新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

135 / 135
134テント

 G.C.2021年7月3日 土曜日。

 

 サバイバル実習兼キャンプを実施したネプギア達の前に今度は車が数台到着する。

 

中からと運転していたファミ通とデンゲキコとコンパ、エスーシャが出て来る。

 

それにファルコムとシーシャとケーシャ、がすと等ギャザリング城のメンバーが降りて来る。

 

今回のサバイバル実習兼キャンプは、冒険経験豊富なファルコムや大きいネプテューヌ。

 

キャンプやサバイバル術が得意なシーシャとケーシャ。

 

錬金術として様々な土地で採取をしている、がすとの計5人が教師になる

 

教師と生徒は授業によって異なり得意分野の者が教師として他の者を教えていた。

 

 

「うーん、車の移動は安全でイイね。船と違って嵐に巻き込まれないし」

 

 

 ファルコムが伸びをしながら言うと、「そうだね。ヘリコプターみたいに、エンジントラブルや敵の攻撃で墜落することもないしね」とシーシャが続けて言う。

 

 

「……普通はそんな頻繁にトラブルは起きないんですけどね」

 

 

 ケーシャが呆れた声で言うと、「ファルコムとは絶対に船旅はしませんし、シーシャのヘリにも乗りませんの」とがすとが断言する。

 

 

「じゃあ、サクサクっとキャンプ地を作ろうか」

 

 

 シーシャがそう言うと、「聞け! 信長の軍は女衆を守るように布陣せよ」と信長が配下の武将に指示を出す。

 

同時に武将たちが外周にテントを立て始める。

 

 

「かなり訓練された動きですね」

 

 

 ケーシャが感心するように言うと、「でも、戦国武将がテント立ててるなんて珍しい光景だねー」と日本一が驚きの声を上げる。

 

 

「こういう時、男の人が居ると助かるです~」

 

 

 コンパがそう言うと、「そうだね。あたしとシーシャとがすとで本拠地を立てるから、他の人は自分のテントを立てて」とファルコムが言う。

 

同時に他のメンバーも信長の軍に守ってもらうようにテントを立てる。

 

そんな中、フォルセティは木の木陰でぐってりしていた。

 

未だに乗り物酔いが治らないのだ。

 

 

「大丈夫ですか? お父さん」

 

 

「しっかりして下さい。セティ様」

 

 

 ネプギアとイストワールとユニがウチワをあおいでフォルセティに涼しい風を送っている。

 

 

「だから、研究室で待っているように言ったではありませんか」

 

 

 イストワールがお説教っぽく言うと、「……私は教師として、ギアや生徒達を導かねばならない。留守番なんてしていられないよ……」とフォルセティが答える。

 

 

「先生のその考え方は立派ですけど、人には向き不向きがありますよ」

 

 

 ユニの言葉に、「……私が肉体労働に不向きなのは認めよう。だが、それを克服する努力は必要なんだよ……」とフォルセティが言う。

 

 

「ナイスガッツです先生。アタシも協力しますよ」

 

 

 ユニが握りこぶしを作りながら言うと、「……私は大丈夫だからテントを立てておいで……」とフォルセティが言う。

 

 

「了解です! 行くわよネプギア! 先生の分も立てるわよ!」

 

 

「わかったよ、ユニちゃん。頑張ろうね」

 

 

 元気よく駆けて行くユニを追うネプギア。

 

 

「ネプギアは道具を出して。アタシが組み立てるわ」

 

 

「うん、わかったよ。ユニちゃん」

 

 

 ユニの指示にネプギアがNギアを操作しながら、倉庫サービスのポケットからテントの道具を呼び出す。

 

携帯ゲーム機から道具が出て来るのは不思議な光景だが、ゲイムギョウ界では当たり前だ。

 

ちなみに戦闘などで瞬時に武器を呼び出すポーチは容量が少ないので、テントなどの道具を入れるのには適さない。

 

テキパキと手際よくテントを組み立てるユニに次々とパーツを渡すネプギア。

 

二人で協力した方が良いところはちゃんと協力して、阿吽の呼吸であっという間に三つのテントが出来上がる。

 

