新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
ツァトゥグァを撃破したネプギア達は約束通り松下コウを仲間にして、ギャザリング城に戻って来ていた。
ネプギアは通信室に入り、イストワールに邪神を倒したことを報告しようとしていた。
「えへへへっ、いーすんさん、褒めてくれるかな~♪ 邪神をオーバーキルなんて知ったらビックリするかも」
ネプギアは嬉しそうに鼻歌を歌いながら通信機器をセットする。
「あと、お姉ちゃんにも褒められちゃったりして」
ネプギアは、「うふふ」と笑いながら通信機器のセットを終えるとスイッチをオンにする。
しかし、通信画面が点くと、そこには見知らぬ男が不機嫌そうに立っていた。
「おや? これは魔女じゃなくて……妹君様」
男は不機嫌そうな表情を隠そうともせず、ネプギアに蔑む視線を向ける。
ネプギアはその男に見覚えがあった。
「ボーク……」
ネプギアが男の名前を呟く。
すると、ボークは顔を更に不機嫌に変え、「困りますなぁ、いくら妹君とは言え、プラネテューヌの教祖の私を呼び捨てにされるとは」と言う。
「えっ!?」
驚きの声を上げるネプギア。
更に、「教祖って、どういうことですか! プラネテューヌの教祖はいーすんさん、イストワールさんです」と言って、画面にがぶり寄る。
「イストワール? ああ、【前】教祖のイストワールですか。そんなシスティーナなどの片田舎にいると都会の情報に疎くなるものですねぇ~」
ボークがネプギアを小馬鹿にするように言うと、「ふざけないで下さい。いーすんさんが教祖で無くなる筈がありません」とネプギアは更に画面に詰め寄る。
「おやおや、見苦しい。私はネプテューヌ様とプラネテューヌ国民に選ばれた教祖ですぞ」
更にボークがネプギアを馬鹿にするように言う。
流石にネプギアも、「候補生とは言え、女神に対してその態度はないんじゃないですか!」と激昂する。
普段、身分の事など気にしないネプギアがそう言うのだから、それ程までにボークの対応が頭に来たのだろう。
「言葉を慎むのはそちらの方ですよ。新しいプラネテューヌの法律では、女神候補生の地位は教祖より低いのですよ」
ボークが勝ち誇った顔でそう言うと、「そんな……新しいプラネテューヌの法律って、私が居ない間になにが……」とネプギアは驚きの表情を浮かべる。
「それで、通信の内容はなんですか? 私も【教祖】として、あまり暇ではないので手短にお願いします」
教祖の部分を強調してネプギアを問いただすボーク。
「お姉ちゃんを! お姉ちゃんを呼んで下さい! どういうことか話してもらいます!」
ネプギアがそう言うと、「ネプテューヌ様は昼寝中だ。世界の危機でも起きない限り起こすなとの厳命だ」とボークが厳しい声で言う。
「昼寝中って……起こして来て下さい!」
普段なら、ネプテューヌの寝顔が可愛いから起こさないでと言う側なのに、ボークの相手でやや頭に血が上っていたネプギアは思わず叫んでしまう。
「それは国家反逆罪で死刑に値しますぞ」
ボークは真剣な声でそう言うと、「妹とは言え、やはり魔女は魔女か……ネプテューヌ様の優雅な昼寝を起こすなど何と野蛮な」と続けて呆れたような声を出す。
「……っ。とにかく、ネプギアが事情を聞きたがっている、とだけ伝えて下さい」
ネプギアはそう言い直すと、「わかりました。伝えるだけ伝えておきましょう」と再びボークがネプギアを小馬鹿にした態度を取る。
「それではこれで。あまりつまらない要件でネプテューヌ様の足を引っ張られませんようお願いしますよ」
最後の最後までネプギアを馬鹿にした態度で通信を切るボーク。
暗くなった通信室のモニターを見て、ネプギアは何が何だか分からないと言った表情を浮かべていた。
「一体何が起きたの? ボークがプラネテューヌの教祖? いーすんさんはどうしたの?」
ネプギアはそう言いながら、ほっぺたをつねるが、夢ではないようだった。
「とりあえず、いーすんさんに直接通信を……」
ネプギアはそう言いながら、Nギアを操作するが、「繋がらない……」と呟く。
何度連絡してもイストワールに連絡が付かないのだ。
