新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
神次元でプルルートを救い出した頃、ネプギア達はニョグタと戦闘をしていた。
スライムのような体をしたニョグタは、体を自由自在に変化させてネプギア達を襲って来る。
ニョグタが体の一部を槍のように伸ばしてネプギアを襲う。
「くっ……速い」
parry。ネプギアはM.P.B.Lのブレード部分でそれを防ぐ。
ニョグタの動きはボークが操っていた時より明らかに速くなっている。
「このっ!」
ネプテューヌが太刀でネプギアを襲ったニョグタの一部を切り裂くと、52万のダメージと共にニョグタの一部は斬り落とされる。
しかし、斬り落とされたニョグタの残骸は直ぐに再生し、別のニョグタになる。
「くっ……まるでプラナリアね」
アイエフの言う通り、攻撃しても攻撃しても斬り落としたり、飛び散ったりした部分が再生して別のニョグタになる。
その性質はプラナリアに酷似していた。
「でも、ダメージは与えられるわ。ダメージを与え続けていけばきっと倒せるはず」
ネプテューヌがそう言いながら、増えたニョグタを切り裂く。
ニョグタは、54万ダメージを受けて真っ二つになるが、先程と同じように再生をして二匹になる。
「そんなことしてる内に部屋がコイツ等で埋め尽くされるわ」
アイエフがそう言ってネプテューヌの言うことに反論する。
「さっきからどんどん増えてるです~! もう嫌ですぅ~!」
コンパも涙声で訴える。
アイエフとコンパが言う、先程から増え続けるニョグタはプラネテューヌ最上階に溢れていた。
「お姉ちゃん、一旦下がろう。このままじゃキリがないよ」
ネプギアの提案に、「そうね。そうしましょ」とネプテューヌが同意する。
気絶したボークをアイエフが抱えて階段に向かおうとするネプギア達だが、既に階段はニョグタの群れに塞がれていた。
「外に出ましょう。アイエフさんとコンパさんは疑似プロセッサユニットを装備して下さい」
ネプギアはそう言うとボムを投げて壁を破壊する。
ボムで出来た穴を通って、外に出たネプギア達は異様な光景を目にすることになる。
それは、プラネテューヌの街一面を覆う緑色のスライムだった。
来た時もプラネタワーの一部が緑色のスライムに覆われていたが、今は街全体が覆われていた。
「プラネテューヌが……わたしの街がニョグタに侵食されている……」
ネプテューヌが震える声で言う。
その声は怒りと悔しさが入り混じっているようだった。
「来たときはここまでじゃなかったのに、いつの間に……」
ネプギアがそう言うと、「無事だったのね、ネプギア」とユニが飛んでくる。
続けてロムとラムとプラエが飛んで来て、「ネプテューヌちゃんも無事だったんだ。良かった」とロムが言い、「心配したのよ」とラムが言う。
「みんな、これは一体どういうことなの? 何でこんなにニョグタが増えてるの?」
ネプギアが質問すると、「にょぐた?」とプラエが首を傾げる。
そんなプラエに対して、「この緑色のスライムの名前。邪神の一味でニョグタって名前なの」とネプギアが説明をする。
「アタシ達にも分からないわ。急に増え始めて攻撃をしてくるようになったのよ」
ユニがそう言って答えると、「しかも、攻撃しても分裂して増えるのよー!」とラムが憤慨する。
ニョグタのプラナリアのような特性は街を覆うものも同様のようだ。
「どうしたらいい? ネプギアちゃん」
ロムがネプギアをすがるような目で見る。
しかし、ネプギアは首を左右に振り、「ごめんね。私にもどうしたらいいか分からないの」と答える。
すると、「そんな……ネプギアお姉さんでも分からないの」と言ってプラエが顔を俯かせる。
