新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2021年5月29日 土曜日の午後
ゴッデスファイトの予選が開催され会場は熱い熱気に包まれていた。
コロシアムの上空で八つのグループが同時に予選を開始しているのだ。
「はああああ!!」
気合の叫びと共に変身したネプテューヌことパープルハートがプロセッサユニットのブースターを全開にして直進する。
「うっ、うわああ!? 来るな来るな!」
ネプテューヌが向かった先には、疑似プロセッサユニットを装備した一人の男戦士が叫びながら拳銃を乱射している。
「甘い!」
ネプテューヌはプロセッサユニットのスラスターを使って左右に回避運動すると、あっさりと弾を避けながら接近していく。
「これで終わりよ!」
ネプテューヌが男戦士を太刀で袈裟切りにすると、2525のダメージが当たって男戦士は戦闘不能になる。
ビーーーー
同時に大きなブザー音が鳴る。
「そこまで! 勝者ネプテューヌチーム!」
エフーシャが右手を上げてネプテューヌ達の勝利を宣言する。
「ありがとうございました。パープルハート様」
「いい経験になりました」
男戦士とそのパートナがネプテューヌに向けて頭を下げながらお礼を言う。
「あなた達もなかなか手強かったわ。次はブーストダッシュを効果的に使うといいわ」
ネプテューヌは男戦士達と握手しながら、アドバイスをしていた。
ネプテューヌとプルルートのチームはプルルートのプレッシャーで弱体化した相手をネプテューヌが速攻で狩ると言う戦術で圧勝を繰り返していた。
「またも女神様のチームが勝ちましたね。イストワール様、やはり疑似プロセッサユニットを装備したとは言え女神様に勝つのは至難の業ではないのですか?」
司会席に居るファミ通が隣に居る解説者のイストワールに質問をする。
「そうですね。基本的なパラメータ差もありますが、女神様は空中での戦闘に慣れていますから、いくら修行を積んでもその差を埋めることは並大抵のことではないでしょう」
イストワールが答えると、「確かに、私達もまだ空中の戦闘には慣れていませんからね」とファミ通が答える。
「またまた、女神様の勝利です。今度はホワイトハート様のチームです」
デンゲキコがそう言うと、バトルフィールドではホワイトハートに変身したブランが対戦相手と握手をしていた。
「ありがとうございました。流石はホワイトハート様、私達の攻撃が全然通りませんでした」
対戦相手の女性剣士達が握手しながら言うと、「お前達の攻撃も悪くはなかった。だがビビったらおしまいだ。気合を入れてもう一歩踏み込んでみろ」とブランがアドバイスをしていた。
ブランとミナのチームは、ブランが壁として先頭に立ち後衛のミナが魔法で援護する堅実な戦いで勝利を収めていた。
「おおっと! こちらも勝負がつきそうだ! 流石はグリーンハート様! 凄まじい機動力だ!!」
デンゲキコが別の方を向くと、そこにはグリーンハートに変身したベールが縦横無尽にバトルフィールドを駆けていた。
「は、速過ぎる!? ここかっ! ここかっ!」
対戦者の男性が銃を撃つが、その弾は一発としてベールに当たらなかった。
「無駄ですわ!」
ベールはその隙を逃さず、ブースターを全開にして男性に急接近すると、「チェックメイトですわ」と言って高速の連続突きを繰り出す。
「うわああ!」
男性が2235のダメージを受けると戦闘不能になり、試合終了のブザー音が鳴る。
「お手合わせありがとうございます、グリーンハート様。全く手が出ませんでした」
男性達が頭を下げながらそう言うと、「あなた達も筋は良いですわ。次はスピードに惑わされないように」とベールがアドバイスをする。
ベールとチカは共に圧倒的な機動力を見せて、蝶のように舞い蜂のように刺す高速戦闘で、ほぼノーダメージで完勝していた。
「今回のルールなら女神様に勝てると思っていたチームも多いかと思いますが、文字通り手も足も出ませんね」
ファミ通がそう言うと、「女神様と一般の参加者の皆さんではこの大会にかける意気込みの差もありますね」とイストワールが答える。
「意気込みの差と言うと?」
ファミ通の質問に、「このグラフを見て下さい」とイストワールが右手にホログラムのグラフを呼び出す。
そこには、薄紫色、紫、黒、白、緑、オレンジの6色の棒グラフがあった。
