新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
約一週間後。G.C.2021年5月29日 土曜日
今日はゴッデスファイトの開催日。
会場はゲイムギョウ界の中央に位置するコロシアム。
初日の今日に予選が行われ、明日に決勝トーナメントとなる。
「やっほー! 焼きそば、たこ焼、プリンわたがしー!」
会場には以前に行われた神次元の感謝祭のようにネプテューヌが出店の料理を両手に持ちながら、大はしゃぎをしていた。
「ねぷちゃ~ん、待って~」
その後ろを、ゆっくりと追いかけるプルルート。
「緊迫感の欠片もないわね」
その様子を見ていたブランが呆れたように言う。
「ネプテューヌ、そんなに食べて前みたいにお腹痛いなんてなっても知らないわよ?」
ノワールがネプテューヌを注意するが、「えー? 食べ過ぎてお腹痛いなんてノワールってばカッコ悪ぃ~」とネプテューヌが返すと、「あなたのことよ! あなたの!?」と大声で言い返すことになる。
以前のダゴンの時の戦いの失敗はもうネプテューヌの頭の中には無いようだ。
「それにしても、随分な人手ですわね。迷子になってしまいそうですわ」
ベールが人波を見ながら言うと、「それはそうよ。全ゲイムギョウ界の人達が、わたしが優勝するのを見に来ているのだから」とブランがさらりとドヤ顔で言い放つ。
「何言ってるの? 優勝するのは私よ」
その発言にすかさず言い返すノワール。
「寝言は寝てから言って欲しいですわね。優勝はわたくしですわ」
更に間髪入れずにベールも言い返す。
「ゆうひょうひゃわひゃひ!」
いつの間にか戻って来たネプテューヌも話に加わるが口いっぱいに食べ物を頬張っているので何言ってるのか分からない。
「……食べ終わってから言いなさい」
ノワールが呆れ半分にネプテューヌを注意する。
「……ごっくん! 優勝するのは、わたしだよー! なんてったって主人公なんだから!」
食べ終わったネプテューヌがここぞとばかりにアピールするが、「もうあなたなんて眼中ないわよ。ネプギアに勝てなかったじゃないの」とノワールに冷ややかに言われてしまう。
「あの子は要注意ね。コストもわたし達と同じ3000だし」
ブランが真剣な顔で言うと、「コストと言えば、プルルートが2500なのは意外でしたわね」とベールが言う。
「あたし、最近成長率が落ちてるんだよね~。レベル上げてもあんまりパラメータ伸びないの~」
プルルートがいつもの調子で言うと、「その割にはあんまり悲壮感がないわね」とノワールがツッコミをする。
「困ると言えば困るけど~、今はねぷちゃんが一緒で幸せだから、どうでもいいかな~って」
プルルートが幸せそうに言うと、「そうだね。わたしとぷるるんが一緒なら何とかなるよ。いざって時は秘密の店でドーピングアイテム買い漁ればいいし」とネプテューヌが答える。
「ドーピングアイテムは安くないわよ。プラネテューヌの資産で買えるのかしら? それとメンバーカードが無いと秘密の店には入れないわよ」
ブランが落ち着いた声で言うと、「ドーピングアイテム使うなら、ネプギアちゃん達みたいな可愛らしい子やイケメンな殿方がいいですわ」とベールがそれに続く。
「何の話よ何の。それより、ネプギアはどうしてプラエと組んだのかしら? てっきりユニと組むと思ったのに」
ノワールの質問に、「多分、プラエちゃんの噂を何とかしたかったんだと思うよ」とネプテューヌが両手を後頭部におきながら、あっさりと答える。
「なるほど……あの子らしい考えね。さすがは腐っても姉ね」
ブランがそう言って納得する。
「ネプギアちゃんの姉はわた……」
「「「違う」」」
ベールも姉アピールしようとするが、即座にネプテューヌ、ノワール、ブランのトリプルツッコミを受けてしまう。
「ごめんねぇ~、あの時あたしが余計なこと言わなければ良かったんだよね~」
プルルートが少し落ち込みながら言う。
