新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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026ダゴン大戦

 G.C.2019年8月24日 土曜日

 

  

「まあ、女神様達はオンガクギョウ界でも活躍してるのね!」

 

 

 ネプギア達女神候補生の目の前に居る人魚、先日にネプギア達と友人になったシェリリが感動のあまり柏手を打つ。

 

ここは先日にビィトリットに案内された人魚の住む海岸。

 

ネプギア達女神候補生は、ビィトリットに頼んでシェリリに会うためにこの海岸を訪れていた。

 

そこで、シェリリにせがまれて、先日のオンガクギョウ界での話をしてあげたのだ。

 

 

「そうよ。わたし達はいつでも大活躍なんだから!」

 

 

 ラムが両手を腰に当ててドヤ顔を決め込む。

 

 

「……だったら、女神様達にお願いがあるんです」

 

 

 シェリリの言葉に、「なんですか? 私達に出来ることなら何でも言って下さい」とネプギアは快くシェリリの言葉に答える。

 

すると、「……ダゴンを退治してくれませんか?」とシェリリは両手を合わせて祈るようにネプギアにお願いをする。

 

 

「ダゴンって水棲モンスターの?」

 

 

 ユニが首を傾げる。

 

ダゴンは以前に神次元でも退治しているが、超次元にも同じモンスターがいる。

 

 

「ダゴンなんて楽勝よ! わたし達、もうレベル50なんだから、あんなの一撃で倒せるわ」

 

 

 ラムが自信満々に言うと、「わたし達に任せて(にこにこ)」とロムが続く。

 

 

「いえ、普通のダゴンではないんです。最近海に棲み付いた気味の悪い大型モンスターで、いつも人魚達に嫌がらせをしてくるんです」

 

 

 シェリリが俯きながら言う。

 

その様子はダゴンに本当に鬱屈しているようだった。

 

 

「どっちにしろ、そんな悪い奴わたし達が退治してあげるわよ」

 

 

 ラムがそう言うと、「やっつけるから、安心して(ぐっ)」とロムがシェリリを励ますように言う。

 

 

「止めておきなさい。あのダゴンは神を名乗る上に、その実力は強大かつ未知数よ。同じ神でもあなた達子供が敵う相手じゃないわ」

 

 

 ビィトリットはそう言ってネプギア達を止めるとが、「でも、人魚達が困っているんです。女神として見過ごせません」とネプギアはビィトリットに訴える。

 

 

「その気持ちは嬉しいわ。でも、あなた達はダゴンに比べれば、ひよっこよ」

 

 

 ビィトリットはネプギアの訴えを冷静に受け流すが、「ひょっとこじゃないわよー! ルウィーの女神なんだから」とラムが抗議するが、「ひょっとこじゃなくって、ヒヨッコよ。未熟者って意味」とユニが説明をする。

 

 

「ダメなものはダメよ。あなた達は私達デミヒューマンと人間との新しい未来を作るための希望の光なの。こんなところで無茶をするべきじゃないわ」

 

 

 ビィトリットはそう言うと、「シェリリ、あなたも帰りなさい」とシェリリに厳しく言い聞かせる。

 

 

「そんな……」

 

 

 シェリリは残念そうに肩を落とすが、「エルフの結界がある限りダゴンでも人魚の里までは襲ってはこないわ。私を信じなさい」とビィトリットは今度はシェリリに安心するよう優しく言い聞かせる。

 

 

「でも、ダゴンの所為でお魚や海の生き物が寄り付かなくて食べるものが……」

 

 

 シェリリが切なそうに言うと、同時に彼女のお腹が【ぐぅ~】と鳴る。

 

 

「人魚ってお魚食べるんだ」

 

 

 ラムが意外そうに言うと、「あなた達だって、牛や豚を食べるでしょ。それと同じよ」とビィトリットが答えると、「クジラやイルカもお魚食べますもんね」とネプギアが納得したように頷く。

 

 

「これ、食べる(おずおず)」

 

 

 ロムが2RMからゼリー飲料を取り出し蓋を開けて、シェリリに差し出すとシェリリは恐々とそれを受け取り口に入れる。

 

 

「どうかな(どきどき)}

 

 

 ロムが不安そうに尋ねると、シェリリは微笑んで、「美味しい。不思議な味だけど美味しいです。人間はこういうものを食べているんですね」と興味深そうにゼリー飲料の入れ物を眺める。

 

 

 

オォォォォォォォ!!!!

 

 

 

 その時辺りに不快な呻き声が響く。

 

 

「なに、この嫌な声は……」

 

 

 ユニは不快な顔をして耳を塞ぎ、「……怖い(ぶるぶる)」ロムは小さくなって怯え、「なんなのこれ? 凄く嫌な声」と言ってラムも耳を塞ぐ。

 

 

「ダゴンの呻き声です。こうやって毎日嫌がらせをしてくるんです……」

 

 

 シェリリはさめざめと言うと、「私、止めてきます。こんな酷いこと許せません」とネプギアは女神化すると声の元を辿って飛び立つ。

 

 

「そうね、こんな騒音公害は元から絶ってやるわ」

 

 

 ユニも女神化してネプギアに続くと、「うん、わたしも行く」とロムが、「とっちめてやるわ」とラムが女神化してそれに続く。

 

 

「私も行きます!」

 

 

 シェリリも泳いでその後を追う。

 

 

「待ちなさい!」

 

 

 ビィトリットは大声で止めるがネプギア達は構わず飛んで行く。

 

 

 

***

 

 

 

オオオオオオォォォォォ!

 

 

 ネプギア達が海を滑空して30分程で、遠くに10メートルはある鱗に覆われた筋肉質の半魚人の上半身が海面に浮いているのが見える。

 

これがダゴンだろう。

 

 

「あれが騒音公害の元ね」

 

 

 ユニがそう言うと、「もう見えたんですか? 流石は女神様ですね」とシェリリが感心をする。

 

広い海に住む人魚も目は良い方だが、女神化したネプギア達は更に目が良い。

 

 

「シェリリさんはここで待機していて下さい」

 

 

 更に先に進むとネプギアがシェリリに言う。

 

シェリリは、「わかりました」と言って少し離れたところで待機する。

 

そしてネプギア達がダゴンに近づくと、「何だ貴様等は」とダゴンが睨みつけてくる。

 

 

「人魚達に嫌がらせをするのは止めて下さい!」

 

 

 ネプギアは先頭に立って大声でダゴンに訴えると、「我をダゴンと知っての暴言か?」とダゴンが名乗りネプギア達を更に強く睨みつける。

 

 

「暴言も何も、こんな騒音巻き散らされたら文句も言いたくなるわ」

 

 

 ユニはダゴンを睨み返すと、「私はプラネテューヌの女神候補生パープルシスター。あなたの暴挙を止めに来ました」とネプギアもダゴンに負けないよう精一杯声を上げて言う。

 

 

「フハハハ! 半人前の女神が我を止めるだと? 笑わせるな」

 

 

 ダゴンはそんなネプギアの態度を一蹴すると、「我は邪神の王であるクトゥルフ様に仕える邪神だぞ。貴様等とは格が違うわ」と自慢気に言う。

 

 

「何でこんな嫌な声を出すの?」

 

 

 ロムがダゴンに質問すると、「ククク……決まっておろう。人魚どもの苦痛に歪む顔を見るのが楽しくて仕方ないのだ」とダゴンは下品な笑いを浮かべる。

 

 

「見た目も性格もサイテーね。何でアンタみたいなのが神を名乗ってるの?」

 

 

 ラムがダゴンを蔑むように言うと、「傍若無人に振る舞うことこそ神の醍醐味よ。下等生物は我にいたぶられて楽しませるだけに存在してるのだ」とダゴンはラムの蔑みに気にせず堂々と答える。

 

 

「違います。神は人を護り導く存在です!」

 

 

 ネプギアはダゴンを正面から否定すると、「下らぬ!」とダゴンは海に浸かっていた右腕を振り上げる。

 

 

ブウンッ!

 

 

 水しぶきが散弾のようになってネプギア達に襲い掛かる。

 

 

「くぅぅぅ!」

 

 

 ネプギアが左手に防御の魔方陣を張ってそれに耐えるが、女神化しているにも関わらず1435のダメージを受けてHPゲージが五割近く減ってしまう。

 

 

「ほぅ、消し飛ぶかと思ったが……少しは愉しめそうだな、ククク」

 

 

 ダゴンは自分の攻撃に耐え凌ぐネプギアを見て楽しそうに笑う。

 

 

「みんな、フォーメーションブルー!」

 

 

 ネプギアの掛け声に、ユニが、「了解」とラムが、「オッケー!」ロムが、「うん」と言ってそれぞれ頷くと、ネプギアを前衛にして、ロムはネプギア盾にしつつネプギアを直ぐに回復できる位置につき、後列にラムとユニがつく。

 

強敵に相手にするときに使う、回復重視のフォーメーションである。

 

フォーメーションを取ると同時にネプギアが、「ハイヒール!」と回復魔法を唱えて先程受けたダメージを回復させ、HPゲージが満タンになる。

 

 

「マルチプルビームランチャー!」

 

 

 ネプギアは続けてM.P.B.Lを構えると、銃口からビーム弾が発射される。

 

 

ズキューン! ズキューン!

