新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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028水中戦

 ダゴンに叩き落されたネプテューヌとノワールは海の中を沈んで行く。

 

二人とも女神化が解けており、専用の武器もプロセッサユニットもポーチに自動で収納されていた。

 

 

(まったくもう、とんだ災難ね)

 

 

 意識を取り戻したノワールは態勢を立て直すと、左手でネプテューヌの右腕を掴んで海上に向けて上昇しようとする。 

 

しかし、その周囲には深きもの達の目が怪しく光る。

 

 

(そう簡単に行かせてはくれないか)

 

 

 敵の気配に気付いたノワールはポーチから人間状態用の武器である片手剣を取り出して右手で持つ。

 

 

(一、二、三……四匹、か)

 

 

 ノワールは冷静に深きもの達の数を数えると、(女神化が解けて服が重い上に数の上でも不利、しかも、息継ぎ出来なければアウト。これは何とかして海上まで逃げて女神化するしかないわね)と分析をする。

 

女神化のシークエンスを行うには海上に出て女神化のワードを言う必要があるので、女神化してから水中に潜ることは出来ても、水中で女神化は出来ないのだ。

 

 

 ノワールが状況分析をしている間に、ネプテューヌも意識を取り戻したようで、ネプテューヌが右腕を動かして態勢を整えようとすると、それに気付いたノワールは左手を離す。

 

 

(大丈夫?)

 

 

 ノワールはネプテューヌに向けて、左手の親指と人差し指で丸を作りハンドサインで大丈夫かと尋ねる。

 

 

(まだ、お腹痛い……)

 

 

 ネプテューヌは自分の意思を示すように、両手でバッテンを作ると左の脇腹を押さえる。

 

 

(知らないわよ)

 

 

 ノワールは呆れた顔をしながら肩をすくめると両腕を上に向け、呆れたと言うポーズをしながら、左右に首を振る。

 

 

(えー、ノワールの意地悪ー)

 

 

 ネプテューヌは不満一杯の表情で両手両足をバタバタ動かすが、途中でお腹が痛くなったらしく両手でお腹を押さえる。

 

そんなことをしている内に、深きもの達が近づいて来る。

 

 

(海上に逃げるわよ!)

 

 

 ノワールは慌てて左手の人差し指で上を指差すと、ネプテューヌも素直に頷く。

 

ネプテューヌもポーチから刀を取り出すと、それを右手に持ちながらノワールと一緒に海上目指して泳ぎ始める。

 

 

 しかし、海中での深きもの達の動きは非常に速く、更に着衣水泳という不利な状態のネプテューヌとノワールはあっという間に追いつかれてしまう。

 

 

(速い)

 

 

 ノワールは心の中で舌打ちしながら、右手の剣で近づいてきた深きもの達を追い払いつつも、上昇して行く。

 

 

(待ってよー、ノワール)

 

 

 ネプテューヌも刀で敵を追い払いつつ、ノワールの後を追って上昇していく。

 

 

 深きもの達の攻撃にじわじわとHPを減らしながらも、ネプテューヌとノワールは何とか光が届く海面に近づいて来た。

 

 

(よし、後もう少し)

 

 

 ノワールがそう思った瞬間にノワールの右足首が掴まれる。

 

 

(ここまで来て!)

 

 

 ノワールは悔しそうに後ろを振り向くが、足を掴んでいたのはネプテューヌであった。

 

 

(なにするのよ!)

 

 

 ノワールが怒りの表情でネプテューヌを睨むと、ネプテューヌは、両手を叩き、右手でピースサインをすると、次に右手で作った親指と人差し指で丸を右目に当てた後に、額に右手をかざして遠くを眺める仕草をする。

 

 

(ぱん、つー、まる、みえ……)

 

 

 ノワールが目を丸くしてポカーンとした表情でネプテューヌの意図を理解する。

 

確かにノワールのスカートは非常に短く、光が差してきて明るくなってきた状態でその後ろを泳いでいればパンチラどころかパンモロだ。

 

同じ女性としては指摘してあげなければいけないところだが、状況を弁えてほしいところである。

 

 

(こんな時になにやってるのよーーーー!)

