新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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137プラエ救出戦

  G.C.2021年7月3日 土曜日。

 

 サバイバル実習に来ていたネプギア達だが、そこで下っ端とワレチューの犯罪組織マジェコンヌにプラエがさらわれてしまう。

 

プラエと一緒に居たロムは、うずめの助けを借りつつ下っ端たちを追いかける。

 

 

「はぁはぁ……もっと速く飛ばないと見失っちゃう!」

 

 

 必死に追いかけるロムだが、下っ端やワレチューを抱えて飛んでいるカオスシャドウのスピードの方が速い。

 

元々ロムは中~遠距離からの魔法攻撃と補助魔法に回復魔法を扱う、遠距離攻撃向けかつヒーラーなので、飛行スピードやブーストダッシュのスピードはあまり速くないのだ。

 

 

「わたしがもっと頑張らなきゃ。わたしはプラエちゃんよりお姉さんなんだから、プラエちゃんを守らねきゃいけないの!」

 

 

 懸命に飛ぶロム。

 

何とか下っ端達とカオスシャドウが山の中の洞窟に入って行くのが見えた。

 

 

「あんなところに洞窟が!」

 

 

 驚きながら追いかけるロム。

 

洞窟の前に立ち止まると、「どうしよう……みんなを待った方がいいのかな?」と呟くと、携帯ゲーム機の2RMでネプギアの携帯ゲーム機に通信を取る。

 

先程の救難信号は見えている筈なので、ネプギア達も側に居ると思ったのだ。

 

直ぐにネプギアが通信に出ると、「ロムちゃん、今どこにいるの? 一人じゃ危ないよ」とネプギアの心配そうな声が聞こえて来る。

 

 

「ネプギアちゃん、今わたしが居るところに来れる!?」

 

 

 ロムが必死にそう言うと、「ちょっと待って……そこなら10分ぐらいで着くから待っててね」とネプギアが優しく言い聞かせるようにいうが、「ダメだよ。プラエちゃんがさらわれちゃったの。わたし洞窟の中に入るから後から追いかけてきて!」とロムが訴えるように言う。

 

 

「え!? ロムちゃん!?」

 

 

 思いがけない程、積極的なロムに驚くネプギア。

 

ロムは通信を切ると、すぐに洞窟の中に入って行く。

 

 

***

 

 

 洞窟の中は広くて飛行しながらでも問題なく移動出来た。

 

辺りに松明が燃えており、下っ端達がココを拠点にして活動しているのが伺い知れた。

 

 

「怖くない……怖くない……プラエちゃんを助けるんだ」

 

 

 自分に言い聞かせるように言うロム。

 

 

ヒュンッ

 

 

 風切り音と共に何かがロムに向かってくる。

 

 

「きゃあ!?」

 

 

 悲鳴を上げるロム。

 

風切り音の正体は衝撃波で、ロムは1479のダメージを受けてHPゲージが二割程減ってしまう。

 

 

「くっ! 敵!! アイシクルスピア!」

 

 

 ロムが衝撃波の飛んできた方向目掛けて氷の槍を無数に飛ばす。

 

アイシクルスピアの飛んで行った方向には一人の人影があり、それがアイシクルスピアを縫うように回避してロムに向かって進んでくる。

 

 

「なんで!? 当たらないの!」

 

 

 戸惑うロムに人影が一瞬で接近してくる。

 

近づくと、人影がネプテューヌ型のカオスシャドウだと分かった。

 

ロムがそれに気付いた時にはロムの腹部に重い痛みが走る。

 

ネプテューヌ型のカオスシャドウがロムの腹部に飛び蹴りを入れたのだ。

 

 

「くああああっ!?」

 

 

 強烈な一撃に吹き飛ばされるロム。

 

それでも踏ん張って空中でバランスを取ると、氷の矢を無数に飛ばしてネプテューヌ型のカオスシャドウに反撃をする。

 

 

「……」

 

 

 ネプテューヌ型のカオスシャドウは無言でそれを悠々と避けて行く。

 

 

(牽制にもならない……こんな筈じゃ……)

 

 

 悔しそうに嘆くロムに、少し前のゴッデスファイトでのシーシャの言葉が思い出される。

 

 

【君達はネプギアやユニに当てられる状況を作って貰っていることに気付いた方がいい】

 

 

 ロム自身もその言葉は気にしていたし、それなりに自主練習はしてきたつもりだったが、相手が悪すぎた。

 

高速で高い回避率を持つ接近戦主体のアタッカーのネプテューヌの力をコピーしたカオスシャドウは、防御主体の支援特化のロムには相性が悪い。

 

高い回避率の前に飛び道具は悠々と避けられる上に、接近してくるので強力な魔法を使う為の詠唱も出来ない、

 

パーティーを組んで戦うにはロムのようなポジションのキャラは必須だが一対一では勝ち目が薄い。

 

接近してきて何度も太刀を振うネプテューヌ型のカオスシャドウ。

 

ロムのHPゲージが六割、四割とどんどん減少していく。

 

ロムも回復魔法を使うがそれより速くネプテューヌ型のカオスシャドウが攻撃をしてくる。

 

強敵に対して使う効果の高い回復魔法は詠唱を必要として、今のロムの状況はそれを許さない。

 

 

「このままじゃ……」

 

 

 ロムがそう呟いた直後、ネプテューヌ型のカオスシャドウが渾身の一撃を叩きこんで来る。

 

 

「くあああああっ!?」

 

 