「アイエフさんやコンパさんなら何か知ってるかも」
ネプギアは再びNギアを操作するが、「ダメだ……繋がらないよ」と残念そうに呟く。
「今、プラネテューヌで何が起きてるの?」
ネプギアは不安そうな顔で、両手で胸を押さえる。
「とりあえず、みんなに相談してみよう」
ネプギアはそう言って通信室を出て行った。
***
ネプギアはツァトゥグァとの戦いの後で、ギャザリング城の広間で休んでいたメンバーに先程の事の成り行きを伝えた。
「ボークがプラネテューヌの教祖? 何の冗談?」
ユニが呆れた声で言うが、「それが冗談じゃないみたいで……いーすんさん達に直接連絡を取ろうとしても繋がらなくて」とネプギアが困った声で言う。
「何であんな人が教祖になってるのよ?」
ラムが不機嫌そうにそう言うと、「わたし、あの人キライ」とロムがそれに続く。
「わかったよ。ネプギア様」
ファミ通が通話していたスマホを置きながら話をする。
「何がわかったの?」
ゴッドイーターが質問すると、「プラネテューヌでは、一ヶ月間に極秘で教祖の緊急選挙をやっていて、その選挙でボークが圧倒的多数で選ばれたそうだよ」とファミ通が言う。
「極秘の緊急選挙って……どういうことだい?」
ファルコムが怪訝な表情で説明を求めると、「どうやら、職員の中でもごく限られた人物による内輪の選挙で、イストワール様が圧倒的不利な状況だったそうだよ」とファミ通が答えた。
「そんなの選挙なんて言わないですの。封建社会も真っ青ですの」
がすとが呆れてため息を吐くと、「そうだよ! 選挙って言うのは国民みんなの声を聞くものじゃない」と日本一がそれに続く。
「何でそんなことが……?」
ニトロプラスがあごに手を当てながら考えると、「話によると、ネプテューヌ様が強行したそうだよ」とファミ通が言う。
「ねぷねぷが?」
驚きの声を上げるビーシャに、「お姉ちゃんが? そんな筈ありません!」とネプギアが抗議する。
それを聞いたユニは、「落ち着きなさい」とネプギアの両肩を掴む。
「どうやら、少しずつ話が見えて来たみたいだね」
シーシャが真剣な顔でそう言うと、「ボークというヤツが、プラネテューヌを乗っ取ろうとしているか……」とエスーシャがそれに続く。
「よーし! そんな悪い奴、わたしが倒してあげるよ。行くよ、クロちゃん!」
大きいネプテューヌがそう言うと、「おいおい、待てよ。何の考えも無しに突っ込むつもりか?」とクロワールが言う。
「えー? ボークって悪い奴倒せばそれで済むんだよね?」
大きいネプテューヌが首を傾げながら言うと、「どうやら、それだけじゃねぇみたいだぜ。お前じゃ無い方のネプテューヌもグルっぽいし」とクロワールが言う。
それを聞いたネプギアが、「お姉ちゃんがボークと手を組むなんてありえません!」と抗議する。
しかし、再びユニに、「だから、落ち着きなさい」と両肩を掴まれると、大人しくなる。
「どうしたらいいんだろう……」
そう言って元気なく俯いてしまうネプギア。
プラエが、「元気出してネプギアお姉さん」とネプギアの手を握るがネプギアの元気は戻らないようだ。
「プラネテューヌ本国に密偵を放って、暫く様子を見ましょう」
サンジェルマンがそう言うと、「密偵なんて……」とネプギア怪訝な顔をする。
しかし、サンジェルマンは真面目な顔で、「下手に動いて国家反逆罪の烙印を押されてはたまりません。ここは慎重に行くべきです」と言う。
「…………」
黙ってしまうネプギア。
それに対してサンジェルマンは、「全てはわたくしにお任せ下さい」と丁寧に一礼をする。
するとネプギアは、「それじゃあ、お任せします」と力なく言った。
***
サンジェルマンがプラネテューヌに密偵を放って一週間。
G.C.2021年1月25日 月曜日。
「どうやら、プラネテューヌ本国は大変なことになっているみたいですな」
サンジェルマンがギャザリング城の広間で密偵から得た情報を放し始める。
「まずは、世間はボークの都合の良いように情報統制されています」
サンジェルマンはそう言って、一枚のスライドを出すと、「例えば、イストワール様は御病気ということにされて、ボークに進んで教祖の立場を譲ったことになっています」とサンジェルマンが続けて言う。
