新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2021年5月30日 日曜日。
ゴッデスファイト決勝トーナメント。
ニャルラトホテプとロキを撃退したV達はネプギア達と合流する為に移動をしていた。
「まさか逃げられるなんて思わなかったわん♪」
妲己がそう言うと、「すまぬ。V」とルシフェルがVに頭を下げる。
「頭を上げて下さい、ルシフェル。あれは誰の所為でもありません。あそこでイクスが彼らを助けるなど誰も予想できていませんでした」
Vの言う通り、あと一歩のところでイクスが現れ、ニャルラトホテプとロキに逃げられてしまったのだ。
***
ここはイクス達の隠れ家、そこには傷だらけのニャルラトホテプとロキが居た。
「おー、おー、重症っすなー。旦那達」
陽気なイクスの声がする。
「その声……イクスなのかお前?」
ロキの目の前には銀色の屈強な巨大なサイボーグというイクスとは似ても似つかない存在が居た。
「そう。あたしの真の姿イクスティンクション。あたしが命がけで救ってやったんだよ。あたしが命懸けで助けたんだ。感謝して欲しいね」
イクスの言葉通り、イクスティンクションの体にはどころに亀裂があった。
「……何が目的だ」
ニャルラトホテプがそう言うと、「そりゃ無いんじゃないっすか~? ニャルラトホテプの旦那。あたしが助けなければ、おたく等、灰どころか魂の欠片も残らなかったんだよ~」とイクスがおどけながら言う。
「テメェが理由も無く他人を助けるかよ。さっさと答えろよ……」
ロキの悪態にイクスは特に気を悪くした様子もなく、「なに、単純なことよ。これであたしと旦那達は共通の敵に恨みを持つ仲間。改めて仲良くやろじゃないの」とイクスが陽気に答える。
「……あのVとやらもネプギアなのか?」
ロキの質問に、「気付かなかったのかい? Vとか名乗ってるがアイツもネプギア。その名もパープルシスターVだ。あたしの復讐対象さ」とイクスが答える。
「どうだい? このまま負けっぱなしも癪だろう? あたしと手を組まないかい?」
イクスの提案に、「……断る。あんな化け物共に勝てる筈ないだろう……ヨグ=ソトース様を倒したんだぞ? 例え僕らが束になろうとも勝てる相手じゃない」とニャルラトホテプが震える声で言う。
「おいおい、すっかりヘタレちまったなぁ。ニャルラトホテプの旦那~、どこかの伝説の戦士を見た時の王子様みたいだよ」
イクスが挑発するような言い方をするが、「何とでも言え……僕は勝てない戦いはしない主義なんだ」とニャルラトホテプが少し悔しそうに言うと、「確かにそれには同意見だ。あの堕天野郎はムカつくが、今のお前の力を足したところで焼け石に水だ」とロキも同意する。
「誰が正面から戦うって言ったよ? そんなのあたしでもごめんだ。おたくら何時から脳筋になった?」
イクスがロキとニャルラトホテプを馬鹿にするようにお手上げのポーズで言うと、「……なにか策があるのかい?」とニャルラトホテプが、「聞かせるだけ聞かせろ」とロキも興味を持つ。
「いくらVが強くても所詮はクイーン。キングを取っちまえば……ネプギアや塔を潰せばあたし達の勝ちだ」
イクスがチェスの駒に例えて言うと、「ゴッデスファイトのルールかい? 今更あんなモノで勝って何になるって言うんだ」とニャルラトホテプが呆れた声で言うと、「その程度の策かよ? 聞いて損したぜ」とロキも呆れてしまう。
「まあまあ。人の話は最後まで聞くものだぜ? 旦那達」
イクスはそう言うと、「塔はともかく、ネプギアを潰せばこの世界は終わりだ。少なくともVの野郎に一泡吹かせることができる」とイクスが続けて言う。
「ふん……乗ってやってもいいが。俺様達だけでネプギアを潰せるのかよ? メジュースもその手下どもも全滅だぞ?」
ロキがそう言うと、「僕の手駒も奴等に全滅させられた。今の君の強さは僕やロキに匹敵するかそれ以上だろうけど、兵力が足りなすぎるよ」とニャルラトホテプのロキに同意する。
「その辺は安心しな。出番だカオスシャドウ」
イクスの言葉と共にイクスの体から出たカオスエナジーが次々に無数の人の形になる。
「コイツは?」
驚きの声を上げるロキに、「カオス化した、ネプテューヌ達が無数に?」とニャルラトホテプも驚きの声を上げる。
「コイツ等はカオスシャドウ。カオス化したネプテューヌ達のコピーだ。本物には及ばないが戦力しては十分な筈だ」
イクスの言葉に、「ふん……悪くはないな。いいだろう。あの堕天野郎の吠え面が見てみたい」とロキが言うと、「僕も乗ろう。少しは勝ち目がありそうだ」とニャルラトホテプが答える。
「そうこなくちゃー♪ 期待してますぜ。トリックスター」
イクスがそう言うと、「ただし、条件がある。Vの足止めはお前がやれ」とロキが言うと、「そうだね。言い出したのは君だしね。僕はあんな化け物の相手をするのはゴメンだね」とニャルラトホテプも同意する。
「いやーん。抜け目ないね。オッケー、オッケー♪ ションベンちびるぐらい、Vが怖かったんだよねー」
イクスがそう言うと、「何とでも言えよ。せいぜい死ぬなよ」とロキが、「君の戦い次第では僕は帰らせてもらうから手を抜かないようにね」とニャルラトホテプが言う。
(けっ……完全にVにビビってやがる。所詮パシリだな)
イクスはそう思いながら、ロキとニャルラトホテプを見下すように見ていた。
***
その頃、ネプギア達はノワールの復活に沸いていた。
「よかった……本当に良かった。会いたかったよノワール……」
嬉しそうにノワールに抱き着く、ラステイション教祖の神宮寺ケイ。
「私もよケイ。またあなたとこうして会えて嬉しい……」
ノワールがそう言うと、ノワールとケイは愛おしそうに抱き合う。
「ノワールーー!」
そこにネプテューヌもノワールに抱き着こうと近づくとするが、ノワールは片手でケイを抱きながらも、もう片方の手でネプテューヌを押しのける。
「ちょ!? なんでなんで? この扱いの差は?」
ネプテューヌが不満そうに言うと、「なんではこっちの台詞よ。なんで私があなたと抱き合わなきゃいけないのよ?」とノワールが冷たく言う。
「の、ノワール……ネプテューヌさんも君を助ける為に精一杯……それに彼女は君を親友だと……」
ケイがそこまで言うと、「やめてちょうだい。いくらケイでも怒るわよ? ネプテューヌと親友だなんてジンマシンがするわ。ネプテューヌは敵であって良くってもライバルよ。ユニとネプギアみたいな関係を想像してるんでしょうけど、断じてそんなことないから」とノワールが不機嫌そうに言う。
「がーん……」
ショックを受けるネプテューヌに、「す、すまない、ネプテューヌさん。ノワールも本当は君にも凄く感謝してるんだが、素直になれなくって……」とケイが申しなさそうにフォローを入れる。
「別に素直じゃないなんて……」
ノワールそう言って少し戸惑うと、「……ありがと、ネプテューヌ……」と小声で呟く。
するとネプテューヌは、「ツンデレいっちょ頂きましたー♪ ごっそさーん♪」と指パッチンしながら嬉しそうに言う。
「あーーん! だからあなたは嫌なのよ!! 変身前でも変身後でも、ちょっとでも隙をみせると、すぐこれなんだからーーー!!」
