新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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058エクソダスとミリオンアーサー

 システィーナがプラネテューヌに襲われた翌日。

 

G.C.2021年2月5日 金曜日。

 

ギャザリング城の広間には、ネプギア達女神候補生にイストワールにサンジェルマン、それにシスティーナ地方の代表者達にデミヒューマンの族長が集まっていた。

 

 

「以上がプラネテューヌからの要求です」

 

 

 サンジェルマンが今までのプラネテューヌからの要求や行為を事細かに説明し終えると、「何と破廉恥な!」とホルランドが机を叩く。

 

続いてビィトリットが、「人間は相変わらず、名誉や権力を争うのが好きなのね」と呆れた声を出す。

 

すると、「まったくね。しかも従わないなら武力で脅す……最低だわ」とルルドもビィトリットに同意する。

 

 

「しかし、ネプギアちゃん達が困っているのも事実だ。ここは力を貸そうじゃないか」

 

 

 オーディンがそう言うと、「異議なし」とスルトがそれに同意する。

 

ヘイムダルも、「私達、鳥人も協力しよう」と言うと、フレイが、「このシスティーナを治めるのはネプギア様しかありえない。ホビットも協力する」と右手を上げる。

 

更にトールも、「勿論、獣人も協力するぜ」と右手を上げた。

 

 

「私達エルフも協力するわ。ネプギアはシスティーナ地方に必要な人物だもの」

 

 

 ビィトリットの言葉に、「勿論、ドワーフと人魚も協力するぞ。なぁ、ルルド」とホルランドが言うと、「ええ、当然ね」とルルドが答える。

 

他のシスティーナ地方の代表者達も、「私達もネプギア様を支持します」等と協力的な回答をしてくれた。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 ネプギアは席を立って丁寧に一礼する。

 

 

「では、早速ですが、各部族の役割や割り振りなどを話しあっていきましょう」

 

 

 イストワールがそう言うと、デミヒューマンの族長達やシスティーナ地方の代表者達が対プラネテューヌの戦略を話し合いし始める。

 

 

***

 

 

 翌日、G.C.2021年2月6日 土曜日。

 

ネプギアは他国からの援助を受ける為に、まずはラステイションを訪れていた。

 

 

「来ると思っていたわ」

 

 

 ノワールが腕組みしながら、自分の執務室を訪れてきたネプギアを迎える。

 

ユニとロムとラムは姉妹喧嘩中なのでお留守番だ。

 

 

「来るってわかっていたんですか?」

 

 

 ネプギアがノワールにそう質問をすると、「プラネテューヌからのシスティーナ地方への宣戦布告は聞いているわ。システィーナ地方だけではプラネテューヌに対抗できない。ならば他国を頼るのは誰が見ても自然の流れよ」とノワールが事も無げに言う。

 

 

「流石ですね……」

 

 

 ネプギアがそう言って尊敬の眼差しでノワールを見ると、「こ、これぐらい当然よ!」と少し照れた顔をするノワール。

 

 

「これが、いーすんさんからの書状です」

 

 

 ネプギアがノワールに書状を手渡すと、「……流石はイストワール。理にかなっているわね」とノワールが言いながら書状を読む。

 

 

「いいわ。協力してあげる。確かに今のプラネテューヌは見るに堪えないしね」

 

 

 ノワールがそう言うと、「ごめんなさい。お姉ちゃんがご迷惑をお掛けしてるみたいで……」とネプギアが謝る。

 

 

「……呆れた。宣戦布告までされたのに、まだあの子を庇うの?」

 

 

 ノワールが心底呆れたふうに言うと、「……私、まだお姉ちゃんのこと信じてますから」とネプギアが答える。

 

 

「まぁ、あなたらしいけどね」

 

 

 ノワールがお手上げのポーズで呆れる。

 

 

「あと、協力はするけど、あくまでコレはプラネテューヌ国内の問題よ。国内の問題は出来るだけ自分達で解決しなさい」

 

 

 ノワールの言葉に、「はい、わかりました」とネプギアが頷いた。

 

 

「……話は変わるけど、ユニは元気かしら?」

 

 

 ノワールが少し声のトーンを落としてそう言うと、「元気ですよ」とネプギアが答える。

 

 

「そう……」

 

 

 そう言って溜息を吐くノワール。

 

 

「あの……私が言うのもなんですけど仲直りできませんか?」

 

 

 ネプギアが控えめに言うが、「それは無理よ。あの子、亡命とか言って一事業部ごと連れて行っちゃったんだから……」とノワールが少し辛そうに言う。

 

 

「私としても、色々落としどころを考えているけど今は無理。だからもう暫くあの子をシスティーナに置いてくれないかしら?」

 

 

 ノワールの頼みに、「それは勿論です。ユニちゃんには色々助けて貰ってますし」とネプギアが答える。

 

 

「そろそろ行きなさい。ブランとベールにも頼むんでしょ」

 

 

 ノワールがそう言うと、「はい、ありがとうございます」とネプギアは一礼してノワールの執務室を出て行く。

 

 

***

 

 

 ネプギアは次にルウィーを訪れる。

 

 

「来たわね」

 

 

 ネプギアの来訪を予想していたような口ぶりのブランに、「やっぱりブランさんも私が来るのが分かってたんですね」とネプギアが感心する。

 

 

「知能派のわたしからすれば、この程度の予想造作もないわ」

 

 