 

 

 ノワールは激昂すると思わずネプテューヌの腹部に本気の蹴りを入れてしまう。

 

 

「ねぶぅ!?」

 

 

 蹴りを食らったネプテューヌは悲鳴と共に酸素を吐き出しながら沈んで行ってしまう。

 

 

(しまった、つい!)

 

 

 慌てて後を追うノワールだが、その周囲に深きもの達が集まってくる。

 

 

(万事休す……)

 

 

 ノワールは片手剣を構えて戦闘態勢を取るが、HPどころか酸素も無くなりそうな彼女の勝ちは目は薄い。

 

深きもの一匹がノワールに迫り、右手を振り上げる。

 

ノワールは何とか剣でそれを受け止めるが、背後から別の深きもののタックルを受けて、「がはっ……」と酸素を吐き出して沈んで行く。

 

 

 深きもの達がトドメを刺すべく、沈んで行く二人を追いかけて来る。

 

深きものの右手がノワールの胸元に伸びる。

 

 

(まさか、この私がこんなところで……)

 

 

 ノワールがそう思った瞬間、手を伸ばした深きものが横に吹き飛ばされる。

 

 

(え?)

 

 

 ノワールは何が起きたか分からず周囲を見渡すと、次々と深きもの達が吹き飛ばされていく。

 

次の瞬間ノワールは両手を掴まれて急上昇して行く。

 

 

「ぷはっ!」

 

 

 上昇して海上まで上がったノワールは大きく息を吐き出すと、「ぜぃぜぃ……」と荒い呼吸をする。

 

彼女の体はそのまま上昇して行き、海面近くの空中で停止する。

 

かなり流されたのか、遥か遠くにダゴンの姿が薄っすらと見える。

 

ノワールの両手は二人の人型のモノ掴まれていた。

 

右手にはピッチリと肌に密着したSFようなスーツを着て、頭には同じくSFでかぶるようなバイザー付きのフルヘルメットを身に着けていた。

 

左手の人物も同じ格好をしているが、右側の人物は全体的に白いスーツに水色の模様が入っており、左の人物は白いスーツにピンクの模様が入っていた。

 

ノワールは目を瞬かせて二人を見ると、二人の背格好に見覚えがあった。

 

 

「もしかして、ロムとラム?」

 

 

 ノワールが質問すると、二人のヘルメットのバイザーが上にスライドして、女神化したロムとラムの顔が現れる。

 

ノワールの右手を持っているのがロムで、左手を持っているのがラムだった。

 

 

「ノワールさん、危機一髪」

 

 

 ロムが安心したように言うと、「いえーい、わたし達お手柄ね」とラムが嬉しそうに笑う。

 

 

「あ、ありがとう……」

 

 

 ノワールはあまり状況を掴めていないが、とりあえずお礼を言うと、「そうだ! ネプテューヌ、ネプテューヌがまだ海の中にいるのよ!」と叫ぶ。

 

 

「それなら大丈夫だよ」

 

 

 ロムが落ち着いて言うと、同時に海面が盛り上がり、ロムとラムと同じようなスーツとヘルメットを身に着けた人物がネプテューヌを両手で抱えて引き上げて来る。

 

ロムとラムと同じように白いスーツに薄紫色の模様が入っている。

 

 

「ネプギア、大丈夫だった?」

 

 

 ラムがネプテューヌを引き上げた人物に尋ねると、その人物のバイザーが開き女神化したネプギアの顔が現れ、「うん、何とか間に合ったみたい」と微笑む。

 

 

「ぶはっ!」

 

 

 同時にネプテューヌが盛大に息を吐き出すと、「ぜーはーぜーはー……」と呼吸をすると、「危うく、どざえもんになるところだったよー」と安堵の声を上げる。

 

 

「あなたの所為で死にかけたわ!」

 

 