 洞窟の壁に叩きつけられて倒れてしまうロム。

 

そんなロムの側にネプテューヌ型のカオスシャドウが近づいて来る。

 

ダメージで動けないロムにネプテューヌ型のカオスシャドウが刀を振り上げる。

 

 

「……っ!」

 

 

 ここまでと思い思わず目を閉じてしまうロム。

 

ネプテューヌ型のカオスシャドウの刃がロムを斬り裂こうと言う瞬間、オレンジ色の光が二人の間に割って入る。

 

 

「ほにゃーーーー!」

 

 

 オレンジの光の正体ははロムを追って来たうずめで、うずめは盾を構えてネプテューヌ型のカオスシャドウの刃を受け止めると同時に回し蹴りでネプテューヌ型のカオスシャドウを吹き飛ばす。

 

 

「うずめちゃん!」

 

 

 喜びの声を上げるロムに、「ろむっち! 無茶はダメだよ!」とうずめが答える。

 

 

「でも、プラエちゃんが!」

 

 

 ロムが焦りながらそう言うと、「ろむっちの気持ちは分かるよ。お姉さんとして、ぷらっちを助けたいのは凄く分かる。うずめにも守りたいモノがたくさんあるから。だけど、焦りは禁物だよ」とうずめが少し厳しめの声で注意する。

 

 

「ろむっちの良さはみんなと一緒に戦ってこそ活きるものだから、一人で行動するのはダメ。ここから先はうずめと一緒に行こう」

 

 

 うずめは続けてそう言うと、ロムの右手を握る。

 

するとロムの顔から焦りの色が消えて、「……ありがとう。うずめちゃん」と答えてうずめの手を握り返す。

 

 

「まずはコイツを倒さないとね」

 

 

 うずめがそう言いながら、回し蹴りで吹き飛ばしたネプテューヌ型のカオスシャドウを見ると、ネプテューヌ型のカオスシャドウは素早く立ち上がり、うずめに向けてブーストダッシュをしてくる。

 

 

「ろむっち! バフお願い!」

 

 

 うずめの言葉にロムは、「……偉大なる四大精霊よ……眠れる力を呼び覚ませ……」と素早く魔法の詠唱を始める。

 

 

「エーテルバースト!」

 

 

 詠唱を終えたロムがうずめにバフ魔法をかける。

 

ゴッデスファイトで西沢ミナも使った全能力アップのエーテルバーストだ。

 

 

「うっひょー! 力がモリモリ湧いてくるよ。やっぱり、ろむっちのバフは最高だね」

 

 

 ロムのバフを受けたうずめが強気の表情でネプテューヌ型のカオスシャドウに立ち向かって行く。

 

 

「うずめの全開ボイスー! ほんにゃ~~!!!」

 

 

 うずめが右手の拡声器から強烈なリング状の音波を飛ばす。

 

 

「……」

 

 

 無表情でそれを避けてしまうネプテューヌ型のカオスシャドウ。

 

コピーと言っても元が強力な回避力を持つネプテューヌだけあって簡単には攻撃が当たらない。

 

 

「なかなかやるね。でも、それぐらい予想済みだよ!」

 

 

 うずめはネプテューヌ型のカオスシャドウが刀から放った斬撃の反撃を丁寧に避けると、ブーストダッシュで一瞬でネプテューヌ型のカオスシャドウとの間合いを詰める。

 

 

「いっくよー! ナナメ前下KGからの、前P、後ろ、前々PK!! 鉄山こーーーーー!!!!」

 

 

 うずめが叫ぶながら流れるような体術で攻撃を加えて行く。

 

KとかGはうずめが守護女神だった頃に流行したバーチャバトラーのコマンドでPがパンチKがキック、Gがガードのボタン操作だ。

 

ちなみに鉄山靠【てつざんこう】とはバーチャバトラーに出て来る八極拳をベースにした戦い方をするファイターが使う技だ。

 

 

「とっどめーーーー!! スターオレンジ!!」

 

 

 鉄山靠で吹き飛んだネプテューヌ型のカオスシャドウに向けて更にブーストダッシュで追い込んで無数のパンチを加えるうずめ。

 

ネプテューヌ型のカオスシャドウは、「……っ!?」と叫びを上げると黒い靄のようになって消滅してしまう。 

 

 

「うずめちゃん、凄い!!」

 

 

 喜びの声を上げるロムに、「ろむっちのバフのお陰だよ。ぶいっ!!」と右手でピースサインをする、うずめ。

 

 

「急ごう、ろむっち。ぷらっちを助けなきゃ!」

 

 

 うずめが続けてそう言うと、「うん、ありがとう、うずめちゃん」とロムが答えて二人で洞窟の奥に進んでいく。

 

 

***

 

 

 その頃、ロムからプラエをさらった下っ端とワレチューは洞窟の奥深くに到着していた。

 

 

「ここまで来りゃ撒いたと思っていいだろ」

 

 

 下っ端がそう言うと、「上手く行ったちゅね」とワレチューが答える。

 

 

「よし、カオスシャドウ。降ろせ」

 

 

 下っ端がそう言うと、ノワール型のカオスシャドウが下っ端とワレチューを地面に降ろす。

 

 

「プラエをどうするつもりなの?! こんなことしてもネプギアお姉さんが絶対に助けに来てくれるんだから!」

 

 

 プラエがノワール型のカオスシャドウに捕まれながら強気の声で言う。

 

