新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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138女神として

  G.C.2021年7月3日 土曜日。

 

 サバイバル実習に来ていたネプギア達だが、そこで下っ端とワレチューの犯罪組織マジェコンヌにプラエがさらわれてしまう。

 

プラエは無事に取り返し、下っ端とワレチューは捕まえたが、その際に新たなる敵サシュー教団と戦いになる。

 

サシューは退けたものの、サシューの底知れぬ力にネプギアは戦慄するのだった。

 

 

 仲間達と共にキャンプ地に戻って来たネプギア。

 

時間は夕暮れ時になっていた。

 

 

「そういえば、くろめはどうして俺からでられたんだ?」

 

 

 うずめがくろめに対して質問をすると、「それは私が説明します」とVが答える。

 

 

「くろめさんには、意識を私の作った『ホログラフAI』に移動してもらいました」

 

 

 Vがそう言うと、「それって、もしかして本人の戦闘データを学習したAIと実体のあるホログラフで戦闘のサポートをしてくれるものですか?」とネプギアが質問をする。

 

 

「当たりです。やはり、ネプギアも同じ研究をしていましたか」

 

 

 Vの答えに、「既に実用化してるなんて、Vさんはやっぱり凄いです。私はまだエネルギー消費の問題が解決してなくて」とネプギアが感心する。

 

 

「実体のあるホログラフなんて出来るの?」

 

 

 ユニが不思議そうに尋ねると、「装置に大気中の粒子を集めて実体を構成してもらうんだよ」とネプギアが答える。

 

 

「実際に見て貰った方が早いですね。ネプギア、あなたの装置で試してみて下さい。何かアドバイスが出来るかもしれません」

 

 

 Vの言葉にネプギアは、「はい」と頷くとNギアを操作してポケットサービスから、掃除機ぐらいの大きさの装置を呼び出す。

 

 

「それじゃあ、出してみますけど誰のホログラフが良いかリクエストとかありますか?」

 

 

 ネプギアの呼び掛けに、「はいはーい、わたし、ノワールがいい」と元気よくネプテューヌが答える。

 

 

「何で私なのよ?」

 

 

 ノワールが微妙に迷惑そうに抗議するが、「いいからいいから、ネプギア早くー!」とネプテューヌは意にもかいせずネプギアを急かす。

 

 

「うん、それじゃあ行くよ。スイッチオン!」

 

 

 ネプギアがやや楽しそうに装置を起動させると大気が光り輝いて、それが粒子になる。

 

 

「うわー! 綺麗ー!」

 

「キラキラピカピカ(うっとり)」

 

 

 ラムとロムが目を輝かせてその光景を見ている。

 

粒子は集まり始めると人の形を作り始める。

 

 

「わ! ノワールさんっぽい」

 

 

 プラエの言う通り粒子が人の形になると、特徴的にツインテールやリボン等の細部も形成していく。

 

 

「驚きね。このシルエット、間違いなくノワールだわ」

 

 

 ブランが冷静に分析すると、「流石はネプギアちゃん、何でもできますのね」とベールが両手を合わせてネプギアを褒める。

 

 

「本当にお姉ちゃんになった……」

 

 

 ユニが呟くと同時に、粒子はノワールの形だけで無く色合いも完璧に再現していた。

 

 

「……」

 

 

 ホログラフAIのノワールは黙ったまま立っていた。

 

 

「えー!? ここは決め台詞でしょ! ノワールなら、『ズバット解決☆ノワ仮面だのわー!』とか言うでしょ?」

 

「そんなこと言わないわよ!」

 

 

 ネプテューヌの感想に速攻でツッコミを入れるノワール。

 

 

「ごめんね、お姉ちゃん。おしゃべりとかは出来ないんだ」

 

 

 ネプギアが申し訳なさそうに言うと、「いやいや、これはこれで凄いって。正にノワールの完全再現!」とネプテューヌが言うが、「そうかしら? 私の方が美人よ」とノワールが少し不機嫌そうにツインテールをかき上げる。

 

 

「どれどれ~? この辺はどうなってるのかな~?」

 

 

 ネプテューヌが興味津々に実体ホログラフのノワールのスカートをめくる。

 

 

「なにやってるのよっ!!」

 

 

 本物のノワールがネプテューヌがネプテューヌの頭をグーで殴ると、「迷惑行為と断定。排除します」と実体ホログラフのノワールが喋る。

 

 

「え? ネプギア? 何かこのホログラムノワールが物騒なこと言ってるんだけど」

 

 

 ネプテューヌが冷や汗を流しながらネプギアに質問すると、「お姉ちゃんがエッチなことするからだよ! いくらお姉ちゃんでもえっちなのはいけないと思うよ!」とネプギアが答える。

 

そう言っている間に、実体ホログラフのノワールが右手から片手剣を実体で作り出す。

 

 

「うわっ!? ちょっとタンマーーー!!」

 

 

 ホログラムノワールに追いかけられるネプテューヌ。

 

 

「ちょっと、みんな。助けてよー!?」

 

 

 ネプテューヌがノワール達に救援を求めるが、「自業自得よ。自分でなんとかしなさい」とブランが冷たく突き放すと、「以下同文ですわ~」とベールもブランに同意する。

 

 

「って言うか、それぐらい一人で何とかしなさい」

 

 

 ノワールがそう言うと、「そんなこと言われたってさ、このホログラム結構手強いよ~」とネプテューヌがホログラムノワールの攻撃を避けながら泣き言を言うと、「そりゃ、私をベースにしてるんだから強いに決まってるでしょ?」とノワールが腕組みしながら自慢げに答える。

 

 

「いや、これは明らかにノワールより手強いね。ネプ子さん比で本物のノワールより1.351倍手強いよ」

 

 

 ネプテューヌの指摘に、「そんな訳ないでしょ! 私の方が強いに決まってるわ!!」とノワールが激高するとホログラムノワールに向かって行く。

 

 

「……相変わらずノワールの扱いが上手いわね」

 

 

 ブランが感心すると、「ところでネプ子さん比って何かしら?」とベールがネプテューヌの言う事に興味を示すが、「どうせその場のノリか雰囲気で言ってるだけでしょ」とブランがアッサリと切り捨てる。

 

 

「来なさい! 私が相手よ!!」

 

 

 ノワールがそう言いながらポーチから片手剣を呼び出すと、ホログラムノワールに斬りかかる。

 

 

カキンッ!!

 

 

 ホログラムノワールが片手剣でノワールの斬撃を受け止める。

 

 

「へぇー……一撃で決めてあげようと思ったのに、なかなかやるじゃない」

 

 

 ノワールがそう言いながらニヤリと笑うと、「敵対行為と断定。排除します」とホログラムノワールが言い、ノワールとの剣戟を始める。

 

 

「あら? 本物のノワールと互角に打ち合うなんて、なかなかやりますわね」

 

 

 ベールが感心すると、「ネプテューヌの芝居かと思ったわ」とブランが言う。

 

 

「もー! お姉ちゃんがエッチなことするからAIがノワールさんまで敵だと認識しちゃったよ~」

 

 

 ネプギアが困った声で言うと、「ごめんごめん。でも、フィギュアとか買ったら覗くものじゃないの? スカートの中。言わば此方も抜かねば無作法というものって感じ?」とネプテューヌが陽気に答える。

 

 

「へんたいふしんしゃさん!(きりっ)」

 

 

 ロムがそう言うと、「つほーよ、つほー!」とラムがそれに続く。

 

 

「プラエもネプテューヌさんは変態だと思う」

 

 

 プラエが続けて言うと、「幼女からの容赦ないバッシングで、ネプ子さんのライフはとっくにゼロですよ……」とネプテューヌがガックリを肩を落とす。

 

 

「ネプテューヌさんが変な事言うからですよ……」

 

 

 お手上げのポーズで呆れるユニ。

 

 

「どうしたの! AIとは言え私がこの程度の筈ないでしょ!!」

 

 

 ノワールがハイテンションで叫ぶ。

 

ネプテューヌが落ち込んでいる間にノワール対ホログラムノワールは本物のノワールが僅かに圧し始めていた。

 

 

