新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2019年10月24日 木曜日。
ネプギア達は午前中のクエストを無事に達成していた。
「ふぅ……みんなお疲れ様」
ネプギアがビームソードをポーチに収納しながら、第一部隊のメンバーを労う。
第二部隊と第三部隊は別の方面に向かっているのだ。
「今日のモンスターも大したこと無かったわね」
ユニが少し物足りなさそうに言うと、「わたし達が強すぎるのよ」とラムが言い、「わたし達最強(ぶいっ)」とロムが言う。
「お前等、こんな地味でつまらないことよく毎日出来るなー」
クロワールが心底つまらなそうに言うと、「つまらなくなんかないですよ。依頼してくれた人の喜ぶ顔を見るのは嬉しいですし」とネプギアが答える。
「うんうん、ネプギアは本当にいい子だねー。お姉ちゃん鼻が高いよ」
大きなネプテューヌが腕組みしながら嬉しそうに言うと、「ネギちゃん、優しいよね」とミクがそれに続く。
「あら?」
ユニが不思議そうに首を傾げる。
ラムが、「どうしたの? ユニちゃん」とに尋ねると、「今、そこの茂みに人影が」とユニが答える。
「誰かいるの?」
ロムがユニに尋ねると、「モンスターが居たところだし、人が寄り付くなんて無いと思うんだけど」とユニが言う。
「声かけてみよっか?」
ネプギアがそう言うと、「そうだね」と大きいネプテューヌが賛同し、他のメンバーも頷く。
「誰かいるんですかー?」
ネプギアがそう言うと、茂みが、ガサゴソと動き、一人の少年が出て来る。
身長120センチぐらいの小柄な少年だ。
「おお、ちっちゃくて可愛いー!」
大きいネプテューヌが素直に感想を述べる。
すると、「わたし達より小さい」とロムが言い、「本当だわ」とラムが頷く。
「どうしたのかな? ボク」
ネプギアが優しい声で質問すると、「あの……助けてくれてありがとうございます。僕、モンスターに襲われてて」と少年が答える。
「なるほどー、わたし達が偶然助けたって訳だね」
大きいネプテューヌが右手をあごに当てながらそう言うと、「ダメじゃない。モンスターのいるところに来ちゃ」とユニが注意をする。
「そうよ。わたし達が来なかったら食べられちゃったかもしれないわよ」
ラムもそう言って注意すると、「ダメだよ(めっ)」とロムがそれに続く。
「まあまあ。とりあえず無事だったんだからいいじゃない」
大きいネプテューヌが気楽そうにそう言うと、「そうですね。それじゃあ、お家に帰ろっか?」とネプギアが少年に話しかける。
「あのー……僕、ホビットなんで、小さいけど子供じゃないんですよ」
少年が少し申し訳なさそうに言うと、「「ほびっと?」」とロムとラムが首を傾げる。
「背の低いデミヒューマンのことよ」
ユニが簡単に説明をすると、「今朝の占いに、この場所で重大な出会いがあると示されていたので来たんです」と少年が言う。
「占い? テレビの?」
大きいネプテューヌがそう言うと、「そういうのじゃなくて、タロットカードを使った本格的なものです」と少年が答える。
「とにかく、安全な場所まで送りますよ」
ネプギアの言葉に、「ありがとうございます。僕、ラーって言います」とホビットの男性が答えた。
***
ネプギア達は第二、第三部隊と合流した後に、クエストの完了報告をし、その後ラーの案内により山奥のホビットの里を訪れていた。
「うわー! ちっちゃい人がいっぱーい!」
ラムが驚きの声を上げると、「みんな可愛いね(どきどき)」とロムがそれに続く。
「ここがホビットの里なのね」
ユニが腕組みしながら言うと、「はい、この山の里には数百人のホビットが暮らしています」とラーが答える。
「ここまで来れば大丈夫だよね。それじゃあ、私達はそろそろ……」
ネプギアがラーをホビットの里に送り届けたことに安心して引き返そうとするが、「待って下さい。僕達ホビットは女神様にお願いがあるんです」とラーがネプギアに訴える。