 ノワールがネプテューヌを睨みながら言うと、「えー? 折角の感動の再開だよ。もっと喜びを分かち合おうよー。ほら、ハグとかしてさ」とネプテューヌが両手を広げてハグのようなポーズを取る。

 

 

「それに、迷惑掛けたのはお互い様と言うことで……」

 

 

 ネプテューヌがそこまで言うと、「どこがお互い様なのよ! 一から十まで、100%あなたの所為よ!!」とノワールが叫ぶ。

 

 

「えっと、お姉ちゃんが何かご迷惑をお掛けしましたか?」

 

 

 ネプギアが申し訳なさそうに尋ねると、「あなたも、その子のことちゃんと躾ときなさい!」とノワールがネプギアを怒鳴りつける。

 

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 

 ネプギアは慌てて謝ると、「お姉ちゃん、何があったの?」と小声でネプテューヌに尋ねるが、「うーん、酸欠したノワールが錯乱して逆ギレしてるんじゃないかな? 大きな星が点いたり消えたりしてるって感じ?」とネプテューヌは悪びれもなく答える。

 

 

「どこをどうすれば、そういう解釈ができるのよ!! 大体あなたは……」

 

 

 ノワールが顔を真っ赤にしてそこまで怒鳴ると同時に海面が盛り上がり、ネプギア達と同じスーツを着た人物か上昇してくる。

 

スーツの色は黒で、シルバーの模様が入っていた。

 

その人物がバイザーを開けると、女神化したユニの顔が現れる。

 

 

「目標殲滅、ミッションコンプリートよ」

 

 

 ユニが自信満々に言い放つ。

 

ノワール達を襲った深きもの達はユニが倒してくれたのだ。

 

 

「ユニ……」

 

 

 ユニを見たノワールはバツが悪そうに口を閉じる。

 

妹の前でみっともない口論をする姿を見せたくはないのだろう。

 

 

「こほん……」

 

 

 ノワールは軽く咳払いをして冷静さを取り戻すと、「助かったわ。ところで、あなた達のその恰好は?」とネプギア達に質問をする。

 

 

「わたしが開発した水陸両用のプロセッサユニットです」

 

 

 ネプギアが質問に答えると、ノワールはネプギア達をしげしげと見つめる。

 

今まで気が付かなかったが、ネプギア達の周囲にはプロセッサユニットが浮いていた。

 

 

「おおう、女神候補生水泳部ってヤツ?」

 

 

 ネプテューヌが感心したように言うと、「でもさ、水陸両用なら、爪とか付けてカニとかタガメっぽくした方が良くない?」と言うが、「そんなデザイン嫌よ……」と ノワールが呆れたように言う。

 

 

「お姉ちゃん達に火計しようとして海の中を潜って来たんだけど、ネプギアが流されてる人がいる気がするって言うから寄り道してみたら、ネプテューヌちゃんとノワールさんがピンチだったから助けたのよ」

 

 

 ラムが今までの経緯を説明をするが、「火計じゃなくて、加勢だよ」とネプギア言うと、「燃やしてどうするのよ」とユニが呆れる

 

 

「流されてる人がいる気がするって……そんな勘みたいなもので見つけられたの?」

 

 

 ノワールが不思議そうに言うと、「そこは、わたしとネプギアの姉妹ホットラインが繋がってるからだよ。つまり、わたしのおかげ!」とネプテューヌがドヤ顔を決める。

 

 

「そうじゃなくて」

 

 

 ネプギアがあっさり否定すると、「がくっ」とネプテューヌが肩を落とし、「目の前に何か文字が見えたと思ったら、見えたんです、誰かが流されている姿が……私も不思議だったんですけど」とネプギアが説明を続ける。

 

 

「もー、ネプギアは気が利かないなー。ここはお姉ちゃんに華を持たせるべきでしょ」

 

 

 ネプテューヌは不満そうに口を尖らせるが、「ごめんね。でも、本当のこと言った方がいいと思うし」とネプギア申し訳なさそうに答える。

 

 

「お姉ちゃんとベールさんは?」

 