スライドにはネプテューヌやイストワールやボークなどの人物相関図が書かれていた。
「まぁ、イストワールはねぷねぷの所為で、本当に胃がやられてたみたいだけどね」
ビーシャが茶々を入れると、「こほん!」とシーシャが咳ばらいをする。
ビーシャは慌てて、「じょ、冗談だってば~」と言った。
「次に、ネプテューヌ様への信仰の強要です」
サンジェルマンが説明を続けると、「プラネテューヌなんだから、ネプテューヌを信仰するのは当たり前なんじゃないのか?」とエスーシャが言うが、「それが尋常ではないのです」とサンジェルマンが答える。
「ネプテューヌ様と神次元のプルルート様が、唯一絶対の神で、それ以外は認めないという強硬な姿勢です。その上、あろうことかネプギア様への踏み絵もやらせているのです」
サンジェルマンがやや興奮気味に言うと、「ふみえ?」とラムが首を傾げて、「どんな絵なの?」とロムが質問する。
「ネプギアの絵や写真を出して、国民に踏ませようとすることよ」
ユニが不機嫌そうにそう説明すると、「なにそれ、ヒドイ!」とラムが激昂し、「ヒドイ(ぷんぷん)」とロムも激昂する。
「とにかく、ネプテューヌ様とプルルート様を持ち上げて、他国の女神を悪く言う所為で、他国との関係も悪化しているようです」
サンジェルマンの説明に、「そんな状況で、プラネテューヌの国民は黙ったままなのかい?」とファルコムが質問する。
「一部抵抗はあるみたいですが、直ぐに武力で鎮圧されてしまうそうです」
サンジェルマンが残念そうに答えると、「更に、金持ちなどを優遇し、多額の寄付をした信者を特別に上級国民として認定しているそうです」と続けて言う。
「そーゆー金持ちとは仲良くしたくありませんの」
がすとが顔を背けながら言うと、「他には、プリン税などと急な重税を掛けたり、臨時徴収等も行っているようです」とサンジェルマンが付け加える。
「うわー、思った以上にヒドイな~」
日本一がそう言って驚くと、「お姉ちゃんは? お姉ちゃんは何をしてるんですか?」とネプギアが身を乗り出して質問をする。
「そのネプテューヌ様ですが、毎日遊んで暮らしているそうです。噂ではボークに都合の良いことばかり吹き込まれて傀儡になってるとのことです」
サンジェルマンの言葉に、「そんな……」と絶望的な顔をするネプギア。
そこにラムが、「かいらいってなに?」と質問すると、「雷の魔法?」とロムが首を傾げる。
「操り人形のことよ。要はネプテューヌさんがボークに上手いとこ騙されてプラネテューヌは滅茶苦茶になってるの」
ユニがそう言うと、「何でこんなことに……」とネプギアが肩を落としてしまう。
そんなネプギアの姿を見かねたプラエは、「ネプギアお姉さん……」と言いながら再びネプギアの右手を握ってあげた。
「……実は今までネプギア様には秘密でしたが、丁度先週に、システィーナ地方に対しても、プリン税の導入や臨時徴収、更にはネプギア様に対する踏み絵の要求が突き付けられております」
サンジェルマンが苦々しく言うと、「更にはルートビルド計画の記念碑の書き換え要求まで来ています」と言葉を続ける。
「記念碑の書き換えって?」
ニトロプラスが質問をする。
ルートビルド計画の記念碑とは、ネプギア達女神候補生とデミヒューマン達の友好と協力の証で、ダゴンやダークドラゴンの撃退などネプギア達の活躍が事細かに書かれた記念碑で、ルートビルド計画の完了と共に全種族の調印と共に完成したものだ。
勿論、ニトロプラス達の活躍も書かれている。
「それはもうヒドイ内容で、ルートビルド計画は全てネプテューヌ様とプルルート様の功績で、ネプギア様は足を引っ張ったような内容に書き換えろなどと言っているのです」
サンジェルマンが憤慨しながら言うと、「それって、詐欺って言わない?」とゴッドイーターが不満そうに言う。
流石のエスーシャも不機嫌そうに、「プルルートなんて何もしていないじゃないか!」と言う。
更に、ファルコムも、「あの記念碑はネプギア達とデミヒューマン達の友好の証だ。そんなふうに汚されたらデミヒューマン達も黙ってないと思うな」と言う。
