新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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048ギアメタルとネープギアの発売

 G.C.2019年11月1日 金曜日。

 

ホビットと巨人族の仲介をしてから約一週間。

 

ネプギア達は、平日は毎日のようにクエストに精を出し、ルートビルド計画の方も鳥人やホビットと巨人族が協力してくれるようになり、驚くほど捗っていた。

 

そんな中、ネプギアは午前中のクエストを済ませると、自室の机に座って、「う~~ん」と頭を悩ませていた。

 

 

「どうしてもうまくいかないなー」

 

 

 ネプギアは、文字のびっしり書き込まれたノートを見てため息を吐く。

 

 

「ミスリルとオリハルコンの完全合成、思った以上に難しいよ……」

 

 

 右手をあごに当てながら悩み続けるネプギア。

 

二ヶ月前にホルランドとルルドを仲直りさせる為に始めたミスリルとオリハルコンの合成だが難航しているようだ。

 

現在はミスリルとオリハルコンの合成はレアメタルプレートという金属があるが、それでは二人とも満足できないのだ。

 

 

コンコン……

 

 

 部屋のドアがノックされる。

 

ネプギアが、「はーい」と答えると、「がすとですのー」とがすとの声がする。

 

 

「どうぞ」

 

 

 ネプギアがそう言うと、ドアが開き、がすとが入って来る。

 

 

「ミスリルとオリハルコンの合成を、がすとの錬金術で色々試してみましたの。見て欲しいですの」

 

 

 がすとがそう言いながら、ネプギアにノートを見せる。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 ネプギアはお礼を言いながらノートを受け取ると、「流石は、がすとさん、色々な方面から合成を試してますね」と感心する。

 

 

コンコン……

 

 

 再び部屋のドアがノックされる。

 

ネプギアが、「はーい」と答えると、「ファルコムだけど、今いいかい?」とファルコムの声がする。

 

 

「大丈夫ですよ」

 

 

 ネプギアがそう答えると、ドアが開き、ファルコムが入って来る。

 

 

「ラインフォルト社から、ミスリルとオリハルコンの合成に関しての研究レポートが届いてるんだ。あたしにはよく分からないから、ネプギアに渡しておくよ」

 

 

 ファルコムは右手に持ったレポートの束をネプギアに手渡すと、「ありがとうございます、ファルコムさん」とお礼を言う。

 

 

バターーーン

 

 

 今度はノック無しでドアが開け放たれる。

 

 

「見て見て! ネプギア! ローゼンクィーン商会から、ミスリルとオリハルコンの合成に関しての報告が来てるんだよー!」

 

 

 入って来たのは日本一で、彼女は目を輝かせながらレポートの束をネプギアに渡す。

 

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 

 やや気圧されながらも、お礼を言い受け取るネプギア。

 

 

「日本一、ノックぐらいするですの」

 

 

 がすとがやや呆れ気味に日本一を注意すると、「あれ? がすとにファルコムじゃないか」と日本一が二人を見る。

 

 

「あたし達もネプギアにミスリルとオリハルコンの合成のレポートを渡しに来たんだよ」

 

 

 ファルコムがそう言うと、「ふーん、それでどう? 上手く行きそう?」と日本一がネプギアに尋ねる。

 

ネプギアは難しい顔をして、「今のところはなんとも……」と答えるが、「でも、これから、みなさんの研究成果を見せて貰えば進展するかもしれません」と明るい声を出す。

 

 

***

 

 

 その日の夕方。

 

夕食を済ませたネプギアは研究室に籠って、がすと達の研究成果を読み漁りながら合成の実験をしていた。

 

 

「うーん……なるほどなるほど」

 

 

 ふむふむと頷きながら、「やっぱり大企業の研究者さんの意見は参考になるなー」と言って素材をかき混ぜる。

 

 

「捗っていますか?」

 

 

 そこにイストワールが研究室に入ってくる。

 

すると、「はい、がすとさんも、ラインフォルト社もローゼンクィーン商会も、とても質の高い研究をしていて参考になります」と答える。

 

 

「そうですか。それは良かったです」

 

 

 イストワールが嬉しそうに微笑み、「この研究成果はネプギアさんが居てのものですからね」と続けて言う。

 

 

「え? そんな、私なんて……」

 

 

 ネプギアがそう言って謙遜すると、「がすとさん達の協力は勿論ですが、ドワーフやエルフ、人魚に鳥人、ホビットに巨人族、色々な種族が協力してくれることにより希少な素材を惜しみなく分けていただけていますから」とイストワールが言う。

 

イストワールが言うように、メインはミスリルとオリハルコンの合成だが、それに合わせる素材として色々なデミヒューマンがネプギアの協力に感謝して、独自の貴重な素材を分けてくれるのだ。そのお陰で様々な研究が進んでいる。

 

 

「はい、素材を分けて頂いている人達には本当に感謝しています」

 

 

 ネプギアが明るい声で言う。

 

 

「それで、どうですか? 新しい金属は出来そうですか?」

 

 

 イストワールが質問をすると、ネプギアはやや難しい顔をして、「いいところまでは行くんです。現状でもレアメタルプレートより30%ほど優れた金属の合成は出来ると思います」と答える。