 ブランが少し得意気にそう言うと、「これが、いーすんさんからの書状です」とネプギアはイストワールの書状をブランに手渡す。

 

ブランはそれを読んで、「うん……悪くない条件だわ」と満足気に頷くと、「了解よ。協力してあげる」とネプギアに向けて言う。

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

 丁寧に一礼してお礼を言うネプギア。

 

 

「きっちりネプテューヌの目を覚まさせてあげて」

 

 

 ブランはそう言うと、「お姉ちゃんの心配をしてくれるんですね。ありがとうございます」と再び丁寧に一礼するネプギア。

 

 

「……勘違いしないで欲しいわ。ネプテューヌがかなりフザけたことを全世界に向けて言ってるから、止めて欲しいだけよ」

 

 

 ブランはそう言いながら、ソッポを向いてしまう。

 

 

「……ロムとラムは元気かしら?」

 

 

 ソッポを向きながらネプギアに質問するブラン。

 

 

「元気ですよ。いつも助けて貰っています」

 

 

 ネプギアは微笑みながらそう言うと、「迷惑を掛けていないようで良かったわ」とブランがホッとしたように言う。

 

 

「あの……私が言うのもなんですけど仲直りできませんか?」

 

 

 ネプギアがノワールの時と同じように控えめに言うが、「今は無理ね。ロムとラムも、まだ感情的になってるだろうし、わたし自信がどうすればいいか迷っているのだから」とブランが言う。

 

 

「2RMの後継機を作ってあげることは出来ないんですか?」

 

 

 ネプギアが更に質問すると、「あなたも、もう少し大きくなれば分るわ。国のトップに立つのがどれほど大変かと言うことが」とブランが少し辛そうに言った。

 

 

「そろそろ行きなさい。わたしも仕事があるの」

 

 

 ブランがそう言うと、「はい、お邪魔しました」と言ってネプギアは立ち去る。

 

 

***

 

 

 最後にリーンボックスを訪れるネプギア。

 

 

「待っていましたわ。ネプギアちゃん!」

 

 

 ネプギアの来訪を歓迎するベール。

 

 

「やっぱり、ベールさんも私が来ることわかってたんですね」

 

 

 ネプギアがそう言ってベールに感心をすると、「それは勿論ですわ。ネプギアちゃんが、わたくしの妹になりに来るのですから」とベールがウィンクしながら答える。

 

ネプギアは思わず、「そうです。ベールさんの妹になりに……」と言いかけるが、「……って! 違います!」と慌てて訂正する。

 

 

「あら? 違いまして?」

 

 

 残念そうな顔のベールに、「これ、いーすんさんからの書状です……」とやや呆れながら書状を差し出すネプギア。

 

 

「ちょっとした冗談ですわ」

 

 

 ベールはそう言いながら書状を受け取る。

 

思わず、「はぁ……」とため息を吐くネプギア。

 

ベールは書状を読みながら、「悪くはない条件ですけど、ネプギアちゃんがわたくしの妹になりませんのねー」と残念そうに言う。

 

 

「だから、妹から離れて下さい……」

 

 

 ネプギアは呆れながらそう言うが、「つれないですわ、ネプギアちゃん。しくしく……」と泣き真似をするベール。

 

 

「冗談はさておき、協力はさせて貰いますわ。わたくしとしても、今のプラネテューヌは放置できないと思ってましたし」

 

 

 ベールはそう言うと、ネプギアの手を握り、「何より、可愛いネプギアちゃんが困っているんですもの」と微笑む。

 

 

「ベールさん……」

 

 

 思わず顔を赤らめるネプギア。

 

 

「わたくし、このチャンスにネプギアちゃんの好感度をガッツリ稼いでネプギアちゃんエンドを目指しますわ」

 

 

 ベールが握りこぶしを握りながら力説すると、「ネプギアちゃんエンド?」とネプギアが首を傾げる。

 

 

「早速次のデートプランを立てますわ!」

 

 

 そう言いながらゲーム情報誌を読むベールに、「あのー……ギャルゲーか何かと勘違いしてませんか?」と呆れ気味にネプギアが問いかける。

 

 

「と、とにかく、協力してくれるってことでいいんだよね」

 

 

 ネプギアはそう言うと、ベールを置いて執務室を出て行く。

 

 

***

 

 

 ギャザリング城に戻って来たネプギアは早速イストワールの執務室を訪れる。

 

 

「ただいま戻りました」

 

 

 ネプギアが明るい声でイストワールに声を掛けると、「その様子だと、皆さん協力を約束してくれたみたいですね」とイストワールが嬉しそうに言う。

 

 

「はい、皆さんもお姉ちゃんに元に戻って欲しいみたいですし」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「そうですか。ああ見えても慕われていましたからね、ネプテューヌさん」とイストワールが答える。

 

 

「私、皆さんの為にもお姉ちゃんのことを元に戻してみせます」

 

 

 ネプギアがそう言って両手で小さくガッツポーズをすると、「ふふふ、頑張って下さい」とイストワールが嬉しそうに言う。

 

 

「それで、レジスタンスの準備は他に何がありますか?」

 

 

 ネプギアが問いかけると、「今はもうありません。後は他国の後ろ盾を活かしつつ、防衛しながらネプテューヌさんを正気に戻すチャンスを伺いましょう」とイストワールが言った。

 

 

***

 

 

 G.C.2021年2月7日 日曜日。

 