ノワールが心底悔しそうに両手で頭を抱え悔し涙を流すと、「ははは……こういう関係も親友と呼べなくもないのかな?」とケイが呆れた顔で溜息を吐く。
「……あの人本当に血の涙流しながら、お姉ちゃんと戦ってたネプテューヌさんと同一人物なの?」
ユニが心底不思議そうに言うと、「あはは……流石の私もいつも以上のお姉ちゃんの落差に戸惑っちゃうかも……」とネプギアが困った声で言う。
「ギアちゃんもユニちゃんも良かったね」
彩花がそう言うと、「ありがとう、彩ちゃん。あそこで彩ちゃんが私を叱ってくれなかったら、ノワールさんは生き返らなかったと思う。仮に生き返ったとしても、凄く後悔してた」と言いながらネプギアが頭を下げる。
「お礼なんていいってば。これは間違いなくギアちゃん達の想いの力だよ」
彩花はそう言うと、「そうそう。シェアブレードだけど、ギアちゃんが持ってていいからね」と彩花が続けて言う。
「いいんですか? こんな凄い剣?」
ネプギアが驚き声で質問すると、「うん。と言うか持ってて欲しいの」と彩花が答える。
「ネプギアに? どうして?」
ユニの疑問に、「ギアちゃん達にはこれから、もっと辛い戦いが待ってる。それを乗り越えるにはこの剣が必要なの」と彩花が答える。
「これ以上の戦いなんて想像もつかないわね……」
ユニの言葉に、「そうだね。今回もギリギリだったし……」とネプギアが同意する。
「ギアちゃん達だけじゃ難しいかもしれない。沢山の人や神様の協力が必要だよ」
彩花はそう言うと、「あんまり難しく考えなくても大丈夫。今のギアちゃん達なら、きっと大丈夫だよ」と励ますように続けて言う。
「ところで、シェアブレードってゲハバーンによく似てるわね」
ユニがそう言うと、「それはそうだよ。元はこの剣もゲハバーン。ゲハバーンの別の可能性なの」と彩花が言う。
「もしかして、アーリータイプとかそんな感じですか!? 同じの筈なのに変形出来なくなったり、射撃武器が無くなっちゃったり、逆に異常なまでにミサイルとか銃口が増えるけど、アーミーナイフが無くなったり、EW版とか言われたりしますか!?」
彩花の説明に興奮気味に食いつくネプギア。
「そう♪ そう♪ 設定以上に手が伸びたりするけど、ツッコんじゃダメだよ……じゃなくて、ギアちゃんのそれロボットアニメでしょ?」
彩花がそう言うと、「ネプギアのそのボケにツッコミ入れられる人初めてみたわ……」とユニが呆然としてしまう。
「男の子って、そういうの好きだからね。智也と話してると自然に覚えちゃうの。ちなみに智也って主人公の男の子とすっごく声が似てるんだよ」
彩花が笑いながら言うと、「そ、そう? やっぱり男の子と付き合うと変わる物なのね……」とユニが言うが、「ううん、私は全然。子供の頃から智也と一緒だったからね。ちっちゃい頃なんか、私達が『おままごとしよ』って誘ってるのに無視して、そのロボットのオモチャで遊んでるんだよ? ヒドイと思わない?」と彩花が言うと、「えっと、彩ちゃん? もしかしてその話長い?」とネプギアが質問する。
「全然。超圧縮して1時間ぐらいだから♪」
彩花が笑顔で言うと、「長っ!? しかも超圧縮してもそんなに長いのっ!?」と驚き声でツッコミするユニ。
「あの頃の智也も可愛かったな~♪」
嬉しそうに言う彩花に、「しかも、もう始まってるし!?」とユニが更に驚くと、「アンタの所為よ! 何とかしなさい!!」とユニがネプギアに言う。
「えっと、彩ちゃん。ちゃんと後で聞くから……スキップとかそんな感じでお願いできないかな?」
ネプギアがそう言うと、彩花は心底不満そうに、「ダメ。私、昔のゲームキャラだから。昔のノベルゲームは未読スキップはできないんだよ? 知らないの?」と彩花が説明する。
「そっか……それじゃしょうがないね。だってユニちゃん」
ネプギアがそう言うと、「だってじゃないっ!! なにアッサリ諦めてるのよ! あーもー! 後でアタシも一緒に聞くから話進めて!」とユニが言うと、「ホント! 約束だよ? 絶対だからね!」と彩花が笑顔で念を押すと、「わー♪ 楽しみ楽しみっ♪ ギアちゃんとも約束したし、一晩中ガールズトークだね♪」と彩花が言う。
「……お姉ちゃんとケイも言ってたけど、彩花さんが話し始めると本当に話が先に進まないわね……」
ユニがそう言って肩を落とす。
すると彩花が、「え? なんでなんで。なんでそこで落ち込むの? 女の子っておしゃべり大好きな生き物でしょ?」と心底不思議そうに質問する。
「そうかもしれないけど、私達はあんまり……私は機械とかイジってる方が好きだし……」
ネプギアが申し訳なさそう言うと、「アタシも銃の手入れしてた方が好きなのよね」と言うと、「えー? 信じられなーい?」と彩花が驚く。
「と、言うか普通の女の子ってこんな騒がしいの? ある意味ラムより騒がしいわ……」
ユニが小声でネプギアに言うと、「私に言われても分からないよー。でも、多分だけど恋人の智也さんって凄く苦労してたんじゃないかな?」とネプギアが答える。
すると彩花が食いつくように、「逆だよ逆! 苦労してたのは私の方! 智也って基本的には面白いんだけど、結構下らない話も多いだよねー♪ でもでもっ! たまに出る無茶苦茶面白い話が面白過ぎて病みつきになっちゃうんだよねー。今のゲームだとガチャな感じ? 基本的には【R智也】ばっかりだけど、たまーに出る【SSR智也】が最高なのっ♪」と彩花が話始める。
「……ねぇ……ネプギア……」
「……なに? ユニちゃん……」
そう言いながら顔を見合わせる、ネプギアとユニ。
「アタシ達、また彩花さんの術中にハマってない?」
ユニがそう言うと、「ユニちゃんもそう思う? どうしたらいいと思う?」とネプギアが質問すると、「わかるなら、とっくに行動してるわよ……」とユニが言うと、「ぎあちー、ゆにちー。何してるの?」とマホが、「エフーシャさんが呼んでるわ」とアンリがやってくる。
「「チャンスっ!!」」
同時に叫ぶネプギアとユニ。
「ここでアタシ達は、マホとアンリを生贄に永続トラップカード彩花さんの長話を抜け出すわ!」
ユニが某有名カードゲームっぽく言うと、「なになに? 何の話?」とマホが言う。
「ガチャの話だよ! マホちゃん好きだよね? 後はよろしくね!!」
ネプギアは彼女にしては珍しく相手の返答も聞かずに、彩花をマホとアンリに押し付けて一目散に逃げだす。
「なんなんだろう? 珍しいね。ぎあちーがあんなに焦ってるなんて?」
「とりあえず、彼女の話を聞けばいいのかしら?」
マホとアンリが不思議そうに首を傾げる。
「あれ? ギアちゃんとユニちゃんは?」
話が一区切りした彩花が不思議そうに言うと、「彼女達は色々忙しいの。話なら私達が聞くわ」とアンリが言うと、「ガチャの話って聞いたけど? 何のゲームのガチャ? あーし、そーゆーの結構詳しいよ」とマホが自信満々に言う。
「智也ガチャの話聞きたいの!? 聞いて聞いて!!」
凄い勢いで目を輝かせて食いつく彩花に、「いいよ。あーし達ヒマだし」とマホが言うが、「何だか嫌な予感がするわ……」とアンリが微妙に嫌そうな顔をする。
「尊い犠牲だったわ。マホ、アンリ。アンタ達のことは忘れないわ」
