新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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054携帯機のピンチ

 ユニとロムとラムが自国に帰ってから半年。

 

G.C.2020年12月4日 金曜日。

 

ラステイションのノワールの執務室では、ユニがノワールに詰め寄っていた。

 

 

「お姉ちゃん! U.N.Iの後継機を作らないっていうのはどういうこと!?」

 

 

 もの凄い剣幕のユニ。

 

U.N.Iとはラステイションの携帯ゲーム機で、ユニの分身と言っても良いだろう。

 

 

「言葉通りの意味よ。ラステイションは据え置き型一本に絞るつもり」

 

 

 ユニに対してノワールは冷静に答える。

 

ユニは激昂して、「納得いかないわ!」と言ってノワールの机を両手で【バン】と叩く。

 

それを側で見ていたケイは、「見苦しいよユニ。携帯ゲーム機が最早ビジネスにならないのは君も承知のことだろう?」と冷めた声で言う。

 

 

「そんことない! ネープギアがあるでしょ!!」

 

 

 ユニがそう言うと、「確かにネープギアは素晴らしい技術だよ。でも、対応するソフトを開発できる技術者が、殆ど神次元のプラネテューヌにしかいない。つまり、プラネテューヌの一人勝ちだよ」とケイが答える。

 

ケイ言う通り、ネープギアを動かすにはNギア、U.N.I、2RMの携帯ゲーム機のどれかが必要になるが、今のところネープギアを作ったネプギアの教え子達でなければそのソフトは作れない状態だった。

 

 

「イストワールに見事に出し抜かれたね。いや、この場合はネプギアさんかな?」

 

 

 ケイがそう言うと、ユニは更に激昂し、「ネプギアはそんなつもりで、ネープギアを作ったんじゃないわ!!」と声を荒げる。

 

 

「すまない。少し言葉が過ぎたようだね。とにかく現状でラステイションがシェアを取り戻すには据え置き機で、ネープギアを上回る物を作る必要がある」

 

 

ケイの説明に、「だからって! 高価な据え置き型だけじゃ、お金を持ってない子達はどうするのよ!」と言って更にヒートアップするユニ。

 

ラステイションの据え置き型は高性能だが高価なのが玉にキズだ。

 

 

「国の運営は慈善事業じゃないんだ。そんなに欲しければお金を溜めることだね」

 

 

 ケイはドライにそう言い放つと、「君が犯罪組織の四天王との約束を大事にするものいいけど、これも時代の流れだと思って諦めてくれないかな?」と続ける。

 

 

「諦められる訳ないでしょ!」

 

 

 ユニが再び両手で机を叩く。

 

 

「ねぇ! お姉ちゃん! アタシもう必要ないの? U.N.Iはいらない子なの?」

 

 

 ユニが泣きながらノワールに訴える。

 

ノワールは深呼吸一つすると、「U.N.Iはその役目を終えたのよ。これからの携帯ゲームはスマホと中心としたソシャゲの時代になるわ」と言う。

 

 

「そんな……。お姉ちゃん……」

 

 

 絶望的な気持ちになるユニ。

 

 

「僕達のスポンサーが、そう判断しているんだよ」

 

 

 ケイがノワールの言うことに付け足すように言うと、「実はそのスポンサーから、一人の女神を預かって来ているんだ」と更に続けて言う。

 

同時に執務室のドアが空いて一人の女の子が入ってくる。

 

 

「エクぺスです。よろしくお願いします」

 

 

 真面目そうな少しノワールに似た黒髪の少女がそう言うと、「彼女はぴーし大陸で女神になる予定の子だ。ここで女神の心得を教えてやって欲しいと……」とケイがそこまで言うと、「知らないわよ!!!!」とユニが叫び、泣きながら執務室を出て行く。

 

 

「……悪かったわね。嫌な役やらせちゃって」

 

 

 ノワールがケイに向けて謝ると、「もう少し大人になってくれていると思ったんだけどな」とケイがお手上げのポーズで首を左右に振る。

 

 

「あの……私は?」

 

 

 エクぺスが首を傾げながら質問すると、「私の妹の友達になってくれるようお願いするつもりだったんだけど、今は無理みたい。ごめんなさいね」とノワールが謝る。

 

 

***

 

 

 ユニは自分の部屋に戻ると、泣きながら枕を乱暴に掴み布団に叩きつける。

 

 

「なによ! なによ! 何がU.N.Iは役目を終えたよ! 何がぴーし大陸の女神よ!」

 

 

ばふん! ばふん! ばふん!