プラネテューヌのから宣戦布告を突き付けられ、システィーナ地方全体で警戒態勢をしいているが、取り急ぎはいつもの生活をするネプギア達。

 

今日は日曜日と言うこともあり、朝食後は思い思いの時間を過ごしていた。

 

 

「…………」

 

 

 ネプギアはギャザリング城の中庭で黙って空を見上げていた。

 

 

「どうしたの? 空何て見上げて。もしかして、またネプテューヌさんのこと考えてた?」

 

 

 ユニがそんなネプギアに声を掛ける。

 

すると、ネプギアはゆっくりと首を左右に振り、「ううん、今は違うの」と答える。

 

 

「じゃあ、何考えてたの?」

 

 

 ユニの質問に、ネプギアは少し表情を曇らせて、「神次元のプラネテューヌの人達のことを考えてたの」と呟く。

 

それを聞いたユニは、【はっ】とした顔になる。

 

 

「システィーナの人達はこうして直接守ることが出来るけど、神次元のプラネテューヌの私達の信者の人が今どうしてるかって考えると胸が苦しくて……」

 

 

 ネプギアはそう言うと、左手で心臓の部分を押さえる。

 

神次元のプラネテューヌには、女神候補生の信者が大量におり、それがボークやイクスに迫害されていないか心配になったのである。

 

 

「こういう時に限って、大きいネプテューヌさんも行方不明だしね……」

 

 

 ユニが呟く。

 

大きいネプテューヌが居れば、クロワールの次元移動で様子を見るなり助けるなり出来るのだ。

 

 

「何とか助けにいけないかな……」

 

 

 ネプギアが切なげに呟くと、ユニは、「難しいわね。今はプラネテューヌと戦争状態だし」と答える。

 

 

「…………」

 

 

 再び空を見上げるネプギア。

 

ユニはそんなネプギアを気遣って、「とりあえず、神次元のイストワールさんに捕まる前の状況を聞いてみない?」と提案する。

 

 

「そうだね。そうしよっか」

 

 

 ネプギアはユニの提案に乗り、神次元のイストワールの元に向かう。

 

 

***

 

 

 

「申し訳ありません」

 

 

 事情を説明するなり、深々と頭を下げる神次元のイストワール。

 

 

「私がもっとしっかりしていれば、このようなことにはならなかったのに」

 

 

 神次元のイストワールがそう言って悔やむと、「とりあえず、かわいーすんさんの捕まる前の状況が知りたいです」とネプギアが言う。

 

それを聞いた神次元のイストワールは、「わかりました」と頷き、「あの頃は既にボークがかなり勢力を伸ばしていて、自分の部下を次々と要職に当ててました」と説明を始める。

 

 

「アタシ、全然気付かなかったわ」

 

 

 ユニがそう言って驚くと、「皆さんに余計な心配をかけないよう、あえて黙っていました」と神次元のイストワールが説明をする。

 

 

「勿論、私の方でも何もしていなかった訳ではありません。アレスター家の人達と協力して、どうにかしてボークの企みを阻止しようと動いていました」

 

 

 神次元のイストワールがそう言うと、「エレノアちゃん達と一緒に?」とネプギアが首を傾げる。

 

続けてユニが、「そう言えば、以前の感謝祭でボークと最初に言い争いしたのって、アレスター家のレイさんだったわね」と思い出す。

 

 

「はい、アレスター家は女神候補生派の中心人物であり、忠臣中の忠臣です。彼等が中心になってボークに対抗していましたが、残念ながら力及びませんでした」

 

 

 神次元のイストワールがそう言って顔を俯かせると、「それじゃあ、神次元では今もアレスター家の人達がボーク達に抵抗を続けているのかしら?」とユニが言う。

 

 

 

***

 

 

 

 ここは神次元のプラネテューヌの地下牢。

 

 

「うう~……痛いひもじい辛いよぉ~」

 

 

 そこには全身に傷を負った大きいネプテューヌが横たわっていた。

 

 

「あーあー、派手にやられたモンだな」

 

 

 そんな大きいネプテューヌを見下ろすようにクロワールが宙に浮いている。

 

 

「あの、ドSのお姉さん酷すぎない~? 普通ここまでやる?」

 

 

 大きいネプテューヌが文句を言うと、「お前が意地張るからだろ?」とクロワールが言う。

 

 

「だって、ネプギアを裏切るなんて絶対にできないよ!」

 

 

 大きいネプテューヌはそう言って憤慨するが、直ぐに、「あいたたた!」と傷口を押さえる。

 

 

「素直に表面上だけでも協力しときゃいいのにな」

 

 

 クロワールが大きいネプテューヌを馬鹿にするように言うと、「そういうクロちゃんこそ、どーしてあのイクスってヤツの誘い断ったの?」と大きいネプテューヌが質問をする。

 

クロワールが、「それは……」と言いかけると、「あっ! そっか! わたしとクロちゃんはズッ友だもんねー! そっかそっか! やっぱりクロちゃんとわたしは相思相愛なんだねー!」と早口にまくしたてる。

 

 

「ちげーよ。何となく気に入らねぇんだよ。あのイクスってヤロー」

 

 

 クロワールが吐き捨てるように言うと、「同族嫌悪?」と大きいネプテューヌが言う。

 

するとクロワールは不機嫌そうに、「ブッ飛ばすぞお前」と言う。

 

 

