新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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046ネープギア

 G.C.2019年10月15日 火曜日。

 

ネプギア達は、いつものように午前中のクエストに精を出していた。

 

 

「フォーミュラエッジ!」

 

 

 ネプギアの高速の剣技が目の前のゴブリンを切り裂くと、ゴブリンは3025のダメージを受ける。

 

更に、「アイスラッシュ!」とラムが氷の魔法で追撃すると、3521のダメージが当たる。

 

続けて、「アイビーバインド!」とロムがプラントボールからツタを発生させると、それがゴブリンに絡み付く。

 

最後に、「いくわよ。ゴブリン用捕獲弾!」とユニが銃から特殊弾を放つと、目の前のゴブリンは眠りについて捕獲される。

 

 

「やったわ。また捕獲!」

 

 

 ラムが嬉しそうに万歳すると、「これで三人目(ぶいっ)」とロムがVサインをする。

 

 

「お姉ちゃん、お願いします」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「はい、三名様ご案内ー!」と言いながら大きいネプテューヌが言う。

 

すると、次元移動のゲートが現れて中から、ゴブりんを含む数人のゴブリンが現れて捕獲した三人のゴブリンを連れて行く。

 

今日のクエストの内容は、村の近くで暴れているゴブリンとオークの退治。

 

いつもだったら、戦闘不能に追い込んで消滅させるところだが、ダークソウルを効率よく回収する為に、ゴブリンやオークは零次元で更生を試みるのだ。

 

つまり、先程、大きいネプテューヌが開いたのは零次元に通じるゲートなのだ。

 

 

「大きいネプテューヌさんのお陰で、捕獲が捗るわね」

 

 

 ユニがそう言うと、「いやいや~、それほどでもあるけどさー」と大きいネプテューヌ嬉しそうに言うが、「俺の力だろ俺の」と隣のクロワールが呆れ顔で言う。

 

大きいネプテューヌは暫くの間、零次元に滞在していたが、マジェコンヌクリスタルの話を聞いてネプギアに協力したいと申し出てくれたのだ。

 

今は、第一部隊でプラエが抜けた穴を補ってくれている。

 

 

「くそ~! また捕まった!」

 

 

 少し離れたところに隠れていた下っ端が悔しそうな声を上げると、「あいつ等、ゴブリンなんて捕獲して何するつもりちゅか?」と隣のワレチューが首を傾げる。

 

 

「まーた、アンタ達の仕業?」

 

 

 下っ端を見つけた、ユニが呆れた声で言うと、「やばいっちゅ、見つかったちゅ」とワレチューが慌てる。

 

 

「無駄な抵抗は止めて降伏してください」

 

 

 ネプギアが凛とした声で言うが、「うるせぇ! 誰が降伏なんてするかよ!」と下っ端が叫ぶ。

 

 

「それより、テメェ等こそ、ゴブリンさらって何しようって言うんだ!」

 

 

 下っ端がそう言い返すと、「ゴブリンには更生をしてもらうのよ」とラムが言い返す。

 

 

「ハッ! 更生だと! テメェ等みてぇな甘ちゃんに、そんなことが出来るかよ!」

 

 

 下っ端が鼻で笑いながら言うが、「できます!」とネプギアが自信満々に言う。

 

 

「更生は、こうせい!」

 

 

 ネプギアがドヤ顔で叫びを上げる。

 

すると、辺りに冷たい風が吹く。

 

 

「なになにー? もしかしてダジャレー?」

 

 

 ラムが楽しそうにそう言うと、「どんなダジャレなの(わくわく)」とロムが質問する。

 

 

「あのね、【こうせい】って言うのは関西弁で、【こうしろ】と意味なの。だから、更生はこうせい!……って命令な感じで言うんだよ」

 

 

 ネプギアがダジャレの説明をすると、「アンタ、こんな時になにやってるのよ……」とユニが呆れた声を出す。

 

 

「だって、最近展開がシリアスだから、ダジャレ考える暇が無くて」

 

 

 ネプギアが言い訳を言うと、「そんなの考えなくていいのよ!」とユニが叫ぶ。

 

 

「えー? 他にも、【後世の為に更生する】とか、【転校生の更生】とか考えてたのに~~」

 

 