 

 

 中身が飛び出るのではないかと思うくらい枕を叩きつけるユニ。

 

 

「お姉ちゃんもケイも大ッ嫌いッ!!!」

 

 

 枕を叩きつけ続けるユニ。

 

 

「アタシだってまだまだやれるんだから! 携帯ゲームだって終わらせないんだから!」

 

 

 ユニはそう言うと、目を腫らしながら部屋を出て行く。

 

向かった先は、U.N.Iの開発部署。

 

 

「これはユニ様……一体何事で……」

 

 

 責任者の部長が目を腫らしたユニを心配そうに見つめる。

 

 

「U.N.Iの後継機を作らないって話……聞いてるわね?」

 

 

 ユニの質問に部長は暗い表情で、「私共としても非常に残念です。しかし、ノワール様の決定となれば従わない訳には……」と答える。

 

 

「アンタ達、本当にそれでいいの?」

 

 

 ユニが強気な瞳で、部長を見つめると、「良くはありませんが……先程も申し上げた通り、ノワール様の決定では……」と部長はたじろきながら言う。

 

 

「新しい携帯ゲーム作りたいでしょ!」

 

 

 ユニが部長に顔を迫らせると、「そりゃ、私も技術者の端くれ。作れるものなら作りたいですよ!」と部長が言う。

 

 

「だったら、アタシと一緒に部署ごと亡命するわよ」

 

 

 ユニの言葉に、「ぼぼぼぼ亡命!?」と部長が慌てた声を出す。

 

 

「亡命って何処にです!?」

 

 

 部長の質問に、「プラネテューヌ。いえ、システィーナよ」とユニが答えた。

 

 

***

 

 

 同じ頃、ルウィーではロムとラムがブラン執務室でブランと言い争いをしていた。

 

 

「バーカ! バーカ! お姉ちゃんなんて大っ嫌い!」

 

 

 ラムが思いっきり舌を出してベロベロバーをする。

 

更に、「お姉ちゃん嫌い(ぷんぷん)」とロムもそれに続く。

 

 

「二人とも! いい加減にしなさい。何度説明したらわかるのですか? 携帯機が無くなる訳ではなくて、据え置き型兼携帯機になるのです」

 

 

 ミナが必死の顔でロムとラムを説得しようとする。

 

 

「だからって、2RMの後継機を作らないことには変わりないんでしょ! お姉ちゃんの裏切り者ー!」

 

 

 ラムがそう言ってブランを指差すと、「裏切り者!」とロムも同じようにブランを指差す。

 

2RMはルウィーの携帯ゲーム機で、ロムとラムの分身と言っても良いだろう。

 

 

「聞き分けのないことを言わないでちょうだい。これも時代の流れなのよ。それに元老院の決定でもあるの」

 

 

 ブランが落ち着いて説得すると、「何が時代の流れよ! 2RMを割り切るってことでしょ!」とラムが反論するが、「ラムちゃん、多分切り捨てるだよ」とロムが訂正をする。

 

 

「2RMは、わたし達の分身なのよ!」

 

 

 ラムがそう訴えると、「お姉ちゃん、わたし達のこといらないの?」とロムが悲しそうに言う。

 

 

「だからそうじゃないと言っているでしょう!」

 

 

 ミナが口を挟むと、「ミナちゃんには聞いてないわ!」とラムが言い、「お姉ちゃん、答えて!」とロムがブランに迫る。

 

 

「だあああああああ!!! うるせぇ!!! わたしだって好きでこんなことしてるんじゃねぇんだ!!! そもそも、去年お前等がネープギアなんか出してシェアをかっさらうから、こんな苦しい選択迫られてるんだろうが!!!!」

 

 

 ブランが盛大にキレると、「ぶ、ブラン様落ち着いて下さい!」とミナが慌てて止めに入る。

 

ブランの言う通り、ルウィーもラステイションと同じくネープギアのソフトが作れずに、プラネテューヌにシェアを取られている状態だった。

 

ネプギアから技術協力の申し出はあったのだが、ラステイション、ルウィー、リーンボックスの三国共に、その申し出を拒否している。

 