ちなみに、簡単な自己紹介はしてあるので、ネプギア達が女神だということを知っている。
「お願いですか~?」
コンパが人差し指を口に当てながら首を傾げる。
「なんですか? 私達に出来ることなら引き受けますよ」
ネプギアが快く笑顔で応えると、「ありがとうございます」とラーが軽く頭を下げる。
「今、僕達ホビットは巨人族と対立しているんです」
ラーがそう言うと、「巨人族?」とゴッドイーターが腕組みしながら首を傾げる。
すると、イストワールが、「ホビットとは逆に人間より大きい種族です。平均3メートル程の身長があります」と説明をしてくれた。
「近頃、巨人族の一部がゴブリン等の闇の軍勢と手を組んで、ホビットや人間を襲うようになってきているんです」
ラーの言葉に、「そんな、巨人族は古の戦いでは光の軍勢に協力してくれた種族ですよ」とイストワールが驚きの声を上げる。
ラーは残念そうに顔を落として、「事実なんです。それで僕達も困っていまして……そこで今朝の占いで助けになる人物が、あの場所に現れると出たので」と言う。
「だから、あんなところに居たんだね」
大きいネプテューヌが納得したように頷くと、「それじゃあ、その巨人族をやっつければいいんだね」と日本一が言うが、「この場合は話し合いが先ですの」とがすとに注意される。
「そうですね。それが良いでしょう」
イストワールがそう言うと、「それでしたら、まずは僕達の族長に会って下さい」とラーが言う。
***
ネプギア達はラーの案内で、ホビットの里の中心にある族長の家を訪れる。
客間に案内されたネプギア達が座って暫く待っていると、客間のドアが開き一組の男女が入って来る。
「ようこそ。私がホビットの族長を務めております、フレイです」
ラーよりは大きいが、それでもホビットと言うことで身長は150センチ程度の金髪の男性がそう言うと、「妹のフレイアです」と身長140センチ程の金髪の女性がそれに続く。
「まさか、女神様に御協力いただけるとは思いませんでした」
そう言いながらフレイが席に着くと、同じくフレイアも席に着く。
それを確認したサンジェルマンが、「フレイ様にフレイア様……もしや、オーディン殿のお知り合いで?」と尋ねると、「オーディンをご存じで?」とフレイアが驚く。
「はい、妖精族の族長として色々と協力して貰っています」
ネプギアがそう言うと、「それならば話が早い」とフレイが嬉しそうに言う。
「実は私達兄妹もオーディンと同じく、現世からゲイムギョウ界に転生してきた者なのです」
フレイの言葉に、「そうなの? 意外と転生って多いのね」とユニが驚くと、「お姉ちゃんも今流行ってるって言ってた」とロムが言い、「うんうん、言ってた言ってた」とラムがそれに続く。
「それじゃあ、獣人のトールや鳥人のヘイムダル、それにゴブリンのロキとも知り合いなのね」
アイエフがそう言って確認をすると、「ええ、私達はアース神族と呼ばれる神でした」とフレイアが答える。
「ロキが我々を裏切り、アース神族に敵対する巨人族に味方することで、ラグナロクという戦争が起こり、多くの神々と巨人が命を落としたのです」
フレイがそう言うと、「この流れからすると、このゲイムギョウ界の巨人族もあなた達の知り合いの転生ということになるのかしら?」とニトロプラスが質問する。
すると、「その通りです。スルトという巨人族の王だった男が転生しており、それがゴブリンに転生したロキと共謀し、乱を起こそうとしているのです」とフレイアが答えた。
「過去の因縁をゲイムギョウ界にまで引きずってくるとは、迷惑な話だな」
エスーシャがやや呆れ気味にそう言うと、「私達もそう言ってスルトを説得しましたが、応じませんでした。ですが、この世界の女神様なら応じてくれるかもしれません」とフレイが言う。
それを聞いたクロワールは、「俺としては説得出来ずに滅茶苦茶になった方がおもしれーんだけどな」と笑いながら言う。
「ところで、過去の因縁だけで巨人族はケンカふっかけて来てるのかい?」