 ネプギアが残念そうに言うと、「おおうっ、ネプギアってばレパートリー豊富だねぇ」と大きいネプテューヌが感心をする。

 

 

「くそっ! 馬鹿にしやがって、テメェ等かかれー!」

 

 

 下っ端がオークやゴブリンに命令をする。

 

すると、三体のオークと、五体のゴブリンが襲い掛かってくる。

 

 

「来るよ!」

 

 

 大きいネプテューヌが真面目な顔で両手の刀を二刀流に構える。

 

 

「ぎぃぃぃ!!」

 

「よっと!」

 

 

 大きいネプテューヌが、ゴブリンの棍棒による攻撃を横ステップで避けると、「それ! いただき!」と二本の刀で華麗に切りつける。

 

 

「ぎゃぃぃ~」

 

 

 ゴブリンは3515のダメージを受けて悲鳴を上げる。

 

同時に、「アイスラッシュ!」とラムの氷魔法が炸裂し、3687のダメージが当たると、再びロムが「アイビーバインド!」とプラントボールからツタを発生させると、それがゴブリンに絡み付く。

 

続けて、「ゴブリン用捕獲弾!」とユニが銃から特殊弾を放つと、またもゴブリンは眠りについて捕獲される。

 

 

「ぎぎーーーー!」

 

 

 残り四体のゴブリンがネプギアに襲い掛かる。

 

ネプギアは適切に距離を取って、防御と回避を重視して攻撃を捌き、タンクとしての役割を果たす。

 

 

「俺達もいるぞー!」

 

「お嬢ちゃん、俺達と相撲しよう相撲!」

 

「ぶひぃ~~、女だぁ~」

 

 

 更に三体のオークがネプギアに迫る。

 

 

「ラムちゃん、お願い!」

 

 

 ネプギアがラムに向けて叫ぶと、「お相撲だったら、わたしのヘラクレスオオカブトがとってあげるわ」とラムが言い、オーク達に向けてインセクトボールを放つ。

 

すると、巨大なカブトムシが、三体のオークの目の前に現れ巨体を活かしてオークの足止めをする。

 

 

 その間にもネプギア達は一体一体丁寧にゴブリンを捕獲して行く。

 

 

「くっそぉ! さっきから捕獲捕獲って舐めプか!?」

 

 

 下っ端が忌々しそうに叫ぶ。

 

 

「そうじゃありません。更生させるんです! あなた達も犯罪組織から足を洗って下さい」

 

 

 ネプギアが力強くそう言うと、「余計なお世話なんだよ! あたい達にはこの生き方が一番合ってるんだ!」と下っ端が言い返す。

 

 

「そんなことありません! きちんと罪を償って、新しい生き方を見つけて下さい」

 

 

 ネプギアが更に言い返すが、「あたいは罪を犯したなんて思っちゃいねぇ! ガバガバなプロテクトでコピーされる方が悪ぃんだよ!」と下っ端が言い捨てる。

 

 

「ルートビルド計画の工事現場を襲って嫌がらせしたり、近くの村を襲ったり、そんな生活いつまで続けるつもりなんですか?」

 

 

 ネプギアがそう問いかけると、「それも今の内だけだ。今にデカい花火を上げてやるぜ!」と下っ端が答える。

 

 

「デカい花火?」

 

 

 ネプギアがそう呟くと、「どーせ、ハッタリよ」とユニが切り捨てる。

 

 

「じゅじゅっ! もう全滅ちゅか?」

 

 

 ワレチューが驚きの声を上げる。

 

見れば、三体のオークと、五体のゴブリンの全てが捕獲されていた。

 

 

「はい、団体様ご案内ー!」

 

 

 大きいネプテューヌ先程と同じように零次元とのゲートを開くと、八体のオークとゴブリンは連れて行かれる。

 

ほぼ同時に、「こっちは終わったわ」とアイエフ達第二部隊が、「こっちも終わったよ」とファミ通達第三部隊の面々が現れる。

 

部隊を分けて他の方面に当たらせていた仲間が戻って来たのだ。

 

 

「あー! ワレチューが居たー!」

 

 

 ビーシャがワレチューを指差すと、「や、ヤバいちゅよ! 逃げるちゅか? 逃げるしかないちゅ!」と言いながらワレチューが逃げ出す。

 

 

