新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「やった、やったわ! 女神様がダゴンを倒したわー!」
人魚のシェリリが感嘆の声を上げて万歳をすると、他の人魚達も「「「わあーーーー!」」」と歓声を上げる。
「ふぅ……ようやく倒したわね」
アイエフが安堵の溜息を吐きながら言うと、「かなり手強かったね。もうクタクタだよ」とファミ通が言う。
「正義は勝つ! やったね!」
日本一が両手でポーズを決めながら言うと、「「いえーい!」」と言ってビーシャとハイタッチを交わす。
他のメンバーもそれぞれに勝利を喜んでいる。
そんな勝利ムードの中、ネプギアはフラフラと飛行しながら、「はぁ……はぁ……」と荒い呼吸をしていた。
「大丈夫! ネプギア」
ユニがすかさず駆け付けて、ネプギアに肩を貸す。
「ありがとう、ユニちゃん……」
苦しそうに呟くネプギア。
そこにイストワールがやってくると、「慣れない昂次元の展開で疲労したのでしょう。休ませてあげて下さい」と言う。
「わかりました。ネプギア、動ける?」
ユニがネプギアにそう尋ねると、「ちょっと、辛いかな……」ネプギアが言う。
続けてネプギアはユニを上目遣いに見ると、「ユニちゃん、だっこ」と呟いた。
「……仕方ないわね。今回だけよ」
ユニは呆れ半分にネプギアの足を抱えると、お姫様だっこをする。
すると、ネプギアは変身を解いて、ユニの腕に身を任せる。
「ネプギア大丈夫?」
「ネプギアちゃん」
その光景を見ていたロムとラムが心配そうにネプギアとユニの元に飛んでくる。
「大丈夫だよ。ちょっと疲れただけ。心配してくれてありがとう」
ユニに抱きかかえられたネプギアがそう言うと、ロムは、「ほっ……」と胸を撫でおろし、「よかったわ」とラムが言う。
「ねぷぎあ大丈夫なの?」
「ネプギアさん、どうしたんですか?」
続けて、ピーシェとキセイジョウ・レイが同じく心配そうにネプギアの元に飛んで来て話しかける。
「こんなところで倒れられては困るな、お前とはナスの売約をしているのだから」
更にマジェコンヌもそう言いながらネプギアの側に寄って来る。
「いやー、一時はどうなることかと思ったけど、何とかなったね」
無人島に着陸して変身を解いたネプテューヌが両手を後頭部に当てながら、気楽そうに言う。
ネクストフォームの必殺技は消耗が激しく、一度使うと女神化が解けてしまう。
「何が、【何とかなったね】よ。あなたのミスが無ければ、もっと早く倒せてたのよ」
同じく変身を解いたノワールがネプテューヌを注意するように言うと、「……戦闘中にお菓子食べたり、尋問中に寝落ちして敵を逃がしたり……」と変身を解いたブランがジト目でネプテューヌを睨む。
「流石のわたくしも、ちょっと怒っておりますわ」
更に変身を解いたベールが言う。
「えー!? この戦勝ムードの中でお説教~? そりゃないよ~」
ネプテューヌが目をバッテンにさせながら言う。
「まあまあ。倒せたんだから、いいじゃねぇか」
変身を解いたうずめが、そんなネプテューヌをフォローしてくれる。
「だけど、ダゴンが逃げなかったからいいようなものの……」
ノワールはそう言うと、ハッとした表情になり、「何でダゴンは逃げなかったのかしら?」と真剣な表情になる。
「じゃくーくーかんだっけか? アレに自信があったんだろ?」
うずめがそう言うと、「その可能性もあるけど、何か嫌な予感がするわ」とブランが言う。
「まさか……!」
ベールがそう言った瞬間、「アーッハッハッハッハ! ここまで事が上手く運ぶとはねぇ」と中年女性のような大声が響き渡る。
「やはり、援軍!」
ベールが槍を構える。
すると、強烈な鉄砲水の弾幕が四女神とうずめを襲う。
鉄砲水に吹き飛ばされる五人。
「えっ!? なに? 何が起きたの?」
慌てふためくゴッドイーター。
「まだ終わりじゃないってことらしいわ」
ニトロプラスはそう言うと、再び戦闘態勢を取る。
「「「「きゃあああああああ!!」」」」
人魚達が悲鳴を上げる。
彼女達の視界には無数の深きものの姿が映っていた。
「囲まれてる!?」
ファルコムが周囲を見渡すと、ネプギア達を囲むように深きものが配置されていた。
その数はダゴンが率いていた数の倍以上だった。
「よくもまぁ、ウチのアホ旦那を倒してくれたものだねぇ。おかげで余計な手間が省けたよ」
再び中年女性の声が響くと、海面が盛り上がり、ダゴンと同じような10メートルはある鱗に覆われた女性の半魚人の上半身が現れる。
「そのお礼に、アンタ達は徹底的にSAN値を絞り取ってなぶり殺しにしてやるよ……クックックック……」
巨大な女性の半魚人が楽しそうに笑う。