「更には、ギアメタルも、【ネプルメタル】に改名し、ネプテューヌ様とプルルート様が発見したことにしろと……」
サンジェルマンがそう言うと、「功績は全部自分のモノ。失敗は他人の所為、いかにも悪党のやりそうなことだね」とシーシャが言う。
それを聞いたクロワールは、「いいぜいいぜ。何だか盛り上がってきたぜ」と楽しそうに言う。
「不謹慎だよ、クロちゃん」
そんなクロワールを叱る大きいネプテューヌ。
しかし、部屋の話題はネプテューヌとプルルートへの文句で持ち切りだった。
「みなさん、待ってください! お姉ちゃん達はボークに操られているんです!」
ネプギアが大声でそう言うと、「そうだったね。ごめん、ねぷねぷが悪い訳じゃないよね」とビーシャが謝る。
「わたし、お姉ちゃんに直接会ってきます」
ネプギアが強い決意を秘めた瞳でそう言うと、「お止めください。ネプギア様の言う通り、今のネプテューヌ様はボークに操られています」とサンジェルマンが止めに入る。
「だったら、どうすれば……」
ネプギアが苦しそうな表情でそう言うと、「まずは世論を味方に付けるのです。それでネプテューヌ様が目を覚ましてくれれば」とサンジェルマンが言う。
するとユニが、「具体的には?」と質問する。
「とりあえず、プラネタワーに幽閉されていると言う、二人のイストワール様を救い出しましょう」
サンジェルマンがそう言うと、「いーすんさん、捕まっていたんですか?」と驚いた声を上げる。
それを聞いたサンジェルマンは。「はい、イクスと言う輩に囚われているようです。そしてアイエフさんもコンパさんも囚われているようです」と続けて言う。
「急いで助けに行きましょう!」
ネプギアが急いで準備を始めると、「お気持ちは分かりますが、抑えて下さい。この作戦にネプギア様が関わっていることが知れたら、システィーナ地方が大変なことになります」とサンジェルマンが言う。
「じゃあ、どうすれば……」
困り果てたネプギアに、「あたし達に任せてよ」とファルコムが名乗り出る。
同時に、「記者として、この悪事は見逃せないね」とファミ通が言うと、更に、「正義の救出劇みせてあげるよ!」と日本一がポーズを取り、「がすとも付き合いますの」とがすとが言う。
「興味ない……と、言いたいところだが、奴等のやり方は気に入らないな。協力しよう」
エスーシャの言葉に、「もちろん、アタシも協力するよ」とシーシャが微笑む。
更にビーシャも、「イストワール達もアイエフもコンパも任せてよ」とサムズアップをする。
「エスーシャじゃないが、私もボークと言うヤツやり方が気に入らない。協力する」
ニトロプラスがそう言うと、「うん、私も協力するよ」とゴッドイーターも名乗り出る。
「当然、わたしも協力するよー!」
大きいネプテューヌが元気よくそう言うと、「しょうがねぇな。面白そうだから見物してやるか」とクロワールが言う。
こうしてギャザリング城の女神候補生とプラエ以外による、イストワール救出隊が設立されたのだ。
***
イストワール救出隊が結成されてから一週間。
G.C.2021年2月3日 水曜日の夕方。
ネプギア達、女神候補生とプラエと初音ミクのバンド、【グランプリ ユナイテッド】はシスティーナの街でライブを開いていた。
「みんなーーーー! ありがとうーーーーー!」
声援を送ってくれたデミヒューマンを含む市民に手を振るミク。
衣装を変える為に舞台裏に降りるネプギア達。
「……みんな上手くやってくれてるかな?」
控え室に戻ったネプギアが、着替えながら心配そうにプラネテューヌの方角を見る。
「信じましょう。ファルコム達なら大丈夫よ」
ユニがネプギアの肩に右手を置きながら言うと、「そうだね」とネプギアが頷く。
「でも、プラエ達、ライブなんかしてていいのかな?」
プラエがそう言うと、「サンジェルマンが言ってたじゃない。【敵の目を風向く】って」とラムが自信満々に言い放つ。
「敵の目を欺くでしょ……」
ユニが呆れながらそう言うと、「うん、あざむくよあざむく」とラムが言い直す。
「頑張って、あざむこうね」
ロムがそう言うと、控え室のドアがノックされると、ドアが開きフィナンシェが顔を覗かせ、「準備できましたか? 声援が凄いので出来るだけ急いで下さい」と少し慌てながら言う。