「おい、コラ! 待ちやがれ!」

 

 

 慌てて止める下っ端だが、ワレチューは止まらない。

 

 

「ちくしょー! 覚えてやがれ!」

 

 

 仕方なく一緒になって逃げる下っ端。いつものパターンである。

 

 

「ネズミさんに逃げられちゃったです~」

 

 

 コンパが残念そうに言うと、「また説得に失敗したのね」とニトロプラスがネプギアに言う。

 

 

「はい……どうして分って貰えないんでしょうか……」

 

 

 ネプギアが肩を落としながら、残念そうに言うと、「諦めちゃダメだよ。私達も応援してるからさ」とゴッドイーターが慰めてくれる。

 

 

「それにしても、下っ端達は何でゴブリン達と組んでいるんですの?」

 

 

 がすとが不思議そうに首を傾げると、「悪者どうし気が合うんだよ」と日本一が答える。

 

 

「それだけじゃない気がするな」

 

 

 ファルコムがそう言うと、「同感ですね。何か裏がある気がします」とイストワールが同意する。

 

 

「興味ないね」

 

 

 エスーシャの言葉に、「そう言わずに一緒に考えないかエスーシャ」とシーシャが言う。

 

 

「それだったら、捕獲したゴブリン達に聞いてみたらどう? 何か知ってるかもよ」

 

 

 ファミ通がそう言うと、「いいアイデアね。流石は記者」とアイエフが感心をする。

 

 

「それじゃあ、早速、零次元に行ってみよー!」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言いながら零次元への扉を開くと、ネプギア達はその中に入って行く。

 

 

***

 

 

 零次元を訪れたネプギア達は、とりあえず、うずめに会いに行く。

 

 

「おう、ぎあっち。今日もサンキューな。また仲間が増えたぜ」

 

 

 うずめが上機嫌でネプギアを迎え入れる。

 

 

「こちらこそありがとうございます。ゴブリン達を仲間だと言ってくれる、うずめさんのお陰です」

 

 

 ネプギアが丁寧に一礼しながらお礼を言うと、「それで、そのゴブリン達はどうしてるの?」とユニが尋ねる。

 

 

「新人だからな。今は海男とゴブりんが説得と零次元でのルールを教えてる」

 

 

 うずめがそう答えると、「それじゃあ、今はお話できませんね」とネプギアが少し残念そうに言う。

 

 

「何かあったのか?」

 

 

 うずめがそう尋ねると、「下っ端が何でゴブリンと一緒にいるか聞きたいのよ」とラムが答える。

 

うすめが、「下っ端?」と首を傾げると、「うん、犯罪組織の下っ端」とロムが言う。

 

 

「この子が、どうしても改心させてあげたいって言うヤツなのよ」

 

 

 アイエフがそう言うと、「そっか、相変わらず、ぎあっちは優しいな」とうずめが感心したふうに言う。

 

 

***

 

 

 暫くすると、海男とゴブりんが戻って来る。

 

 

「おう、お疲れ様」

 

 

 うずめがそう言って二人を労うと、「ありがとう、うずめ。今回も上手く説得できたよ」と海男が言う。

 

更に、「みんな、この零次元でやり直しをしてくれるそうです」とゴブりんが言う。

 

 

「よっしゃ!」

 

 

 うずめがそう言って右手で小さくガッツポーズを決める。

 

 

「海男さん、ゴブりん、その人達とお話できませんか?」

 

 

 ネプギアがそう尋ねると、「どうしたんだい? ぎあっち。何か知りたいことでもあるのかな?」と海男が言う。

 

ネプギアが、「実は……」と言って下っ端とワレチューのことを海男とゴブりんに説明をすると、「わかりました。私が聞いてみます」とゴブりんが頷く。

 

 

「本当? ありがとう、ゴブりん」

 

 

 ネプギアがゴブりんにお礼を言うと、「ネプギアさんに恩返しできるなら、何でもしますよ」とゴブりんが嬉しそうに言う。

 

 

***

 

 

「ある程度の情報を聞き出せましたので、お話します」

 

 

 暫くして戻ってゴブりんがネプギア達に対して口を開く。

 

 

「まずは、今のゴブリンやオークなどの闇の軍勢は、ロキと呼ばれる若いゴブリンに支配されているようです」

 