据え置き機は守護女神の分身とも言える物ノワールもブランもベールも自国の据え置き機でネープギアを超える物を作ろうとリベンジに燃えていた。

 

又、ラステイションはスポンサーである大企業、ルウィーは歴代の女神達で作られた元老院と言う組織も携帯機の後継機を作らないと言う決定を下したのだ。

 

 

「二人とも部屋に閉じ込めておけ! わたしが良いって言うまで出すんじゃねぇぞ!」

 

 

 ブランが続けてそう言うと、衛兵達が執務室に入って来て、ロムとラムを連れて行ってしまう。

 

 

「ヤダー! バカー! 放しなさいよ!」

 

 

 全身をジタバタさせて抵抗するラムに、「いや、放して!」と泣きそうな声を出すロム。

 

 

***

 

 

 部屋に閉じ込められたロムとラム。

 

暫く二人して泣き続けていた。

 

 

「うぅ~、お姉ちゃんのバカー! あんなに怒ることないのに! 悪いのはお姉ちゃんなのに~!」

 

 

 ラムが恨めしそうに言うと、「お姉ちゃんキライ……」とロムもそれに続く。

 

 

「どうしよう、ロムちゃん、このままじゃ、2RMが本当になくなっちゃうよ」

 

 

 ラムは泣き止んで真剣な声でロムに相談をする。

 

 

「くすん……わからない。けど、2RMが無くなるのはイヤ」

 

 

 ロムが悲しそうにそう言うと、「でも、わたし達が何とかしなきゃ。わたし達が2RMを守らなきゃいけないのよ!」とラムが言う。

 

 

「でも、どうしたらいいか全然分からないよ」

 

 

 ロムの言葉に、「こういう時はネプギアね」とラムが言うが、ロムは、「こんなことネプギアちゃんにお願いしちゃっていいのかな?」と心配そうに言う。

 

 

「大丈夫よ。ネプギアなら何とかしてくれるわ」

 

 

 ラムが自信満々言い放つと、「でも、わたし達ここから出れないよ」とロムが悲しそうに言う。

 

 

「そんなの簡単よ。メギンギョルズ!」

 

 

 ラムはメギンギョルズの力を使うと、簡単に窓の鉄格子をこじ開けてしまう。

 

 

「さあ、ロムちゃん、ネプギアのところに……システィーナに行きましょう!」

 

 

 ラムがそう言うと、ロムは、「うん!」と言ってラムの手を取った。 

 

 

***

 

 

 ユニ、ロム、ラムが姉達とケンカした翌日。

 

G.C.2020年12月5日 土曜日の早朝。

 

 

「これは大変なことになりましたなぁ……」

 

 

 ギャザリング城の前でサンジェルマンが心底困った声を出す。

 

 

「何よ! アタシが来ちゃ迷惑ってこと!」

 

 

 ユニがサンジェルマンを睨むと、「いえいえ、滅相も無い。このシスティーナはいつでもユニ様を歓迎いたしましょう」とサンジェルマンが言う。

 

 

「なら問題ないじゃない」

 

 

 ユニがそう言いながらソッポを向くと、「しかし、ラステイションのU.N.I事業部ごと亡命と言われましても……」とサンジェルマンがハンカチで額の汗を拭いながら言う。

 

サンジェルマンの言うようにユニは十数人の男女を連れてギャザリング城まで来たのだ。

 

 

「アンタじゃ話にならないわ。ネプギアを呼びなさい!」

 

 

 ユニが腕組みしながらそう言うと、「仕方ありませんな」と言ってサンジェルマンがネプギアを呼びに行く。

 

 

***

 

 

「それで、家出してきたの?」

 

 

 客間でユニから事情を聞いたネプギアが驚いたように言うと、「家出じゃないわ。亡命よ」とユニが訂正する。

 

 

「でも、プラネテューヌで、U.N.Iの後継機を作るなんて、私の判断じゃ無理だよ」

 

 

 ネプギアが申し訳なさそうにユニに言うと、「プラネテューヌじゃないわ。システィーナよ。システィーナはアタシ達が作ったのよ。その四分の一はアタシに所有権があってもいいでしょ!」とユニがまくし立てる。

 

 

「うぅ~……、ユニちゃんが強引かつ無茶苦茶だよ~」

 

 

 困り果てたネプギアが泣きそうな声で言う。

 