「これはシェアのグラフでしょうか?」
ファミ通がそう言うと、「はい。薄紫色がシスティーナ、紫がプラネテューヌ、黒がラステイション、白がルウィー、緑がリーンボックス、オレンジが零次元です」とイストワールが答える。
「あっ! 今、グラフが少し上がりましたね」
ファミ通の言うとり、紫と白と緑のグラフが僅かに上昇していた。
「このゴッデスファイトは、大勢の人達に女神様の力をアピールするチャンスでもあります」
イストワールがそこまで言うと、「今度は黒のグラフが上がりました」とファミ通言い、「ブラックハート様、見事な快勝です! 遠近共に隙がありません!」とデンゲキコの声が聞こえて来る。
「あなた達も力量は十分だけど、近接戦闘に寄り過ぎね。次は射撃をもう少し混ぜるといいわ」
バトルフィールドではブラックハートに変身したノワールが対戦相手と握手をしていた。
ノワールとケイは共に接近攻撃と射撃攻撃のバランスが良く相手に応じた変幻自在の攻めで、次々と勝利を収めていた。
「直接試合には関係ありませんが、このグラフのシスティーナのシェアがかなり低いようですけど」
ファミ通の質問に、「新興国のシスティーナの女神様は、国内では高い人気を誇りますが、ゲイムギョウ界全土ではまだその実力を認められてはいません。その為、今回のゴッデスファイトは初めての大舞台になるでしょう。今後の活躍に期待しましょう」とイストワールが答える。
「こちらも勝負がつきました。流石はライラックプレッジ様とネリネプレッジ様です」
デンゲキコがそう言う先には、変身したネプギアとプラエが対戦相手であろう二人と握手していた。
プラネテューヌから独立したネプギアはパープルシスターの名前を誓約花のライラックプレッジに改めていた。
「完敗です。新人の女神様なら勝てると思ってたけど甘かったです。手も足も出ませんでした」
対戦相手がそう言うと、「私達もこの戦いで学ぶものがありました。対戦ありがとうございます」とネプギアが握手した。
ネプギアとプラエのコンビは時間操作でネプギアを高速化し、ネプギアが敵陣を一気に乱した後にプラエが遊撃するという形勝利を収めていた。
「こっちも勝負ありです! グラジオラスプレッジ様とオレンジハート様の勝利です」
デンゲキコがそう言って指差したのは、変身したユニとうずめであった。
ユニもブラックシスターからグラジオラスプレッジに名前を改めたのだ。
「見事な狙撃です。全然避けられませんでした」
対戦相手の賞賛に、「あなた達の反応も悪くなかったわ。ロックオンされたら俊敏に回避運動をとることね」とユニが握手しながらアドバイスする。
ユニとうずめのコンビは前衛がうずめ、後衛がユニのスタンダードなフォーメーションながら守りの硬いうずめとユニの正確な射撃で勝利を収めて行った。
「おおっと! こちらも決着がつきました。デイジープレッジ様とガーベラプレッジ様の圧勝です」
そう言うデンゲキコの視線の先には、変身したロムとラムが居た。
デイジープレッジがロムでガーベラプレッジがラムの新しい女神名だ。
「もの凄い魔法の弾幕でした。女神様の力を甘く見てました」
対戦相手がそう言うと、「アンタ達も弱くはないわ。わたしとロムちゃんが最強過ぎるのよ」とラムが握手しながら勝ち誇る。
ロムとラムは双子ならではの完璧な呼吸で遠距離から攻撃魔法の弾幕で相手を圧倒する戦いで勝利して行った。
「システィーナの女神様達が三連勝ですね。やはり、このルールでも女神様に勝つのは不可能なのでしょうか?」
ファミ通の質問に、「いえ、そんなことはありません。今までの戦いは全て力量も経験も女神様が上だっただけのことです。経験が上回れば女神様と言えど……」とイストワールが答えようとすると、「おおっと! これは大判狂わせかー!?」とデンゲキコの大声が聞こえて来る。
「どうしましたか? デンゲキコさん」
ファミ通がデンゲキコに尋ねると、「第八グループのファルコムさんとミリオンアーサーさんのコンビが、キセイジョウ・レイさんとピーシェちゃんのコンビに善戦してるんです」とデンゲキコが答える。
「くそぉぉぉ!! 落ちなさいよ!!」
キセイジョウ・レイが赤黒い魔法の弾を連射する。
「相変わらず凄い弾幕だけど、もうあたしには通じないよ」