「ほらほら、ネプギア。ノワールが何か言ってるよー」

 

 

 落ち込んでいた筈のネプテューヌが秒で復帰するとネプギアに少し挑発気味に言う。

 

すると、「一応、奥の手はあるけど……」がネプギアが躊躇いながら答える。

 

 

「よーし! それやっちゃおうよ」

 

 

 ネプテューヌが気楽に言うと、「いいのかなぁ……」とネプギア困った声で言う。

 

 

「だって、ノワール本人が物足りないって言ってるんだし」

 

 

 ネプテューヌがそう言うと、「わかったよ。本気を出させますよノワールさん。リミッター解除! AIによる女神化を承認!」と叫ぶ。

 

同時に、ホログラムノワールが女神化してブラックハートに変身する。

 

 

「なっ!? 女神化まで再現しているの!?」

 

 

 驚きの声を上げるノワールに、ブラックハートとなったホログラムノワールが大剣で激しく斬り付ける。

 

 

「いいわ! 面白くなってきたじゃない!! ちょうどいいハンディキャップよ!」

 

 

 ノワールがそう言うと女神化せずに、ホログラムノワールと剣戟を始める。

 

 

***

 

 

「はあああっ!!」

 

 

 ノワールが掛け声と共に片手剣を、ブラックハートになったホログラムノワールに向けて振り切ると、「エネルギー限界値に達しました」とホログラムノワールが言いながら消滅する。

 

 

「まぁ、ざっとこんなものよ」

 

 

 ノワールがいつものツインテールをかき上げるポーズをすると、満足気に腕組みする。

 

 

「ホログラムAI……初めて聞かされた時は眉唾物だったけど、既にここまでのモノが出来ていたとは驚きね」

 

 

 ブランがそう呟くと、「あれ? ブランは知ってる感じ?」とネプテューヌが首を傾げる。

 

すると、「知るも何も、かなり前の四女神会議で承認したものですわ」とベールが呆れ声で言う。

 

 

「あー……きっとノワールのところで回覧板が止まってたんだよ。もー、ノワール。しっかりしてよー」

 

 

 ネプテューヌが両手を後頭部に当てながらノワールに言うと、「そんな訳ないでしょ! 国の機密情報を回覧板なんかで回す訳ないじゃない!!」とノワールが怒りながら言う。

 

 

「私達を模す以上、中途半端なモノは許さないとは言ったけど、かなりの精度だったわ。まずは及第点と言ったところかしら」

 

 

 ノワールはネプギアにそう言うと、「ありがとうございます」とネプギアが丁寧に答えた。

 

 

「よくここまでのモノを作ったわね」

 

 

 今度はユニがネプギアに向けて関心の声を上げると、「ミクちゃんのホログラムの時とかの経験を活かしたり、四女神オンラインのGMさん達にも協力してもらったんだ」とネプギアが言う。

 

四女神オンラインにはネプテューヌ達四女神にそっくりなNPCが居るので、ネプギアはそのゲームを作った人達にも協力をお願いしたのだ。

 

 

「ところでネプギアちゃん、わたくしのも出せるのかしら?」

 

 

 ベールがネプギアに質問すると、「まだ本体のエネルギーは残ってますから出せますよ」とネプギアが答える。

 

 

「それでは出して下さいな」

 

 

 ベールの要望に、「はい、行きますよ」とネプギアが装置を動かすと、先程のノワールと同じようにしてベールの実体ホログラムが出来上がる。

 

 

「まあ、流石はわたくし。美しいですわ」

 

 

 ベールがホログラムの自分を褒めると、ホログラムベールのほっぺたを触る。

 

 

「流石に質感の再現とまでは行きませんわね」

 

 

 少し残念そうに言うベールに、「主目的は戦闘のサポートですから、その辺は省略してます」とネプギアが答える。

 

 

「なるほど……この子はわたくしの技はどの程度使えますの?」

 

 

 ベールの質問に、「私や一般的に知られてる範囲の技は一通り使えるようにしてあります。マスター権限ををベールさんに移しますので、好きに動かしてみて下さい」とネプギアが言う。

 

 

「どれどれ……ダージリンローテですわ」

 

 

 ベールがそう言うと、ホログラムのベールが槍を構えて槍技を披露する。

 

 

「それでは次、タービュランスキャンディ」

 

 

 ベールの言葉に、ホログラムのベールが銃を構えて連射する。

 

 

「槍技も銃もちゃんと使えますのね」

 

 

 ベールはそう言って感心すると、「これは自分自身の研究にもいいですわね」と続けて言う。

 

 

「ダージリンローテ、レイニートナビュラ、ティコフォトン」

 

 

 ベールが立て続けに自分の技の名前を言うと、ホログラムのベールが次々に技を繰り出す。

 

 

「なるほどー、わたくし、こんな感じに動いてますのね」

 

 

 頷きながら言うベール。

 

更にベールは色々とホログラムのベールを動かして、「ここはこうした方がより美しいかしら?」と首を傾げながら自分も体を動かす。

 

 

「ホログラムを見ながら自分の技の復習……悪くないわね」

 

 

 ブランがベールのやっていることに気付くと、「ネプギア。わたしのもお願い」とネプギアに続けて言う。

 

すると、「私のもお願い」とノワールがそれに続く。

 

 

「はい、わかりました」

 

 

 ネプギアは素直にそう答えると、ブランとノワールの実体ホログラムを作り出す。

 

 

「アインシュラークからのフォルシュラーク」

 

 

 ブランの言葉に、ホログラムのブランがハンマーを振い、「インパルスエッジ、インパルスブレード」とノワールが言うとホログラムのノワールが剣を振う。

 

 

「そう、こんな感じなのね。少し変えてみようかしら?」

 

 

 ブランがそう言うと、「ここはこうした方が綺麗ね」とノワールが、自分のホログラムを見ながら感想を言う。

 

 

「なんかアイドルのダンスレッスンみたいだねー。そんなに自分の技のモーションの見た目とか気になる?」

 

 

 ネプテューヌが気楽そうに言うと、「こだわって当然ですわ。わたくし達は女神。アイドルかそれ以上に見た目を気にしましてよ」とベールがさも当然のように答えると、「わたし達の戦う姿は国民への鼓舞にもなる。強さは勿論見た目にも妥協も許されないわ」とブランがそれに続く。

 

 

「まあ、お菓子食べながらゲームしてコントローラー汚してるようなネプテューヌにはこの苦労は分からないわね」

 

 

 ノワールがネプテューヌを見ながらそうに言うと、「だいじょーぶ。わたし、変身すればその辺は完璧に決められるから」とネプテューヌが自信満々に言うと、「……実際出来てるだけに少しイラッと来るわね」とブランが少し悔しそうに言う。

 

ブランの言う通り、ネプテューヌは変身したときの戦いの美しさは他の三女神も認める程である。

 

正に天賦の才と言ったところだ。

 

 

「まあ、あんな感じにぶいっちに実体ホログラムを出す方法を教えて貰って出て来た訳だ」

 

 

 くろめが四女神を見ながらそう言うと、「でも、装置はどこにあるんだ?」とうずめが質問をする。

 

 

「装置はうずめさんのヴィジアルラジオに入れさせてもらいました」

 

 

 Vが説明すると、「そんなに小型化が出来ているんですか!? Vさん本当に凄いです!」とネプギアが驚きの声を上げる。

 

 

「なるほど、だからあんなドンピシャなタイミングで、お前が出て来れたのか」

 

 

 うずめがそう言って納得する。

 

 

「この実体ホログラムを使って、お前の寝ている間にネットで情報収集している内に、キョホウアオリが再び終末論と女神の悪い噂をネットで流していることに気付いた」

 

 

 くろめの説明に、「俺の寝てる間にそんなことしてたのか? お前」とうずめが驚く。

 

 

「くろめさん、キョホウアオリって何者なんですか?」

 

 

 ネプギアが真剣な声で質問をすると、「オレ達の時代の生まれで、デマや誇大情報を流し、心の隙を突いた言葉で他者を煽ることが得意な奴だ。SNSや配信サイトを巧みに利用して【終末】に関する話題を拡散している。その目的は不明だが、破滅願望溢れる自爆系ロボット娘とも言われている」とくろめが答える。