 

「華麗に立てたわ!」

 

 

「やったね。ユニちゃん!」

 

 

 ユニとネプギアがそう言いながらハイタッチを交わすと、「ネプギア~! ユニちゃ~ん! たーすーけーて!」とラムの大声がする。

 

 

「ラムちゃんとロムちゃんが上手く行ってないみたい。行こ、ユニちゃん」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「ええ、アタシ達に任せなさい」とユニが答え二人してロムとラムのところに駆けて行く。

 

 

「ネプギアちゃん、ユニちゃん。テントが上手く出来ないの(しくしく)」

 

 

 ロムが涙目で言うと、「うーん、ちょっと雑ね。もうちょっと丁寧に順序良く組み立てなさい」とユニが言うと、「私とユニちゃんがやるからよく見ててね」とネプギアが言う。

 

ネプギアとユニはテントを一旦崩すが、直ぐに綺麗に立て直す。

 

 

「おお~! 流石はネプギアとユニちゃん」

 

 

「凄い凄い(きらきら)」

 

 

 ラムとロムがネプギアとユニに関心の目を向けながら言う。

 

 

「これが、ワオンの呼吸ね」

 

 

「わおーん(わんわん)」

 

 

 ラムとロムがそう言うと、「こんな感じだけど出来るかな?」とネプギアが言うと、「任せて。コツは掴んだわ! 行くわよロムちゃん。ワオンの呼吸よ!」とラムが言うと、「わおーん(わんわん)」とロムが答える。

 

ロムとラムは先程とは打って変わって、テキパキとテントを組み立てて行く。

 

 

「うまいうまい」

 

 

「やればできるじゃない」

 

 

 ネプギアとユニが褒めると、テントを完成させたラムが、「いえーい! 完璧っ!」とVサインを決めて、「上手にできたよ(ぶいっ)」とロムもVサインを決める。

 

 

「見て下さい、ブラン様。ロム様とラム様があんな立派なテントを立ててますよ」

 

 

 フィナンシェがそう言うと、「わたしも負けてられないわね」とブランが言う。

 

 

「あのー……ブラン様。そう思うなら、そろそろテントをお立てになっては?」

 

 

 フィナンシェが困った顔で言う。

 

ブランは、『テントの立て方』と言う分厚い本を真剣な顔で読んでいた。

 

 

「もう少し待ってちょうだい。今いいところなの。わたしの考える最高のテントのイメージが出来て来たの。このテントならエベレスト登頂も可能だわ」

 

 

 ブランが自信満々に言うが、「今日明日と天気は快晴ですし、風もありませんから、そんな強固なテントじゃなくても……」とフィナンシェがまたも困った顔で言うが、「快適な空間の確保は読書に必要不可欠よ」とブランが答える。

 

 

「折角のアウトドアなんですから、読書はお休みになされては?」

 

 

 フィナンシェがそう提案するが、「読みたい本がたくさんあるの。ここは空気がいいから読書がはかどるわ」とブランが答える。

 

 

「いえーい! お姉ちゃん、テントを立ての手伝いに来たよ!」

 

「来たよ(わくわく)」

 

 

 そこに疾風のようにラムとロムが現れる。

 

 

「なになに? お姉ちゃん、まだ全然出来てないの? わたしとロムちゃんにお任せよ!」

 

 

「任せて(びしっ)」

 

 

 ラムとロムがそう言うと、サクサクとテントを立てて行く。

 

 

「よしっ! イメージは完璧。今なら最高のテントを作れる自信があるわ!」

 

 

 ブランがそう言って立ち上がって見た物は、完成されたテントと無邪気に喜ぶロムとラムにそれを褒めるフィナンシェだった。

 

 

「な……」

 

 

 愕然とするブランに、「ほら、ブラン様もお褒めになって。空気を読んで下さい」とフィナンシェが耳打ちする。

 

 

「……よ、よく出来たわね。二人共……」

 

 

 ブランはそれだけ言うと、ガックリとうなだれてしまう。

 

