新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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070ツインドライブとライラックmk3

 プルルートと戦っているネプギアに黒紫の影が迫る。

 

ネプギアに攻撃を仕掛けてくる黒紫の影。

 

 

「……っ!!」

 

 

 avoid。ネプギアはプルルートと戦いながらも、その黒紫の影の攻撃を避ける。

 

 

「やるわね。流石と言ったところかしら?」

 

 

 冷静な声で黒紫の影が喋る。

 

その姿はカオス化したネプテューヌだった。

 

 

「そんな……お姉ちゃんまでカオス化しちゃうなんて……」

 

 

 驚きの声を上げるネプギア。

 

プルルートは、「あら~? 助けに来てくれたのぉ~?」と嬉しそうにネプテューヌに体を寄せて絡み付く。

 

 

「……ぷるるん、戦いの途中だから」

 

 

 ネプテューヌは右手でプルルートを制すると、絡み付くのをやめさせる。

 

 

「ああんっ……ねぷちゃんのいけず~。カオス化したら積極的になったと思ったのに~」

 

 

 プルルートはそう言うと、ネプテューヌとの密着を諦める。

 

 

「遊んでるんじゃないわよ!」

 

 

 ユニはエクスマルチブラスターのビームをネプテューヌとプルルートに向けて放った。

 

 

「ふっ……」

 

 

 鼻で笑うネプテューヌ。

 

avoid。ネプテューヌとプルルートは同時に素早く上昇すると、ユニの射撃を避けた。

 

 

「えっ!?」

 

 

 二人の回避に驚きの声を上げるユニ。

 

そのすぐ横にネプテューヌが迫る。

 

 

「甘いわ!」

 

 

 そう言いながら太刀を振りかざすネプテューヌ。

 

ネプテューヌの太刀がユニに迫る。

 

 

「危ない! ユニちゃん!」

 

 

 すかさずガードでユニを庇うネプギア。

 

左手の防御の魔方陣でネプテューヌの太刀を受け止める。

 

 

「くっ!」

 

 

 ネプギアは、2354ダメージを受けると、HPゲージが三割近く減ってしまう。

 

 

「ねぷちゃんだけじゃないのよ!」

 

 

 今度はプルルートが、蛇腹剣でネプギアを攻撃してくる。

 

ネプギアの防御の魔方陣を蛇腹剣で何度も叩いてくる。

 

 

「くううっ!?」

 

 

 必死に耐えるネプギア。

 

ネプギアは合計で、2154のダメージを受けると、HPゲージが残り四割のところまで減少する。

 

更に再びネプテューヌがネプギアに接近すると、「クロスコンビネーション!!」と連続斬りを放ってくる。

 

 

「きゃあああっ!」

 

 

 ネプギアはネプテューヌのクロスコンビネーションで、2452のダメージを受ける。

 

ネプギアのHPゲージは、残り一割まで低下してしまう。

 

 

「凄いコンビネーション……」

 

 

 ネプテューヌとプルルートの息の合ったコンビネーションに呆然とするプラエ。

 

 

「ぼーっとしてる場合じゃないわ。援護を! ロムちゃんは回復!」

 

 

 ラムがそう叫ぶと、「エターナルフォースブリザード!」とネプテューヌとプルルートに向けて氷属性の攻撃魔法を放つ。

 

 

「遅いわ!」

 

 

 avoid。ネプテューヌとプルルートは素早い横移動で、ラムの魔法を避ける。

 

 

「嘘っ! 避けた!?」

 

 

 驚きの声を上げるラム。

 

 

「不意打ちなんて、悪い子ねぇ~!」

 

 

 プルルートが蛇腹剣を伸ばしてラムを攻撃する。

 

 

「きゃあああっ!」

 

 

 ラムは蛇腹剣に弾き飛ばされ、2541のダメージを負ってHPゲージが半分以下になってしまう。

 

 

「……っ! ……光と風の祝福を受けた癒しの風よ……みんなの傷を治して……」

 

 

 必死に回復の魔法の詠唱をするロム。

 

 

「やらせないわ!」

 

 

 そんなロムにネプテューヌの姿が迫る。

 

 

「ロムさん、危ないっ!」

 

 

 プラエがすかさず庇いに入る。

 

ネプテューヌは庇いに入ったプラエに、「クリティカルエッジ!!」と太刀を振り回す。

 

 

「あぐっ!?」

 

 

 ネプテューヌに切り裂かれたプラエは、3251のダメージを受けてHPが残り三割以下になってしまう。

 

 

「なおしてあげる!!」

 

 

 魔法の詠唱を終えたロムが回復魔法を発動させると、ネプギア達のHPが回復していく。

 

【なおしてあげる】は広範囲の回復魔法で、複数の仲間のHPを癒すことが出来る。

 

 

「やっぱり、先にロムちゃんを倒さなきゃダメね」

 

 

 ネプテューヌがそう言うと、「面倒ねぇ~」とプルルートが面倒くさそうに言う。

 

 

「やっぱり、お姉ちゃんとプルルートさんのコンビは手強い……」

 

 

 ネプギアはそう言うと、「当然よぉ。あたし達は世界どころか宇宙最強なんだから」とプルルートが自慢気に言い返す。

 

 

「みんな! エスーシャさんに教えて貰った陣形だよ!」

 

 

 ネプギアが仲間達に向けて叫ぶ。

 

すると、女神候補生達とプラエは十字のフォーメーションを取る。

 

 

「いい、ロムちゃん、わたし達はインペリアルクロスという陣形で戦うのよ。防御力の高いネプギアが前衛、両脇をユニちゃんとプラエが固めるわ。ロムちゃんはわたしの後ろに立つ。ロムちゃんのポジションが一番安全よ。安心して戦って」

 

 

 ラムがロムにそう言い聞かせると、「うん! みんな頑張って」とロムが仲間達に声援を送る。

 

 

「やるわね。強固な陣形だわ」

 

 

 ネプテューヌがそう言うと、「これは、【インペリアルクロス】! エスーシャさんに教えて貰った守りの陣形です!」とネプギアが答えた。

 

 

「だったら、ぎあちゃんから叩き潰してあげるわよ!!」

 

 

 プルルートが叫びながら、左手で電撃魔法を放つ。

 

 

「はあっ!」

 

 

 parry。ネプギアはM.P.B.Lのブレード部分で電撃を弾き返す。

 

 

「押し通らせてもらうわ!!」

 

 

 同時にネプテューヌが攻めて来る。

 

ネプギアは電撃をパリイした硬直で動けない。

 

 

「やらせないわ!」

 

 

 素早くネプギアを援護射撃するユニ。

 

 

「ネプギアお姉さんには近づけさせない!」

 