ユニがしみじみと言うと、「マホちゃんはともかく、アンリさんは後で凄く恨まれそう……」とネプギアが困った顔で言う。
「でも……」
ネプギアはそう言うと、「あれだけ可愛くて、あれだけ明るくて、あれだけ楽しくて優しい彩ちゃんを亡くした智也さんってどれだけ悲しんだんだろう……」とネプギアが言うと、「……お姉ちゃんから少しだけ聞いたけど、相当ショックだったでしょうね」とユニが答える。
「後で少しだけ聞いてみようかな?」
ネプギアがそう言うと、「そうね。少しだけならアタシも付き合うわ。それより、今はエフーシャさんのところに行きましょ」とユニが言う。
「遅い。どこで油を売っていたんだ?」
エフーシャがやや不機嫌そうに言うと、「凄いしつこいセールスレデイに捕まってて……」とユニがうなだれながら言うと、「セールスレデイ? 生命保険とかか? お前達女神にそんなものが必要なのか?」と不思議そうに首をかしげるエフーシャ。
「それより、私達に用事ってなんですか?」
ネプギアの質問に、「ああ、ノワールもブランも倒したし、イクス達もこれ以上動く気配はないようだ。よってゴッデスファイト決勝戦はネプギアチームの優勝だ」
「ホントですかっ!」
嬉しそうに言うネプギアに、「ああ、上層部はかなり渋ったが、これで無事に戦争は回避された」とエフーシャが言う。
「後はノワールちゃんとブランちゃんのカオスエナジーを、あたいが吸い出せば解決だ」
クリスはそう言うと、「でも、本当にいいのかい? ネプテューヌちゃん? ネプテューヌちゃんが思ってる以上にカオスエナジーは危険なものだぜ?」とクリスが言う。
「大丈夫♪ 大丈夫♪ 何があろうとわたしの主人公補正があれば大丈夫だよ」
ネプテューヌが自信満々にそう言うと、「それなら、私のも全部吸い出さないで。ネプテューヌに出来て私に出来ないなんて絶対に認めないわ」とノワールが言うと、「それなら、わたしも。危険なのは確かだけど、この力は有用だわ」とブランも言う。
「あたいは警告したからね。後でクレーム返品とか受け付けないよ~」
クリスがそう言うと、「いいからさっさとやってちょうだい」とノワールが、「守護女神に二言はないわ」とブランが言う。
「そうかいそうかい。じゃ、早速いたただきまーす」
クリスはそう言いながら、ノワールとブランのカオスエナジーを吸い出し始める。
(……ちぇっ……これで終わりかよ。イクスの奴使えねぇな。相変わらずツメが甘いんだよ。だからネプギアごときに殺されんだよ)
クリスが心の中で毒づくと、「あれ? わたしやぷるるんとか時みたいに、グルメアニメっぽく【うーーーまーーーいーーーぞ!!】とか言って空飛んで宇宙とか行ったりする過剰演出しないの?」とネプテューヌが不思議そうに言う。
「ぎくっ!?」
ネプテューヌの指摘に顔を青くするクリス。
ちなみにそこまでの過剰演出はしていない。
「い、いやー……美味さのあまりに言葉を失ったって言うか……」
冷や汗を流しながらそうに言うクリスに、「そっか。そういう話もたまにはあるよね。でも、そればかりだと連載終了で、『クリス先生の次回作にご期待ください』とか書かれちゃうよ?」とネプテューヌが言う。
(……ふぅ、危ねぇ危ねぇ。ふざけたフリして、なかなか鋭いじゃねぇか……)
クリスはそう思いながら、「オッケー。少しだけ残したけど、あたいは知らないよ」と言ってノワールとブランから離れる。
「ふぅ……確かに少し嫌な感じは残ってるけど、問題ないわ。見てなさいネプテューヌ。あなた以上にこの力を使いこなして今度こそ私が勝つわ」
ノワールがそう言うと、「いつでも受けて立つよー! まあ、勝つのはわたしだけどねー」と明るい声で言い返す。
「ブランや……本当によいのか? その力は本当に危険なのじゃぞ?」
文子が心配そうに言うと、「申し訳ありません、文子様。あなたへの忠節と同じくらい、彼女達に負けるのは悔しいのです」とブランが答える。
「……お姉様……」
心配そうに言う、リーンボックスの教祖の箱崎チカに、「心配は無用ですわ。わたくしはあんな禍々しい力に頼りませんわ」とベールが答える。
「そろそろ帰ろうよ~、ねぷちゃ~ん。あたし眠いよ~」
プルルートがそう言うと、「そうだね。わたしも今回は変身しっぱなしで疲れたよ」とネプテューヌが答える。
しかし。「そうはいかねぇなぁ?」と男性の声がする。
「この声!!」
怒りの形相で声のした方向を睨むノワール。
そこにはニャルラトホテプとロキが居た。
「君達に直接恨みはないけど、復讐の為に死んでもらうよ」
ニャルラトホテプがそうに言うと、「復讐!? それはこっちの台詞よ!! 見てなさい!! あなた達に踏みにじられた私のプライド、百倍にして返してあげるわ!!」とノワールが怒りの声で言い返す。
「なんで、ロキがここに!? まさかVさんが?」
驚くネプギアに、「そんな訳ないでしょ? Vちゃんがあんな雑魚に負ける訳ないじゃない」と彩花が現れる。
「どーせ、Vちゃんにボコボコにされて帰るに帰れなくて、ギアちゃんのところに来たんじゃないの?」
彩花の言葉に、「う、うるせぇ! 黙れ小娘」とロキが彩花を睨み、「あの女の名前を出すな。傷が疼く……」とニャルラトホテプが苦しそうな顔をする。
「はい、図星。セコイって言うか器が小さいって言うか……そんなんじゃ、女の子にモテないよ? あっ、ごめーん。既にめちゃくちゃ嫌われてるよね~」
彩花の言葉に、「黙れ! 羽虫! 僕を見下すな!!」とニャルラトホテプが激高する。
「じゃ、ギアちゃん。後はよろしくね」
彩花がそうに言うと、「えーっ!? あれだけ挑発して人任せなの?」とネプギアが驚き、「黄門様もビックリな押し付けだよ。流石のわたしもドン引きだよ……」とネプテューヌですら呆れてしまう。
「あっ、勝ったら。『控えぃ、控えおろう! ここにおわすお方をどなたと心得る! ここにおわすは初代メモリーズオフの真のヒロイン桧月彩花でござるぞ! 一同! 頭が高い! 頭が高い~!』ってやってね」
彩花が笑顔で言うと、「なんなのこの子……ネプギアみたいな正統派ヒロインに見えて、ネプテューヌ以上の破天荒なこと言うんだけど……」とノワールが頭を抱える。
「聞いたことがあるわ……ゲイムギョウ界のギャルゲー黎明期……ぴーしー大陸から輸入されて来た様々なギャルゲーの破天荒な主人公達を参考にして作られたゲイムギョウ界産のギャルゲーの主人公の中でも、特にダントツで異彩を放った伝説のアホと言われた主人公、三上智也。彼と唯一まともに会話できた人物。自称・真のヒロイン桧月彩花」
ブランがそうに言うと、「あっ、智也ってばそこまで言われてたんだ。彼女の私も鼻が高いよ♪」と彩花が嬉しそうに言う。
「いや、喜ぶトコなのそこ?」
飽きれるユニに、「ところで、ブランちゃん。今、『自称』って言わなかった?」と彩花が不機嫌そうに言うと、「自称は自称よ。色々言うとネタバレになるから控えるけど、出番は少ないし……」とブランが言いかけると、「ちょっと向こうで話しよっか?」と彩花がブランの襟首を思いっ切り掴む。
「なに? これから大事な戦いが、離して……ちょ!? 聞いてんのか!! 離せ! 離せって言ってるんだ!! オイ! 誰かこの羽付きのバカ女を止めろ!!」
必死に抵抗するブラン。
