新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2019年9月24日 火曜日。
いつものように、朝練と午前中のクエストを終了させたネプギア達。
午後は新鮮な世界樹の葉を摘みに、女神候補生とプラエでゲムドラジルを訪れていた。
「変身ができなくなった?」
伏姫が驚いた声で言う。
「はい、邪神のダゴンとハイドラは倒したんですけど……いーすんさんが言うには、その時に無理をし過ぎた所為だと……暫くすれば治るって言うんですけど」
ネプギアが少し落ち込んだ声で説明をすると、「がすとさんの錬金術で作ったエリキシル剤や他の薬も効かないみたい……」とプラエが困った声で言う。
続けて、「伏姫さんは、何か心当たりはありませんか?」とユニが質問する。
「それに関しては、いーすんという方の言うことが正しいでしょう。ただし、日々女神としての精進を怠らないようにする。という条件付きですが」
伏姫がそう言うと、「やっぱり、そうなんですね」とネプギアが少し残念だが納得したように頷く。
「例えるなら、今のそなた達は全力でフルマラソンを走り終えた状態。回復するには大量の新鮮な酸素が必要となるのです」
伏姫が説明をすると、「酸素がシェアエネルギーで、その酸素を作る為には、お仕事を頑張らなきゃいけないってことですか?」とネプギアが答える。
すると、「その通りです。仕事をしなければ、酸欠になる可能性もあります」と伏姫が言う。
「さんけつ? お尻が三つになっちゃうの?!」
ラムが驚いたふうに言うと、「そんなの嫌(ぷるぷる)」とロムが震える。
「そうじゃなくって、酸素欠乏症のことよ」
ユニが右手を頭に当てて少し呆れながらそう言うと、「洞窟とか、酸素が少ない場所で体調が悪くなることを言うんだよ」とネプギアが説明を付け加える。
「それなら、シェアクリスタルは酸素スプレー?」
プラエが首を傾げながら質問すると、「そうなるのかな?」とネプギアが言う。
続けてユニが、「よく酸素スプレーなんて知ってるわね」とプラエに質問すると、「プラエも苦しい時にお世話になってるから」と言って、Nギアのインベントリ倉庫から酸素スプレーを取り出す。
「プラエの具合の方はその後いかがですか?」
伏姫が少し心配そうに質問すると、「えっと……Vさんやがすとさんのエリキシル剤が効いてるみたいで苦しくならないです」とプラエが少し意外そうに答える。
「そうですか。それは何よりです」
伏姫がそう言って微笑むと、「どうして、プラエの心配してくれるんですか?」とプラエが質問をする。
「うん? ……ああ、そうでしたね。以前はプラエに厳しいことを言ってしまいました。お詫びさせてもらいます」
伏姫がそう言って頭を下げると、「じゃあ、わたし達はプラエと一緒に居てもいいのね」とラムが明るい声で言うが、「しかし、そなた達が辛い思いをするのは確かでしょう」と伏姫が言う。
「どういうこと?」
ロムが首を傾げると、「私は、そなた達なら、それを乗り越えてくれると信じています。九花に選ばれたそなた達ならと」と伏姫が言う。
「九花ですか……」
ネプギアが少し難しい顔で呟くと、「どうかしましたか?」と伏姫が問いかける。
「その、自分が九花としてやっていけるのかとか、誓約を守るにはどうしたらいいのか、とか考えてしまって……」
ネプギアがやや自信なさそうに言うと、「知り合って間もない私が言うのも難ですが、あなた達なら問題ないでしょう。それと誓約に関しては日々の選択の積み重ねが大事です」と伏姫が励ますように優しく言う。
「日々の選択の積み重ねですか?」
ネプギアが不思議そうに首を傾げると、「正解を選べば能力が上がるとか?」とラムが言う。
すると、「そんなゲームとかの選択肢みたいに行かないでしょ……」とユニが言うが、「その認識で問題ありません」と伏姫が言う。
「そうなの?!」
ユニがそう言って驚くと、「いえーい、合ってた!」とラムが万歳し、「ラムちゃん、凄い(ぱちぱち)」とロムが拍手をする。
「ネプギアのライラックなら、【友情】や【謙虚】を心掛けながら日々過ごすとよいでしょう」
伏姫がそう言うと、「自信ありませんけど、頑張ります」とネプギアが答える。
「ユニのグラジオラスなら、【勝利】に向かって【努力】を怠らないようにするとよいでしょう」
伏姫がそう言うと、「それなら結構自信あります」とユニが腕組みしながら答える。
「ロムのデイジーなら、【平和】を願い、【希望】を忘れてはなりません」
伏姫の言葉に、「が、がんばります……」とロムが少し自信なさそうに答える。
「ラムのガーベラなら、【希望】を持って【常に前進】を心掛けて下さい」
伏姫がそう言うと、「いえーい。ラムちゃんの得意分野」と言ってラムがダブルピースをする。
「そして、プラエのネリネなら、【忍耐】を重んじ、【また会う日を楽しみに】と、人との出会いを大事にすべきでしょう」
伏姫の言葉に、「プラエ、姉さまに会えないことも病気のことも耐える」とプラエが力強く言う。
「誓約を守り続ければ、誓約花はあなた達に力を貸してくれるでしょう」
そう言って伏姫が締めくくると、「当面はお仕事を頑張りつつ、ルートビルド計画を進めて、誓約花の誓約を守っていこう。って感じかな」とネプギアが言う。
すると、「そうね。異論はないわ」とユニが言い、「うん、いつも通りだね」とロムが言い、「わたし達なら楽勝よ」とラムが言い、「プラエも頑張る」と最後にプラエも言う。