プラエの正体が全ゲイムギョウ界に伝わったのも、プルルートがプラエを責めている時に全国ネットで伝わってしまったからだ。
「ぷるるんの所為じゃないよ。いずれは分かっちゃうことだと思うし」
ネプテューヌがそう言うと、「下手に隠してバレるよりはいいかもね」とノワールがそれに続く。
「ネプギアの気持ちは分かったけど、そんな理由で手を抜いてあげるほどこの大会は甘くない」
ブランの言葉に、「残念ですけど、わたくしも手心加える気はありませんわ」とベールも続く。
「この大会は守護女神の力を知らしめるには絶好の機会よ。女神候補生なんかに負ける訳にはいかないわ」
ノワールが右手でツインテールをかき上げながら言うと、「ノワール、それフラグだってば~。それに今のネプギア達はシスティーナの守護女神だよ」とネプテューヌが言う。
するとノワールはもの凄い剣幕でネプテューヌを睨み、「フラグなんかじゃないわよ! それにあの子達が私と同じ守護女神ですって!? 冗談じゃないわ! あんな半人前の子達と一緒にされたらたまらないわ!」と怒気を含んだ声で言い返す。
「それには同意。あの子達が守護女神を名乗るは百年早いわ」
ブランが冷静だがやや不機嫌な声で言うと、「わたくしも同列にはまだ早いと思いますわ」とベールも落ち着いた声でそれに続く。
「えー? みんな厳しすぎないー?」
ネプテューヌが不服そうに言うと、「そもそも、あなたがカオスアニマなんかに誘惑された上に、あの子達に負けるから守護女神の評判が落ちるのよ!」とノワールが怒鳴るが「えー? そんなにわたし悪いー?」とネプテューヌが反省の素振りも無く言う。
「悪いわよっ! そもそもあの戦争が無ければユニは……」
「ノワール!」
何かを言いかけたノワールをブランが止める。
彼女にしては強くハッキリした物言いだった。
「……それ以上は言わない方がいいわ。今言ってもどうにもならないことよ」
ブランが落ち着いた声でそう言うと、「……そうね。とにかく! 優勝するのは私よ。全ゲイムギョウ界、特にシスティーナには私の力を分からせてあげるわ!」とノワールが腕組みしながら息巻く。
「そうは行かないわ。あの子達の為にもルウィーの真の力を分からせてあげる」
ブランが落ち着いてはいるが力強い声で言うと、「わたくしも負けるつもりはさらさらありませんわ」とベールもそれに続く。
「優勝って言葉は、私達を倒してから言って欲しいわね」
後ろからネプテューヌ達に声を掛けたのは神次元のノワールだった。
「あー! ジェネリック・ノワール」
ネプテューヌが神次元のノワールを指差しながら言うと、「誰がジェネリックよ!」と神次元のノワールが激昂する。
「でも、コスト2500でしょ? ジェネリックじゃん」
ネプテューヌが悪ぶれも無く言うと、「あれは何かの間違いよ! 直ぐに私の方が上だって分からせてやるんだから!」と神次元のノワールが言うが、「聞き捨てならないわね。この前の戦争でも勝ってたのは私よ」とノワールがすぐさま口を挟む。
「あれはプルルートを説得する為に、仕方なく休戦してあげたのよ。あのままやってたら私が勝ってたのよ!」
神次元のノワールがそう言うと、「「ぬぬぬぬぬ!!」」とノワールと神次元のノワールがにらみ合いを始めてしまう。
「コストなんて他人の評価。戦いで必要なのはココよ」
神次元のブランが右手の人差し指で頭をコンコンしながら言う。
どうやら神次元のノワールと一緒だったようだ。
「それには同意だけど、頭脳も方もわたしの方が上よ」
ブランが落ち着いた声で言い返すと、「またまたぁー、二人とも冗談が上手いなー」とネプテューヌが茶化す。
「「誰が冗談だゴルァ!!」」
ネプテューヌに対して同時にキレるブランと神次元のブラン。
「神次元のノワールとブランが居ると言うことは……」
ベールがそう言うと、「勿論、わたくしもいますわ」と神次元のベールが返事をする。
「この度はご愁傷様でしたわ。マジェコンヌと組まなければならないなんて」