 

 

「でも、それではホルランドさんとルルドさんは満足してくれないと、お思いですか?」

 

 

 イストワールがそう言うと、ネプギアは小さく頷き、「はい、もう少し。せめてレアメタルプレートの50%増しの性能の金属を作ってから……」と言う。

 

 

「そうですか……。私は合成には詳しくないので直接的に力になれませんが、応援しています。頑張って下さいね」

 

 

 イストワールの言葉に、ネプギアは嬉しそうに、「ありがとうございます」と言いながら、上目遣いにイストワールを見ると、「出来たら、お母さんみたいに頭を撫でて応援して欲しいです」と控えめに要望する。

 

それを見たイストワールは、【クスッ】と笑うと、「しょうがない甘えん坊さんですね」と言いながら優しい手つきでネプギアの頭を撫でた。

 

 

「はふぅ~……、幸せ~」

 

 

 ネプギアは目を閉じて、ウットリした表情を浮かべる。

 

それを見たイストワールは慌てて、「あっ! ネプギアさん、合成中に目を閉じては!?」と言うと、「あっ!」とネプギアは焦った声を上げる。

 

 

ぼちゃん!

 

 

 合成をしていた容器の中に何かが落ちてしまう。

 

 

「ああっ! NG粒子発生装置が!」

 

 

 ネプギアが落としたのはNG粒子発生装置で、ネプギアは慌ててそれを拾おうとするが、ネプギアが手を伸ばした瞬間、合成していたものが薄紫色に輝く。

 

 

「これは……!?」

 

 

 ネプギアの手がピタリと止まる。

 

イストワールはネプギアの顔色を伺いながら、「大丈夫なんですか?」と尋ねる。

 

 

「はい、大丈夫みたいです。でも、これは……もしかしてNG粒子がこの合成の鍵になるのかも!」

 

 

 ネプギアはそう言いながら、小さくガッツポーズをする。

 

 

***

 

 

 G.C.2019年11月8日 金曜日。

 

ネプギアが合成中にNG粒子発生装置を落として一週間。

 

ネプギアは、毎日の仕事をこなしつつ、NG粒子を使ったミスリルとオリハルコンを合成の研究をしていた。

 

今日も午前中の仕事を終えて、午後から研究室で研究に励んでいた。

 

研究室には、他にも女神候補生の仲間達がいた。

 

 

「それにしても、まさかNG粒子が合成にも使えるなんてね」

 

 

 ネプギアの隣に立っていたユニが意外そうな顔で言うと、「私もビックリだよ。偶然NG粒子発生装置を落としちゃったから気付いたんだけど」とネプギアが言う。

 

 

「ねーねー! ネプギア! NG粒子はまだ入れないの?」

 

 

 ラムが不満そうにネプギアを急かすと、「いつでも準備できてるよ(わくわく)」とロムが待ち遠しそうにNG粒子発生装置を両手で持つ。

 

二人ともネプギアのお手伝いがしたくて待っているのだ。

 

 

「もうちょっと待ってね」

 

 

 ネプギアは二人を優しい声で宥めると、合成に使っている容器の中の溶けたものを、ぐるぐると棒でかき混ぜる。

 

 

「ぐるぐる~!」

 

 

 ラムが合成をするネプギアの姿を見ながら楽しそうに言うと、「ぐるぐる~」とロムがそれに続く。

 

 

「ネプギア、色が変わってきたわよ」

 

 

 ユニがネプギアに向けてそう言うと、容器の中の内容物の色が変化してきていた。

 

それを見たネプギアは、「今だよ。ロムちゃん、ラムちゃん、NG粒子発生注入」と言ってロムとラムの方を向く。

 

 

「りょうかーい!」

 

 

 ラムが元気よくそう言うと、「らじゃー(びしっ)」と言ってロムがNG粒子発生の噴出口を容器に向ける。

 

 

「NG粒子はっしゃー!」

 

 

 ラムの言葉に、「はっしゃ(ぶおー!)」とロムがNG粒子発生のスイッチを押す。

 

 

「あっ、光ってきたわ」

 

 

 ユニの言葉通り、今度は容器の中の内容物が薄紫色に輝き始めた。

 

すると、「おおー!」とラムが驚き、「綺麗(きらきらぴかぴか)」とロムがウットリする。

 

 

「このままかき混ぜれば……」

 

 

 ネプギアは休まず手を動かし、容器の中をかき混ぜ続ける。

 

およそ、十分ほどかき混ぜると、内容物は一際輝き出して、【ポン】と音がする。

 

 

「できたーーーーー!」

 

 

 ネプギアが嬉しそうに声を上げると、容器の中に出来た小さな金属を高く掲げる。

 

 

「成功なの? これが新しい金属なの?」

 

 

 ユニが目を丸くしてネプギアに問いかけると、「うん、成功だよ。ユニちゃんが一緒に居て応援してくれたおかげだよ」とネプギアは嬉しそうにユニに抱き着く。

 

ユニは、「わっ! ちょ、ちょっと、ネプギア」と言いながら焦って顔を赤くした。

 

 

「あー! ユニちゃんばっかりズルいわよ」

 

 