 

 ロムが心配そうに尋ねると、「そうだ! まだ戦いは終わってないのよ!」とノワールが叫ぶが、「ま、大丈夫なんじゃないの? もう詰んだも同然だったし」とネプテューヌが気楽に言う。

 

 

「詰んだも同然なのに、何で溺れてたの?」

 

 

 ネプギアが不思議そうに尋ねると、「ネプテューヌが大ポカしたからよ!」とノワールが不満そうに叫ぶと、「えぇ~? そんなにわたしが悪いー?」とネプテューヌが不思議そうに首を傾げるが、「悪いわよ!」とノワールが更に大きな声で叫ぶ。

 

 

「大体、あなたがポーチにお菓子詰め込んで、食べ過ぎで腹痛なんて起こさなければ今頃あんな奴倒せてたのよ! しかも、死ぬか生きるかの状態でパンツ丸見えとかどうでもいいから!!」

 

 

 ノワールが早口でまくし立てると、「うわっ、パンツ丸見えがいいとか、ノワールって露出狂?」とネプテューヌがドン引きな声で言うが、「何でそこだけピックアップするのよ!」とノワールが怒鳴る。

 

既に妹の手前という思考は隅に追いやられたようだ。

 

 

「お姉ちゃん……」

 

 

 話を聞いていたネプギアが顔を曇らせると、「そういうことだから、ネプテューヌの躾はもっと厳しく……」ノワールがそこまで言いかけると、「大丈夫? 今、胃腸薬出すね」とネプギアが心配そうに言う。

 

 

「ガクッ……」

 

 

 ノワールが盛大に脱力して肩を落とすと、ネプギアはネプテューヌを左の小脇に抱えながら、器用に粉状の胃腸薬と水を取り出して、「ちょっと苦いけど、我慢してゴックンしてね」と優しい声でネプテューヌの口に胃腸薬を流し込むと水を飲ませる。

 

 

「うわ~~、苦ーい」

 

 

 ネプテューヌが嫌そうな顔をすると、「よくがんばったね。後でプリン買ってきてあげるから」とネプギアが微笑むが、「えー? 今すぐがいいー」とネプテューヌが不満そうに言う。

 

 

「いい加減にしなさいっっっっ!!!!」

 

 

 ノワールが怒鳴ると、「ひゃう!?」とネプギアが驚いた声を上げ、「大体、あなた達姉妹は……」とノワールは十数分ほど早口でお説教を始めてしまう。

 

 

***

 

 

 説教を終えたノワールが、「ぜぃぜぃ……」と早口で喋り過ぎた所為で息を荒くしていると、「お姉ちゃん、水」とユニがペットボトルを取り出してノワールに渡す。

 

 

「えー? プラネテューヌでは、ポーチにおやつ入れていいの~?」

 

 

 ノワールの説教で、先程の戦いのいきさつを知ったラムが羨ましそうに言うと、「ずるい」とロムも不満そうに言うが、「いや、ネプギアとネプテューヌさんがおかしいだけで、普通は入れないから」とユニが説明する。

 

 

「お姉ちゃん、おやつは300クレジットまでって言ったでしょ」

 

 

 ネプギアがやや厳しい声でネプテューヌを叱ると、「だって、300クレジットじゃ少ないよー」とネプテューヌが不満そうに言う。

 

 

「バナナがおやつに入れなくていいから、我慢しよ。ね?」

 

 

 ネプギアは子供を言い聞かせるように優しくネプテューヌに言うが、「バナナがおやつに入らないなら、卵も砂糖も牛乳もおやつに入らないから、プリンもおやつに入らないじゃないのー?」とネプテューヌが抗議をする。

 

 

「……そう言えば、前にお姉ちゃん達が悪堕ちした時に、ネプテューヌさんがネプギアに、【わたしに指図ばかりする】って言ってたけど、それってこのこと?」

 

 

 ユニが思い出したかのように言うと、「「ええ~~」」とロムとラムがありえない物を見るような目でネプテューヌを見つめる。

 