ベールが悲しげに言うと、「ええ……ピーシェちゃんがどうしてもお母さんと組みたいと言うので、やむなしですわ」と神次元のベールも悲し気に答える。
「何がやむなしだ! お前がナスの売約をしたから仕方なく付き合ってやるんだぞ!!」
マジェコンヌが青筋を立てながら話に加わると、「マザコングまで出るなんてねー、わたしも驚きだよ」とネプテューヌが答える。
「ふん、直に貴様を倒す為でもあるし、私の住む次元が貴様の住む次元より勝ってるのを証明する為でもある」
マジェコンヌがそう言うと、「まだ諦めてないの? 何回やってもわたしの勝ちだよ」とネプテューヌがあっけらかんと言う。
「ええい! 今度こそはだ! 見ていろネプテューヌ!」
マジェコンヌはそう言いながらネプテューヌを指差す。
「えとえと! 今日はよろしくお願いします!」
キセイジョウ・レイがそう言いながら思いっきり頭を下げる。
「レイさんだ~、レイさん、コスト3000なんだって? 凄いねー」
プルルートの言葉に、「私じゃなくて、タリの女神の力ですよ……」とキセイジョウ・レイが落ち込んだ声で答える。
「でもぉ~、使いこなせて来てるんだから凄いと思うな~」
プルルートはそう言いながらにこやかに微笑む。
「ところで、ピー子は?」
ネプテューヌの質問に、「あの子はアノネデスさんと屋台に……」とキセイジョウ・レイが言いかけると、「ねぷてぬー!」と元気のよい声が聞こえて来る。
「おおう! ぴー……おうふっ!?」
喜び勇んでピーシェを迎えようとしたネプテューヌだが、ピーシェのジャンピングヘッドバットを顔面に食らってしまう。
「わわわわっ!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 頭突きはダメでって言ってるでしょ!」
キセイジョウ・レイがぺこぺことネプテューヌに謝りながらピーシェを叱るが、「ねぷてぬだから平気だもん」とピーシェは嬉しそうにしている。
「気にしない気にしない。ピー子ならいつものことだしね」
ネプテューヌはそう言うと、爽やかにサムズアップをした。
「ところで、ピー子。今日の試合のルールって分かってる?」
ネプテューヌの質問に、「よくわかんない! とりあえず近づいて倒せばいいんだよね!」とピーシェは笑顔で答える。
「ピーシェちゃん、今日の試合はコスト管理とかが需要で~」
プルルートがピーシェに説明しようとするが、「それ、ママにも言われたけど全然わかんない!」とピーシェが答える。
「大丈夫かなー?」
ネプテューヌが不安そうに言うと、「大丈夫だろう、腐ってもタリの女神だ。予選ぐらいは突破できるだろう」とマジェコンヌが答える。
***
その頃、ネプギア達は控室で5pb.と再会していた。
「お久しぶりです。5pb.さん、オンガクギョウ界ではお世話になりました」
ネプギアがそう言いながら軽く一礼すると、「ボクの方こそお世話になりっぱなしだよ」と5pb.が答える。
「今日はリーンボックスの代表の一人として手合わせ願うわ」
5pb.の隣に居た女性が言う。
赤い髪を短めのツインテールにして白い服を着ている冷静そうな大人の女性だ。
「はい、よろしくお願いしますね。ケイブさん」
ネプギアはその女性をケイブと呼んで軽く頭を下げる。
ケイブはリーンボックスの特命課に所属する女性だ。
「5pb.さん達はアタシ達と同じブロックよね。よろしく」
ユニがそう言って右手を出すと、5pb.も右手を出して、「よろしく」と握手をする。
続て、「いいファイトにしましょう」とケイブとも握手をする。
「俺は天王星うずめ。ゆにっちと同じチームだ。よろしくな」
うずめがそう言いながら右手を出すと、「零次元の噂は聞いてます。よろしくお願いします」と5pb.が握手し、「報告書は読ませてもらったわ。よろしく」とケイブとも握手する。
「くっそぉーーー! 離せーーー!」
突然ドアの向こうから大声が聞こえて来る。