「てやああああああ!」
紫色の光が巨大な女性の半魚人の肩を切り裂く。
「なにっ!?」
驚きの声を上げる巨大な女性の半魚人。
巨大な女性の半魚人は、65354のダメージを受ける。
「あなたが、ダゴンの言っていたハイドラね」
紫色の光の正体は女神化したネプテューヌで、そう言って巨大な女性の半魚人を睨みつける。
「お姉ちゃん、無事だったんだね!」
ネプギアが喜びの声を上げると、女神化した、ノワール、ブラン、ベール、うずめも姿を現す。
「いかにも、アタシがハイドラだ」
巨大な女性の半魚人はそう言って、「ダゴンのヤツが秘密を漏らしたのかい? まったくおしゃべりな男だねぇ」と呆れたように言う。
「随分な物言いね。ダゴンはあなたが来るのを必死に待っていたようだけど」
ネプテューヌがそう言うと、「言っただろ? アホ旦那だって。アイツがいなくなったお陰で、クトゥルフ様復活の手柄はアタシの独り占めになるのさ」とハイドラは楽しそうに笑う。
「わざと遅れて来たってことか!」
ブランが怒気をはらんだ声でそう言うと、「ああ、その通りさ」とハイドラが答える。
「ダゴンが弱っていたなら、後ろから刺してやろうかと思ったけど、まさか倒してくれるとはねぇ~」
ハイドラはそう言うと、「そうだ。お前等、クトゥルフ様を信仰して供物を捧げると言うなら、アタシの配下にしてやってもいいぞ」とハイドラが続けて言う。
「冗談じゃないわよ! 誰があんたなんかに!」
ノワールがそう言って怒鳴ると、「夫を見捨てるような輩、信用に値しませんわ」とベールが冷たく言い放つ。
「威勢がいいねぇ。だが、ダゴンを倒すのに大分消耗してるみたいじゃないか?」
ハイドラの言葉に、「くっ……」と悔しそうな顔をするうずめ。
「さあ、宴の始まりさ。存分に苦しみな。行け、深きものども!」
ハイドラがそう言うと、周囲を囲んでいた深きもの達が一斉に動き出す。
「マズい。この数は勝てない……」
ケイが焦りの声を上げる。
「諦めてるんじゃないわよ! お姉さま達だけでも逃がすのよ!」
チカがそう言って怒鳴るが、「……ゴホッゴホッ」と咳き込んでしまう。
「箱崎さん! しっかり!」
ミナが咳き込んだチカを抱える。
見れば周囲は深きもの達に襲われている、仲間や人魚達が苦戦を強いられていた。
「……折角ダゴンを倒したのに、やっぱり邪神には勝てないの?」
人魚のシェリリが必死に防戦をする。
「諦めるな。人魚の誇りを見せるのだ」
ルルドがそう言って人魚達を鼓舞するが、人魚達は疲労困憊状態で防戦が精一杯かつ、次々と戦闘不能になって倒れて行く。
「マズい……目が霞んで来たよ……」
ファミ通が防戦しながら言うと、「しっかりしなさい!」とアイエフが激を飛ばすが、そのアイエフもかなり疲労の色が見える。
「くぅぅ~、もう弾がないよ~」
ビーシャが情けない声を上げると、「諦めちゃダメだよビーシャ! 正義は必ず勝つんだから!」と日本一が言う。
「ネプギア、動ける? みんなを助けに行くわよ」
ユニが抱きかかえているネプギアに向けてそう言うが、ネプギアは両手で顔を覆いカタカタと震えていた。
「どうしたの? ネプギア! ロムもラムもみんなを助けに行ったのよ」
ユニが少し厳しめの声を上げる。
見れば、ロムもラムも、ピーシェもキセイジョウ・レイもマジェコンヌまでもが、戦闘不能になった仲間や人魚達を助けるために奮戦していた。
四女神とうずめはハイドラの相手をしているが、こちらも分が悪いようだ。
「……みんなが酷い目に遭って、苦しみながら死んでいくの」
ネプギアが呟く。
「何度願っても、何度祈っても変わらないの!」
ネプギアはそう言うと、ユニの方を向いてユニと目を合わせる。
「ユニちゃん、教えて。私はあと何回、みんなが苦しみと恐怖の末に、ぐちゃぐちゃのバラバラになって死んでいく姿を見なくちゃいけないの? ギアシステムは私にそれしか見せてくれないの!」
ネプギアの瞳には大量の涙が溢れていた。
ギアシステムの予測で何度の自分たちが全滅する光景を見せられたのだろう。
心優しいネプギアには、仲間の死と阿鼻叫喚の叫びを何度も見せられるのは拷問に等しかった。
「……ギアシステムが勝利を見せてくれないの……助けて、ユニちゃん」
ネプギアが再び両手で顔を覆って、泣き出してしまう。
ユニはそんなネプギアを悲しそうな目で見つめながら、「ネプギア……」と呟く。
彼女は、ネプギアにかける言葉を探しているようだった。
ユニはやがて意を決したように表情を引き締めるとネプギアの顔を正面から見据える。
「システムに惑わされないで、行動もせずに諦めちゃダメよ。未来は自分たちで切り開くものでしょ?」
ユニがそう言うと、ネプギアはゆっくりと顔を上げる。