身長50cm程度の彩花だが、何故かもの凄く力が強くブランはずるずると引きずられて行く。
「ブランのブチ切れモードに眉一つ動かさないって、どれだけ神経太いのあの子?」
ノワールが頭を抱える。
ネプギアは心底申し訳なさそうに両手を合わせて、「ごめなさい、ブランさん。彩ちゃんが居ると色々な意味で話が進まないから犠牲になって下さい」と頭を思いっ切り下げる。
「はぁはぁ……ようやく、ようやく解放されたわ……」
ゲッソリしたアンリがそうに言うと、「ヒドイよ、ぎあちー……あんな核弾頭クラスの爆弾マシンガントーク娘を押し付けるなんて~」とマホが恨めしそうにネプギアを見る。
「あっ……マホちゃんでもダメだったんだ……ホントにごめんね」
ネプギアが本当に申し訳なさそうに言うと、「そんな凄いの彩ちゃん? ぷるるんとどっちが凄いのかな?」とネプテューヌが言うと、「プルルートさんとは比べる次元と言うか競技が違うわね。あの子はプルルートさんみたいに痛いとか苦しいはないけど、とにかく付いて行けないのよ。頭と口の回転が恐ろしく速くって……例えばプルルートさんは1分に10回の言葉攻めするけど、あの子は1分に1万……いえ1億ぐらいのノロケだかバカ話とかをする感じよ」とアンリが脱力する。
「あーしもトークには自信あったけど、上には上がいるものだとしみじみ思った。井の中の蛙大海を知らずってホントこんな時の言葉だよ……仮にあーしが高校生の一位のマラソンランナーだとしたら、彩ちゃんはオリンピックどころか宇宙一のマラソンランナーだよ……」
マホはそう言うと、「普通の話ならまだしも……リアル鯉のぼりとか脳をゆすげとかカキコオロギとかアカテガニ弁当とか……イミフつーか、キモイつーか、ホラーつーか……」と言うと、「マホ……やめてちょうだい。しばらくご飯はともかく、かき氷は一生食べられない気がするわ……」とアンリが頭を抱える。
「……わたし達の聞いた、彩ちゃんのシリアスな話は一体?」
ネプテューヌがそうに言うと、「おい……俺様達を無視とはいい度胸だな」とロキが言う。
「あっ、ごめーん。わざわざ待っててくれたんだ。意外といい人?」
ネプテューヌはそう言いながら、「でも、話どこからだっけ? 読み返しモードで読んでくるから、もうちょっと待ってて」と言うと、「その必要はないわ」とノワールが言う。
「コホン……ニャルラトホテプ。あなたの右手、随分と素敵になったじゃない? さぞやVって子とお楽しみだったんでしょうね」
ノワールがそう挑発すると、「くっ……、あの女の名前を出すなと言っただろう! 操り人形ごときが! 僕を馬鹿にするな!!」とニャルラトホテプが激高する。
Vに切断されたニャルラトホテプの右手は機械の義手になっていた。
「おおう!? 流石はノワール。見事な立て直し。敵の方もノリノリだね。シリアスだよね? シリアスで進めていいんだよね? ボケていいなら、わたしがボケるよ? 三分待ってやる! なーんちゃって♪」
ネプテューヌが笑顔でそう言うと、、「お姉ちゃん、お願いだから、これ以上話をこじらせないで……」とネプギアがネプテューヌにお願いする。
「テメェ等、状況分かってんのか? これからお前等は俺様達に皆殺しにされるんだぞ?」
ロキがそう言うと、「状況が分かってないのはそちらですわ。たった二人で、わたくし達の相手が務まるとでも?」とベールが言い返す。
「強がりはよしなよ。僕の操り人形のせいで、半分以上が半死人だろ」
落ち着きを取り戻したニャルラトホテプがそう言うと、「ふーんだ。それでも、わたし達の方が数が多いし。わたし達の方が強いわよ。あっかんべー!」とラムが挑発する。
確かにニャルラトホテプ言うとり、ノワールとの戦いでかなりの人数が疲れ傷つき、まともに戦えるはシスティーナの女神の五人ぐらいだ。
「その言葉、そっくりそのまま返すぜ」
ロキが自信満々に言うと、「はぁ? アンタ算数もできないの?」とユニが呆れ顔をするが、「すぐにわかるさ。来い。カオスシャドウ」とニャルラトホテプ言うと、黒紫色の煙が現れ次々と人の形になる。
「えっ!? これって!!」
驚きの声を上げるプラエに、「お姉ちゃん? ネプテューヌさんもノワールさんも、プルルートさんまで!?」とロムも驚きの声を上げる。
「これは、今までカオス化した女神の人達!?」
ネプギアの声に、「ご名答。イクスが今までカオス化した奴等をコピーしたものだ」とニャルラトホテプが笑いながら言う。
「所詮はニセモノ! 再生怪人はアッサリやられるのがお約束だよっ!」
ネプテューヌは元気よく言うが、「それでも、この数はかなり厳しいですわ……」とベールが真剣な顔で言う。
ベールの言う通り、カオスシャドウは、ネプテューヌ、プルルート、ノワール、ブランの四種類が無数に居てその数は百に近かった。
「ズルイわよ! ヒキョー者ー!」
ラムの言葉に、「ズルくて結構。僕は勝てる戦いしかしない主義なんだ」とニャルラトホテプが冷たい声で答える。
「待てぃ! お嬢ちゃん達はやらせんぞ」
オーディンの言葉と共に、ゴッデスファイトを観戦していたオーディンを始めとしたデミヒューマンの長やゼウス達が戦線に加わる。
「フン。死にに来たか、オーディン。ラグナロクの時と同じように死ねよ」
ロキがそう言うと、「皆さん! 下がって!!」とネプギアが言いながら、仲間達を守る為に前に出る。
「はっ! マヌケなキングが前に出て来たぜ!!」
「好都合だ。イクスがVを抑えているうちに、さっさとキングを殺して引き上げよう」
嬉しそうにカオスシャドウを引き連れてネプギアに襲い掛かる。
「ギアちゃん、無理はしないでっ!! 落ち着いてVちゃんが来るのを待って!!」
慌てて飛んで来る彩花に、「でも! このままじゃ、みんなが!!」とネプギアが焦りの声を上げる。
「ギアちゃん、あなたには見えている筈だよ。ギアシステムの見せる未来を選べば確実に生き残れる」
彩花の言葉に、「選べませんっ!! 私には、私には出来ない……そんなことそんなこと絶対に絶対にできない」とネプギアが涙を流しながら言う。
「そっか。そういうことか」
ネプテューヌが落ち着いて言うと、「ネプギア。ゲハバーンを貸して。ネプギアが出来ないなら、わたしがやるよ。わたしがみんなを殺して最後にネプギアがわたしを殺せばいいよ」と冷静な声で言う。
「お姉ちゃん!? ダメ! ダメだよ絶対!? それなら、わたしを殺してお姉ちゃんが戦って!」
ネプギアの言葉に、「無理だよネプギア。わたしはノワールとの戦いで力を使い果たして変身すらも難しいんだ」とネプテューヌが言うと、「じゃあ、ノワールさん? ブランさんでもいいから……」とネプギアが言う。
「甘ったれないで!! もう、まともに戦えるのはあなたしか残ってないのよ!!」
ノワールがネプギアに向けてそう怒鳴ると、「でもっ!! せっかくここまで! ここまで来たんです! 生きて、みんなで生きて帰りましょうよ!!」とネプギアが涙を流して必死に訴える。
「あなたのそういうところは嫌いじゃないわ。でも、よく考えて。ここに居る数人の命でゲイムギョウ界全ての命が守れるの」
ブランの言葉に、「そ、それは……」と戸惑うネプギア。