シーシャがそう尋ねると、「いいえ、そうではありません。この里の側に綺麗な水飲み場があるのです。以前はホビットと巨人族で分け合って使っていたのですが、それを巨人族が独占しようとしているのです」とフレイアが答えた。
「それは困った問題だねー」
ビーシャがそう言いながら腕組みして首を傾げる。
すると、「どうやら、ロキの入れ知恵らしくて、ゴブリンも絡んでいるようなのです」とフレイが困ったように言い、「ゴブリンは不衛生かつルールを守らないので、水飲み場に来られると困るのです」とフレイアが続く。
「そっか、野良のゴブリンだものね」
ユニがそう言うと、「野良?」とフレイが不思議そうに首を傾げる。
それを見たネプギアは、「あっ、実は別の次元でゴブリンの更生を試みてるんです」と言って零次元での話をフレイとフレイアにする。
「……なるほど、ゲイムギョウ界の女神様は慈悲深いのですね」
フレイが頷いて感心しながら言うと、「この子達の場合は少しお人よしのところがあるけどね」とアイエフが少し呆れながら言う。
「それで、引き受けていただけますでしょうか?」
フレイアがそう言うと、「もちろんです。ゲイムギョウ界での困り事の解決は女神の大事なお仕事ですから」とネプギアがにこやかに言った。
「ところで、ラーと言えばエジプトの太陽神、君も神の転生なのかな?」
サンジェルマンがラーに質問すると、「分からないんです。僕、昔の記憶がないんです」とラーが答える。
「そうですか。それなら私共の方でも協力しましょう。よろしいでしょうか? ネプギア様」
サンジェルマンの言葉に、「勿論です」と頷くネプギア。
***
翌日、G.C.2019年10月25日 金曜日。
ネプギア達女神候補生と大きいネプテューヌは午前中のクエストを済ませると、午後はホビットと巨人族の仲介をする為に、巨人族の里を訪れていた。
今は族長のスルトに面会する許可を待っているところだ。
「わー! 巨人族って大きいのねー」
ラムが里の巨人達を見上げながら言うと、「ちょっと怖いかも(おろおろ)」とロムがそう言いながらネプギアの後ろに隠れてしまう。
「昨日はホビットを見たから余計に大きく感じるわね」
ユニがそう言うと、「そうだね」とネプギアが頷く。
先日は身長130センチ程のホビットを見た後に、今日は3メートルはある巨人族を見た較差は大きいものだろう。
大きいネプテューヌが、「交渉上手くいくといいね」と言うが、「俺としてはこじれた方が楽しいんだけどな」とクロワールが意地悪そうに笑う。
そんな話をしている内に巨人の一人がネプギア達に近寄ると、「待たせたな。スルト様がお会いになるそうだ」と面会を許可する旨を伝えてくる。
「ありがとうございます」
ネプギアは丁寧にお礼を言うが、巨人はそれには答えず、「こっちだ」とネプギア達を案内する。
ネプギア達が案内された部屋に入ると、巨人族の中でも一際大きく白い髪を持つ男性が玉座に座っていた。
男性は口を開くと、「ワシが巨人族の族長のスルトだ」と言いながらネプギア達を睨んだ。
「……っ」
スルトの威圧に気圧されるネプギア。
ロムは、「怖い(ぶるぶる)」と言いながらネプギアの後ろに隠れてしまう。
「あんまり友好的って感じじゃないみたいね……」
ユニが負けじと睨み返しながら言うと、「むぅ~! なによー! まだ何も言ってないじゃない」とラムが不満そうに口を尖らせる。
クロワールは楽しそうに笑いながら、「これは面白そうな展開になりそうだぜ」と言うと、「ちょっと、クロちゃん、不謹慎だよ」と大きいネプテューヌが注意する。
「私は、プラネテューヌの女神候補生、ネプギアです」
ネプギアは凛とした声でそう言うと、「ホビットと争うのは止めて仲良くして下さい。水飲み場も共同で使うようお願いします」と続けて言う。
「断る!」
スルトはキッパリとそう言うと、再びネプギアを睨む。
スルトの即答に、「……っ」とネプギアは怯んでしまう。
ロムも怖そうにネプギアの後ろで、「ひぃん」と小さくなってしまう。