ファルコムはそう言うと、疑似プロセッサユニットのスラスターを巧みに噴射させて上下左右に動き魔法の弾の弾幕を縫うように回避していく。
「なにっ!?」
驚きの声を上げるキセイジョウ・レイの正面にファルコムがもの凄いスピードで接近していく。
「たあああああ!!!」
ファルコムが気合の叫びと共にドラゴンスレイヤーの連続攻撃を決めると、キセイジョウ・レイに1835のダメージが当たって、キセイジョウ・レイのHPゲージが残り三割になり吹っ飛ばされる。
「よしっ! いいぞファルコム!」
ファルコムの活躍を賞賛するミリオンアーサー。
こちらはピーシェと戦っていた。
「なんで? どうして? ぴぃ勝ったのにー!」
ピーシェが焦りの声を上げる。
「うむ。確かに見事な勝利であった。だがこの戦いはチーム戦でありコスト制なのだ。コストが残っている限り我々は何度でも立ち上がるぞ」
ミリオンアーサーがピーシェに説明をするが、「むー! 良くわからないけど、ぴぃ何回でも勝つもん!」とピーシェがミリオンアーサーにブースターを全開にして飛んでいく。
「剣魔法ソーサリアン!!」
「きゃあっ!?」
しかし、横からファルコムの魔法剣による遠距離攻撃が飛んで来るとピーシェは直撃を受けて1122のダメージを受ける。
キセイジョウ・レイに吹き飛ばし攻撃を決めたので、その隙にミリオンアーサーの援護に駆け付けたのだ。
「良い援護だ! ここでコンボを決めてこその王!!」
ミリオンアーサーはそう言うと、ダメージ受けて硬直してるピーシェに素早く接近するとエクスカリバーによる連続攻撃決めて、1511のダメージを与えて吹き飛ばさせる。
ピーシェ残りHPゲージは一割程だ。
「これは……低コストであるファルコムさん達が、高コストのキセイジョウ・レイさん達を手玉に取っていますね」
イストワールがそう言うと、「しかし、ファルコムさん達の残りコストは3000でキセイジョウ・レイさん達は6000も残ってますよ」とファミ通言う。
「ですが、流れは完全にファルコムさん達にあると言えます。デンゲキコさん、この戦いはどのようになっていますか?」
イストワールの質問に、「最初はキセイジョウ・レイさんとピーシェちゃんが圧倒的に有利だったんですけど、ファルコムさん達が1墜ちしてから急に動きが良くなって、今の状況になっています」とデンゲキコが伝える。
1墜ちとは1回戦闘不能になることを指す。
「くっ! やってくれたわね!!」
吹き飛ばしから戻って来たキセイジョウ・レイが怒りの形相でファルコムに向かって来る。
「やはり向こうはチーム戦だと言うことを理解してないと見える。迎え撃つぞ。ファルコム!」
ミリオンアーサーがそう言うと、「了解!」とファルコムが答える。
「この! この! この!」
キセイジョウ・レイが赤黒い魔法の弾を全周囲にばら撒く。
「その攻撃も見切ってるよ!」
ファルコムはそう言うと、先程と同じようにスラスターを巧みに噴射させて魔法の弾を回避していく。
「何で当たらないの!?」
キセイジョウ・レイが驚いている間にファルコムはあっという間に距離を詰める。
「確かに君は強い。パワーもスピードもあたしより全然上だ。でも、戦い方がワンパターンな上にブーストダッシュに無駄が多い!」
ファルコムはそう言いながら先程と同じドラゴンスレイヤーによるコンボ攻撃を決めると1952のダメージを与えるとキセイジョウ・レイは戦闘不能になる。
「あたしはこれぐらい。ううん、これ以上のパワー差がある相手と何度も戦ってきたんだ。もう負けないよ」
ファルコムがそう言うと、「ファルコム、今度は向こうだ!」とミリオンアーサーが指差しながら言う。
「よくも、ママをーーー!」
ミリオンアーサーの指差した先にはピーシェが怒りの形相で突っ込んで来る。
「ファルコム、十字砲火だ」
ミリオンアーサーの言葉に、「了解」と答えるファルコム。
ファルコムとミリオンアーサーは一定の距離を保ちながらピーシェに魔法剣や召喚魔法による十字砲火の遠距離攻撃を加えて行く。
「むー! 近づいてこないならこっちから!!」
ピーシェがそう言いながらプロセッサユニットのブースターを全開にしてミリオンアーサーに突っ込んで行く。
しかし、「その隙、見逃さないよ! フォトンブレード!」とファルコムが魔法剣で攻撃すると、ピーシェに1632のダメージを受けて戦闘不能になる。