「デミヒューマン達にも、アタシ達の音楽が受け入れられるって嬉しいものね」
ユニがそう言うと、「うん、そうだね。みんなのことも心配だけど、今は来てくれてお客さんのことを考えよう」とネプギアが頷く。
衣装を着替えて控え室を出るネプギア達。
「ねぇ? フィナンシェ。似合う似合う?」
ラムが回りながら、フィナンシェに衣装を見せると、ロムも同じように、「似合うかな(もじもじ)」と衣装を見せる。
「よくお似合いですよ」
フィナンシェが微笑みながら言う。
「あんみつ……プラエも似合う?」
プラエがそう言って、あんみつに衣装を見せると、「よくお似合いです」とあんみつも微笑んだ。
「ネプギア様もユニ様もミクさんもとっても似合ってますよ」
デンゲキコの褒め言葉に「ありがとうございます」とお礼を言うネプギア。
デンゲキコはファミ通の代わりにグランプリ・ユナイテッドの取材をしてくれていた。
「それじゃあ、行くわよ」
ユニがそう言うと、ネプギア達は再びステージに上がった。
大歓声がネプギア達を迎え入れる。
***
「あーあー……。グランプリ ユナイテッドのライブ、わたしも生で見たかったなー」
エスーシャの車の中で、ビーシャが残念そうな顔をすると、「ぼやかないぼやかない」と隣に座っていたシーシャが宥める。
「そろそろ日が暮れる。準備はいいか?」
サングラスをしたエスーシャがそう言うと、「「OK」」とビーシャとシーシャが頷く。
こちらはファミ通のワゴン車。
中にはニトロプラスとゴッドイーターと大きいネプテューヌとクロワールが居た。
「まいったね。直接ワープできないなんて……」
大きいネプテューヌが困った声を出すと、「バリアが張られてるんだよ。多分、イクスってヤローの仕業だ」とクロワールが言う。
「準備はいい? ゴッドイーター」
ニトロプラスの言葉に、「オッケーだよ。ニトロプラス」とゴッドイーターが答える。
「失敗は許されないよ」
ファミ通はそう言いながら車のエンジンを切った。
サンジェルマンの車の中には、ファルコムに日本一にがすとが居た。
「それではお願いしましたよ」
サンジェルマンがそう言うと、「ああ、任せてよ」とファルコムが言う。
続けて、「派手に救出してくるよ」と日本一が言うと、「極秘任務だから派手じゃなくていいですの」とがすとがツッコミを入れる。
サンジェルマンが車のドアを開けると、ファルコムと日本一とがすとが降りる。
向かう先はプラネタワー。
三方向から同時に潜入する作戦で、イストワール達が囚われていると予想される幾つかの地点をしらみつぶしに探すのだ。
***
エスーシャを先頭に、プラネタワーに侵入するゴールドサァドチーム。
「こういう任務はケーシャがいると捗るんだけどね」
シーシャがそう言うと、「仕方ないよ。ケーシャは今愛しのノワール様のところに入り浸りだもん」とビーシャが呆れたように言う。
ケーシャとは残り一人のゴールドサァドで、ノワールの事が大好きな女の子である。
「シッ!」
エスーシャが見張りのプラネテューヌ兵を見つけて、シーシャとビーシャに黙るようジェスチャーを出す。
「誰かいるのか?」
見張りのプラネテューヌ兵が近寄って来る。
「チッ!」
エスーシャは素早く飛び出ると、見張りのプラネテューヌ兵に当て身を食らわせて気絶させる。
「ひゅ~! やるねぇ、エスーシャ」
ビーシャが口笛を吹きながらエスーシャを褒めると、「騒ぐな。ピクニックじゃないんだぞ」とエスーシャが不満気な声を出す。
「いいじゃないか? 何とかなったんだからさ」
シーシャが気楽そうに言うと、「まったく、お前達には緊迫感が足りないな」とエスーシャが呆れる。
「それよりさ、そこの突き当りの部屋じゃないの? イストワール達が捕まってるのって」
ビーシャが指差しをしながら言うと、シーシャがプラネタワーの地図を見ながら、「確かにあそこだね」と確認する。
「よし、侵入するぞ」
エスーシャはそう言うと、ネプギアから預かったキー・センサーを扉に張り付ける。
エスーシャはキー・センサーに出た番号を確認すると、「ナンバー解析完了」と言って扉に素早く番号を打ちこむ。
プシュ!