 

 

 射撃音と共に、二発のビームがダゴンに向けて飛んでいく。

 

 

「ぬっ……我に歯向かうか」

 

 

 ビームの当たったダゴンは41354のダメージを受けるとネプギアを睨みつける。

 

 

「先に仕掛けたのはアンタでしょ! エクスマルチブラスター!」

 

 

 ユニもエクスマルチブラスターを構え、ダゴンに銃口を向けるとビーム光線を発射する。

 

 

ズキューン!

 

 

 ビーム光線は直進して、ダゴンを貫く。

 

 

「むぅぅぅ!」

 

 

 ビームの直撃を受けたダゴンは43222ダメージを受けて顔が歪む。

 

 

「やるではないか、ならばこれでどうだ!」

 

 

ブウンッブウンッブウンッ!

 

 

 ダゴンは両手を連続で振り回す。

 

大量の水しぶきがネプギアに襲い掛かる。

 

 

「M.P.S.H! ガードモード! ネプギアちゃんを守って!」

 

 

 ロムが手に持った杖を掲げると変形をして輝きだす。するとネプギアの目の前に光の壁が出来る。

 

 

カカカカカン!

 

 

 水しぶきは光の壁に遮られて消滅しguardの表示が出ると、「なにっ!?」とダゴンが驚く。

 

 

「M.P.E.M! サンダーモード!」

 

 

 続けてラムが手に持った杖を掲げるとロムの杖と同じように変形する。

 

 

「……雷よ我が呼びかけに応じ集え……サンダーボール!」

 

 

 ラムが魔法を唱えると、ラムの右手にバランスボール程の巨大な玉が現れる。

 

 

「そーれ! ラムちゃん、ホームラン!!」

 

 

 ラムはその玉を野球のノックの要領で杖で打ち飛ばす。

 

 

カキーーーーン

 

 

 雷の玉はダゴン目掛けて飛んで行く。

 

 

「ぐおおおっ!」

 

 

 雷の玉が命中したダゴンは全身に電撃が走り45222のダメージを受ける。

 

 

「凄い! 流石は女神様」

 

 

 離れてその光景を見ていたシェリリが感嘆の声を上げる。

 

 

「今後は人魚に嫌がらせをしないと誓って下さい」

 

 

 ネプギアは一旦攻撃を止めると、ダゴンに警告をするが、ダゴンは鼻で笑うと、「馬鹿め。水遊びを防いだぐらいで調子に乗るな」と、ダゴンは滑るように泳いでネプギアに近づくと水かきで斬りつけてくる。

 

その切れ味は鋭くネプギアを護っていた光の壁をも切り裂いてしまう。

 

 

「あうっ!」

 

 

 ネプギアが1601のダメージを受けるとHPゲージが四割まで減ってしまう。

 

 

「このっ!」

 

 

 それを見たユニがエクスマルチブラスターで、ダゴンに反撃のビームを放つ。

 

 

「はあっ!」

 

 

 しかし、ダゴンは口から鉄砲水を吐くと、鉄砲水はエクスマルチブラスターのビームに衝突し、鉄砲水がビームを貫通してしまう。

 

 

「くうっ!」

 

 

 ユニはそのまま鉄砲水の直撃を受けて、1425ダメージ受けてHPゲージが八割も減ってしまう。

 

 

「サンダーボールからのー、ラムちゃんホームラン!」

 

 

 ラムが再び雷の玉を放つが、「無駄だ!」とダゴンが右手で海面を払うと、津波が起こり雷の弾をかき消してしまう。

 

 

「いやぁー!」

 

 

 ラムは津波に飲み込まれて1100ダメージを受けてしまいHPゲージが残り一割になってしまう。

 

 

「フハハハ! 貴様等のような下級神など相手ではないわ」

 

 

 ネプギア達を蹴散らしたダゴンは勝ち誇るが、「はあああっ!」と態勢を立て直したネプギアが雷を纏ったM.P.B.Lのブレード部分でダゴンに斬りかかる。

 

 

ザシュッ!

 

 

 M.P.B.Lがダゴンの右胸を切り裂く。

 

 

「ぬうっ!」

 

 

 ダゴンは、ネプギアの思いがけない一撃と、ガッツの発動によるクリティカルヒットで64122ダメージを受けて怯む。

 

 

「ロムちゃん、今の内に立て直して!」

 

 

 ネプギアはロムに指示を飛ばすと、ロムは既に魔法の詠唱を終えており、「M.P.S.H! ヒールモード!」と叫ぶと杖が変形し、「なおしてあげる!」と回復魔法を発動する。

 

【なおしてあげる】は広範囲の回復魔法。

 

回復の青白い光がユニとラムを包むと、二人のHPが最大まで回復する。

 

 

「助かったわ」

 

 

 ユニがそう言うと、「ありがとうロムちゃん」とラムが言い二人は戦線に復帰する。

 

 

「これだけの力の差を見せつけられて尚も足掻くか」

 

 

 ダゴンは鬱陶しそうに言うと、右手の水かきでネプギアに斬りかかる。

 

それに対してネプギアは、「諦めません、勝つまでは!」とM.P.B.Lのブレード部分でダゴンの水かきを受け止め鍔迫り合いに持ち込む。

 

 

「そうよ、正義は必ず勝つって決まってるんだから!」

 

 

 ラムはそう言いながら再び雷の弾を放ち、「アンタみたいな邪念の塊に負けるものですか!」とユニもエクスマルチブラスターのビームを放つ。

 

 

「むぅぅ!」

 

 

 ネプギアとの鍔迫り合いをしていたダゴンは、ユニとラムの攻撃を防げず直撃を受けると、合計で9万近いダメージを受ける。

 

 

「たあっ!」

 

 

 ネプギアは、ダゴンがユニとラムの攻撃で怯んだ隙に鍔迫り合いに打ち勝つと、「サンダーシルヴァーティル!」とネプギアは体勢を崩したダゴンに雷を纏った高速の連続突きを繰り出すと51214のダメージが当たる

 

 

「ええい! 鬱陶しわ!」

 

 

 ダゴンは飛び魚のように飛び跳ねると、その巨体でネプギアに体当たりをしてくる。

 

飛び魚のように跳ねたダゴンは、下半身が人間のような二本足で大きな尻尾が生えているのが見えた。

 

 

「きゃあああ!」

 

 

 巨体に吹き飛ばされたネプギアは、1011ダメージを受けHPゲージが残り一割まで減ってしまう。

 

ガッツが発動して防御力がアップしていなければ倒されていたかもしれない。

 

 

「ちりょうだよ!」

 

 

 魔法の詠唱を終えて待機していたロムが、すかさずネプギアを回復するとHPゲージが最大まで回復する。

 

 

「ありがとう!」

 

 

 ネプギアは態勢を取って立て直すと、「忌々しい!」とダゴンは回復魔法を使ったロムに向かって口から鉄砲水を吐く。

 

 

「させません!」

 

 

 しかし、ネプギアが間に割り込んで両手で防御してロムを庇う。

 

ネプギアは1229のダメージを受けるが、即座に「ハイヒール」回復魔法を唱えてHPを全快まで回復させる。

 

 

「ちっ……雑魚がちょこまかと!」

 

 

 ダゴンは舌打ちをしてネプギア達を睨みつけると、「ユニちゃんとラムちゃんは、少し下がって鉄砲水と津波を警戒して! ロムちゃんは今まで通り私の後ろで回復に集中!」とネプギアが指示を出すと、三人は素早く指示に従ってフォーメーションを変える。

 

 

「おのれ!」

 

 

 ダゴンはそう言って、ユニに鉄砲水を飛ばすが、「この距離なら当たらないわよ」とユニは華麗な横移動で避けるとavoidの表示が出る。

 

 

「隙だらけです!」

 

 

 ネプギアはダゴンが攻撃している隙に、ダゴンに向けてM.P.B.Lからビーム連射しつつ、その懐に入ると、「ブリッツセイバー!」一気に斬り抜けて、ビームと斬り抜けで合計61251のダメージを与える。

 

【ブリッツセイバー】は威力重視の斬属性攻撃。

 

 

「くそっ! ならば!」

 

 

 ダゴンはラムに向けて口を開くと、その瞬間、「やらせません!」とネプギアが左手からボムを取り出して、ダゴンとラムの間に投げつける。

 