 

 

「破滅したいなら一人で勝手にやって欲しいわね」

 

 

 ユニが迷惑そうに言うと、「サシューって奴にやたら惚れ込んでたし、いきなりキレたりしたし、あれが地雷系女子って感じなのか?」とうずめが言う。

 

 

「地雷系女子……ちょっと怖いかも(ぶるぶる)」

 

 

 ロムの感想に、「大丈夫よ。あんなのわたし達なら簡単に倒せるわよ」とラムが勇気づける。

 

 

「あの人より、サシューって人の方が怖いかも」

 

 

 プラエがそう言うと、「サシュー……この次元にも表れてしまいましたか」とVが少し悔しそうに言う。

 

そこに、「Vさんはサシューのことを知っているんですか?」とネプギアが質問をする。

 

 

「終末論と共に降臨した謎の神です。容姿も性別も全て不明、ただ一つ分かっているのはサシューは次元を破壊することです」

 

 

 Vはそう答えると、「ネプギア。この世界の女神は宇宙で活動できますか?」とネプギアに質問をする。

 

 

「研究中ですが、可能になると思います」

 

 

 ネプギアの答えに、「そうなの? この前水中用のプロセッサユニットが出来たばかりだったのに」とユニが驚きの声を上げる。

 

 

「水中用と並行して研究してたんだ。いつか必要になるだろうと思って」

 

 

 ネプギアはユニにそう答えると、「それでVさん、宇宙での活動がどうしたんですか?」とVに尋ねる。

 

 

「隕石に注意して下さい」

 

 

 Vの忠告に、「隕石? コメットシャワーとか?」とラムが尋ねる。

 

コメットシャワーとは、ロムとラムの使う魔法で小規模な隕石を降らすことが出来る。

 

 

「そのような小規模な隕石ではありません。もっと大きな……国一つを滅ぼすような大規模なものです」

 

 

 Vがそう言うと、「それだけの規模と言うことは落下の衝撃で舞い上がった塵が太陽の光を遮って、ゲイムギョウ界全土が寒冷化してしまいますね……」とネプギアが分析する。

 

 

「その通りです。ゲイムギョウ界が終わってしまいます」

 

 

 Vの答えに、「サシューが隕石を落とすんですか?」とユニが質問をすると、「その可能性があります。サシューによって破壊された世界の内の幾つかは隕石が関係しています」とVが質問に答える。

 

 

「ゲイムギョウ界の終わり……怖い(ぶるぶるぶる)」

 

 

 ロムがそう言ってまた怖がると、「終わりなんてどうしよう……」と今度はプラエも怖がる。

 

 

「まだサシューが現れただけで、隕石の気配は無いようですからそこまで怯える必要はありません

 

 

 Vはそう言うと、「しかし、油断はしないで下さいサシューは危険な存在です」と続けて言う。

 

 

「サシューはVさんでも倒せないんですか?」

 

 

 ユニが再度質問すると、「はい、私に出来るのは人々を避難させて、私の世界のドリームランドに送ることぐらいです」とVが答える。

 

 

「どりーむらんど?」

 

 

 ラムがそう言って首を傾げると、「遊園地(わくわく)」とロムが嬉しそうに言う。

 

 

「ドリームランドの地下は旧神ノーデンスによって治められた広大な土地です。そこでサービス終了した世界のゲームキャラが平和に暮らしています」

 

 

 Vが説明すると同時に、「サービス終了した世界を救うのはVちゃんと、そのパートナーである私の仕事だよ」と言う台詞と共に彩花が出て来る。

 

 

「あ! 彩ちゃん、久しぶりですね」

 

 

 ネプギアが彩花に挨拶すると、「うん、久しぶり」と彩花が笑顔で答える。

 

 

「サービス終了した世界はシェアが無くなって、そこに住むキャラクターは弱っちゃうの。その隙を襲ってSAN値を稼ごうって言う、セコイ奴が邪神ニャルラトホテプ。それに対抗するのがVちゃんを中心としたV軍なんだよ」

 

 

 彩花がそう言うと、「さっき、Vさんがドリームランドに避難させるって言いましたけど、それはニャルラトホテプとサシューから守る為ですか?」とネプギアが質問をする。

 

 

「うん、どっちもサービス終了した世界を狙ってくるからね」

 

 

 彩花がそう答えると、「サシューって名前が関係あるのかな?」とロムが首を傾げると、「おお、流石ロムちゃん。鋭い」とラムが感心する。

 

 

「そうかもしれません。しかし、サシューと名乗っているだけで本当の名前は不明です」

 

 

 Vがそう答えると、「サシューとニャルラトホテプって仲間なの?」とプラエが質問をする。

 

 

「それはまだ不明かな? ニャルラトホテプはサービス終了した世界の人々を苦しめてSAN値を搾り取ろうって言うのに対して、サシューは世界そのものを破壊するから利害が一致したようには思えないの」

 

 

 彩花の答えに、「サシューは目的や考えなど不明な点が多いですが、キョホウアオリがニャルラトホテプ達と一緒に居たところを見ると敵対関係では無いようです」とVが付け加える。

 

 

「やっぱり、敵が増えたことには変わりないんだな」

 

 

 うずめがそう言うと、「そうですね。こちらも協力していきましょう」とネプギアがVに向かって言うと、「はい、期待していますよ。ネプギア」とVが答える。

 

 

「Vさん、彩花さん。旧神ノーデンスについて聞いてもいいですか?」

 

 

 ユニの質問に、「旧神は、ニャルラトホテプみたいな邪神と敵対、あるいは中立するとされる神々のことだよ。ノーデンスのおじちゃんはその中で一番偉いの」と彩花が答える。

 

 

「私達だけでは邪神の軍勢に対処しきれないので、彼等と協力関係を結んでいます。ネプギア達がハスターと協力しているのと同じですね」

 

 

 Vがそう言うと、「はすたーって誰だっけ?」とラムが首を傾げると、「サンジェルマンのおじいちゃんの本当の名前がそれだったと思う(ぴこん)」とロムが答える。

 

 

「ありがとうございます。邪神達に対抗する勢力が他にもあるってだけでも助かります」

 

 

 ユニが質問に答えてくれた、Vと彩花にお礼を言う。

 

 

「ゲイムギョウ界にちょっかい出してくる奴が本当に多いな。どれだけいるんだ?」

 

 

 うずめがそう言って首を傾げる。

 

 

「ええと、まずはカオスエナジーを操る【イクス】。それに【ニャルラトホテプ】を始めとする邪神達、その二人の仲間の【ロキ】。そして今回現れた【キョホウアオリ】と【サシュー】の五人だと思います」

 

 

 ネプギアが指折り数えながら言うと、「みんな強い人ばかり……」とプラエが呟く。

 

すると、「大丈夫よ。みんなで協力すれば倒せるわ」とラムが励ますように言い、「プラエちゃんのお姉さんも生き返らせないとね」とロムがそれに続くと、「そうね。エルデさんの頼みでもあるし、犯罪神マジェコンヌとマジック・ザ・ハードのこともなんとかしないと」とユニが言う。

 

 

「敵が強大なのは分かります。その一人一人がゲイムギョウ界を滅ぼす程の力を持っていると思って間違いないでしょう。ですが、そんな時だからこそ女神様の基礎である国づくりを怠らないで下さい」

 

 

 イストワールがそう言うと、「そうだね、イストワールの言う通りだ。女神の力の源は人々の信仰心であるシャアエネルギー。それを高めるにはより良い国づくりが必要だ。それと学園での勉学や武術に励むことも忘れてはならない」とフォルセティが続く。

 

 

「私達の国、システィーナはゴッデスファイトに優勝して華々しい戦果を上げましたが、ゲイムギョウ界全土ではシスティーナの知名度は低いままです」

 

 

 イストワールの説明に、「システィーナの国づくりに協力してくれた人々やデミヒューマン達の信仰心は高いが、国力、シェアはまだまだ他の国に遠く及ばない」とフォルセティが付け加える。

 

 

「はい! 頑張ります」

 

 