 

 ゴブりんがそう言うと、「オーディンのおじいちゃんの知り合いみたいだったよね」とラムが言い、「あんまり仲良しじゃないみたいだったけど」とロムが言う。

 

 

「そのロキってヤツは、どうして下っ端達と手を組んだの?」

 

 

 ユニの質問に、「ダークドラゴンを復活させる為です」とゴブりんが答える。

 

 

「ダークドラゴンって、ライジングフォースのラスボスさんですよね~」

 

 

 コンパが不思議そうに首を傾げると、「あれは実話を元に作られたゲームですから。ダークドラゴンは実在します」とイストワールが答える。

 

 

「それにしても、ゴブリン達がそんな大それたことを考えているなんて……」

 

 

 イストワールが続けてそう言うと、「ダークドラゴンを復活させて、女神を倒し、闇の軍勢と犯罪組織の支配するゲイムギョウ界を作ることが、ロキ達の目的のようです」とゴブりんが答える。

 

それを聞いたクロワールは、「へー。なかなか面白そうなこと考えるじゃねぇか」と感心したように言う。

 

 

「邪神だけでも頭が痛いのに、ゴブリン達までそんなことを考えているなんてね」

 

 

 ニトロプラスが忌々しそうに言うと、「そのダークドラゴンの復活ってどうやれば止められるんだい?」とファルコムが尋ねる。

 

ゴッドイーターも、「そうだね。復活前に止められれば止めたいよね」とファルコムに同意する。

 

 

「ダークドラゴンはロキが毎晩復活の儀式をしているそうです」

 

 

 ゴブりんがそう言うと、「なら、ロキを倒せば止められそうですの」とがすとが言う。

 

それを聞いた日本一は、「じゃあ、早速倒しに行こうよ」と言ってサムズアップを決める。

 

 

「その、ロキって言うのはどこにいるんだい?」

 

 

 シーシャがゴブりんに尋ねると、「わかる場所なら、わたしがワープして連れてくよ」と大きいネプテューヌが言う。

 

すると、「そこまでは分かりませんでした。ただ、ロキは狡猾で用心深い上に実力もかなりのものとの話なので油断しない方がいいと思います」とゴブりんが答える。

 

 

「こちらも、それなりの戦力を整える必要がある。と、言う事か」

 

 

 エスーシャがそう言うと、「ネプギア達が変身出来ればいいんだけどね」とビーシャが言う。

 

 

「そうですね……。私達のネープギアも急いで作らないといけないですね」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「そうね。プラエのこともあるし」とユニが同意する。

 

 

***

 

 

 G.C.2019年10月19日 土曜日。

 

ネプギア達は、月に一度の神次元への訪問をしていた。

 

メンバーは女神候補生と、大きいネプテューヌ&クロワール、それにイストワールにアイエフにコンパにファミ通だ。

 

残りのメンバーはギャザリング城で休暇をしている。

 

 

「それじゃあ、書類の決裁はこれで終わりだね」

 

 

 ネプギアが書類をまとめながら言う。

 

すると、「結構時間余ったわね。どうする?」とユニが尋ねて来る。

 

 

「私は、ネープギアの開発室に行ってくるよ」

 

 

 ネプギアがそう答えると、「それなら、アタシも行くわ」とユニが言う。

 

更に、「わたしもわたしもー!」とラムが言うと、「わたしも行きたいな」とロムがそれに続く。

 

 

「それじゃあ、みんなで行こっか」

 

 

 ネプギアがそう言うと、全員で開発室に向かって行く。

 

***

 

 

 開発室に着いたネプギアはパスワードを入力してドアを開く。

 

 

「こんにちはー! みんな元気かなー?」

 

 

 ネプギアはドアを開くと、子供に話しかけるような優しい声で問いかける。

 

すると、部屋の中に居たほぼ全員が振り向いて、「「「「「先生!」」」」と声を揃えて言う。

 

 

「ネプギア様、又は女神様でしょ」

 

 

 部屋の中に居たエレノアが呆れた声を出して、振り向いたメンバーを注意する。

 

 

「あれ? エレノアさんって、騎士団とかそういうのの所属じゃないの?」

 

 

 ファミ通が尋ねると、「近衛騎士団兼ゲーム開発部部長です」とエレノアが答える。

 