その悲しみは必死の思いで手に入れた限定プラモを色々と改造計画を立てて、自作のデカールまで作ったのに、家に帰ったら子供に素組みされていた親の悲しみに似ていた。

 

 

***

 

 

「エスーシャ? 何してるの。早くテント立てなよ」

 

 

 ビーシャがエスーシャに質問すると、「私は、ここにコテージを建てるつもりだ」とエスーシャが真顔で言う。

 

 

「は?」

 

 

 目が点になるビーシャ。

 

 

「テントではHPとMPの回復量がイマイチだ。だからコテージを建てる」

 

 

 エスーシャがそう言うと、「任せろ、エスーシャ! スライヌ族一の大工のおいらに掛かればコテージなんてあっという間だ!」とスライヌマンが出て来ると、「彼の建てる建物は安心安全設計よ。心配いらないわ」とスライヌレディも出て来る。

 

 

「頼んだぞ、ヌマン、レディ」

 

 

 エスーシャの言葉と同時に、ヌマンがもの凄い勢いでコテージ建て始める。

 

ちなみにレディは側でセクシーポーズを決めているだけで特になにも手伝わない。

 

 

「……こんなことにお金使うから、イーシャの復活資金が貯まらないんじゃないかな……」

 

 

 ビーシャはお手上げのポーズで呆れながら、「エスーシャ……節約って言葉知ってる?」とエスーシャに尋ねるが、「興味ないね」とエスーシャがいつもの台詞を言うと、「ダメだこりゃ……」とビーシャがガックリと肩を落とした。

 

 

***

 

 

「キュイキュイ!」

 

 

 ネプギアの足元にプラエの妖聖になったキュイが寄って来る。

 

 

「どうしたの? キュイちゃん」

 

 

 ネプギアが尋ねると、キュイは駆けて行ってしまう。

 

 

「ついて来て欲しいのかしら?」

 

 

 ユニがそう言うと、「そうだな。プラエが困っているようだ」とブレイブが言う。

 

ネプギアがキュイに付いて行くと、テント立てに悪戦苦闘しているプラエとミクが居た。

 

 

「プラエちゃん、ミクちゃん。テント上手くできないの?」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「ネプギアお姉さん? そっか、キュイが連れてきてくれたんだね? ありがとうキュイ」とプラエがキュイにお礼を言うと、「キュイキュイ」とキュイが嬉しそうに鳴く。

 

 

「ネギちゃん、ごめんね。私、歌と踊り意外全然ダメで……」

 

 

 ミクが申し訳なさそうに言うと、「こっちこそ、気づいてあげられなくて、ごめんね」とネプギアが謝る。

 

 

「プラエのテントはあんみつが立ててくれたんだけど、全部あんみつにやって貰ったから、プラエもちんぷんかんぷんで……」

 

 

 プラエがそう言うと、「アタシ達が来たからには、もう大丈夫よ」とユニが力強く答える。

 

 

「それじゃあ、やろっか、ユニちゃん」

 

 

「オッケーよ。ネプギア」

 

 

 ネプギアとユニがそう言うと、二人はテキパキとテントを立てて行く。

 

 

「じゃあ、私は歌で応援するよ」

 

 

「それなら、プラエは手拍子するね」

 

 

 ミクが歌を歌い始めると、プラエはそれに合わせて手拍子を始める。

 

ミク達の応援の効果もあって、あっという間にテントが出来上がる。

 

 

***

 

 

「うーん……システィーナは空気が澄んでて気持ちいいわねー」

 

 

 ノワールはそう言って伸びをすると、「ラステイションにも、こういう憩いの場は必要よね。ケイに相談してみようかしら?」と言ってスマホを取り出す。

 

ノワールも以前はユニと同じ、ラステイション製の携帯ゲーム機『U.N.I』を使っていたが、本部が携帯ゲーム止めた関係もあり、いつまでも女神が以前の携帯ゲーム機を使っているのは示しがつかないので、本部から至急されているスマホを使っている。

 

ノワールは素早くスマホを操作すると、ケイの番号に電話をする。

 

 