 

 更にプラエも鎖を伸ばして援護する。

 

 

「ちっ!」

 

 

 二人の援護攻撃を回避するのにネプテューヌの攻撃が止まる。

 

 

「そこです!!」

 

 

 ネプテューヌの攻撃の手が止まったことを確認したネプギアが、ネプテューヌとの間合いを一瞬で詰めてくる。

 

 

「くっ!」

 

 

 咄嗟に太刀で防御するネプテューヌ。

 

M.P.B.Lと太刀がぶつかり合い鍔迫り合いになる。

 

 

「ねぷちゃん!」

 

 

 ネプテューヌの援護に向かおうとするプルルートだが、「よそ見してる暇なんてないわよ! メギンギョルズ!!」と言ってラムがプルルートに向けてアイスハンマーを投擲する。

 

 

「ぐうっ!」

 

 

 痛そうな呻き声と共に、851万のダメージを受けるプルルート。

 

 

「お姉ちゃん、もう止めようこんなこと! お姉ちゃんはカオスアニマに操られているだけなんだよ!」

 

 

 鍔迫り合いをしながら、必死に訴えるネプギア。

 

しかし、ネプテューヌは、「しつこい子ね。これが本当のわたしだって、何度言えば分かるの?」と言い返す。

 

 

「食う、寝る、遊ぶの悠々自適な毎日。あなたにもいーすんにも説教を受けない日々、これがわたしの望んでいたものなのよ!」

 

 

 ネプテューヌはそう言いながら太刀に力を込める。

 

 

「ぐっ……」

 

 

 ネプテューヌの圧力に押し込まれそうになるネプギアだが、グッと堪える。

 

 

「嘘だよ! お姉ちゃんは大好きなゲイムギョウ界の為にいつも一生懸命だった! そのお姉ちゃんが、今みたいにゲイムギョウ界を放って置く筈ないよ!!」

 

 

 そう訴えるネプギアに、ネプテューヌは、「考え方が変わったのよ」と冷たく答える。

 

 

「ぷるるんと出会って、自由の素晴らしさを知ったわ。わたしはもう面倒な女神の仕事なんてしたくないのよ!」

 

 

 ネプテューヌはそう言うと、更に力を込めてネプギアを弾き飛ばす。

 

続けて、「クリティカルエッジ!!」と太刀でネプギアを切り裂く。

 

 

 更に態勢を立て直したプルルートが、「あははははっ! ザマぁないわね! 残念でした! ねぷちゃんはあたしのモノなのよ!」と蛇腹剣で何度もネプギアを叩く。

 

ネプギアは、合計で6021の受けると、HPゲージが八割も減少してしまう。

 

 

「きゃあああっ!」

 

 

 あまりの大ダメージに悲鳴を上げるネプギア。

 

 

「ちりょうだよ!」

 

 

 それを見たロムは素早く回復魔法を唱える。

 

するとネプギアのHPゲージが満タンまで回復する。

 

 

「ちっ! 厄介ね」

 

 

 プルルートが忌々しそうにロムに向けて電撃で攻撃するが、「やらせない! アイスコフィン!」とラムが氷属性の魔法を放つ。

 

氷属性の魔法と電撃は、ぶつかり合って相殺される。

 

 

「ネプギア、気持ちは分かるけど、説得してる余裕なんてないわ。今は戦うことを考えて!」

 

 

 ユニがネプギアに向けてそう言うと、「うん、わかった。ごめんね迷惑掛けちゃって」とネプギアは素直に謝る。

 

一対一の戦いじゃないことを思い出したネプギアは、全員の勝利の為に気持ちを切り替えた。

 

 

「しつこい子ねぇ~! いつまで頑張るつもり!」

 

 

 プルルート鋭いの蹴りがネプギアを襲う。

 

 

「くっ! アメジストの力!」

 

 

 ネプギアはそれを左手の防御の魔方陣で受け止める。

 

しかし、2154のダメージを受けるとHPゲージが三割減少する。

 

 

「諦めなさい! あなた達に勝ち目はないわ!」

 

 

 更にネプテューヌの太刀がネプギアを斬りつける。

 

 

「あうっ!?」

 

 

 防御の遅れたネプギアは直撃を受けて、3524のダメージを受けると、HPゲージが残り三割以下になってしまう。

 

 

「トドメよ!」

 

 

 残りHPの少ないネプギアに向けて、ネプテューヌが太刀で斬りかかる。

 

 

ズキューーーーン!

 

 

 だが、ネプテューヌの攻撃を邪魔するようにユニの援護射撃が飛んでくる。

 

 

「くっ!」

 

 

 攻撃を諦め回避するネプテューヌ。

 

 

「ロム! 立て直して!」

 

 

 ユニの叫びと共に、ロムは、「ちりょうだよ!」と回復魔法でネプギアのHPを満タンまで回復する。

 

 

「それそれそれ!! アイスコフィン、エターナルフォースブリザード!!」

 

 

 同時にラムが氷属性の攻撃魔法を連発して、ネプテューヌとプルルートにダメージを与える。

 

ネプテューヌとプルルートは60万近いダメージを受ける。

 

 

「グレイプニル!!」

 

 

 更にプラエが巨大化した鎖で、プルルートを打ち据えると、789万のダメージが当たる。

 

プルルートは、「くっ!」と唇を噛みながらバランスを取って後退する。

 

 

「勝ち目が無いのはそっちの方よ! わたし達のインペリアルクロスは崩れないんだから!」

 

 

 ラムがそう言い返すと、「少しづつでもダメージを与えて倒してみせます」とネプギアがそれに続く。

 

ネプギアがそう言うと同時にネプギアの耳に、「エネミーの推定最大HP6億。現在のダメージ4億2154万3658。勝率は67%ですとNギアからのプルルートの解析データが知らさせる。

 

 

 プルルートは眉を吊り上げて、「セコイ考え方ね~」と馬鹿にするように言う。

 

 

「セコくても結構よ。【雨垂れ石を穿つ】、小さな努力も粘り強く積み重ねていけば、成果を得られるわ」

 

 

 ユニの言葉に、「あなた達らしい考え方ね」とネプテューヌが答えた。

 

 

「でも、わたし達には通じないわ」

 

 

 ネプテューヌはそう言うと、チラリとプルルートの方を見る。

 

プルルートはそんなネプテューヌに対して頷くと、「そうね。そろそろ絶望させてあげようかしら?」と言った。

 

それと同時に、ネプテューヌとプルルートの体が白く輝く。

 

 

「あれは……回復魔法!?」

 

 

 驚きの声を上げるプラエ。

 

同時に、みるみる内にネプテューヌとプルルートのHPが回復して行く。

 