「やーん! わたし今弱ってるんだから優しくしてよー!」

 

 

 大きいネプテューヌはそう言うと、クロワールから逃げるように身をよじらせた。

 

 

「ところでこれからどうするんだ?」

 

 

 クロワールがそう言うと、「それ以前にココどこー?」と大きいネプテューヌが首を傾げる。

 

 

「ここは神次元のプラネテューヌの牢屋だ。この牢屋、俺の力を封じるように出来てるから、次元移動で逃げることはできねーぞ」

 

 

 クロワールがそう言うと、「ネプギア達が助けに来ないかなー」と大きいネプテューヌが天井を見上げる。

 

 

「望み薄だな。あの調子じゃ、システィーナごと滅ぼされかねねーし」

 

 

 クロワールが呆れながらそう言うと、「誰か来る……」と大きいネプテューヌが言う。

 

すると、フードを被った二十歳前後の女性が、大きいネプテューヌの牢屋に近づいて来て、「あなた達はネプギア様の関係者ですか?」と問いかける。

 

 

「そうだよ。わたし、ネプテューヌ」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言って自己紹介すると、「ネプテューヌ!?」と女性が驚く。

 

 

「ああ、小さい……じゃなくて、女神様の方のネプテューヌとは別人だよ」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言うと、「確かにネプテューヌがこんな牢屋に居る筈ありませんもんね」と女性が納得する。

 

 

「それで、お姉さんは誰?」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言うと、女性はフードを外し、「わたしはエレノア。女神ネプギア様の使徒です」と答える。

 

 

「それで、わたしがネプギアの関係者なら助けてくれるの?」

 

 

 大きいネプテューヌが質問をすると、「はい。今、女神候補生様の信者の間では、超次元のシスティーナへのエクソダスが計画されています」とエレノアが答える。

 

 

「えくそだす?」

 

 

 大きいネプテューヌが首を傾げる。

 

すると、「大量の国外脱出のことだよ」とクロワールが説明してくれる。

 

 

「そんなこと出来るの?」

 

 

 大きいネプテューヌがエレノアに問いかけると、「簡単ではないでしょう。しかし、我々女神候補生信者は、もうこの神次元のプラネテューヌでは生きていけません。ネプギア様の元に赴き、救いを求めるしか道が無いのです」とエレノアが切なそうに答える。

 

 

「そういうことなら、わたしに任せて」

 

 

 大きいネプテューヌはそう言いながらVサインをする。

 

続けて、「ここから出してくれれば、超次元までひとっ飛びだから」と自信満々に言い放つ。

 

 

「次元移動するのは俺の力だろ……」

 

 

 そんな大きいネプテューヌに対していつものツッコミをするクロワール。

 

 

***

 

 

 G.C.2021年2月8日 月曜日。

 

ネプギア達は朝のジョギングを終えて、ギャザリング城の中庭でファルコムとの剣の稽古に励んでいた。

 

 

「ちぇすとーーーーー!」

 

 

 ラムが示現流の構えから木刀を振り下ろすと、「いいね。大分形になってきてるよ」とファルコムが褒める。

 

 

「わたしのはどう?」

 

 

 ロムがそう言いながらファルコムを見ると、「もう少し力の入れ方を変えた方がいいかな?」とファルコムがロムを手取り足取り指導する。

 

その最中、サンジェルマンが血相を変えて中庭に入って来る。

 

 

「プラネテューヌが攻めてきました!」

 

 

 サンジェルマンの言葉に全員に緊張が走る。

 

 

「敵は今どこ?」

 

 

 ユニが問いかけると、「地図で言うと、こちらでございます」とサンジェルマンが地図を指差す。

 

 

「みんな、行こう!」

 

 

 ネプギアはそう言うと、女神化をする。

 

ユニ、ロム、ラム、プラエも続けて女神化すると、ネプギア達は空高く舞い上がり、地図の地点にもの凄い速度で飛んでいく。

 

 

「あたし達も行こう!」

 

 

 ファルコムがそう言うと、「私が他の皆様にも声を掛けてきます!」サンジェルマンが答える。

 

 

 

***

 

 

 

 その頃、サンジェルマンが地図で指差した地点では……。

 

 

「もーーーー! クロちゃん使えないなー! 何がひとっ飛びだよー! 全然システィーナまで届かないじゃん」

 

 

 大きいネプテューヌが横を飛ぶクロワールに文句を言うと、「ガス欠だって言ってるだろ。それに、ひとっ飛びって言ったのはネプテューヌの方だろう?」とクロワールが言い返す。

 

見れば、大きいネプテューヌの周囲には大量の民間人らしき人々が居た。

 

 

「追えーーーー! 逃がすなーーーー!」

 

 

 そこにバイクに乗ったプラネテューヌ兵が追いかけて来る。

 

 

「げげっ! もう見つかった!」

 

 

 大きいネプテューヌが気まずそうに叫ぶ。

 

隣にいたエレノアが、「ここまで来ておきながら、見つかるなんて……」と悔しそうに唇を噛む。

 

 

「ごめん、ワープ失敗したみたいで……」

 

 

 大きいネプテューヌがエレノアに謝ると、「ここまで運んで頂いただけでも感謝です」とエレノアが答える。

 

大きいネプテューヌは先日助けられたエレノア達の神次元のプラネテューヌ国民の大量国外脱出、【エクソダス】に協力し、クロワールの次元移動でココまで来たのだ。

 