 ネプギアが元気よく返事をすると、「地道な内政と地道な鍛錬。こういうのが地力を上げるのよね」とユニが腕組みしながら納得する。

 

 

「知名度アップは私達を頼って欲しいな。ファミ通の力を見せてあげるよ」

 

 

 そう言いながらファミ通が出て来ると、「電撃システィーナも忘れないで下さい」とデンゲキコが出て来る。

 

 

「ファミ通も電撃システィーナも面白いよ。次の号が楽しみ(わくわく)」

 

 

 ロムが楽しそうに言うと、「ゴッデスファイトの号とか凄く楽しかったー!」とラムが万歳しながら言う。

 

 

「次は何を書くの?」

 

 

 プラエの質問に、「今日のキャンプのことをメインに書こうと思ってたけど、特ダネが入ったから変更だね」とファミ通が言うと、「犯罪組織の残党を逮捕なんてお手柄ですよ。彼等にはみんな迷惑していたしね」とデンゲキコが続く。

 

ファミ通は老舗のゲイムギョウ界情報誌、【週刊ファミ通】の元女神候補生の現システィーナの女神の記事担当し、デンゲキコは新しく発行された、システィーナ専門の情報誌【電撃システィーナ】を担当してどちらもシスティーナのシェアアップに貢献してえくれていた。

 

 

「おう。バシッとカッコよく書いてくれよな」

 

 

 うずめがそう言うと、「はい、任せて下さい」とデンゲキコが胸を叩く。

 

 

「ところで、さっきのネプギア様の実体のホログラムAIは記事にしていいのかな?」

 

 

 ファミ通の質問に、「いーすんさん、どうでしょう? 公表して恥ずかしくないだけのモノは作ったつもりですが……」とネプギアがイストワールに尋ねる。

 

 

「そうですね。公表できるレベルには達していると思いますので、記事にしていただいて構いませんよ」

 

 

 イストワールの答えに、「やったね! これで売上倍増間違いナシだ」とファミ通が指パッチンして喜ぶ。

 

 

「ネプギア様の発明記事は電撃システィーナでも人気あるから嬉しいところですね」

 

 

 デンゲキコがそう言うと、「最初は恥ずかしかったけど、喜んで貰えたなら嬉しいです」とネプギアが答える。

 

 

「早速だけど、このホログラムAI。戦力は勿論、おとりや偽装なんて色々使い出がありそうだけど、ネプギア様は何に使うつもりですか?」

 

 

 ファミ通の質問に、「色々ありますけど、一番やりたいのは先頭で後続を隠し、一人と見せかけて三人がかりで連続攻撃を行うというものです」とネプギアが答える。

 

 

「え……それって……」

 

 

 デンゲキコが気まずそうな顔をする。

 

 

「そう! 名付けてジェットストリーム……」

 

「ていっ!!」

 

 

 ネプギアが何かを言おうとしたところにユニのかかと落としが綺麗に入る。

 

 

「ユニちゃんが私を踏み台にしたぁ!?」

 

 

 ネプギアがそう言って驚くと、「バカなこと言ってないで真面目に答えなさい!!」とユニがツッコミをする。

 

 

「えー? 私は大真面目だよー! 同型機が三体いたら誰でもやりたくなるネタだもん」

 

 

 ネプギアがそう言って抗議すると、「3体も並んでたら範囲攻撃の的よ」とユニが呆れ顔で言い返す。

 

 

「……熱血・必中・幸運って感じだね」

 

 

 ファミ通が呆れ顔でユニに同意すると、「ユニ様はどんな感じで使いたいですか?」とユニにも質問をする。

 

 

「アタシだったら、弾幕を厚くするとか十字砲火に使うわ」

 

 

 ユニが真面目な顔で得意気に答えると、「なるほどー」とデンゲキコがメモを取る。

 

 

「わたしはロムちゃんと一緒に三人以上の合体魔法を使いたいわ」

 

 

 ラムがそう言うと、「凄い魔法使うよ(ぴかん)」とロムが目を光らす。

 

 

「零次元は人手が足りないから、単純に力仕事任せたいな」

 

 

 うずめがそう言うと、「ううっ……みんながジェットストリームの魅力を分かってくれない」とネプギアイジケてしまう。

 

そこに、「ま、まあまあ、ネプギアお姉さん。何かの役に立つかもしれないから」とプラエがフォローを入れる。

 

 

「新しい敵か……あたしの力が必要ならいつでも言ってよ」

 

 

 ファルコムがネプギアに向けてそう言うと、「ありがとうございます。心強いです」とネプギアが立ち直ってお礼を言う。

 

 

「まあ、エンジェルフォームに覚醒した君達の力には遠く及ばないけどね」

 

 

 ファルコムの言葉に、「そんなことありません。ファルコムさんの経験値に勝るものはありません。今も朝の鍛錬で一対一では手も足も出ませんし」とネプギアが答える。

 

 

「それに疑似プロセッサユニットも、まだまだ強化の余地がありますし」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「それは楽しみだね。ラインフォルト社も疑似プロセッサユニットには注目しているし」とファルコムが興味深そうに答えた。

 

すると、「疑似プロセッサユニットに注目してるのはラインフォルト社だけじゃないよ。ローゼンクイーン商会も研究開発をしてるんだから」と日本一がファルコムに対抗するように話に加わって来る。

 

 

「まあまあ、どちらにしろ今のシスティーナはどちらからも資金援助を受けてる立場ですから仲良くやりましょうよ」

 

 

 ネプギアが少し困った顔で仲裁する。

 

ラインフォルト社はファルコムの知り合いでシスティーナの資金援助だけでなく、ネプギア達が戦闘時に意思疎通が出来る『ARCUS』でも協力してもらっている。

 

ローゼンクイーン商会は日本一の知り合いで、こちらもシスティーナの資金援助をしてくれている。

 

どちらもゲイムギョウ界の大企業であり、ライバル関係と言ってよい。

 

 

「それに今のシスティーナは、ネプギアの頭脳はあっても開発する資金力がありませんの」

 

 

 今度はがすとが仲裁に入ってくる。

 

更に、「だが、それも時間が経てば解決するだろうな」とミリオンアーサーが、がすとに言う。

 

 

「確かにそうですの。今のシスティーナは伸びしろの多い新規市場。どんどん発展していきますの。現にがすとの店も大繫盛でバカ売れですの」

 

 

 がすとが嬉しそうに言う。

 

がすとはシスティーナの一等地に店を構えており、人間もデミヒューマン達にも彼女の作る錬金術のアイテムは大好評だ。

 

 

「ラインフォルト社もローゼンクイーン商会もシスティーナの一等地に支店を出してるんだ。互いの優劣はそこで競えばよかろう」

 

 

 ミリオンアーサーが言葉に、「それもそうだね。ごめん、ファルコム」と日本一が謝ると、「こっちもすまなかったね」とファルコムが謝る。

 

そんな二人を見ながら、「……実際の勝負は、疑似プロセッサユニットのコンペですけど、ネプギアの作った疑似プロセッサユニットを両社が超えられるかは疑問ですの」とがすとがボソッと呟くと、それを聞いていたミリオンアーサーが、「まあ、難しいだろうな」とウィンクしながら答えた。

 

 

「こうしてみるとシスティーナの注目度は、かなり高いわね」

 

 

 ニトロプラスがそう言うと、「そうだね。今まで守護女神様の陰に隠れていた女神候補生が大躍進してるし、特に技術の面でネプギアの活躍は凄いらしいよ」とゴッドイーターが説明する。

 

 

「新興国システィーナ。新しいビジネスチャンスがあると言う事は、それだけ悪党の標的にもなる」

 

 

 ニトロプラスの言葉に、「そこは私達の出番だよ。システィーナやネプギア達を守ろう」とゴッドイーターが答える。

 

 

「新興国では新しいファンを増やすチャンスでもあるよね。ボクの歌を一人でも多くの人に聞いてもらいたいな」

 

 

 5pb.がそう言うと、「そうね。その為に私とあなたはリーンボックスから派遣されて来たのだから」とケイブが答える。

 

 

「5pb.さんとまた歌える機会が増えて私も嬉しい」

 