すると、「へー! 若いのに部長なんて凄いね」と言ってファミ通が感心をする。

 

 

「ここで、ネープギアを作ってるのね」

 

 

 ユニが周囲を確認しながら言うと、「はい、ついにネプギア様からGOサインが出たので、スタッフ一同張り切っています」とエレノアが答える。

 

 

「GOサイン? 何か止めてる理由があったの?」

 

 

 アイエフが不思議そうに首を傾げると、「えっと……試作から問題が多くて……」とネプギアが言うが、即座に、「いいえ、違います」とエレノアが首を横に振って否定する。

 

 

「ネプギア様は、神次元のパワーバランスが崩れないよう、ネープギアの発売を控えていたのです」

 

 

 エレノアはそう言うと、「昔の神次元は、超次元と比べて技術が遅れていましたので、その頃の神次元でネープギアを発売したら他の国を滅ぼしかねないというお考えでした」と続けて言う。

 

 

「え、エレノアちゃん……」

 

 

 ネプギアは焦りながらエレノアを止めようとするが、「事実じゃないですか。ネプギア様の作ったネープギアは、ニ十年以上前の試作一号機から完璧に機能していたのに……」とエレノアが少し悔しそうに言う。

 

 

「それでも、脳に特殊な電気信号を送るんだから、量産には慎重にならなきゃ。ね?」

 

 

 ネプギアがエレノアに言い聞かせるように言うと、「ネプギア様がそうおっしゃるのなら……」と言ってエレノアが引き下がる。

 

 

「それより、わたし、ネープギアやってみたい!」

 

 

 ラムがそう言うと、ロムも、「わたしもやりたい」と言う。

 

更には、大きいネプテューヌも、「わたしもわたしもー!」と、「わたしもやってみたいです~」とコンパも言い出す。

 

 

「それでしたら、こちらをどうぞ」

 

 

 エレノアはそう言うと、四つのヘッドマウントコントローラーを用意してくれる。

 

ロム達は、それをいそいそと被り始めると、「これがスタートボタンです」とエレノアが説明を始める。

 

 

「ネプギアさん、先程のエレノアさんの言ったことは本当ですか?」

 

 

 イストワールが真面目な顔でネプギアに問いかけると、「……半分は本当です。私の驕りかもしれませんけど……」とネプギアが答える。

 

 

「私が神次元の技術を大きく変革してしまった時の悪影響が怖かったんです」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「ちょっと違うけど、タイムパラドクス的なもの?」とユニが尋ねる。

 

 

「うん、当時の私達は、神次元にとって未来から来た人みたいなものだったから」

 

 

 ネプギアの言葉に、イストワールは少し難しい顔をして、「ですが、今の超次元でも精神フルダイブ型のゲームは先鋭的な技術ですよ」と言う。

 

 

「分っています。このネープギアは、私やエレノアちゃん達が超次元と神次元の時間の流れが違っていたことを活かすことにより開発できたゲーム機です」

 

 

 ネプギアの言う通り、ネープギアはネプギアがG.C.2012年に開発したものだが、その技術を持ったネプギアが神次元を訪れる。

 

以前の神次元は超次元での一日が一年に相当していたので、ネプギアはそれを活かして、ネープギアを生徒達と共に研究し、二十年近くかけて量産化に成功したものだ。

 

なので、本来なら、G.C.2030~2040年頃かそれ以上の技術になるオーパーツとも言えるネープギアを、現在のG.C.2019に発売しようというのだ。

 

 

「それでも、私達が再び変身できるようになり、プラエちゃんを救う為には、このネープギアが必要だと思うんです」

 

 

 ネプギアは迷いのない目で力強くそう言うと、「分かりました。ネプギアさんがそこまで強い決意を秘めているのでしたら、私も全力でそれに応えましょう」とイストワールが言った。

 

 

「エレノアちゃん、ネープギアはいつ頃発売できる?」

 

 

 ネプギアがエレノアにそう質問すると、「既に準備は出来ています。早ければ今年のクリスマス商戦に間に合います」とエレノアが自信満々に答える。

 

 

「そんなに早く!?」

 

 

 ユニが驚きの声を上げる。

 

すると、エレノアは、「私達はずっと待っていたんですよ、この時を」と嬉しそうに言う。

 

