新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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126彩花の想い

 G.C.2021年5月30日 日曜日。

 

ゴッデスファイト決勝トーナメント。

 

ネプテューヌとアンデッド化したノワールの戦いは終わりに近づいていた。

 

 

「これで終わりよ!」

 

 

 ネプテューヌはそう言うと、全身全霊を込めた一撃の放とうとする。

 

 

「ダメーーーーー!!」

 

 

 クロワールのワープで駆け付けたネプギアがプロセッサユニットのブースターを全開にしてネプテューヌとノワールの間に入る。

 

 

「ネプギア!? どうしてここに!? そんなことはどうでもいいわ! そこをどきなさい!!」

 

 

 強気に言うネプテューヌの顔を見てネプギアは驚く。

 

 

(お姉ちゃん……なんて疲れ切った顔なの……ノワールさんを攻撃する度にどれだけ心を痛め削ったの? それに目から血の涙が……お姉ちゃんはそこまでノワールさんのことを……)

 

 

 ネプギアの言う通りネプテューヌの顔は憔悴しきっていた上に、目から血の涙を流していた。

 

 

「そんな目で見ないで、わたしは大丈夫よ。ノワールはわたしが開放してあげないといけないの」

 

 

 ネプテューヌは平静を装って言うが、ネプギアは悲しそうな目で首を左右に振る。

 

途中でイストワールが発動させてくれた、ギアシステムの予測は全てネプテューヌの絶望的な未来しか見せてくれなかった。

 

 

「ダメだよ。お姉ちゃん」

 

 

 ネプギアは優しく諭すように言う。

 

 

「わたししか居ないの! わたしがノワールを殺してあげなきゃいけないの!! わたしじゃないと!!」

 

 

 そう言うネプテューヌにネプギアはゆっくりと近づくと心配そうな顔で指でネプテューヌの血の涙を拭う。

 

 

「お姉ちゃん、もう苦しまないでいいんだよ」

 

 

 ネプギアの言葉に、「でも!」と言うネプテューヌだが、「私はいつも、お姉ちゃんに守られてばかり。今度は私にお姉ちゃんを守らせて」とネプギアが優しい声で言う。

 

 

「ネプギア……」

 

 

 ネプテューヌは脱力して膝を付くと太刀を手放す。

 

見れば両手にも太刀の柄にも血がべっとりと付いていた。

 

 

(お姉ちゃん……こんなに傷ついて……)

 

 

 ネプギアはそう思いながら、膝を付いたネプテューヌを抱きしめて、「みんなで一緒に考えよ? ね?」と子供に言い聞かせるように優しい声で言う。

 

 

「……ありがとう。ネプギア」

 

 

 掠れるような声でお礼を言うネプテューヌ。

 

 

「説得は終わりましたの? でしたら加勢して下さいませ! 今のノワール、かなり手強いですわ!!」

 

 

 ベールが焦りの声で言う。

 

ネプギアがネプテューヌを説得している間、仲間達がノワールを抑えてくれていたのだ。

 

 

「はいっ!!」

 

 

 ネプギアはそう言うと、ポーチからゲハバーンを呼び出す。

 

ノワールはゲハバーンを見た瞬間、「その剣!! その剣で私を殺して!!」と叫ぶ。

 

ネプギアは驚きの表情で、「ノワールさん……」と切なそうに言う。

 

 

「……ネプギア。わたしからもお願い。ゲハバーンに魂を吸わせれば、これ以上ノワールの魂が穢されることはないわ」

 

 

 ネプテューヌも切なそうに言うと、「けど……」とネプギアが迷う。

 

 

「ここで、彩ちゃんの選択肢コーナーっ!」

 

 

 元気よく言う彩花に、「彩ちゃん……今は真面目なシーンで……」とネプギアが言いかけると、「なによ! 決勝戦からずっと真面目なシーンだから、少しは休憩のシーンがあってもいいでしょ!」と彩花が拗ねてしまう。

 

 

「ごめんね、彩ちゃん。終わったらいくらでも聞くから。今は話を進めて? ね?」

 

 

 ネプギアそう言うと、「ホント? 約束だからね? 絶対だよ?」と彩花が念を押す。

 

 

「後で智也みたいに、そんな約束してないって言ったらヤだからね!」

 

 