「とりあえず、避難所まで戻ってイストワール様に相談しましょ。何かいいアイデアがあるかもしれないわ」
アイエフがそう言うと、「そうですね。ねぷねぷも着替えた方がいいですし」とコンパがそれに続く。
「もう逃げ遅れた人はいないかな……」
ネプギアが心配そうに言うが、「それは大丈夫よ。アタシ達やお姉ちゃん達が街を全部回って避難させたわ」とユニが答える。
「そうよ、わたし達頑張ったんだから」
ラムがそう言って胸を張ると、「がんばったよ。ネプギアちゃん」とロムも言う。
更に、「プラエも頑張ったんだよ」とプラエが続く。
ネプギアはそんな三人の頭を順々に優しくなでると、「ありがとう、みんな」と優しい声で言った。
ロム達は気持ち良さそうに目を細める。
「お姉ちゃん達にも一旦避難所まで下がるよう連絡したわ。ニョグタの方はこれ以上増えないよう軍が監視してくれるそうよ」
ユニがネプギアに向けて言う。
ネプギアがロム達の頭を撫でている間に、ノワール達と連絡を取ってくれたのだ
「ありがとう、ユニちゃん。それじゃあ一旦戻ろう」
ネプギアがそう言うと、全員避難所まで飛んでいった。
***
避難地に戻ったネプギア達は天幕の中でニョグタに対抗する会議をしていた。
休憩も兼ねているので女神達は女神化を解いている。
「なんなの? あのニョグタって化け物は剣で斬っても銃で撃っても、残骸が再生してキリがないわ」
ノワールが不満そうに叫ぶ。
するとブランが、「同意ね。あれを倒すには特別な何かが必要だと思うわ」と答えた。
「その何かって何なのさー! わたしの街があんな緑色のベトベトのドロドロで覆われちゃってるんだよ? 早くなんとかしてよー!」
ネプテューヌが目をバッテンにして抗議すると、「落ち着きなさいな。それを考える為の会議ですわ」とベールがネプテューヌを宥める。
「イストワール様は何か心当たりはありませんか?」
アイエフがそう尋ねると、「……残念ながら」とイストワールが首を左右に振る。
それを聞いたコンパは悲しそうな顔で、「そんな~」と言った。
「今、ニトロプラスさんが魔導書で調べてくれているので、その結果を待ちましょう」
イストワールがそう言うと、「ニトロプラスが?」とファミ通が首を傾げる。
すると、「はい、邪神に関してはニトロプラスさんが詳しいので」とイストワールが答える。
「しかし、本当に対策なんてあるのかな? あたしも色々やってみたけど数が増えるだけだったよ」
ファルコムがそう言うと、「がすとの錬金術でもダメでしたの」とがすとが言う。
それを聞いた日本一が、「やっぱり、こういう時はヒーローらしく正面から正々堂々だよ」と言うが、「日本一の意見は参考になりませんの」とがすとがダメ出しをする。
すると、「力押しじゃダメなのか?」とうずめが目を丸くする。
そんなうずめを見たネプギアは、「あはは……うずめさんらしいですね」と苦笑いを浮かべる。
「いっそのこと核攻撃とかしちゃえば」
ビーシャの言葉に、「おいおい、物騒なこと言うなよ。それに核なんて簡単に使える訳ないだろ?」とシーシャが至極真っ当なことを言う。
「再びゴールドサァドの理想を掲げるために、黄金の頂成就のために、プラネテューヌよ、わたしは帰ってきた!!」
ビーシャがそう叫ぶと、「アニメの見過ぎだ……」とエスーシャが冷ややかにツッコミをする。
「私の神機で攻撃してもダメだったし、こうなったらニトロプラスの魔導書が頼りだよ」
ゴッドイーターがそう言うと同時に、ニトロプラスが、「待たせたわね」と言って天幕に入って来る。
「ニトロプラスさん!」
ネプギアが喜びの声を上げると、「何か対策が見つかったの?」とユニが尋ねる。
すると、「ええ、一応ね」と言ってニトロプラスが頷く。
「なになに? 教えて教えて!!」
ラムがそう言ってニトロプラスに駆け寄ると、「わたしも知りたい(うずうず)」とロムも駆け寄る。