 

***

 

 

 G.C.2019年10月21日 月曜日。

 

 

ゲイムギョウ界は女神候補生達が作る、【ネープギア】の情報に話題騒然となった。

 

昨日に、女神候補生ブログから発信されたこの情報は、瞬く間に超次元、神次元のゲイムギョウ界全土に伝わった。

 

 

「すごいわね。ネットもテレビもネープギアの話題で持ちきりよ」

 

 

 朝食後の食休みの時間。アイエフがスマホを操作しながら言う。

 

すると、「そりゃそうでしょ。ゲイムギョウ界初の精神フルダイブ型ゲーム機が、女神候補生共同で、しかも年内に発売されるって言うんだから」とニトロプラスが答える。

 

 

「ウチの編集部もてんやわんやだよ。編集長からは、とにかく情報を仕入れて来いって」

 

 

 ファミ通がそう言うと、「わたしも、看護婦のお友達から何でもいいから教えて欲しいってメールがいっぱい来てます~」とコンパがそれに続く。

 

 

「ネットでは、まゆつば物の話だっていう意見すらあるですの」

 

 

 がすとの言葉に、「失礼だなー。ネプギアはウソなんてつかないよ」と日本一が不満そうに言う。

 

すると、「それだけ、衝撃的な発表だったんだろうね」とゴッドイーター答える。

 

 

「でも、実際にフルダイブ出来るからね」

 

 

 シーシャがそう言うと、「ああ、流石に驚いたな」とエスーシャが言う。

 

それを聞いたビーシャが、「興味ないオバケのエスーシャすら驚くんだからねー」と茶化すように言うと、大きいネプテューヌも、「わたしも色々な次元を旅してるけど、あんな体験は初めてだったよ」と感心する。

 

更にミクが、「これで、ネギちゃん達が私のゲームとか作ってくれたら嬉しいな」と楽しそうに微笑む。

 

 

「ほっほっほ……これで、この老いぼれの首も繋がりますかな」

 

 

 サンジェルマンが嬉しそうに笑うと、「よかったですね」とフィナンシェが微笑む。

 

 

「でも、まだ油断できないんじゃないかな。きちんと発売して、ネプギア達がシェアを得られて変身できるようになるまでは」

 

 

 ファルコムがそう言うと、「そうですね。油断せずに行きましょう」とイストワールが答える。

 

 

***

 

 

 その頃、ネプギア達女神候補生とあんみつはプラエの部屋に居た。

 

一緒に出掛けられない分、部屋で話をしようと言うのだ。

 

 

「こほっ、こほっ……」

 

 

 ベッドに座っていたプラエが小さな咳をすると、「大丈夫ですか?」とあんみつがプラエに駆け寄る。

 

すると、「うん、大丈夫」とプラエが力なく微笑む。

 

 

「無理せず、寝てていいんだよ」

 

 

 ネプギアが心配そうにそう言うが、「折角、みんなが来てくれたんだもん。色々お話したいよ」とプラエが言う。

 

 

「もう少し我慢してね。ネープギアが売れたら、お姉ちゃん達も貴重なお薬を使っていいって言うから」

 

 

 ラムがプラエを励ますように言うと、「ネプギアちゃんが作ったんだから絶対売れるよ(ふんす)」とロムもプラエを励ます。

 

プラエが犯罪組織の女神だと言うのは秘密なので、マジェコンヌクリスタルの名前は伏せて伝えている。

 

 

「うん、ありがとう。プラエ、頑張るよ。私の誓約花のネリネの花言葉は忍耐だからね」

 

 

 プラエはそう言って微笑むと、「そのネープギアっていうの、プラエもやってみたいな」と続けて言う。

 

 

「そう言うと思って持って来たわよ」

 

 

 ユニはそう言うと、背中に隠していたネープギアをプラエに見せる。

 

するとプラエは驚きの顔で、「わ! ありがとう」と柏手を打つ。

 

ユニがネープギアを操作してプラエに被せようとすると、「大丈夫なのですか?」と、あんみつが少し心配そうに問いかける。

 

 

「大丈夫です。二十年近く、私やエレノアちゃん達がテストをし続けてきたんですから」

 

 