そこに、「おうおう、下っ端~。お手柄っすなー」という言葉と共にイクスが現れる。

 

 

「ふーん、コイツに手を貸すのに何の得があるかと思えば、思わぬお宝が手に入ったね」

 

 

 そう言いながら現れたのはニャルラトホテプ。

 

続けて、「で、コイツをどうするんだ?」とロキも現れる。

 

ネプギアとVに負けて以来、逃亡生活であったが何とかネプギア達に復讐しようと下っ端に手を貸していたのだ。

 

 

「コイツにはマジック様を復活させる為に犯罪組織マジェコンヌの旗印になって貰う」

 

 

 下っ端がそう答えると、「そんなことしないって何度言わせるの? 姉様を生き返らせるなら、もっと他に方法がある筈だよ」とプラエが答える。

 

そこに、「ないですよ~、あなたが犯罪組織マジェコンヌのマジック・ザ・シスターとして再び犯罪組織マジェコンヌを立ち上げなければ、あなたのお姉さんは一生生き返らないですよ~」と女性の機会音声が聞こえて来る。

 

 

「誰!?」

 

 

 プラエが声をした方を向くと、白とピンクと黒の三色構成でペイントされた女性型のロボットが楽しそうに笑っていた。

 

 

「あたしはサシュー教団の終末の使徒キョホウアオリ。仲良くしましょうね。マジック・ザ・シスターちゃん」

 

 

 女性型のロボットが自己紹介すると、「サシュー教団? 終末の使徒?」とプラエが不安そうに答える。

 

 

「そう。犯罪組織マジェコンヌと同じくゲイムギョウ界の破壊を望む者達の集まり」

 

 

 キョホウアオリがそう言ってプラエに右手を差し出すと、「いやっ!」とプラエは首を左右に振ってキョホウアオリを拒絶する。

 

 

「あらあら~? 嫌われちゃいましたかー?」

 

 

 キョホウアオリは残念そうに言うと、「まぁ、サシュー様以外どーでもいいんですけどね~」とつまらなそうに続けて言う。

 

 

「これからあなたは、システィーナを裏切ってサシュー教団のバックアップの元で犯罪組織マジェコンヌを復活させる。それが終末への第一歩になりまーす」

 

 

 キョホウアオリが楽しそうにそう言うと、プラエは首を左右に振って、「そんなことしないもん。勝手なこと言わないで」と言い返す。

 

すると、「あなたの意志は関係ありませーん。あたし達が流した噂を信じた者が集まってあなたは犯罪組織マジェコンヌの女神として担がれるだけでーす」とキョホウアオリが煽るように答える。

 

 

「そんな噂誰も信じないもん。プラエはシスティーナの女神、ネリネプレッジ。ネプギアお姉さん達とゲイムギョウ界の生ける物全てが平穏に暮らせる世界を目指す女神、九花の一人だもん」

 

 

 プラエがそう言いながらキョホウアオリを睨み返すと、「うざっ……そんなお花畑理想信じちゃいますか?」とキョホウアオリが迷惑そうに答える。

 

 

「テメェ等がどう言おうが、システィーナなんて実績のねぇチャチな国なんだよ。ちょうどいいからマジェコンヌが乗っ取ってやる」

 下っ端がそう言うと、「システィーナの理想何て誰も信じてないちゅよ」とワレチューが呆れかえったふうに言う。

 

 

「G.C.2000年代にマジェコンで遊んでいた子供がいまは大人になって、犯罪組織マジェコンヌ復活を簡単に信じていて僕もやりやすいよ」

 

 

 ニャルラトホテプの言葉に、「お前が活躍すればする程、犯罪組織復活が現実味を帯びてくるんだよ」とロキが続く。

 

 

「プラエ。どうあがいても、お前は犯罪組織の女神なんだよ。こっち側の人間なんだ。ネプギアの側に居たっていつかは白い目で見られるんだよ。だからあたし達と組もうぜ?」

 

 

 イクスの言葉に、「いやっ!」と即答で拒絶するプラエ。

 

 

「現実の見えない聞き分けのないお子様でちゅね~。イクス、さっさと洗脳なりなんなりしちゃって下さーい」

 

 

 キョホウアオリが呆れ声で言うと、「まぁ、焦りなさんな。こう頑なだと効く術も効かなくなっちまう」とイクスが窘めるように言う。

 

 

「お前は姉貴を蘇らせるのが目的なんだろ? あたし達と組まないとそれは叶わないぜ?」

 

 

 イクスの言葉に、「そんなこと無い! ネプギアお姉さんと一緒に叶えるもん」とプラエが答える。

 

 

「ネプギアはお前を騙している。いや、ネプギア自身も分かってねぇ。マジック・ザ・ハード程の魂を蘇らすとなると大量のマジェコンヌクリスタルが必要になる。マジェコンヌクリスタルはゲイムギョウ界の邪な心のダークソウルの集まり。それはネプギアの目指す世界には無ぇ。姉貴の復活どことか、いずれはお前も死ぬ運命なんだよ。ネプギアに利用されてなぁ」

 

 

 イクスがそう言うと、プラエは耳を塞いで首を左右に振って、「そんなことない! そんなことない!」と呟く。

 

 

「言っただろ? お前は一生犯罪組織の女神なんだよ。人間の血液型が変えれれないように、お前はマジェコンヌの邪な血が無いと生きていけない呪われた女なんだよ」

 

 

 イクスの言葉に、「いやーーーーーー!!」とプラエが絶叫を上げる。

 