更にベールが、「わたくし達は守護女神。人々を守れず守護女神が名乗れまして? わたくしの達だけの命で何千万のゲイムギョウ界の命が守れるなら喜んで差し出しますわ。むしろ、誇りですわ」とベールがネプギアを説得する。
「この世界だけじゃない。神次元、零次元は勿論沢山の世界が関わっている」
ノワールがそう言うと、「みんなの気持ちも分かる。ギアちゃんの気持ちも分かる。お願いみんな。少しでいい。私に少しだけギアちゃんと話す時間を作って」と彩花が真剣な声で言う。
「……わかったわ。私達も、もうボロボロ。持って数分よ。それまでに必ず決めなさい」
ノワールが厳しい声で言うと、「わかったわ……わたしも最後の力を振り絞るわ」とネプテューヌがネクストパープル・カオスに変身する。
他の女神達も力を振り絞り変身し、女神でない者も立ち上がり、前衛向けの者は前に出て、後衛向けの者はネプギアと彩花を守るように配置する。
激戦が始まるが女神達の劣勢は明らかだった。
「ギアちゃん……よく聞いて。第二回、彩ちゃんの選択肢コーナーだよ」
第一回と違って真面目な声で言う彩花に、「はい、お願いします」と真剣な声で答える。
「ギアちゃんの選べる選択は二つ。一つは言うまでもなく、みんなやギアシステムの指示通り。ここに居る全員の命を奪い。敵を倒すこと」
彩花の説明に、「はい」と真剣な顔で頷く。
「もう一つは必死に最後まで足掻くこと。よく考えて? 1は確実で犠牲は最小限。2は凄く低確率だし、もしかしたら成功して犠牲もゼロかもしれない。でも、失敗したら全世界が滅ぶ。1の罪は確かに重いけど、2が失敗した時の罪の重さはそれの比じゃない」
彩花の言葉に、「……責任が重すぎて今にも潰れてしまいそうです……」とネプギアが泣きそうな声で言うと、「でも、どちらかを選ばないといけない。それは分かるでしょ?」と彩花が言い聞かせるように言う。
「……はい」
落ち込んだ声で言うネプギア。
ユニ達、後衛の味方達は前衛の援護をしながらもネプギアの決断を静かに待っていた。
数秒黙ってしまったネプギアに、「Vちゃんも前に似たような状況になった……」と彩花が語り始める。
「圧倒的な兵力差。疲弊した味方……まともに戦えるのはVちゃんだけ」
彩花がそこまで言うと、「……Vさんはどうしたんですか?」とネプギアが尋ねる。
その姿は僅かな希望にすがるようだった。
「Vちゃんは迷った。迷いに迷って、1を……みんなの魂をゲハバーンで吸って世界を守る道を選んだ」
彩花がそう言うとネプギアは俯いて、「……そうですか……」と悲しそうな声で言うと俯いてしまう。
その顔は、『もしかしたら別の可能性があるかも』と言う僅かな希望を打ち砕かれたようだった。
「私が知る限り、Vちゃんは三度も同じような選択を迫られ、全て1の選択を選んで、罪を償う為と自分の意志で延々と終焉した世界を救い続けている」
彩花の言葉に、「Vさんは強いんですね……」と俯きながら呟くネプギア。
「そうだね。私は残された者の悲しみをよく知ってるし、残してしまった者の悲しみも身に染みて分かってる」
彩花の言葉に、「もしかして、彩花さんと智也さんって恋人の人のことですか?」とネプギアが言うと、「そう。でも、今はギアちゃんの話だよ」と彩花が言う。
「……はい」
そう言って再び黙ってしまうネプギア。
そこに再び彩花が語りだす。
「でも、Vちゃんの時と決定的に一つだけ違うことがある。それはVちゃんが居ること」
彩花の言葉に、「え?」と言って顔を上げるネプギア。
「もしかしたら、Vちゃんが間に合うかもしれない。でも、アイツ等の話からするとVちゃんも足止めを受けているかもしれない。Vちゃんは凄く強いから負けることは絶対にありえないけど、それでもいつ来るか分らない。一分一秒ごとに仲間達が死んでしまうかもしれない」
彩花は真剣な顔でネプギアを脅すように言うと、「ギアちゃん。どっちを選ぶ?」と選択を迫る。
「1の方が確実だし、みんなが1を望んでるのは分かります……」
ネプギアが意を決して口を開くと、彩花や周りの仲間達は静かにネプギアの決断を待つ。
「それでもっ!! それでも私は2を選びますっ!! 僅かでも良い!! 少しでもみんなで生きられる可能性を選びます!!」
ネプギアがそう叫ぶと、「信じてたわ! ネプギア!」とユニが嬉しそうに、「ありがとう! ネプギアちゃん!」とロムも嬉しそうに、「それでこそ、わたし達のネプギアよ!」とラムが元気よく、「やっぱり、ネプギアお姉さんはプラエの運命の人だよ!!」とプラエが言う。
「そっか……ギアちゃんは2を選ぶんだ。Vちゃんとは別の道を行くんだね」
寂しそうに言う彩花に思わず、「ごめんね。彩ちゃん」と謝るネプギア。
「謝ることじゃないよ。Vちゃんの時は1しかなかった。でも、ギアちゃんの場合は僅かだけど2の可能性もある。どっちも間違ってないんだよ? 自分の選択に胸を張って貫き通して」
優しい声で言う彩花に、「……ありがとう、彩ちゃん……。彩ちゃんって本当に不思議な人ですね。騒がしくて変な人だなーと思う時もあれば優しい時、厳しい時、面白い時。色んな顔があって本当に飽きないです」とネプギアが笑顔で言う。
「ギアちゃん? 今、私の事、騒がしくて変な人とか言った?」
静かにもの凄く不満そうに言う彩花に、「えっと……」と戸惑うネプギア。
「言ったよね? 絶対言ったよね? しかも一番最初に!!」
憤慨する彩花に、「あ、彩ちゃん……今はそれどころじゃ……」とネプギアが焦ると、「言い訳しないのっっ!!!!」と彩花が怒ると、「ご、ごめんね!! 彩ちゃん!!」と必死に平謝りするネプギア。
「……本当に彩花さんって何者なの……」
呆れるユニに、「見てないで助けて~!?」とネプギアが助けを求めるが、「嫌よ。自分でなんとしなさい」と冷たく突き放すユニ。
「罰として、一人でも死なせたら、彩ちゃんの地獄のスパルタフルコースだよ♪」
彩花が笑顔でそう言うと、「え……彩ちゃん? もしかして誰も死ななかったら許してくれるの?」と戸惑うネプギアに、「そうだよ? あっ! もしかして興味ある? だったらワザと一人殺してもいいよ」と彩花が言うと、「笑顔でとんでもないこと言うわね、この子」とユニが呆れると、「ネプギア。そんなことしてみたら、後ろからでもアンタを撃つわよ?」とユニがネプギアを脅す。
「し、しないよ!! 目が本気だよ? 怖いよ。ユニちゃん!?」
ネプギアがそう言うと、「で、どうするの? ギアちゃん?」と彩花が質問すると、「約束しますっ!! 必ず。必ず!! みんなで生きて帰ります!!」とネプギアが断言すると、「うん♪ うん♪ 素直でよろしい♪」と彩花が笑顔を浮かべると、「あっ! 言っとくけど。セーブ、リセットは無しだよ?」と彩花が言うと、「へ?」とネプギアが不思議そうな顔をする。
「智也ってばズルイだよ? ロボットのゲームなんだけど、『命中率90%を外すとかありえねー』とか言い出して、すぐリセットボタン押すんだよ? そのクセにマメにセーブしないから、悪い時なんか最初からやり直してグチグチいってるんだよ♪ 可愛いって言うか可笑しいって言うか♪」
彩花がそう言うと、「あっ! それ少しだけ分かります。リセットとかはしないけど、90%以上って結構外れ……」
ズキューン! ズキューン!