ダゴンが鉄砲水を吐く。

 

同時にボムが【ドカン!】爆発し、鉄砲水を打ち消してしまう。

 

 

「ちいっ!」

 

 

 ダゴンが唇を噛むと、「電撃よ、我が手に宿り敵を滅ぼせ! サンダーボルト!!」と同時にラムが杖から電撃の束を放ち、ダゴンに命中すると48351のダメージが当たる。

 

更に、「狙い撃つわ!」とユニがエクスマルチブラスターからビームを放つとダゴンに命中し42849ダメージが当たる。

 

 

「調子に乗るな、雑魚どもが!」

 

 

 ダゴンは怒りの形相で先程と同じように飛び魚のように飛び跳ね、ネプギアに体当たりを仕掛けてくる。

 

 

「ジャストガード!」

 

 

 ネプギアはタイミングを読んでいたかのように左手の魔法陣を張ると、ダゴンの体当たりを受け流すと、989のダメージを受ける。

 

パーフェクトのジャストガードではないが先程に比べるとダメージは減少している。

 

 

「ちりょうだよ!」

 

 

 更にネプギアがダメージを受けるまで待機していたロムが回復魔法を唱えると、ネプギアのHPが全快する。

 

 

「ぐぬぬ……」

 

 

 ネプギアに攻撃しても、すぐに回復されるのでダゴンが忌々しそうな唸り声を上げると、「確かにアンタは強いけど、アタシ達には仲間がいる」とユニが言うと、「みんなと協力すれば、アンタなんかに負けないよーだ!」とラムがあっかんべーをする。

 

 

「ならば!」

 

 

 ダゴンはそう言って海の中に潜って行く。

 

その様子を見たラムが、「わたし達が怖くて逃げたのよ」と自信満々に言うと、「わたし達の勝ちだね」とロムも嬉しそうに言う。

 

しかし、ネプギアは海面を見ながら、「そうじゃないみたい。まだ殺気を感じる」と真剣な顔で言うと、「みたいね、水の中に隠れて攻撃するつもりね」その様子を見たユニが海面に向けてエクスマルチブラスターを構える。

 

 

「みんな、気を付けて」

 

 

 ネプギアがそう言うと、三人共頷き、暫くの間静寂が訪れる。

 

 

 突然、海の一部が盛り上がると、ネプギアの背中に向けて鉄砲水が飛んで来る。

 

ユニの言う通り、海を隠れ蓑にして攻撃する作戦だ。

 

 

「そこっ!」

 

 

 しかし、ネプギアは鉄砲水が飛んでくる方向が来るのが分かっていたかのように横移動で鉄砲水を回避するとavoidの表示が出る。

 

 

「バカな……」

 

 

 海中のダゴンが驚きの表情を浮かべるが、「ならば、これはどうだ!」と四連続で鉄砲水を吐き出す。

 

 

「当たりません!」

 

 

 ネプギアが先程と同じように横移動で回避すると、「どこ狙ってるのよ」とユニが急上昇で避け、「みえみえだよ」とロムも横移動で回避し、「バーカ、バーカ」とラムも横移動で回避すると、全員にavoidの表示が出る。

 

 

「あなたの位置は私のEWACで捉えています。いくら海中に隠れても無駄です」

 

 

 ネプギアがダゴンにも聞こえるように大きな声で言う。

 

ネプギアのEWACで敵を捉えると、常に敵の居る場所が分かるようになり、命中と回避がアップする。

 

しかし、ダゴンは「だが、そちらからも攻撃できまい」と再び鉄砲水を吐く。

 

ネプギアは、「はっ!」と急上昇で避けると、「まだ抵抗するのなら!」と左手にボムを持って海に投げ込む。

 

 

「ふん、そんなもの我に届くものか」

 

 

 海中の中でネプギアの行動をバカにしたような目で見ていた、ダゴンだが、ボムが爆発すると強烈な衝撃波に襲われる。

 

 

「ぬぉぉぉぉ!?」

 

 

 ダゴンは衝撃波に吹き飛ばされると、38215のダメージを受ける。

 

 

「あなたの居るところには、海の生き物が寄ってこないと聞いているので、ボムによる水中衝撃波で攻撃させてもらいます!」

 

 

 ネプギアは次々とダゴンの居る地点にボムを投げ込むと、連続で爆発が起きて再び強烈な衝撃波がダゴンを襲う。

 

ダゴンが、「ぬおっ!?」と声を上げると合計で15万近いのダメージを受ける。

 

ラムが、「それ知ってる! ダイナマイト漁でしょ!」と楽しそうに言うと、「リングさんもやってたね」とロムも楽しそうに続いて言う。

 

 

 ダイナマイト漁は、水中で爆発物を爆発させて、強力な水中衝撃波で、死んだり気絶して水面に浮き上がってきた魚を回収する漁法である。

 

見境なく大量の魚を殺すので、この漁法は現実世界でもゲイムギョウ界でも禁止されているが、ゲームの中では使ったりすることが出来る。

 

ルウィーの人気ゲーム、【セルダの伝説】シリーズなどもダイナマイト漁が出来るゲームだ。ロムの言っていたリングはそのゲームの主人公となる。

 

 

「わたしもやるー!」

 

 

 ラムが楽しそうに言うと、「M.P.E.Mニュートラルモード」と言って杖を変形させると、「火よ水よ風よ地よ! ルウィーの女神ラム名において命ずる敵を砲撃せよ!! ラムちゃん式砲撃魔法!」と言って水中のダゴン目掛けて無数の魔法の弾を海に向けて飛ばす。

 

同時に、【ドカンドカン】海のそこらぞこらで、爆発が起きて衝撃波を受けたダゴンが、「ぐあっ!?」と叫ぶと合計54123ダメージを与える。

 

 

 【ラムちゃん式砲撃魔法】はラムの考えたオリジナルの無属性攻撃魔法。

 

沢山の無属性の爆発が相手を襲う。無属性なのでM.P.E.Mは無属性を強化するニュートラルモードに変形させたのだ。

 

 

「わたしもやるよ」

 

 

 ロムがラムに続くように、「……火よ水よ風よ地よ……ルウィーの女神ロム名において命ずる……敵を殲滅せよ……ロムちゃん式殲滅魔法!」と言うと、ラムの時と同じようにダゴンに向けて無数の弾が海に向かって行く。

 

同じように【ドカンドカン】海のそこらぞこらで、爆発が起きて衝撃波を受けたダゴンが、「ぐおっ!?」と叫ぶと39125ダメージを与える。

 

 

 【ロムちゃん式殲滅魔法】はロムの考えたオリジナルの無属性攻撃魔法。

 

ラムのものと同じように沢山の無属性の爆発が相手を襲う。

 

 

「ラステイション特製のハイグレードを食らいなさい!」

 

 

 更にユニがエクスマルチブラスターを海面に向けてダゴンに狙いを定めると、「シュート!」と言って銃口から実弾が飛んで行く。

 

海面に入ってダゴンに弾が命中すると、大爆発を起こす。

 

ダゴンは、「はぐげぇ!?」の悲鳴と共に強烈な衝撃波で吹き飛ばされて48519のダメージを受ける。

 

エクスマルチブラスターは実弾も発射することが出来て、榴弾などの爆発属性の重火器の弾も撃ちだせる。

 

 

「貴様等ーーーーー!!」

 

 

 ダゴンが怒り狂って海面から姿を現すと、「その瞬間を待っていました!」とネプギアがM.P.B.Lのビームを連射しながら急接近して来る。

 

ダゴンは、「なにっ!」と慌てた声を出すが、回避が間に合わず頭にビームの直撃を受けると同時にネプギアも頭部に接近して、「エリアルアサルト!」とアクロバットに上昇する連続突きをするとそのまま上昇して離脱する。

 

 

【エリアルアサルト】は華麗な突き属性連続攻撃。

 

 

「くっ、待ち伏せか……」

 

 

 ネプギアの攻撃で41325ダメージを受けたダゴンが悔しそうに言うと、「その通りよ!」とダゴンの背後に居たユニが言うと、「ブラストストライク!」と叫ぶと同時にエクスマルチブラスターの銃口から巨大なビームがダゴンの頭に飛んで行く。

 

【ブラストストライク】は高出力のビームを発射する貫通属性の技。

 

 

「おぐっ!?」

 

 

 バックアタックとヘッドショットで、55125ダメージを受けたダゴンは慌てて、「あのチビ共はどこだ!?」と左右を見渡すが、ロムとラムの姿は見当たらない。

 

 

「残念! 上でした!」

 

 

 ラムが楽しそうに言うと同時に急降下してくる。

 

ラムのアイスハンマーがダゴンの後頭部に直撃する。

 

 