「何よ! アタシ達女神が頼んでるのにその態度はないんじゃないの?」
ユニが腕組みしながら不満そうに言うと、「そうよそうよ! ケチんぼのオタンコナスー!」とラムが続けて言う。
しかし、スルトは鼻を【フン】と鳴らすと、「女神が仲介した程度で、矛を収めてなるものか。しかも、半人前の候補生など話にならん!」とネプギア達を更に威圧してくる。
「そんな……」
ネプギアが失望の表情を浮かべると、「クククッ……そういうことだ。さっさと引き下がるんだな三流神ども」とスルトの玉座の後ろから声がしてくる。
「誰!?」
大きいネプテューヌがそう言うと、玉座の後ろから一人の男性が現れる。
それを見た大きいネプテューヌは、「なーんだ、ゴブリンじゃない」と呆れたような声を出す。
「あれは、ロキ!」
ネプギアがそう言うと、「ええ、間違いないわ。あの時のボスのゴブリンね」とユニがそれに続く。
「へー! お前がダークドラゴンを復活させようって面白そうなこと企んでるヤツかー! なかなか邪悪そうでいい面構えだなー」
クロワールが感心しながらそう言うと、「ほう、そこまで掴んでいるとは……三流とは言え、流石は女神と言ったところだな」とロキが答える。
「ダークドラゴンを復活させるなんて止めて下さい。どれだけの犠牲が出ると思っているんですか!」
ネプギアがロキに向かってそう訴えると、「知らんな。俺はこの世界で再び以前のような力を取り戻す為に行動しているだけだ。それに、貴様等守護女神など奇麗事を抜かす奴等は気に入らん」とロキが吐き捨てるように言う。
「残念だが、スルトと巨人族は我が闇の軍勢として迎えられた。もののついでだ、貴様等三流神にもここで消えてもらおう」
ロキが続けてそう言うと、スルトが玉座から立ち上がり、「女神とやらの力がどれほどか試してやるわ」と言いながら指をポキポキと鳴らす。
「やろうっていうの!」
ユニはそう言いながらポーチから銃を呼び出す。
ラムも杖を呼び出しながら、「相手になるわよ!」と強気の構えを見せる。
「待ってください! 私達は話し合いに来たんです」
ネプギアが一歩前に出て、スルトに向かってそう言うが、「降りかかるキノコは払わなきゃダメなのよ」とラムが言うと、「それを言うなら火の粉ね」とユニが訂正を入れる。
更に大きいネプテューヌが双剣を呼び出しながら、「残念だけど、ユニちゃんとラムちゃんの言う通りだよ」とネプギアに言うと、ネプギアは諦めたように、「わかりました……」と言いながらビームソードを呼び出して構えを取る。
それを見たロムも、「わ、わたしも……頑張る」と言いながら杖を呼び出して構えを取った。
スルトが右手に持った剣を鞘から抜くと、炎を纏った刀身が現れる。
スルトは炎を纏った剣を構えると、「このレヴァテインで炭にしてくれるわ」と言ってネプギア達を威圧してくる。
「凄く熱そう……(ぶるぶる)」
ロムが恐々とスルトの姿を見つめると、「大丈夫。私が守ってあげるから」と言いながらネプギアが一歩前に出る。
「ふん、小癪な」
スルトはそう言って鼻を【フン】と鳴らすと、ネプギアに向かって炎の剣を振り下ろしてくる。
それに対してネプギアはビームソードで受け止める。
「くっ!」
苦しそうな声を漏らすネプギア。
「フハハハハハ! 受け止めるだけでは、レヴァテインの炎は防げまい!」
スルトがそう笑うと同時に、ネプギアに813のダメージが当たってHPゲージが五割以上減少してしまう。
(受け止めただけで、このダメージ……直に当たったら一撃で戦闘不能になっちゃう)
ネプギアがそう思っていると、「続けて行くぞ!」とスルトがニ撃目の斬撃を繰り出してくる。
「おっと、そうはさせないよ!」
すかさず大きいネプテューヌ拳銃でフォローに入る。
大きいネプテューヌの放った弾丸はスルトの手に当たり、スルトは、「ちっ」と舌打ちしながら剣を引く。
「何をしている。だらしがない!」
それを見たロキが右手から黒い魔法の弾をネプギアに向けて飛ばす。
「このおっ!」