 それを見たラムが不満そうに頬を膨らませると、「わたし達もお手伝いしたよ(うるうる)」とロムが目を潤ませて上目遣いにネプギアを見る。

 

 

「勿論、ロムちゃんとラムちゃんもだよ。二人ともありがとう」

 

 

 ネプギアはそう言いながら右手でロムを左手でラムを抱き寄せる。

 

 

「いえーい! 褒められたー!」

 

 

 抱かれながらラムがVサインをし、ロムは満足そうに、「ネプギアちゃん(すりすり)」とネプギアの胸に頬擦りする。

 

 

「よーし! 後はこれを色々な試験にかけてみて性能を調査しなきゃ!」

 

 

 ネプギアはそう言いながら小さく両手でガッツポーズした。

 

 

***

 

 

 約一ヶ月後。

 

G.C.2019年12月7日 土曜日。

 

ルートビルド計画の工事現場にはネプギア達の他に、工事に協力してくれているホルランドとネプギアから呼ばれて以前のようにここまで訪れてくれてルルドが来ていた。

 

ネプギアは二人を前に、「今日はお二人に大事なお話があります」と切り出す。

 

 

「ワシとルルドを呼び出したんじゃ。恐らく、ミスリルとオリハルコンの合成についでじゃろ」

 

 

 ホルランドがそう言うと、「あれから三ヶ月経つけど、私達が満足できるようなモノができたのかしら?」とルルドが続く。

 

ネプギアは、二人の目を見て、「はい、色々な人が協力してくれたお陰で、十分な性能を持った合金を作ることができました」と自信を持って言った。

 

続いてネプギアは、机の上に一本の剣と、洋服を置く。

 

 

「これが、その金属で作ったものなのね」

 

 

 ルルドがそう言うと、「はい」とネプギアが答える。

 

 

「ふむ、ミスリル並みに軽いし見た目はよく出来ておるが、中身はどうかな?」

 

 

 ホルランドは、おもむろに机の上の剣を握ると、工事現場にあった廃棄予定の鉄屑を斬りつける。

 

鉄屑は何の抵抗ものなくバターのように両断され、ホルランドは思わず、「ほう……」と声を上げる。

 

 

「どう? おじいちゃん、凄いでしょ」

 

 

 ラムが自慢気に腰に両手を当ててそう言うと、ホルランドは「うむ、確かに良い切れ味じゃ」と言って素直に頷く。

 

それを見たロムは嬉しそうに、「やった(ぶい)」とVサインをするが、「じゃが、耐久性はどうかな?」と言って両手で剣を持って折り曲げようとする。

 

 

「ぐぬぬぬぬ!?」

 

 

 しかし、ホルランドがいくら力を籠めようとも剣は曲がる気配を見せなかった。

 

ルルドは必死のホルランドの顔を見ながら、「ふふ、わざわざ呼び出すだけのことはあるってことね」と言って微笑む。

 

次にルルドは持って来た袋から金色の金属、オリハルコンの塊を取り出す。

 

 

「ホルランド、その剣でこのオリハルコンの塊を切れるかしら?」

 

 

 ルルドがホルランドに向けてそう言うと、「用意がいいのぉ」と言ってホルランドは剣を構えると、オリハルコンの塊を斬りつける。

 

剣が先程の鉄屑と同じようにオリハルコンの塊を切り裂くと、ホルランドもルルドも目を丸くした。

 

 

「これは……予想以上じゃな」

 

 

 ホルランドが素直に感心すると、「ええ、そうね」とルルドが同意する。

 

 

「オリハルコン以上の硬さがあるのは分かったが、ミスリル程の柔軟性と魔法伝導率はどうかな?」

 

 

 ホルランドがそう言うと、「じゃあ、この服で試してみてよ」とユニが机の上にあった服をホルランドに手渡す。

 

ホルランドは服を受け取ると、「ほほう、このような服が作れる金属ならミスリルに近いモノがあるな」と言う。

 

 

「じゃが、ミスリル程伸びるかのぉ!」

 

 

 そう言いながら、ホルランドは服を思いっきり引っ張るが、服はゴムのように伸びるだけで破ける気配は無かった。

 

ホルランドは諦めて伸ばすのを止めると、「うぬぬ……なかなかじゃな」と感心したように呟く。

 

 

「魔法防御の方はどうかしら? ホルランド、ちょっと持っててくれる」

 

 

 ルルドがそう言うと、ホルランドが服を持ってルルドの方を向く。

 

ルルドは右手を突き出して、「はあっ!」言うと、服に向けて魔法の弾を放つ。

 

魔法の弾は服に当たるが、服はまったくの無傷だった。

 

 

「なら、属性魔法でどう?」

 

 

 ルルドは次に、地水火風などの様々の属性をもった魔法を服にぶつけるが、服は以前無傷のままだった。

 

 

「これは凄いモノを作ったものじゃな」

 

 

 ホルランドがそう言って感心すると、「認めざるをえないわね」とルルドがそれに続く。

 

 

「これだけじゃないんですよ」

 

 

 ネプギアが珍しく自慢気にそう言うと、「この金属は、精神感応制御と呼ばれる特性があるんです」と続ける。

 

 