「時にネプギア、あなたの心に焦りを感じます。何かありましたか?」
伏姫がそう言うと、「それは……」とネプギアが口ごもってしまう。
「話したくないなら構いませんが……」
伏姫の言葉に、「いえ、話させて下さい。ここなら誰にも聞かれないと思いますし」とネプギア答えると、「ネプテューヌさんとイクスのことね」とユニが言う。ユニ達もこの事を知りたいとは思っていたがネプギアが話すのを待っていたのだ。
「お姉ちゃんは今危険を承知の上で、イクスの側に居るんです」
ネプギアがそう言うと、「イクス……やはり現れましたか」と伏姫が答える。
「それってもしかして、くろめの時の大きいネプテューヌさんと同じってこと?」
ユニが腕組みしながら言うと、「うん、そうだと思う……ううん、絶対にそうだよ!」とネプギアが力強く言う。
大きいネプテューヌは以前に、暗黒星くろめの仲間のフリをしてネプギア達を色々手助けしてくれたのだ。
「でも、ネプテューヌさんはくろめにバレちゃったんだよね」
ラムがそう言うと、「ネプテューヌちゃん、大丈夫かな(はらはら)」とロムが心配そうに言う。
「うん、だから私達が一刻も早く助けてあげなきゃ!」
ネプギアがそう言うと、「そういうことなら協力するわ」とユニが言い。「わたしも頑張る(ふんす)」とロムが小さくガッツポーズをし、「ラムちゃんにお任せよ」とラムがピースをする。
「……」
プラエは俯いて黙っていた。
(あの時見た、ネプテューヌさんの闇はもう……)
プラエがそう思っていると、「プラエ、大丈夫? 顔色悪いわよ」とラムが心配そうにプラエの顔を覗き込む。
「だ、大丈夫! プラエもネプギアお姉さんのお手伝いするよ!」
プラエが精一杯元気を出して言うと、「ありがとう、プラエちゃん」とネプギアが微笑んだ。
「事情は分かりました。しかし、焦ってはいけません。それこそイクスの思う壺ですよ」
伏姫がそう言うと、「分かりました。お姉ちゃんを信じて頑張ります」とネプギアが素直に答える。
(……とは言ったもののイクスは狡猾な相手、恐らくネプテューヌでは……いや、既にネプテューヌは……)
伏姫はそこまで思うと、「あなたには辛い運命が待ち受けているでしょうが、挫けないで下さい」と優し声でネプギアに言う。
「ありがとうございます。それでは失礼しますね」
ネプギアはそう言うと必要なだけ世界樹の葉を摘んで、ギャザリング城に戻って行った。
***
ネプギア達がギャザリング城の前に戻ると、入り口に黒くて巨大なオープンカーが佇んでいた。
「なに!? このデカい車は?」
ユニが驚きの声を上げると、「わー! 凄く改造のしがいがある車だよ」とネプギアが目を輝かせる。
「何でもかんでも改造しようという癖直しなさい」
ユニが呆れながらそう言うと、「おかえりなさいませ」とあんみつが出迎えてくれる。
「ただいま、あんみつ」
プラエが返事をすると、「ねーねー。この凄い車はなに?」とラムが質問し、「気になる(まじまじ)」とロムがそれに続く。
「ついさっき訪れたお客様の物です。なにやら、がすと殿に用事があるようです」
あんみつがそう答えると、「誰だろうね?」とネプギアが首を傾げる。
「ビーシャさんとお友達のようでしたけど」
あんみつがそう言うと、「それってもしかして、ゴールドサァドの誰か?」とユニが思いついたかのように言う。
「だったら、行ってみましょうよ」
ラムがそう言ってギャザリング城の中に入って行くと、「誰だろう(わくわく)」とロムもその後に続く。
***
ネプギア達が客間の側に行くと、そこにはビーシャともう一人の女性がいた。
青い軍服のような服とベレー帽をかぶった、茶色い髪をしたロングヘアーの女性だ。
「あっ! シーシャだ!」
ラムが明るい声で青い服を着た女性をそう呼ぶと、「シーシャさん久しぶり」とロムも明るい声でその女性を呼ぶ。
「やあ、ロムちゃんにラムちゃんじゃないか。久しぶりだね」
シーシャと呼ばれた女性が微笑みながら、ロムとラムに返事をする。
「ねーねー! 外にある、おっきな車ってシーシャのなの?」
ラムがそう尋ねると、「いや、あれはエスーシャのだよ」とシーシャが答える。
「エスーシャさんも来てるんですか?」
ネプギアがそう言うと、「ああ、アタシとエスーシャは一緒に行動してたんだ」とシーシャが答える。
「まあ、アタシが好きでエスーシャの探し物に付き合ってただけなんだけど」
シーシャがそう付け足すと、「それって、がすとのこと?」とユニが尋ねる。
「そう。正確には、イーシャを元に戻せる人物を探してたんだ」
シーシャが質問に答えると、「なるほど、そういうことですか」とネプギアが納得する。
エスーシャは、以前に映画で失敗して命を落としそうになったが、その時にイーシャが禁呪を使って彼女を助けている。
その結果、イーシャの肉体に二人分の魂が同居するという形になっているのだ。
普段はエスーシャの人格が表に出ており、彼女は何とかイーシャを元に戻そうと必死にその方法を探している。
その時、客間のドアが静かに開く。
中からはがすとと、もう一人、黒いベストを着こんだ、銀髪のショートヘアーの女性が現れた。
「どうだった?」
シーシャが銀髪の女性に尋ねると、「金と素材がいる。行くぞ、シーシャ」と手短に銀髪の女性が答える。