「ニョグタにはヴィク・ヴィラジと呼ばれる呪文が有効なの。それを使えば分裂を抑えられるわ」
ニトロプラスがそう言うと、「ヴィク・ヴィラジ?」とプラエが首を傾げる。
「このネクロノミコンに書かれている呪文よ」
ニトロプラスが一冊の本をポーチから呼び出す。
「それで、一応っていうのはどういう意味なの?」
ブランがニトロプラスに尋ねる。
するとニトロプラスは難しい顔をして、「この呪文が通用するのは、成長していないニョグタだけなの」と言う。
「成長してないって、今全開バリバリの成長中だよ~!」
ネプテューヌがそう言うと、「と、言うとは、もう通用しない可能性が高いですわね」とベールも困った声で言う。
更に、「もー、使えないなー。やり直し」とネプテューヌが言うが、「お姉ちゃん、失礼だよ。折角調べてくれたのに」とネプギアがフォローを入れる。
「いえ、ネプテューヌの言う通りよ。役に立たなくてごめんさい」
ニトロプラスがそう言って謝ると、「これで振りだしね……」とノワールが残念そうに言う。
「何とか、ヴィク・ヴィラジの呪文が使えないでしょうか?」
ネプギアがそう言うと、「効果が限定的なのよ。人一人がヴィク・ヴィラジの呪文を唱えても、人一人分のニョグタの性質を封じることしかできないの」
「それなら、みんなで唱えればいいじゃない!」
ラムが左手を元気よく上げて提案すると、「あれだけの規模相手に、わたし達全員が唱えても焼け石に水よ」とブランがダメ出しをする。
「だったら他のみんなも一緒に唱えよ(もじもじ)」
今度はロムがおずおずと手を上げながら提案する。
それを聞いたニトロプラスは残念そうに首を左右に振ると、「それだと、呪文がバラバラになって効果が無くなってしまうの」と言う。
「と、言うことは、大勢で声を揃えて呪文を唱えれば効果があるってことですか?」
ネプギアの言葉に、「それが出来ればね」とニトロプラスが答える。
「確かに今のニョグタに対抗するには、プラネテューヌ全人口が合唱するぐらいの規模が必要になってしまうでしょう」
イストワールがそう説明すると、「私達が、みんなを合唱させてみせます」とネプギアが言った。
するとユニが、「ネプギア、何を考えているの?」と質問する。
ネプギアはその質問に対して、「私達が歌を作るんだよ。ヴィク・ヴィラジの呪文で」と答える。
「歌を……作る?」
プラエが不思議そうな顔で首を傾げる。
「なにそれ面白そう! わたし達もやるー!」
ラムが元気よく左手を上げながら言うと、「わたしも一緒にやりたい」とロムも立候補する。
それを聞いたユニも、「アタシも手伝うわ」と言う。
「プラエちゃんも一緒にやろ。ミクちゃんも呼んで、グランプリ・ユナイテッドで、ヴィク・ヴィラジの歌を作るの」
ネプギアがそう言うと、「うん、やろうネプギアお姉さん」とプラエも頷く。
「ヴィク・ヴィラジの呪文って歌にしても効果がありますの?」
ベールがニトロプラスに質問をすると、「わからないわ。でも、重要なワードさえ押さえておけば歌にしても効果があるかもしれない」とニトロプラスが答える。
「ダメで元々! ここはネプギア達に任せてみようよ!」
ネプテューヌがそう言うと、「そうね。そうしましょ」とノワールが言い、「何かあれば言ってちょうだい。協力するわ」とブランも同意した。
***
G.C.2021年3月26日 金曜日。
ネプギア達、グランプリ・ユナイテッドがヴィク・ヴィラジの歌を作り始めてから三日が経った。
歌を完成し、ネプギア達は各国の軍隊を率いて、プラネテューヌを覆うニョグタと対峙していた。
後方にはプラネテューヌ市民とシスティーナ市民が配られた歌詞カードを持って、やや不安そうにしている。