「いたーーーい!? 撃った!! 撃った!! 今、ユニちゃんが私のこと撃った~!?」
涙目で抗議するネプギアに、「アンタが悪い」と断言するユニ。
「えーっ!? 私が悪いのぉ~!?」
抗議するネプギアに、「サッサと前線行きなさいっ!!」と怒鳴るユニ。
「うえ~ん……ユニちゃんのいぢわるぅ~……」
トボトボと前線に行くネプギアの後姿に、「ギアちゃんってコロコロ変わって面白いよね♪」と彩花が笑うと、(いえ、彩花さん程じゃないと思います)とユニが心の中で呟いた。
賢い彼女は彩花の地獄耳を理解して迂闊な発言はしないように心に誓っていた。
「ごめんなさい!! 遅くなりました!!」
最前線に着いたネプギアが同じく最前線で戦ったいたネプテューヌ達、超次元の四女神達にそう言って謝ると、「遅い!! 何してたの!!」とノワールが叱る。
「ちょっと彩ちゃんの罠にハマっちゃって」
ネプギアがそれだけ言うと、「察した。アイツ訳わかんねぇこと言ったと思えば、次の瞬間いきなりマジになりやがる!」とブランが答える。
「それで? どうするの? ネプギア」
ネプテューヌが真剣な声で言うと、「私はみんなと生きる道を選びますっ!! 私を信じてもう少し、もう少しだけ耐えて下さい!! 必ず援軍が、Vさんが駆けつけてくれます!!」とネプギアが叫ぶ。
「信じられないわ……あなた多数決って知ってる? みんなが世界を救う為に命を捧げる覚悟を決めてるのよ?」
ノワールが呆れた声でそう言うと、「それでも! 私はみんなで生きる道を選びますっ!! 彩ちゃんにも言われました。決めたら迷うなってって! だから、私は私の道を突き進みます!!」
ネプギアがそう言うと、「諦めなさいノワール。この子は一度言い出したら、例えわたしの言う事でも聞かないわ。でも、こうなった時のネプギアはわたしより強い。何とかしてくれるかもしれないわ」とネプテューヌが言う。
「確かにそうですわね。わたくしもネプギアちゃんを信じますわ」
ベールがそう言うと、「お前のその甘すぎる考え方女神としては失格だが、個人的には嫌いじゃねぇ。こうなったら、最後まで付き合ってやるっ!!」とブランが叫ぶ。
「なに!? みんなして。これじゃあ、私だけが悪者みたいじゃない!!」
ノワールが不満そうに言うと、「ふふっ……これで多数決でもネプギアの勝ちよ」とネプテューヌが言うと、「あーーー!! もうっ!! どうしてあなた達姉妹はいつもいつもそうなのっ!! いいわよ! 私も最後まで付き合うわ!!」とノワールが言う。
「ありがとうございます! ノワールさん!」
ネプギアがそう言うと、「ただし約束は守りなさい。一人でも死んだら許さないわよ!!」とノワールが言うと、彩ちゃんとも約束しました。私も彩ちゃんの地獄のスパルタフルコース受けたくないから必死です!!」とネプギアが答える。
***
その頃、V達はイクスティンクションに変身したイクスの徹底した足止めに時間を浪費していた。
「次元移動を封じた上に徹底的な足止め。完全に足止めね~♪」
気楽そうに楽々にカオスシャドウを蹴散らす妲己に、「呑気に構えてる場合か妲己! 奴等の狙いは恐らくネプギア。このままでは間に合わないぞ!?」と焦りの声を上げるルシフェル。
「大丈夫よん♪ あの子はもう一人のVちゃんだし、ゲハバーンもある。最悪でも、もう一人のVちゃんが生まれるだけだわん♪」
妲己がそう言うと、「妲己!! Vの前だぞ!!」とルシフェルが怒ると、「あっ……ごめんVちゃん。わらわが悪かったわ……」と妲己が真剣な声で謝る。
「気にしていません。それより今はこの状況を打破しなければ!!」
焦りの声を上げるV。
「そうだ! 我々はVと同じ悲しみを生まない為にVの力になっているんだ」
ルシフェルがそう言うと、「そうは言っても。敵の数が多すぎるわ……」と妲己も余裕の無い声を出す。
それを遠くて見ていたイクスが、「くっくっくっ……Vの悔しそうな顔。最高に気分がいいぜ」と満足そうに腕を組んで笑う。
「これで、あのパシリ共がネプギアを殺せば最高の気分だな。今回こそ、あたしの勝ちだな。V」
イクスはそう言うと、「まぁ。ネズミ一匹逃したが、あんな雑魚問題にならねぇだろ?」とイクスが言う。
「くっ……せめて、うずめさんが彼女達の元に辿り着ければ……」
Vの言葉に、「うずめちゃん? あんな子が一人加わったところでどうにもならないと思うわよ?」と妲己が言うと、「……彼女には最後の希望を託しました」とVが言うと、「まさか! 彼等の封印を解くつもりか? 危険だ。彼等は君を殺そうとしたんだぞ?」とルシフェルが答える。
「ネプギアが……もう一人の私が、私と別の選択をしたならば。彼等は彼女達に快く力を貸すでしょう」
Vの言葉に、「しかし……彼女が君と同じ選択をした時は彼女だけでなく、君にまで牙を剥くぞ?」とルシフェルが言うと、「覚悟は……出来ています」とVが辛そうに言う。
「今更あんな雑魚が牙を剥いたところで余裕よん♪」
妲己がそう言うと、「妲己。お前は本当に思慮が足りん。勝てる勝てないじゃない。Vの心がどれだけ傷つくと思っているんだ?」とルシフェルが言うと、「あ……ごめんっ! 本当にごめんね、Vちゃん」と再度失言を懸命に謝る妲己。
「いいんです。きゅーちゃんの気持ちもわかります。毎日こうだと心が麻痺してしまうのも無理はありません」
Vはそう言うと、悲しそうな声で俯くと、「お願い、うずめさん。間に合って……そして彼女達に力を貸して、彩ちゃん、アルト、アイナ、アン……」と呟いた。
***
その頃、ネプギア達は危機的な状況に陥っていた。
「くっ……このままじゃ……」
苦しそうに片膝を付くネプギア。
「まぁまぁ、頑張ったが三流の上に半死人じゃこんなモンだろうな」
ロキのがそう言うと、「しかし、頭の悪いキングだね。ポーンを守る為にキングを犠牲にする戦法なんて聞いたことないな」とニャルラトホテプが冷笑を浮かべる。
「みんなで……みんなで帰るんです。誰一人……誰一人死なせない……」
苦しそうに言うネプギア。
彼女達の言う通り、ネプギアは全力で味方を守り幸いな事に誰一人として欠けてはいなかったが、代わりにネプギアがボロボロだった。
「ああ、立派立派。確かに誰一人死んでねぇよ。キングのお前が死ねば、お前以外誰一人死なねぇよ。褒美としてテメェの事は永遠に語り継いでやるよ。ポーンを守る為に死んだマヌケなキングが居たってな!!」
ロキはそう言うと、「あーーーーーはっはっはっは!!」と大笑いする。
ニャルラトホテプも冷たい笑顔で、「そうだね。こんな滑稽なキングは二人もいないよ」と笑う。
「……負けない……」
ネプギアはそう言うと、ゆっくりと立ち上がって仲間達を守るように立つと、ロキとニャルラトホテプを睨みつける。
「あははは。まだやるつもりらしいよ」
ニャルラトホテプが笑うが、「……気に入らねぇな、その目」とロキがネプギアを睨み返す。
「何をムキになっているんだい? 僕等の勝利は確実だよ」
ニャルラトホテプが余裕の表情で言うが、「いや、このガキは俺様が直にぶっ殺す。付き合えニャルラトホテプ」とロキが言うと、「いいけど。それって僕に何か利益があるのかな?」とニャルラトホテプ言う。
「貸イチくれやる」
ロキがそう言うと、「君の貸? あてにならないけど、ま、いいよ」とニャルラトホテプ承諾する。
「死ねよ!」
ロキがそう言ってネプギアに飛び掛かると、「じゃあね。マヌケなキング」とニャルラトホテプが逆側から飛び掛かる。
ネプギアの視界が黒くなる。
(……く……もうダメなの……)