しかし、前述の通り移動距離が足りず、プラネテューヌ兵に追われているのだ。

 

 

「エレノア、お前は民間人を逃がすんだ!」

 

 

 アレスター家のレイがエレノアに指示を出すと、「父さんと母さんは?」とエレノアが質問する。

 

 

「私達は騎士団と一緒に、お前達の逃げる時間を稼ぐ!」

 

 

 レイはそう言うと、腰の剣を抜く。

 

すると、「しんがりなら、わたしもやるよ」と大きいネプテューヌが名乗り出る。

 

 

「お前、怪我治ってないけど、大丈夫なのか?」

 

 

 クロワールがそう尋ねると、「大丈夫大丈夫。か弱い民間人を守るのも主人公の役目だからね」と大きいネプテューヌがVサインをする。

 

すると、「うむ。流石だなネプテューヌ。わたしも手伝おう」と女性の声が聞こえて来る。

 

大きいネプテューヌが声をした方を見ると、中世のようなローブと鎧を合わせた服を身に纏い、金髪のロングヘアーに頭にやや大きめな王冠のアクセサリーをかぶった女性がいた。

 

 

「おおう! 誰かと思ったら、ミリアサちゃん! それにチーカマちゃんも」

 

 

 大きいネプテューヌが嬉しそうに彼女の名前を呼ぶ。

 

そこには一人の女性と一緒に妖精の女の子が居た。

 

 

女性の方がミリアサで、名前はミリオンアーサー。

 

妖精の女の子はチーカマと言いミリオンアーサーのパートナーだ。

 

二人は以前の暗黒星くろめの事件でネプギア達に協力してくれた人物だ。

 

島国【ブリテン】からやってきたアーサーと呼ばれる王の候補で、美少女をハスハスするのが大好き。召喚魔法のような力を扱い、その実力も折り紙つきである。

 

 

「久しぶり~、元気だった?」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言うと、「感動の再開は後だ。今は民間人を逃がすのだ」とミリオンアーサーが言うと、「そうだったね。頼りにしてるよミリアサちゃん」と大きいネプテューヌが言った。 

 

 

「アイリスハート様の神聖な地から逃げ出すなど、どういう了見だ!」

 

 

 バイクに乗ったプラネテューヌ兵がそう言いながら機関銃の弾をバラ撒く。

 

 

「私達は女神アイリスハートには、ついていけない!」

 

 

 レイはそう言うと銃弾を避けながら剣を振りかざして、バイクに乗ったプラネテューヌ兵を切り抜ける。

 

 

「うぎゃーーーー!」

 

 

 レイに斬られてバイクから転げ落ちるプラネテューヌ兵。

 

 

「私達が信じるのは、パープルシスター様達女神候補生です!」

 

 

 今度はレイの妻のユリィが、ボウガンでバイクに乗ったプラネテューヌ兵を狙う。

 

 

「ぐわーーーー!?」

 

 

 ボウガンの矢が刺さり、プラネテューヌ兵がバイクから転げ落ちる。

 

次々とプラネテューヌ兵を倒していく、レイとユリィ。

 

 

「二人ともつよーい! わたしも頑張らなきゃ!」

 

 

 大きいネプテューヌはそう言うと、双剣を構えてバイクに乗ったプラネテューヌ兵に向かって行く。

 

 

「行くぞ、チーカマ付いて来い!」

 

 

 ミリオンアーサーも剣を構えて大きいネプテューヌに続く。

 

 

 

***

 

 

 

「もー! 次から次へとキリがないよ!」

 

 

 大きいネプテューヌはそう言うと、あごから流れた汗を右手で拭う。

 

 

「むぅ……劣勢だな」

 

 

 ミリオンアーサーもかなり疲労がたまっているようだ。

 

プラネテューヌ兵の個々の戦力は大したことはないが、次から次へと現れる物量作戦で大きいネプテューヌ達は大分消耗していた。

 

レイとユリィ以外の女神候補生派の兵士も大分疲れているようだ。

 

 

「みんな、頑張れ! ここを抜かれれては民間人に被害が及ぶ!」

 

 

 レイが女神候補生派の兵士達を鼓舞するが、疲労した兵士達は次々と倒れてしまう。

 

 

「くっ……このままでは……」

 

 

 悔しそうに唇を噛むユリィ。

 

 

「よーし! 装甲車が到着したぞ! 一気に攻めろ!」

 

 

 バイクに乗ったプラネテューヌ兵達がいきり立つ。

 

どうやら後方から装甲車が援軍に来たようだ。

 

 

「あれは……マズい!」

 

 

 レイが慌てた声を出し、「市民を装甲車で襲うなんて……」とユリィも顔を青くする。

 

 

「ここは、わたしに任せて!」

 

 

 大きいネプテューヌがVサインをしながら、レイとユリィにアピールする。

 

しかし、レイは、「しかし、装甲車が相手では……」と難しい顔をするが、「時間ぐらい稼げるよ! ミリアサちゃん、他のみんなのことお願い」と言うと、「承知した。無理はするなよ、ネプテューヌ」とミリオンアーサーが答える。

 

ミリオンアーサーの返事を確認した、大きいネプテューヌは装甲車に向かって行く。

 

 

「ほーらほら、こっちこっちーーー!」

 

 

 装甲車を挑発するように動く、大きいネプテューヌ。

 

 

ズガガガガガ!!