「ちょっと、ちょっとー! エスーシャ! 久しぶりに会ってそれはないでしょ」
ビーシャがそう言って銀髪の女性に近づくと、「興味ないね」とエスーシャと呼ばれた銀髪の女性が答える。
「あはは……エスーシャさん、相変わらずですね」
ネプギアがやや呆れながら言う。
エスーシャはイーシャ以外のことには関心を示さず、【興味ないね】が口癖になっている。
「よかったら、事情を話してくれませんか? もしかしたら、何か力になれるかもしれません」
ネプギアがやんわりとした口調でエスーシャに言うが、「興味ないね」とエスーシャは取り付く島もない。
そこに、「イーシャさん、イーシャさん! 私、久しぶりにイーシャさんともお話したいです!」とネプギアが訴えかける。
すると、エスーシャの表情が急激に柔らかくなり、「はい」と素直に答える。
「……まったく、イーシャをダシに使うな」
エスーシャが表情を戻して、苦々しく言う。
普段はエスーシャの人格が表に出ているが、呼びかければイーシャの人格が表に出て来ることもある。
今のはイーシャがネプギアの呼びかけに答えたのだ。
「ま、いいじゃないか。休憩がてら情報交換でもしよう」
シーシャがそう言うと、「仕方ないな」とエスーシャも渋々承諾した。
***
ネプギア達は客間に戻って、エスーシャ達と話をしていた。
「ところで、ヌマンさんとレディさんは?」
ネプギアがエスーシャに尋ねる。
【ヌマン】とは顔がスライヌで、体がマッチョな成人男子の姿をした生き物。
【レディ】とは同じく顔がスライヌで、体がナイスバディな成人女性の姿をした生き物。
どちらも、エスーシャとイーシャの友人で、彼女達のサポートをしている。
「この近くにヌマン達の故郷がある。だから今は暇を出している」
エスーシャがそう言うと、「故郷って……ヌマンさん達みたいな人がいっぱい居るのかな?」とネプギアが微妙な表情を浮かべる。
更に、ユニも、「かなりシュールな光景ね……」と同じく微妙な表情を浮かべる。
「あの、おっきな車は?」
ラムがそう尋ねると、「あれは最近買った、愛車のレガリオだ」とエスーシャが答える。
「エスーシャさん、車の運転も出来たんですね」
ネプギアが感心したかのように言う。
「そう言えば、お金と素材がいるって言ってたけど、それって、やっぱりイーシャさんの?」
ユニが質問をすると、「それに関しては、がすとが説明しますの」とがすとが言う。
「合わさった魂を分ける秘薬と、エスーシャ用に新しい体が必要になるので、それの素材と代金1000万クレジットですの」
がすとがそう言うと、「本当にできるんだろうな?」とエスーシャが、がすとを厳しめの視線で見る。
がすとは臆することなく、「五分五分ですの。魂を分ける秘薬自体が使うことの少ない薬ですので成功例も多くないですの」と答える。
「あのー……がすとさん、高くないですかそれ?」
ネプギアが、がすとにそう尋ねると、「世の中、等身大フィギュアですら200万クレジットしますの。それを考えれば、リアルな体が、その5倍なら安いものですの」とがすとが答える。
すると、「錬金術で人間の体って作れるの?」とユニが質問する。
「正確にはホムンクルスですの」
がすとがそう言うと、「ほむんくるす?」とロムが首を傾げる。
「錬金術で作り出す人造人間のことだよ」
ネプギアが説明すると、「ほわ~、錬金術って凄いんだね」とプラエが感嘆をする。
ピピピピ!
そこでスマホの呼び出し音が鳴る。
鳴っていたのはエスーシャのスマホのようで、エスーシャは通話の操作をすると、「私だ」と応答する。
「大変だ! オイラ達の村が謎の黒いスライムに襲われてるんだ」
電話から切迫した男性の声が聞こえてくる。
すると、エスーシャは落ち着いた声で、「どういうことだ? 詳しく説明しろ」と言う。
「オイラとレディは朝六時に起きて早朝のトレーニングを……」
電話の男性の声が落ち着いて説明を始めると、「そこまで詳しくなくていい」とエスーシャが呆れた声で言う。
だが、すぐに真剣な顔に戻ると、「私の助けが必要な程の強敵なんだな?」と言う。
「ああ、頼むよエスーシャ」
電話の男性の声がそう言うと、「わかった。すぐに向かう」と言ってエスーシャは電話を切る。
「あの、強敵ってどういうことですか?」
ネプギアが真剣な声で質問をすると、「ヌマン達の村が謎の敵に襲われているらしい、今から救援に行く」とエスーシャが席を立つ。
「それなら、私達も行きます」
ネプギアが立ち上がると、「ええ、この辺りで謎の敵なんて言われたら、黙ってられないわ」とユニも立ち上がる。
更に、「勿論、わたしも行くよ」とビーシャが元気よく言う。
「わたし、みんなを呼んで来るわ」
ラムがそう言って立ち上がると、「わたしも」とロムも立ち上がる。
更にプラエも一緒になって部屋を出て、仲間達を呼びに行く。
「すまない」
エスーシャは短く答えると、部屋を出て外に向かう。
ネプギアとユニ、それにがすとにビーシャとシーシャはその後を追うように部屋を出る。
ネプギア達はエスーシャの車に、サンジェルマンの車、ファミ通の車、それにコンパの車と、アイエフのバイクにそれぞれ乗り込む。
そして、エスーシャの車の先導で、ヌマン達の村に向かった。
***
村に付くと二人の男女? が村の入り口の柵に追い詰められていた。