ラムはそう言いながら両手で魔力を貯めると、ロキの放った魔法の弾に向けて白い魔法の弾を放つ。
ドカーーーン
白と黒の魔法の弾がぶつかり合うと、激しい爆発音と共に両方の弾が消滅する。
「やるな!」
ロキはそう言いながら、再び右手から黒い魔法の弾を放とうとするが、「させないわ!」とユニが銃でロキを狙撃する。
ユニの放った弾はロキの頭部に当たり、「ぐうっ!?」という呻き声と共にロキに3125のダメージが当たる。
「ネプギアちゃん、とびでるよ!」
ロムがネプギアに向かって攻撃力アップの魔法を使う。
それを受けたネプギアは、「今度はこちらから行きます!」とビームソード構えてスルトに向かって行く。
「たあああああ!」
掛け声と共にスルトに斬り込むネプギア。
ネプギアはビームソードを振るうと、「一閃! リンドバーグ!」と素早い斬撃を連続して放つ。
「ぐぬ!?」
苦悶の声と共にスルトに3612のダメージが当たる。
攻撃を終えたネプギアは素早く後ろに下がると、「これでどうですか!」と凛とした声で言う。
「ふん……ただの小娘ではないと言う事か。面白い」
スルトが再び炎の剣を構える。
かなり好戦的な性格のようだ。
「ぬおおおおお!」
叫び声と共にスルトが再びネプギアに炎の剣を振り下ろしてくる。
ネプギアは左手を前に突き出し、「ウォーターシールド!」と叫ぶと、水に包まれた防御の魔方陣がネプギアの左手に現れる。
「はあっ!」
気合の声と共にネプギアは左手の水に包まれた魔方陣でスルトの炎の斬撃を受け止める。
「ちいっ! 水の防御魔法か。なかなか良い判断をしているな」
スルトが悔しそうに唸る。
再びネプギアに炎の追加ダメージが当たるが、418と先程と比べて半減していた。
水の防御魔法の効果である。
「やるじゃん、ネプギア」
大きいネプテューヌがネプギアを褒めながら、双剣でスルトに斬りかかる。
「ちょいさー!」
大きいネプテューヌが斬りつけると同時にスルトに2843のダメージ当たる。
その隙にネプギアはバックステップで距離を置いて、「ハイヒール!」と回復魔法を使ってHPゲージを全快まで回復させる。
「回復などセコイ真似を!」
今度はロキが黒い魔法の弾をネプギアに向けて両手で連射してくる。
「「無駄よ!」」
それに対して、ユニとラムが同時に叫ぶ。
それに合わせて、「「マルチプライド・シャインバレット!」」とユニとラムが叫ぶと、ユニの銃から白く巨大な光の弾が飛んでいく。
巨大な光の弾は連射された魔法の弾をかき消して、ロキに命中する。
「ぐぬあっ!」
光の弾が当たったロキが苦しそうに呻くと、7831のダメージが当たる。
「ロムちゃん!」
ネプギアがロムに呼びかけると、「うん、わたし達も一緒に!」とロムが応える。
「「マルチプライド・アイスエッジ!」」
ネプギアとロムが叫ぶと、ネプギアは氷を纏ったビームソードでスルトに斬りかかる。
ビームソードがスルトに当たると、「くっ!」というスルトの呻き声と共に、5248のダメージが当たる。
「いいよいいよ。優勢優勢ー!」
大きいネプテューヌが嬉しそうに言うと、「何だよ、大したことねーな」とクロワールがつまらなそうに言う。
「調子に乗るなよ、三流神」
ロキが悔しそうに唸ると、「ならば、レヴァテインの本当の力を思い知れ」とスルトが炎の剣を高く掲げる。
すると、周囲が激しい炎に包まれる。
「あちちち! なんだよコレ」
クロワールが熱そうに飛び回る。
同時にネプギア達全員のHPゲージがジワジワと減少していく。
「火属性のスリップダメージ!」
ネプギアが叫ぶ。
スリップダメージとは、時間と共に徐々にHPが減少していく状態のことだ。
「うー! あつーい! 何とかしてー!」
ラムが鬱陶しそうに火の粉を払う。
「水や氷の魔法で何とかならない?」
ユニがロムにそう言うと、「うぅ……範囲が広すぎて無理かも(おろおろ)」とロムが困った声で答える。
「ハハハハハ! 先程までの威勢は何処に行ったー!」
スルトが笑いながら斬りかかってくる。