 彩花の言葉に、「そんなこと言われたことあるんですか?」とネプギアが言うと、「そうなの! 聞いて聞いて! 智也ったら朝タコヤキ買ってくれるって約束したのに、下校になったら忘れてるんだよ? ヒドイと思わない?」と彩花が言うと、「それは確かにヒドイですね」とネプギアが頷く。

 

 

「……ネプギア、彼女のペースに乗ってるわよ」

 

 

 ネプテューヌが呆れながら言うと、「はうあっ!? ご、ごめんね、お姉ちゃん!」とネプギアが焦りの声を上げる。

 

 

「変身後とは言え、わたしがツッコミをすることになるなんて思わなかったわ……」

 

 

 ネプテューヌはそう言って溜息を吐くと、「彩ちゃんと言ったかしら? 選択肢ってことはノワールの魂をゲハバーン吸わせる以外の方法があるのかしら?」とネプテューヌが真剣な顔で聞く。

 

 

「うん……これから、ギアちゃんが取るべき選択肢は二つ。一つはネプテューヌさんの言う通り、ゲハバーンにノワールさんの魂を吸わせる。これはノワールさんの望みでもあるし、確実にノワールさんの魂も救われる。一番無難な選択肢だよ」

 

 

 彩花が真剣な顔で言うと、「もう一つは?」とネプギアが質問する。

 

 

「もう一つはノワールさんを生き返らせる選択」

 

 

 彩花の言葉に、「それが出来るなら、それを選びます!!」とネプギアが即答する。

 

 

「落ち着いて、ギアちゃん。これは凄く難しい上に確率も低いの。それでも選ぶ?」

 

 

 彩花の質問に、「はい! 選びます!」と力強く頷くネプギア。

 

 

「とりあえず方法だけ話すね? 後から選択肢を変えてもいいから」

 

 

 彩花はそう言うと、右手の人差し指を一本立てて、「まず第一に、ノワールさんを倒して彼女の持っているシェアブレードを取り返すこと。絶対に最後はネプギアちゃんの奥義の『紫昂剣・紫天覇王剣』で決めて」

 

 

 彩花の言葉に、「紫天覇王剣じゃシェアブレードが壊れちゃうんじゃ……」とネプギアが言いかけると、「あの剣はそれぐらいで壊れたりしないから大丈夫」と彩花が自信満々で言う。

 

 

「二つ目に、ファイターエムブレムの戦士を一人だけ復活できる杖。『オーンの杖』をノワールさん使う事」

 

 

 彩花はそう言うと右手の人差し指と中指を立てる。

 

 

「復活の杖! そんなものがあるんですか!?」

 

 

 ネプギアが驚くと、「でも、この杖が有効なのはファイターエムブレム戦士だけ。他の人、ましてや敵になった人に効果があるか分からないの」と彩花が言う。

 

 

「そうですか……」

 

 

 ネプギアが残念そうに言うと、「オーンの杖には一つの伝説があるの。初代ファイターエムブレムで、暗黒竜メジュースに滅ぼされた王国のニナ姫が捕まって、メジュースに酷いことされそうになった時、メジュースに降伏した国のカミュー将軍が彼女を守ってくれたの。ニナ姫はカミュー将軍に恋をしたけど、カミュー将軍は国を裏切れずに、初代のスターロードのマルク王子と戦い倒されてしまった。そしてマルク王子がオーンの杖を手に入れた時、ニナ姫はマルク王子にカミュー将軍の復活を必死に願った。メジュースとの戦いで傷つき倒れた戦士はたくさんいた。それでもマルク王子は、必死のニナ姫の願いを聞き、オーンの杖をカミュー将軍に使ったの」と彩花が説明をする。

 

 

「……それでカミュー将軍はどうなったんですか?」

 

 

 ネプギアがそう聞くと、「わからないの。カミュー将軍は生き返ったけど、敵に降伏した国の将軍と王国の姫が結ばれることはないから、身を引き仮面を被り陰ながらニナ姫を助けたとか、記憶を失い他の大陸に流れ着き、その大陸の女性と結ばれたとか、元々効果がなかったとか。私のおわりノートには真実が書かれてはいるけど、それは誰にも話せないの」と彩花が答える。

 

 

「もしかしたら、敵だった人にも効果があるかもしれないってことですか?」

 

 

 ネプギアがそうに言うと、「うん、そういうこと」と彩花が頷く。

 

