

 

するとVの前に、くろめが現れる。

 

 

「お待ちしておりました。ダークプリンセス」

 

 

 くろめが片膝をついてそう言うと、「ダークプリンセス?」とVが質問をする。

 

 

「ぎあっちがプリンセスなので、あなたはダークプリンセスです」

 

 

 くろめの説明に、「皮肉ですか?」と冷たい声で答えるV。

 

 

「滅相もございません。あなたは全ての世界を救うために、あえて闇に身を染めた気高き闇のプリンセス」

 

 

 くろめがそう言うと、「相変わらず妄想癖が激しいですね。あなたは」とVが答える。

 

 

「私はあなたの知っている、二人のうずめの記憶を持っています」

 

 

 くろめの言葉に、「……そうですか」と、少し悲しそうな声を出すV。

 

 

「でしたら言いましょう。私はあなたが嫌いです」

 

 

 Vの冷静な言葉に、「存じています」と冷静に答える、くろめ。

 

 

「あなたは私との約束を二度も破ったのですよ?」

 

 

 Vが少し不機嫌そうに言うと、「心得てます」とくろめが答える。

 

 

「……『絶対に俺は死なない』。その約束を二度も破ったのですよ」

 

 

 Vが更に不機嫌に言うと、「しかし、私達は満足しています。あなたを守れたのですから」とくろめが答える。

 

 

「……すみません。八つ当たりですね。私が弱かったばかりに、あなた達を守れなかった。いえ、二度も殺してしまった」

 

 

 Vの言葉に、「ダークプリンセスが気に病むことではありません。私達が弱かったのです」とくろめが言うと、「話はそれで終わりですか? 私は急ぐので、これで失礼します」とVが冷静な声で言う。

 

 

「無礼を承知でもう一度誓わせて下さい。私は……オレは絶対に死なない。ぎあっちを守らせてくれ!!」

 

 

 くろめの言葉に、「嫌です」と冷たく答えるV。

 

 

「何度でも言う! 今度こそ今度こそ! オレは俺は死なないっ!! ぎあっちを守る!!!」

 

 

 くろめの叫びに、うずめの姿を重ねるV。

 

表情は変わらないが、その右目には涙が流れていた。

 

 

「……勝手にして下さい」

 

 

 Vはそう言うと、くろめに背を向ける。

 

 

「それで構いません。ダークプリンセス」

 

 

 くろめがそうに言うと、「ただし条件があります」とVが言う。

 

 

「なんなりと」

 

 

 くろめがそうに言うと、「その気持ち悪い騎士ごっこは止めて下さい。あと、もう私はネプギアじゃありません。Vと呼んで下さい」とVが言う。

 

 

「そうか。ぎあっちは何も言わなかったけど、ぶいっちはダメか」

 

 

 くろめは普段の喋り方に戻ると、「ネプギアはあっけにとられていただけだと思いますよ」とVが言うと、「いや、意外とぎあっちも乗り気だったかもしれない」とくろめが言う。

 

 

「私が否定しても?」

 

 

 Vがそう言うと、「ぶいっちはぎあっちじゃないんだろ?」とくろめが言うと、「相変わらず、あなたの方は意地が悪いですね」とVが冷静だが少し嬉しそうに言う。

 

 

「そろそろ時間だ。最後にぶいっちに会えて良かった」

 

 

 くろめがそうに言うと、「そうですか……まだ、うずめの中にいるんですね」とVが言うと、「だが約束は破らない。オレと俺は必ず、君の元に行って君を守る。どんな手を使ってでもだ」とくろめが言うと、「私やネプギアと敵対することになっても?」とVが質問をすると、「ぶいっちとぎあっちを守る為なら、オレはどんな手でも使う」とくろめが答えると、「本当にあなたは意地が悪い。私の……私達の気持ちを無視して勝手に行動する」とVが冷静に言う。

 

 

「おおう!? なんだ? なんだココは?」

 

 

 驚きの声と共にくろめはうずめに戻る。

 

 

「あれ? ぎあっち? いや、ちょっと違うな?」

 

 

 うずめはそうに言うと、「わ、悪ぃ!!」と急にVに謝る。

 

 

「なぜ謝るのですか?」

 

 

 不思議そうに言うVに、「だってお前泣いてるだろ? もしかして俺じゃなくて、くろめに変なことされたのか?」とうずめが言うと、「そうですか……私は泣いていたのですね」とVが初めて自分の涙を認識する。

 

 

「くろめが変なことしたなら俺がガツーンと言ってくるぞ」

 

 

 うずめがそう言うと、「いえ、どちらかと言うと変なことをしていたのは、彼女の方です」とVが言う。

 

Vが言うのは、くろめの妄想癖による騎士ごっこのことだ。

 

 

「な、なにー? アイツ、俺の体を使って変なことしたのか? そうだ! ぎあっちやゆにっちは!!」

 

 

 うずめの質問に、「心配ありません。無事です」とVが僅かに微笑む。

 

 

「そっか。その約束を守ってくれたなら十分だ……えーと」

 

 

 うずめは今になって目の前の女性の名前を知らないことに気付くと、「Vです。あなたは九花のオレンジプレッジですね?」とVが助け舟を出す。

 

 

「そっか! お前が九花の先輩のぶいっちか!! おっと先輩なら敬語だよな。えっと天王星うずめだ……じゃなくて、天王星うずめです! よろしく! じゃなくて、よろしくお願いします!」

 

 

 うずめがたどたどしい敬語を使うと、Vは笑顔を浮かべ、「敬語じゃなくて構いませんよ。うずめさんの言いたいように言って下さい」と言う。

 

 

「そ、そっか。サンキュー! 助かるぜ」

 

 

 うずめは初めて見るVの笑顔にドキッとしていた。

 

同時に、くろめに言われた言葉を思い出す。

 

 

【救世の罪を背負い。贖罪の為に永遠に全ての終焉世界を救い戦い続ける。その名もパープルシスターV。それがぶいっちだ。オレは一刻も早く彼女の力になりたいんだ。彼女を救えるのはオレしかいない】

 

 

 うずめはそのことをVに尋ねようとしたが、何故かそのことが躊躇われた。

 

彼女は今はVの笑顔を見ていたいと思っていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。