「精神感応制御?」

 

 

 ルルドがそう言って首を傾げると、「なんじゃそれは?」とホルランドがネプギアに説明を求める。

 

 

「簡単に言えば生きた金属で、使用者の意志に合わせて特性が変化するんです」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「人間の筋肉と同じで、力を入れれば硬くなって力を抜くとゴムのように柔らかくなるのよ」とユニがそれに続く。

 

更に、「だからね、斬撃にも刺突にも打撃にも強いんだよ」とロムが言うと、「後は、使ってる人の精神的なコンディションによってスペック外の効果が起こることがあるのよ」とラムが言う。

 

 

「な、なんと……そこまでの特性があるとは」

 

 

 ホルランドは驚きで目を丸くし、「何てものを作ったのかしら」とルルドは右手を口に当てて驚く。

 

 

「それじゃあ、約束通り仲直りして下さい」

 

 

 ネプギアがそう言うと、ホルランドは素直にルルドに向けて手を差し出し、「すまなかったな、ルルド。ワシが間違っていたようじゃ」と謝りる。

 

ルルドは素直にその手を握ると、「私こそムキになってごめんなさい」と謝る。

 

 

「もー! こんなに素直に謝れるなら、何で今までケンカなんかしてたのよー!」

 

 

 ラムが腕組みしながら文句を言うと、「なんで(なぞなぞ)」とロムがそれに続く。

 

 

「ワシが、つまらぬ意地を張ったんじゃ。ミスリルが世界最高の金属だから、その最高の金属で作った首飾りをルルドにプレゼントしたくて、ミスリルが世界最高と認めてほしくて意地を張ってしまったんじゃ」

 

 

 ホルランドがそう言うと、ルルドは頬を赤く染めんながら、「ホルランドと……」とホルランドを見ながら言う。

 

 

「だが、嬢ちゃんがこんな優れた金属を作ってくれたおかげで、自分の拘りがいかに小さいものかと思い知った。ありがとう、嬢ちゃん達」

 

 

 ホルランドが頭を下げてお礼を言うと、「いえ、そんな……この金属だって、ミスリルとオリハルコンをメインで合成することで生まれた金属ですし、他にも色々な種族の人達が協力してくれたおかげです」とネプギアが言う。

 

 

「この金属って言うけど、名前は無いの?」

 

 

 ルルドが不思議そうに尋ねると、「それは、ホルランドさんとルルドさんに仲直りの証として、二人に考えて名付けてもらおうとして……」とネプギアが恥ずかしそうに言う。

 

 

「ワシらが名付けていいのか?」

 

 

 ホルランドが不思議そうに言うと、「でも、作ったのは貴女でしょ」とルルドも不思議そうに首を傾げる。

 

 

「……そうじゃ! それなら、【ギアメタル】と言うのはどうじゃ。嬢ちゃんが作ったものだし、レアメタルとかけてるんじゃ」

 

 

 ホルランドが名案かのように言うと、「いいわねそれ。私も賛成だわ」とルルドも頷く。

 

 

「えっ……そんな、私だけの力で作ったものじゃないのに……」

 

 

 ネプギアは遠慮気味にそう言うが、「そうだとしても、その中心は嬢ちゃんじゃ。嬢ちゃんの名前が入っていた方が協力した奴等も喜ぶじゃろ」とホルランドが笑いながら言う。

 

それを聞いたユニも、「そうね。アタシもそう思うわ」と言い、「賛成にいっぴょー!」とラムが言い、「わたしも賛成だよ(にこにこ)」とロムが言う。

 

 

「うう……そんなに言われるとその気になっちゃいそうだよ」

 

 

 ネプギアそう言って少しまんざらでもない顔をすると、「ほら、決めちゃいなさいよ」とユニがダメ押しをしてくる。

 

それを聞いたネプギアは観念して、「じゃあ、ギアメタルと言うことで……」と名前を決める。

 

こうしてネプギアの作った新素材はギアメタルと名付けられ、世に出ることになった。

 

協力した人々はこの名前に満足し、ネプギアを褒め称えたのだった。

 

 

***

 

 

 ギアメタルが名付けられてから一週間後。

 

G.C.2019年12月14日 土曜日。

 

今日は休日だが、ネプギア達は、うずめに呼ばれて零次元を訪れていた。

 

 

「うずめの用事ってなんだろーね?」

 

 

 ラムが不思議そうに首を傾げる。

 

すると、「やっぱり、ダークソウル関係じゃないかしら? この二ヶ月の間、かなりの数のモンスターを零次元に送って、うずめに更生してもらってるし」とユニが答える。

 

 

「ユニちゃん、賢い(きらきら)」

 

 

 ロムが尊敬の眼差しでユニを見ると、「やっぱり、そうなのかな?」とネプギアがユニに同意した。

 

 

「そう言えば、すっごい数のモンスターが真面目に仕事してるね」

 

 

 ラムがそう言って辺りを見回すと、ゴブリンやオーク等が真面目に零次元の復興作業をしていた。

 

続けてロムが、「なんだか賑やかだね(にこにこ)」と言うと、「それもこれも、ぎあっちやろむっちのおかげだぜ」と言いながらうずめと海男、それにゴブりんが現れる。

 