 

 ミクが笑顔で言うと、「うん、ボクもだよ。まだ遭遇したことはないけど、『beep』って敵の力を取り込んだ歌や踊りの力が無いと倒せない邪神がいるみたいだし、ミクちゃんとボクの歌と踊りの力でネプギアに協力しよう」と5pb.が力強く言う。

 

 

「隕石なんて興味ないね」

 

 

 エスーシャがいつもの台詞を言うと、「いや、落ちたらただじゃ済まないってネプギアが説明しただろ?」とシーシャが呆れ顔で言う。

 

 

「隕石が来たら、みんなで協力して止めましょう」

 

 

 ケーシャがそう言うと、「いいですとも!」とエスーシャが突然爽やかな言い方をする。

 

 

「それは協力して隕石を落とす魔法を使う時の台詞じゃないか……」

 

 

 シーシャが呆れ顔でツッコミすると、「ちょっとした冗談だ」とエスーシャが普段の声で答えた。

 

 

「ネプギアー、宇宙で活動できるようになるって言うけど、それってどんな感じなの? やっぱりノーマルなスーツがいる感じ?」

 

 

 ビーシャがネプギアに質問すると、「いえ、無くても問題ないです。生身での宇宙空間での活動を可能として、ロボットのコックピットハッチを素手で引き剥がす怪力があるんですよ。しかも脳波コントロールできる!」とネプギアが笑顔で答える。

 

 

「え? なにそれ怖い。『人類の10分の9を抹殺しろと命令されれば、こうもなろう』な感じ?」

 

 

 ビーシャが驚きながら言うと、「私は機械ではない、任務遂行のためエゴを強化したものだ!」とネプギアがドヤ顔で言う。

 

 

「ふはは、怖かろう」

 

 

 ビーシャはノリノリで言うが、「……ってマジ?」と真顔で問いただす。

 

 

「いえ、冗談です。中身も見た目も変わらず、女神でも疑似プロセッサユニットでも使える。某ロボットゲームの『アダプター』な強化パーツな感じです」

 

 

 ネプギアが真顔で言うと、「おお、それは便利だねー」とビーシャが関心をする。

 

ネプギア達がそんなふうに話している最中に、大きいネプテューヌにクロワール、あんみつにアイエフとコンパが真剣な顔で捕らえた下っ端とワレチューを囲んでいた。

 

下っ端とワレチューはロープでぐるぐる巻きにされており、ふてくされるように座っていた。

 

 

「おい、あのサシューって奴は何者だ? あの時のワープは俺の次元移動とは違う力だった」

 

 

 クロワールがそう質問するが下っ端は顔を背けて、「知らねーよ」とぶっきらぼうに言う。

 

 

「ネズミさん。知ってることがあったら教えて欲しいです」

 

 

 コンパがワレチューに向けて真剣に質問すると、「コンパちゃんの頼みなら聞いてあげたいちゅけど、本当に何もしらないちゅよ」とワレチューが残念そうに答えた。

 

 

「コンパが聞いても何も喋らないってことは、このネズミは何も知らないのかもね」

 

 

 アイエフがお手上げのポーズで言うと、「そうだね。あのサシューって人とは初対面ぽかったし」と大きいネプテューヌが答える。

 

 

「何故、プラエ様を誘拐するような真似を? プロテノール様……いえ、マジック・ザ・ハードを蘇らすにも他に方法があった筈です」

 

 

 あんみつが下っ端に質問すると、「お前、マジック様のことを知ってるのか?」と下っ端が問い返す。

 

 

「あの方は私の恩人であり主でもある」

 

 

 あんみつが問いに答えると、「じゃあ、なんでテメェ等は犯罪組織に協力しねぇ!」と下っ端が怒鳴る。

 

 

「今の主。プロテノール様の妹君のプラエ様がそれを望まないからだ」

 

 

 あんみつがそう言うと、「おかしいじゃねぇか!? あのガキは犯罪組織の女神なんだろ? 何で犯罪組織を守らねぇ!」と下っ端が更に怒鳴り散らす。

 

 

「犯罪組織なんて、悪い人の集まり守りたい訳ないじゃない」

 

 

 大きいネプテューヌがさも当然のように言うと、「うるせぇ! あの方は違った! あたい達がワルの集まりで世間のつまはじきものだろうが、居場所を作ってくれてゲイムギョウ界を制覇するって夢を見せてくれた!!」と下っ端が反論する。

 

 

「是非も無し」

 

 

 その言葉と共に現れたのはVの協力者であり、今はネプギア達の元に派遣されている織田信長であった。

 

 

「な、なんだよ、オッサン……」

 

 

 信長の迫力にたじろきながらを言葉を絞り出す下っ端。

 

 

「信長は貴様達の生き方を認めよう。天下に覇を唱える……人間五十年 下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり。人であるならば、そのような夢をみるべきである」

 

 

 信長はそう言うと、右手に持った剣を下っ端に向ける。

 

 

「マジック・ザ・ハードとの夢と共に生きた貴様の命運は尽きた。後は滅びゆくのみ」

 

 

 信長はそう言いながら剣を振り上げる。

 

 

「ひっ!?」

 

 

 思わず顔を引きつらせる下っ端。

 

そこへ、「お待ちを! 信長殿!」とあんみつが信長と下っ端の間に入って、信長に向けて跪く。

 

 

「この度の彼女の行い、許し難いのは重々承知の上でお願いします。彼女の助命嘆願をお聞き入れ下さい!」

 

 

 あんみつが頭を下げながら必死の声で言うと、「テメェ……何でそんなに必死にあたいを庇うんだ?」と下っ端が質問をする。

 

 

「お前の事はプロテノール様から聞いている。よく働いて頼りになる奴だ。見込みがあると……そんなお前をむざむざ死なせてはプロテノール様に合わす顔が無い」

 

 

 あんみつの答えに、「マジック様があたいをそんなふうに……」と下っ端が呟く。

 

信長はそんな二人を見下ろしながらも、「ならん。このような者は後の禍根となる。根切りにすべし」と冷たく言い放つ。

 

そこに、「待ってください! 私からもお願いします。彼女を殺さないで下さい!」と今度はネプギアが割って入る。

 

 

「彼女は犯罪組織の一員で、確かにたくさん悪いことをしました。ですが、彼女にも事情があって……」

 

 

 ネプギアが続けざまに言うが、「ぬるい!」と信長がネプギアの弁明を一蹴してしまう。

 

剣を構え、殺気に満ち溢れ今にも下っ端の首をはねようと言う信長に、「お待ちください、信長様」と信長に静かな男性の声がかけられる。

 

 

「なんだ? 光秀。お主もこの者を庇い立てするか?」

 

 

 信長が不機嫌そうに言う。

 

信長を止めたのは光秀だった。

 

光秀は跪くと、「いいえ、違います。ここはゲイムギョウ界のシスティーナ。彼女の罪はシスティーナが裁くべきだと愚考します」と光秀が答える。

 

 

「……そうか。おギア達を試そうと言うのか」

 

 

 信長はそう言うと、ニヤリと笑い、「よかろう、この者の処断をおギアに、システィーナに委ねる」と言って剣を収める。

 

 

「ほっ……」

 

 

 思わずため息を吐くネプギアに、「何を呆けておる。早う決めよ!」と信長が少し厳しい声で言う。

 

 

「えっと……出来れば助けたい方向で……」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「それはシスティーナの総意か? おギアの独断か?」と信長がネプギアを軽く睨む。

 

 

「あっ……すみません。これからみんなと相談します」

 

 

 信長に気圧されるようにネプギアが謝ると、ユニがネプギアの肩に右手を置いて、「アンタの気持ちは分かるけど、アタシはどちらかと言えば信長寄りの考えだわ。アイツには散々苦しめられて来たもの。アンタだって知ってるでしょ? アイツが小さい子にマジェコン売ってたの?」と少し厳しい声で言う。

 

 

「……うん」

 

 

 ユニの正直な感想に力なく頷くネプギア。

 

 

「でも、アンタがアイツにチャンスをあげたいって言うなら、一度だけ見逃してあげてもいいわ」

 

 