ネプギアがそう思った瞬間、ネプギアの頭の中に男性の声が響く。
【諦めてはいけない。立ち上がるんだ。我が娘ギアよ】
ネプギアの視界はその声に反応するように明るくなる。
ネプギアの視界に映ったのは、自分を守るように立ち塞がる緑色のローブを着た男性だった。
ネプギアと男性の周囲には緑色の風のバリアが出来ており、それがロキとニャルラトホテプを弾き飛ばす。
「くそがっ!? なんだコイツは!!」
驚きと怒りの声を上げるロキに、「私が来たからには娘には指一本触れさせない」と緑色のローブ着た男性が言う。
「てめぇ!! セティ!? フォルセティかっ!!」
ロキは怒りの声を上げるが、フォルセティと呼ばれた男性はそれを無視し、ネプギアの前にかがみこむと、「すまない、ギア。今まで見守るだけしか出来なかった父を許して欲しい」とフォルセティがネプギアに頭を下げる。
「え? お父……さん? 私は女神で両親なんて……」
驚きの声を上げるネプギア。
少し離れた場所でそれを見ていたノワールが、「前々からおかしいとは思ってた……」と呟く。
それを聞いたユニが、「お姉ちゃん? どういうこと? アタシ達女神は国民の願いから生まれる筈で両親なんて居ない筈」と焦りの声を上げる。
「きっかけは、ネプテューヌの何気ない一言だった……」
【ネプギアは昔、少し小さかったかな?】
ノワールの言葉に、「あっ……アタシ達女神は生まれた時から姿が変わらない筈……」とユニが気付く。
「最初はネプテューヌがボケてただけだと聞き流してた……でも、以前からおかしいと思っていた。犯罪組織に捕まった時もあの子だけ離れた場所に無傷で捕まっていたり、女神候補生でありながらゲイムギョウ界の全てのシェアをその身に受けて犯罪神を倒したり、そしてゲハバーン、ギアシステム、昂翼、様々な要素で疑問は更に深くなり、今この瞬間それは確信に変わった。あの子は……ネプギアは私達とは違う女神」
ノワールの言葉に、「そんな……ネプギアが……」とユニは呆然としてしまう。
「そうか……イストワールやクロワールからは何も聞いていないんだね。それなら私のことは父と思ってくれなくていい。ただ今は私を信じて欲しい。必ず君を守る。我が愛する妻でありプラネテューヌの女神でもあるエルデ様に誓って」
フォルセティの言葉に、ただ戸惑うネプギア。
(……お父さん? エルデ様が妻? なんのことか全然分からない……でも、何故だろう……この人の目を見て声を聞くととても安心する……)
ネプギアはそう思うと、「お願いします。私に私に力を貸して下さい。私には守りたい世界と守りたい人達がいるんですっ!!」と力強く言うと、「ああ。勿論だ」とフォルセティがネプギアに向けて微笑む。
「そうか……そのガキはテメェの娘か。道理でムカつく目をしてると思ったら、オーディンのジジイの血族かよ!! しかし、正義、平和、真実を司る司法の神とか持てはやされて他人を裁くクセに、こんなところに隠し子とはなぁ!! とんだスキャンダルだなぁ!!」
ロキの言葉に、「私の罪を否定する気はない。ただこれだけは言える。私とエルデ様は真に愛し合い、この子をもうけた。その罰として私はエルデ様と娘に会うことを永遠に禁じられた」とフォルセティが答える。
「じゃあ、何でテメェは今ここにいる!? 答えてみろよ! フォルセティ!!!」
ロキが憎しみを込めてそう言うと、「娘の危機に駆け付けない親など居ない。それが例えどんな罪であろうともだ。そしてこの子達は全世界の未来の希望、シンギュラリティ。どんな罪を犯そうとも守ってみせる」とフォルセティがハッキリと言う。
「気に入らねぇ、気に入らねぇ、気に入らねぇ、気に入らねぇ!!! テメェ等の血族はいつもそうだ!! 達観してすかした態度で都合が悪くなると綺麗ごと言って逃げやがるっっ!! 俺様が巨人族とアース神族とのハーフで差別された時、テメェ等はなにをしてくれたって言うんだ!!」
ロキの叫びに、「……ロキ、お前まだそのことを……」と話を聞いていたオーディンが言うと、「その目だ!! その目で俺様を見るなーーーーーー!! ぶっ殺す、ぶっ殺す、ぶっ殺す!!! 俺様を見下す奴は何者であろうと許さねぇ!!」とロキが大声で叫ぶ。
「ニャルラトホテプ!!! コイツ等をぶっ殺したらテメェのしもべにでも何でもなってやる!!! だから手を貸せ!!」
ロキがニャルラトホテプにそう言うと、「いや、その必要はないよ。どうやら僕等の敵は共通らしい」と言うニャルラトホテプのが怒りの声で言う。
その怒りの矛先には黄色いスーツを着た一人の老紳士が居た。
ネプギア達に仕える執事のサンジェルマンだ。
「お助けが遅くなりまして大変申し訳ございません。主様」
サンジェルマンはニャルラトホテプからネプギアを守るように立ち塞がり、ニャルラトホテプと睨み合っている。
「ハスター。こそこそと逃げ回っていたクセに今になって僕の前に出てくるとは、どういう風の吹き回しだい?」
落ち着きながらも怒りの声で質問するニャルラトホテプに、「それは同志フォルセティと同じさ。主の危機に駆け付けない執事など居ない。それが同志の娘となればなおさらさ」とサンジェルマンが髭をいじりながら余裕の声で答える。
「飛んで火にいる夏の虫とは、この事だ。その大切な主を目の前で惨殺して貴様も殺してやるぞ。ハスター」
ニャルラトホテプがそう言うと、「ほっほっほ。相変わらず視野が狭いな小僧」とサンジェルマンが笑うと、「僕を見下すな。ジジイ!!」とニャルラトホテプが怒りを剝き出しで言い返す。
「私達の策は成った。君の負けだ。ニャルラトホテプ」
そう言って余裕の態度を崩さないサンジェルマンに、「くっ……ロキ!! コイツ等を殺すぞ!!」とニャルラトホテプが言うと、「ああ。カオスシャドウ全投入だ!」とロキが言う。
すると今での倍はいようかと無数のカオスシャドウが現れる。
ロキとニャルラトホテプが無数のカオスシャドウと共にフォルセティとサンジェルマンに襲い掛かる。
「サンジェルマンさん!! フォルセティさん!!」
焦りの声を上げるネプギアに、「勝利の鍵は君だギア。彼女から鍵を受け取るんだ!」とフォルセティが言うと、「お早く主様。彼女とは別の選択をしたあなた様なら、彼等も力を貸してくれるでしょう」とサンジェルマンが言う。
「彼女? 鍵?」
首を傾げるネプギアの元に、「大丈夫!? ぎあっち!」とうずめが駆け付ける。
「うずめさん!!」
喜びの声を上げるネプギアに、「うずめが居るってことはVさんが!?」とユニも喜ぶが、「……ごめん。ぶいっちがうずめだけ逃がしてくれて、ぶいっちはまだ……」とうずめが言うと、全体に暗いムードが漂う。
「諦めちゃダメ! うずめさん。Vちゃんから何か預かってない!?」
彩花がそう言うと、「そう言えばぶいっちが、必ずぎあっちに届けて欲しい預かった物が……」とうずめが言いながら、ポーチから呼び出した物は六枚のディスクに同じ数の光る珠だった。
「数は合ってる!! 大丈夫!! Vちゃんからの希望は届いたよ!! 九花のみんな来て!! このディスクを使って」
彩花が叫ぶと、ネプギア、ユニ、ロム、ラム、プラエ、うずめの六人が集まる。
「誰がどのディスクを使うの?」
ロムが言うと、「みんなは九花の適応者だから近づくだけで大丈夫! 時間が無いの急いで!」と彩花が焦りの声で答える。
「ホントだ。ディスクが勝手に近づいてきたわ」
いち早くディスクに近づいたラムがそう言うと、他のディスクもネプギア達全員に近づく。
「一体何をするの彩花さん?」