そこに控えめにドアがノックされると、「ネプギア様、申し訳ありません。またお客様が」とサンジェルマンの声がする。

 

ネプギアが、「ごめんなさい。今はユニちゃんのことで手一杯で……」と返すが、同時に、「通しなさいよー!」と元気のよい子供の声が聞こえて来る。

 

 

「この声、もしかして……」

 

 

 ネプギアが驚く間も無く、ドアは開け放たれ、ロムとラムがネプギアに飛びつくように入ってくる。

 

 

「ネプギアー! 会いたかったわ!」

 

 

 ラムがそう言いながらネプギアに抱きつくと、「ネプギアちゃん、会いたかった(ぽっ)」とロムもネプギアに抱きつく。

 

 

「ロムちゃん? ラムちゃん?」

 

 

 ネプギアが驚いた声を上げると、「あのね、聞いて聞いて! お姉ちゃんがヒドイの!」とラムが言い、「ネプギアちゃん、2RMを守って」とロムが言う。

 

 

「ちょっと、ネプギア! アタシの話は!」

 

 

 更にユニがネプギアに迫ると、「みんな、待って~~! ちょっと落ち着いて~~!?」とネプギアが泣きそうな声を出す。

 

 

***

 

 

「それじゃあ、ロムちゃんとラムちゃんも家出?」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「アタシは家出じゃないって言ってるでしょ。亡命よ亡命」とユニが注意してくる。

 

 

「それじゃ、わたし達もぼーめーよ。ね? ロムちゃん」

 

 

 ラムの言葉に、「うん、ぼーめー」とロムが頷く。

 

二人とも亡命の意味は分かっていないが響きが気に入ったようだ。

 

 

「でも、困ったなー。全然どうしていいか分からないよ」

 

 

 ネプギアが心底困り果てた声で言うと、「アンタだって、呑気に構えてるけど、Nギアの後継機を出さないって、ネプテューヌさんに言われたらどうするのよ?」とユニが質問する。

 

 

「それは……」

 

 

 言葉に詰まってしまうネプギア。

 

それに対してユニは、「今、ネープギア以外の携帯ゲーム機はスマホとソシャゲに押されてるわ。ここはアタシ達が力を合わせて切り抜けるべきじゃない?」と言う。

 

 

「それはそうかもしれないけど……でも、ノワールさんやブランさんが……」

 

 

 ネプギアがそこまで言いかけると、「「お姉ちゃんは関係ないわ」」とユニとラムがピシャリと言い放つ。

 

そこに再び控えめにドアがノックされると、「ネプギア様、申し訳ありません。本国のイストワール様から至急のご連絡が」とサンジェルマンの声がする。

 

 

「うぅ……何となく要件が分る気がする……」

 

 

 ネプギアが弱り果てた声で応答すると、「お姉ちゃんが聞いてきたら、居ないって言ってね!」とラムがネプギアに向けてそう言うと、「お願いネプギアちゃん」とロムが言う。

 

 

「多分バレバレだと思うんだけどなぁ……」

 

 

 ネプギアはそう言いながら通信室に移動してモニターを点ける。

 

モニター一面にイストワールの顔が映ると、「お久しぶりです」とイストワールが挨拶をする。

 

続けてイストワールが、「大変なことになってしまいましたね」と言うと、「やっぱり、ユニちゃん達のことですよね……」とネプギアが返事をする。

 

 

「とりあえず、ノワールさんもブランさんも事を大きくする気はないようです」

 

 

 イストワールの言葉に、【ホッ】と胸を撫でおろすネプギア。

 

続けて、「ですが、問題が問題なだけに、直ぐに仲直りと言う訳にもいかないようです」とイストワールが言うと、「そうですよね。国の決定ですもんね」とネプギアが頷く。

 

 

「そういうことで、ノワールさんもブランさんも事が落ち着くまで、ユニさん達をシスティーナで預かって欲しいとのことです」

 

 

 イストワールの言葉に、「いいんですか?」と驚きの声を上げるネプギア。

 

 

「お二人とも、知らない場所で隠れて何かをされるより、知ってる場所で預かってもらっている方が安全だと言っていました。なので正式にシスティーナの協力者として派遣したことにしてくれるそうです」

 

 

 イストワールの説明に、「信頼してもらってると思っていいのかな?」とネプギアが少し嬉しそうに言う。

 

 

「ところで、いーすんさん、私、これからどうしたらいいんでしょう?」

 