 

「クックック……いい感じに揺らいで来たな」

 

 

 イクスが嬉しそうに言うと、「じゃあ、サクサク洗脳しちゃって下さいよー」とキョホウアオリが急かすように言う。

 

 

「そうだな。この辺でいいだろう」

 

 

 イクスがそう言うと、一仕事終えたイクス達が僅かに気を緩める。

 

その瞬間、「てりゃーーーーーーーー!!」と元気の良い掛け声が聞こえて来る。

 

同時に巨大なリング状の音波がイクス達を襲い吹き飛ばす。

 

 

「ろむっち! 今だよ!」

 

 

 元気の良い声と同時に、ロムが現れてプラエに手を差し出す。

 

うずめとロムはイクス達の隙を伺っていたのだ。

 

 

「プラエちゃん、こっち!」

 

「ロムさん!?」

 

 

 ロムの登場に驚きの声を上げるプラエ。

 

 

「早くっ!」

 

 

 ロムがプラエの手を握って引っ張るがプラエは動かない。

 

 

「……プラエは呪われた子で、ネプギアお姉さんと一緒に居られない……」

 

 

 プラエがそう呟くと、「そんなことない! 正気に戻ってプラエちゃん!!」とロムが力強く言う。

 

ロムも先程までのイクスの話を聞いていたので大体のことは分かってる。

 

 

「わたしじゃ頼りないかもだけど、ラムちゃんも居るユニちゃんもうずめちゃんも、何よりネプギアちゃんを信じて!」

 

 

 ロムがそう言うと、「ネプギアちゃんは本当に優しくて凄いの。最初わたしが襲ったことも許してくれたし、わたしが悪い人に洗脳されてルウィーの街を壊しちゃった時にも慰めてくれて一緒に街を治してくれたの。ネプギアちゃんが……みんなが一緒なら大丈夫だよ」

 

 

「ロムさん……」

 

 

 プラエはそう呟いて、「そうだね。ネプギアお姉さんやみんなが一緒なら大丈夫だよね!」と元気よく言いながら、ロムの手を握り、「チェンジ・エンジェルフォーム!」と言って女神化する。

 

 

「あーあー……なんですかー? このいかにも正義のミカターって展開。萎え萎えですよー」

 

 

 キョホウアオリが呆れ声で言うと、「くそがっ! またネプギアかよ。どいつもこいつも!!」と下っ端が悔しそうに鉄パイプで地面を叩く。

 

 

「ふーん、救世主様って言うのは、お子様の心を掴むのがお上手なんですねー」

 

 

 キョホウアオリが煽るように言うと、「誰?」とロムが質問する。

 

 

「あたしはキョホウアオリ。簡単に言えばあなた達の敵ですよー」

 

 

 キョホウアオリがまたも煽るように言うと、「それって、ぎあっちのこと! それだったら、うずめが許さないよ!!」とうずめが言い返す。

 

 

「気を付けた方がいいですよー? あの子がその気になればあなた達全員ゲハバーンでサクッと殺されちゃうんですから」

 

 

 キョホウアオリが更に煽るように、「ネプギアお姉さんはそんなことしないよ!!」とプラエが答える。

 

 

「そりゃ、ネプギアはそうかもしれないですけどぉー、あの子はDexM【ディエクスエム】って改造女神だし、ギアシステムとか色々変な物積んでるし、何か不具合があってもおかしくないんじゃないですかぁ~」

 

 

 キョホウアオリの言葉に、「ぎあっちをモノみたいに言わないで!!」とうずめが言い返す。

 

そこにすかさず、「隙あり!」とキョホウアオリがバズーカ砲を構える。

 

 

「しまった!?」

 

 

 焦りの声を上げる、うずめ。

 

完全な直撃コースで回避や防御をできる余裕がない。

 

 

「おらあっ!!」

 

 

 叫び声と同時にバズーカ砲の砲弾が叩き落される。

 

 

「そうか……テメェがぎあっちの悪い噂を流してる本元か」

 

 

 そこには黒いオーラに包まれた、暗黒星くろめが居た。

 

 

「あらあらぁ~、何か殺意マンマンの方がいらっしゃいましたけど、どちら様でしたっけぇ~?」

 

 

 キョホウアオリが相変わらずの煽り口調で言うと、「オレは暗黒星くろめ。ぎあっちのナイトだ」とくろめが堂々と言い放つ。

 

 

「ふーん、随分とカッコつけちゃってますねー」

 

 

 キョホウアオリが余裕の表情を浮かべると、「ぎあっちのナイトとして先々代のプラネテューヌの守護女神として、キョホウアオリ。お前を殺す!」とくろめが言う。

 

プラネテューヌの守護女神を遡るとネプテューヌ→ウラヌス→うずめ【くろめ】となるので、くろめは先々代となる。

 

 

「くろめ?」

 

 

 くろめの並々ならぬ殺意に不思議そうに問いかける、うずめ。

 

 

「キョホウアオリはオレ達……いや、オレのミスで生み出してしまった悲劇だ。お前の記憶に無いか? プラネテューヌで隕石が落ちた事件を」

 

 

 くろめの質問に、「もしかして、うずめが隕石から守れなくて機械の体に……ご、ごめんね。うずめが守れていれば……」とうずめが言いかけると、「ハァーーン!! ザッケンナコラー! テメェ等の救いなんて求めてねぇんだよ! あの隕石は終末を願うあたしへサシュー様からの贈り物! テメェ等みたいなカス女神にどうこうできるモンじゃねーんだよ!!」とキョホウアオリが怒りを露わにする。