 ネプギアが自信満々にそう言うと、「ネプギアお姉さんもこう言ってるし、いいよね? あんみつ」とプラエが上目遣いにあんみつを見る。

 

 

「仕方ありませんね」

 

 

 あんみつがそう言って折れると、改めてユニがプラエにネープギアを被せる。

 

 

「どんなのだろう……ドキドキする」

 

 

 プラエが興奮しながら言うと、ネプギア達もネープギアを被る。

 

ネプギア達も一緒になってゲームをプレイしようと言うのだ。

 

ちなみに、あんみつも一緒だ。

 

 

「これでゲームの中に入れるのですか?」

 

 

 ネープギアを被った、あんみつが不思議そうに質問すると、「はい、ソフトと同時に発売予定の【女神候補生オンラインⅢ】に入ることができます」とネプギアが答える。

 

 

「女神候補生オンラインⅢってどんなゲーム?」

 

 

 プラエがそう質問すると、「神次元のプラネテューヌで人気のMMORPGの三作目よ」とユニが答える。

 

 

「神次元のプラネテューヌでは、わたし達が主役のゲームを作ってくれるのよ」

 

 

 ラムが嬉しそうに笑うと、「ちょっと恥ずかしいけど嬉しい(てれてれ)」とロムがそれに続く。

 

 

「わー! 楽しみー!」

 

 

 プラエがそう言うと、「それじゃあ、ゲームスタートよ」とユニが言ってネープギアを起動させる。

 

 

***

 

 

「ふわー! 楽しかった~!」

 

 

 小一時間後、プレイを終えたプラエがネープギアを外しながら満足そうに言う。

 

 

「まさか味覚や嗅覚までゲームで再現出来るとは思いませんでした」

 

 

 あんみつも感心をしながら、ネープギアを外す。

 

 

「ね? これなら大ヒット間違い無しでしょ」

 

 

 ラムが嬉しそうに笑うと、「お姉ちゃん達も絶対ビックリするよ」とロムがそれに続く。

 

 

「殆ど、ネプギアとエレノア達が作ったものだけどね」

 

 

 ユニがそうに言うと、「やっぱり、ネプギアお姉さんは凄いんだね」とプラエが嬉しそうに言う。

 

 

「そんなことないよ。私はネープギア作っただけで、殆どはエレノアちゃんとそれに協力してくれる沢山の人のお陰なんだよ」

 

 

 ネプギアはそう言って両手を左右に振って謙遜する。

 

 

「そろそろ、クエストの時間よ」

 

 

 ユニが言う。朝食後の休憩時間が終わり、午前中のクエストに出かける時間になったのだ。

 

 

「そうだね。それじゃあ、プラエちゃん、また後でね」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「またね」とロムが言い、「また後で、遊ぼうね」とラムが言い、女神候補生達はプラエの部屋を出て行く。

 

 

「……」

 

 

 プラエはネプギア達の出て行ったドアをじっと眺めていた。

 

 

「プラエ様?」

 

 

 それを不思議に思ったあんみつがどうしたのかと尋ねると、「プラエの病気本当に治るのかな……生きて今みたいにネプギアお姉さん達とゲーム楽しめるのかな?」と少し寂しそうにプラエが言う。

 

 

「ネプギア殿を信じましょう」

 

 

 あんみつがそう言うと、「うん、そうだね」とプラエが頷いた。

 

 

***

 

 

 G.C.2019年10月23日 水曜日。

 

 

 ネプギア達はゴブリンやオークを捕獲し、零次元を訪れていた。

 

 

「ばっかやろぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 それと同時に激しいうずめの怒号が聞こえてくる。

 

 

どかんっ!!

 

 

 大きな打撃音と共に、一匹のゴブリンがネプギア達の目の前まで吹っ飛んで来る。

 

 

「なになに? なんなの?」

 

 

 流石のラムも慌ててしまう。

 

吹き飛ばされて来たゴブリンは完全に気を失っていた。

 

ネプギア達が呆然としていると、うずめが近づいて来た。

 

 

「ぎあっちか、悪ぃ、今取り込んでるんだ。少し待ってくれ」

 

 

 うずめはそれだけ言うと、倒れているゴブリンに手を右手を伸ばして無理やり立たせると左手で胸倉を掴んで、右手で頬を思いっきり引っ叩く。

 

 