「もしもし、ケイ? 今いいかしら?」

 

 

 ノワールは機嫌の良い声でケイを通話を始める。

 

 

「どうしたんだい? 定期連絡には、まだ早い時間だったと思うけど?」

 

 

 ケイが少し不思議そうな声で尋ねると、「相談があるんだけど、忙しかったかしら?」とノワールが言うと、「大丈夫さ。今は週明けに使うカオス化やS-MAXの研究の資料をまとめていたところだよ」とケイが答える。

 

 

「ごめんさいね。無理を言って」

 

 

 ノワールがそう言うと、「いいさ。ゲイムギョウ界は危機は去っていないし、なにより君の為だしね。カオス化やS-MAXの反動はまだ残っている筈だ。このキャンプでゆっくりとリフレッシュして欲しい」とケイが答える。

 

 

「ケイ……」

 

 

 嬉しそうな声を出すノワール。

 

ケイの気遣いが素直に嬉しいのだ。

 

 

「それより、相談ってなんだい?」

 

 

「そうそう、ラステイションに公園みたいな憩いの場を建てようと思うの? どうかしら?」

 

 

 ケイとノワールは真面目にお互いの意見をぶつけ合うが、その会話はどことなく楽しそうだった。

 

その会話を遠くから傍受していたケーシャが、「ううっ……ノワールさんがあんな楽しいそうに話してる……」と悲しそうな声で呟く。

 

 

「……ケーシャ? まだ呆らめていなかったのかい?」

 

 

 シーシャが少し呆れ気味にケーシャに声を掛けるが、「私のどこがダメなの? ノワールさん……」と呟くケーシャに、「まずは、その人の会話を傍受するところから止めた方が良いと思うよ」とシーシャが呆れ顔で言う。

 

 

「……ウサギさんを差し向けても余裕で倒しちゃいますし」

 

 

 ケーシャがそう言うと、「刺客まで差し向けるのはやり過ぎなんじゃないかな……そういうのも止めた方がいいと思うよ?」と更に呆れるシーシャ。

 

 

***

 

 

「はぁはぁ……森蘭丸、噂通りの美少年ですわ。しかも、織田信長もダンディなナイスミドル! これは想像がはかどりますわ!! 受けも攻めも思いのままですわ!!」

 

 

 

 ベールが双眼鏡で眺めているのは、信長とそれを世話する蘭丸の姿だった。

 

 

「ああっ!! お姉様。信長が蘭丸に微笑みかけましたわ。これは夜伽の暗号では!?」

 

 

 ベールの隣に居るチカが興奮の声を上げる。

 

 

「ありえますわね。普段は蘭丸君が受けでしょうけど、時には信長が受けに回ることも!?」

 

 

 更に興奮しながら前進するベールに、「あたくし達はその謎を解明すべく、アマゾンの奥地へ向かいますわ!!」とチカが続く。

 

 

「アマゾンの奥地もそんなモノ求められたら迷惑でしょうね」

 

 

 そんな二人の肩を持って止めるのは、ケイとの会話を終えたノワールだ。

 

 

「ちっ……リア充が来ましたわ」

 

 

 ベールが露骨に舌打ちすると、「リア充爆発しろですわ」とチカも露骨に顔をしかめる。

 

 

「あなた達ねぇ。ゲイムギョウ界の女神の品格が問われるような問題行動は止めてちょうだい!」

 

 

 ノワールはそう言うと、そのまま二人を引きずって行き、「さっさとテント立てなさい!」と注意する。

 

 

「しょぼんですわ」

 

 

 ベールがそう言って肩を落とすと、「ガッカリですわ」とチカも肩を落とす。

 

 

「なんでそこまでガッカリ出来るのよ……?」

 

 

 呆れ顔のノワールに、「戦国武将の生のつつき合いが見れますのよ! これがガッカリせずにいられませんわ!」とベールが力説すると、「一生一度のチャンスですわ、お姉様!」とチカも力説に加わる。

 

 

「止めてちょうだい! 生のつつき合いとか寒気がするわ!!」

 

 