 

 ネプギアがイストワールに問いかけるが、イストワールは、「えっ!? その件は廃案だと……ネプテューヌさんが!?」と画面の向こうで慌ただしそうに叫ぶ。

 

 

「いーすんさん?」

 

 

 そんなイストワールの様子に首を傾げるネプギア。

 

 

「失礼しました。ここ最近立て込んでまして……」

 

 

 イストワールが気を取り直してネプギアに応答すると、「いーすんさん疲れた顔してますね」とネプギアが言う。

 

ネプギアが言う通り、イストワールには目にクマが出来て少々やつれていた。

 

 

「はい……何やらネプテューヌさんが勝手なことを始めてしまい……」

 

 

 イストワールはそこまで言うと、「はぁ……」と深いため息を吐く。

 

 

「わかりました。私の方は自分で何とかしますので、いーすんさんはお姉ちゃんのフォロー頑張って下さい」

 

 

 ネプギアとしてイストワールに色々とアドバイスを貰いたかったが、今のイストワールの様子からすると、それも難しいと思い自分で解決案を模索することにした。

 

イストワールはネプギアの言葉に心底申し訳なさそうな顔をすると、「申し訳ありません。本当は直接行ってアドバイスをすべき案件なのに……」と頭を下げる。

 

 

「いいんです。ユニちゃんもロムちゃんもラムちゃんもきっと分かってくれますよ」

 

 

 ネプギアは微笑みながらそう言うと、「それじゃあ、失礼しますね」と言ってモニターを切った。

 

 

***

 

 

 ネプギアはユニ達の元に戻り、彼女達をシスティーナで受け入れる旨を説明すると、「そう、イストワールさんに認めて貰ったというなら一安心だわ」とユニが言う。

 

 

「じゃあ、早速、システィーナにU.N.Iの開発室を作るわ。サンジェルマン、準備して」

 

 

 ユニがサンジェルマンに向けてそう言うと、「よろしいので?」とサンジェルマンがネプギアに確認を取る。

 

 

「お願いします。U.N.Iの開発の人達も受け入れることになりますから、部屋を用意してあげないと」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「かしこまりました」とサンジェルマンが頭を下げて答える。

 

 

「ねーねー! わたし達の部屋は?」

 

 

 ラムがネプギアに向けて尋ねると、「今まで使ってた部屋が、そのまま残ってるから、そこを使って」とネプギアが答える。

 

すると、ロムは、「わーい!」と言って嬉しそうに両手を上げる。

 

 

「見てなさいよー! 絶対にお姉ちゃんとケイにぎゃふんと言わせてやるんだから」

 

 

 ユニがそう言って意気込むと、「うん! わたし達もお姉ちゃんにぎゃふんと言わせるわ」とラムが続き、「ぎゃふんと言わせるよ(ふんす)」とロムが更に続く。

 

その様子を見たネプギアは、「……本当に大丈夫なのかな?」と不安そうに呟いた。

 

 

***

 

 

 ユニ、ロム、ラムがシスティーナを訪れて二日が経った。

 

G.C.2020年12月5日 月曜日の早朝。

 

半年のブランクがあったものの、ユニとロムとラムの生活サイクルは直ぐに別れる前のものに戻っていた。

 

早朝のランニングを終えて、ファルコムに剣術の稽古を付けてもらった女神候補生達は仲間達と共に朝食を取っていた。

 

 

「今日からアタシも仕事を手伝うわ」

 

 

 ユニがネプギアに向けてそう言うと、「いいの?」とネプギアが確認を取る。

 

 

「働かざる者食うべからずよ。それに、システィーナはアタシ達が作った街よ、指を咥えて見ているなんて出来ないわ」

 

 

 ユニがそう言うと、「はーい! わたしも手伝う!」とラムが左手を上げる。

 

それに合わせて、「お手伝いするよ」とロムが言うと、「みんなが手伝ってくれるなら、大助かりだね」とプラエが嬉しそうに言う。

 

 

「ユニ様もロム様もラム様も戻って来て、賑やかになるね」

 

 

 日本一が嬉しそうにそう言うと、「取材のしがいがあるよ」とファミ通も嬉しそうに言う。

 

 

「いやー、女神候補生が解散した時はどうなるかと思ったけど、これで電撃システィーナも売れるようになるね」

 

 