 

 

「やはり、過去から続く終末論は貴様の仕業がキョホウアオリ」

 

 

 くろめがそう言うと、「だとしたらどうするんですかぁ~?」とキョホウアオリが答えると、「二度も言わせるな。お前を殺す」とくろめが即答する。

 

 

「やってみやがれって言うんですよー! サシュー様のご期待に答えれなかった劣等品が!!」

 

 

 キョホウアオリの言葉に、「ご期待?」とうずめが言うと、「妄想力の暴走の事だ。最終的に制御が出来なかったのはオレの責任だが、サシューの隕石に触れた時に暴走が後押しされていたと見ている」とくろめが短く答えると、一瞬でキョホウアオリとの距離を摘めてキョホウアオリに回し蹴りを入れる。

 

 

「アッハッハッハ! そんなんじゃサシュー様の足元にも及びませんよぉ!!」

 

 

 バズーカ砲の砲身でくろめの回し蹴りを防ぐキョホウアオリ。

 

 

「サシュー……新しい敵なの?」

 

 

 ロムの言葉に、「サシュー教団が犯罪組織のマジェコンヌをバックアップしするって言ってた……」とプラエが答える。

 

 

「ロムちゃん! プラエちゃん!!」

 

 

 叫び声と共に女神化してネプギア達が追いついて来る。

 

 

「二人共無事?」

 

 

 女神化したユニが心配そうな声で言うと、「ロムちゃんとプラエを困らせるヤツなんか、わたしが全部倒しちゃうんだから」と女神化したラムが強気の表情で言う。

 

続けて四女神達やアイエフ達も疑似プロセッサユニットを装備して現れる。

 

 

「あらあら……一匹出たらゾロゾロと、女神ってゴキブリか何か何ですかー?」

 

 

 くろめと戦いながらキョホウアオリがそう言うと、「余裕ぶっこいてる場合じゃねぇだろ!」と下っ端焦りの声を上げる。

 

 

「大丈夫ですよー。ね? サシュー様」

 

 

 キョホウアオリの言葉と同時に白いローブを着てフードを被った一人の人物が突然現れる。

 

 

「あれが、サシュー?」

 

 

 ロムがそう言うと、「みんな気を付けて新しい敵だよ!」とプラエが続けて言う。

 

 

「これだけの女神を相手に、たった一人でどうにかなる訳ないでしょ!」

 

 

 女神化したノワールが強気な声で言うと、「敵って言うなら、ブッ潰してやる」と女神化したブランが続けて言うと二人して武器を構えてサシューに突っ込んで行く。

 

ブランとノワールがサシューを挟み撃ちにして武器を振り下ろす瞬間、ブランとノワールの武器が見えない壁に阻まれる。

 

 

「なんだと!?」

 

 

 驚きの声を上げるブランに、「なによこれ!」とノワールも驚きの声を上げる。

 

 

「……」

 

 

 サシューは無言で浮かび上がると、その下の地面から無数のモンスターが現れる。

 

 

「……っ!? モンスターが湧いて来た!?」

 

 

 焦りの声を上げる女神化したネプテューヌに、「召喚の類ではないみたいですわね」と女神化したベールが戦闘態勢を取る。

 

 

「えー? サシュー様ぁ~、モンスターだけですかぁ? アオリ、サシュー様のもっとイイとこみてみたいですぅ~」

 

 

 キョホウアオリがねだるように言うとサシューに言うと、「やらせない!!」と凛とした声が響き渡る。

 

 

「この声! Vさん!!」

 

 

 ネプギアがいち早く声に反応すると同時にVが現れる。

 

 

「サシューは私が抑えます。皆さんはモンスターを倒して下さい!」

 

 

 そう言いながらVがサシューに凄まじい突きを浴びせるが、サシューは微動だにせず見えない壁で防いでいる。

 

 

「やはり、この力は……!」

 

 

 Vはそう言いながらサシューから放たれた無数の光の剣を避けながらも、右手の剣で連続攻撃をするがサシューは相変わらず見えない壁で防いでしまう。

 

 

「ふぅん……アレが例の力か。いいね、欲しいね」

 

 

 ニャルラトホテプがその光景を興味深そうに見ていると、「ふん。なかなか面白そうな力じゃねぇか」とロキも興味深そうにしている。

 

 

「ちょっと、アナタ達。サシュー様をジロジロ見て、不敬ですよ!!」

 

 

 キョホウアオリが怒りながら言うと、「ああ、それはすまなかったね。僕は彼とは初対面でよく知らないんだ」とニャルラトホテプが答えると、「彼だか彼女だかよく分からんがな」とロキが続けて言う。

 

 

「サシュー! あなたは何が目的で次元を破壊するんですか!」

 

 

 Vが攻撃しながらサシューに問いかけるが、「……」とサシューは何も答えない。

 

 

「サシュー様は貴女みたいな殺神鬼に話す舌なんてないんですよー」

 

 

 キョホウアオリがそう言うと、「そんなこと言ってる間にモンスターが女神共にやられまくってるちゅよ!」とワレチューが焦りの声を上げる。

 

 

「もっと強ええモンスター出せねえのかよ? サシューとやら!! 使えねぇな!」

 

 

 下っ端がそう言った瞬間、「ああん? テメェ等今なんつった!!」とキョホウアオリが激高して、下っ端に向けてバズーカ砲連射するとバズーカの弾が直撃した下っ端を足払いで倒すと踏みつける。