 

 

 装甲車の機関銃から弾が連射される。

 

 

「わお!? 本当に撃って来た!」

 

 

 大きいネプテューヌは側転をして弾を避ける。

 

 

「鬼さん手の鳴る方へ~」

 

 

 更に装甲車を挑発する大きいネプテューヌ。

 

 

ズガガガガガ!

 

ズガガガガガ!

 

ズガガガガガ!

 

 

「よっ! はっ! ふっ!」

 

 

 連射される機関銃を次々と避ける大きいネプテューヌ。

 

 

「これぐらい、ちょろいちょろ……っ!?」

 

 

 突然、膝を抱える大きいネプテューヌ。

 

 

「あいた~、あのドSのお姉さんにやられた傷が開いちゃったよ……」

 

 

 辛そうに呟く大きいネプテューヌ。

 

装甲車はその瞬間を逃さず、大きいネプテューヌに照準を向ける。

 

 

「やばっ!」

 

 

 慌てて避けようとする大きいネプテューヌだが、間に合いそうにない。

 

 

ズガガガガガ!

 

 

「……っ!」

 

 

 思わず目を閉じる大きいネプテューヌ。

 

 

「あれ? 痛くない……」

 

 

 自分の体に変化がないことを不思議に思い、思わず目を開ける大きいネプテューヌ。

 

 

 大きいネプテューヌの視界には女神化したネプギアの背中が映っていた。

 

ネプギアが身を挺して大きいネプテューヌを守ったのだ。

 

 

「よかった……間に合った」

 

 

 安心したように呟くネプギア。

 

次の瞬間、装甲車が炎に包まれて爆発する。

 

 

「アタシのレヴァテインの前では、装甲車なんてバターみたいなモノよ」

 

 

 上空にいたユニが得意気に叫ぶ。

 

装甲車からは乗組員が慌てて逃げ出していた。

 

 

「みんな、生き返って!」

 

 

 その隣にいたロムがそう呟いて魔法を唱えると、倒れていた女神候補生派の兵士達がムクリと立ち上がる。

 

 

「アンタ達ー! 許さないわよー! ハイエロファント・テンペスト!」

 

 

 更にその隣にいたラムが魔法を唱えると緑色の風がバイクに乗ったプラネテューヌ兵達を薙ぎ払う。

 

続いて、プラエが、「クロックチェーン!」と叫びながら十二本の鎖を伸ばし次々とバイクに乗ったプラネテューヌ兵を叩き落としていく。

 

 

「ネプギア! それにみんなも!」

 

 

 喜びの声を上げる大きいネプテューヌ。

 

 

「お姉ちゃん、本当に無事だったんだね。よかった!」

 

 

 ネプギアはそう言いながら大きいネプテューヌに抱きつく。

 

 

「でも、どうしてココが?」

 

 

 大きいネプテューヌの質問に、「プラネテューヌが攻めて来たって言うから出撃したんだけど、途中でエレノアちゃん達と出会って、それでお姉ちゃん達が軍を足止めしてるって聞いたから」とネプギアが答える。

 

どうやら、ここに来る途中でエレノアと出会い事情を聞いているようだ。

 

 

「女神様だ! 女神様が来て下さったぞ!」

 

 

 レイが喜びの声を上げると、「「「おおお~~!!」」」と女神候補生派の兵士達が歓声を上げる。

 

 

「くそっ! 魔女達が来たか! とてもじゃないが敵わん退け、退けーーーーー!」

 

 

 バイクに乗ったプラネテューヌ兵がそう叫ぶと、プラネテューヌ兵達は一目散に逃げ行く。

 

 

「あっ! こらー! 待ちなさいよー!」

 

 

 憤慨するラムだが、「追う必要はないわ」とユニがラムの肩に右手を置いて制する。

 

 

「それより、逃げて来た人達をシスティーナまで送ろう」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「うん、そうだね」とロムが頷き、「襲われて疲れてるだろうしね」とプラエも同意する。

 

 

***

 

 

 神次元のプラネテューヌからの女神候補生派の信者達のエクソダスを受け入れたシスティーナの街はごった返していた。

 

 

「はいはーい! 一列に並んでー!」

 

 

 ラムが信者達の列を整理しながら元気よく言う。

 

 

「あわてなくても大丈夫。なくならないよ」

 

 

 ロムが信者達を安心させるように優しい声で言う。

 

 

「はい、配給です。無くさないで下さいね」

 

 

 ネプギアが机を挟んで目の前にいる男性に食料品などを手渡す。

 

信者達を受け入れたネプギアは、早急に城の倉庫を開き食料などを配給し始めた。

 

更にはシスティーナの空き家や、空き地にテントを張ったりして住む場所の確保も早急に進めた。

 

ネプギア達の素早い対応に、信者達は感謝し感激していた。

 

 

***

 

 

 配給が終わった後、ネプギア達はギャザリング城で、アレスター家の面々と面会をしていた。

 

 

「エクソダスの受け入れありがとうございます!」

 

 

 アレスター家のレイが深々と頭を下げると、「その上、早急に配給までいただけるなんて感謝してもし足りません」と言ってユリィも頭を下げる。

 

更に、「流石はネプギア様です」とエレノアも頭を下げた。

 

 

「女神にとって信者は我が子のようなものです。これぐらい当然ですよ」

 

 

 ネプギアが微笑みながらそう言うと、「おお、ありがたいお言葉を……」とレイが恐縮する。

 