「例え、今が0%でも、あきらめず目の前のことに全力で努力して行けば100%にだってなる。結果ばかりじゃなくて、今自分に出来ることを全力でしなさい! 努力無しで道は切り開けないわ!!」
ユニが力強くそう言うと、ネプギアは【クスッ】と笑い、「ユニちゃんの努力オバケ」と言う。
「アタシにはこの生き方しかできないだけよ」
ユニがそう答えると、「でも、そういうユニちゃん好き」とネプギア言う。
「元気出た?」
ユニがそう言ってネプギアに問いかけると、「うん、ありがとう。また、ユニちゃんに助けられちゃった」とネプギアは微笑みながら言った。
そしてネプギアは女神化をすると、「戦い抜いてみせるゲイムギョウ界中の誰よりも!」と言って気合を入れる。
***
ネプギア達とハイドラ達の戦いは、ネプギア達が劣勢ながらも何とか持ちこたえていた。
「ギアシステム! 今私に出来る最善のことを教えて!」
ネプギアはギアシステムの見せる全滅の未来と戦いながら、それでも今できる精一杯の行動を見つけてそれを選択していた。
ネプギアのM.P.B.Lは既にエネルギーと弾薬が尽きて、ブレード部分のみで戦っているが、それでも必死に戦うネプギアの戦闘力は深きもの達を圧倒していた。
「うぎゃぱーーーーー!」
ネプギアのM.P.B.Lが深きものを切り裂くと、67891のダメージを受けて深きものが水になって崩れる。
「ユニちゃん、この隙にケイさんを救い出して!」
ネプギアがそう言うと、ネプギアの足元にはうつ伏せに倒れたケイが居た。
先程、ネプギアが倒した深きものに戦闘不能にされたようだ。
「ケイ! 大丈夫!」
ユニはそう言うと、「すまない……」とケイが苦しそうに答える。
ユニはケイに肩を貸して飛んでいく。
行く先は、コンパとがすととプラエの待つヘリコプター内の応急処置場だ。
ネプギアの案で、ヘリコプター内を応急処置場兼物資集積所にして、戦闘不能になった仲間達を救い出しつつ、そこに集めていた。
そこで、プラエに時間を早めてもらったコンパとがすとが、テキパキと戦闘不能者の応急処置をしているのだ。
「くっ……不覚をとったわ」
ニトロプラスが悔しそうに言いながら、コンパの治療を受けている。
彼女も戦闘不能になって、ここに運ばれたのだ。
「あいたたたた! もうちょっと優しくー!」
ビーシャが大声を上げる。
しかし、彼女の治療をしている、がすとは、「そんな暇ありませんの」と言って取り合わない。
「ふぅふぅ……」
プラエが荒い呼吸をしている。
時間を操作する超能力は消耗が激しく、彼女の負担もかなり大きかった。
「プラエさん、少し休憩にしましょう」
イストワールがそう提案すると、「でも……」とプラエが言う。
しかし、「プラエさんが倒れてしまっては元も子もありません」とイストワールに言われると、プラエは大人しく休憩に入る。
「何とか持ちこたえてるけど、時間の問題っていったところね……」
治療を受けたアイエフが呟く。
アイエフの言う通り、戦闘不能者は続々と増えて来て、今戦ってるのは女神達のみとなっていた。
***
その頃、四女神とうずめはハイドラと一進一退の攻防を繰り広げていた。
しかし、五人ともかなり疲労して、プロセッサユニットもボロボロであった。
「歯がゆいねぇ」
ハイドラが唸る。
「勝ち目がないのに、何でそこまで頑張るんだい?」
ハイドラがそう言うと、「勝ち目ならあるわ!」とネプテューヌが手に持った太刀でハイドラを切り裂く。
ハイドラに63215のダメージが当たるが、「エネミーの最大HPは約7000万。現在の総ダメージは130万5234」とNギアからの絶望的な通知がされるだけであった。
「気に入らないねぇ。これだけの戦力差であがくなんて無駄じゃないかい!」
ハイドラはそう言いながら、ネプテューヌをパンチで攻撃すると、「どけ! ネプテューヌ!」とブランが援護防御に入る。
ブランは841のダメージを受けて、HPゲージが残り三割以下にになるが、それでも彼女の目は諦めてはいなかった。
「ぶらっち、ヒールだよ!」
うずめが回復魔法を使う。
すると、ブランのHPゲージが八割近くまで回復する。
「うずめ、MPチャージよ。飲みなさい!」
ベールがMPチャージの瓶をうずめに投げると、うずめはそれをキャッチして、「サンキュー、べるっち」と言う。
「次は、私の番よ!」
そして、今度はノワールがハイドラに攻撃をしようとするが、バランスを崩して右膝を折ってしまう。
「くっ……!」
悔しそうに唇を噛むノワール。
その様子を見たハイドラは、「そろそろ、スタミナも限界なんじゃないかい?」と笑った。
(確かにこのままじゃ勝てない……どうすればいいの?)