「くっ、こうなったら小まめに回復しながら迎撃するしか!」
ネプギアは苦しそうに言いながら左手の防御の魔方陣を構えた。
***
ネプギア達はスルトのレヴァテインから生み出された業火によるスリップダメージに耐えながら防戦を繰り広げていた。
「熱っ!?」
ユニが熱そうな悲鳴を上げると共に、スリップダメージにより彼女のHPゲージが三割を切る。
同時に、「なおしてあげる!」とロムが回復魔法を唱え、ユニのHPゲージが全回復する。
「こっちにも回復おねがーい!」
大きいネプテューヌが右手を上げながら回復魔法を要請するが、「ちょっと待って(おろおろ)」とロムが慌ててしまう。
大きいネプテューヌもHPゲージの残りが三割程度だった。
「わたしがやるわ。ラムちゃん式ヒール」
すかさず、ラムが代わりに回復魔法を唱えて大きいネプテューヌのHPゲージを回復させる。
ロムに比べれば回復力が低いので七割程度までしか回復しないが、それでも十分だ。
「そらそらそら!」
スルトが炎の剣を使って連続でネプギアを斬りつけてくる。
「どうした三流神ども!」
更にロキも黒い魔法の弾でネプギアを狙ってきた。
「くっ!」
ネプギアが苦しそうな呻き声を上げる。
先程から回避と防御を繰り返して二人の攻撃を捌いてはいるが、スリップダメージと合わせると、1回の攻撃で1500近いダメージを受けてしまいHPゲージが五割近く減ってしまう。
「ハイヒール!」
スルトとロキの攻撃の合間にネプギアが回復魔法を使う。
減少したHPゲージは回復するが、そこでネプギアの行動が終わってしまい、攻撃する暇がない。
アタッカーのユニとラムもスリップダメージの回復で手数を減らされ、なかなかダメージ与えられないでいた。
「なかなか粘るではないか」
スルトが感心するように言うと、「だが、いつまで持つかな」とロキがいやらしく笑う。
「このままじゃ、ジリ貧よ」
ユニが焦りの声を上げると、「疑似プロセッサユニットを装着しよう」とネプギアが答える。
「そうだね。このままじゃ、いつまで経っても勝てないしね」
大きいネプテューヌがそれに同意すると、ネプギア達は一斉に利き腕を上げて、「「「「「疑似プロセッサユニット装着!」」」」」と全員で叫ぶ。
ネプギア達に疑似プロセッサユニットが装着される。
「よーし! これで負けないわよ」
ラムが威勢よくVサインをすると、「負けない」とロムがそれに続く。
「そのようなもので、我等の優勢が揺るがぬ!」
スルトが再び炎の剣でネプギアを斬りつけてくる。
ネプギアは疑似プロセッサユニットのスラスターを巧みに使用して回避運動を取ると、素早くスルトの剣を避ける。
「ちっ!」
今度はロキが攻撃を回避したネプギアに向けて黒い魔法の弾を放ってくる。
ネプギアは素早く魔法を唱えると、「シャインアロー!」と言って左手から白い魔法の弾を放つ。
ドカーーーン
白と黒の魔法の弾はぶつかり合って相殺される。
その隙にネプギアは疑似プロセッサユニットのブースターを全開にして、スルトに向かって直進する。
「今度はこちらの番です! ミラージュダンス!」
ネプギアがスピードに乗った斬撃をスルトにお見舞いする。
華麗に斬り抜けるネプギア。
「ぐあっ!?」
スルトは苦悶の表情を浮かべると、25841のダメージを受けた。
「うぬっ! ただのこけおどしでは無いということか!」
スルトがそう言いながら体勢を立て直すが、その隙に旋回してきたネプギアがスルトの頭部に迫る。
「怒りの鉄拳ギアナックル!!」
再びブースターで勢いに乗った一撃を、スルトの頭部にお見舞いするネプギア。
スルトに31254のダメージが当たると、「くっ……頭が!?」とスルトは苦しそうに左手で頭を押さえる。
「なに? 頭が弱点なの?」
ラムが不思議そうに首を傾げる。
「ううん、違うと思う。あの苦しみ方は以前のピーシェちゃんに似てる。もしかして精神的な操作を、洗脳を受けてるのかも」
ネプギアがそう言うと、「ちっ、三流神にしては鋭い……」とロキが毒づく。