「この声、トールじゃないかな?」
ラムがそう言うと、「うん、トールさんだと思う(こくこく)」とロムが頷く。
トールはシスティーナに住む獣人の長だ。
そしてドアが開くと現れたのは、鎖でぐるぐる巻きにされたトールと、その鎖を持った妖精の長であるオーディンであった。
他にもシスティーナに住むデミヒューマンの長達が居た。
「久しぶりじゃなのぉ。お嬢ちゃん達」
オーディンがそう言うと、「お久しぶりです。ところで、トールさんに何があったんですか?」とネプギアが尋ねる。
「……あの人間どもが獣人をバカにしやがったんだ」
トールはそう言うと、そっぽを向いてしまう。
「お主は前世から、頭に血が上りやすいのが欠点じゃ。しばらく大人しくしておれ」
オーディンがそう言うと、「だが、奴等は獣人だけじゃない。システィーナのデミヒューマンを差別してやがる」とトールが憎々し気に言う。
「そうね。人間に差別されているのは分かっていたけど、ここまでとは思わなかったわ」
エルフの長のビィトリットがそう言うと、「システィーナや嬢ちゃん達が特別だと言うことを思い知らされるわい」とドワーフの長のホルランドが続く。
「観客席も他の国とシスティーナは大分離れているな」
ホビットの長のフレイがそう言うと、「ごめんなさい。私達も頑張ったんですけど、無用のトラブルを避ける為だと……」とネプギアが申し訳なさそうに言う。
「いいわ。確かに無用なトラブルを避ける為の賢明な判断よ」
人魚の長のルルドの意見に、「だが、差別と言う壁は明らかに感じるな」と鳥人の長のヘイムダルが答える。
「失礼するよ」
そう言って控室に入って来たのは、ラステイションの教祖、神宮寺ケイだった。
その隣にはルウィーの教祖、西沢ミナも居た。
「むっ……何の用よ」
ケイを見たユニがあらかさまに不機嫌な顔をする。
「そう睨まないでくれないか? まぁ、用件はユニが想像している通りだけどね」
ケイが冷静な声で言うと、「アタシは帰らないわよ! アタシはシスティーナの女神なんだから!」とユニが腕組みしながら、そっぽを向く。
「まだ子供じみた守護女神ごっこを続ける気かい?」
涼し気な声で言うケイに、「ごっこじゃないわ! アタシ達は真剣に国を作ってるつもりよ! 少しづつだけどそれも形になってる!」とユニが反論する。
「君たちに対する世間一般の評価を知らない訳でもないだろう? もう少し冷静になってくれないか?」
ケイの言葉に、「アタシは冷静よ! それに周りの評価ぐらいで挫ける程、ヤワじゃないわ!」とユニが大声で言う。
「ノワールの立場も分かって欲しい。彼女にとっても苦渋の決断だったんだ……」
ケイがやや辛そうに言うと、「お姉ちゃんは守護女神でしょ!? ラステイションで一番偉いんでしょ! 前に言ったスポンサーって言うのがそんなに偉いの!!」とユニがムキになって言い返す。
「偉いさ。ゲイムギョウ界より高位の次元、現実世界の世界的大企業だ。彼等にとってはラステイションはゲイムギョウ界の支部に過ぎない」
ケイが冷静な声で言い返すと、「……だからって」とユニが言葉に詰まってしまう。
「U.N.Iの事は残念だったと思う。だが気持ちを切り替えて、ノワールを支えてやってはくれないか?」
ケイは落ち着いた声で言うが、「嫌よ! アタシには夢がある! お姉ちゃんみたいな、ううん! お姉ちゃん以上の守護女神になって、ブレイブとの約束、全ての人が分け隔てなくゲームを楽しめる世の中を作るのよ!」とユニが真剣な声で言い返す。
「ふぅ……未だにそんなことを夢見てるのかい?」
ケイがため息をついて呆れたふうに言うと、「できるわ! アタシとネプギア、みんなと一緒なら絶対に出来る!」とユニが答える。
「では、どうあっても戻らないと?」
ケイが落ち着いた声で言うと、「戻らないわ!」とユニがハッキリと答える。