 デンゲキコがそう言うと、「ふふん、見てなさい。アタシ達の力を見せてあげるわ」とユニが腕組みしながら言う。

 

朝食を終えた仲間達は、食休みを済ますと、それぞれ朝のクエストに向かって行った。

 

ネプギア達女神候補生とプラエはシスティーナの業務仕事をする為に、ネプギアの執務室に入って行く。

 

 

「ふーん……なかなか発展してるじゃない」

 

 

 ユニが書類を見ながらシスティーナの発展ぶりを確認して、満足気に頷く。

 

 

「アタシが居ない間もちゃんとやってたみたいね」

 

 

 ユニの褒め言葉に、「それはそうだよ、みんなで作った街だもん。ちゃんと発展させなきゃ」とネプギアが嬉しそうに言う。

 

 

「ネプギアお姉さん、凄く頑張ってるんだよ」

 

 

 プラエがそう言うと、「流石ネプギアね」とラムがネプギアを褒めて、「ネプギアちゃん偉い」とロムもネプギアを褒める。

 

 

「今日からアタシ達がいるんだから、更に発展するわよ」

 

 

 ユニは両手を腰に当てながらそう言うと「さあ、何でもいいから仕事持って来て」と自信満々に腕組みする。

 

 

「わたし達も頑張るわ!」

 

 

 ユニに続いてラムも自信満々に腕組みすると、「頑張るよ(ぐっ)」とロムも小さくガッツポーズをした。

 

 

「それじゃあ、ユニちゃんはこれとこれ。ロムちゃんはこれ、ロムちゃんにはこれをやって貰おうかな。プラエちゃんはこれね」

 

 

 ネプギアが手早く仕事を分担すると、ユニ達は早速仕事に取り掛かる。

 

 

***

 

 

 

 暫く業務仕事をしていると、あんみつがお茶を持って、「失礼します」と執務室に入ってくる。

 

あんみつは女神候補生達にお茶を配ると、「はかどっているみたいですね」とプラエに声を掛ける。

 

 

「うん、ユニお姉さん達と一緒にお仕事するの楽しい」

 

 

 プラエが明るい声でそう答えると、「アタシも楽しいわよ」とユニが答え、「はーい! わたしも楽しいー!」とラムが左手を上げると、「みんな一緒(にこにこ)」とロムが嬉しそうに言う。

 

 

「最初はどうなることかと思いましたが、ここまで早く順応するなんて、流石は女神候補生のみなさんです」

 

 

 あんみつがそう言いながら小さく拍手をすると、「ありがとうございます」とネプギアが嬉しそうに微笑んだ。

 

 

「話は変わりますが、フィナンシェのことで相談があるのです」

 

 

 あんみつがそう言うと、「なに? もしかして、お姉ちゃんに言われてわたし達を連れ戻しに来たの?」とラムが不安そうに言うと、「いや、戻らない(ふるふる)」とロムがそれに続く。

 

 

「そうではありません。フィナンシェからメールがありまして、出来ればまたギャザリング城で働きたいそうです」

 

 

 あんみつの言葉に、「ブランさんの方はいいんですか?」とネプギアが首を傾げると、「許可は貰っているようです」とあんみつが答えた。

 

 

「それなら大歓迎ですよ。いつでも来て下さいって連絡しておいて下さい」

 

 

 ネプギアが嬉しそうにそう言うと、「わかりました。伝えておきます」と言ってあんみつが一礼すると執務室を立ち去った。

 

 

***

 

 

 午前中に業務仕事を終えて、昼食を取ったネプギア達は午後にクエストに訪れていた。

 

 

「今日も無形の落とし子の退治のお仕事をお願いします」

 

 

 サンジェルマンの説明に、「えー? またあの黒スライムー?」とビーシャが不満そうに言う。

 

それを聞いたユニは、「なに? 無形の落とし子の討伐ってそんなに多いの?」とネプギアに質問すると、「うん、この半年ところどころに現れてるの」とネプギアが答える。

 

 

「大本を断てればいいのだけど、なかなか難しいわね」

 

 

 ニトロプラスがそう言うと、「そうだね」とファルコムが頷く。

 

 

「それなら、今日はわたし達がやっつけてあげるわ。ね? ロムちゃん」

 

 

 ラムが両手を腰に当てて自信満々に言い放つと、「うん、頑張る」とロムが答える。

 