 

 

「サシュー様を呼び捨てにしやがったのか? このカラードのドブネズミが!! しかも使えねぇだと!!」

 

 

 キョホウアオリがそう言うと、「か、カラードって言うんじゃねぇ……」と下っ端が言い返す。

 

カラードとは時に有色人種に対する差別語と使われることがある為、灰色の肌を持つ下っ端を侮蔑したのだ。

 

 

「ハアン!? この期に及んで反抗ですか? 殺しちゃいましょうか? 殺しちゃっていいですよね? 三秒後に殺しまーす! さーん、にーい、いーち」

 

 

 キョホウアオリがカウントダウンすると、「ギアチューン・ワン!!」と叫び声が聞こえて来る。

 

同時にネプギアが回転しながらキョホウアオリに斬りかかって来る。

 

 

「ちっ、改造品が。邪魔するな!」

 

 

 キョホウアオリがそう言いながらバズーカを連射するが、ネプギアはその砲弾を受けてもよろけずに突っ込んでくる。

 

『ギアチューン・ワン』とはネプギアが新たに習得した技。

 

敵の攻撃を無視して特攻する、スーパーアーマー的な要素とダメージ軽減の能力がある。

 

皆を守りたいと言うネプギアの熱意が編み出した新技だ。

 

 

「はあああっ!!」

 

 

 回転斬りをキョホウアオリに命中させるネプギア。

 

 

「やってくれるじゃないですかっ!!」

 

 

 キョホウアオリがネプギアに反撃しようとすると同時に、ズキューンズキューンズキューン! とビーム音が鳴り響く。

 

 

「なっ!?」

 

 

 回避運動をするキョホウアオリだが反応が遅れて飛んできた赤色のビームの直撃を受けてしまう。

 

 

「ナイスよ。ネプギア!」

 

 

 嬉しそうにユニが言う。

 

ビームを飛ばしたのはユニで手に持った巨大銃エクスマルチブラスターを構えて狙いを定めると、「エクスマルチブラスター! エンプレス!!」と今までより巨大なビームを放つ。

 

 

「うああっ!?」

 

 

 ビームが直撃したキョホウアオリは苦しそうな呻きを上げると、一瞬の内にラムがブーストダッシュでキョホウアオリに近づき、「今度はわたしの番ね!」と杖を構える。

 

 

「ラムちゃんショットガン!!」

 

 

 ラムがそう言うとラムの杖から白く輝く魔法の弾が無数に発射される。

 

『ラムちゃんショットガン』とは正式名称をスフィアショットと言い魔法の散弾を放つ技。

 

中~近距離で有効で近距離戦で全弾命中させると爆発的な威力を誇る。

 

隙や硬直も短く、近づいては撃って離れるの一撃離脱の戦いをすると一方的に大ダメージを出すことが出来る。

 

 

「ぐあああああああ!!」

 

 

 キョホウアオリはスフィアショットに何度も貫かれて苦悶の声を出す。

 

 

「ちいっ!?」

 

 

 慌てて距離を取るキョホウアオリだが、「逃がしません!」とネプギアがギアチェーン・ワンでキョホウアオリを追いかける。

 

ネプギアがギアチェーン・ワンを使いながら接近戦で食らい付き、ユニが援護狙撃、ラムがスフィアショットで奇襲、ネプギアのダメージはロムが回復と言うパターンで、あっという間にキョホウアオリを追い詰めて行く。

 

 

「くっ……」

 

 

 苦しそうなキョホウアオリは一旦攻撃の手を止めると、「なんでそんな人助けるんですかぁ~? その人って犯罪組織の人ですよぉ~? あなたにとってマイナスしなかい人じゃないですかー? 百害あって一利なしって言葉はこの人の事を言うんじゃないですか~?」とネプギアを煽るように言う。

 

 

「私達守護女神は、『守る』って心の中で思ったならっ! その時既に行動は終わっているんですっ!! 例えそれが敵であってもっ!!!」

 

 

 ネプギアが凛とした声で言い返すと、「テメェ……」と座り込んでいた下っ端がネプギアを見上げながら言う。

 

 

「はーい、意味不明意味不明。理解不能理解不能。貴女って注意書き無視して事故に遭った遭難者も笑顔で助けちゃう系ですか?」

 

 

 キョホウアオリが再度煽るように言うと、「笑顔では助けません。ちゃんと厳しく注意して、しかるべき罰を受けてもらいます」とネプギアが真面目に答える。

 

 

「またしても意味不明~? その人どれだけ犯罪したと思ってるんですかぁ~? 最早死刑以外ありえないですよー? しかも今回は貴女の友達を誘拐したんですよ~?」

 

 

 キョホウアオリの言葉に、「そんな簡単に死刑なんて決めないで下さい! あなたにそんな権利はありませんっ!!」とネプギアが言い返す。

 

 

「女神サマって言うのは本当に寛大ね~? それとも、あたしの言う事にいちいち反論しないと気が済まないんですか~?」

 

 

 キョホウアオリがそう言うと、「正直言えばそれも少しあります」とネプギアが答える。

 

 

「あらら~? 初対面の人を嫌うなんて教育がなってないですねぇ」

 

 

 キョホウアオリの言葉に、「私、あなたみたいに身体的な特徴で人をけなす人好きじゃありません!」とネプギアが言い返す。

 

 