 ユニが少し優しいで言うと、「……ありがとう、ユニちゃん」とネプギアが少し嬉しそうに微笑む。

 

ネプギアは次に、ロムとラムの前にかがんで目線を合わせると、「ロムちゃんもラムちゃんも、あの人の事許せないかな?」と少し懇願するような声で言う。

 

 

「うぅ……だって、アイツ凄く悪いことしたんだよ? 変態と一緒にロムちゃんを洗脳したりとか……」

 

 

 ラムが首を左右に振るが、「でも、ネプギアちゃんの言う通り、あの人も色々あったんだって、この前の話で分かってるよ」とロムが言う。

 

 

「えー? ロムちゃん、許しちゃうの~? デコピンぐらいしようよ!」

 

 

 ラムが不満そうに言うと、「あはは……それで許しちゃうんだ」とネプギアが苦笑いする。

 

 

「大丈夫。わたし達、ネプギアちゃんのこと信じてるよ(にこにこ)」

 

 

 ロムがそう言って両手を胸に当てて微笑むと、「ラムちゃんは寛大だから、許しちゃう」とラムもサムズアップしながら微笑む。

 

 

「……ネプギアお姉さん」

 

 

 プラエがそう言ってしゃがみこんだネプギアにそっと抱き着く。

 

 

「なあに? プラエちゃん」

 

 

 ネプギアが優しく問いかけると、「あの人は本当の姉様を知ってる人。さらわれた時は凄く怖かったけど、プラエは許していいと思う」とプラエが真剣な顔で言う。

 

 

「ネプギア殿。何卒寛大なご処置を!」

 

 

 あんみつが頭を下げながら言うと、「はい、わかっています」とネプギアが頷いた。

 

 

「おギアよ。答えは出たか?」

 

 

 信長の質問に、「はい! 私達はこの人達を許そうと思います!」とネプギアがハッキリした声で答える。

 

 

「……」

 

 

 信長は目を閉じて何かを考えているようだったが、暫くして目を見開くと、「ぬるい!! ぬするぎるわ!!!」と大声でネプギアを怒鳴りつける。

 

 

「……っ!?」

 

 

 ネプギアは信長のあまりの迫力に気圧されてしまう。

 

 

「おギア達に問おう! 悪人一人斬れずに国が作れるか? 国を守れるか? 信長は国を作り国を守る為、天下統一の為に多くの血を流した! 戦だけではない。長島一向一揆、延暦寺の焼き討ち。生臭坊主に扇動されただけの農民、その生臭坊主と一緒に居合わせただけの善良な僧。構わず撫で斬りにした」

 

 

 信長がそう言うと、「あ、アンタとアタシ達じゃやり方が違うのよ!」と気圧されながらもユニが言い返す。

 

 

「義や愛に生きると言うのか? それでは守れる者も守れまい」

 

 

 信長の言葉に、「魔王、織田信長。我等が救世主を惑わすのは止めて貰おうか」とネプギアのNギアから声がすると、Nギアからディスクが現れて、六枚羽の天使が現れる。

 

 

「ウリエルさん?!」

 

 

 ネプギアの言葉通り現れたのは、ネプギアの守護天使である熾天使ウリエルだ。

 

ウリエルはネプギアを守るようにして信長との間に立ち塞がる。

 

 

「我等、四大天使は救世主ネプギア達の考えに賛同する。救世主を悪の道に堕とそうとしても、そうはいかんぞ」

 

 

 ウリエルがそう言って信長を睨むと、「ふん、理想だけ唱えて天上から見下ろすだけの神など不要よ」と信長が吐き捨てるように言う。

 

 

「救世主を堕とすだけでなく、我らが神まで愚弄するか!」

 

 

 ウリエルが怒りを露わにすると、「待て、ウリエルよ」と今度はVのNギアビクトリーから声がすると、Nギアビクトリーからディスクが現れて、六枚羽の天使が現れる。

 

Vの守護天使であるルシフェルが現れたのだ。

 

 

「ルシフェル様! なぜ貴方程のお方がカオスに身を堕とすのですか!?」

 

 

 ウリエルがルシフェルに向けて訴えるように言うと、「ノモスからでは、見えぬもの守れぬ者があるのだ」とルシフェルが答える。

 

 

「カオス……ノモス?」

 

 

 ネプギアが二人を見ながら二人の言った言葉を呟くと、「いずれも古代ギリシャの語の語彙で、カオスはすべてのかたちあるものが生じる以前の原初の混沌とした闇の世界を、ノモスは社会習慣や規範や法によって調和的に秩序づけられた社会や共同体のあり方を意味します」とVがネプギアの言葉に答えるように説明をする。

 

 

「正反対ってことですか?」

 

 

 ネプギアが質問すると、「そうですね。そうとも言えます」とVが答える。

 

 

「あの……Vさんはどう思いますか? 彼女の処遇について……」

 

 

 ネプギアがVに尋ねると、「それはネプギア。あなたが決めることです」とVが答える。

 

 

「そうですよね……自分では決めたつもりでも、信長さんに言われたら考えが揺らいじゃって……」

 

 

 ネプギアが少し落ち込んだ声で言うと、「……アドバイスになるかどうかは分かりませんが、私は彼女を斬りました」とVが答える。

 

 

「え……」

 

 

 ネプギアが呆気にとられると、「私達女神がゲハバーンの取り合いをしていた時、私はベールさんを倒すところまで追い込みました。そのベールさんをいたぶってなぶり殺しにしようとしたのが私の世界の彼女です。私はその時、生まれて初めて憎しみで人を斬りました」とVが説明をする。

 

 

「そんなことが……」

 

 

 ネプギアが落ち込んだ声で言うと、「私も、あの人を斬った方がいいのでしょうか? その方がゲイムギョウ界の為になるのでしょうか?」と続けてVに質問をする。

 

 

「先程も言いましたが、それはネプギアが決めることです。ただ、私と同じ選択も別の選択でも後悔だけはしないで下さい」

 

 

 Vの答えに、「はい」とネプギアが返事をする。

 

 

「ネプギアさん。システィーナの総意と言うには、まだ早いのではないでしょうか?」

 

 

 Vとの話を終えたネプギアにイストワールが声を掛ける。

 

そこには僅かな怒気が含まれていた。

 

 

「いーすんさん?」

 

 

 イストワールに対して不安そうに尋ねるネプギア。

 

イストワールは人差し指をネプギアに突き出し、「システィーナの教祖イストワールの名において、彼女には厳しい罰を与えるべきです」とハッキリと言う。

 

 

「いーすんさん、どうして……」

 

 

 ネプギアが落ち込んだ声で言うと、「どうもこうもありません。彼女の罪を考えれば死罪かそれ相当の罰が必要です」とイストワールが答える。

 

 

「守護女神であるネプギアさん達に、こんな些末事で頭を悩ませて欲しくありませんし、心を痛める必要もありません」

 

 

 イストワールが冷たい声でそう言うと、「そんな些末事なんて! 人の命がかかっているんですよ!?」とネプギアが訴えかける。

 

 

「そもそも、これは司法の領域です。ネプギアさんは私達が出した書類に判を押してくれるだけで良いのです」

 

 

 イストワールは更に冷たい声で言うと、「ネプギアさん、あなたの時間はゲイムギョウ界の誰よりも貴重なんです。勉学や武術の鍛錬、国主としての内政外交、国を守る為の戦い。時間はいくらあっても足りません。それをこのような小物の是非の判断などしている暇はありません。裁判所にお任せ下さい」とイストワールが冷たく事務的な声で答える。

 

 

「……っ」

 

 

 イストワールの言葉に黙ってしまうネプギア。

 

 

「信長さんも言いましたよね? 悪人一人斬れずに国が作れるか? 国を守れるのか? と。ネプギアさん、あなたはシスティーナの守護女神のリーダー。何を思って国を興したのですか? 女神候補生の仲良しごっこがしたかっただけですか?」

 

 

 イストワールが畳み込むように厳しい声で言うと、「それは……そんなつもりじゃ……でも……」とネプギアがたじろいてしまう。

 

そこに、「そこまでだ、イストワール」とフォルセティが割って入って来る。

 