軍の先頭には女神化した女神達が浮遊していた。
「いよいよだね」
エレキギターを持ったネプギアが緊張の面持ち言う。
すると、「ええ、絶対に成功させるわよ」とベースギターを持ったユニが言う。
「大丈夫だよ。わたし達なら絶対に成功するわ」
浮遊するドラムセットに乗った、ラムが元気よく言う。
このドラムセットはネプギアが改造し、GGシステムにより浮くようになった上にラムの意志で自由に移動できるのだ。
「うん、頑張ろう」
同じくロムが言う。
彼女もラムと同じように浮遊するキーボードを持っていた。
「プラエ達の音楽でニョグタを倒す」
プラエが力強く言う。
その手にはバイオリンが握らていた。
「私も精一杯歌うね。ネギちゃん」
ミクがマイクを握りながら言う。
疑似プロセッサユニットを装備すればミクも飛行できるのだ。
「それじゃあ、行くわ。頼んだわよ、ネプギア」
ネプテューヌはそう言うと、ニョグタに向かって行く。
ノワール、ブラン、ベール、うずめもその後に続く。
更にプルルートなど、この三日の間で合流した神次元の女神達も一緒だ。
「それじゃあ、ミュージックスタート!」
ミクが叫ぶ。
同時にネプギアが、「意気軒昂! 開け昂次元!」と昂次元を展開させながらエレキギターを奏で始める。
ユニ達もネプギアに続いて楽器を奏で始めミクが歌を歌い始める。
ネプギア達も楽器を奏でながら一緒に歌う。
音楽はヘリコプターや戦車に搭載されたスピーカーにより周囲に響き渡った。
「みんな、グランプリ・ユナイテッドと一緒に歌って!」
音楽が始まったのを確認したアイエフが後方にいる市民達に声をかける。
「おねがいします~!」
コンパも同じように市民達に声がけをする。
他の仲間達も市民に向けての声がけをしている。
すると、歌詞カードを持った市民達が合唱を始める。
その歌声は、ネプギア達の歌と同じようにヘリコプターや戦車に搭載されたスピーカーにより戦場に全てに響き渡った。
「みんなの歌が聞こえてくるわ」
ノワールが嬉しそうに言うと、「なんだか応援されてるみたいだな」とブランも嬉しそうに言う。
すると、「ネプギアちゃんが、ヴィク・ヴィラジの呪文を応援歌ふうにアレンジしたと言ってましたわ」とベールが言う。
「うーん! 元気満タン!! うずめ頑張っちゃうぞー!」
うずめが元気よく叫ぶ。
「あっちは元気がなくなってるみたいだけどね~。うふふっ、イジメがいがあるわ」
プルルートがそう言いながらニョグタを見る。
プルルートが言うように、プラネテューヌの街に張り付いているニョグタは、遠目にも苦しそうに蠢いていた。
「ヴィク・ヴィラジの歌が効いてるみたいね。みんな、一気にいくわよ」
ネプテューヌはそう叫ぶとプロセッサユニットのブースターを全開にしてニョグタに覆われたプラネテューヌを目指す。
***
ニョグタに覆われたプラネテューヌの街に入るネプテューヌ達。
同時に壁や地面に張り付いたニョグタ達がネプテューヌ達に襲い掛かる。
「ていっ!!」
ノワールが飛び掛かって来たニョグタを大剣で真っ二つに切り裂く。
「おらあっ!!」
同じくブランも戦斧でニョグタを切り裂き、「甘いですわ」とベールも槍の連続突きでニョグタをハチの巣にする。
女神達に迎撃されたニョグタは、地面に落ちると灰色になって砂のように消え去っていった。
「やったよ! 再生しない! ぎあっち達の歌のおかげだね」
うずめがVサインをしながら嬉しそうに言う。
すると、「これなら勝ち目があるわ。みんな、プラネテューヌの街をニョグタから解放して!」とネプテューヌが言う。
「プラネテューヌの街は広いわ。二手に分かれましょう」
ノワールが提案すると、「そうだな。超次元チームと神次元チームで分かれるか」とブランが言う。
「了解よ~。行くわよ、みんな」