ドアが横にスライドして開く。
「気をつけろ。どんな罠が潜んでいるかわからないぞ」
エスーシャの言葉に、「OK」と頷くシーシャ。
「鬼が出るか蛇が出るか……」
ビーシャが恐々と部屋の中に入ると、「コンパちゃ~ん、そろそろ、オイラの愛を受け入れて欲しいちゅ~」と間の抜けた声が聞こえてくる。
「この声は……!?」
驚いたビーシャは急いで部屋の奥に乗り込む。
そこには巨大な籠の中に囚われたコンパと、ビーシャの予想通りの人物? がいた。
「鬼も蛇も出ずに、ネズミが出るとはね」
シーシャが呆れた声を出すと、「やれやれだ」とエスーシャも呆れた声を出す。
「ワレチューーーー! 何でアンタがここにいるの!?」
ビーシャが大声で叫ぶと、ワレチューが驚きのあまり振り返る。
「ぢゅーーーー! ゴールドサァドのガキ! 何でここに!?」
ワレチューが驚きながらビーシャを指差す。
「理由はともかく、アンタなんかと組んでるってことは、やっぱり、ボークってロクな奴じゃないんだね」
シーシャが戦闘態勢を取りながらそう言うと、「お前には興味はないが、仲間は返してもらうぞ」とエスーシャが言う。
「だ、ダメっちゅ。コンパちゃんはこれから、オイラの愛を受け入れるだっちゅ」
ワレチューが焦りながらそう言うが、「女の子を監禁して迫るなんてサイテーだよ。それを、愛を受け入れるなんて、どんな勘違い!」とビーシャに怒られる。
「むぅ~! こうなったら実力行使っちゅ!」
ワレチューはそう言いながら戦闘態勢取るが、「龍昇拳!」、「エクサスラッシュ!」、「ビーシャキック!」とゴールドサァドの連続攻撃を受けると、アッサリ戦闘不能になってしまう。
「こ、こうなったら、逃げるちゅ~~!」
いつものように慌てて逃げるワレチュー。
「……み、みなさん……」
外の騒ぎでコンパが目を覚ます。
「大丈夫? コンパ」
ビーシャが心配そうに籠に手を当てる。
「ワレチューが鍵を落として行ったよ。多分、それの鍵だ」
シーシャは鍵を拾うと、コンパの囚われた籠を開ける。
「……ありがとうございますぅ……」
監禁で弱り切ったコンパに、「こんなに弱り切って……かわいそうに」とシーシャが憐れむ。
「一体何があったんだ?」
エスーシャがコンパに問いかけると、「ねぷねぷが悪いことしてるから、メッて言っただけなのに……それなのに、ねぷねぷがぁ……ふぇ~~ん」とコンパが泣き出してしまう。
「とにかく、一旦コンパを連れて戻ろう。イストワール達は他のメンバーに任せた方がいい」
シーシャがそう言うと、「そうだな」とエスーシャが頷く。
「ビーシャ、あたしの背中にコンパを乗せて」
シーシャがそう言って屈むと、ビーシャはコンパに肩を貸して、シーシャにおぶらせる。
***
エスーシャ達がコンパを救出した頃。
ファルコム達も別のイストワール達が囚われていると思われる部屋に到着していた。
キー・センサーを扉に当てたファルコムが素早くナンバーを入力する。
プシュ!
ドアが横にスライドして開く。
「日本一、がすと、油断しないで」
ファルコムがドラゴンスレイヤーを構えながら言うと、「オッケー」と日本一が、「はいですの」とがすとが答えた。
「へっへっへ……なぁ? どんな気分だよ? プラネテューヌの元諜報員さん」
部屋の奥から話し声が聞こえた。
「この声は……!」
日本一はその声に聞き覚えがあった。
同時に、「あんまり聞きたくない声ですの……」とがすとが言う。彼女にも聞き覚えがある声のようだ。
「脆いモンだなプラネテューヌなんて。ボークのヤツが教祖になってから、まだ一ヶ月しか経たないのに、あたい達みたいのが暮らしやすい国になってやがる」
更に部屋の奥から話し声が聞こえて来る。
「あ、アンタ達なんて……きっと……ネプ子が……」
部屋の奥から弱り切った別の声が聞こえて来る。
「あーっはっはっはっは! テメェをそこにブチ込んだのは誰だか忘れたのかよ! とんだ鳥頭だな!」
最初に聞こえて来た声が大笑いをすると、「くっ……」と弱り切った声が悔しそうに呻く。
「とりゃーーーーーーー! ジャスティスソード!」
次の瞬間、日本一が部屋の奥に斬り込んで、最初に聞こえてきた声の主を斬りつけると、「とりゃーーーー! ですの!」とがすとも手に持った杖で殴り掛かる。
「ぐはっ!?」
声の主が悲鳴を上げると、「そこまでだよ、下っ端!」と日本一が言い、「いい加減にするですの」とがすとがそれに続く。
「げぇっ!? テメェ等は!」