 

「他にもあるよ! 仕事しなさいとか、ゲームは適度に休憩しなさいとか、食べ過ぎはよくないとか、お風呂は肩まで浸かって百数えるとか、寝る前に歯を磨きなさいとか、寝落ちしないでパジャマに着替えて寝なさいとか、靴下が裏返しとか、他には……」

 

 

 ネプテューヌは必死に言い訳をするが、言えば言うほどロムとラムの視線が冷たくなって来て、「それ、ほとんど当たり前のことですよ」と更にユニが冷たい声で言い放つ。

 

 

「あなた、こんなことでネプテューヌに絞め殺されそうになったの……?」

 

 

 ノワールが憐れむような視線でネプギアを見つめると、「あはは……」とネプギアは苦笑いをする。

 

 

「ネプテューヌちゃん、そーゆーの逆ウナギって言うのよ」

 

 

 ラムが呆れたように言うと、「ネプギアちゃんは悪くない」とロムが続くが、「それは同意だけど、ウナギじゃなくて、恨みね」とユニが訂正を入れる。

 

 

「そ、そんなことより! ブランとベールを助けに行こうよ! 二人ともわたしが居なくてきっとピンチだよ!」

 

 

 風当りが強くなってしまったネプテューヌはそう叫ぶと、素早く変身して逃げるように飛び去ってしまうが、「お姉ちゃん、そっちは逆方向!」とネプギアに呼び止められて、しぶしぶ帰って来る。

 

 

***

 

 

「はぁはぁはぁ……」

 

 

 ベールが荒い呼吸をしている。

 

 

「ネプギアちゃんのパイスー! はぁはぁはぁ!!」

 

 

 ダゴンに苦戦している訳ではなく、ネプギアの水陸両用プロセッサユニット姿を見て興奮しているのだ。

 

ネプギア達は無事にブランとベールに合流したが、ベールは水陸両用の女神候補生を見た瞬間からコレなのだ。

 

 

 合流した女神達は、HPとスタミナの減ったブランとベールが後方の空域に下がり、今はここに来るまでにHPとスタミナを回復しておいたネプテューヌとノワールがダゴンと戦っていた。

 

女神候補生達はブランとベールのHPを回復したら、潜行して加勢する筈だったのだが……ベールがこの状態で彼女達を離してくれないのだ。

 

ベールの要望でヘルメットを外した女神候補生達、主にネプギアとユニが困った表情でベールを見つめていた。

 

水陸両用のプロセッサユニットなので、陸戦用に重力コントロールシステムであるGGシステムと最小限のバーニアは付いているので、空を飛ぶことも可能だがバーニアが少ないので空中での機動力はあまり高くない。

 

代わりに水中用のウォータージェット推進機やスクリュープロペラが装備されているので水中の機動力は抜群だ。

 

その為、あくまで水中がメインの運用となる。

 

 

「おい、ベール。女神化してるのに鼻血出すの止めろよ……」

 

 

 ブランが呆れた声を出す。

 

ブランの言う通り、ベールは思いっきり鼻血を流していた。

 

女神化しているベールはクールでスタイリッシュな筈なのだが、イメージ全壊である。

 

 

「ベールさん、ヨダレも出てるよ?」

 

 

 更にロムが指摘すると、「ベールさんのお顔おもしろーい!」とラムが楽しそうに笑う。

 

 

「ラインが丸わかりなピッチピチのスーツに身を包み、見かたによってはエロチックに見える模様! これはある意味全裸より素晴らしいですわ!」

 

 

 ベールが興奮しながら力説する。

 

ネプギアは恥ずかしそうに両手で体を隠しながら、「そ、そんなに見ないで下さい……」とベールの視界から逃れようとするが、ベールはガン見でネプギアを視界から外してくれない。

 

ネプギアは更に顔を赤くしながら、「それにこれはそういう目的の衣装じゃなくて、耐水圧と気密性を考慮して……」と説明をするが、ベールは全然聞いてくれない。

 