ユニも、「いいわね。久しぶりに女神候補生の力を見せてあげるわ」と腕組みをした。

 

ネプギアも嬉しそうに、「うん、そうだね」と小さくガッツポーズをすると、「プラエもお手伝いするよ」とプラエが名乗り出る。

 

すると、ファミ通がペンとメモを取り出して、「いいねいいね、久しぶりに女神候補生のコンビネーションを見せてもらおうかな」と嬉しそうに言う。

 

 

「いいですか? サンジェルマンさん」

 

 

 ネプギアがサンジェルマンにそう言って確認を取ると、「そうですね。たまには圧勝と言うもの良いでしょう」とサンジェルマンが二コリと微笑んだ。

 

 

 

「それじゃあ、早速!」

 

 

 ネプギアがそう言うと、全員が利き手を上げて、「「「「「プロセッサユニット装着!!」」」」」と叫ぶ。

 

変身した女神候補生とプラエは無形の落とし子の群れと対峙する。

 

 

「みんなを速くするよ!」

 

 

 早速プラエが超能力で仲間全員の時間を速くする。

 

 

「サンキュー、プラエ」

 

 

 ユニはお礼を言うと、「行くわよ。レヴァテイン!!」と無形の落とし子の群れに火炎放射を食らわす。

 

 

「「「グオオオオオオン」」」

 

 

 炎で焼かれた無形の落とし子達は、620万以上のダメージを受けてオーバーキルMAXの表示と共に消滅していく。

 

 

「行くわよ。メギンギョルズ!」

 

 

 次にラムがアイスハンマーを持つと、コマのように回転して、無形の落とし子の群れに突っ込んで行く。

 

 

「「「ギャアアアアア」」」

 

 

 アイスハンマーで弾き飛ばされた無形の落とし子達は、650万以上のダメージを受けてオーバーキルMAXの表示と共に消滅していく。

 

 

 

「私も遅れないようにしなきゃ、グングニル!」

 

 

 ネプギアはユニとラムが撃ち漏らした敵を狙って、グングニルを投げる。

 

グングニルは無形の落とし子に突き刺さり、965万のダメージを与えてオーバーキルMAXの表示と共に消滅していく。

 

 

 ネプギア、ユニ、ラムはプラエの超能力で時間が速くなった影響で次々と敵を撃破していく。

 

 

「凄い! こんなに早く倒せるなんて!」

 

 

 ファミ通が写真を撮りながら興奮する。

 

それ程までに女神候補生の敵の殲滅速度は速かった。

 

 

「これは特ダネですよー!」

 

 

 デンゲキコも写真を撮り続ける。

 

 

「シャアアアアアアア!」

 

 

 無形の落とし子の一体が苦し紛れに、ラムを攻撃してくるが、「やらせないよ! ドラウプニル!」とロムが言ってバリアビットを放ち無形の落とし子の攻撃を妨害する。

 

 

「防御面も完璧ですの」

 

 

 がすとが得意気に言う。

 

殲滅をしながらも防御も完璧で、ロムのドラウプニルが敵の攻撃を通さない。

 

ラムが最後の無形の落とし子を倒すと、「お掃除完了!」とラムが得意気にガッツポーズをした。

 

 

「ノーダメージのフルオーバーキル。ミッションコンプリートね」

 

 

 ユニが髪をかき上げながら言うと、「一方的過ぎたかな?」とネプギアが心配そうに言う。

 

 

「大丈夫大丈夫。完璧ですよ」

 

 

 ファミ通が指でOKサインを出しながら答えると、「やった」とロムが嬉しそうに言い、「やったね、みんな」とプラエも嬉しそうに飛び跳ねる。

 

 

「女神候補生がここまで強いとは予想外でしたよ」

 

 

 デンゲキコの言葉に、「ご期待に添えられたみたいで良かったです」とネプギアが答えた。

 

 

「女神候補生のコンビネーションは健在だね」

 

 

 ゴッドイーターが嬉しそうに言うと、「うん、ネプギア達は凄いね」と日本一がそれに続く。

 

 

「よーし、これはいい記事になるぞ」

 

 

 ファミ通の言葉に、「あたしも読むのが楽しみだよ」とシーシャが言うと、「興味無いね」とエスーシャが言うが、「そう言いながら、きっちり読むくせに」とビーシャがツッコミを入れる。

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