二人の男女は、片方は顔がスライヌで、体がマッチョな成人男子の姿をした生き物と、同じく顔がスライヌで、体がナイスバディな成人女性の姿をした生き物だ。
その二人を追い詰めるのが、ニメートル程の黒いコールタールの塊に、巨大な口が何個も付いた生き物の集団だ。
「ヌマン! レディ!」
エスーシャが叫ぶ。
「ああ、エスーシャちゃん、間に合ったのね」
ナイスバディのスライヌの女性がエスーシャの呼びかけに答える。
彼女がレディだ。
「気を付けろ。こいつ等手強いぞ」
続けて、マッチョなスライヌが戦闘態勢のまま答える。
彼がヌマンだ。
「アレは、無形の落とし子!」
黒いコールタールの塊を見たニトロプラスがそう言うと、「むけーのおとしご?」とラムが首を傾げ、ロムが、「タツノオトシゴの仲間?」と尋ねる。
「もしかして、邪神の一味ですか?」
ネプギアがそう言うと、「そうよ。まさか、こんなところに出て来るなんて……」とニトロプラスが驚いたように言う。
「えっと……あの水着の人を助ければいいんだよね」
プラエが少し恥ずかしそうに言う。
彼女の言う通り、ヌマンはビキニパンツ一丁、レディはビキニを着ていた。
「ネプギア達は、随分と個性的な知り合いが増えたですの」
がすとが呆れながら言うが、「そんなことより早く助けよう」とゴッドイーターが言う。
ネプギア達に気付いた無形の落とし子達は部隊を二つに分けてくる。
ヌマンとレディを攻撃するのに二体残して、残り六体はネプギア達に向かって来る。
「よーし! 正義のヒーローっぽくカッコよく行くぞ!」
日本一がそう言って飛び出すと、「わたしも負けないよ」とビーシャがそれに続く。
「チームを三つに分けて下さい! 私達女神候補生とプラエちゃんのチームと、ファルコムさんといーすんさんを中心にしたチーム、ゴールドサァドの皆さんを中心にしたチームでお願いします」
ネプギアがそう叫ぶと、仲間達は素早く三つのチームに分かれる。
三つのチームに分かれたネプギア達は、それぞれ二体の無形の落とし子と対峙する。
【第一部隊】
ネプギア(前衛:タンク)
ユニ(後衛:スナイパー)
ロム(後衛:ヒーラー)
ラム(後衛:アタッカー)
プラエ(後衛:サポーター)
初音ミク(後衛:サポーター)
【第二部隊】
ファルコム(前衛:タンク)
イストワール(後衛:アタッカー&ヒーラー)
あんみつ(前衛:アタッカー)
アイエフ(前衛:アタッカー)
コンパ(後衛:ヒーラー)
ゴッドイーター(前衛:タンク)
ニトロプラス(前衛:アタッカー)
【第三部隊】
シーシャ(前衛:アタッカー)
エスーシャ(前衛:タンク)
ビーシャ(後衛:アタッカー)
日本一(前衛:アタッカー)
がすと(後衛:ヒーラー)
ファミ通(前衛:タンク)
第一部隊はネプギアが先陣をきって、無形の落とし子に向かって行く。
「ていっ!」
ネプギアのビームソードによる先制攻撃が、一体の無形の落とし子を切り裂く。
「がうあああああ!」
無形の落とし子は悲鳴を上げて怯むが、そのダメージは1012とやや少ないものだった。
「硬い!?」
ネプギアが驚きの声を上げる。
するとヌマンが、「こいつ等には、物理攻撃は効果が薄いんだ」と叫ぶ。
「それなら、これはどうかな?」
第二部隊はファルコムが先陣をきる。
「剣魔法エクスプロージョン!」
ファルコムの縦斬りと共に爆炎が起きる。
「ぎゃああああ!」
無形の落とし子は3521のダメージを受けて悲鳴を上げる。
「そういうことなら、あたしだって!」
第三部隊のシーシャが先陣をきって無形の落とし子に向かって行く。
シーシャはジャンプパンチからのアッパーを決めると、「ファイアー龍昇拳!!」と叫びながら蛙飛びアッパーを食らわせる。
「グオオオオオオン!」
無形の落とし子は炎に包まれると、2835のダメージを受ける。
シーシャは徒手空拳で戦うアタッカーだが、シーバスターと言う射撃攻撃も行うことが出来る。
「うがあああ!!」
無形の落とし子がシーシャの着地を狙って、体をトゲのようにして伸ばす。
「しまった!」
焦りの声を上げるシーシャだが、「油断するな、シーシャ」と着地地点にエスーシャが割り込んでシーシャを庇う。
無形の落とし子の攻撃がエスーシャに当たると、エスーシャは372のダメージを受けHPゲージが三割減少する。
「ふん……この程度、問題ない」
エスーシャはネプギアに似たタンクもこなせるマルチタイプの前衛。
剣と魔法を使いこなすソルジャーだ。
「ごおおおおお!」
無形の落とし子の一体が体の一部を鞭のように伸ばして、ネプギアに殴り掛かって来る。
「くっ!」
ネプギアは左手の防御の魔方陣でそれを防ぐが、360のダメージを受けてHPゲージが二割以上減少してしまう。
「ネギちゃん、今防御アップの歌を歌うから!」
ミクはそう言うと、防御力アップの歌を歌い始める。
更に、「まもってあげる」とロムが防御力アップの魔法をネプギアに使う。
「二人ともありがとう!」
ネプギアが二人にお礼を言うと同時に、もう一体の無形の落とし子が体の一部を槍のように伸ばして攻撃をしてくる。
ネプギアは先程と同じように左手の防御の魔方陣でそれを防ぐ。
今度は154までダメージが減少しており、ネプギアのHPの減少も一割程度に抑えられる。
「ネプギアお姉さん、ヒールドリンク!」
プラエが鎖を使って回復アイテムをネプギアに手渡す。
「ありがとう、プラエちゃん」
ネプギアはそれを受け取ると、素早くHPを回復する。