 

「ハイヒール~~」

 

 

 プルルートは楽しそうに回復魔法を唱える。

 

そして、ネプギアを小馬鹿にしたような目で見ると、「あたしだって、回復魔法使えるのよぉ~。忘れてたのぉ~?」と言い放つ。

 

 

「くっ……」

 

 

 悔しそうに唇を噛むネプギア。

 

今までの戦いはネプギアが圧倒するなりして、プルルートに回復の隙を与えなかったが、今のネプギア達は防戦一方でプルルートの回復を止めることは出来ない。

 

 

「WARNING! WARNING! エネミーがHPを回復しています。エネミーの推定最大HP6億。現在のダメージ2億1254万1125。勝率が急激に下がっています」

 

 

 Nギアが再び、ワーニングの警報を鳴らしてくる。

 

 

「そんな……ここまで頑張ったのに……」

 

 

 ロムが悲しそうな顔で呟く。

 

そんなロムに対して、「諦めちゃダメよ! 向こうが回復するより、こっちがダメージを与えればいいだけじゃない!」と言ってラムが励ます。

 

 

「言うのは簡単。実際に出来るかしら!?」

 

 

 ネプテューヌが太刀を構えてネプギアに迫る。

 

 

「あうっ!?」

 

 

 ショックのあまり反応が遅れたネプギアは、またも直撃を受けて、3564のダメージを受けてしまう。

 

 

「ほらほらほら! 戦意喪失には、まだまだ早いわよ~!」

 

 

 更にプルルートが蛇腹剣を鞭のように伸ばして連続で攻撃してくる。

 

 

「ぐうっ!?」

 

 

 追撃で、2541のダメージを受けてネプギアのHPはまたも三割を切ってしまう。

 

 

「ロム、回復よ!」

 

 

 ユニが叫ぶと、「う、うん……ちりょうだよ」と戸惑いながらネプギアのHPを回復するロム。

 

 

「このぉ! ハイエロファント・テンペスト!!」

 

 

 お返しと言わんがばかりに、緑色の竜巻をプルルートに向けて放つラム。

 

プルルートは、824万のダメージを受ける。

 

続けてプラエも、「グレイプニル!!」と巨大な鎖を伸ばして攻撃し、プルルートに825万のダメージを与える。

 

しかし、プルルートは余裕の表情で、「ハイヒール」と回復魔法を唱えると、プルルートのHPが三千万以上回復する。

 

 

「どうしたのぉ~? こっちが回復するよりダメージを与えるんじゃないのぉ~?」

 

 

 プルルートがラムとプラエを挑発するように言う。

 

 

「こんなのズルいわよー! インチキよー!」

 

 

 ラムは憤慨するが、「どうしよう……これじゃあ、勝てない……」とプラエは顔を青くした。

 

 

「いいわいいわ~。負け犬の遠吠えって素敵ねぇ~。プラエちゃんの絶望した顔も可愛いわよ~」

 

 

 プルルートが愉しそうに笑う。

 

 

「ネプギア、何か方法はないの?」

 

 

 ユニがネプギアにそう問いかけるが、「ダメ……ギアシステムも勝利を見せてくれない」とネプギアは悲しそうな顔で答える。

 

 

「わたし達の勝ちよ。諦めなさい」

 

 

 ネプテューヌが冷たい声で言い放つ。

 

ネプギアは、「……っ……」と唇を嚙むだけで言い返せない。

 

 

***

 

 

 ネプギア達は、HPを回復するネプテューヌとプルルート相手に圧倒的な不利を強いられていた。

 

 

「ほらほら~、ぼやぼやしてると、また回復しちゃうわよ~」

 

 

 プルルートが挑発するように言いながら、蛇腹剣を鞭のように伸ばしてネプギアを打ち据える。

 

余裕の表情と相まって、ネプギアを嬲るのを楽しんでいるようだった。

 

 

「くううっ!」

 

 

 必死に耐えるネプギア。

 

ネプギアのHPゲージがジワジワと減少して残り半分になってしまう。

 

 

「ぷるるん、遊び過ぎよ」

 

 

 ネプテューヌがそう言いながら、「クリティカルエッジ!」と言ってネプギアを太刀で切り裂く。

 

ネプギアは、3251のダメージを受けると残りHPゲージが一割以下になってしまう。

 

 

「ロム、急いで!」

 

 

 ユニの叫びと共に、「ちりょうだよ!」とロムが回復魔法を唱えて、ネプギアのHPを満タンまで回復させる。

 

 

「ああんっ、惜しい。もう少しだったのに~」

 

 

 残念そうに言うプルルート。

 

その姿はネプギアをいたぶるのを本気で楽しんでるようだった。

 

 

「ハイエロファント・テンペスト!!」

 

 

 反撃にラムが風属性の攻撃魔法を唱え、「グレイプニル!!」とプラエが巨大化した鎖でプルルートを攻撃する。

 

プルルートはそれを避けずに受け止めると、合計で1500万以上のダメージを受けるが、「この程度じゃ回復する必要もないわね」と髪をかき上げながら言う。

 

 

「なんですって~!?」

 

 

 怒りの声を出すラム。

 

 

「いい加減、諦めたらどう? あなた達の火力じゃ、ぷるるんの回復魔法を破れないわ」

 

 

 ネプテューヌがネプギア達にそう言うと、「命までは取らないわよ。た~~っぷり、おしおきした後に、あたし達の奴隷として生かしてあげるわ」とプルルートがそれに続く。

 

 

「………」

 

 

 黙ってしまうネプギア。

 

 

「WARNING! WARNING! エネミーの推定最大HP6億。現在のダメージ1億3258万325。勝率1%以下です」

 

 

 そんなネプギアの耳に、Nギアの解析システムの声が聞こえて来る。

 

先程から、プルルートにダメージを与えるどころか、更にHPが回復してしまっていた。

 

 

(やっぱり、わたしなんかじゃお姉ちゃん達には勝てないの……)

 

 

 今現在の勝ち目のない戦いに、ネプギアの心は折れかけていた。

 

ネプギアのM.P.B.Lを持つ手が緩む。

 

戦意喪失しかけているのだ。

 

 

「諦めちゃダメだよ!」

 

 

 突然、誰かの大声が響き渡る。

 

その声は地上から聞こえた。

 

 

「今の声……うずめさん」

 

 

 ネプギアがその声に反応すると、地上からうずめが急上昇してくる。

 

 

「諦めちゃダメだよ、ぎあっち」

 

 

 うずめはネプギアの目の前で止まると、ネプギアの両肩に自分の両手を置いてネプギアを励ます。

 

 