ユニの質問に、「これからVちゃんとルシフェルさんが封印した四大天使と彼等の仲間の封印を解くの」と彩花が答える。
「Vさんが封印? Vさんが封印したってことはプラエ達にとっても敵なんじゃないんですか?」
プラエの質問に、「その疑問は最もだけど、今のギアちゃんはVちゃんと違う。Vちゃんと違う選択をしたギアちゃんになら彼等も力をかしてくれると思うの」と彩花が答える。
「でも、ぶいっちの敵であることには変わらないんだよね? うずめ心配だよ……」
心配そうに言う、うずめに、「そこはみんなが橋渡し役になって欲しいの。考え方の違いはあっても、彼等もゲイムギョウ界を、全世界を守りたいって気持ちは同じだから」と彩花が答える。
「わかりました。四大天使の皆さん達を説得してみます」
ネプギアがそう言うと、「うん。お願いね、ギアちゃん。みんなで生きて帰るって決めた時の気持ちを忘れないで。それじゃあ、行くよ」と彩花が言う。
「偉大なる、四大天使とその仲間達よ。熾天使、桧月彩花の願いをお聞き届けて下さい」
彩花がそう言って真剣に祈ると彩花の天使の翼が二枚から六枚に増える。
「わぁ~!? 彩花さんの羽が六枚に増えたわ」
ラムがそう言うと、「凄く綺麗」とロムもウットリする。
「ネプギアお姉さんと同じくらい綺麗かも……」
プラエがそう言うと、、「熾天使って最高位の天使なんじゃ? 彩花さんあなたそんなに位の高い天使だったの?」とユニが質問する。
「うん♪ まだなりたての下っ端の上にVちゃんの為にルシフェルさんと一緒に堕天しちゃったけどね♪」
彩花が笑顔でそう言うと、「堕天って確か悪いことなんじゃ……」とネプギアが恐る恐る聞くと、「うん♪ 基本的にはね。だけど、智也と同じかそれ以上の悲しみを背負って戦い続けるVちゃんを私とルシフェルさんはほっとけなかった。だから堕天して助けに来たの。ちなみにオワールになったのもそれと同じ時期かな? その私達を連れ戻しに来たのが四大天使の先輩達なの」と彩花が答える。
「それを封印したんですか!?」
驚くユニに、「だってもの凄くしつこかったし、ルシフェルさんもそれしかないって言うんだもん」と彩花が答える。
「えーと……その四大天使みなさんって、もしかして凄く怒ってるんじゃ?」
ネプギアの質問に、「うん♪ もしかしなくても凄く怒ってると思う♪ そこはギアちゃんが説得してね♪」と彩花が笑顔で答える。
「説得するとは言いましたけど、怒ってるなんて聞いてないよー!?」
ネプギアが困り顔で言うと、ネプギア達のディスクから合計6人の天使が現れる。
今の彩花と同じ六枚の羽を持つ熾天使だ。
「彩花よ。今になって我々の封印を解くとはどういうつもりだ?」
天使の一人が質問すると、「ウリエルさん。どうか彼女達に力を貸して下さい」と彩花が答える。
「彩花。僕達を封印しておいてそれは虫のいい話だと思わないのかい?」
別の天使の質問に、「ラファエルさんの言う事も最もです。でも、時が来たんです」と彩花が答えた。
「救世主【メシア】のことですか? 私達は彼女を救世主とは認めないと何度言ったらわかるんですか?」
また別の天使が厳しい声で言うと、「彼女はVちゃんとは別の可能性を選びました。そしてその為に窮地に立たされています。どうかお力をお貸しくださいガブリエルさん」と彩花が答えた。
「ギアちゃん、出番だよ。四大天使のみんなにギアちゃんの気持ちを伝えてあげて」
彩花がそう言うとネプギアは一歩前に歩み出て、「初めましてゲイムギョウ界のシスティーナの守護女神ネプギアです」と自己紹介をする。
「私は四大天使リーダーのミカエルだ。お前のことは知っている。シンギュラリティよ。お前はその魔剣で何を成す?」
ミカエルと名乗った天使の質問に、「私はこの剣で世界を守りたい。でも、その為に誰一人死んでほしくない。ゲハバーンは今は魔剣と呼ばれているけど、この剣を作ったエルデさんは真にゲイムギョウ界を愛していました。私はその意思を継ぎたいんです」とネプギアが答える。
「……そうか。確かに同じシンギュラリティでも別の選択をしたようだな。いいだろう、私達はお前を救世主と認め力を貸す」
ミカエルがそう言うと、「ありがとうございます。ミカエルさん」とネプギアがお礼を言う。
「礼には及ばない。救世主に力を貸すのは天使の使命だ」
ミカエルはそう言うと彩花の方を向き、「ただし、私達はVの選択を認めない。それは覚えておけ彩花。お前もルシフェル様も必ず天界に連れ戻す」と彩花に向けて厳しめの声で言う。
「それは分かっています。でも、Vちゃんが居たからこそ、Vちゃんの選択があったからこそ、ギアちゃんはみんなを死なせない選択を選べた。それは忘れないで下さい」
彩花の言葉に、「そうだな。心に留めておこう」とミカエルが答える。
「みんな! この珠を持って!」
彩花はそう言うと、うずめがVから託された六つの珠をネプギア達に渡す。
「これはメガミラクルする為の宝珠。その名もメガミラクルフォース。この力を使って天使のみんなと合体をメガミラクル化して」
彩花がそう言うと、天使達がネプギアの隣に立つ。
「私は雷の熾天使ラミエル。天王星うずめよ。唱えよ、メガミラクルだ」
ラミエルと名乗った天使の言葉に、「うん、分かった」とうずめが頷く。
「「メガミラクル!!」」
うずめとラミエルの声が重なる。
「「チェンジ・エンジェルフォーム!!」」
二人の声と同時に二人は合体し、うずめが六枚の羽の女神に変身する。
「私の名前は熾天使サンダルフォン。罪深き犯罪組織の女神でありながら正義の心に目覚めた女神プラエよ。唱えよメガミラクルだ」
サンダルフォンと名乗った天使に、「はい! わかりました! プラエ頑張ります!」とプラエが頷く。
「「メガミラクル!!」」
プラエとサンダルフォンの声が重なる。
「「チェンジ・エンジェルフォーム!!」」
二人の声と同時に二人は合体し、プラエが六枚の羽の女神に変身する。
「僕は風を司る熾天使ラファエル。女神ラム、僕とメガミラクルだ」
ラファエルがそう言うと、「わかったわ。いくわよー」とラムが頷く。
「「メガミラクル!!」」
ラムとラファエルの声が重なる。
「「チェンジ・エンジェルフォーム!!」」
二人の声と同時に二人は合体し、ラムが六枚の羽の女神に変身する。
「私は水の熾天使ガブリエル。女神ロム、あなたのメガミラクルの相手は私です」
ガブリエルの言葉に、「うん、よろしくお願いします」とロムが頷く。
「「メガミラクル!!」」
ロムとガブリエルの声が重なる。
「「チェンジ・エンジェルフォーム!!」」
二人の声と同時に二人は合体し、ロムが六枚の羽の女神に変身する。
「私は火の熾天使ミカエル。女神ユニ、私とメガミラクルだ」
ミカエルの言葉に、「わかったわ」とユニが頷く。
「「メガミラクル!!」」
ユニとミカエルの声が重なる。
「「チェンジ・エンジェルフォーム!!」」
二人の声と同時に二人は合体し、ユニが六枚の羽の女神に変身する。
「私は地の熾天使ウリエル。救世主、女神ネプギアよ。唱えよメガミラクルだ」
ウリエルの言葉に、「よろしくお願いします!」とネプギアが頷く。
「「メガミラクル!!」」
ネプギアとウリエルの声が重なる。
「「チェンジ・エンジェルフォーム!!」」
二人の声と同時に二人は合体し、ネプギアが六枚の羽の女神に変身する。
「これで形勢逆転だよ! エンジェルフォームの力で敵を蹴散らしちゃって!」
彩花の強気な言葉に、「うん、分かった。行くよ、みんな」とネプギアが言うと、「「「了解」」」と仲間達が頷いた。