「んがっ!」

 

 

 ダゴンが悲鳴を上げると同時に、「……氷よ……我が力に応え敵に降り注げ……アイスキューブ!」と上空に居たロムが叫ぶと、立方体の氷の塊がダゴンの頭に降り注ぐ。

 

更に、「サンダーギアナックル!」と上昇したネプギアが急下降して戻ってきて、思いっきりダゴンの頭を殴り付けると、合計で15万以上のダメージを与える。

 

短時間で大量の打属性を頭部に受けたダゴンは、頭の周囲に幾つもの星マークが回転して気絶状態になる。

 

 

「一気に叩き込むわよ!」

 

 

 ユニの号令と共に、ネプギア達の一斉攻撃が開始され、ダゴンは気絶状態が回復するまでに50万以上のダメージを受ける。

 

 

「クソどもが!」

 

 

 ダゴンは怒り心頭で反撃のパンチを繰り出す。

 

ネプギアは左手の防御の魔法陣を素早く展開して、ジャストガードでダメージを834まで軽減すると、素早く後退してダゴンにボムを投げつける。

 

 

「ぐぬっ!」

 

 

 ボムが爆発すると、大量の白い煙幕が発生する。

 

 

「目くらましか、また小細工を」

 

 

 ダゴンは忌々しそうに言いながら首を左右動かすと浮遊する人影を発見する。

 

ダゴンはニヤリと笑うと、「子供だましもネタが尽きたようだな!」と右手の水かきで人影を切り裂く。

 

 

ドカーーン!

 

 

 大爆発が起こると同時に、ダゴンに38125のダメージが当たる。

 

先程の人影は跡形も無く消え去っており、ダゴンは、「どういうことだ?」と驚きの表情を浮かべる。

 

同時に、煙幕の外からユニ達の放った無数の射撃の弾と魔法攻撃が飛んで来て、合計で20万以上のダメージを受ける。

 

 

「何が起きている?」

 

 

 焦るダゴンの目の前に再びふわふわと浮かぶ人影が現れる。

 

 

「くそっ! 今度こそ!」

 

 

 ダゴンが手刀で人影を突き刺すと、今度も【ドカーーン!】と大爆発が起こり、ダゴンに38112ダメージを与える。

 

同時に今度もユニ達の連続攻撃が飛んで来て、合計で20万以上のダメージを受ける。

 

 

「ぐああああ! この煙がこの煙が!」

 

 

 ダゴンは怒り狂って腕を無茶苦茶に振り回し、煙を晴らそうとする。

 

次第に煙は晴れてくるが、同時に「……水よ……霧となりて我らを守護せよ……レイザーミスト!」とロムの声が聞こえて来る。

 

 

「今度は霧だとぉ! 忌々しい女どもだ!」

 

 

 【レイザーミスト】広範囲に霧を発生させる水属性の魔法。深い霧で相手を包み視界を塞ぐ。

 

ダゴンが首を左右に動かして敵を探していると、また浮遊する人影を発見する。

 

 

「またか……今度は騙されんぞ」

 

 

 ダゴンが人影を無視して後ろを向いた瞬間、「隙だらけです!」とネプギアが急接近してくる。

 

ダゴンは驚きの表情で、「なぬぅ!」と振り返るが、既に遅く、「高速剣、フォーミュラーエッジ!」とネプギアがダゴンの顔に連続斬りをすると、ダゴンは41258のダメージを受ける。

 

ダゴンが右手の水かきでネプギアを切り裂こうとした時には、既にネプギアは霧の中に隠れており、「ちっ!」とダゴンが舌打ちをする。

 

更に今度もユニ達の攻撃が飛んで来て15万以上のダメージを受ける。

 

その後もダゴンはネプギアと爆発する人影に翻弄されつつ、ユニ達の射撃と魔法を受けて,ジワジワとHPを減らされて行く。

 

 

「ようやく、霧が晴れるか」

 

 

 霧が晴れてダゴンが見たものは、ネプギアとその側に浮かぶ複数のネプギアに似た風船だった。

 

ダゴンを翻弄していたのは、ネプギア本人と風船だったのだ。

 

 

「ふざけた小細工ぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 ダゴンが怒り狂ってネプギアに突撃すると、ネプギアは急上昇してそれを避ける。

 

ダゴンが残った風船に触れると、風船は連続で爆発を起こし、ダゴンは合計で10万以上のダメージを受ける。

 

 

 ネプギアはM.P.B.Lのビームを連射しながら、急降下する。

 

更に、「ルミナ・アージェント!」とM.P.B.Lのブレード部分をダゴンの頭に突き刺し、51253のダメージを与えると同時に、「ダミー!」と言う。

 

すると、ネプギアの指先から小さな塊が出たかと思うと急速に膨らんで、ネプギアに似た人の姿になる。

 

 

 【ダミー】は見ての通りのネプギアの偽物の風船である。

 

よく見ると違うのだが、距離があったり視界が悪いと攪乱されてしまう。しかも爆薬が入っているので、迂闊に接近戦をするとダメージを受ける。

 

 

「馬鹿にしおって! 殺してやるぅ!」

 

 

 ダゴンのヘイトは、完全にダミーをばら撒くネプギアに対して向かったようで、ネプギアだけを追い回している。

 

 

「ナイスヘイトコントロールよ、ネプギア」

 

 

 ユニがウィンクしながら言うと、「わたし達はガンガン攻撃してネプギアを援護しちゃおう」とラムが楽しそうに言い、「ネプギアちゃんの回復は、わたしに任せて」とロムはネプギアの後ろに付く為にネプギアの居る方に向かって行く。

 

ユニはエクスマルチブラスターを構えると、「撃って撃って撃ちまくるわ」と言うと、ラムもM.P.E.Mを構えて「極大魔法をお見舞いしてやるわ」とネプギアを追い回すダゴンに対して集中攻撃を掛ける。

 

ダゴンのヘイトを集めたネプギアはダゴンの攻撃を捌きつつ、自分とロムで減ったHPを回復しながら隙があったら攻撃するという、タンクの役割を果たしつつ、アタッカーのユニとラムも激しい攻撃をダゴンに浴びせていた。

 

タンク、ヒーラー、アタッカーのセオリー通りの必勝パターンだ。

 

しかし、ネプギアは妙な胸騒ぎを感じていた。

 

 

(これだけ攻撃しているのに、まだ倒れない……私達が押している筈なのに、なに? この不安感は?)

 

 

 ネプギアはそう思いながらも防御と攻撃を繰り返す。

 

ダゴンは女神化したネプギア達の強力な攻撃を何度も浴びせて、高いダメージも出しているのに倒れる気配を見せない。

 

 

「クククク……」

 

 

 そこにダゴンは不気味な笑い声を上げる。

 

怒りも多少は収まったようだ。

 

 

「何が可笑しいんですか?」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「これでネタ切れが? なかなか面白いお遊戯だったが、これで我と貴様等の力の差が埋まると思ったのか」とダゴンが言う。

 

それと、同時にネプギアの頭にNギアからの機械音声が聞こえてくる。

 

 

「エマージェンシー! エマージェンシー! エネミーのHP測定不能です。撤退を提案します」

 

 

 Nギアからの警告に、ネプギアは「えっ……」と思わず声を漏らしてしまう。

 

 

「その小細工がいつまで通用するか、じっくりと嬲って確かめてやる!」

 

 

 ダゴンがいやらしい笑みを浮かべると、口から鉄砲水を吐く。

 

 

「くっ!」

 

 

 ネプギアはとっさに左手の魔法陣で防御するが、反応が少し遅れたのかジャストガードにはならず1315のダメージを受けてしまう。

 

 

「どうしたの? 反応が鈍いわよ!」

 

 

 ユニが叱りつけるようにそう言うと、ネプギアは仲間の戦意が落ちるかもしれないが意を決して、「敵のHP測定不能。倒せるかどうかもわからないよ」と仲間達に伝える。

 

 

「えっ!」

 

 

 ロムは不安そうに声を上げる。

 

 

「ふっふっふっ……ようやく気付いたか。貴様等の攻撃はなかなか効いたが、我を倒すには足りぬ。戦いは力だ、圧倒的な力の前に小細工など無意味」

 

 

 ダゴンは優越感に満ちた声で言い放つが、「だからなに? 尻尾を巻いて逃げるの?」とユニがネプギアに向けて叫ぶと、「ううん! 諦めない。私達が人魚を守るんだから!」とネプギアがハッキリ答える。

 

 

「それでこそ、わたし達のリーダーよ」

 

 

 ラムが嬉しそうに頷くと、「そうだね、わたしも頑張る」とロムも気を取り直して頷くと、「なおしてあげる!」と魔法を使ってネプギアのHPを全快させる。

 

 

(そう、やらなきゃ。HPを回復している様子もないし、それなら私達の全力を叩き込むだけ!)