「でも……でもっ……やっぱり私じゃお姉ちゃんに勝てない……今までの戦いも全部無駄で……」

 

 

 うずめに対して、鳴咽をもらすネプギア。

 

 

「泣かないで、ぎあっち。うずめが付いてるから平気だよ」

 

 

 うずめはそう言ってネプギアを元気づけると、優しくネプギアを抱きしめる。

 

 

「うずめ。あなたが加わったところで、わたしとぷるるんの守りは崩せないわ」

 

 

 その姿を黙って見ていたネプテューヌがうずめに忠告する。

 

うずめはネプギアを抱きしめる手を放すと、ネプテューヌの方を向き、「そんなのやってみなくちゃ分からないよー。うずめの諦めが悪いのはねぷっちも知ってるでしょ~」と言う。

 

 

「いつまで泣いている。所詮貴様もその程度だったのか?」

 

 

 ネプギアの背後から声が聞こえて来る。

 

慌てて振り返るネプギア。

 

 

「マジェコンヌさん!?」

 

 

 ネプギアの後ろにいたのは、いつの間にか上昇してきたマジェコンヌだった。

 

 

「この程度で折れるとは、とんだ見込み違いだったな。戦う気が無いなら下がっていろ。後は私がやる」

 

 

 マジェコンヌはそう言うと、ネプギアの前に出る。

 

それを見たプルルートが、「あ~ら? マジェコンヌさんって本当にドMね。また可愛がって欲しいの~?」と余裕の表情で言う。

 

 

「私はもう貴様を恐れない。貴様のような奴に屈服していたなど屈辱意外の何物でもない」

 

 

 マジェコンヌの態度に、「随分強気なったじゃない」とプルルートが眉を吊り上げる。

 

 

「ネプギア達、女神候補生の戦いが私に勇気を与えてくれたのだ」

 

 

 マジェコンヌはそう言うと、チラリとネプギアの方を見て、「ふふふっ……皮肉なものだな。あれだけ嫌っている女神に勇気を貰うなどと……」と言う。

 

 

「マジェコンヌさん……」

 

 

 ネプギアが少し嬉しそうに呟く。

 

 

「まじぇっちだけじゃないよ。うずめだって、ぎあっちにいっぱい勇気をもらったんだから。だから、ぎあっちの戦いは無駄じゃないよ」

 

 

 うずめの慰めの言葉に、ネプギアの目から涙から更に零れ落ちる。

 

 

「それに、うずめとまじぇっちだけじゃないよ」

 

 

 うずめの言葉に周囲を見渡すネプギア。

 

見れば周囲に、疑似プロセッサユニットの力で浮かび上がって来た仲間達がいた。

 

 

「ネプギア、諦めちゃダメよ」

 

 

 力強く励ますアイエフ。

 

 

「ギアちゃんは出来る子です~」

 

 

 優しく励ますコンパ。

 

 

「ネプギア様、この戦いに勝って特集号を組もうよ!」

 

「電撃システィーナでも特集号やりますよ」

 

「君の戦いはいつも、あたしに勇気をくれるね」

 

 

 ファミ通とデンゲキコとファルコムもネプギアを励ましてくれた。

 

 

「ここからが正義の大反撃だよ」

 

「プレスト仮面の活躍に乞うご期待!」

 

 

 ポーズを決めながら励ます日本一にビーシャ。

 

 

「後で残業手当をもらいますの」

 

 

 本気が冗談かわからないようなことを言いながらも励ましの言葉をくれるがすと。

 

更に、「ネプギア様なら出来るよ。頑張って!」とゴッドイーターが言い、「わたし達も力を貸すわ」とニトロプラスも励ましてくれる。

 

 

「ネプギア、思いっきりやってやんな」

 

 

 シーシャがそう言うと、「私達がついている」とエスーシャが言う。

 

 

「ネプギア殿。プロテノール様が見込んだあなたの力はこんなものでは無い筈です」

 

 

 あんみつの言葉に、「ネギちゃん、私も頑張って応援するから、ネギちゃんも頑張って」とミクも続く。

 

 

「お主達の実力はこんなものでは無い筈だ。わたしが保証する」

 

 

 ミリオンアーサーが力強く励ましてくれる。

 

 

「ネプギア、こりゃ負けられないね」

 

 

 大きいネプテューヌがそう言うと、「こんなところで終わりじゃ、つまんねーだろ? もっと頑張れよ」とクロワールまでもが励ましてくれる。

 

 

「みんな……」

 

 

 今度は嬉しさで涙を流すネプギア。

 

 

「ネプギアさん、皆、あなたの言葉や戦いに心打たれて立ち上がって来てくれたのです。ここで諦めてはいけません」

 

 

 イストワールがそう言うと、「はいっ!」とネプギアは力強く。

 

 

「それに、私達だけじゃありません」

 

 

 そう言いながらイストワールは地上を指差す。

 

そこには、大勢の人が手を振っていた。

 

 

「あれは、システィーナの兵士……」

 

 

 ユニがそう呟くと、「ホルランドさん達、デミヒューマンのみんなもいる」とロムがそれに続く。

 

 

「それだけじゃないわ。あれはシスティーナの街の人達よ!」

 

 

 ラムが驚きの声を上げると、「何で街の人が戦場に!?」とプラエも驚きの声を上げる。

 

 

「ぎあちー! 負けるなー!」

 

 

 マホが大声で応援してくれる。その隣はアンリも居た。

 

 

「私達と同じです。システィーナの人達も皆さんの言葉と戦いに心打たれてここまで駆け付けて来てくれたのです」

 

 

 イストワールが言う。

 

イクスの【全国生放送】が予定外の効果を生み出したのだ。

 

 

「……感じる……みんなの想いを……」

 

 

 ネプギアが祈るように両手を組んで目を閉じる。

 

すると、ネプギアの体が薄紫色に輝いた。

 

 

「……のらりくらりと! つまらない茶番なのよ! 何をしようと、あたしとねぷちゃんの勝利は揺るがないわ!」

 

 

 ネプギア達の会話に業を煮やしたプルルートが蛇腹剣を構えて突っ込んで来る。

 

しかし、そんなプルルートの前進をオーロラのような光のカーテンが阻む。

 

 

「なによこれ!?」

 

 

 プルルートが不満そうに言う。

 

 

「あれはシェアエネルギーの共鳴……ネプギアさん達女神候補生に集まったシェアエネルギーが壁になっているんです」

 

 

 イストワールがそう言うと、「くっ、これではこちらから手を出せないわね」とネプテューヌが悔しそうに言う。

 

すると、「今のお前なら出来るかもな。ツインドライブ」とクロワールがネプギアに向けて言う。

 

 

「ツインドライブ?」

 

 