「じゃあ、取引と行こう。このゴッデスファイトでノワールが優勝したら戻る。君達システィーナの女神やその協力者が優勝したら戻らない。そして君たちの事には今後口出ししないと約束した上にシスティーナと同盟を結んであげるよ。同盟を組めばシスティーナのデミヒューマンへの風当たりも和らぐと思う」
ケイがそう言うと、「ロムとラムもそれでいいですか? ブラン様かノワール様が優勝したら戻ると言うことで」とミナがロムとラムに言う。
「え!? わたし達も?」
ラムがそう言って驚くと、「あなた達もユニさんと同じ気持ちなのでしょう?」とミナが落ち着いた声で言う。
「でも(おろおろ)」
ロムはそれだけ言うと俯いてしまう。
同時に、ユニもラムも黙ってしまう。
沈黙を破ったのは丁寧に一礼して、「僭越ながら、ご意見をさせていただいてもよろしいでしょうか?」と言ったサンジェルマンだった。
「なに? サンジェルマン。意見があるなら聞かせてちょうだい」
ユニがそう言うと、「恐れながら、我が国システィーナは新興の弱小国です。ラステイションとルウィーがその気になれば、いつでも攻め滅ぼせます。そのラステイションとルウィーとの同盟が組めると言うことは大きなメリットであると愚考します。その上に姉君達の許可を得られるとなれば、受けない手はないかと」とサンジェルマンが答える。
「僕も賛成だね。そうすれば、軍事防衛に当てる費用をハードの開発に向けることが出来る」
松下コウが眼鏡を押し上げながら言うと、「ユニさん達には大きな賭けになってしまいますが、この申し出はチャンスでもあります」とイストワールが続けて言う。
「でも、ユニちゃん達が賭けの対象だなんて……」
ネプギアがそう言うと、「いいわ。その賭け乗るわ」とユニがハッキリと言う。
「ユニちゃん!?」
驚きの声を上げるネプギアに、「大丈夫。アタシ達は勝つわ。そうでしょ? ロム、ラム」とロムとラムに声を掛ける。
すると、「そうね! 絶対に勝つわ」とラムが、「負けないよ(ぐっ)」とロムが頷く。
「それにこれはシスティーナの為でもあるし、デミヒューマンのみんなの為でもあるわ」
ユニがそう言うと、「契約成立だね」とケイが少し嬉しそうに言う。
その後、ケイとミナの用意した書類にユニとロムとラムがサインをするとケイとミナは去って行った。
「ネプギア、絶対に勝つわよ」
ユニが強気な声で言うと、「うん! これがシスティーナのはじめの一歩! 頑張ろう!」とネプギアも小さくガッツポーズをする。
***
その頃、ノワール控室ではケイがノワールに契約書を見せていた。
「そう……ユニは了解したのね」
ノワールがそう呟くと、「ノワール。分かってはいると思うけど失敗は許されないよ」とケイが厳しめの声で言う。
「わかってるわよ。ぴーし大陸がカオス化してエクペスが不調だから、今になってユニを連れ戻せだなんて……誰の所為でユニが出て行ったと思ってるのよ!!!」
ノワールが怒りを込めて壁を殴る。
「ノワール……気持ちは分かるけど」
ケイが辛そうに言うと、「そうね……。守護女神なんて言っても、スポンサーの前ではゲイムギョウ界の支部長に過ぎないわ。妹すらも守れない哀れな中間管理職よ」とノワールが自嘲気味に言う。
***
同じ頃、ブランもミナからの報告を受けていた。
「ありがとう、ミナ。これであの子達も大人しく帰ってくるわ」
ブランがそう言って感謝の言葉を述べると、「はい、これで元老院様達も静かになりますね」とミナが答える。
「元老院様達の言うことも分かるけど……今になって二人を連れ戻せだなんて……テメェ等がもっとロムとラムに気を使ってればこんなことにはならなかったんだよ!!!」
ブランはそう怒鳴ると思いっきり机を叩く。
「ブラン様……文子様達へ、そのような発言は……」
ミナが注意するように言うと、「そうね。文子様や元老院の方々はルウィーやゲイムギョウ界を守って来た偉大な先達。ごめんなさい、以後注意するようにするわ」
ブランはそう言いながらも、拳を固く握りしめていた。
こうして様々な思惑が巡る第一回ゴッデスファイトが開催されたのだ。