ユリィは両手を合わせて祈るようなポーズをすると、「やはりネプギア様の元を訪れて正解でした……あのまま神次元のプラネテューヌにいたら私達は……」と呟く。

 

 

「そんなに酷いの? 今の神次元のプラネテューヌ」

 

 

 ユニが質問をすると、「はい、それはもう……」とエレノアが顔を落とし、「ボークとその手下がやりたい放題の上に、アイリスハートへの信仰の強要……毎日が地獄絵図でした」と続けて言う。

 

 

「私の力が足りなかったばかりに、辛い思いをさせてしまいました。申し訳ありません」

 

 

 神次元のイストワールが頭を下げて謝ると、「イストワール様の所為ではありません。増長したボークとアイリスハートが諸悪の根源です」とレイが答える。

 

 

「ボークはともかく、プルルートさんは……」

 

 

 ネプギアがプルルートをフォローしようとするが、「……今まで黙っていましたが、私達はアイリスハートについて行けません」とユリィがハッキリした口調で言う。

 

 

「そんな……」

 

 

 悲しそうな顔をするネプギアだが、「アイリスハートには、私も主人も、そしてエレノアまでも酷い目に遭わされました」とユリィが怒りを嚙み殺したような声で言う。

 

 

「己の快楽と信仰の強要の為に暴力を振るうアイリスハートには、愛想が尽きました」

 

 

 エレノアまでもがそう言うと、「……プルルートさんもかなり好き勝手にやっているみたいですね」と神次元のイストワールが重いため息を吐く。

 

 

「つきましては、アレスター家一同をこのシスティーナで雇って頂きたいのです」

 

 

 レイはそう言うと、机に両手を当てて大きく頭を下げる。

 

しかしネプギアは難しい顔で、「それは、私の一存では……」と言う。

 

 

「何で? かわいそうじゃない。雇ってあげようよ!」

 

 

 ネプギアに対してラムがそう言うと、「雇ってあげて欲しい……」とロムがそれに続く。

 

 

「でも、システィーナはプラネテューヌの……」

 

 

 ネプギアはそこまで言うと黙ってしまう。

 

ユニが少し暗い顔で、「今はプラネテューヌとは戦争中でしょ」と言うと、「そうだったね……」とネプギアは辛そうに呟く。

 

 

「ネプギアさん、今はあなたがシスティーナのトップです。あなたが決めなくてはいけません」

 

 

 イストワールが少し厳しめの声でそう言うと、「……わかりました」とネプギアは小さく頷く。

 

ネプギアは未だに頭を下げ続けるレイの手に自分の手を重ねると、「こちらこそ、よろしくお願いします」と言ってレイに向けて微笑んだ。

 

 

「ありがたき幸せ!」

 

 

 更に深々と頭を下げるレイに、「「ありがとうございます」」とユリィとエレノアも頭を下げる。

 

 

「ネプギアさん、雇うと言えばエクソダスしてきた人達の雇用はどうしましょうか?」

 

 

 イストワールがそう言うと、「後は食料の問題もありますね」と神次元のイストワールが言う。

 

 

「食べ物足りませんか?」

 

 

 ネプギアの質問に、「あれだけ大勢の人が入って来たのです。正直足りなくなるでしょう」とイストワールが答える。

 

 

「今は冬だし食料の調達は難しいわね」

 

 

 ユニが右手をあごに当てながら考え込むと、「魔物料理で何とかならないでしょうか? 食べられる魔物は冬でもうろついてますし」とネプギアが言う。

 

 

「ですが、それを狩りに行く人員も選抜しなくては……」

 

 

 イストワールが難しい顔をするが、「勿論、私達が行きます」とネプギアが答えると、「そうね。一狩り行きましょうか」とユニがウィンクする。

 

それを聞いたラムも、「一狩り一狩り~!」と踊り出し、「びしっと狩ってくるよ」と敬礼のポーズを決める。

 

 

「それでは、よろしくお願いいたします」

 

 

 イストワールが頭を小さく下げてお願いすると、「ギルドを通じて冒険者達にもお願いしておいた方がいいでしょう」と神次元のイストワールが言う。

 

 

「雇用対策については、いーすんさん達にお任せしちゃっていいですか?」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「わかりました。サンジェルマンさんや松下コウさんも交えて相談します」とイストワールが答える。

 

 

「一気に人口が増えて忙しくなったわね」

 

 

 ユニがそう言うと、「でも、やりがいはあるよ」とネプギアが答える。

 

すると、「そうよね。女神にとって信者は我が子のようなものだって、ネプギアも言ってたしね」とラムが言うと、「お世話頑張るよ(ぐっ)」とロムが小さくガッツポーズをした。

 

 

***

 

 

 仕事を一通り終わらせたネプギア達女神候補生とプラエは、システィーナの街でエクソダスを手伝ってくれたミリオンアーサーを探していた。

 

 

「あっ、居たわ。ミリアサよ!」

 

 

 ラムがそう言って指差すと、その方向にはミリオンアーサーとチーカマが居た。

 

ミリオンアーサーもネプギア達に気付くと、「おお、ネプギア、もう仕事はいいのか?」とミリオンアーサーが言いながら近づいて来る。

 

 

「お久しぶりです。お元気でしたか?」

 

 

 ネプギアがそう言って一礼すると、「うん、元気だった。みんな、久しぶり」とチーカマが明るい声で言う。

 