 クロワールの言葉に首を傾げるネプギア。

 

 

「お前が元々持ってる女神の力と、神次元の女神メモリーを相乗させるんだよ。超次元と神次元、両方の支持を得たお前なら出来るだろ」

 

 

 そう言いながら、クロワールは地上を見る。

 

そこには、元々超次元のシスティーナに住んでいた信者とエクソダスで神次元から超次元に逃げて来た信者が手を取り合ってネプギアを応援していた。

 

 

「わかりました。やってみます」

 

 

 ネプギアはそう言って頷くと、「お前の中にある、女神の力と女神メモリーを同調させるんだ。上手くやれよ」とクロワールがアドバイスする。

 

ネプギアは、「はいっ!」と言うと祈るように両手を組んで静かに目を閉じる。

 

 

(私の元々持っている女神の力……)

 

 

 ネプギアがそう念じるとネプギアは左胸に暖かい光の珠ような物を感じた。

 

 

(感じる……システィーナの人達、デミヒューマンの人達の感謝の想い……確かに感じる)

 

 

 ネプギアはその暖かい想いを感じながら、(もう一つ、女神メモリーの力……)と続けて念じた。

 

するとネプギアの右胸に左胸と同じような暖かな光の珠を感じる。

 

 

(感じる……神次元のプラネテューヌの人達の想いを……私を慕い、助けを求める声が……)

 

 

 ネプギアはその想いを感じながら、(この想いの力を合わせる……!)と強く念じた。

 

すると、二つの珠は互いに引き合い近づいて行く。

 

 

(……二つの次元の女神の力を合わせる……)

 

 

 ネプギアが念じれば念じる程、二つの珠は近づいて行き、ついには二つの珠は液体のように溶け合う。

 

同時にネプギアの体が激しく薄紫色に発光する。

 

 

「ネプギア!?」

 

 

 ユニが叫ぶ。

 

 

「ネプギアちゃん、凄く暖かい……」

 

 

 ロムがネプギアから発せられる暖かな光を気持ちよさそうに受け止める。

 

 

「スゴイわ。このシェアエネルギー!」

 

 

 ラムが光り輝くネプギアを眩しそうに見つめる。

 

 

「ネプギアお姉さん、パワーアップしたの?」

 

 

 プラエの疑問に、「ああ、やりやがった。ツインドライブ成功だ」とクロワールがニヤリと笑った。

 

 

「これが私を想い慕ってくれる二つの次元の力……もう、負けません!!」

 

 

 ネプギアはそう言ってM.P.B.Lを握りしめた。

 

ネプギアは戦闘態勢を取ると、プルルートに向かって飛んでいく行く。

 

 

「ふふっ……ツインドライブだか何だか知らないけど、そんな幻想すぐに打ち砕いてあげるわ」

 

 

 プルルートは向かって来るネプギアに向けて、蛇腹剣を鞭のように伸ばす。

 

 

「当たりません!」

 

 

 avoid。ネプギアは素早い横移動でプルルートの攻撃を避けると更に加速する。

 

 

「……っ!?」

 

 

 ネプギアの急接近に驚くプルルート。

 

更にプルルートの視界からネプギアの姿が消え去る。

 

 

「消えた!?」

 

 

 驚きの声を上げるプルルート。

 

プルルートは、「あたしが見失うなんて!?」と慌てて首を左右に振る。

 

 

「下です!!」

 

 

 ネプギアが叫ぶと同時に、M.P.B.Lのビームを連射する。

 

ネプギアはいつの間に、プルルートの下に潜りこんでいたのだ。

 

 

「くううっ!」

 

 

 下からの急襲に回避の間に合わないプルルート。

 

M.P.B.Lのビームで、525万のダメージを受ける。

 

 

「ルミナ・アージェント!!」

 

 

 更にネプギアはM.P.B.Lのブレード部分による鋭い突きで、プルルートを突き抜ける。

 

プルルートは更に、658万のダメージを受けた。

 

 

「ユニちゃん!」

 

 

 ネプギアがユニの名を呼ぶと、ユニは、「行くわよ。エクスマルチブラスター!!」と言ってエクスマルチブラスターのビームで追撃をする。

 

 

ズキューーーーン! ズキューーーーン!

 

 

 ユニの追撃のビームがプルルートに命中する。

 

プルルートは115万のダメージを受ける。

 

 

「まだ終わらないわよーーーーー! メギンギョルズ!!」

 

 

 ラムが更なる追撃をしようと、アイスハンマーを持ってプルルートに接近する。

 

しかし、「調子に乗らないで」とネプテューヌがラムの前に立ちはだかる。

 

だが、次の瞬間、「ギアナックル!!」と言ってネプギアが右ストレートパンチでネプテューヌを吹き飛ばす。

 

568万のダメージを受けて吹き飛ぶネプテューヌ。

 

 

「サンキュー、ネプギア!!」

 

 

 ラムはそう言うと、「どっせいっ!!」と叫びながらプルルートにアイスハンマーを振り下ろす。

 

1125万のダメージを受けて吹き飛ばされるプルルート。

 

 

「やってくれたわね!」

 

 

 プルルートは空中で受け身を取ると、アイスハンマーで殴ったラムを睨む。

 

同時に、「躾けてあげるわ!!」と言って左手で電撃魔法を放つ。

 

 

「やらせません!! マルチプルビームランチャー!!」

 

 

 ネプギアがプルルートの放った電撃に向けて、M.P.B.Lのビームを放つ。

 

ビームと電撃はぶつかり合い相殺される。

 

 

「ちっ!」

 

 

 悔しそうに舌打ちするプルルート。

 

 

「ロムちゃん、サポートを!!」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「うん! ハイプリエスティス・サポート!!」と全員の攻撃力と防御力の上がる魔法を唱える。

 

先程までは回復でいっぱいいっぱいだったが、ネプギアのパワーアップで補助魔法を使う余裕が出来たのだ。

 

 

「これ以上好きにはさせないわ!」

 

 

 今度はネプテューヌがネプギアに斬りかかる。

 

 

「スロウ・ムーン!!」

 

 

 しかし、プラエが超能力を使うと、途端にネプテューヌの動きが遅くなる。

 

avoid。ネプギアは遅くなったネプテューヌの攻撃を悠々と見切ると、「ギアナックル!!」と再びネプテューヌを右ストレートで吹き飛ばす。

 

624万のダメージを受けて吹き飛ぶネプテューヌ。

 

 

「みんな、陣形変更!! インペリアルアロー!」

 

 

 ネプギアが叫ぶと、ユニ達は素早く陣形を変更する。

 

変更した陣形はインペリアルクロスと似ているが、前衛のネプギアが更に前に出ることにより、弓矢のような形になっていた。

 