無限に湧いてくるのではないかと思われる深きものと戦いながら、ネプギアが心の中で呟く。
ギアシステムは変わらず、ネプギア達が全滅する未来しか見せてくれない。
「お願い、ギアシステム。この未来を変える方法を! ハイドラを倒す方法を教えて!」
ネプギアが力一杯叫ぶと、ギアシステムの見せる未来が一瞬歪む。
そこには真っ二つに斬られたハイドラが映っていた。
(これだ! この未来を掴み取る!)
ネプギアが強い意志を持って、心の中で叫ぶ。
しかし、彼女は再び絶望することになる。
ゲハバーンを使え。
ゲハバーンを使え。
ゲハバーンを使え。
ゲハバーンを使え。ゲハバーンを使え。ゲハバーンを使え。ゲハバーンを使え。ゲハバーンを使え。ゲハバーンを使え。
女神を殺せ。
女神を殺せ。
女神を殺せ。
女神を殺せ。女神を殺せ。女神を殺せ。女神を殺せ。女神を殺せ。女神を殺せ。
ツカエ コロセ ツカエ コロセ ツカエ コロセ ツカエ コロセ ツカエ コロセ ツカエ コロセ ツカエ コロセ!!!!
ギアシステムが狂ったようにゲハバーンの使用と、女神達の殺害を指示してくる。
「うあああああああああああ!!」
思わず絶叫するネプギア。
彼女はギアシステムの命令を振り払うかのように、がむしゃらにM.P.B.Lを振り回す。
「どうしたの? ネプギア! しっかりしなさい!」
ユニがネプギアに声を掛ける。
「な、なんでもない……なんでもないから私の側に来ないで……」
ネプギアがそう言うと、同時にネプギアの目の前にゲハバーンが召喚される。
「うそっ!? 私何もしてない! 私何もしてないのに勝手に!」
ネプギアが青ざめた顔で叫ぶ。
「左手が勝手に……やめて! その剣を握らないで!」
ネプギアが苦しそうに叫ぶが、彼女の左手はゲハバーンを握ってしまう。
「何をしているの?! ネプギア!」
ユニが叫ぶ。
「体が勝手に……ギアシステムが私の体を動かすの!」
ネプギアが悲痛な叫びを上げる。
「なんですって!」
驚愕するユニ。
「ユニちゃん、私を撃って! 私を止めて、私にゲハバーンを使わせないで!」
ユニに懇願するネプギアだが、「そんなこと出来るわけないでしょ!」とユニが叫ぶ。
「ギアシステム、とんだ欠陥システムね」
ネプギアの様子を見ていたネプテューヌが冷静な声で言う。
「そんな簡単な方法があるなら、最初から言ってほしいわ」
ネプテューヌが続けてそう言うと、「私達があの剣の為に命を捨てる覚悟が必要だったんじゃないかしら」とノワールが言う。
「ああ、やれることは全部やった。覚悟は出来てる」
ブランがそう言うと、「ええ、あなた達と決着が付けられないのは名残惜しですが、わたくしも覚悟を決めましたわ」とベールが言う。
「なに? 何を言ってるの?」
ラムが四女神達に問いかけると、「お姉ちゃん、まさか……」とロムが言う。
「そのまさかだ!」
ブランはそう叫ぶと、「ネプギア! さっさと、その剣でわたし達の命を奪え」と続けて叫ぶ。
「お姉ちゃん、止めて!」
ラムが悲痛な叫びを上げると、「みんなで生きて帰ろうよ!」とロムも叫ぶ。
「そうです! 今の私はギアシステムに翻弄されているだけなんです! もっと他に方法が!」
ネプギアがそう言うと、「ワガママ言うんじゃねぇ!」とブランが女神候補生達を一喝する。
「あなた達の子供じみた理想で私達の覚悟を無駄にするつもり!」
更にノワールがそう言うと、「その剣を使っても、誰もネプギアちゃんを恨んだりしませんわ。もし恨む人がいるとしたら、わたくしが赦しませんわ」とベールが言う。
「ネプギア、わたし達の魂はその剣の中で生き続けて、あなたとゲイムギョウ界を護り続けるわ! だから、わたし達の命を奪って。そして、わたし達にあなたとゲイムギョウ界を護らせてちょうだい!」
ネプテューヌが叫ぶ。
(どうして? どうしてこんなことになっちゃったの? 私が安易にハイドラに勝つ方法に手を伸ばしたから……)
ネプギアは心の中で後悔をした。
「何の話だかは知らないけど、アタシを無視するとはいい度胸じゃないか!」
ハイドラが四女神に殴り掛かろうとすると、「ここは、うずめに任せて!」とうずめが四女神を守るように立ち塞がる。
「ぎあっち! 気持ちは分かるけど、もうみんないっぱいいっぱい。このままじゃ全滅だよ」
うずめがハイドラと戦いながら、ネプギアに呼びかける。
うずめの言う通り、ピーシェもキセイジョウ・レイもマジェコンヌも限界に達していた。
「でも、うずめさん!」
ネプギアがそう言った瞬間、ゲハバーンに何かが巻き付いてくる。