 

「久しぶりじゃない。今まで何してたの?」

 

 

 ユニが尋ねると、「ブリテンの争いが一段落したので、久しぶりにゲイムギョウ界に来てみたら、雑誌でお主たち活躍していると書いてあったから様子を見に来たのだ」

 

 

 ミリオンアーサーがそう言うと、「……本当は妹女神が揃ってるところ見たいだけでしょ……」とチーカマがジト目で言う。

 

 

「うむ! 実際見てみたら想像以上じゃないか! こうやって妹女神が立ち並ぶ姿は、正に妹パラダイス!! できれば今すぐ順番にハスハスさせて欲しい!!」

 

 

 ミリオンアーサーが右こぶしを握り締めて力説すると、「えーと……」とネプギアが困った声を上げる。

 

 

「はっ!? 今のは冗談だぞ! こういう冗談が言えるのも王の器には必要なのだ!」

 

 

 慌てて言い訳をするミリオンアーサー。

 

しかし、「思いっきり本音がダダ漏れでしたよ……」とユニが呆れ顔で言う。

 

 

「ベールさんみたいな人だね」

 

 

 プラエが率直な感想を言うと、「うん、ミリアサはベールさんに似てるわ」とラムが言い、「ベールさんとミリアサさん仲良しだもんね」とロムもそれに続く。

 

 

「おおっ! 新しい妹女神も可愛らしいな。金髪ツインテールの妹キャラなんてベタだが、だがそれがいい!! 出来れば今すぐそのツインテールをハスハスさせてはくれまいか?!」

 

 

 プラエを見て興奮するミリオンアーサー。

 

 

「いい加減にしなさい!!」

 

 

 怒りの形相でツッコミをするチーカマ。

 

そんな二人を見たネプギアは、「あはは……」と乾いた笑いを浮かべると、「ミリオンアーサーさんもチーカマさんも相変わらずですね」と続けて言う。

 

 

「ミリアサはわたし達のこと見に来ただけなの? 暇なら手伝ってよ」

 

 

 ラムがそう言うと、「こらっ、ミリアサだって暇じゃないのよ!」とユニが叱る。

 

しかし、「いや、構わない。元々そのつもりで来たしな」とミリオンアーサーは笑顔で言う。

 

 

「そうなんですか?」

 

 

 ネプギアが不思議そうな顔で尋ねると、「ええ、またゲイムギョウ界で強い因子を集めようと思って来たのよ」とチーカマが簡単な説明をしてくれる。

 

 

「それなら、システィーナじゃなくても他の国でも良かったじゃ?」

 

 

 ネプギアの疑問に、「いや! 出来るだけ若々しい美少女女神がイイ!!」と恥ずかしげもなく力説するミリオンアーサー。

 

 

「それに以前の【ミリアサお姉ちゃん】と言ったネプギアの甘い囁きが忘れられないのだ!」

 

 

 更に力説するミリオンアーサーに、「あ、あれはミリオンアーサーさんが因子で作った複製じゃないですか!?」と慌ててツッコミをするネプギア。

 

ミリオンアーサーは以前にネプギア達の複製を作り、ハーレムお風呂という羨ましいイベントを起こしたのだ。

 

ちなみにその複製はチーカマによって没収されている。

 

 

「とにかくっ!! 妹女神とキャッキャウフフしながら国を成長させ、最終的にはお姉ちゃんになってハスハスしまくるのが、わたしの目的っ!!」

 

 

 再び右こぶしを握り締めて力説するミリオンアーサーに、「ネプギアお姉さん……この人本当に仲間にしても大丈夫なの?」とプラエが不安そうな声で尋ねる。

 

 

「わ、私も少し不安かも……」

 

 

 ネプギアは冷や汗を流しながらプラエの質問に答える。

 

すると、「がーーーん」と言ってミリオンアーサーが落ち込んでしまう。

 

 

「いいじゃない、ミリアサ強いし、頼りになるわ」

 

 

 ラムが賛成すると、「うん、ミリアサさん強い」とロムも賛成をする。

 

ユニは少し困り顔で、「色々問題はあるけど、実力はあるしいいんじゃないかしら?」とミリオンアーサーをフォローしてくれる。

 

三人の意見に、「そうだね……」と頷くネプギア。

 

続けて、「プラエちゃんもいいかな?」とプラエに尋ねると、「みんなが良いって言うならプラエもいいよ……でも、髪の匂いを嗅ぐのはダメだよ」とプラエも了承してくれる。

 

すると、「おおっ、流石は妹女神! 天使の集まりだな」とミリオンアーサーが一瞬で立ち直る。

 

 

「システィーナ今戦争中ですから、あんまりお給料だせませんけど……」

 

 

 ネプギアが少し申し訳なさそうに言うと、「そんなことは問題ない。お主達の笑顔があれば給料などいらん! それが王の器だ!」とミリオンアーサーが断言するが、「何言ってるのよバカアーサー! そんなんじゃ何も買えないでしょうが!」とチーカマがツッコミをする。

 

 

「こほん……あと、手を貸す代わりと言っては何だがお主達に頼みたいことがある。今のお主達にも関係ある話だ」

 

 

 ミリオンアーサーがそう言うと、「もしかしてお姉ちゃんのことですか!?」とネプギアが即座に反応する。

 

 

「うむ。ここではなんだ場所を変えよう。出来ればみんな揃っている方がいいな」

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