 

「うずめ、それに海男とゴブりんも」

 

 

 ユニがそう言うと、「こんにちは」とネプギアが挨拶をする。

 

うずめが笑顔で、「おう」と元気よく言うと、「やあ」と海男が言い、「こんにちは」とゴブりんが挨拶を返す。

 

 

「それで、今日は何の用事?」

 

 

 ユニがそう尋ねると、「まずはシェアリングフィールドの研究データがまとめ終わったから、ぎあっちに渡そうと思ってね」と言って海男がレポートの束をネプギアに手渡す。

 

ネプギアは、「ありがとうございます」とお礼を言うと、そのレポートを受け取った。

 

 

「それと、ぎあっちに頼まれてた、ダークソウルだ。ゴブリン達を更生しまくったら、かなりの数が集まったぜー」

 

 

 うずめが嬉しそうにそう言うと、「そうなの? どれぐらい? どれぐらい?」とラムが質問し、「気になる気になる……」とロムが上目遣いにうずめを見る。

 

 

「ふっふっふ~♪」

 

 

 うずめは楽しそうに笑うと、両手を大きく広げて、「これぐらいだーーー!」と大袈裟に言う。

 

すると、ロムとラムはうずめを尊敬の眼差しで眺めながら、「「おおー!」」と声を揃えて驚く。

 

 

「うずめさんの熱血指導のお陰で、多くのゴブリンやオークなどからダークソウルが生まれております」

 

 

 ゴブりんがそう言うと、「へへっ、照れるぜ」と言いながら、うずめが鼻を擦る。

 

 

「ねー! ねー! 見せて見せて!」

 

 

 ラムがそう言ってねだると、ロムも「見てみたい(わくわく)」とそれに続く。

 

 

「よっしゃ、ついてきな」

 

 

 うずめはそう言うと、先頭を歩きだす。

 

そのすぐ後ろにはロムとラムが続き、残りのメンバーはその後に続く。

 

うずめが、ある建物に入ると、そこには黒い珠がいくつも貯め込まれていた。

 

 

「これ、全部ダークソウル!?」

 

 

 ユニが驚きで目を丸くすると、「ああ、どうだ? ビビったか?」とうずめが自慢気に言い放つ。

 

ネプギアがそれに答えるように、「凄いです! 驚きました」と言うと、「おう、俺ってスゲーだろ」と言ってうずめが腕を組んで自慢気にする。

 

 

「これって、貰っちゃっていいんですか?」

 

 

 ネプギアがやや遠慮気味にそう言うと、「当たり前だろ。ぎあっちの為に集めたんだ、貰ってくれなきゃ困るぜ」とうずめがあっけらかんと答える。

 

 

「うずめ、太っ腹! カッコイイわ」

 

 

 ラムがそう褒めると、「うずめちゃんカッコイイ(きらきら)」とロムも目を輝けせて褒める。

 

 

「そーか、そーか。俺ってやっぱりカッコイイよねー」

 

 

 うずめが嬉しそうにそう言って右手で後頭部をかくと、「やれやれ、さっきから褒められっぱなしで、すっかり有頂天だな」と海男が呆れながら言う。

 

それを聞いたゴブりんは、「いいじゃないですか。うずめさんはそれだけのことをしたんですから」と言う。

 

海男はその言葉に頷くと、「そうだね。たまにはいいかもね」と微笑んだ。

 

 

「ぎあっち。これで、ぷらっちを救ってやってくれ」

 

 

うずめが真剣な顔でそう言うと、「はい、必ず」とネプギアは力強く頷いた。

 

 

***

 

 

 

 うずめから大量のダークソウルを受け取った翌日。

 

G.C.2019年12月15日 日曜日。

 

ネプギア達女神候補生は朝早くから神次元のマジェコンヌの元を訪れていた。

 

 

「ほう……この短期間によくもここまでのダークソウルを集めたものだな」

 

 

 マジェコンヌが腕組みしながら、ネプギア達に向けて感心の声を上げた。

 

ネプギアは、やや心配そうな面持ちで、「これで足りるでしょうか?」とマジェコンヌに尋ねた。

 

マジェコンヌは口角を吊り上げて、ニヤリと笑うと、「上出来だ。十分足りるぞ」と答えた。

 

 

「やったわ!」

 

 

 ユニが嬉しそうに小さくガッツポーズをすると、ロムとラムは、「「ばんざーい!」」と大きく万歳をした。

 

 

「約束通り、ダークデストロイヤークリスタル……もとい、マジェコンヌクリスタルを作ってやろう」

 

 

 マジェコンヌがそう言うと、「よろしくお願いします」とネプギアは丁寧に頭を下げる。

 

 

「かなり時間が掛かるから、適当に待っていろ」

 

 

 マジェコンヌの言葉に、「何か手伝えることはありませんか?」とネプギアが尋ねたが、「ない。邪魔だから引っ込んでいろ」とマジェコンヌは素っ気なく答える。

 

 

「それじゃあ、その間マジェコンヌさんの代わりにナスのお世話をします」

 

 