「行くわよ、ラム!」
ユニがそう言うと、「オッケー、ユニちゃん」とラムが答える。
「「マルチプライド・フレイムバレット!」」
ユニとラムが叫ぶと、ユニの銃から強力な炎の弾丸が、無形の落とし子向けて飛んでいく。
アークスのリンクによって、どの属性の合体攻撃を使うか瞬時に理解し合うことが可能なのだ、
「ぎゃわわわっ!?」
無形の落とし子に弾が命中すると、無形の落とし子は激しい炎に焼かれ9682のダメージを受ける。
「プラエも頑張る。ロムさん」
プラエがロムに声を掛けると、「いいよ、プラエちゃん」とロムが答える。
「「マルチプライド・フレイムチェーン!」」
ロムとプラエが叫ぶと、プラエの右薬指の鎖が炎に包まれ、無形の落とし子を締め付ける。
無形の落とし子は8154のダメージを受けると、「グワアアア!」と叫び声を上げる。
「グルルルル!」
「グオオオオ!」
二体の無形の落とし子が前衛に立つネプギアに、連携をして襲い掛かる。
二体とも、体の一部を槍のように尖らせてネプギアに攻撃をしてくる。
「きゃっ!」
二体の攻撃を受けたネプギアは合計で350以上のダメージを受けてHPゲージが三割ほど減少してしまう。
「ハイヒール!」
しかし、ネプギアは落ち着いて回復魔法を使うとHPゲージが満タンまで回復す。
「「グウウウウウ!!」」
二体の無形の落とし子が唸るようにネプギアを威嚇する。
いつも通り、ヘイトはネプギアに集中しているようだ。
「HP解析完了。推定10万です」
同時にNギアからエネミーの解析結果が報告される。
「やっぱり、邪神の一味だけあって手強い。慎重に攻めなきゃ」
ネプギアがそう言うと、「慎重もいいけど、ヌマン達の救助もあるわ。出来るだけ迅速にね」とユニが言う。
それを聞いたネプギアは小さく頷くと、「うん、わかった」と答えた。
***
ネプギア達は無形の落とし子との戦闘を慎重に進めていた。
第一部隊は、ネプギアをタンク兼ヒーラーに、ユニとラムをアタッカー、ロムとプラエをアタッカー兼サポーター、ミクを歌での援護をさせている。
第二部隊は、ファルコムを中心にゴッドイーターがタンク、アイエフとあんみつとニトロプラスがアタッカー、イストワールとコンパがヒーラーに徹している。
第三部隊は、ファミ通とエスーシャをタンクに、シーシャ、ビーシャ、それに日本一がアタッカー、がすとが錬金術でヒーラーをしていた。
三部隊ともに統率の取れた動きをしており、無形の落とし子に次々とダメージを与えて行く。
「ヌマンさん、あと少しで突破できます! もう少しだけ耐えて下さい!」
ネプギアがヌマンに向けて叫ぶと、ヌマンは無形の落とし子の攻撃に耐えながら、「頼むよ。オイラの上腕二頭筋も、そろそろ限界なんだ」と答える。
「はあああ! フレイムエッジ!」
ネプギアのフレイムエッジが無形の落とし子にヒットする。
3125のダメージが当たり、「ギャアアア!」と断末魔を上げて一体の無形の落とし子が戦闘不能になる。
「やった! あと一体」
プラエが嬉しそうに声を上げると、「一気に行くわよ!」とユニが、「オッケー、ユニちゃん!」とラムが叫ぶ。
更にロムも、「プラエちゃん、わたし達も!」と言うと、「うん、任せて」とプラエが答える。
「「マルチプライド・フレイムバレット!」」
「「マルチプライド・フレイムチェーン!」」
二つの合体攻撃を、間髪入れずに残った一体の無形の落とし子に叩き込む四人。
無形の落とし子は、2万以上のダメージを受けると、「ウギャアアア!」と断末魔の叫びを上げ消滅をする。
「よし、突破出来た!」
ネプギアは急いでヌマンに近づくと、「ハイヒール!」とヌマンに回復魔法を使う。
「助かった~」
安堵の溜息をつくヌマン。
「このまま、ヌマンさんとレディさんを助けるよ!」
ネプギアがそう言うと、「「「「了解」」」」と第一部隊の仲間達が答える。
「もう大体コツは掴んだわ。アークスの連携攻撃があれば、こんな奴等敵じゃないわ」
ユニがそう言うと、「そうよ、楽勝よ!」とラムも元気よく言う。
続けてロムも、「楽勝!」と言うが、「うっ……」とプラエが突然膝を付いてうずくまってしまう。
「どうしたの? プラエ!」
ユニが慌てて声を掛けると、「体が熱い……」とプラエが呟く。
すると、プラエの体から黒いモヤが現れる。
「なに? 今のモヤモヤしたのは?」
ラムが驚きの声を上げ、「凄く怖い感じがする……」とロムが身震いをする。
「あれは……似ている。アタシの猛争化の時の発作に」
たまたま、その場を見ていたシーシャが呟く。
同時にヌマン達を襲っていた、二体の無形の落とし子に変化が起こる。
二体とも、大きさが一回り大きくなったのだ。
「「ガアアアアアアア!」」
無形の落とし子が雄叫びを上げる。
「汚染!? いけない!」
ネプギアはそう言うと素早くヌマンと無形の落とし子との間に入って、ヌマンを援護防御する。
「グオオオオオオ!」
汚染された無形の落とし子の、体の一部を鞭のようにした攻撃がネプギアに迫る。
「ぐううううっ!」
ネプギアは左手の防御の魔方陣で何とか受け止めるが、712のダメージを受けてネプギアのHPゲージがあっという間に五割以下になってしまう。
「ガアアアアアアア!」
更にもう一体の汚染された無形の落とし子が、同じく体の一部を鞭のようにしてネプギアを攻撃しようとする。
(いけない! これに当たったら!)