 

「セティ様!? いけませんよ! またエルデ様のように甘やかすつもりですね!」

 

 

 イストワールが真剣な顔でそう言うと、「そうではない。イストワール、織田信長、ウリエル、ルシフェル。正義、平和、真実を司る司法神フォルセティの名において誓おう。娘にハッキリとした答えを出させると。だから、今しばらく時間をくれないか?」とフォルセティが真剣な顔で答える。

 

 

「……セティ様がそこまでおっしゃられるなら」

 

 

 イストワールはやや不満そうながら言うと、「よかろう。待つ」と信長が答え、ウリエルとルシフェルも頷く。

 

 

「……お父さん、私……」

 

 

 涙目のネプギアに、「うん、辛かったね。ギアの気持ちはよく分かる」とフォルセティが優しくネプギアを抱きしめる。

 

 

「でも、うずくまって泣いている訳にもいかない。君はシスティーナの女神なのだから……それは分かるね?」

 

 

 フォルセティが諭すように言うと、「うん……」とネプギアが頷く。

 

 

「エルデもよく同じような問題で悩んでいた」

 

 

 フォルセティが懐かしむように言うと、「お母さんも?」とネプギアが尋ねる。

 

 

「ああ、ソレイユが亡くなって、国を継いだ時だった。司法は私に一任して欲しいと言うにも関わらず首を突っ込んで、頭を悩ませ、心を痛めていた」

 

 

 フォルセティの言葉に、「ソレイユさん……初代女神様の時はどうしていたんですか?」とネプギアが質問をする。

 

 

「ソレイユはネプテューヌに似て、ちゃらんぽらんなところはあったが締めるところはキチッと締めていたよ。ネプテューヌや他の四女神もそうじゃないかな?」

 

 

 フォルセティの答えに、ネプギアは周囲を見渡し、ネプテューヌを始めとする四女神を見渡すが、誰もが真剣で厳しい顔をしていた。

 

その姿は、フォルセティの言葉を肯定しているようだった。

 

 

「エルデは時に女神の強権で私の裁定を覆し、時には喜び、時には傷ついていた」

 

 

 フォルセティがそう言うと、「それは、悪いことした人が更生したこともあったけど、そうでなかった時もあったってことですか?」とネプギアが質問をする。

 

 

「そう……でもね。多くの国民は更生より、再犯の方を重く見る。時のプラネテューヌはそれでシェアを落とし、犯罪神から受けた傷もあってエルデもみるみる内に弱っていった。そんな時に君を身ごもり、文子からカラー……今のルウィーに身を隠すよう言われて、私とエルデもその厚意に甘えた。その後、君を生み、文子との約束で私が現世に帰ると、犯罪神に受けた傷、シェアの減少、出産での消耗と悪いことが重なりエルデはほどなくして亡くなってしまったらしい」

 

 

 フォルセティの説明に、「やっぱり、いーすんさんの言う事が正しいんでしょうか? 私の間違いでシェアが下がって、私だけならまだしも、みんなまで弱らせちゃったら……それに国民のみんなの期待にも応えなきゃ」

 

 

 ネプギアが悲しそうに言うと、「そうだね。イストワールの言は正しい、だけど、エルデやギアのような考えで救われた人もいる。例えばマジェコンヌだ。結局は彼女は犯罪神になってしまったが、ソレイユの制止も聞かず彼女の心を開いたのはエルデだ。マジェコンヌはエルデと居る時は本当に幸せそうだった」

 

 

 フォルセティの言葉に、「私、どうしたら……」とネプギアが困り果てた声を出す。

 

 

「そこは人を見る目の経験とセンスがモノを言うところだね。残念ながら、ギアやエルデはお人好しに属する女神で、センスがあるとは言い難い」

 

 

 フォルセティがそう言うと、「でも! 私、諦めたくないんです」とネプギアが真剣な顔で言う。

 

 

「それなら、その道のプロに頼むといい」

 

 

 フォルセティがそう答えると、「やっぱり、いーすんさんや司法に……」とネプギアが残念そうな声を出す。

 

しかし、フォルセティは首を左右に振ると、「いいや、彼女達より適任がいる」とフォルセティが力強い声で言う。

 

 

「え? 誰ですか?」

 

 

 ネプギアの疑問に、フォルセティは信長の側にいる一人の武将を指差す。

 

 

「羽柴秀吉。いや、豊臣秀吉と言った方がいいかな? 彼は、竹中半兵衛、黒田官兵衛など何人もの天才を織田陣営に引き込み、福島正則、加藤清正、石田三成もの何人もの勇者を育てた。人は彼を『人たらし』と呼んだそうだ」

 

 

 フォルセティがそう言うと、「この中では一番適任だし、彼が駄目だと言うなら大人しく諦めた方が良い。どうかな?」と続けて言う。

 

 

「わかりました! 私、秀吉さんにお願いしてみます!」

 

 

 ネプギアはそう言うと、秀吉に歩み寄る。

 

すると、「話は聞いておった。ワシの目を頼りたいと言う事じゃな? だが、タダではなぁ~?」と秀吉がネプギアを値踏みするように見る。

 

そんな秀吉の頭を信長が鷲掴みにすると、「サル。黙っておれ」と冷たい声で言う。

 

 

「サルの目を頼るか、面白い。サルを貸してやってもいいが、その前に、おギアに問う。何故ゆえに、あの者を生かそうとする?」

 

 

 信長が真剣な声で質問すると、「私は、まだまだ新米守護女神で、誰一人死んでほしくないって甘い考えを持っていると思います。彩ちゃんに人一人の死がどれだけの悲しみを生むか教えてもらいました! だから敵であっても一人でも多くの人を救いたいんです!」とネプギアが答える。

 

 

「ギアちゃん……」

 

 

 ネプギアの言う事を少し嬉しそうに聞く彩花に、「彩花と智也の事か。それは信長も知っておる。だが、その想いだけでは国は作れぬ」と信長が答えた。

 

 

「はい……だけど、私は悪かった人にも手を差し伸べてあげたいんです」

 

 

 ネプギアが少し自信なさそうに言うと、「その悪人が手の平を返して、善良な者を傷つけたら、おギアはどうするつもりだ?」と信長が質問する。

 

 

「そうならない為にも、私は悪い人のことを知らないといけないと思います! 女神を信仰してくれる人だけじゃなくて、そうじゃない人のことも知って仲良くなれたらと思うんです! くろめさんが今こうして私を助けてくれるように、かって悪かった人にも救いが欲しいんです! くろめさんがうずめさんの中に残っていたのには、そういう意味もあるんじゃないかって思うんです!!」

 

 

「ぎあっち……やっぱり君はオレのプリンセスだ……」

 

 

 くろめが光悦の表情でネプギアを見る。

 

 

「私、人が悲しむ姿を見ることが嫌いなんです! すべての人間が楽しく笑って暮らせることを望みます!」

 

 

 ネプギアが力強く断言すると、「それが不可能であったとしてもか?」と信長が低い声でネプギアを威圧するように質問する。

 

すると、「そうよ。アタシ達は諦めないわ。ネプギアの夢を……アタシ達の夢を諦めない」とユニがネプギアの隣に並びながら言う。

 

 

「ネプギアちゃんは、これぐらいのことじゃヘコたれたりしない(ふんす)」 

 

 

 ロムが力強く言うと、「こうなった時のネプギアは誰よりも強いって信じてるもん」とラムも力強く言う。

 

 

「ネプギアお姉さんの夢、プラエお手伝いしたい!」

 

 

 プラエがそう言うと、ネプギア達五人は真正面から信長と視線を交錯させる。

 

しばらく睨み合ったいた六人だが、「そうか! それがおギア達の夢か。よかろう! サルは好きに使うがいい!」と信長がそう言って、上機嫌に扇子を開く。

 

 

「い、いいんですか?」

 

 

少し驚くネプギアに、「なんじゃ? いらんのか?」と信長が意地悪く質問すると、「いります、いります。使わせて下さい!」と慌ててネプギアが答える。

 

 

「う~む……殿の命とは言え、タダとは気が進まぬのぉ」

 

 