 ノワールが心底嫌そうな顔で言うと、「やらないか?」とベールが言うと、「ウホッ! アッー!」とチカが叫ぶ。

 

 

「いい加減にしなさーーーーーい!!」

 

 

 ノワール怒りのキックで、「あーーーーれーーーーーーーー!?」とベール遥か彼方に吹っ飛んで行くと、「お姉様ーーー!」とチカがその後を追う。

 

 

***

 

 

「ベールは相変わらずだねー」

 

 

 蹴り飛ばされて星になったベールを見ながらネプテューヌがしみじみと呟く。

 

 

「お姉ちゃん、テント立て終わった?」

 

 

 ネプギアが心配そうにネプテューヌの様子を見に来ると、「まだ何も立ててないじゃないですか?」とユニも一緒に来る。

 

 

「だいじょーぶ! わたしにはこれがあるよ!」

 

 

 ネプテューヌはそう言うとNギアを操作してポケットから、自信満々に寝袋を取り出す。

 

 

「え? もしかして、お姉ちゃんそれで寝るの?」

 

 

 ネプギアが驚きの顔で言うと、「しかも、リバーシブル!!」とネプテューヌが更に自信満々に言うと、「どこかの死神漫画のヒロインみたいなこと言わないで下さい……」とユニが頭を抱える。

 

 

「一度でいいから、バイクと寝袋だけで世界一周とかしてみたかったんだよねー」

 

 

 ネプテューヌがそう言うと、「ダメだよ? お姉ちゃん。寝袋じゃ蚊に刺されてカイカイだよ?」とネプギアが子供に言い聞かせるように言うと、「いや、仮にも姉に対して、『カイカイだよ』はないんじゃないの?」とユニが呆れた声を出す。

 

 

「えー? カイカイはヤだなー」

 

 

 ネプテューヌがそう答えると、「通じてるし!? 姉としてそれでいいんですか?」とユニが驚きの声を上げる。

 

 

「寝袋は使ってもいいから、ちゃんとテントを立てようね?」

 

 

 ネプギアはそう言うと、「Nギア借りるね、お姉ちゃん」とネプテューヌからNギアを借りて素早く操作をする。

 

 

「何か当たり前のように操作してるけど、パスワードとか無いの?」

 

 

 ユニの質問に、「お姉ちゃんのパスワードなら、勘で分かるから大丈夫」とネプギアが自信満々断言する。

 

 

「どこまで通じ合ってるの? この姉妹は……」

 

 

 呆れ顔で頭を抑えるユニ。

 

その間にもネプギアはNギアを操作して買い物を済ませると、ポケットを操作してテントの道具を呼び出す。

 

 

「ほーら、お姉ちゃん。プリン型のテントだよー」

 

 

 ネプギアが笑顔でそう言うと、「アンタは子供の機嫌を取ろうとしてる親かっ!!」とツッコミするユニ。

 

 

「わーい! 流石はネプギアー!」

 

 

 満面の笑みで喜ぶネプテューヌに、「姉としてのプライドとか無いんですか!?」とユニが質問すると、「ないっ!!」とネプテューヌが自信満々即答する。

 

 

「ユニちゃん、早く立てようよ」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「はいはい。本当におんぶにだっこね」とユニが呆れながらテント立てを手伝う。

 

 

***

 

 

「よっ! センセー。大丈夫か?」

 

 

 木陰で休んでいたフォルセティに、うすめがそう言うと、「大分元気になったみたいだねー」と大きいネプテューヌが言う。

 

 

「ああ、大分気分が良くなったよ。心配してくれてありがとう」

 

 

 フォルセティがそう言うと、「本当に運動関係はダメだよな、お前」とクロワールがからかうように言う。

 

 

「エルデにも外に出て運動するよう言われてたし、何よりギアのことが心配だったからね」

 

 

 フォルセティの言葉に、「やはり、セティ様も気にかけておいでなのですね」とイストワールが答える。

 

 

「どういうこと?」

 

 

 大きいネプテューヌの質問に、「ネプギアが差別されないかってことだよ」とクロワールが答える。

 

 