 

 

 ネプギアはダゴンがHPを回復している訳ではないので、攻撃をし続ければ倒せると信じて、「私達は負けません!」と叫ぶ。

 

 

「ふん……その強がりがいつまでもつかな」

 

 

 しかし、ダゴンは余裕の態度を崩さない。

 

 

「それはどうかしら!」

 

 

 ユニがエクスマルチブラスターを構えると、「ウィークネスバレット!」と言ってダゴンに向けて弾を放つ。

 

ダゴンの胸に弾が当たり、当たった部分に赤い模様が現れる。

 

 

「M.P.E.Mオーバードライブ!!」

 

 

 それと同時にラムが叫ぶとM.P.E.Mがピンク色に発光する。

 

リミッター解除で通常よりMPを多く消費して魔法の威力を上げる機能だ。

 

 

「電撃よ、我が手に宿り敵を滅ぼせ! これでも食らいなさい! サンダーボルト!!」

 

 

 ラムの杖から先程よりも巨大な電撃の束が放たれ、ダゴンの胸に命中すると123519のダメージが当たる。

 

 

「M.P.B.Lオーバードライブ!!」

 

 

 今度はネプギアがM.P.B.Lを構えるとM.P.B.Lが薄紫色に発光し、銃口に巨大なエネルギーが溜まる。

 

ラムのM.P.E.M同様のリミッター解除機能である。

 

 

「サンダービーム!!」

 

 

 ネプギアが叫ぶとスパークを纏った巨大なビームがダゴンの胸に当たり98215のダメージを与える。

 

 

「エクスマルチブラスター、モードエンプレス!」

 

 

 続けてユニが叫ぶとエクスマルチブラスターが赤く発光する。

 

これもリミッター解除機能でエクスマルチブラスターの出力を上げることができる。

 

ネプギアのM.P.B.Lと同じく銃口に大量のエネルギーが集まる。

 

 

「サンダービームシュート!!」

 

 

 ユニはネプギアと同じようにスパークを纏った巨大なビームを、ダゴンの胸に当てると108948のダメージが出る。

 

 

「これでどうですか!」

 

 

 ネプギアは強気な声で言うが、「フハハハハハ! 女神と言うだけのことはあるが、こんなモノで我が倒せるものか!」とダゴンは笑うと手の水かきでネプギアを斬りつけてくる。

 

 

「くっ!」

 

 

 ネプギアは左手の魔法陣でジャストガードをして、ダメージを781に抑えるが、「それそれそれ!」とダゴンは両手の水かきを使って連続でネプギアを斬りつけてくる。

 

 

「ううぅぅっ!」

 

 

 ネプギアは左手の魔法陣で耐えているが、HPがじわじわと減少していく、「ネプギアちゃん」とロムが回復魔法の発動をしようとするが、「させるか!」とダゴンは口から鉄砲水を放つ。

 

 

「あうっ!」

 

 

 魔法発動中の為に動けなかったロムは直撃を受けて吹き飛ばされると、987ダメージを受けHPゲージが二割になってしまう。

 

 

「これで終わりだぁ!」

 

 

 ダゴンはネプギアへのラッシュを更に速めると、ネプギアHPがあっという間に三割のところまで減ってしまう。

 

 

「くうっ!」

 

 

 ネプギアの体が薄紫色に光りガッツの発動により、HPの減少は緩やかになったが、ダゴンのラッシュは止まらない。

 

 

「回復弾!」

 

「ラムちゃん式ヒール!」

 

 

 ユニが弾を放つと同時にラムも回復魔法を使い、ネプギアのHPが一気に七割のところまで回復する。

 

 

「ちっ! 貴様等も回復ができるのか!」

 

 

 ダゴンは舌打ちをするが、「だが、焼け石に水よ!」とラッシュを続けるが、「見切りました!」とネプギアが叫ぶ。

 

同時に左手の魔法陣で迫り来るダゴンの右手の水かきを華麗に弾くと、guardの表示が出る。

 

パーフェクトなジャストガードである。

 

 

「くっ!」

 

 

 ダゴンは負けずに左手を振り下ろすが、今度は右手のM.P.B.Lのブレード部分をタイミング良く水かきに当たると、ダゴンの左手が受け流されparryの表示が出る。

 

 

「なにっ!」

 

 

 両手の攻撃を防がれたダゴンは無防備になり、同時に「Gビット!!」とネプギアが叫ぶと、六基のGビットがネプギアの周囲に現れて、ダゴンの胸に向かっていく。

 

 

ズキューンズキューンズキューン!

 

 

 Gビットの連続ビームがダゴンの胸に当たると、ウィークネスバレットとカウンターの効果で、135219のダメージが出る。

 

 

「まだ終わりじゃないわよ! ハイグレネード!」

 

 

 ユニがエクスマルチブラスターを構えると、巨大な実弾がダゴンの胸に当たり、82589ダメージを与える。

 

 

「電撃よ、我が手に宿り敵を滅ぼせ! これはオマケよ! サンダーボルト!!」

 

 

 ラムが叫ぶと巨大な電撃がダゴンの胸に当たり、95945ダメージが当たる。

 

 

「……光と風の祝福を受けた癒しの風よ……みんなの傷を治して……なおしてあげる!」

 

 

 攻撃から立ち直ったロムが回復魔法を唱えると、範囲内のネプギアとロムのHPが同時に全快する。

 

 

「ナイスコンビネーション!」

 

 

 ユニがそう言って指をパチンと鳴らすと、「これぐらい余裕よ!」とラムがVサインを決め、「バッチリ」ロムもVサインを決め、「みんなのおかげだよ」とネプギアが嬉しそうに言う。

 

 

「ぬうぅぅぅ!」

 

 

 ダゴン唸り声を上げると同時に、胸のウィークネスバレットの模様が消える。

 

ウィークネスバレットの効果も制限時間があり一定時間を過ぎると効果を失う。

 

 

「無駄だ、無駄だ、無駄だ! 貴様らがいくらあがこうが我には敵わぬ!」

 

 

 ダゴンが叫ぶと、「徒労の斧って言われようが、わたし達は負けないわ」とラムが叫ぶと、「Oh No!」とネプギアがネイティブな英語で叫ぶ。

 

 

 辺りが凍り付き、【ひゅるる~】と寒い風が吹く。

 

 

「こんな時に何フザけてるのよ!!」

 

 

 ユニが大声でネプギアを叱りつけると、「それと、徒労じゃなくて、蟷螂の斧!!」とラムに向かって叫ぶ。

 

 

「ご、ごめん、つい……」

 

 

 ネプギアが慌てて謝ると、「つい、じゃないわよ!」とユニが憤慨する。

 

 

「くすくす……斧がオーノーだって、ネプギアちゃん面白い」

 

 

 ロムがクスクスと笑うと、ラムが楽しそうに「おぅ、のー」と言うと、「きゃはは」と笑う。

 

 

「コケにしおって!」

 

 

 馬鹿にされたと思ったダゴンが怒りの形相で口から鉄砲水を連射する。

 

 

「はっ!」

 

 

 ネプギアは素早く上昇と横移動を駆使して全ての鉄砲水を回避するとavoidの表示が出る。

 

 

「アンタみたいな力押しだけの相手に負けるもんですか!」

 

 

 ユニがその隙に二発目のウィークネスバレットを放ち、今度はダゴンの頭に命中する。

 

 

「みんな、行くよ!」

 

 

 ネプギアが叫ぶと、ユニとラムが先程と同じように集中攻撃の態勢をとり、ロムは回復魔法を唱えて待機する。

 

 

「くそっ! しつこい奴らめ、いくらやっても無駄だと言うことを教えてやる」

 

 

 ダゴンが腕を横に振って津波を起こすと、ネプギアが急上昇でそれを避けavoidの表示が出ると、「私達は負けません。みんなを守る為に」と言ってダゴンの頭を雷を纏ったM.P.B.Lで急下降して突き刺すと73451ダメージを与える。

 

ユニもラムもネプギアに続いて攻撃を放つと、合計で15万以上のダメージが当たる。

 

 

 

***

 

 

 

「現在の総ダメージ421万5891。依然にしてエネミーは健在、最大HPは未だ不明です」

 

 

ネプギアの耳にNギアからの電子音声が聞こえる。

 

 

「はあっ……はあっ……」

 

 

 ネプギアは苦しそうに激しいに呼吸をしていた。

 

プロセッサユニットも半壊して、着ているスーツも所々破れている。

 

 

「フフフ……もう限界か?」

 

 

 ダゴンがニヤリと笑うと、「まだです! まだ終わりじゃありません」とネプギアが叫び声を上げるが、同時に右膝がガクンと折折れてしまうと、「くっ……」と悔しそうな声を上げる。