声の主、下っ端が驚いた声を上げると、「ダークドラゴンとの戦いで急に居なくなったと思ってたけど、相変わらず逃げ足だけは速いね」とファルコムがドラゴンスレイヤーを構えながら言う。
ファルコムが続けて、弱った声の主に、「大丈夫? アイエフ?」と声を掛けると、「アンタ達……」とアイエフが顔を上げる。
「へっへっへ……。いいのかよ? 今のあたいはプラネテューヌの近衛兵長で反逆者の監視をしてるんだ。あたいに手を出したら、国家反逆罪モノだぜー!」
下っ端は挑発するような視線でファルコムを眺めるが、「それがどうしたんだい?」とファルコムは平気でドラゴンスレイヤーの先を下っ端に向ける。
「こう見えても、自分の信じた者の為に権力者にケンカを売るなて日常茶飯事なんだ」
ファルコムは冷たい声でそう言うと、「ちょ、ちょっと待て! こんなところであたいに手を出して……」と下っ端が慌てながら言うが、「それ以上余計なことを喋ると首と胴が離れることになるよ」とファルコムが下っ端を脅す。
「く、くそぉ~! 覚えてろよ!」
慌てて逃げる下っ端。
「流石は下っ端、ヘタレですの」
がすとが呆れながら言うと、「何か落として行ったよ」と日本一が言う。
「アイエフの檻の鍵みたいだね」
ファルコムは鍵を拾うと、アイエフを捕らえている檻を開ける。
「……助かった……わ」
息も絶え絶えにお礼を言うアイエフ。
「一体何があったの?」
日本一が尋ねると、「……ネプ子がボークを取り立てて……プラネテューヌを変な方向にもって行こうとするから……それを止めようとしたら、突然ネプ子が……くっ……」とアイエフが悔しそうに言う。
「今はそれ以上しゃべらない方がいいですの」
がすとがそう言うと、「あたしがおぶるよ。アイエフ、乗れる」とファルコムが言う。
「……それぐらいなら出来るわ」
アイエフはそう言うとファルコムの背中に乗った。
「とりあえず、アイエフを連れて戻ろう」
日本一がそう言うと、「イストワール達は他の部隊に任せるですの」とがすとが続けて言う。
***
その頃、大きいネプテューヌとクロワールにファミ通、そしてニトロプラスとゴッドイーターも別の部屋に到着していた。
ネプギア特製のキー・センサーを扉に当てたニトロプラスが素早くナンバーを入力する。
「これで開くわ」
プシュ!
ニトロプラスの言葉と同時に、ドアが横にスライドして開く。
「やー! いらっしゃい。イストワール救出隊御一行様!」
それと同時にやたらとハイテンションな声が大きいネプテューヌ達にかけられる。
「誰? どこにいるの?」
辺りを見回す大きいネプテューヌ。
「どこ見てんだよ。あたしはコッチだよー!」
ハイテンションな声は上から聞こえてくる。
「あそこだ! 何か浮いてるよ!」
ファミ通が指差した場所には、20センチメートル程の大きさの、機械で作られた黒紫色の鳥のマスコットキャラクターのような物が浮いたいた。
「……っ!」
パンパンパン!
ニトロプラスが黒紫色の鳥に拳銃を放つ。
「おいおい、いきなり撃つとか乱暴すぎない~~」
黒紫色の鳥は余裕の表情で銃弾を避けると、「自己紹介ぐらいさせろよ。あたしの名前はイクス」と言葉通り自己紹介をする。
「テメーか。変なバリア張って、俺の次元移動を妨害したのは」
クロワールが不機嫌そうに言うと、「それぐらいで怒るなって。簡単に救出されたら、つまんねーだろ?」とイクスが言う。
その言葉を聞いたゴッドイーターが、「イストワールさん!」と叫ぶ。
奥を見ると、鳥籠に囚われている二人のイストワールが居た。
「ビンゴ! それじゃ、いーすんズは貰って帰るね」
大きいネプテューヌがそう言ってイクスを無視して、イストワール達を救助しようとするが、「だから、簡単に救出されたら、つまんねーって言ってるだろ」と言って目から光線を出す。
「うわっちっち! 危ないなーーー!」
間一髪で光線を避けた大きいネプテューヌがイクスに抗議をする。
「戦うしかないってことかな」
ファミ通がエビを構えながら戦闘態勢に入ると、「おうおう、勇ましいね~」とイクスがからかうように言う。
「そういうことなら、先手必勝! レイジングラッシュ!」
大きいネプテューヌが双剣を使ってイクスに斬りかかる。
「おっと!」
しかし、イクスはひらりと大きいネプテューヌの攻撃を避けてしまう。
「墜ちろ!」
再び拳銃でイクスを撃つニトロプラス。
イクスは、「当たらねーな!」と言うと、それすらも余裕で避ける。