「じゃあ、洗脳が解ければ戦わなくて済むの?」
ロムがそう言うと、「うん、そうかもしれない。みんな! スルトの頭を狙って!」とネプギアが仲間にお願いをする。
「了解よ!」
ユニはそう言いながら、ポーチからバズーカ砲を呼び出して構える。
照準をスルトの頭に付けると、「食らいなさい!」と言ってバズーカ砲を発射させる。
それに合わせて大きいネプテューヌが、「そういうことなら、わたしも頑張っちゃうよー!」と拳銃を撃ちながらスルトに接近していく。
「ぐあっ!?」
バズーカの砲弾がスルトの頭部に当たると同時に大きいネプテューヌが華麗に双剣でスルトの頭部を斬り抜ける。
合計で10万以上のダメージが当たると、スルトは頭を抱えながら、「ぐおおおお!」と声を上げて苦しみだす。
「くそっ、しっかりしろ。この木偶の坊が!」
ロキがスルトを罵ると、「黙れ詐欺師が!」とスルトが言い返す。
「この隙に! コード、スペリオルアンジェラス!」
ネプギアがそう言うと、女神候補生達が合体攻撃の構えを取る。
「しまった!」
ロキが慌てて、牽制に黒い魔法の弾をネプギアに放つが、素早く大きいネプテューヌが割って入り双剣で黒い魔法の弾を弾き飛ばす。
その間に、スペリオルアンジェラスの準備を終えたネプギアとユニがスルトに接近する。
「ユニちゃん、頭部を狙って!」
ネプギアがそう言うと、「わかってるわ!」とユニが応える。
ネプギアの斬撃とユニの銃撃のコンビネーションがスルトの頭部に連続で当たる。
「次は、わたし達よ!」
ラムの言葉に、「頭を狙っちゃうよ!」とロムが続く。
ネプギアとユニの連続攻撃の後にはロムとラムの合体魔法が炸裂する。
「これでフィニッシュです!」
最後にロムとラムの魔法で強化されたネプギアが、巨大化したビームソードでスルトの頭部を縦斬りで斬りつける。
「正気に戻って下さい!」
ネプギアはそう言いながらスルトの頭部を地面に叩きつけるようにビームソードを振り切る。
「ぐおおおおお!!?」
顔面から地面に叩きつけられるスルト。
その様子を見たロキは、「ちっ、マズいか!?」と言って素早く逃げ出す。
「逃がさないよ!」
大きいネプテューヌが拳銃を撃ってロキを追撃するが、ロキの逃げ足の方が早かった。
***
暫くして、うつ伏せになって倒れていたスルトが目を覚まし、ムクリと起き上がる。
「くうっ……ワシは一体……」
頭を抱えながら辺りを見回すスルト。
そこにネプギアが、「あの……大丈夫ですか?」と心配そうに問いかける。
「お前達は?」
スルトが不思議そうな顔でネプギアの顔を見ると、「覚えてないってことは、やっぱり洗脳されてたのね」とユニが言う。
「洗脳? どういうことだ?」
スルトの問いかけに、「実はですね……」とネプギアが今までの経緯を説明し始める。
***
「そうか。それは申し訳ないことをした」
スルトが素直に頭を下げると、「いえ、洗脳されていたのですから仕方ありません」とネプギアが優しい声で答える。
「それじゃあ、ホビットと仲良くしてくれるのね!」
ラムが嬉しそうに言うと、「ウム。フレイとは前世での因縁があるにはあるが、ゲイムギョウ界では関係ないこと、巨人族もホビットと友好的でありたいと思っている」とスルトが答える。
「よかった……(ほっ)」
ロムが安心して息を吐くと、「これで、ホビットの人達も安心だね」とネプギアが言う。
「でも、ロキに逃げられたのは痛かったねー。倒すなり捕まえるなりしたかったな」
大きいネプテューヌが残念そうに言う。
「奴め、ダークドラゴン復活の協力を拒否したらワシに術をかけてきおって」
スルトが忌々しそうに言うと、「とりあえず、スルトさんが無事に戻って良かったです」とネプギアが言う。
すると、スルトは申し訳なさそうに、「迷惑を掛けたな。何か困ったことがあれば遠慮なく声を掛けてくれ。喜んで協力しよう」と言った。
こうして、ホビットと巨人族の仲介を無事に全うしたネプギア達は両種族の信頼と協力を得ることができた。