 

後ろに居るユニも辛そうに息を荒げ、ロムとラムも杖にしがみついてようやく立っている状態だ。ネプギア程ではないがプロセッサユニットも大分傷ついている。

 

 

 ネプギア達はダゴンと一時間以上戦っているが、いくらダメージ与えてもダゴンは倒れる気配を見せない。

 

彼女達はHPもMPもスタミナも尽きかけ、回復アイテムも無くなろうとしていた。

 

 

「雑魚にしては良くやった方だがな。安心しろ殺しはせぬ、たっぷりと嬲って楽しんだ後に、深きものどもの苗床にしてやろう。お前等のような強い母体なら、いい駒が生まれるだろう。そしてその駒でお前等の国を蹂躙してやる」

 

 

 ダゴンが脅すように言うが、「そんなことはさせません!」とネプギアは脅しに負けずに立ち上がると、ダゴンに向けてM.P.B.Lのビームを放つ。

 

ビームはダゴンに当たり、40125のダメージが当たると、「そうよ! アタシ達は負けないわ」とユニがエクスマルチブラスターを構えるとビームを放つとダゴンに当たり43586ダメージを与える。

 

 

「まだ抵抗するのか? 無駄なことを」

 

 

 ダゴンはそう言うと、右手の水かきでネプギアを斬りつける。

 

 

「あうっ!」

 

 

 ネプギアは1354ダメージを受けるとHPが二割まで低下してしまうが、「ネプギアちゃん、負けないで」とロムが懸命に回復魔法を唱えるとHPが八割まで回復する。

 

同時に、「これぐらいのことでヘコたれたりしないわ」とラムが雷の弾を放つと、ダゴンに当たり44251のダメージが当たる。

 

 

「……いい加減負けを認めたらどうだ?」

 

 

 ダゴンが呆れたように言うが、「負けません! 人魚を……ゲイムギョウ界を守る為に、私達は負けたりしません!」とネプギアが叫びM.P.B.Lでダゴンに斬りかかる。

 

ユニも、「まだよ! まだ終わりじゃないわ!」と言うと、ラムも、「絶対に負けないんだから!」と言って、諦めずに攻撃を続け、ロムも、「みんなはわたしが守る!」と必死に前衛のネプギアのバックアップをする。

 

 

「……女神様、会ったばかりの私達のためにあんなにボロボロになるまで戦って……」

 

 

 離れて見ていたシェリリは必死なネプギア達を祈るように見ながら、「私も何か……」と考え込むと、「そうだ!」と何か思いついたように水の中に潜る。

 

 

 

***

 

 

 

「いい加減に諦めろ、小娘共!」

 

 

 必死に抵抗するネプギア達に、業を煮やしたダゴンは怒り狂い、ネプギアを水かきで連続で斬りつけてくる。

 

 

「くぅぅぅぅ!」

 

 

 ネプギアはM.P.B.Lのブレード部分と左手の防御の魔方陣で攻撃を凌ぐが、「ばあっ!」とその最中に口から鉄砲水を吐くダゴン。

 

 

「きゃあああ!」

 

 

 2512ダメージを受けて吹き飛ばされるネプギアはHPが一割まで低下するが、「ちりょうだよ!」と即座に魔法の詠唱を終えて待機していたロムが回復する。

 

 

「ありが……とっ……」

 

 

 HPは回復したが、徐々に疲労が蓄積したネプギアは右膝が折れてしまう。「「ネプギア!」」ユニとラムが心配して声を掛けるが、ネプギアはなかなか立ち上がれない。

 

 

「ふぅふぅ……そろそろ限界のようだな、なかなか手こずらせてくれた」

 

 

 ダゴンは息を荒くしながら言うが、「まだ、まだです……人魚を守るために……」ネプギアは何とか立ち上がるが視界がぼやける。

 

 

「止めだぁ!」

 

 

 ダゴンが鉄砲水を吐く為に口を開く。

 

 

「くうっ……」

 

 

 身構えるネプギア、しかし体に力が入らない。

 

 

ドコーーーーン!

 

 

 突如ダゴンの口に大爆発が起きると4581のダメージが当たり、「ぐおおおっ!」悶え苦しむダゴン。

 

 

「なに? なにが起こったの?」

 

 

 ラムがそう言うと、「がすと特製のテラフラムですの」とがすとが空飛ぶホウキに跨って颯爽と現れる。

 

フラムとは錬金術の爆弾であり、テラフラムはその最上級と言われている。

 

 

「ギアちゃん、しっかりして下さい。気付けのお薬です」

 

「ネプギアお姉さん、しっかりして!」

 

「ネギちゃん、大丈夫!?」

 

 

 コンパとプラエとミクは十畳程の大きめの空飛ぶじゅうたんに乗って現れ、ネプギアをじゅうたんの上に載せるとネプギアに薬を飲ませる。

 

 

「コンパさん……がすとさん、それにみんなも……」

 

 

 ネプギアは薬を飲みながら辺りを見渡すと、仲間たちが空飛ぶホウキに乗って駆け付けて来た。

 

 

「みんな!」

 

 

 ラムは喜びの声を上げると、「まったく、行くなら私達に相談をして下さい。寿命が縮むかと思いました」とイストワールがお説教を言う。

 

 

「人間の技術は凄いものね。ホウキやじゅうたんが空を飛ぶとは思わなかったわ」

 

 

 ビィトリットが乗っているホウキを見ながら感心をしている。

 

彼女があの後、イストワール達を呼びに行ったのだった。

 

 

「がすとの特製品ですの。料金は別途請求しますの」

 

 

 この空を飛ぶホウキはがすとの錬金術で作ったものだった。

 

 

「ちゃっかりしてるね」

 

 

 ファミ通はがすとの商魂に飽きれると、「この商魂は見習うべきだね」とビーシャが感心したように頷く。

 

 

「貴様ぁぁぁぁぁ! 人間ごときが!」

 

 

 ダゴンが怒り狂ってがすとに襲い掛かる。

 

しかし、がすとは空を飛ぶホウキを巧みに操りダゴンの攻撃を避ける。

 

 

「……敵の攻撃は……女神化しても防げません……ミクちゃん、回避率アップの歌を……くっ……」

 

 

 ネプギアが必死に言うと、「わかったよ。だからもう喋らないで!」とミクが答えると、回避率アップの歌を歌い始める。

 

 

「魔界粧・轟炎!」

 

 

 アイエフが炎の魔法をダゴンに浴びせると2274ダメージが当たり、「当たれ!」とゴッドイーターが銃型にした神機で弾を連射すると更に2584のダメージが当たる。

 

 

「一刀両断!」

 

 

 続いて、ファルコムはホウキに乗ってダゴンに接近すると強烈な縦切りをお見舞いし3112のダメージが当たると、「そりゃ!」とファミ通がエビでダゴンの頭を叩きつけると2447ダメージを与える。

 

 

「ニトロちゃん、こいつは!」

 

 

 生肉が真剣な声でニトロプラスに話しかけると、「みんな! コイツは邪神の手下よ気を付けて!」と言いながら、左手の拳銃を連射し2647のダメージを与える。

 

 

「邪神の手下? この前のヤツより大きいし強そうだけど?」

 

 

 ビーシャはそう言いながらバズーカ砲から弾を放つとダゴンに当たり、2874ダメージが当たる。「でも、手下ってことは、コイツは中ボスだね」と日本一がプリニーガンを連射すると、ダゴンに2347のダメージが当たる。

 

 

「貴様! 我を中ボスだと、許さ……」

 

「雷の記憶!」

 

 

 ダゴンが日本一を睨むと同時に、詠唱を終えたイストワールがダゴンに向けて、手から雷を放つと2647ダメージが当たる。

 

更に、「大人しくしなさい!」とビィトリットが矢を放つと2004のダメージが当たる。

 

 

「うおおおっ!」

 

 

 ダゴンは怒涛の連続攻撃にたまらず怯む。

 

イストワール達はホウキを巧みに操りながら、ダゴンを翻弄し、じわじわとダメージを与え続ける。

 

 

「みなさん、しっかりして下さい~」

 

「コンパさん、焦らないで。プラエが時間速くしてるから大丈夫」

 

 

 その後方では、プラエとプラエに時間を速くしてもらったコンパが、じゅうたんの上で女神候補生の治療をしていた。

 

 

 

***

 

 

 

 アイエフ達は、暫くの間はヒットアンドアウェイで優勢に戦いを進めていたが、「調子に乗るなぁぁぁぁぁ!」とダゴンが大声で叫ぶと 両手を高く上げる。

 

 

「なにか来る! 気を付けて!」

 

 

 ファルコムが仲間達に警告をするが、「もう遅い。海の藻屑に変えてやるわ!」と言いながら、上げた両手を勢いよく海面に叩きつける。

 