「ぎあっちが差別って……どういうことだ?」

 

 

 くろめがそう言うと、【お前はもう忘れたのか? オレ達が妄想力の暴走の所為で封印されてことを】とうすめの中のくろめが答える。

 

 

「ぎあっちは俺達とは違う。妄想力が暴走するような危険はないだろ?」

 

 

 うずめはくろめと他のメンバーにそう言うが、「人は自分と違うものを恐れ差別する。私は現実世界でそれを嫌と言う程見て来た」とフォルセティが答える。

 

 

「だけどネプギアなら大丈夫だよ。みんなに信頼されてるし」

 

 

 大きいネプテューヌの言葉に、「そう簡単にはいかねぇと思うぜ。ネプテューヌはともかく、他の三人は少なくともネプギアを警戒している。いや、国主として国を守る為に警戒せざる得ない立場だ」とクロワールが答える。

 

 

「現実世界の神とゲイムギョウ界の女神のハーフ、DexMの改造女神にしてシンギャラリティとしての可能性を秘めた子。警戒するなと言うのが無理な話だ。私は父親としてあの子を……いや、あの子達を守らなくてはならない」

 

 

 フォルセティがそう言うと、「俺も手伝うぜ、任せろ。センセー」とうずめがフォルセティと握手する。

 

 

「ありがとう。そう言ってくれると心強いよ」

 

 

 フォルセティがそう返すと、「もちろん、わたしも手伝うよー! 影となり日向となりネプギアのこと支えちゃうんだから」と大きいネプテューヌもフォルセティと握手をする。

 

 

「オレも手伝う。御父上は安心してくれ、ぎあっちとぶいっちは命に代えても守る」

 

 

 うずめと入れ替わった、くろめがそう言いながらフォルセティと握手すると、「頼むよ。ギアもVも大事な娘なんだ」とフォルセティが言う。

 

 

「イストワールもクロワールも頼まれてくれるかい?」

 

 

 

 フォルセティがそう言うと、「当然です。私はエルデ様の代わりにネプギアさんの母になると決めたのですから」とイストワールが快諾し、「しょうがねぇ。頼まれてやるか」とクロワールも了承する。

 

 

 

「よーし! 人数も集まったし名前決めようか? ネプギア守る委員会とか?」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言うと、「シャドウ・ナイツだ。反論は許さない。そしてオレが団長だ」とくろめが断言する。

 

 

「……姫を守る影の騎士。そして姫と騎士団長の許されざる恋……ふふっ……」

 

 

 光悦の顔で妄想するくろめに、(勝手に決めんなオイ!)とうずめがくろめの中で言うが、くろめには聞こえない。

 

 

「そのシャドウ・ナイツとやらの空きはまだあるかしら?」

 

 

 そう言いながら現れたのは変身したネプテューヌことパープルハートだった。

 

 

(ネプテューヌさんが急に変身して付いて来いって言うから付いた来たけど……そっか、セティ先生やネプテューヌさんもネプギアのこと心配なんだ)

 

 

 ユニがそう思っていると、「ネプテューヌさん、あなたは怒ってはいないのですか? 私はネプギアさんをあなたの妹だと騙して……」とイストワールが言いかけると、「血が繋がっていなくても、他国の女神だろうと、誰が何と言おうとネプギアはわたしの大切な妹よ」とネプテューヌが力強く断言する。

 

 

「ネプテューヌさん……」

 

 

 イストワールがそう呟くと、「騎士団長の席はオレだが、他の席ならある」と妄想の世界から帰ってきたくろめが答える。

 

 

「それなら、わたしも入るわ。ノワールもブランもベールも、心の奥底ではあの子を警戒しているみたいだし」

 

 

 ネプテューヌの言葉に、(アタシでも気付かなかった、お姉ちゃん達のことも気付いてる!? やっぱり凄いんだこの人)とユニが関心をする。

 

 

「本当にソレイユの生まれ変わりだな君は。ふざけたフリして、エルデの事を一番に想っている」

 

 