ネプギアがそう思っている間にも、無形の落とし子の鞭がネプギアに迫る。
「おっと!! そうはさせないよ!」
そこに滑り込むようにファルコムが援護防御に入る。
ファルコムは両手剣で無形の落とし子の鞭を弾き返すと、parryの表示が出る。
「ファルコムさん! ありがとうございます。助かりました!」
ネプギアが颯爽と駆け付けたファルコムにお礼を言う。
ファルコム達、第二部隊も無形の落とし子を二体倒して敵陣を突破したのだ。
見れば、第三部隊も今しがた、敵陣を突破したようだ。
「ネプギアちゃん、なおしてあげる!」
その間に、回復魔法でネプギアのHPを回復するロム。
「こほっこほっ……ごめんなさい。プラエが倒れちゃったから……」
プラエが咳き込みながら立ち上がると、「大丈夫?」とユニが問いかける。
「うん、大丈夫……こほっこほっ……少し苦しいけど戦えるよ」
プラエが苦しそうに言うと、「無理しちゃダメよ」とラムが言う。
「本当に大丈夫。ネプギアお姉さんの役に立ちたいの」
必死に訴えるプラエ。
それに対してネプギアは、「ありがとう。でも、無茶はしないでね」と真剣な声で答える。
「かなりのパワーです。連続で攻撃を受けないよう気を付けて下さい!」
ネプギアが仲間達に向けて叫ぶと、「了解だよ。援護防御で助け合って行こう!」とファミ通が答える。
「密集陣形、ファランクスで迎撃します! タンクの出来る方は集まって!」
ネプギアがそう言うと、ネプギアの側にファミ通、ファルコム、ゴッドイーター、エスーシャが集って最前線に立つ。
「任せといて! みんなは私が守るよ」
ゴッドイーターはそう言いながら神機を接近戦モードにして盾を構える。
「グルルルルル!」
同時に無形の落とし子の体の一部を槍のようにした攻撃がゴッドイーターに迫る。
ゴッドイーターはそれを盾で受け止めると、755のダメージを受けるHPゲージが七割も減少するが「これくらいっ!」と踏ん張る。
そこに、「シャーーーー!」と、もう一体の無形の落とし子の攻撃がゴッドイーターに迫るが、「ここはあたしに任せな」と少し後ろにいたシーシャが援護防御に入る。
シーシャは無形の落とし子の攻撃を右腕で捌くと、parryの表示が出る。
それと同時に、「ガードキャンセルからの……ファイアー龍昇けーーーん!」と龍昇拳を放ちカウンター攻撃を入れて、無形の落とし子に4254のダメージを与える。
【ガードキャンセル】とは、主に格闘ゲームにあるシステムで相手の攻撃をガードした瞬間にコマンド入力することで、ガード硬直をキャンセルして別の行動を起こせるシステム。
シーシャは格闘ゲームのテクニックが非常に上手く、このようなシステムを駆使して戦う。
その為、パリイやジャストガードのテクニックはファルコム並みかそれ以上だ。
「よし、敵の攻撃が終わった。攻めるぞ!」
エスーシャが片手剣を持って斬り込む。
「エクサスラッシュ!」
雷を纏ったエスーシャの攻撃が無形の落とし子を切り裂くと、3325のダメージが当たる。
「「マルチプライド・フレイムバレット!」」
「「マルチプライド・フレイムチェーン!」」
更に、ユニとラム、ロムとプラエが先程と同じように二つの合体攻撃を無形の落とし子に叩き込む。
無形の落とし子は2万以上のダメージを受ける。
更に、アイエフが、「ネプギア! アレを使うわ!」と言うと、ネプギアとアイエフは以前に使った【魔界粧・裏轟炎】のポーズを取って魔法の詠唱を始める。
「塵も残さないわ! いくわよ、魔界粧・裏轟炎!!」
アイエフが魔法を放つと、闇の炎が無形の落とし子達を焼いて、9,987のダメージを与える。
その後も、日本一、ファミ通、ビーシャ、がすと、ニトロプラスが次々と無形の落とし子に攻撃を当てて行く。
「ゴッドイーターさん、今回復します。天の恵み!」
イストワールがゴッドイーターの治療をすると、「わたしも回復です~」とコンパ続けて治療をして、ゴッドイーターのHPを満タンまで回復させる。
仲間達の見事な連携を見たネプギアが、「いけます! この勢いで行きましょう!」叫ぶと、「「「「了解」」」」と仲間達から返事が返ってくる。
***
「ギヤァァァァァ!」
断末魔を上げて無形の落とし子が消滅する。
汚染された無形の落とし子は非常に手強かったが、ネプギア達の連携がそれを上回っており、何とか二体の無形の落とし子を撃破していた。
「はぁはぁはぁ……手強い敵でした」
ネプギアが息を切らせながらそう言うと、「ふぅ……女神化出来れば楽だったんだけどね……」とユニが続けて言う。
それを聞いたネプギアは、「疑似プロセッサユニットの開発を急いだ方がいいかも」と呟く。
(それにしても、プラエちゃんが苦しんだ時に限って汚染が起こる……これって何か関係があるのかな?)
ネプギアがそう思っていると、「どうしたの? ネプギア」とラムが尋ねてくる。
「あっ……えと、疑似プロセッサユニットのアイデアを考えてたの」
ネプギアはそう言って誤魔化すと、プラエの方をチラリと見る。
すると、プラエもネプギアを見ていたようで二人の視線が合ってしまう。
「あっ……ごめんなさい。プラエ、また迷惑掛けちゃったよね」
プラエがしょんぼりしながら言うと、「ううん、そんなことないよ。大丈夫」とネプギアは首を左右に振り、「病気が良くなればこんなこと起きなくなるから」と続けて言ってプラエを元気づけようとする。
「ありがとう、ネプギアお姉さん」
プラエはそう言って微笑むが、まだどこか元気が無いようだった。
***
その日の夕食後。
プラエは、あんみつの部屋を訪れていた。
「ねぇ、あんみつ。プラエ変なの」
プラエがそう言うと、「変とは?」と言って、あんみつが首を傾げる。
「プラエが苦しくなって、体が熱くなった時に限って、モンスターの汚染が起こる気がするの」
プラエの言葉に、あんみつは、「偶然です。プラエ様の気にしすぎですよ」と冷静に答える。
「でも、モリガニの時もオンガクギョウ界の時も今日だって……」
プラエが切なそうに言うと、「プラエ様には関係のないことですよ。さあ、疲れたでしょう? ゆっくり休んで明日に備えて下さい」とあんみつが優しい声で言う。