すると、ダゴンの周囲に300m以上の巨大な水柱が何本も巻き上がる。

 

 

「うわっ!? なにこれ!」

 

 

 日本一が驚き、「避けられませんの!」とがすとが叫ぶ。

 

がすとの言う通り、上昇しても水柱は高すぎて上空に逃げれれない上に、ホウキの移動速度より早く渦巻のように外回りに回転して迫ってくるので逃げ道が無い。

 

 

「「「「きゃあああああああ!」」」」

 

 

 水柱がネプギア達を含むメンバー全員を薙ぎ払う。

 

ネプギア達は全員1500近いダメージを受けると、弾き飛ばされて海に沈んでしまう。

 

 

「ふぅふぅふぅ……この技を使わせるとはなかなかだった」

 

 

 ダゴンは肩で息をしながら言う。

 

かなり消耗の激しい技のようだった。

 

 

「……ハイ、ヒール」

 

 

 しかし、ネプギアは海から浮かび上がると自分に回復魔法を使う。

 

ネプギアのHPが五割近くまで回復する。

 

 

「ぬぅぅぅ……」

 

 

 ダゴンはその姿を忌々しそうに見つめる。

 

自慢の技を受けて、なおも立ち上がるネプギアの姿が癪に障ったようだった。

 

 

「今度こそ八つ裂きにしてくれるわ!」

 

 

 ダゴンはネプギアに襲い掛かると右腕を振り上げて、水かきでネプギアを斬りつけようとする。

 

 

ザシュッ!

 

 

 ダゴンの水かきがネプギアを切り裂く。

 

 

impossible

 

 

 しかし、ネプギアに対してダメージではなく、impossibleの表示が出る。

 

 

「イン……ポッシブル……だと?」

 

 

 ダゴンが驚愕の表情を浮かべる。

 

impossibleとは不可能を意味し、ネプギアにダメージを与えることは不可能と示しているのだ。

 

 

「これは……」

 

 

 ネプギアも困惑の表情を浮かべるが、直ぐに気を取り直すと、「M.P.B.L」と叫ぶ。

 

三発のビームがダゴンに当たり、40158のダメージを与える。

 

 

「何者だ、貴様?」

 

 

 ダゴンは、今度は鉄砲水吐くと、ネプギアはそれを左手の魔法陣で防御し831のダメージを受ける。

 

 

「今度はダメージを受けた……」

 

 

 ネプギアはそう言うとHPが二割まで低下する。

 

 

「さっきのは、バグだったの?」

 

 

 ネプギアが不思議そうに呟く。

 

【バグ】とはコンピュータプログラムの誤りや欠陥を表し、ゲイムギョウ界で不可思議なことが起こるのは、大抵これが原因になる。

 

 

(それとも、この前覚えた新スキル?)

 

 

 ネプギアがそこまで考えると、彼女の体が薄紫色の光に包まれる。

 

ガッツが発動したのだ。

 

 

「とにかく、今は戦わなきゃ!」

 

 

 ネプギアは態勢を立て直し、M.P.B.Lでダゴンを斬り付けると、ガッツ補正でクリティカルヒットが出て68915のダメージを与える。

 

 

「ちっ……」

 

 

 ダゴンは舌打ちすると、飛び魚のように跳ねてネプギアに体当たりをするが、今度はimpossibleの表示が出る。

 

 

「ぬぅぅぅ!」

 

 

 ダゴンは恨めしそうな唸り声を出すと同時に、「たあっ!」とネプギアが素早く反撃をして49821のダメージを与える。

 

ネプギアとダゴンの攻防は続くが、ネプギアに対しての攻撃は約五割の確率でimpossibleの表示が出てダメージを受けずにいた。

 

ネプギアはそれを活かしつつ、ガッツの発動するHPを三割前後に維持して戦い続けていた。

 

 

「くそっ……よく分からん、何なのだ、これは?」

 

 

 ダゴンは困惑の表情を浮かべるが、直ぐに、「しかし、この程度では我の勝利は揺るがなぬわ」と余裕の声を出す。

 

ダゴンの言う通り、ネプギアはコンパの治療は受けたとは言え、かなりボロボロでHPこそは回復しているが、回復する為のMPも残り少なく、更に疲労でスタミナの上限がかなり減っており、動きが鈍くなっていた。

 

 

(確かにこのままじゃ、埒が明かない……相手のHPもまだ分からないし、何より海に落ちたみんなが心配だよ……)

 

 

ネプギアがそう思っていると、「せいぜい無駄なあがきを続けるがいい!」とダゴンが右腕を振り上げてネプギアを切り裂こうとする。

 

 

(避けきれない)

 

 

 スタミナの減少で動きの鈍ったネプギアは、ダゴンの攻撃を避けられず、「くっ!」と何とか防御をするが605ダメージを受けて、HPが残り一割を切ってしまい、ネプギアは両膝を折って動きが止まってしまう。

 

ネプギアは、(足っ……動いて、私の足)と必死に立ち上がろうとするが、疲労が溜まり過ぎて立つことが出来ない。

 

 

「ようやく、大人しくなったな。ただでは殺さんぞ。嬲りつくし、絶望させSAN値を搾り取ってやる」

 

 

 ダゴンがゲスびた笑いをしながら、悠然とネプギアに近づき、右手で乱暴にネプギアを鷲掴みにすると、「ぐうっ!?」とネプギアが苦しそうな声を上げる。

 

M.P.B.Lもバキバキと音を立てて壊れてしまう。

 

 

「グフフフ……このような綺麗な生娘が穢れに穢れて、狂っていく様はなかなか興があるな」

 

 

 ダゴンがそう言うと、ネプギアの顔に生臭い息が掛かる。

 

 

(酷い臭い……頭がクラクラする)

 

 

 ネプギアが顔をしかめると、ダゴンが笑いながら、「息ぐらいで苦しんでどうする? お前はこれから延々と地獄の苦しみを味わうというのに」と言いながら、ネプギアを握る強さを強める。

 

 

「あっ、ああああああああ!!」

 

 

 体中が激しく圧迫されたネプギアが悲鳴を上げると、「ん~~! いい声だ」とダゴンが満足そうにニヤけ、握る力を弱める。

 

 

「はぁはぁはぁはぁ……」

 

 

 圧迫される力が弱まったネプギアは必死に息をしながらも、「みんなを助けなきゃ……人魚を守らなきゃ……」と呟きながら、両手に力を入れてダゴンの手から逃れようとする。

 

ダゴンはネプギアが必死の抵抗を子供が虫をいたぶるような視線で眺めると、「くくく、いいぞ。あがけあがけ」といやらしい笑いを浮かべると、「ほぉ~れ」と再び握る力を強める。

 

 

「く、くぁぁぁっぁっぁあああ……!?」

 

 

 苦しそうに悲鳴を上げるネプギア。

 

ネプギアは強く握られながらも、うわ言のように、「……まだ……負けちゃダメ……守ら……なきゃ……」と言いながら、力を振り絞りダゴンから逃れようとする。

 

ダゴンはそんなネプギアをニヤリと笑って見ながら、「その心がどのように折れるか見ものだな」と言うと、「いい玩具が手に入った。たっぷりと楽しませてもらうぞ」と続けて言う。

 

同時にネプギアはカクンと俯いて気絶してしまう。

 

ダゴンは、「グフフフ……」と笑い、「これぐらいで気絶するとはな。これからじっくりと調教して、ちょっとのことでは気を失わないようにしてやる」と言い、「後は海に落ちた連中も回収して、たっぷりと嬲り殺しにしてやろう」と海の中に潜ろうとするが、ダゴンの後方で、海面に猛烈な嵐が吹き荒れる。

 

嵐を起こした正体は紫色の光だった。

 

紫色の光は、海を真っ二つに割り、海の中に潜ろうとしているダゴンの背中に一瞬で接近する。

 

 

「ヴィクトリースラッシュ!!」

 

 

 紫色の光が叫ぶと、V字型の光がダゴンの右手を斬り裂く。

 

ダゴンが紫色の光に気付いた時には、既にダゴンの右手はVの字に斬り裂かれていた。

 

 

「ぐああああああああああ!!」

 

 

 ハイドアタックを受けたダゴンは92584ダメージを受け、大きな悲鳴を上げるが、紫色の光はそれに興味を示さず、悲鳴を上げたダゴンの手のひらから落ちたネプギアに凄まじいスピードで接近する。

 

紫色の光は落下するネプギアの真下に着くと急停止し、その姿が人型であることが分かる。

 

その人物は落ちてくるネプギアを優しく、お姫様だっこで抱きとめるとダゴンから離れる。

 

 

「んっ……」

 

 

 気が付いたネプギアがゆっくりと目を開けると、そこにはパープルハートに変身したネプテューヌの姿があった。

 