プルルートがそれに同意すると、神次元のメンバーを連れて別行動を始める。
「わたし達も急ぎましょう!」
ネプテューヌがそう言うと超次元のメンバーは神次元のメンバーとは逆方向に向かう。
ネプテューヌ達は、ニョグタに覆われたプラネテューヌの街を、無人の野を行くがごとく駆け抜ける。
実際は壁や床に張り付いたニョグタが次々と襲い掛かって来ているのだが、ネプテューヌ達はそれをもの凄いスピードで倒しているのだ。
その光景は正に無双ゲームであった。
「再生さえしなければ、大したことありませんわ」
ベールが槍を振り回しながら言う。
ベールが槍を一回転する度に数十匹のニョグタが砂になる。
「うずめの敵じゃないよ! ほにゃあああああああ!!!」
うずめが拡声器で叫ぶと直線上のニョグタが次々と砂になっていく。
「街のニョグタも大分浄化したな。後は神次元の連中に任せて、わたし達はプラネタワーに入ろうぜ」
ブランがそう言うと、「そうね。私、神次元のメンバーに連絡しとくわ」とノワールがU.N.Iで神次元のメンバーと連絡を取る。
「プラネタワーの最上階には、ニョグタの本体がいるわ。気をつけましょう」
ネプテューヌがそう言うと、「了解ですわ」とベールが答える。
***
プラネタワーを目指す超次元の女神達。
その最中、ニョグタの動きに変化が起きていた。
「ニョグタが仕掛けてこなくなったわ」
ノワールが不思議そうに言う。
今までは壁や地面に張り付いていたニョグタはネプテューヌ達を見つけ次第襲ってきたが、今はネプテューヌ達を無視して移動をしているのだ。
「わたし達に恐れをなしたんじゃねぇか」
ブランが自信満々に答えるが、「いえ、違いますわ。これは集合しているのではなくて?」とベールが分析をする。
「嫌な予感がするわ。急ぎましょう!」
ネプテューヌがそう言うと同時に、「ねぷっち! アレ見てアレ!!」と言って、うずめがプラネタワーの方向を指差す。
「なに……アレは……!!」
ノワールが驚きの声を上げる。
そこにはプラネタワーに並び立つように緑色の巨人が佇んでいた。
プラネタワーより高い、巨人の迫力は凄まじいものだった。
「まさか、街全部のニョグタが合体したって言うのか!?」
ブランが驚愕の声で叫ぶと、それと同時に巨人となったニョグタが動く。
「仕掛けてくるよ。みんな気を付けて」
うずめの言葉と同時に、巨人ニョグタが右足を上げる。
その挙動を見たベールが、「踏みつぶそうと言いますの!?」と大声で焦る。
「みんな! 急いで逃げて!!」
ネプテューヌの号令と共に散り散りになって逃げる超次元の女神達。
次の瞬間、巨人ニョグタの足が地面を踏みつける。
「みんな、無事!?」
ネプテューヌの無事を確認する声に、「大丈夫よ」とノワールが答え、他の女神も自分の無事をアピールする。
「よくもやりやがったな!」
ブランが戦斧で巨人ニョグタの足を切り裂く。
しかし、ダメージが当たっている気配は見えない。
「ダメですわ。こんな巨大な相手に普通に攻撃しても効きませんわ」
ベールの言葉に、「じゃあ、どうすればいいんだよ!」とブランが叫ぶ。
「くっ……折角、分裂を封じたのに……」
悔しそうに唇を噛むネプテューヌ。
***
巨人化したニョグタの威容は少し離れた場所で音楽を奏でていたネプギア達にも見えていた。
ネプギア達は驚きのあまり演奏を止めて、立ち尽くしてしまう。
「なに……なんなのあれ?」
ユニが呆然としながら言うと、「あんなの大きいのどうすればいいのよー!」とラムが叫ぶ。
「お姉ちゃん達、大丈夫かな……」
ロムが心配そうに言うと、「どうしよう? ネプギアお姉さん」とプラエがネプギアに問いかける。
「わたしにもどうればいいか……」
ネプギアがそこまで言いかけると、ネプギアの頭に【ピピピピピピピピピピピピ】と音が鳴る。