「……うん」
プラエはあんみつに従って大人しく部屋に戻って行った。
プラエが扉を閉めると、「やはり、血の宿命からは逃れられないでしょうか……」とあんみつが悲しそうに呟く。
その後、シーシャとエスーシャはサンジェルマンの交渉術により、ネプギア達に協力することを決め、ルートビルド計画のメンバーも更に充実したのだった。
***
G.C.2019年9月27日 金曜日。
朝の鍛錬と午前中のクエストと配給を済ませたネプギア達。
ネプギアの部屋には女神候補生とプラエが集まっていた。
ネプギア達の他にもビーシャと以前にプラネテューヌにプロセッサユニットの改造の話をしに来たエフーシャがいた。
「これでどうでしょうか?」
ネプギアが機械をいじりながら言うと、「ああ、それで完成だろう」とエフーシャが言う。
ネプギアは機械の蓋を閉めながら、「できた!」と言う。
すると、「ついに出来たのね。疑似プロセッサユニット」とユニが嬉しそうに言う。
ネプギアがアノネデスから教えて貰った、以前にピーシェをパワーアップしていた機械を参考に生み出した、誰でも使えるプロセッサユニット。
それが疑似プロセッサユニットだ。
「これで、プラエも変身できるの?」
プラエが首を傾げながら質問すると、「変身と言うより、強化パーツに近いかな」とネプギアが答える。
「早く動かして見せてよー」
ラムがそう言って急かすと、「気になる気になる(わくわく)」と同じくロムも急かしてくる。
「それじゃあ、試すよ」
ネプギアはそう言うと、「疑似プロセッサユニット・リラ装着!」と叫ぶ。
すると、ネプギアの頭部と両肩、両腕、背中、腰、足のそれぞれに、女神化した時と似たようなプロセッサユニットが装着される。
「すごいすごい!」
プラエが喜びながら拍手をすると、「変身するわけじゃなくて、プロセッサユニットが付くだけなのね」とユニが言う。
ユニの言う通り、ネプギアの姿には変化は無く、服もセーラーワンピのままだった。
「電池を内蔵して動かしてるプロセッサユニットみたいなものだからね」
ネプギアがそう言うと、「ネプギアちゃんのプロセッサユニットに似てるね」とロムが言う。
ロムの言う通りプロセッサユニットの形は、変身後のネプギアの身に着けているプロセッサユニットの【ライラック】によく似ていた。
「うん、私のライラックを参考に作ってあるから。だから、名前も【リラ】って言うの」
ネプギアがそう答えると、「これで、どれぐらい強くなるの?」とロムが質問をしてくる。
「私達、女神候補生のプロセッサユニットが基礎パラメーター補正三倍に対して疑似プロセッサユニットは二倍になるの」
ネプギアの答えに、「えー? 何か微妙ー」とラムが不満そうな顔をする。
「確かに物足りないかもだけど、GGシステムは搭載してあるから、空は飛べるし、何よりこの疑似プロセッサユニットにはアンチクリスタルが通用しないの」
ネプギアがそう言うと、「アンチクリスタル?」とプラエが首を傾げる。
「あっ、プラエちゃんは知らないんだよね。簡単に言うと、シェアエネルギーを無効にしちゃうクリスタルなの」
ネプギアが説明をすると、「このクリスタルで斬られたりすると、お姉ちゃん達ですら一撃で倒されちゃったりするのよ」とユニが付け加える。
ユニの言う通り、以前にアフィモウジャスと言う人物が持っていたアンチクリスタル付きの剣で斬られた四女神は一撃で無効化され、人質に取られてしまったのだ。
「ほわー、そんな怖いものがあるんだね」
プラエがそう言って驚くと、「基本的には、アンチクリスタルを上回るシェアエネルギーをぶつけることで破壊できるんだけど、この疑似プロセッサユニットを使えば、簡単にダメージが与えられるの」とネプギアが言う。
「ビームのバリアーを持つ相手に、実弾を使えば簡単にダメージが与えられる感じね」
ユニがそう言うと、「うん、そんな感じ」とネプギアが微笑みながら答える。
すると、「「おお~」」とロムとラムが驚きの声を上げる。
「空を飛べるって言うのもイイね。空を飛べる強化パーツは希少だよ」
ビーシャの言葉に、「ゴールドフォームも飛べるようになるの?」とユニが質問する。
「うん、ネプギアにお願いしておいたから」
ビーシャがそう言うと、「ネプギアの技術力には舌を巻く。こうもあっさりとプロセッサユニットとゴールドフォームの技術を融合させるとはな」とエフーシャ続けて言う。
「私もゴールドフォームの勉強になりました。ありがとうございます、ビーシャさん」
ネプギアが一礼してそう言うと、「……これも無償提供するつもりか?」とエフーシャがネプギアに質問する。
「はい、そのつもりです」
ネプギアは迷いなく即答する。
「この技術を独占すればプラネテューヌはゲイムギョウ界のトップになるだろう。最低でも外交カードとして使用すべきだと思うがな」
エスーシャの忠告にもネプギアは表情を変えず、「私、この前のダゴンとの戦いでゲイムギョウ界は四国で手を取り合って協力すべきだと改めて思いました。だから、この技術もみんなで分け合うべきだと思うんです」と答えた。
「……例え裏切られたとしてもか?」
エフーシャが脅すように少し声のトーンを落として言う。
「聞き捨てならないですね。お姉ちゃんが恩を仇で返すような真似をする訳ないわ」
ユニが不機嫌そうにネプギアとエフーシャの間に入る。
しかし、エフーシャは落ち着いて、「例えばの話だ」と答える。
「例えばでもです。アタシもお姉ちゃんも正々堂々と正面から戦います」
ユニがそう言うと、「そうよ! わたし達のお姉ちゃんも裏切ったりなんかしないわよ」とラムが続き、「お姉ちゃんはそんな人じゃない(きりっ)」とロムもそれに続く。
「……若いな……」
エフーシャがそう呟くと、「認めたくないものだな、自分自身の、若さ故の過ちというものを!」とビーシャがサムズアップしながら言うが、「過ちじゃダメなんじゃないでしょうか……」とネプギアがツッコミをする。
「すまなかった。非礼を詫びよう……傭兵などやっていると、そう簡単に人を信じられなくてな」
エフーシャがそう言って頭を下げると、「いえ、アタシ達も言い過ぎました」とユニが答える。