「今度はこっちの番だ! ブレイク!」
イクスが大きいネプテューヌに向けて、闇属性の魔法を使うと、「危ない!」とファミ通が庇う。
ファミ通は412ダメージを受けてHPゲージが三割減少し、「下級魔法なのに結構効く!」と苦しそうな表情を浮かべる。
「もらったーーーー!」
イクスの攻撃の隙に背後からゴッドイーターが迫る。
イクスは、「ちっ!」と舌打ちをすると回避し損なって、3254のダメージを受ける。
「かなり回避率が高いね。当たるのが面倒だよ」
大きいネプテューヌの言葉に、「連携を密にしましょう」とニトロプラスが言い、「オッケー」とゴッドイーターOKサインを出す。
「仕掛ける!」
ニトロプラスが拳銃を撃ちながらイクスに接近して、日本刀で斬ろうとする。
「そう簡単に当たるか!」
イクスはそれをひらりと避けると、「今度のは効くぜ! ダークネスアロー!」と攻撃モーションで固まっているニトロプラスに向けて闇属性の矢を放つ。
そこに再び、「やらせないよ!」とファミ通がニトロプラスが庇う。
ファミ通は512のダメージを受けると、HPゲージが残り三割以下になってしまう。
「私に構わず!」
ファミ通がそう叫ぶと、「レイジングラッシュ!」と大きいネプテューヌが双剣で斬りかかり、同時に、「当たれぇ!」とゴッドイーターが神機を銃形態ににして攻撃をする。
「くそっ!」
ダークネスアローのモーションで固まっていた、イクスはそれを回避できずに両方の直撃を受けて、合計で1万以上のダメージを受ける。
同時に、「HP回復」と言いながらファミ通がヒールドリンクを飲んでHPゲージ満タンまで回復させる。
「よし! これなら行けるね」
ゴッドイーターが嬉しそうに言うと、「ちょっと優勢だからって調子に乗っちゃって~」とイクスがからかうように言う。
「負けないよ。主人公なんだから」
大きいネプテューヌがそう言うと、「へへっ、主人公か。ならこっちも主人公を出すとするか!」とイクスが叫ぶ。
「え? どういうこと?」
大きいネプテューヌがそう言って首を傾げると、次の瞬間、「きゃあああああ!?」とゴッドイーターが吹き飛ばされると同時に、821の大ダメージを負ってHPゲージが残り三割になってしまうしまう。
「何が起きたの!?」
あまりに急なことにニトロプラスが動揺するが、次の瞬間、「ぐあっ!?」とニトロプラスが吹き飛ばされ、915の大ダメージを負ってHPゲージが残り一割以下になる。
「これはこれは、ネプテューヌ様に、プルルート様まで~!」
イクスが嬉しそうにそう言うと、そこには変身したネプテューヌとプルルートが居た。
「あたしとねぷちゃんのお楽しみを邪魔する、わる~~い子はどこかしら?」
プルルートが蛇腹剣をポンポンと叩きながら、「何人たりとも、わたしとぷるるんの邪魔はさせないわ」と刀を構えたネプテューヌが大きいネプテューヌ達を見ながら言う。
「この二人は、ちょっとマズいかな……」
大きいネプテューヌはそう言うと、ダッシュでイストワール達が囚われている鳥籠を回収し、素早くファミ通に投げる。
ファミ通がそれを受け取ると、「逃げて早く! わたしが抑えるから!」と大きいネプテューヌが叫ぶ。
「あ~ら~、そんなことが許されると思ってるのかしら~~」
プルルートの蛇腹剣が大きいネプテューヌを襲う。
更に、「逃がさないわ!」とネプテューヌが大きいネプテューヌを太刀で切り裂こうと接近してくる。
大きいネプテューヌは二人の攻撃をギリギリで回避をするが、かなり苦しそうだ。
「逃げるわよ! 早く!」
ニトロプラスが叫ぶ。
「でも!」
何とか助太刀したいと思うゴッドイーターが大きいネプテューヌの方を振り返る。
ファミ通も逃げることに二の足を踏んでいるようだ。
「彼女の意志を無駄にするつもり!」
ニトロプラスが再びそう言うと、「必ず助けに来るから!」とゴッドイーターはそう言いながら悔しそうに逃げ出し、「死なないでね絶対に!」とファミ通もイストワール達が囚われている鳥籠を大切に抱えながら逃げて行った。
「あ~らら、逃げられちゃったね~」
イクスがおちゃらけたふうに言うと、「あなた、ワザと逃がしたでしょ?」とネプテューヌが厳しい視線をイクスに向ける。
「だけど、これで分かっただろ? アイツ等は……ネプギアはお前等の敵だって」
イクスがそう言うと、プルルートが、「そうよぉ~、ねぷちゃんの味方はぁ、あたしだけなんだから~」と付け足すように言う。