 フォルセティはそう言うと、「君が協力してくれるなら心強い。ギア達のことよろしく頼むよ、ネプテューヌ」とフォルセティが手を出すと、「任せてちょうだい」とフォルセティの手を力強く握るネプテューヌ。

 

 

「あ、アタシも! アタシにもネプギアを守らせて!」

 

 

 出遅れたと思いながらも、必死に訴えるユニ。

 

その後ろから、「よいぞよいぞ、おユニ。そんなにおギアが大事か?」と信長が現れる。

 

 

「げ……変態魔王」

 

 

 嫌そうな顔を浮かべるユニに、「おユニは何故おギアを守る? 義か愛か? それとも別の何かか?」と信長が真剣な顔で質問をする。

 

信長の真剣な雰囲気を察したユニは、「……義とか愛とか友情とか信頼とか色々あります。でも、あえて選ぶなら、『夢』です。アタシとネプギアは同じ夢を見る仲間なんです。ネプギアの夢はアタシの夢で、アタシの夢はネプギアの夢でもあるって信じています!」と真剣な顔で答える。

 

 

「あっぱれなるぞ、おユニ! それこそ信長の求めていた答えだ」

 

 

 信長はそう言って扇子を開くと、そこには『夢』の文字が書かれていた。

 

 

「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり!」

 

 

 信長はそう言うと、「夢はあっという間に消えてしまう。ならば夢を繋げよ! 夢を繋げ夢を見続けるのだ。おギアはVから夢を託された。それを守る為に信長が来ている!」と信長が言う。

 

 

「魔王、織田信長……」

 

 

 フォルセティがそう言うと、「魔王では不服か?」と信長が不敵に笑うが、「構わない。ギアとVを守る為なら、魔王とでも手を組むさ。協力感謝する」とフォルセティが手を出すと、「うむ。大義である」と信長が握手をする。

 

 

「そして、ユニ。君は努力家で真面目で礼儀正しい。会って間もないが、ギアを任せられるのは君しか居ないと思っている」

 

 

 フォルセティの言葉に、「期待に応えられるよう頑張ります」とユニが答えながら手を出すと、フォルセティと握手をする。

 

 

「抜け駆けレーダー反応アリーーーー!」

 

 

「抜け駆けダメゼッタイ(ぷんぷん)」

 

 

 ラムとロムが突然話に加わって来ると、「……ネプギアお姉さんはみんなのもの」とプラエも不服そうに話に加わってくる。

 

 

「アンタ達、どうしてここに?」

 

 

 ユニが驚きの声を上げると、「抜け駆けセンサーに反応があったのよ」とラムが自信満々に、「ピコーンって来たの」とロムも自信満々に言う。

 

 

「ネプギアお姉さんを守るのも、みんなの役目」

 

 

 プラエが頬を膨らませて言うと、「ああもう、はいはい。声掛けなかったアタシが悪かったわよ」とユニが素直に謝る。

 

実際のところ、ネプテューヌに連れて来られて声を掛ける時間など無かったのだが、拗ねられても面倒なことが理由だ。

 

幼い妹達の扱いに慣れたお姉さんのような対応である。

 

 

「そうか……君達もギアを守ってくれるのか。ありがたい……ギアは本当に良い友達に恵まれたね。」

 

 

 フォルセティがそう言うと、「先生も水臭いわよ。こういう時に頼りになるのが、ロムちゃんラムちゃんの最強タッグなんだから!」とラムが言うと、「プラエも頑張るよ」とプラエもガッツポーズをする。

 

 

「それじゃ、ネプギア守る隊の結成よー!」

 

 

 ラムがそう言うと、いつものようにユニとロムとラムとプラエが円陣を組んで手を重ねる。

 

 

「いいの? くろめ。シャドウなんちゃらじゃなかったの?」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言うと、「構わない。ゆにっち達は表の護衛、インペリアルガードだ。オレ達は影の騎士シャドウナイツ。ぎあっち達には見せられないような汚れ仕事を請け負う」とくろめが答える。

 

 

「おおう、何かダーティペ●な感じ!」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言うと、「それが分かるのはごく一部よ……」とネプテューヌが呆れた声を出した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。