「話は変わるが、プロセッサユニット改造の方はどうだ?」
エフーシャの質問に、「今のところ平均的に上げてますけど、余裕ができたら特化や追加装備とか試したいです」とネプギアが答える。
「そうか。平均的でも問題ないが、特化は上手くハマれば強力な武器になる。よく考えておくことだ」
エフーシャがそう言うと、「追加装備なら、わたしに任せて。プラモ魂【スピリッツ】を見せてあげるよ」とビーシャがそれに続く。
「ねーねー、ネプギア~。特化とか追加装備とかよくわからないわ。教えて教えてー」
ラムがそう言いながらネプギアの袖を握ってブンブンと振ると、「教えて欲しい(こくこく)」とロムがそれに続く。
「えっと、特化って言うのは、特定の分野に重点を置いて、そこに力を集中することを言うの」
ネプギアが説明を始めると、ラムはネプギアの袖から手を放して、ロムと一緒に興味津々に聞いている。
「例えば、ラムちゃんの場合は魔法攻撃力を凄く伸ばす代わりに、HPや防御力を落としたり」
ネプギアの説明にラムは目をキラキラと輝かせ、「それいいわね。何かカッコイイ感じだわ!」と楽しそうに言う。
ネプギアはそんなラムを落ち着かせるように、「でもね、HPとかが落ちちゃうと女神化しても一撃でやられちゃうかもしれないの。この前のダゴンの戦いでもラムちゃんも何回か攻撃に当たっちゃったでしょ?」と諭すように言う。
「うーん、一発でやられるのは困るわね~」
ラムが腕組みしながら悩むと、「当たらなければどうということはない(きりっ)」とロムが言う。
「がーん……ロムちゃんにセリフ取られた……」
ロムに先に言われてショックを受けるビーシャ。
「ナイスアイディア! 流石はロムちゃんね! だったら、HPと防御力を限界まで落としてスピードと回避率も上げるわ!」
ラムのアイデアに、「ラムらしい発想ね。でも、そんな簡単じゃないのよ」とユニが釘を刺す。
「ユニちゃんの言う通りだよ。初めて会う敵はどんな攻撃してくるか分からないし、ボスはどんな攻撃隠し持ってるかわからないでしょ?」
ネプギアがそこまで言うと、「特化がハマるって言うのは、あらかじめどんな戦場でどんな敵が待ってるか分かってる時が大半だわ」とユニが説明する。
「だから、基本的は平均的な能力の汎用型がベターなんだよ」
ネプギアは言い聞かせるように優しく言うが、「む~! ハイヨ~だかベータだか分からないけど、ずびゅーーーんって感じ動いてずばーーーんって凄い攻撃したい~」とラムが地団駄を踏む。
「戦闘中にプロセッサユニットが変更できればいいんだけどね」
ネプギアがそう言うと、「恐らく可能だ」とエフーシャが話に加わって来る。
「どういうことですか?」
ユニが質問すると、「近日中にポーチとポケットの容量が増えると言う情報を掴んでいる。それを使えばポーチにプロセッサユニットを二種類入れることも可能だろう」とエフーシャが答えた。
「でも、それってお金取るんだよね?」
ビーシャの質問に、「当然だろう。倉庫サービスも慈善事業じゃないんだ」とエフーシャが答える。
「それじゃあ、こうしよう。戦闘直後は汎用プロセッサユニットで様子を見て、敵の攻撃を見切ってきたら、攻撃とスピードに特化したプロセッサユニットにチェンジ。それでいいかな? ラムちゃん」
ネプギアの提案に、「わーい! 流石はネプギアね。うーん、ポーチの容量が増えるのが今から楽しみだわー」とラムが笑顔で答える。
「ポーチの容量が増えてくるなら、そろそろわたしの追加装備も実用的になってくるのかな?」
ビーシャの言葉に、「そうだな。だが、プロセッサユニットや追加装備ばかりでアイテムが入らなければ本末転倒だぞ」とエフーシャ言う。
「そうね。アタシの場合、弾ないと困るわ」
ユニがそう言うと、「MPチャージとかもないと不安」とロムが言う。
「でも、追加装備って憧れるなー。腕からガトリング砲出したり」
ネプギアが目を輝かせながら言うと、「ネプギアお姉さんは本当にロボットアニメが好きだね」とプラエが微笑む。
「でも、プロセッサユニットに腕パーツなんてないわよ」
ユニがそう言うと、「無いなら作ればいいんだよ。アームとか」とネプギアが事もなげに言う。
「アンタが言うと、本当にやらかしそうで怖いわ……」
ユニが右手で頭を抱えながら言うと、「ネプギアならやれるかもな。彼女にはそれだけの知恵と技術と才能がある」とエフーシャが答える。
「知恵と技術と才能の三拍子! 流石はネプギアだわ」
ラムが自分の事のように自慢すると、「ネプギアちゃん凄い(ふんす)」とロムが言う。
「単なる重度のメカオタなだけだけどね……」
ユニがそう言いながらネプギアを見ると、「えへへへっ……腕なんて隠し武器の宝庫だよね。ガトリング砲は勿論、予備のビームソード仕込んだり、ビームトンファーとか電磁ムチとかビームガンとか、グレネードランチャーとか、弾切れした時に使うアーミーナイフもいいなぁ……」とネプギアは新しいパーツへの妄想を広げていた。
「さて、そろそろ仕事にかかるか」
エフーシャがそう言うと、「仕事?」とユニが言う。
「お前達全員分の疑似プロセッサユニットの制作だ。そういう契約だからな」
エフーシャがそう言うと工具を手に持つ。
「でも、やっぱり浪漫のドリルだよね! ドリルブーストナ……」
「ていっ!」
ネプギアが何かを言いそうになった瞬間、ユニの脳天唐竹割りがネプギアの頭に綺麗に入る。
「いたーい! ヒドイよ、ユニちゃん、今凄くいいところだったのに~!」
ネプギアが涙目で抗議するが、「アンタの発言がアウトだからよ」とユニが答える。
「ネプギア、疑似プロセッサユニットの制作をするぞ」
エフーシャの言葉にネプギアは我に返り、「あっ! そうだった。ごめんさい、エフーシャさん。この土日に、みんなの分を作っちゃうから次のクエストには持って行けるよ」とユニ達に言う。
すると、「プラエも手伝う」とプラエが言い、「わたし達もー!」とラムが左手を上げると、「うん、お手伝い(ぐっ)」とロムが小さくガッツポーズをする。
ユニは右手で髪の毛をかき上げながら、「アタシも手伝ってあげるわ」と言うとネプギアは、嬉しそうに、「みんな、ありがとう」とお礼を言う。