ネプギアはその音がギアシステムの音だと気付くと、「ギアシステムが呼んでる?」と呟く。
「いーすんさん、ギアシステムを起動して下さい」
ネプギアが側でネプギア達の演奏を見守ってたイストワールに声を掛ける。
イストワールは、「わかりました」と頷くとギアシステムを起動させる。
その直後、ネプギアの頭の中に様々な情報が入って来る。
全ての情報を処理したネプギアは、「神聖なる歌の結界……これなら!」と力強く言う。
「何か方法があるの?」
ユニがネプギアに問いかける。
ネプギアは小さく頷くと、「うん!」と答え、「みんな、お姉ちゃん達を助けに行こう! 楽器はそのまま持って来て」と言って浮かび上がる。
ネプギアの指示通り楽器を持つ女神候補生とプラエ。
「ネギちゃん、私はどうしたらいい?」
ミクがネプギアに質問すると、「ミクちゃんも一緒に来て、ミクちゃんの歌も必要なの」とネプギアが言う。
ネプギアの言葉にミクは、「うん」と頷くとネプギア達と一緒に飛んでいく。
***
その頃、先行した超次元と神次元の女神達は巨人ニョグタに手も足も出ないでいた。
「さっきから好き勝手に暴れて! わたしの街がメチャクチャだわ!」
巨人ニョグタの踏みつけを避けたネプテューヌが悔しそうに言う。
「このあたしが逃げ回るだけなんて、腹が立つわね!」
プルルートがそう言いながら、巨人ニョグタの足に電撃魔法を放つが巨人ニョグタにはダメージすら出ない。
「もー! ここまで大きいとシェアリングフィールドも効かないよー!」
うずめがそう言うと同時に、うずめに巨人ニョグタの足の裏が迫って来る。
うずめは、「ほにゃ~~~」と叫びながら巨人ニョグタの足を慌てて避ける。
「動きが鈍いのが唯一の救いですわね」
ベールが後退しながら言う。
同じくブランも後退しながら、「だが、このままじゃ、どうにもならないぜ」と答える。
そこにネプギア達女神候補生とプラエとミクが降りてくる。
「お姉ちゃん、助けに来たよ」
ネプギアの声に、「ネプギア? どうして?」とネプテューヌが困惑の顔を見せる。
「歌の方はどうしたのよ?」
ノワールがそう質問すると、「今は中断よ。直ぐに再開するわ」とユニが答える。
ここに来るまでの間に、ネプギアはこれから何をするのかをアークスを通じてユニ達に教えていた。
「再開? こんな場所でか?」
ブランが不思議そうに尋ねると、「アイツに、間近でわたし達の歌を聞かせてやるのよ!」とラムが言うと、「わたし達の歌を聞かせるよ!」とロムもそれに続く。
「一体なにをしますの?」
そう言って首を傾げるベールに、「プラエ達に任せて下さい」とプラエが言った。
「みんな、行くよ!」
ネプギアがそう言うと、女神候補生とプラエは散り散りに飛び去って行く。
巨人ニョグタは両手を使い飛び上がったネプギア達を捕まえようとするが、ネプギア達はそれを上手く避けて行く。
「ぎあっち達なにするんだろう……」
ネプギア達を見上げる、うずめ。
そんなうずめに対して、「ネプギア達を信じましょう。うずめ」とネプテューヌが言った。
「こちら、ユニ。配置についたわ」
ユニがアークスを通じて仲間達に連絡を入れる。
続けて、「こちら、ラム! 配置オッケーよ!」とラムの元気の良い声が聞こえてくる。
それに対してネプギアが、「了解」と応答すると、「ロムちゃんとプラエちゃんは?」と尋ねる。
「ちょっと待って……」
ロムがそう答えると、「プラエもちょっと待って欲しい……」とプラエが言う。
二人は巨人ニョグタの手から逃げ回りながら必死に配置につこうとしていた。
そんな二人に対して、ネプギアは、「二人とも落ち着いて。焦らなくていいんだよ」と優しい声で言った。
「「うん!!」」