「これは、蛇腹剣……まさか」
ネプギアがそう言うと、「うふっ、あたしってば本当に天と運に愛されるわね」と言って変身したプルルートが現れる。
「ねぷちゃん、ピーシェちゃん、今すぐ助けてあげるわ」
プルルートはそう言うと、「さあ、その剣をよこしなさい、あたしが使ってあげるわ」とネプギアを睨む。
「使うって、どうするつもりですか!?」
ネプギアがプルルートに質問すると、「ねぷちゃんとピーシェちゃん以外殺して……」とプルルートが言いかけるが、「渡せません!」とキッパリと拒否するネプギア。
「あたしがよこせって言ったら素直に差し出せばいいのよ」
プルルートが不機嫌そうに叫ぶ。
「ダメです! みんなと生きて帰るんです!」
ネプギアは強い意志を秘めた瞳でプルルートを睨む。
「じゃあ、力ずくで奪ってあげるわ。素直に渡さなかったこと後悔させてあげる」
プルルートがネプギアに飛び掛かる。
「させない!」
ユニがすかさずネプギアに加勢する。
エクスマルチブラスターのビームがプルルートを牽制する。
「なに? ユニちゃんもわたしに逆らっちゃうわけ~!」
プルルートが不機嫌そうにユニを睨むと、「わたし達だっているわよ!」とラムが氷の弾をプルルートに向けて放つ。
更に、「ネプギアちゃんはやらせない!」とロムも氷の弾をプルルートに放つ。
「反抗的な子達ね!」
プルルートが忌々しそうに言う。
次の瞬間、プルルートが羽交い締めにされる。
「なっ!? ねぷちゃん!」
プルルートを羽交い絞めにしたのは、ネプテューヌであった。
「ネプギア! 今の内にゲハバーンでわたしを殺して、ハイドラを倒しなさい!」
ネプテューヌが叫ぶ。
「ねぷちゃんが死ぬなんてダメよ。そんなの絶対にダメ!」
プルルートが叫ぶと、「ぷるるん、分って。わたし達には守護女神としての使命があるの」とネプテューヌが少し寂しそうに言う。
「違う! そんなの全部間違ってるよ!!」
ネプギアが思いっきり大声で叫ぶ。
「ゲハバーンはこんな悲しみを生み出す為に作られた剣じゃない。お願い、みんな目を覚まして!」
ネプギアが続けて絶叫すると、「……ネプギア」とネプテューヌが呟く。
「だったら、どうするんだ!」
ブランが焦ったように叫ぶ。
「皆さん、私に力を下さい。犯罪神を倒した時と同じように、命を捨てる覚悟じゃなく、生きたい、生きてゲイムギョウ界を護りたいという希望の想いを私に下さい」
ネプギアがそう言うと、「何か策があるの?」とノワールが質問する。
「ゴッドイーターさんの神機の資料にあったリンクバーストをゲハバーンに試してみます。もしかしたらゲハバーンを動かせるかもしれません」
ネプギアが質問に答える。
すると、「それで何とかなるの?」と今度はユニが質問をする。
「わからない……でも、私頑張るよ」
ネプギアはそう言って微笑むと、「大丈夫よ。何とかなるわ」とラムが励まし、「うん、ネプギアちゃんを信じてる」とロムもネプギアを励ます。
「ぷるるん、それでいいわよね?」
ネプテューヌがプルルートにそう確認すると、「勝手にしてちょうだい」とプルルートは投げやりに言う。
「みんな、行くわよ! あの時と同じようにゲイムギョウ界中のシェアをネプギアに集中させるのよ!」
ネプテューヌが叫ぶ。
同時に、ノワールも、「いいわよ!」と叫び、「しくじるんじゃねぇぞ!」とブランも叫ぶと、「ネプギアちゃんを信じてますわ」とベールが言う。
「ロム、ラム! アタシ達も行くわよ!」
ユニが叫ぶと、「「うん」」とロムとラムが頷く。
四女神と三人の候補生達から放たれたシェアの光がネプギアに降り注ぐ。
「ぐうううううう……凄い力。体がバラバラになりそう……でも、しっかりしなくちゃ!」
ネプギアはそう思いながらゲハバーンを両手に握る。
「ゲハバーン、起動率225%」
ネプギアの耳にNギアからのアナウンスが流れる。
起動率は100%が女神一人分の魂に相当し、現時点で女神を二人殺しただけの力を発揮出来ることを示していた。
「まだ、まだ足りない……」
しかし、ネプギアに見えるギアシステムの光景は、これでは返り討ちに遭うというものだった。
「それなら! 意気軒昂!!! 開け昂次元!」
ネプギアがそう唱えるとネプギアの背中に先程と同じような光の翼が生える。
「ゲハバーン、起動率329%」
ネプギアの耳に再びNギアからのアナウンスが流れる。
「まだ、足りない………なら、私の全てを掛けて……」
ネプギアはそう言うと、歯を食いしばって目を見開く。