ちなみにどれぐらいピッチピチかと言うと、汎用人型決戦兵器のパイロットスーツ並みにピッチピチである。

 

 

「ところで、パイスーってなに?」

 

 

 ラムが不思議そうに首を傾げると、「すっぱいって意味?」とロムも首を傾げる。

 

 

「えっと、パイロットスーツの略かな? ロボットアニメでロボットに乗ってる人が着てる服に似てるし」

 

 

 ネプギアは恥ずかしそうにベールの視線から体を隠しながらも、ロムとラムに説明をする。 

 

 

「あの、ベールさんそろそろ……」

 

 

 ユニが少し申し訳なさそうにベールに言うと、「ああ、ユニちゃんもイイですわ。その衣装だと女神化して軽量化したスレンダーなボディが美しいですわ」とベールがうっとりしながら言う。

 

 

「ま、まぁ、そう言われると悪い気はしませんけど……」

 

 

 ユニが少し嬉しそうな顔をしてポーズをとると、「ユニちゃ~ん……」とネプギアがガクッと肩を落とす、

 

助け船を出してくれたユニまでその気になってしまってはミイラ取りがなんとやらである。

 

 

「特に胸のラインが丸わかりで、ロムちゃんとラムちゃんとほぼ変わらないところがイイですわ!」

 

 

 ベールが悪気の無い声で素直に言うと、「え……」とユニの表情が真っ青に凍り付く。

 

更にベールが、「貧乳はステータスですわ!」とグッとサムズアップするが、ユニは顔をみるみる内に赤くさせて、「そんなに小さくありません!!」と絶叫する。

 

 

「ロムやラムよりは大きいですっ!! それに日本一やブランさんよりも大きいですから!!」

 

 

 ユニは続けて叫ぶが、「オイ! 何でそこで私が出て来るんだ! つか、日本一と一緒にするな!!」と今度はブランが顔を真っ赤にして叫ぶ。

 

 

「こういうのなんて言うんだっけ? どんぐりの背くらべ? 五十歩百歩?」

 

 

 ラムが燃料投下すると、「底辺争い」とロムが更に燃料を注ぐ。

 

 

「な、なんでこういう時に限って言い間違えてくれないの~~! って言うかロムちゃんまで~~!」

 

 

 ネプギアがあわあわとしている間に、「ああん!?」とブランが、「なんですって!!」とユニが鬼の形相でロムとラムを睨むと、「二人ともおもしろーい」とラムが笑い、「変なお顔」とロムもクスクスと笑う。

 

 

「それじゃあ、私達これで失礼します!」

 

 

 ネプギアはそう言いながら、慌ててロムとラムにヘルメットを被せると、自分もヘルメットを被り、ロムとラムの手を取って海に潜って行く。

 

 

「待ちなさい!」

 

 

 ユニがヘルメットを被って後を追うと、「待ちやがれ!」とブランも後を追おうとするが、「そのプロセッサユニットでは追いつけませんわよ」とベールに言われると、「ぐっ……」と悔しそうに足を止める。

 

 

「って言うか、テメェのせいだベール!!」

 

 

 ブランがベールを睨むが、ベールはいつものクールな女神に戻ると、「そろそろ、ネプテューヌ達に加勢しなくてはいけませんわね」とダゴンの居る方に飛び去ってしまう。

 

 

「逃げんなゴルァ!!」

 

 

 叫びながら、ベールを追うブラン。

 

 

***

 

 

 海に潜った女神候補生達、ユニの怒りも大分収まったらしく、ネプギアを先頭とするフォーメーションで潜行し、ダゴンの真下まで到着していた。

 

 

「じゃあ、いつも通りユニちゃんとラムちゃんはここから攻撃。ロムちゃんは私の補助と回復をお願いね」

 

 

 ネプギアが仲間達に簡単な戦い方の説明をする。

 

水陸両用のプロセッサユニットを装備した彼女達は、海の中でも無線通信できるのだ。

 

 

「大丈夫? 怖くない」

 

 