 

「だったら、オーンの杖をノワールさんに使います」

 

 

 ネプギアがそうに言うと、彩花は突然不機嫌な顔になると、「そんな簡単に決めないで」と冷たい声で言う。

 

 

「彩ちゃん……?」

 

 

 ネプギアが戸惑うと、「ファイターエムブレムの戦士で傷つき倒れた戦士はたくさんいるんだよ。その中には家族や恋人がいる人もいるんだよ? もし、彼女を失って悲しみに暮れている男の子が居たらどうするつもり?」と彩花が真剣な顔で言う。

 

 

「そ、それは……!?」

 

 

 青い顔をして更に戸惑うネプギア。

 

 

「ノワールさんの魂をゲハバーンで吸えばノワールさんの魂も救われるし、オーンの杖で彼女が生き返れば男の子も幸せになる。でも、ノワールさんを生き返らせるのはあくまで可能性の話。ギアちゃん、それでもオーンの杖をノワールさんに使うの?」と厳しい声でネプギアを糾弾する彩花。

 

 

「……ごめんなさい。彩ちゃん、私が軽率だった……」

 

 

 ネプギアがそう言って素直に謝ると、「うん♪ うん♪ 素直でよろしい」と彩花がいつもの笑顔を浮かべる。

 

 

「彩ちゃん?」

 

 

 彩花の落差に戸惑うネプギアに、「改めて聞くけど、オーンの杖はどうするの?」と彩花が尋ねる。

 

 

「……私はゲイムギョウ界が大好き。ゲイムギョウ界を守りたい。でも、私だけの力じゃ足りないの。お姉ちゃんやノワールさんの助けがいるの。私はまだノワールさんに教えて貰いたいことがたくさんあります。だから、ノワールさんを生き返らせたい!! お願い彩ちゃん、力を貸して!! その男の子と同じ悲しみを生まないよう、ゲイムギョウ界の平和を守るから!!」

 

 

 ネプギアはそう言うと彩花に頭を下げる。

 

 

「……わたしからもお願い。可能性だとしてもノワールが生き返るならそれに賭けたい。わたしに出来ることならなんでもするわ」

 

 

 ネプテューヌがそう言って頭を下げると、「僕からも頼む!! ノワールはラステイションに……僕にとってかけがえのない人なんだ!!」とラステイション教祖の神宮寺ケイも頭を下げる。

 

 

「わたしからもお願いするわ。ノワールとは決着がまだついてないし、ファイターエムブレムはルウィーの兵。亡くなった戦士やその家族達にはわたしが一命をかけて納得させるわ」

 

 

 ブランが頭を下げながらそうに言うと、「そう言う事なら、わらわも手伝う。頼む」と文子も頭も下げる。

 

 

「……うん、わかった。それだけの想いがあればシェアブレードも応えてくれると思う」

 

 

 彩花がそう言うと、「シェアブレードが応える?」とネプギアが質問する。

 

 

「シェアブレードの刀身はシェアクリスタル。シェアクリスタルはシェアエネルギーの塊。シェアエネルギーは女神の命の源」

 

 

 彩花の説明に、「だから、オーンの杖と組み合わせればノワールさんが生き返るかもしれない?」とネプギアが納得する。

 

 

「そう言う事。でも、一番大事なのはノワールさんを生き返らせたいと願う、みんなの真剣な気持ち。私はちょっとそのお手伝いをするだけ」

 

 

 彩花がそう言うと、「お願い、彩ちゃん。ノワールさんはゲイムギョウ界にとって、かけがえのない人なの」とネプギアが再び頭を下げると、「オッケー♪ オッケー♪ 彩ちゃんにお任せだよ」と彩花が笑顔でサムズアップする。

 

 

(かけがえのない人か……)

 

 

 彩花はそう言うと、胸元から古びた御守りを取り出して、中から一枚の写真を取り出す。

 

その写真には彩花と同世代であろう少年が笑顔を浮かべていた。

 

 

(ちょっと、ギアちゃんに意地悪なこと言っちゃった……ギアちゃん怒ってるかな)

 

 

 彩花がそう思うと、【気にするなよ彩花。それぐらいで怒る子じゃないだろ?】と彩花の耳に男性の声が聞こえて来る。

 

 

(そうだね。ありがと、智也)

 

 

 彩花はそう言って空を見上げた。

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