「NG粒子最大濃度散布、シェアトランスミッション制限解除! ギアチェンジトップギア!」
ネプギアが叫ぶ。
シェアエネルギーの効率化に使ったリミッターを解除して、爆発的にシェアエネルギーを高めたのだ。
ネプギアを含めた八人の女神のシェアエネルギーがネプギアの中で暴れまわり、ネプギアの体の痛みが倍以上になる。
「あああああああああああああああああああああ!!!」
ネプギアの体が薄紫色の炎に包まれる。
「ゲハバーン、起動率859%」
Nギアから警告音と共にゲハバーンの起動率が倍以上になったことが伝えられる。
そしてギアシステムの文字と同時に両断されるハイドラが映る。
「これが、私の命を掛けた最後の全力全開」
ネプギアの手に持ったゲハバーンが薄紫色の光を放つ。
ネプギアはそのままハイドラに突っ込んで行く。
ハイドラは丁度うずめ達を戦闘不能に追い込んだところだった。
「な、なに!? このパワーは!!」
ハイドラが驚きの声を上げる。
「紫昂剣、一文字斬り!」
ネプギアがハイドラの胴体を斬り抜けると、7285万のダメージ当たる。
「ぐおおおおおおおおおお!? 何が? 一体何が起こったぁ!?」
真っ二つになって消滅するハイドラ。
「やった!」
ユニが叫ぶと、「ネプギアちゃん、すごーーーい!」とロムも叫ぶ。
「流石、ネプギアだわ!」
ラムが嬉しそうに万歳をする。
「……っ……」
しかし、ネプギアは変身が解けると、そのまま糸が切れたように落下を始めてしまう。
更に彼女の全身から激しい血が吹き出す。
「ネプギア!」
ネプテューヌが叫ぶ。
同時にネプテューヌはネプギアの元まで飛んでいき、彼女を空中で受け止める。
「酷い出血ですわ!」
ベールが焦った声を上げると、「ここまで無茶をするなんて……」ノワールが言う。
白いセーラーワンピの大半が赤黒く染まる程、ネプギアの出血は激しかった。
「この状態じゃ、あとニ三分も持たないぞ」
ブランがそう叫ぶと、「そんな!」とラムが言う。
「何とかして、お姉ちゃん」
ロムがブランに向けてそう言うが、ブランは、「シェアクリスタルがあればなんとかなるんだが……」と言う。
「今からじゃとてもじゃないけど、間に合いませんわ……」
ベールが悲しそうに呟く。
「お姉ちゃん! シェアクリスタルってシェアエネルギーを凝縮して結晶化したものよね!」
ユニがそう言うと、「そうだけど、ユニ、あなた何を考えているの?」とノワールが言う。
ユニはノワールの質問には答えず、「ネプギア、アタシの命を吸って!」と言ってネプギアの手を握る。
「……ユニ、気持ちは分かるけど、そんな方法で……」
ノワールがそう言いかけると同時に、ネプギアの体が薄紫色に輝く。
「これは!」
ネプテューヌが驚きの声を上げる。
「くぅぅぅ……そうよ、ネプギア。もっと、もっとアタシの命を吸うのよ!」
ユニが苦しそうな表情を浮かべながらそう言うと、「……ゴッドイーターの神機の資料で見たの。リンクエイドって自分の命を削って仲間の命を助ける方法があるって!」と続けて言う。
「だったら、わたしもやる! ネプギアちゃんにわたしの命を分けてあげる!」
ロムがそう叫ぶと、「ロムちゃん!?」とラムが驚く。
「わたし、ネプギアちゃんにいっぱい助けて貰ったし、優しくして貰った。ネプギアちゃんの為なら何だってできるよ」
ロムはそう言いながら、ユニの手に重ねるようにしてネプギアの手を握る。
「そんなの、わたしだって同じよ。ネプギアは凄く優しいし、いつでも遊んでくれるわ!」
ラムはそう言うと、ロムの手に重ねるようにしてネプギアの手を握る。
すると、ネプギアの体の薄紫色の光が強くなり、出血が止まり、顔に生気が戻ってくる。
「ぐるるるるるるる!」
しかし、そこに深きもの達が迫って来る。
「邪魔はさせないわ!」
ネプテューヌが迫って来る深きもの達を次々と切り伏せると、ノワール、ブラン、ベールもネプギア達を守るように方円陣を組んで、次々と深きもの達を撃退する。
ハイドラを失い統率を失った、深きもの達は四女神の必死の防衛に蜘蛛の子を散らすように逃げて行く。
その上空でプルルートはその光景を歯ぎしりをしながら見つめていた。
「話が違うじゃないのイクスちゃん。カオスアニマがあれば、ねぷちゃんがあたしのものになるんじゃなかったの?」
プルルートが不機嫌そうに言うとプルルートの隣に、以前にボークの目の前に現れたイクスが現れる。
「悪ぃ悪ぃ、あたしの想像以上にネプテューヌが頑張ってるみたいだ。よっぽどネプギアの事が大事……」
パシンッ!