 ユニが心配そうにネプギアに尋ねると、「まだ怖いけど、みんなが居るし、上ではお姉ちゃん達も戦ってるから」と小さく両手でガッツポーズを作り元気をアピールする。

 

 

「それじゃあ、ネプギアとロムが先行してから、15秒後に攻撃を開始するわ」

 

 

 ネプギアの気持ちを確認したユニは手短に攻撃開始の手順を説明すると、「うん」とネプギアが頷く。

 

 

「それじゃあ、行こうロムちゃん」

 

 

 ネプギアが海面に向けて泳いで行くと、「うん」とロムがその後を付いて行く。

 

 

「よーし、盛大に吹っ飛ばしてあげるわ」

 

 

 ラムが元気よく言うと、「……氷よ我が手に集い敵を圧し潰せ……」と呪文を唱え始める。

 

水陸両用のプロセッサユニットを装備し、ヘルメットを被ることで海中でも呪文の詠唱が問題なく行えるようになる。

 

その隣ではユニが水中用に用意されたエクスマルチブラスターを構えて、視界に映るレティクルを遠くに見えるダゴンに合わせる。

 

レティクルが赤く光り、【lock on】の表示が出ると、「ターゲットロックオン」と言う。

 

 

「行くわよ!」

 

 

 ネプギアが先行して15秒キッチリにユニが叫ぶと、「オッケー」とラムが答える。

 

 

「NG魚雷の威力試させてもらうわ!」

 

 

 ユニがX.M.Bから巨大な魚雷を発射すると、「フローズンドレッド!」とラムが巨大な氷塊を飛ばす。

 

NG魚雷はネプギアがNG粒子で破壊力を高めた魚雷。

 

【フローズンドレッド】は氷塊を叩きつける氷属性の魔法。

 

 

 魚雷と氷塊が先行しているネプギアとロムの横を通り過ぎて行く。

 

 

「とびでるよ!」

 

 

 ユニ達の攻撃を確認したロムがネプギアに攻撃力アップの魔法を使うと、ネプギアの持っている水中用のM.P.B.Lが赤く光る。

 

 

「NG魚雷シュート!」

 

 

 ネプギアが叫ぶと、M.P.B.Lからユニが使った物より小さな魚雷が三発発射される。

 

ネプギアは魚雷を追うように、ウォータージェット推進機とスクリューを全力稼働させて泳いで行く。

 

 

 ユニの放った魚雷と氷塊は海上のダゴン目掛けて飛んでいく。

 

魚雷がダゴンに当たると、「うおっ!?」とダゴンがバランスを崩し、続けて氷塊が当たると、「ぬおっ!」とダゴンの巨体が浮かび上がる。

 

更にネプギアの放った三発の魚雷が次々とダゴンに当たると、ダゴンは11万以上のダメージを受けて衝撃で空中に浮かび上がる。

 

 

「何事だ!」

 

 

 慌てるダゴンの目の前に水中からネプギアが飛び上がって来る。

 

 

「貴様は!?」

 

 

 ダゴンは驚きの声を上げるが、次の瞬間ネプギアは、「ティンクルスター!!」とM.P.B.Lの銃口から伸びた光の剣の三段攻撃でダゴンを斬り裂き45871のダメージを与える。

 

 

「水冷式で出力の上がったエクスマルチブラスターの力を見せてあげるわ!」

 

 

 ユニがエクスマルチブラスターから巨大なビームを発射すると、「……氷よ蒼き光となりて我が敵を貫け! 今度はクールディバイドよ!」とラムが青白い光線を放つ。

 

水中用のエクスマルチブラスターは、海水を冷却水に使って、通常のエクスマルチブラスターよりビームの出力を上げることが可能になっている。

 

【クールディバイド】は冷凍光線を放つ氷属性の魔法、僅かの時間だが凍結の効果がある。

 

 

 ダゴンはエクスマルチブラスターのビームの直撃を受けると49512のダメージを受ける。

 

同時に、クールディバイドを受けて50012ダメージと共に凍り付く。

 

 

「お姉ちゃん!」

 