 秀吉がそう言って腕組みして渋ると、「……サルよ。本能寺の件、貴様と官兵衛が謀ったと言う説……面白いのぉ?」と信長が低く脅すような声で秀吉を睨みながら言う。

 

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!? ご、ご冗談を!? やります! やらせていただきます!!」

 

 

 秀吉が真っ青な顔で、そう言うと慌てて下っ端の顔を覗き込む。

 

 

「な、なんだよ、オッサン。気持ち悪ぃな……」

 

 

 下っ端が秀吉に向けてそう言うと、「お主、話を聞いていたのか? お前の生きるも死ぬもワシ次第なんじゃぞ?」と秀吉が答える。

 

 

「へっ! マジック様を殺した奴等にヘーコラするぐらいなら死んでやらぁ!」

 

 

 下っ端がそう言うと、「ワシは農民から立身出世に生き、いろんな人間を見て来た。だから悪い人間といい人間の区別は、においで分かる!」と秀吉が言うと下っ端の頭を鷲掴みにして、「こいつはくせえっー! ゲロ以下のにおいがプンプンするドブネズミじゃっ!! 」と言い放つ。

 

 

「なにっ!?」

 

 

 下っ端が少し焦りながら言うと、「こんな悪【ワル】には出会ったことがねえほどなぁーーっ! 環境で悪人になっただと? ちがうねっ!! こいつは生まれついての悪【ワル】だっ! 殿! 早いとこ首を斬って下さいよっ!!」と締めくくる。

 

 

「くそっ……」

 

 

 下っ端がそう言って目を閉じると、「……じゃが、その目の中に宿る野心の炎。悪くはない、ワシならば扱えるやもしれん」と秀吉が下っ端の顔を覗き込みながら言う。

 

 

「それにドブネズミじゃと思っておったが、なかなかみてくれは悪くは無い。着飾れば見れるようにもなろう。うっしっし♪」

 

 

 秀吉がそう言って、いやらしく笑うと、「よかろう。そのドブネズミ共はサルに預ける!」と信長が答える。

 

 

「……助かったのか? あたい」

 

 

 下っ端が不思議そうに言うと、「そうじゃ。じゃが、『木綿藤吉』とも呼ばれたワシの部隊の一番下じゃ。死んだ方がマシだったってぐらい働いてもらうことになるぞ」と秀吉が答える。

 

 

「おギアもそれで良いな?」

 

 

 信長がネプギアに確認すると、「は、はい! 秀吉さん、よろしくお願いします!」とネプギアが答える。

 

 

「任せておけぃ。これから、このドブネズミ達は忙しくなる。言いたいことがあるなら、今のうちに言っておけ」

 

 

 秀吉がそう言うと、ネプギアは下っ端に歩み寄り、「あの……お名前は?」と下っ端に質問をする。

 

 

「……リンダだ……」

 

 

 下っ端がネプギアから目を背けながら答える。

 

自分が助かったのはネプギアのお陰なのは理解しているが、マジック・ザ・ハードを殺したネプギアは許せないし、媚びる気も無いようだ。

 

 

「……リンダさん、私はまだあなたの事を全然知りません。でも、システィーナはあなたの事を学び、共に暮らせるような国を目指そうと思っています。プロテノールさんも必ず生き返らせてみせます。ですから、私達に協力して下さい」

 

 

 ネプギアがそう言いながら軽く頭を下げるが、「……」と下っ端は何も答えない。

 

 

「こりゃ! しつけが足りんか!?」

 

 

 秀吉がそう言いながらリンダを叩こうとすると、「いいんです。私が勝手に思っているだけですから」とネプギアが秀吉を止める。

 

 

「ネズミさん。心を入れ替えて真面目になって下さいね」

 

 

 コンパがワレチューに向けてそう言うと、「それだけちゅか!? もっとこう心に響く長文を……」とワレチューが残念そうに言うが、「黙りなさい」とアイエフに踏まれてしまう。

 

 

「ネプギア。コイツ等のことは任せておけ」

 

 

 秀吉はそう言うと、「ネプギア。さっきのお主の言葉響いたぞ。『人が悲しむ姿を見ることが嫌い。すべての人間が楽しく笑って暮らせることを望む』って、ワシも同じ考えじゃ」と続けて言う。

 

 

「秀吉さん……」

 

 

 ネプギアが嬉しそうに言うと、秀吉は笑顔でサムズアップをしてウィンクした。

 

 

「ところで、信長。アンタ、さっき、『本能寺の件、秀吉と官兵衛が謀った』って言ったけど、アレ本当なの?」

 

 

 ユニが信長に質問すると、「知らぬ。ワシが知っておるのは光秀に襲われ、本能寺で自害したことだけじゃ」と信長が答える。

 

 

「え? でも、オワールである彩ちゃんに聞けば分かるんじゃ?」

 

 

 ネプギアが質問すると、「彩花はその事は人には話せんと言うし、ワシも知ろうと思わん」と信長が答える。

 

 

「気にならないの? 誰が犯人だか?」

 

 

 ユニの質問に、「気にならぬ。それを知って夢が無くなることの方が興醒めぞ」と信長が答える。

 

 

「夢が今日ザメ?」

 

 

 ラムが首を傾げると、「どんなサメさん?」とロムも首を傾げる。

 

 

「興醒めって言うのは面白くないってことを言うんだよ」

 

 

 ネプギアが説明すると、「「「なるほどー」」」とロムとラムとプラエが頷く。

 

 

「興醒めって……何でそう思うの?」

 

 

 ユニが信長に質問すると、「信長の死が謎に包まれた故に作られた創造物を見よ。ゲイムギョウ界にも数多にあるだろう。信長の生き様が。もし、信長が年老いて死したしたら、これ程の物はできなかったっであろう。故に信長は犯人を恨まぬ。むしろ信長の死を隠したこと褒めてつかわす!」と信長が堂々と答える。

 

 

「この数多の夢を、つまらぬ真実で消してしまうなど、興醒め以外なにがあろう!」

 

 

 信長がそう締めくくると、「確かに、信長の死の謎が無かったら、がすとも居なかったかもしれないですの。がすとの友達の『コーエー』が信長を題材にゲイムギョウ界で長寿シリーズを作ってますの。がすとや、ざーるぶるぐは何度もコーエーに助けられてますの」とがすとが言う。

 

 

 がすとの言葉に、「野望シリーズですね。有名ですもんね」とネプギアが言う。

 

 

「ネプギアさん、また大変な道を選びましたね」

 

 

 イストワールが頭を抱えながら言うと、「すみません、いーすんさん。でも、この想いは譲れないんです。協力して下さい」とネプギアがイストワールに向かって頭を下げる。

 

 

「頭を上げて下さい、ネプギアさん。エルデ様からあなたの事を頼まれた時から、こうなることは予想していました。遠慮なくお母さんを頼って下さい」

 

 

 イストワールはそう言うと、笑顔を見せる。

 

そこには先程の冷たさは微塵も無かった。

 

 

「そうですか……ネプギアはまた私と違う道を選びますか」

 

 

 Vが寂しそうに言うと、「気にしないでVちゃん。Vちゃんの選択だって間違いじゃないんだよ」と彩花が励ますように言う。

 

 

「……しかし、私はネプギアやお母さんみたいに優しくなれません」

 

 

 Vの言葉に、「君は君のままで良い。言っただろう? 君も大事な娘だよ」とフォルセティが答える。

 

 

「そうだ、V。我々のように君の考えを支持する者もいる」

 

 

 ルシフェルがそう言うと、「ありがとう。彩ちゃん、ルシフェル、そしてお父さん」とVが答えた。

 

 

「今回は納得の行く結果だったが、今度また救世主を堕とそうとしたら、貴様を全力で止めるぞ」

 

 

 ウリエルが信長に向かってそうに言うと、ディスクになってNギアの中に戻って行く。

 

 

「殿。ネプギアはいかがでしたか?」

 

 

 光秀が信長に質問すると、「聞くまでもあるまい。信長や秀吉が紡いで来た日ノ本の夢の今。満足である」と信長が答えた。

 

その視線には仲間達と喜び合うネプギアが居た。

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