「おおっ! あっという間にキセイジョウ・レイさん側の残りコストが500に!」
ファミ通が言う通り、コスト3000のキセイジョウ・レイとコスト2500のピーシェがそれぞれ1墜ちしたので残りコストが500になったのだ。
「ファルコムさん達は完全に二対一の状況を作り出している上に、戦闘経験の方もファルコムさん達の方が上回っています。この勝負分かりませんよ」
イストワールが言う通り、キセイジョウ・レイもピーシェも女神としての力は一流だが共に力押しで戦ってきた経験が多いので戦闘経験は不足していると言える。
暫くするとキセイジョウ・レイが戦闘不能から復帰する。
一度、戦闘不能になると暫くの間は戦線に戻れないのだ。
「えっ!? 私だけ? ピーシェちゃんは?」
キセイジョウ・レイがそ言って戸惑うと、「悪いが先程撃墜させてもらった」とミリオンアーサーが答える。
コストが残っているので暫くすればピーシェも復帰するが、その間はキセイジョウ・レイ一人になる。
「今回は勝たせて貰うよ」
ファルコムがキセイジョウ・レイに素早く近づくと、ドラゴンスレイヤーで連続攻撃を決める。
***
「ママーー! 今助けるよ!」
ピーシェが戦闘不能から回復する頃には、キセイジョウ・レイのHPゲージは残り半分を切っていた。
「このまま、あたしがレイさんを仕留める。ミリオンアーサーはピーシェちゃんを足止めして」
ファルコムが指示を出すと、「了解だ。無理はするなよ? 我らはあと1墜ちしかできんぞ」とミリオンアーサーが答える。
「舐めるなぁ! 食らえ覇光の光芒!!」
キセイジョウ・レイが杖から巨大な赤黒い魔法の弾を放つ。
「そんな苦し紛れの必殺技!!」
ファルコムは素早く疑似プロセッサユニットのブースターを全開にして弾を避ける。
「くっ!?」
悔しそうに唸るキセイジョウ・レイ。
「必殺技って言うのはね、必ず当てられる状況を作ってから使うものだよ! こんなふうに!!」
ファルコムが構えながらキセイジョウ・レイに突っ込んで行く。
キセイジョウ・レイは攻撃後の硬直で動けない。
「月竜剣!!!」
ファルコムのドラゴンスレイヤーを使った豪快な連続斬りがキセイジョウ・レイにフルヒットする。
「きゃああああ!?」
キセイジョウ・レイは4320のダメージを受けると戦闘不能になってしまう。
ビーーーーー!!
戦闘終了を告げるブザー音が鳴る。
500コストしか残っていないキセイジョウ・レイのチームで3000コストのキセイジョウ・レイが撃墜されたので勝負がついたのだ。
「え? え? ぴぃ達の負けなの?」
ピーシェがおろおろしているところに、「いい勝負であった。お主達も経験を積めばもっと強くなるだろう」と言ってミリオンアーサーがピーシェに握手を求める。
「う~……。次はぴぃとママが勝つんだから」
ピーシェはそう言いながらも、ミリオンアーサーと握手をする。
「完敗でした。自分の力に驕っていました……」
キセイジョウ・レイがそう言うと、「いいファイトだったよ。また戦おう」とファルコムがキセイジョウ・レイと握手する。
「ファルコム選手とミリオンアーサー選手。ジャイアント・キリングです!! 何と女神様のチームを破ってしまいました!!」
デンゲキコが大声で叫ぶと、観客席から、「「「「きゃーーー!! ファルコム様ーーーー!!」」」」と女性の黄色い声援が聞こえて来る。
ジャイアント・キリングとは、大物食いや巨人殺しを意味する言葉。
格下のものが、実力差のある強豪に勝利することを指す。
スポーツなどにおいて、勝つと予想されたチームが負けたときに使用されるのが一般的だ。
「むぅ……ファルコムよ、そなたは女性に人気があるのだな。出来れば何人か紹介してはくれまいか?」
「何言ってるのよ、バカアーサー!!」
ミリオンアーサーに対してツッコミを入れるチーカマだった。
「まったく……神次元の恥さらしだな」
別のブロックで待機していたマジェコンヌがそう言って悪態をつくと、「やはり、ピーシェちゃんにチーム戦は難しかったのかしら?」と神次元のベールが首を傾げながら言う。
「ふわぁ~、ファルコムさんもミリオンアーサーさんも凄いなー」
プラエがそう言って関心していると、「プラエちゃんもああいうふうに出来るだけ二対一の状況を作り出して。逆一対二になりそうにならないように注意してね」とネプギアがアドバイスする。