「いったぁ! 叩くことないだろ!」
プルルートはイクスに平手打ちしていた。
「……次しくじったら、ただじゃおかないわよ」
プルルートの言葉に、「おお怖っ……でも問題ないぜ。ちゃんと効いてるみたいだし、時間の問題だ」とイクスが答える。
「待っててね、ねぷちゃん。あたしが妹や女神って言う枷から救ってあげるから」
プルルートがそう言うと、「いいねいいね、その独善的な発想。プルルートちゃんを選んだのは正解だったよ」とイクスが嬉しそうに言った。
***
ネプギア達の様子を、遠くから一人の男性が空に浮かぶ巨大な昆虫の上に乗りながら見ていた。
「ダゴンとハイドラを倒したか……興味深い」
男性がそう呟くと、男性を乗せた巨大な昆虫はもの凄いスピードで去って行く。
***
翌日、G.C.2019年8月25日 日曜日
ダゴンとハイドラという二体の邪神を倒すという快挙を成し遂げたが、その犠牲も大きな物だった。
多くの者が戦闘不能になり、プラネテューヌの病院に入院することになった。
その中でも、ネプギアは特に重傷で意識不明の重体となっていた。
ユニ達の必死のリンクエイドで一命をとりとめたが、それでも意識は回復しなかったのだ。
ここはネプギアの病室。
そこには、ベッドに眠るネプギアと三人の女神候補生とイストワールが居た。
「シェアエネルギーのオーバーロードですか?」
ユニがイストワールに質問をする。
「はい、ネプギアさんが発見したNG粒子とシェアエネルギーが結合することにより、シェアエネルギーが強化されることはご存じですよね」
イストワールがそう言うと、「わたし知ってるわ。それで、ネプギアがシェアエネルギーの【こーりつか】をしてくれたのよね」とラムが言うと、「ネプギアちゃん、偉い(こくこく)」とロムがそれに続く。
「みなさんに公表したのは、効率化のみですが、ネプギアさんは独自で強化の研究を進めていたのです」
イストワールの言葉に、「それって、一時的に約1.2倍の力を得ることが出来けど、過負荷により3分しか戦えないってヤツですよね」とユニが答える。
「はい、その通りです。ネプギアさんはそれを限界まで高めていたらしく、リミッターを解除することにより一瞬だけ何倍ものパワーを出すことが出来るようにしていたのです」
イストワールの説明に、「それで、ネプギアちゃんがオーバーロードしちゃったの?」とロムが言うと、「その通りですが、それだけではないのです」とイストワールが答える。
「他に何があるの?」
ラムがそう言って首を傾げる。
「他の女神様から受け取っていた各国のシェアエネルギー。只でさえ莫大な量で、受け止めるだけでもオーバーロードになりかねない状況なのに、リミッター解除に昂次元の発現など更にオーバーロードになるようなことを重ねてしまったのが良くなかったのでしょう」
イストワールがそう言うと、「無茶に無茶を重ねた結果ってことね」とユニが切なそうに言う。
「正直、このまま目を覚まさない可能性も高いですし、目を覚ましても廃人になっている可能性すらあります」
イストワールの説明に、「廃人なんて……そんな」とユニが悲しそうに言うが、「ネプギア強くなるの?」とラムが首を傾げる。
「高いと言う意味の【High】ではありません。廃人と言うのは、病気や障害などで普通の人間生活を営めない者、と言うことです」
イストワールがそう言うと、「そんなの嫌よ! わたし、もっとネプギアと遊びたいしおしゃべりもしたいもん!」とラムが言い、「わたしも嫌。ネプギアちゃんとやりたいこといっぱいあるの」とロムが言う。
「何とかならないんですか?」
ユニがイストワールに詰め寄る。
「今、私を含め各国の教祖が大急ぎでシェアクリスタルの製造を行っていますが、それも間に合うかどうか……」
イストワールが少し弱気になりながら言うと、「そんな……」とロムも肩を落としてしまう。
「もー! こんなところで落ち込んでても、ネプギアは治らないわよ。何かわたし達に出来ることないのー!」
ラムがそう言うと、「でしたら、エルデクリスタルを集めて来て下さい」とイストワールが言う。
「エルデクリスタルって、森羅万象、この世のありとあらゆる情報が詰まっていると言われるデータ結晶のことですよね」
ユニがそう言うと、「はい、その通りです。発見者のエルデ様はこのクリスタルを使って女神様を癒す研究もされていましたから」とイストワールが答える。
「それで、ネプギアちゃんが治るの?」
ロムがそう質問すると、「はい、可能性は高くなります」とイストワールが答える。
「わかったわ。それじゃあ、急ぎましょ」
ラムがそう言うと、「この件は、ネプテューヌさんにも任せておりますので一緒に……」と言いかけると、突然病室のドアが開かれる。
「エルデクリスタル持って来たわ」
そこには女神化したネプテューヌが居た。
「これで足りるかしら?」
ネプテューヌはそう言うと、Nギアを操作して十個のクリスタルをインベントリ倉庫から呼び出す。
「これ、エルデクリスタルじゃないですか!」
ユニが驚きの声を上げる。
「すごーい、こんなにいっぱいどうしたの?」