これは更に前衛のネプギアに敵の攻撃を集中させることができる陣形だ。

 

それにより仲間のユニ達は更に攻撃とサポートに集中できる。

 

 

「バ、バカにしてっ……!? 小娘がやること……! 小娘が……!」

 

 

 プルルートが眉を吊り上げながらネプギアを睨む。

 

自分一人でネプテューヌとプルルートの攻撃を受け止めると言うネプギアの態度が癪に障ったようだ。

 

 

「ツインドライブになった私なら出来ます!!」

 

 

 そう言いながらプルルートに突っ込んで行くネプギア。

 

 

「なら、やってみなさいよ!!」

 

 

 プルルートは右手の蛇腹剣を振り回し、左手で電撃魔法を連射する。

 

 

「ギアシステムの予測範囲の攻撃です!」

 

 

 avoid。ネプギアは急上昇でプルルートの攻撃を避ける。

 

プルルートにはそのネプギアの姿が何人にも見えた。

 

 

「なに? 残像?!」

 

 

 驚きの声を上げるプルルート。

 

続けて回避運動を続けるネプギア。

 

残像は何重にも見えプルルートを惑わした。

 

 

「くっ……小細工を!!」

 

 

 更に激しく攻撃をするプルルートだが、その攻撃はネプギア本体に当たることはなかった。

 

 

「ぷるるん、落ち着いて! まずはわたしがネプギアの足を止めるわ」

 

 

 ネプテューヌがプルルートにアドバイスしながら、ネプギアに斬りかかる。

 

 

「残像と言っても、わたしの目は誤魔化せないわよ! クリティカルエッジ!!」

 

 

 ネプテューヌの剣技がネプギアを切り裂く。

 

 

ドカーーーーーン!!

 

 

 同時に激しい爆発音がする。

 

ダミーだ。

 

ネプギアは残像を残して回避しつつ、ダミー風船もばら撒いていたのだ。

 

爆弾入りのダミーはネプテューヌを爆風で包み、352万のダメージを与えた。

 

 

「隙だらけですっ!」

 

 

 同時にプルルートの背後に回り込むネプギア。

 

プルルートが振り向くと同時に、ネプギアはその顔を右手のアイアンクローで掴む。

 

 

「紫昂ぉぉぉぉぉ拳!! シェアリィィィィィングゥゥゥゥゥゥゥ!! フィンガァァァァ!!!」

 

 

 ネプギアは雄叫びを上げると同時に右手にシェアエネルギーを送り込む。

 

 

「セイクリィィィィィィッド・ブラストォォォォォッ!!」

 

 

 ネプギアの手のひらが大爆発を起こすと、プルルートは3525万のダメージを受けた。

 

大爆発の爆風で吹き飛ぶプルルート。

 

 

「ラム! 追撃よ!!」

 

 

 それを見たユニがラムに声を掛けると、「オッケーよ、ユニちゃん!」とラムが頷いた。

 

 

「燃えなさい! レヴァテイン!!!」

 

 

 ユニのエクスマルチブラスターから火炎放射が放たれる。

 

炎に焼かれたプルルートは、1024万のダメージを受けた。

 

 

「ハイエロファント・テンペスト!!」

 

 

 更にラムの放つ緑色の竜巻がプルルートを吹き飛ばす。

 

追加で、825万のダメージを受けるプルルート。

 

 

「プラエちゃん、一緒に!」

 

 

 ロムがそう言うと、「うん、ロムさん」とプラエが頷く。

 

グレイプニルで巨大化したプラエの左薬指の鎖がロムのエンチャント魔法で更にパワーアップする。

 

 

「「マルチプライドシャインチェーーーーン!!」」

 

 

 アークスによるロムとプラエの合体攻撃だ。

 

巨大な鎖に弾き飛ばされたプルルートは、1925万のダメージを受ける。

 

 

「ああああああっ!?」

 

 

 大ダメージにたまらず悲鳴を上げるプルルート。

 

プルルートは吹き飛びながらも空中で受け身を取って、「ハイヒール!」と回復魔法を使う。

 

回復量は三千万にも及ぶが、今の女神候補生達のラッシュ攻撃の半分も回復できていない。

 

 

「くっ……これじゃ回復が追いつかないわ」

 

 

 焦りの声を上げるプルルート。

 

そこにネプテューヌがプルルートを庇うように前に出て、「ぷるるんは後ろに下がって、回復に集中して!」と言う。

 

 

「助かるわ。ねぷちゃん」

 

 

 素直にネプテューヌの厚意を受け取るプルルート。

 

 

「……お姉ちゃん……」

 

 

 ネプテューヌが前に出たことにより、突如ネプギアの動きが止まる。

 

 

「どうしたの? 動きなさいネプギア!」

 

 

 ユニがネプギアを叱るがネプギアは動かない。

 

 

「……お姉ちゃん、もう止めようよ。元のお姉ちゃんに戻って。また一緒にプラネテューヌを守ろうよ! 私、精一杯お世話するからっ!」

 

 

 ネプギアが悲しそうな顔でそう言うと、「あなた、まだそんなことを言ってるの?」とネプテューヌがネプギアのことを睨む。

 

 

「だって……怖いよ。お姉ちゃんを本気で攻撃するなんて……たった一人の姉妹なんだよ」

 

 

 ネプギアの訴えに、「もう勝ったつもりでいるの?」とネプテューヌが冷たい声で言う。

 

 

「そんなつもりじゃ……!!」

 

 

 ネプギアがそう言うと同時に、ネプテューヌが太刀を振る。

 

同時に放たれた衝撃波がネプギアに命中する。

 

 

「あうっ!」

 

 

 ネプギアは、2524のダメージを受けてHPゲージが三割減少する。

 

 

「あなたがわたしを攻撃出来ないならそれでいいわ」

 

 

 そう言いながらネプテューヌがネプギアに近づいて行く。

 

 

「でも、わたしはあなたを殺すわ!」

 

 

 ネプテューヌはそう叫ぶとプロセッサユニットのブースターを全開にして、ネプギアとの間合いを一気に詰める。

 

ネプテューヌが太刀を振り上げネプギアに襲い掛かる。

 

 

「……っ!?」

 

 

 ネプギアは咄嗟にM.P.B.Lのブレード部分でガードする。

 

 

「それそれそれそれ!!!」

 

 

 激しいラッシュ攻撃を仕掛けるネプテューヌ。

 

ネプギアはその全てをガードしきれず、ジワジワとHPゲージが減少してしまう。

 

 

「あなたを倒した後は、ユニちゃん達ね!」

 

 

 そう言いながらラッシュを続けるネプテューヌ。

 