ネプギアが目をしばたかせると、「お姉ちゃん……」と、か細い声で呟く。

 

ネプテューヌはボロボロになった妹の姿を胸が締め付けられる想いで見ながら、「いーすんから連絡を受けて急いで来たのだけど、こんな酷い姿に」と怒りと悲しみでブルブルと震える。

 

ダゴンは勿論、妹の危機に間に合わなかった自分に対する怒りである。

 

ネプギアは弱々しく、「本当に、急いで来てくれたんだね……」と言うと、「口元にプリンが付いてるよ」と精一杯微笑む。

 

 

「えっ……」

 

 

 ネプテューヌは、驚きと恥ずかしさが入り混じった表情をする。

 

イストワールがビィトリットからダゴンの強さを聞いて、自分達だけでは危ないとネプテューヌに緊急連絡したのだが、その時ネプテューヌはプリンを食べていて、それを放り出してこちらに向かったのだ。

 

 

「今、拭いてあげるね」

 

 

 ネプギアがネプテューヌの口元を拭こうと右手を上げようとするが、右手はプルプルと震えるだけで上がる気配がなかった、ネプギアは「あれ……? 手が動かない……」と悲しそうに呟く。

 

ネプテューヌは妹の健気な姿に涙を堪える。

 

 

「貴様ああああああ!!」

 

 

 右手を深くV字に斬り裂かれたダゴンが怒りの形相でネプテューヌの背中を睨む。

 

 

「こんなに怒ったのは久しぶり……いえ、初めてかもしれないわね」

 

 

 ネプテューヌはゆっくりと振り返りダゴンを睨み返すと、左手でネプギアを抱えながら、右手一本で巨大な太刀を構える。

 

 

「殺してやるぅ!」

 

 

 ダゴンがネプテューヌに近づこうとすると、その途中で【ザシュッ!】と肉を斬る音が響くとダゴンに3474のダメージが当たる。

 

 

「がああああ!」

 

 

 ダゴンは右目を押えて苦しむ。

 

 

「なに?」

 

 

 ネプテューヌがダゴンをよく見ると、ダゴンの右目に三又の槍が突き刺さっていた。

 

 

「ネプギア、あなたの覚悟見せてもらったわ」

 

 

 ネプテューヌの左手に抱かれたネプギアが、声の聞こえて来た方向を見ると、三又の槍を投げてダゴンの目に刺したであろうルルドの姿があった。

 

 

「……ルルドさん……どうして?」

 

 

 ネプギアが、か細い声で尋ねると、「シェリリに呼ばれて来たのよ」とルルドが答える。

 

シェリリは人魚の仲間達を呼びに行ったのだった。

 

 

「大丈夫ですか、ビィトお姉さま」

 

「ありがとう、シェリリ」

 

 

 シェリリがビィトリットを救い出し海面から現れると、吹き飛ばされた他の仲間達も次々と人魚に救出されていた。

 

 

「ここに来るまでの間に、あなた達が人魚の為に必死に戦っているところしっかり見せてもらったわ、私達も一緒に戦うわ!」

 

 

 ルルドはネプギアにそう言うと、「さあ、みんなダゴンを倒すわよ!」叫び、同時に百人以上の人魚がダゴンに立ち向かって行く。

 

 

「ねぷねぷ~、ギアちゃんをこっちに~」

 

 

 突然の人魚の登場で呆然としていたネプテューヌの隣に、人魚に助けられて再び空飛ぶじゅうたんに乗ったコンパとプラエとミクが近づいてきた。

 

ネプテューヌはコンパにネプギアを託し、「ネプギアのこと頼んだわ」と言う。

 

ネプギアはネプテューヌに向けて右手を伸ばすと、「お姉ちゃん、データリンクを……」と呟く。

 

 

「ええ」

 

 

 ネプテューヌは短く返事をすると、両手でネプギアの右手を優しく包み込むように握り、「データリンク完了よ。後は任せて」と言い、もの凄い速度でダゴンに向けて一直線に飛んで行く。

 

コンパは呆然として、「あんな怒ってる、ねぷねぷ初めて見ました……」と呟く。

 

 

「下等生物が次々と!」

 

 

 ダゴンは人魚達を振り払うが、それでも次々と群がる人魚達に苦戦を強いられていた。

 

その隙に急接近したネプテューヌは、「死ねぇ!!!!!」と激しい怒りと憎悪と殺気の籠った叫びと共に斬撃をダゴンに食らわせる。

 

 

「ぬがああああ!?」

 

 

 人魚達に気を取られていた、ダゴンはネプテューヌの不意の一撃で89515ダメージを受ける。クリティカルヒットだ。

 

 

「くそっ!」

 

 

 ダゴンが右手の水かきでネプテューヌを斬りつけてくる、ネプテューヌは太刀を使ってダゴンの右手を弾くと、Parryの表示が出る。

 

右手を弾かれたダゴンが、「なにっ!」と驚きの表情を浮かべる。

 

 

「あなたの攻撃はネプギアが解析済みよ」

 

 

 ネプテューヌは、右手を弾かれて硬直中のダゴンの背後に一瞬で回り込むと、「超! ねぷねぷ乱舞!」と激しい斬撃のラッシュでダゴンの背中を切り刻む。

 

 

「うがあああ!」

 

 

 背後から切り刻まれたダゴンは、68951のダメージを受ける。

 

【超ねぷねぷ乱舞】とはネプテューヌの斬属性の連続攻撃。

 

変身前のネプテューヌの命名なので、少々フザけた名前だが、変身後でも同じ名前で使っている。

 

 

「ちいっ!」

 

 

 ダゴンは、今度は右手の裏拳で背後のネプテューヌを殴ろうとするが、「遅い!」とネプテューヌは急上昇すると、avoidの表示が出て、ネプテューヌは悠々とダゴンの右手の上に立つと、「スロー過ぎてあくびが出るわ」と余裕の表情を見せる。

 

 

「ヴィクトリースラッシュ!!」

 

 

 ネプテューヌは間髪入れずにダゴンの額に接近して、顔をVの字に切り刻むと、そのまま斬り抜ける。

 

 

「ぐおおおおおおお!?」

 

 

 顔面を切り刻まれたダゴンは、クリティカルヒットで91258ダメージを受けると両手で顔を押さえて苦しむ。

 

【ヴィクトリースラッシュ】先程も見せたネプテューヌの斬属性の剣技、V型に斬り裂き大ダメージを与える。

 

 

「あなたなど、ネプギアからデータを渡されたわたしの前ではただのHPの塊に過ぎないわ」

 

 

 ネプテューヌが太刀の切っ先をダゴンに向けてそう言うと、「ぐぬぅぅぅ……」とダゴンは悔しそうに顔を歪める。

 

ネプテューヌは近接攻撃力、特に刀による斬属性を得意とするアタッカー。

 

他にもスピードと技量と運と更に直感に優れており、命中、回避に優れる上にクリティカルヒットも出やすい。

 

アイエフのような技巧系のキャラに似ているが、斬属性の攻撃を極めた彼女の攻撃力は桁違いだ。

 

更に守護女神は女神候補生より女神化後のパラメーター補正が高い。

 

現時点では女神候補生の女神化がパラメーター補正三倍に対して、守護女神は四倍ものパラメーター補正がある。

 

半面、HPと防御力は並み程度の上に、元がネプテューヌなので学習能力が低く、時間を掛けて敵の攻撃を見切るのでなく、運動神経と直感の野生的な動きで対応しているのだ。

 

しかし、ネプギアからのデータリンクで、ネプギアの学習したダゴンの動きの情報を得たネプテューヌにとっては、ダゴンの攻撃に当たる要素は無く、彼女の言う通りHPの塊の的に過ぎない。

 

 

「ねぷねぷ流石です~」

 

 

 コンパがネプギアを治療しながら嬉しそうに言うと、「まったく、最初っから本気出しなさいよ」とアイエフが少し呆れたように言う。

 

 

「みんなが、寄生プレイでわたしのレベルを上げてくれたおかげよ」

 

 

 ネプテューヌが真顔で言うと、「いや、そういうことは言わなくていいから……」とアイエフが肩を落とし、「そういうところも、流石ねぷねぷですー」とコンパが嬉しそうに微笑む。

 

 

「あなたは、わたしを怒らせた。わたしの大切な妹を苦しめたあなたには死すら生ぬるいわ」

 

 

 ネプテューヌはそう言うと、太刀を構えてダゴンに向けて急接近する。

 

 

「ネプ子だけにいい格好させないわよ」

 

 

 アイエフはそう言いながら、ダゴンに向けてホウキで飛んで行くと、「治療が済んだ人から、戦闘に復帰してネプ子を援護して!」と仲間達に向けて指示をする。

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