「ぎゅうっ!?」

 

 

 痛みで目を覚ますゴブリン。

 

 

「まだまだこんなモンじゃ済まねぇぞ。歯ぁ、食いしばれ!」

 

 

 うずめはそう言うと、右手を振り上げる。

 

 

「や、止めて下さい、うずめさん! 一体なにがあったんですか!?」

 

 

 ネプギアはそう言いながら、うずめの右手を掴む。

 

 

「コイツはやっちゃならねぇことをした。ケジメをつける必要がある!」

 

 

 うずめはそう言うと乱暴にネプギアを振りほどく。

 

 

「うずめさん!?」

 

 

 ネプギアはもう一度、うずめの手を掴もうとするが、その手に魚のヒレが当たる。

 

 

「ぎあっち。気持ちは分かるが、ここは黙っていてくれないか?」

 

 

 止めたのは海男だった。

 

 

「でもっ!」

 

 

 ネプギアが海男に訴えるように言うが、海男は顔を左右に振り、「彼は零次元のルールを破った。集落を脱走し、夜に畑に忍び込んで、芋を食い荒らしたんだ。しかもこれが二回目だ」と海男が真剣な声で言う。

 

 

「その腐った根性、叩き直してやるっ!!」

 

 

どごん!!

 

 

 うずめが思いっ切りゴブリンを殴るとゴブリンはまたも吹っ飛んで行く。

 

 

「海男。そいつを縛って牢屋に入れておけ」

 

 

 うずめがそう言うと、「わかった」と海男が言って、気を失ったゴブリンを縛り上げる。

 

 

「……うずめさん……」

 

 

 ネプギアが悲しい声で、うずめに声を掛ける。

 

 

「……ぎあっちの言いたい事は分かる。だが時には力づくでも分からせなきゃならない時もあるんだ」

 

 

 うずめはネプギアの目を真剣に見ながら言う。

 

 

「やはり、ゴブリンやオークの更生は並大抵のことではないんですね」

 

 

 イストワールがそう言うと、「まあな、ゴブりんみたいな良い奴もいるが、大半が悪ガキだ」とうずめが答える。

 

 

「ぎあっち。女神も警察も舐められたら終わりだ。悪い奴が暴れまわって、何の罪もない奴が傷つく」

 

 

 うずめが真剣な声でネプギアに言う。

 

ネプギアも真剣にうずめの話を聞いていた。

 

 

「口で言っても分からない奴には体で分からせるしかない。だが、怒りや憎しみだけで殴るんじゃない。願いや想いの力を込めるんだ」

 

 

 うずめはそう言うと、右手を強く握る。

 

すると、うずめの拳が淡くオレンジ色に光る。

 

 

「想いを、込める……」

 

 

 ネプギアがそう呟くと、「そうだ。【目を覚ませ】ってな。愛の鞭って言うやつだな」とうずめが言う。

 

 

「ぎあっちのやり方や考え方は、俺も正しいと思う。だが時には拳で語り合うことも必要なんだ」

 

 

 うずめの言葉に、「……すみません。私、何も知らないで、うずめさんに大変な事を押し付けちゃって」とネプギアが申し訳なさそうに言う。

 

 

「いいんだ。言っただろ? 俺はぎあっちの役に立てるのが嬉しいんだ。だが、俺の言ったこと忘れないでくれ、世の中には力づくじゃないと分からない奴も居るって、そういう奴を分からせるのも女神の務めなんだ」

 

 

 うずめがそう言うと、「はい、ありがとうございます。うずめさん」とネプギアは答えた。

 

 

「うずめ、本当に大丈夫なの?」

 

 

 ユニがうずめに心配そうに声を掛ける。

 

 

「大丈夫だ。海男やゴブりんも協力してくれるからな。それより、ゆにっちに頼みがある」

 

 

 うずめがそう言うと、「なに? アタシに出来ることならするわよ」とユニが答える。

 

 

「ぎあっちはああ言ったが、ぎあっちは優しいから、いざ現実を見たら挫けてしまうかもしれない。そん時は、ゆにっちが支えてやってくれ」

 

 

 うずめの頼みに、「わかったわ。ネプギアは甘すぎるしね。いざって時はアタシが愛の鞭でもなんでも振ってあげるわ」とユニは答えた。

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