ラムが驚きながらネプテューヌに質問すると、「ゲイムギョウ界中の冒険者やギルドから譲って貰ったのよ」とネプテューヌが答える。
「世界中の人達から譲ってもらったって……相変わらずコミュ力高いですね」
ユニがそう言うと、「ネプテューヌちゃんスゴイ」とロムがネプテューヌを褒める。
(レアアイテムのエルデクリスタルを短時間でこんなに沢山……。やっぱり、本気を出せば凄んだこの人)
ユニがそう思っていると、「ご苦労様です。ネプテューヌさん、ですが、まだ足りません」とイストワールが言う。
「そう、なら集めてくるわ」
ネプテューヌがそう言って踵を返すと、「アタシ達も手伝います!」とユニが名乗り出る。
「大丈夫よ。ユニちゃん達、まだ変身できないんでしょ?」
ネプテューヌがそう言うと、「はい……リンクエイドで力を使い過ぎたせいでしょうか……」とユニが落ち込みながら言う。
するとイストワールが、「そんなに落ち込まないで下さい。時間を掛けてシェアエネルギーを蓄えれば、また変身できるようになりますよ」と励ますように言う。
「うー……変身できないと不便よねー。空も飛べないし」
ラムが不満そうに言うと、「でも、ネプギアちゃんが助かったんだから、我慢しなきゃ」とロムが言う。
リンクエイドでネプギアが一命を取り止めた時、ユニとロムとラムは変身が解けてしまい、それ以降女神化が出来ないでいた。
「エルデクリスタルの方はわたしに任せておいて。ユニちゃん達はネプギアの側に居てあげて」
ネプテューヌはそう言うと足早に病室を出て行くと扉を閉める。
「くっ……まただわ」
ネプテューヌはそう言いながら、廊下にうずくまる。
(カオスアニマの影響なの……お願い、もってわたしの心。せめてネプギアが目を覚ますまで……)
***
「確かに変身できなきゃ足手まといよね」
ユニがそう言うと、「申し訳ありません。ネプテューヌさんが、あそこまで真剣にエルデクリスタルを集めるとは思いませんでした」とイストワールが言う。
「それより、エルデクリスタル使わないの?」
ロムがそう言うと、「そうよ、早く使ってネプギアを治しましょう」とラムがそれに続く。
「そうですね」
イストワールはそう言うと、エルデクリスタルを両手で持って、ネプギアの胸元にかざす。
するとエルデクリスタルがネプギアの体に沈むように消えていく。
「おお、吸収された?」
ラムが驚きながら言うと、「エルデクリスタルには、弱った女神様の体力と骨格を補強する効果があるのです」とイストワールが説明する。
そしてイストワールが六つほどエルデクリスタルをネプギアに吸収させると、「ん……っ」という声がネプギアから聞こえてくる。
「ネプギア!」
ユニが嬉しそうに声を上げると、「あれ? ここは?」と言ってネプギアが目を覚ます。
「ああ、良かった。目を覚まされたんですね」
イストワールがホッと胸を撫でおろす。
「ネプギア、大丈夫? 怪人になってない?」
ラムがそう言いながら詰め寄ると、「心配(おろおろ)」とロムが続けてネプギアに寄ってくる。
「へ? 怪人???」
ネプギアは驚きで目を丸くする。
すると、「廃人よ廃人」とユニが訂正を入れて来る。
「でも、その様子なら大丈夫みたいね」
ユニがそう言うと、「私、ハイドラを倒して……それから……」とネプギアが何かを思い出そうと考え込む。
「そうだ! お姉ちゃん達は? それにゲハバーンは?」
ネプギアが思いついたように言うと、「みんな無事よ。ゲハバーンは元に戻っちゃったけどね」とユニが言う。
「ネプギアさん、何かおかしなところはありませんか?」
イストワールが心配そうに尋ねると、「少しフラフラしますけど、大丈夫です」とネプギアは答えながら上半身を起こす。
「ネプギアちゃん、変身できる?」
ロムがそう尋ねると、「え?」とネプギアが首を傾げる。
すると、イストワールが、「実はですね……」と言って三人の女神候補生がネプギアを助けるためのリンクエイドの反動で一時的に女神化出来なくなったことをネプギアに伝えた。
「そうだったんですね。みんなごめんね。私の為に……」
ネプギアがそう言って落ち込むと、「なんてことないわよ。ネプギアのお陰で誰も犠牲にせずに済んだんだから」とラムが励ますように言う。
「それで、どう? 変身できそう?」
ユニがそう言うと、「あ……」とネプギアが切なそうな呟きを上げて、「私もできないみたい」と言う。
それを聞いたイストワールが、「やはりそうですか、オーバーロードの反動でしょう」と言い、「ですが、時間を掛けてシェアエネルギーを蓄えれば、また変身できるようになりますよ」と励ますように付け加える。
「とりあえず、今は休みなさいアンタが一番重症なんだから」
ユニはそう言いながらネプギアをベッドに寝かす。
その後、各国から送られたシェアクリスタルと、ネプテューヌが集めたエルデクリスタルによって、ネプギアは変身できないこと以外は完全回復を遂げた。
こうして、ダゴンとハイドラとの戦いは幕を下ろし、うずめ達別次元の女神達も元の次元に帰って行った。
ちなみに大きいネプテューヌは、うずめの零次元に遊びに行ったらしい。