 

 ネプギアがネプテューヌ達に向けて叫ぶと海に潜って行く。

 

 

「上出来よ、ネプギア」

 

 

 ネプテューヌがニヤリと笑うと、「行きますわよ、ノワール!」とベールが高速でダゴンに向かって飛んで行き、「私達が斬り刻む!」とノワールがその後に続く。

 

 

「てえええええい!」

 

「たああああああ!」

 

 

 ノワールとベールが四方八方から何度もダゴンを斬り抜け攻撃すると、上空からブランが急降下して来る。

 

ノワールとベールはブランの登場に合わせて離脱をすると、ダゴンに肉薄したブランが「叩き斬る!」戦斧を振り下ろしてダゴンを斬り抜ける。

 

それと同時にネプテューヌがブランと同じように上空から急降下してくる。

 

 

「これが守護女神の力」

 

 

 ネプテューヌがそう言いながらダゴンを斬り抜け、「ガーディアンフォースよ!」と続けて言う。

 

【ガーディアンフォース】は四女神による神速の連携攻撃。

 

 

「ネプギアちゃん、頑張って!」

 

 

 ロムが杖を掲げるとネプギアに向けて魔力の光が飛んでいく。

 

ロムの魔力を受けたネプギアの体が光り輝くと、ネプギアはM.P.B.Lをダゴンに向けてレティクルを合わせる。

 

【lock on】の表示が出ると同時に、ネプギアは、「ロムちゃんの魔力と水冷式のM.P.B.Lの力を合わせた最大出力、受けてみて下さい!」と叫ぶとM.P.B.Lのトリガーを引く。

 

 

 海面からシェアエネルギーキャノンに匹敵する巨大なビーム現れダゴンを貫く。

 

 

 ネプギアとロムの連携攻撃と四女神のガーディアンフォースを受けたダゴンは合計で250万以上のダメージを受けると、「あがあああああああ!!」と絶叫と共に大きな水しぶきを上げて海に落ちていく。

 

 

「エネミーの最大HPは約7000万。現在の総ダメージは3754万9541です」

 

 

 ネプテューヌの耳にNギアの機械音声が聞こえてくる。

 

今までの四女神による攻撃と今の連携攻撃でダゴンのHPは半分を切っていた。

 

 

「超次元の八人全ての女神が揃った今、あなたに勝ち目はないわ」

 

 

 ネプテューヌが凛とした声で言うと、「……多勢に無勢か」とダゴンが悔しそうに唸る。

 

 

「何言ってるの? 気味の悪い半魚人呼びまくったのは、あなたの方でしょ」

 

 

 ノワールが呆れたように言うと、「まぁ、それもわたし達が全部片付けたけどな」とブランが勝ち誇ったように言い、「シミュレーションゲームで雑魚を倒されたボスがタコ殴りに遭うのはお約束ですし、覚悟してもらいますわ」とベールが冷たい声で言う。

 

 

「ならば、ノコノコと戻って来た貴様等のマヌケな妹だけでも連れ去ってやるわ」

 

 

 ダゴンはそう言いながら、海中に潜って行く。

 

 

「しまった!」

 

 

 ネプテューヌが焦りの声を出すと同時にダゴンを追おうとするが、Nギアに搭載された通話機能に連絡が入る。

 

 

「なに? こんなに時に」

 

 

 ネプテューヌが怒りと焦りを押さえながら、通信を開くと、「ネプギアさん達なら心配ありません」とイストワールの声がネプテューヌに聞こえてくる。

 

 

「どういうこと?」

 

 

 ネプテューヌが質問をするが、イストワールはそれには答えず、「通常のプロセッサユニットで迂闊に海中の戦いをするのは危険です。皆さんはネプギアさんの指示に従って動いて下さい」と言うと一方的に通信を切ってしまう。

 

 

「おい! 追わねぇのかよ!」

 

 

 ブランが不満そうに叫ぶと、「今はネプギア達を信じて待ちましょう」とネプテューヌは冷静に答える。

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