 

「ダメ! 止めてお姉ちゃん、ユニちゃん達に手を出さないで!」

 

 

 ネプテューヌの攻撃を捌きながら必死に訴えるネプギア。

 

 

「ダメよ! わたし達に逆らった罪は重いもの。あいちゃんやシスティーナの信者達も同罪ね! ぷるるんに頼んで存分に苦しませてあげるわ!」

 

 

 ネプギアに無情な言葉を浴びせるネプテューヌ。

 

 

「そんな……そんなことさせない!」

 

 

 ネプギアは必死に抵抗するがネプテューヌのラッシュは止まらない。

 

ネプギアのHPゲージがが更に削られる。

 

 

「なら、わたしを止めることね! 弱虫で姉離れの出来ないあなたじゃ無理でしょうけど!」

 

 

 ネプテューヌはそう言って太刀に力を込める。

 

トドメの一撃を放つつもりだ。

 

ネプテューヌの兜割りがネプギアの頭に迫る。

 

 

(当たる! これが当たったら私負けちゃう……)

 

 

 ネプギアには目の前の光景がスローモーションのように見えていた。

 

 

(私が負けたらユニちゃんは? みんなは? システィーナの人達は?)

 

 

 ネプギアがそう考えると、先程のネプテューヌの言葉が思い起こさる。

 

 

「存分に苦しませてあげるわ」

 

 

 その瞬間、ネプギアの中で何かが弾けた。

 

 

「ダメェェェェェェェェッ!!!」

 

 

 avoid。ネプギアは素早い横移動でネプテューヌの兜割りを避ける。

 

 

「なにっ!?」

 

 

 驚きの声を上げるネプテューヌだが次の瞬間、その顔がネプギアの右手によって塞がれる。

 

ネプギアが右手でネプテューヌにアイアンクローをしているのだ。

 

 

「私のこの手が光って昂る! あなたを倒せと昂揚する!!」

 

 

 ネプギアが叫び声を上げる。

 

同時にネプギアの右手が薄紫色の輝きを放つ。

 

 

「紫昂ぉぉぉぉぉ拳!! シェアリィィィィィングゥゥゥゥゥゥゥ!! フィンガァァァァ!!!」

 

 

 ネプギアは続けてそう叫ぶと、右手に力を籠める。

 

 

「があっ!?」

 

 

 思わず声を上げるネプテューヌ。

 

 

「セイクリィィィィィィッド・ブラストォォォォォッ!!」

 

 

 ネプギアの雄叫びと共に、ネプギアの手のひらが大爆発を起こす。

 

攻撃はクリティカルヒットをし、更にカウンターでネプテューヌに5842万のダメージを与える。

 

爆発の勢いで大きく吹き飛ばされるネプテューヌ。

 

 

「はあっ……はあっ……」

 

 

 肩で息をするネプギア。

 

ユニ達はそんなネプギアの事を呆然と見守る。

 

 

「……私はまた一つ恐怖を乗り越えました。お姉ちゃんと離れ離れになると言う怖さを……お姉ちゃんから卒業し、自らの足で前に進んで行くと決めました……この勇気と決意でみんなを守ります!!」

 

 

 ネプギアがそう言うと、同時にネプギアのプロセッサユニットが白く輝く。

 

光が収まると、黒だったライラックmk2の色が白くなっていた。

 

 

「わたしに本気で攻撃をした……憧れという幻想を振り切って、わたし自身のことまで振り切ったのね……」

 

 

 吹き飛ばされたネプテューヌが呟く。

 

 

「わたしへの憧れが、わたしのようになりたいという気持ちがプロセッサユニットの色を黒くした……でも、あなたはわたしにはなれない。その温かく優しい薄紫と、清らかな心を現す穢れの無い純白があなたの本当の色よ」

 

 

 ネプテューヌがそう言うと、「これがライラックmk2の本当の姿……」とネプギアが呟く。

 

すると、「そうです。それがネプギアさんの本当の姿、【ライラックmk3】です」とイストワールが言った。

 

 

「ずるーーーい! ネプギアばっかりパワーアップしてー!」

 

 

 突如ラムが不満そうに頬を膨らます。

 

自分がパワーアップ出来ないのが御不満のようだ。

 

 

「……ラム、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ……」

 

 

 ユニがお手上げのポーズで呆れながら言う。

 

 

「でもでも! だってだって!! ロムちゃんだってパワーアップしたいわよね?」

 

 

 ラムが地団駄を踏みながらそう言うと、「うん……出来たらしたいけど……」とロムが答える。

 

更にラムは、「プラエもしたいわよね?」とプラエを見る。

 

するとプラエも、「……出来たらしたいけど……今はそれどころじゃ……」と答える。

 

 

「はい! 多数決!! わたし達もパワーアップ!!」

 

 

 ラムがドヤ顔で言うが、「そんな訳ないでしょ……パワーアップってのはもっと修行や鍛錬とかで目覚めるものなのよ」とユニがツッコミを入れる。

 

 

「パワーアップパワーアップパワーアップパワーアップパワーアップーーー!!!」

 

 

 ラムが更に激しく地団駄を踏む。

 

 

「もう、手に負えないわね……ネプギア、何とかしなさい」

 

 

 ユニがそう言ってネプギアに話を振ると、「え? 私?」と言ってネプギアは左手で自分を指差す。

 

 

「アンタ、リーダでしょ。それに元々はアンタのせいだし」

 

 

 ユニが冷静な声でそう言うと、「そんな~~」とネプギアは困った声を上げる。

 

 

「ネプギア~、パワーアップ~」

 

 

 そう言いながらネプギアのスーツを引っ張るラム。

 

まるで母親にお菓子をねだる子供のようだ。

 

 

「えっと……どうすればいいのかな?」

 

 

 思わず真剣に困ってしまうネプギア。

 

 

「ネプギアの力分けて。ロムちゃんみたいに」

 

 

 ラムがそう言うと、「ロムちゃんみたいに?」とネプギアが首を傾げる。

 

 

「うん、ロムちゃんみたいに、おでこにチュッってして欲しいの」

 

 

 ラムの要望に、「ええええっ!?」と驚きの声を上げるネプギア。

 

すると、「ダメなの?」とラムが悲しそうな顔をする。

 

 

「ダメじゃないけど……」

 

 

 戸惑いながら言うネプギアに、「じゃ、やって」とラムは背伸びしてネプギアにおでこを差し出す。

 

 

「えっと……えっと……」

 

 

 慌てて周囲を見渡すネプギア。

 

しかし、ロムとプラエは興味津々にネプギアとラムを見て、ユニは恥ずかしそうに目を逸らしてしまう。

 

 