「ああん? そのドブネズミをカラードって言って何が悪いんですかぁ~? 白は白、黒は黒、灰色は灰色じゃないですかぁ~! 灰色な肌なんて気持ち悪いし悪魔でも住んでそうで不吉ですよ!」

 

 

 キョホウアオリが不機嫌そうにそう言うと、「有史以来、そう言う差別的な考えで何千何万の人が悲しみ苦しんで来たんです! 時代の先を行くゲイムギョウ界の女神として、そのような考え見逃せません!」とネプギアが答える。

 

 

「なんなんですかあなたはー? 下っ端の悪事は見逃して、あたしは見逃さないって、とんだトンチキ女神ですねぇ~」

 

 

 キョホウアオリが呆れたふうに言うと、「彼女の悪事を見逃すとは言っていません。私はあなたに彼女に対する殺意を収め侮辱したことを謝って欲しいだけです」とネプギアが凛とした声で言い返す。

 

 

「あーはいはい。わかりましたよー……」

 

 

 キョホウアオリはそう言ってお手上げのポーズを取るが、「なんて言うと思ったかぁ! この阿婆擦れトンチキ女神がぁ!!」と態度を豹変させてネプギアに向けてバズーカ砲を乱射する。

 

無数のバズーカ砲の砲弾がネプギアに直撃して大爆発を起こす。

 

 

「アーッハッハッハーー!! 謝る訳ねぇだろー! サシュー様を使えねぇとか言ったんだぞ? このクソ雑魚カラードのドブネズミはっ!!」

 

 

 キョホウアオリが勝ち誇りながら言うが、爆風と煙が晴れて彼女が見たのは無傷のネプギアだった。

 

 

「……ユニバースキャンセラー」

 

 

 ネプギアが呟くように言う。

 

『ユニバースキャンセラー』とはネプギアが過去のダゴンとの戦いの際に目覚めた力。

 

元々はネプギアの祖父に当たる北欧神話のバルドルが母親のフリッグが世界中の生物・無生物に彼を傷つけないよう約束させ、そのため、いかなる武器でも彼を傷つけることは出来なくなったことから始まる。

 

この能力はネプギアの父のフォルセティから継承され、ゲイムギョウ界で強力なバリアを発生させる能力になっている。

 

 

「推しをけなされて怒るのは分かります……ですがっ!! それに対して暴力と暴言で対抗するのは間違っていますっ!!!」

 

 

 ネプギアはそう言うとゲハバーンとシェアブレードを銃剣化させると二つを並べるように連結させる。

 

 

「ターゲット、キョホウアオリ。ゲハバーン、シェアブレード最大出力!!!!」

 

 

 ネプギアがそう言って視界に映るレティクルをキョホウアオリに合わせると、警告音と共に『Lock on』の文字が表示される。

 

 

「ツインバスターランチャー発射!!」

 

 

 ネプギアが声と共にトリガーを引くと巨大なエネルギーの奔流がキョホウアオリに襲い掛かる。

 

『ツインバスターランチャー』はネプギアがゲハバーンとシェアブレードを連結させて放つ超威力の飛び道具。

 

ネプギア個人で放つ飛び道具の中では最強を誇る。

 

ツインバスターランチャーのビームがキョホウアオリに命中する瞬間、キョホウアオリの前に何かが現れる。

 

 

「え?!」

 

 

 驚くネプギアの視界に映るのはVと戦っていた筈のサシューだった。

 

サシューは片手でツインバスターランチャーのビームを受け止めているのだ。

 

慌ててVが居た方向を見ると、そこにはサシューを見失って焦るVが居た。

 

 

(瞬間移動? Vさん程の達人と戦っている間にそんな隙があるわけ……何が? 何が起きたの!?)

 

 

 ネプギアがそう考えていると、「上から来るわ! 気を付けて!」とネプテューヌが叫ぶ。

 

同時にネプギアの視界に居たサシューが消えてネプギアの上から光の剣を飛ばして襲いかかかって来る。

 

ネプテューヌが超高速でブーストダッシュしてネプギアを庇う。

 

 

「くっ!!」

 

 

 サシューの光の剣で斬り裂かれ、片膝を付くネプテューヌ。

 

 

「お姉ちゃん!!」

 

 

 心配そうに声を上げるネプギアに、「油断し過ぎよ、ネプギア」とネプテューヌが少し厳しめの声で言う。

 

 

「ごめんなさい。でも、何かがおかしいの……Vさんと戦っていた筈のサシューが急に目の前に現れて……瞬間移動だとか超スピードだとかそんなモノじゃ断じてない…もっと恐ろしいものの片鱗を味わった気がして……」

 

 

 ネプギアが震える声で言うと、「それはわたしも感じたわ。でも、今は目の前の戦いに集中して」とネプテューヌが答える。

 

 

「ああん! サシュー様に守って貰えるなんて、アオリ感激です~~」

 

 

 キョホウアオリが嬉しそうに言うと、サシューはキョホウアオリの側まで飛んで行き短く言葉を交わす。

 

 

「サシュー様はそう仰るなら、喜んで~。それじゃ、皆さん今日はこの辺で失礼しますね~」

 

 

 キョホウアオリの言葉と共に、サシューとキョホウアオリは一瞬で消えてしまう。

 

 

「逃がした!?」

 

 

 悔しそうに言うノワールに、「追うか?」と提案するブランだが、「追ってはいけません! 現状でサシューを倒す手段はありません!」とVが忠告する。

 

 