 ネプギアは諦めずにそう食い下がると、「素人に手を出されても迷惑なだけだ。どうしてもと言うなら、水撒きだけやっていろ」とマジェコンヌは言ってソッポを向いてしまう。

 

 

「ありがとうございます。それじゃあ、やらせてもらいます」

 

 

 ネプギアはそう言ってマジェコンヌにお礼を言うと、「みんなー! 水撒きしよー!」と言って女神候補生の仲間達に声を掛ける。

 

 

「わかったわ」

 

 

 ユニがネプギアの言葉に頷くと、「ナスのお世話するよ」とロムが言い、「ガンガン水撒いちゃうわよー!」とラムが意気込む。

 

 

「ふん、大人しく待っていれば良いものを……酔狂な奴等だ」

 

 

 マジェコンヌは口ではそう言いながらも、少し嬉しそうな顔をすると、ネプギアから預かった大量のダークソウルを取り出した。

 

 

***

 

 

「水撒き水撒きー! ぷしゅーぷしゅー!」

 

 

 

 楽しそうにホースで大量の水を撒くラム。

 

それを見たユニは、「ちょっと、ラム。撒き過ぎよ。水遊びじゃないんだから、ほどほどにね」と言ってラムを注意する。

 

 

「はーい」

 

 

 ラムは素直に返事をすると、「ロムちゃん、水の勢い弱めて」と蛇口の側に居るロムに呼びかける。

 

ロムは、「うん」と頷くとラムの言うように蛇口を捻って水の勢いを弱くした。

 

 

「綺麗な色艶、本当に丹念に育ててるんだね」

 

 

 ネプギアがそう実っているナスを触る。

 

続けてユニが、「実際のところ、このままナス農家としての才能を開花させて、平穏に暮らして欲しいわね」と苦笑いをしながら言う。

 

 

「ねー? ねー? オバちゃんからおナス貰えないかな?」

 

 

 ラムが物欲しそうにネプギアに尋ねると、「美味しそう(まじまじ)」とロムも物欲しそうにナスを見つめる。

 

 

「流石にタダじゃ悪いでしょ」

 

 

 ユニがそう言うと、「そうだね、ちゃんとお金を払わないとね」とネプギアが同意する。

 

更にネプギアは、「それと、オバちゃんじゃなくて、マジェコンヌさんね」とロムとラムに言い聞かせる。

 

それを聞いたユニは【クスッ】と笑うと、「そうね。額に青筋立てて文句言うのが目に浮かぶようだわ」と言った。

 

 

***

 

 

 水撒きを終えたネプギア達は、ナス畑の雑草取りをして時間を潰していた。

 

 

「ほう、なかなか気が利くではないか」

 

 

 そこにマジェコンヌが現れると、腕組みしながらネプギア達のことを感心する。

 

 

「あ、マジェコンヌさん」

 

 

 座りながら草むしりをしていたネプギアがマジェコンヌを見上げると、「完成したぞ」と言ってマジェコンヌは右手に持った黒いクリスタルをネプギアに差し出す。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 ネプギアはそう言いながら感謝すると、黒いクリスタルを受け取った。

 

ネプギアがクリスタルを受け取るのを確認したマジェコンヌは、「私としても、いい研究になった。礼を言うぞ」とネプギアに向けて言った。

 

 

「これでプラエが助けられるのね」

 

 

 ラムが嬉しそうに言うと、「やった(ぱちぱち)」とロムが小さく拍手をする。

 

それを見たユニが、「まだよ。お姉ちゃん達にちゃんと許可貰わないとね」と釘を刺す。

 

 

「ふん、それを何に使うか興味はないが、無駄にせぬことだな」

 

 

 マジェコンヌはそう言いながら、手に持った籠の中にナスを採って入れると、「ナスの世話をしてくれた礼だ受け取れ」と言ってナスの入った籠をネプギアに手渡そうとした。

 

 

「いいんですか?」

 

 

 ネプギアが遠慮気味にそう尋ねると、「ナスも世話をしてくれた、お前達に食べたがられている」と言いながら籠をネプギアに押し付ける。

 

ネプギアは籠を受け取ると、「ありがとうございます」と言って一礼した。

 

 

「後は、ネープギアの発売ね」

 

 

 ユニがそう言って気合を入れるように右手でガッツポーズをすると、「待っててね、プラエ」とラムが言い、「わたし達が助ける」とロムがそれに続く。

 

 

***

 

 

 マジェコンヌにマジェコンヌクリスタルを作ってもらってから約一週間。

 

G.C.2019年12月23日 月曜日。

 

神次元のプラネテューヌでは、ネプギアが考案し製品化にこぎつけたゲームにフルダイブできる周辺機器、【ネープギア】が発売された。

 

 

「いかがっすかーーー!」

 

 

 うずめが拡声器を使って元気よく叫ぶ。

 

叫んだ先にはネープギアを買いに来た人々が長蛇の列をなしていた。

 

 

「ありがとうございまーす」

 

 

 その隣では、サンタクロースのコスプレをしたネプギアがネープギアを買った人に商品を手渡している。

 

更にその隣では同じくサンタクロースのコスプレをしたユニ、ロム、ラムが順々に並んでネープギアを買った人達に商品を手渡していた。

 

 

「思った通りの大好評ね」

 