ネプギアの優しい声に嬉しそうに答えるロムとプラエ。
暫くすると、「こちら、ロム。配置についたよ」とロムの声がし、「プラエも出来たよ」とプラエの声もした。
ネプギア達は、ネプギアを頂点とした四角錐形のピラミッドを作り、それで巨人ニョグタの頭を囲うように配置していた。
「みんな、声を揃えて心を一つにして!」
ネプギアがそう叫ぶと、ユニ達は力強く頷く。
「「「「「邪悪なる者に討ち克つ力を! 破邪顕正! セイクリッド・ディメンション・ジオメトリー!!」」」」」
ネプギア達が叫ぶと、薄紫色の光の線がネプギア達を繋ぐ。
「!?」
薄紫色の光のピラミッドに拘束された巨人ニョグタの頭が苦しそうに蠢く。
「ミクちゃん出番だよ!」
ネプギアがそう叫ぶと、ネプギアの隣で浮いていたミクが頷く。
「オッケー、ネギちゃん!! それじゃ、また歌っちゃうよ!! ヴィク・ヴィラジの歌!!」
ミクがそう叫ぶと、ネプギア達はセイクリッド・ディメンション・ジオメトリーを展開させながら演奏を始める。
同時にミクが歌い始め、ネプギア達も一緒に歌い始める。
「!?!?!?!?!?」
巨人ニョグタは更に苦しそうに蠢く。
「効いてる! 効いてるよ! ネプギアの言った通りだわ!」
ラムが嬉しそうに言うと、「まだまだ序の口よ。本番はこれから!」とユニが叫ぶ。
同時にネプギア達が歌うボリュームを上げる。
ネプギア達の歌が大音響でプラネテューヌの街に響き渡る。
「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
巨人ニョグタが激しく痙攣をする。
「まだまだ終わらないよ。みんな、一緒に歌おう」
ロムがそう言うと、「みんな、プラエ達と一緒に歌って!」とプラエが呼びかけるように言う。
それと同時に、三機のヘリコプターが現れる。
ヘリコプターはネプギア達の隣でホバリングをすると、大音響でヴィク・ヴィラジの歌を流し始める。
先程と同じようにネプギア達と合唱している市民の歌を、スピーカーで流しているのだ。
ギアシステムがネプギアに示したのは、セイクリッド・ディメンション・ジオメトリーで閉じ込めたニョグタに直接ヴィク・ヴィラジの歌を聞かせるというものだった。
遠くから歌っているより何倍もの効果があるようで、今の苦しんでいるニョグタがその証だ。
「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
更に激しく痙攣する巨人ニョグタ。
そして巨人ニョグタに変化が起こる。
「色が変わってくよ」
プラエがそう言うと、「灰色になっちゃったわね。何か燃え尽きたみたい」とラムがそれに続く。
二人の言う通り、巨人ニョグタの色が緑色から灰色に変わってしまったのだ。
「それに、どんどん縮んでくよ」
ロムがそう言うと、「塩を掛けられたナメクジみたいね」とユニが言う。
彼女達が言う通り、巨人ニョグタはどんどん小さくなっていった。
「みんな、逃がしちゃダメだよ!」
ネプギアがそう言って、縮んで行く巨人ニョグタを追いかけるように下降する。
仲間達とヘリコプターもそれに続いた。
巨人ニョグタはどんどん縮んで、その大きさが十メートル前後まで小さくなる。
すると、ネプテューヌ達女神が浮き上がって来て、「ここまで小さくなればこっちのものね」と言って太刀を構える。
同時に他の女神達も武器を構えた。
すると、「エネミーの推定最大HP10億」とNギアからの解析データがネプギアの耳に聞こえてくる。
「お姉ちゃん、気を付けて。敵のHPは10億もあるよ!」
ネプギアはそう言ってネプテューヌに注意を促す。
しかし、ネプテューヌは、「余裕よ。行くわよ、みんな」と叫ぶ。
その言葉に、超次元と神次元の女神達が頷く。
同時に超次元と神次元のノワールが飛び出す。