「サシューの実力も見れたし、あたし達も引き際だな」

 

 

 イクスの言葉に、「もういいのかい?」とニャルラトホテプが質問すると、「楔は打ち込んだ。あとは高みの見物よ」とイクスがプラエを見ながら答える。

 

同時にイクスとニャルラトホテプが消える。

 

 

「おい、ネプギア!」

 

 

 ロキがネプギアの名前を呼ぶ。

 

 

「えっ!?」

 

 

 戦いが終わると思っていたネプギアは驚きの声を上げる。

 

 

「世界に絶望したら俺様と組め」

 

 

 ロキの言葉に、「何を言っているんですか! あなたみたいな人に手を貸したりしません!」とネプギアが叫ぶ。

 

 

「今はそうかもしれねぇ。ただ覚えておけ、いつか貴様が友人や家族と呼んでいた奴等が、いずれお前を迫害するようになる。オーディンのジジイもそうだ。今は貴様を孫娘のように可愛がるが用が済めば平然と迫害する。それはお前が他とは違う改造女神だからだ」

 

 

 ロキがそう言うと、「そんなことで愛しい妹のネプギアちゃんを差別したりしませんわ」とベールが憤る。

 

 

「よくしゃべる口ね。もっと動くように切り裂いてあげましょうか?」

 

 

 ベールにツッコミもせずにロキの目の前に瞬時に移動して、ロキに刀を突きつけるネプテューヌ。

 

その声は怒気をはらんでいた。

 

 

「お前も悔しくねぇのか? 妹って騙されて他の女のガキを大切に育ててた……」

 

 

 ロキがそこまで言うと、ネプテューヌの刀がロキの居た場所を斬り裂く。

 

 

「あぶねぇあぶねぇ。そういきり立つなよ」

 

 

 ロキの言葉に、「わたしは敵に対して二度も警告する程気長な女じゃないのよ」と短く答えるネプテューヌ。

 

 

「ネプギアに絶望なんてさせたりしない。ネプギアはわたしが守るわ」

 

 

 ネプテューヌが凛とした声で言うと、「お姉ちゃん……」とネプギアが嬉しそうに声を出す。

 

 

「今はそれでいいさ。お前はいずれゲイムギョウ界に絶望する。世界は言う、お前を技術的特異点、シンギュラリティを認めないとなぁ!」

 

 

 ロキはそう言い残すと、超高速で空を飛んで逃げて行ってしまう。

 

 

「……」

 

 

 黙ってしまうネプギアに、「大丈夫よ。あなたはわたしが守る」とネプテューヌが落ち着いた声を出す。

 

 

「それに、あなたには頼れる仲間達が居るでしょ?」

 

 

 ネプテューヌが指差す先には、ユニとロムとラム、そしてプラエにうずめが居た。

 

 

「気にしちゃダメだよ。ぎあっちー! どんな時でもうずめが付いてるからね」

 

 

 うずめがそう言うと、「ありがとうございます。うずめさん」とネプギアはうずめとハイタッチを交わす。

 

 

「あんな変な奴の言う事信じちゃダメよ」

 

 

 ラムの強気の言葉に、「わたし達も付いてるよ」とロムも優しい声で言う。

 

 

「ロムちゃんもラムちゃんもありがとう。嬉しいよ」

 

 

 ネプギアはそう言うとロムとラムの手を握る。

 

 

「大丈夫よ。アンタの背中はアタシが守る。アンタは気にせず前だけ見て進みなさい」

 

 

 ユニは腕組みしながらそう言うと、ネプギアに向けてそっと拳を突き出す。

 

 

「ありがとう、ユニちゃん。ユニちゃんにそう言って貰えると心強いよ!」

 

 

 ネプギアは嬉しそうにそう言いながらユニとグータッチを交わす。

 

 

「……」

 

 

 俯いたまま黙っているプラエ。

 

ネプギアは不思議に思い、「どうしたの? プラエちゃん?」とプラエの顔を覗き込む。

 

 

「……プラエ、ネプギアはお姉さんと一緒に居ていいのかな? プラエは犯罪組織の女神……は犯罪組織の血が無いと生きていけない呪われた子」

 

 

 プラエが呟く。

 

ロムの説得で我に返ったが、不安な気持ちが全て消えた訳ではなかった。

 

 

「そんなことない! プラエちゃんは私が守ってあげるから一緒に居ていいんだよ!」

 

 

 ネプギアがプラエを抱きしめると「ネプギアお姉さん……暖かくていい匂いがする……やっぱりプラエ、ネプギアお姉さんから離れられないよぉ……」プラエが切なさそうに言うと、「大丈夫だよ。ずっと一緒に居ようね」とネプギアが安心させる声で言う。

 

 

「ほら、大人しくしなさい」

 

 

 アイエフがそう言うと、「くそっ……離せよ」と下っ端が手錠を掛けられている。

 

イクス達に見捨てられた下っ端とワレチューはアイエフに捕まってしまったのだ。

 

 

「あのっ……あんまり乱暴なことは……」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「待ちなさいネプギア」とニトロプラスがネプギアの肩を掴む。

 

 

「貴女があの悪党までの命を守ろうとしたことには敬意を表すわ。でも、アイツはこれから法の裁きを受けることになる。それは貴女が関与してはいけない領域よ」

 

 

 ニトロプラスが冷たい声でそう言うと、「はい……」とネプギアが元気なく答える。

 

ネプギアの視線の先にはアイエフに連れて行かれる下っ端の姿があった。

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