 

 後ろで手伝いをしていたニトロプラスがニヤリと笑う。

 

すると同じく手伝いをしていたコンパが目を回しながら、「てんてこ舞いですぅ~」と言いながら慌てる。

 

 

「これは凄い行列だね。記事にしなきゃ」

 

 

 ファミ通が行列の写真を撮りながら嬉しそうにメモを取る。

 

今日が発売日かつ、神次元のプラネテューヌの女神として一般的に認識されている女神候補生が商品の手渡しをしてくれるということで、販売所には長蛇の列が出来ていた。

 

女神候補生以外も、うずめが手伝いを申し出て、ルートビルド計画の仲間達も駆け付けてくれていた。

 

販売所には小さなステージがあり、そこでは並んでる人が退屈しないようミクが歌を歌い続けている。

 

 

「いつかは、がすとのお店にもこれぐらいの行列が出来て欲しいですの」

 

 

 がすとが羨ましそうに言うと、「アタシのヒーローショーにも行列が出来て欲しいな」と日本一が同意する。

 

 

「話題性は十分だけど、実際のところ評価はどんな感じなのかなー」

 

 

 ゴッドイーターがそう質問すると、「今、ネットではネープギア、特に【女神候補生オンラインⅢ】の話題で持ち切りよ。前評判にたがわぬ神ゲーだって」とアイエフがスマホを操作しながら嬉しそうに言う。

 

 

「午前中に買った人達、もう遊んでるんだー。いいなー、わたしも早く遊びたーい」

 

 

 大きいネプテューヌが羨ましそうに言うと、「俺も遊びたいぜ」とクロワールがそれに続く。

 

それを聞いたシーシャは、「気持ちはわかるけど、女神……ネプギア達が朝から立ちっぱなしで商品を手渡ししてるんだ。あたし達だけ遊んでるわけにもいかないだろ」と言う。

 

すると、エスーシャが不機嫌そうに、「この国の女神なのに何もしてない怠け者がいるがな」と苦々しそうに遠くを見る。

 

 

「プルルートのことかな……」

 

 

 ビーシャが恐る恐る尋ねると、「……申し訳ありません」と言って神次元のイストワールが心底申し訳なさそうに頭を下げる。

 

それを聞いたイストワールは、神次元のイストワールを気遣うように彼女の肩に手を当てると、「あなたのせいじゃありませんよ」と言いながら首を左右に振る。

 

 

「まったく。プル子ったら何を考えてるのかしら」

 

 

 アイエフが不満そうに眉をひそめると、「元々、お仕事はあまりしてくれませんでしたが、あのイクスという者を側に置き、ボークを釈放してから更に怠けるようになってしまいました……」と神次元のイストワールが悲しそうに言う。

 

 

「しつこく口出しをすれば、女神化をチラつかせて威圧してきますし……今日の女神の手渡し販売会も、立ちっぱなしなんか嫌だし、何よりネプギアさん達が考案したものの売り子なんてしたくないと変身して、私に暴力を振るいました」

 

 

 神次元のイストワールがそう続けて言うと、肩を落とす。

 

 

「正しく暴君だな」

 

 

 ニトロプラスが吐き捨てるように言うと、「でも、邪魔をしないだけマシかな」とゴッドイーターが言う。

 

それを聞いたコンパは悲しそうな顔で、「ぷるちゃん、どうしちゃったんでしょうか……前はあんな子じゃなかったのに」と言う。

 

 

「ダゴンの時に呼んだ頃からおかしかったよね」

 

 

 日本一がそう言うと、「恐らく、その頃からイクスやボークと接触してたと思われますの」とがすとが言う。

 

 

「あれが素なのか、その二人に唆されているのか興味ないが、あれじゃ人は付いて来ないだろうな」

 

 

 エスーシャが呆れながら言うと、「アタシ達ゴールドサァドも、真面目に国を治めていたとは言えないけど、あれはヒドイな。ネプギア達が月一で来てなければ、この街は廃墟になってたんじゃないか?」とシーシャが眉をひそめる。

 

 

「小さいわたしも、あの子のところに遊びに行っちゃってるし、わたしもサボっちゃおうかなー」

 

 

 大きいネプテューヌが不満そうに愚痴を言うと、「いいぜ、俺も付き合うぞ」とクロワールが言うが、「こーら!」と言ってアイエフが、大きいネプテューヌとクロワールの首根っこを掴んで止める。

 

 

***

 

 

 ぶちいっ!!