「足を引っ張るんじゃないわよ!」
ノワールがそう言うと、「そっちこそ!」と神次元のノワールが答える。
二人のノワールはニョグタを挟むように配置すると、「「ダブルインフィニットスラッシュ!!」」と二人して高速の剣技で切り刻む。
「わたし達も行くぞ!」
ブランがそう言うと、「ああ、任せておけ」と神次元のブランが答える。
二人のブランはニョグタの正面に立つと、「「ダブルハードブレイク!!」」と言って二人して力強い連続技を叩き込む。
「次はわたくし達ですわ!」
ベールがそう言うと、「わたくし達の神速の槍術見切れるかしら」と神次元のベールが答える。
二人のベールはニョグタの前後に配置すると、「「ダブルスパイラルブレイク!!」」と入れ替わり立ち替わりのコンビネーションを見せる。
「流石はほぼ同一人物ね。息がピッタリだわ」
ネプテューヌはそう言って感心すると、「ぷるるん、行くわよ!」とプルルートに声を掛ける。
プルルートは嬉しそうな顔で、「いいわよぉ、ねぷちゃん」と言うと二人して、「「プラネテューヌの女神」」と怒涛の連続攻撃でニョグタを攻撃する。
「ママー! ぴぃ達も一緒にやろ!」
ピーシェがキセイジョウ・レイをそう言って誘うと、キセイジョウ・レイが、「ええ?!」と慌てた声を上げる。
「まずは、ぴぃが行くから、ママはそれに合わせて!!」
そう言ってピーシェがニョグタに突っ込んで行くと、「と、とにかく援護を!!」と慌てるキセイジョウ・レイ。
だが、直ぐに顔が豹変し、「援護なんて生ぬるいことやってられないわ! これでトドメよ! 覇光の光芒!!」と言ってニョグタに向けていつもより巨大な赤黒い魔法の弾を放つ。
魔法の弾はニョグタに当たると大爆発を起こした。
「きゃははははーー! ママすごーーーい!」
ピーシェはそう言って喜ぶと、「ぴぃも負けてられないよー!」と言って、「カルネージファング!!」と叫びながらニョグタにパンチとキックの連続攻撃を加える。
「まじぇっち。残り物どうし頑張ろうね」
うずめがマジェコンヌに向けて言う。
すると、マジェコンヌは不機嫌そうな顔で、「残り物は止めろ」と言う。
「まずはうずめから! 必殺! 烈破夢双絶掌!!」
うずめがニョグタに、連続パンチから拡声器を使った音波攻撃を加えると、「食らえ! 終焉の導き!」とマジェコンヌが巨大な黒い魔法の弾を放った。
魔法の弾はニョグタに当たると大爆発を起こす。
「それじゃあ、ラストよ! 決めるわよみんな!!」
ネプテューヌがそう言うと、超次元の女神、ネプテューヌ、ノワール、ブラン、ベールが並ぶ。
「あたし達も行くわよ~」
プルルートがそう言うと、神次元の女神、プルルート、神次元のノワール、神次元のブラン、神次元のベールが並ぶ。
「今こそ、超次元の力と神次元の力を一つにする!!」
ネプテューヌが叫ぶ。
同時に八人の女神が光り輝く。
「あれはツインドライブ! しかも四つも!?」
ネプギアが驚きの声を上げる。
続けて、「お姉ちゃん達と神次元のお姉ちゃん達が同調を起こして、ツインドライブになっているの?」とユニも驚きの声を上げる。
「「「「「「「「シェアリングガーディアンフォーーーーーーースッ!!!」」」」」」」」
八人の女神が声を揃えて叫ぶ。
同時に巨大な極太ビームがニョグタを焼き払う。
様々な女神から連続攻撃を受けた上にビームで焼かれたニョクダは、31億の大ダメージを受けて、【オーバーキル×2】の文字と共に消滅する。
「やったーーー! 勝ったわ!」
ラムが万歳をして喜ぶと、「流石はお姉ちゃん達」とロムも小さくガッツポーズをする。
「これで、戦いは終わりだよね……」
プラエがそう言うと、「うん、そうだよ。お疲れ様」とネプギアは言ってプラエの頭を優しく撫でた。