「はやくぅ~、ネプギア~」

 

 

 ラムがねだるようにネプギアに密着する。

 

 

「じゃ、じゃあ、ちょっとだけだよ」

 

 

 ネプギアはそう言うと、ラムの前髪をかき上げて、おでこに、「チュッ」と口づけをする。

 

 

「わーい! 何だかパワーが湧いてきたわ!!」

 

 

 ラムはそう言うと力強くガッツポーズをする。

 

すると、「ネプギアちゃん、わたしにもして欲しい」とロムがおねだりをしてくる。

 

更に、「その次はプラエも……」とプラエもおねだりしてくる。

 

 

「も、もうっ……二人とも仕方ないなぁ……」

 

 

 ネプギアはそう言いながら、「チュッ」、「チュッ」とロムとプラエのおでこに口づけをした。

 

 

「「わーーい」」

 

 

 声を揃えて喜ぶロムとプラエ。

 

 

「何だか本当にパワーアップした気がする……」

 

 

 プラエが呟くと、「子供は気楽でいいわね。そんなのでパワーアップする訳が……」とユニが言いかけるが、「しています! これはシェアエネルギーの共振!」とイストワールが叫ぶ。

 

 

「ウソッ!?」

 

 

 思わず目を丸くして叫ぶユニ。

 

 

「いえーい! 今なら行ける気がするわ。ロムちゃん、ディーエ・スィルに変身よ!」

 

 

 ラムがそう言うと、「うん、ラムちゃん」とロムが頷く。

 

 

「「チェンジ、ディーエ・スィル」」

 

 

 ロムとラムが同時にそう言うと、二人のプロセッサユニットに変化が起こる。

 

小ぶりだったバックユニットの羽が大きくなり、その他のプロセッサユニットも、ヘッドユニットがウサギの耳のようになるなどの変化をしていた。

 

【ディーエ・スィル】とはロムとラムが犯罪組織との戦いで目覚めた新型のプロセッサユニットだが、ネプギアのライラックmk2と同じ理由で封印していたものだ。

 

 

「今のわたし達なら、ディーエ・スィルの性能を100%引き出せるよ」

 

 

 ロムが自信満々にそう言うと、「プラエには新しいプロセッサユニットとかないけど、ちゃんとパワーアップしてる」とプラエも言う。

 

 

「そ、そう……」

 

 

 戸惑いながらも納得するユニ。

 

ネプギアは、そんなユニを見ながら、「ユニちゃんも……する?」と恥ずかしそうに問いかける。

 

 

「す、するってなにを……」

 

 

 焦りながらユニが質問をすると、「……だから、パワーアップ……その……おでこにチュッって……」と更に恥ずかしそうにするネプギア。

 

 

「し、ししししししないわよ!! 何言ってるのよアンタは!?」

 

 

 思わず叫ぶユニ。

 

すると、ネプギアは悲しそうな顔で、「私に、チュッってされるの嫌……?」と呟く。

 

 

「そ、そういう問題じゃなくて、あ、アンタはいいの?」

 

 

 ユニが焦りながら問いかけると、「……恥ずかしいけど、ユニちゃんの為なら……」と言ってネプギアは頬を赤らめる。

 

 

「ううっ……」

 

 

 何となく逃げ道を塞がれた気分になるユニ。

 

 

「ユニちゃん……」

 

 

 潤んだ目でユニを見るネプギア。

 

 

「わ、わかったわよ! やるならやりなさいよ! 煮るなり焼くなり好きにしなさいっ!」

 

 

 覚悟を決めたユニはそう言ってネプギアの前に立つと思いっきり目を閉じる。

 

 

「うん……じゃあ、行くね」

 

 

 ネプギアはそう言うと、ゆっくりとユニの前髪をかき上げた。

 

 

「……っ!」

 

 

 思わず硬直してしまうユニ。

 

 

「大丈夫だよ……優しくするから……」

 

 

 ネプギアはそう言ってユニを安心させると、「……ユニちゃん、大好きだよ」と呟いて優しくユニのおでこに、「ちゅっ」と口づけをした。

 

 

「ネプギア……」

 

 

 そう呟きながら目を開けるユニ。

 

するとネプギアは、「え、えへへっ! どう? ユニちゃん、力出た?」と焦りながら問いかける。

 

 

「え、ええ……おでこのあたりがジーンと熱くて……」

 

 

 ユニがそう答えると、「これは凄い共振です! ネプギアさん、ユニさんやりましたね!」とイストワールが喜びの声を上げる。

 

 

「やったわね、ユニちゃん!」

 

 

 ラムがサムズアップして歓迎すると、「ユニちゃんもジェネレーションになろ?」とロムが誘ってくる。

 

 

「そ、そうね……」

 

 

 ユニは恥ずかしそうにそう言うと、「チェンジ・ジェネレーション!」と叫ぶ。

 

すると、ユニのプロセッサユニットにも変化が起きる。

 

ラム達と同様バックユニットの羽が大きくなり、プロセッサユニット全体が大型化する。

 

更にレオタードだったスーツもビキニタイプに変化した。

 

【ジェネレーション】とはユニが犯罪組織との戦いで目覚めた新型のプロセッサユニットだが、ネプギアのライラックmk2と同じ理由で封印していたものだ。

 

 

「わ! ユニお姉さん大胆!?」

 

 

 思わず声を上げるプラエ。

 

それほどまでにユニのビキニは大胆で肌色部分が多めだった。

 

 

「お前等! いつまでイチャイチャしてる! さっさと手伝わんか!?」

 

 

 少し遠くからマジェコンヌの怒鳴り声が聞こえてくる。

 

ユニ達がパワーアップしている間、ネプテューヌ達の相手はマジェコンヌやうずめがしてくれていたのだ。

 

 

「わ!? ごめんなさい。今行きます! 行こうみんな!」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「「「うん!」」」とロムとラムとプラエが元気よく頷く。

 

 

「……」

 

 

 しかし、ユニは恥ずかしそうに黙っていた。

 

 

「ユニちゃん? どうしたの?」

 

 

 不思議そうに問いかけるネプギア。

 

 

「ネプギア、さっきのことだけど……」

 

 

 ユニがそう言うと、「さっき?」とネプギアが首を傾げる。

 

 

「ううん! やっぱり何でもない!! 行きましょ早く!」

 

 

 ユニはそう言うと、強引にネプギアの手を引く。

 

 

「わわっ!? ユニちゃん?」

 

 

 慌ててユニに付いて行くネプギア。

 

 

(……さっきのネプギアの【好き】はいつもの好きと意味が違った気がする)

 

 

 ユニはそう思いながらも、それをネプギアは本人には確認できずにいた。

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