 

 

 布が引き裂ける音が部屋中にこだまする。

 

続けて、ゴンゴンと壁を叩く音と、ドンドンと床を踏みつける音が聞こえてくる。

 

 

「ああ~~、面白くないなぁ。誰も彼も、ぎあちゃんぎあちゃんって、この国の本当の女神はあたしだよ~~!」

 

 

 プルルートがストレス解消用のぬいぐるみを、グリグリと踏みつけながら不満そうに言う。

 

ここはプルルートの部屋。

 

部屋にはボークとイクスとネプテューヌが居た。

 

 

「お、落ち着いて下さい、プルルート様」

 

 

 プルルートを見ていたボークが必死に彼女を諫める。

 

 

「うるさいなぁ~~、そんなうるさい人はこうだよ」

 

 

 プルルートはストレス解消用のぬいぐるみを乱暴に掴むと、それをボークの顔面に投げつける。

 

 

「このような施しを! ありがとうございます!」

 

 

 しかし、マゾのボークにはそれはご褒美であり、ボークは光悦とした表情でそれを受け止めた。

 

 

「おーおー、荒れてるねー。そんなにムカつくなら、ネプギアちゃんブッ飛ばしてくればいいじゃん。あれだけの人数の前で赤っ恥でもかかせてやれば面白いことになるぜー」

 

 

 イクスが笑いながらプルルートを煽ると、「それもいいかな~。あの大勢の前で羞恥プレイなんか面白そうだよねー」とプルルートがドス黒い笑みを浮かべる。

 

 

「ねぇ~、ねぷちゃん、やっちゃっていいかなー!」

 

 

 プルルートは待ちきれないと言った表情で、ヘッドマウントコントローラーの【ネープギア】を付けて遊んでいるネプテューヌを揺すると、ネープギアを無理矢理取り外す。

 

 

「うわっ! ちょっとー! 止めてよ、ぷるるん。今いいところだったのにー」

 

 

 ネプテューヌが不満そうにプルルートに抗議すると、「ぎあちゃんがムカつくから、今からイジメに行きたいの」とプルルートが笑顔で言う。

 

 

「あー、何となく察した」

 

 

 ネプテューヌはそう言うと、「ぷるるんの気持ちは分かるけど、アレはアレで便利な妹だよ」とネプテューヌがあっけらかんと言う。

 

 

「でも~、妹のクセに姉より優秀なんて生意気だし、姉より優秀な妹なんていないって偉い人も言ってるよね~~」

 

 

 プルルートが不満そうに言うと、「まあねー、誰も彼もデキる妹だって言っちゃってさー。主人公はわたしなのにさ」とネプテューヌがそれに同意する。

 

 

「だよね~~、そのクセにねぷちゃんにべっとりでウザいったらないよ~~。あの子がちゃんとしてれば、ねぷちゃんは超次元に戻らずに、わたしとずっと一緒にノンビリしてられてたのに。全部ぎあちゃんの所為だよー、その上にわたしの国を乗っ取るなんて許し難いよ」

 

 

 プルルートはそう言いながら、落ちたストレス解消用のぬいぐるみを拾うと、その首を絞める。

 

 

「でもさ、利用価値がある内はほっとこうよ。色々面倒だしさ」

 

 

 ネプテューヌがそう言うと、「その通りです。あのような魔女、いずれはボロが出るに決まっています。その時には盛大に処刑し、この世の神がプルルート様とネプテューヌ様であることを全ゲイムギョウ界に知らしめるのです」とボークが興奮気味に言う。

 

 

「うーん、そうかな~」

 

 

 プルルートはボークの熱弁に、やや溜飲を下げると小さく首を傾げる。

 

 

「はい! その時の為に、我々は同志と共に高度で柔軟な計画を立てて、プルルート様とネプテューヌ様が治めるべきゲイムギョウ界を模索しているのです」

 

 

 調子に乗ったボークが更に熱弁を続けると、「ボークもこう言ってるしさ、とりあえず遊ぼうよ」と言ってネプテューヌはもう一つのネープギアをプルルートに差し出す。

 

 

「そうですとも。それに、イライラする時はコレが一番効きます」

 

 

 ボークはそう言うと、部屋に飾られたカオスアニマを持って、それをプルルートの顔に近づける。

 

カオスアニマが怪しい光を放つと、プルルートの表情が和らぐ。

 

 

「ねぷちゃんとボークちゃんがそう言うなら~」

 

 

 すっかり機嫌を直したプルルートはネプテューヌの勧めるままにネープギアをかぶって、ネプテューヌと一緒にゲームで遊び始める。

 

 

「ちぇー、折角ネプギアの無様な姿が見れると思ったのによー」

 

 

 イクスが不満そうに言うと、「事には機というものがあります。それを見誤っては大成しませんよ」とボークがもっともらしく言う。

 

それを聞いたイクスは、「お前にはその機ってモンが見えてるのかよ?」とボークに問いかけると、「当然です。私はプルルート様とネプテューヌ様の忠実な僕。まさに神に愛された寵児! その私が大攻勢と見極めるまで待つのです」とボークが自信満々に言い放つ。

 

 

(ハッ……口だけの中身スカスカな阿呆がよく言うぜ。プルルートを騙すのに都合がいいから連れてきたが、コイツの妄言に付き合うのも疲れるな)

 

 

 イクスはそう思うと、「しかし、ネプテューヌがカオスアニマにここまで順応するとは、嬉しい誤算だな」と言う。

 

 

「それは当然です。このカオスアニマこそ神が持つに相応しい宝玉、それにプルルート様とネプテューヌ様が導かれるのは自明の理!!」

 

 

 ボークが興奮気味にそう言うが、イクスはそれを無視して表情を歪めると、「……見てろよネプギア。テメーの大切なモノをカオスアニマで、じっくり堕とした後にテメー自身にも地獄を見せてやるぜ」と呟いた。

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