新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2021年5月29日 土曜日の午後
ゴッデスファイト予選はついに終盤を迎えてきていた。
次の注目のカードは予選第四グループの最終戦。
遠近共に高水準で圧倒的な戦闘力を誇るラステイションの守護女神ノワールと、的確にそのサポートを行う神宮寺ケイのチーム。
対するは低コストながら接近戦で一撃必殺の剣技を持つ葛切あんみつと、遠近両用で攻撃力が高めの大きいネプテューヌのチームだ。
「第四グループの会場では、ブラックハート様と神宮寺ケイ様のチーム対あんみつさんと大きいネプテューヌさんによる最終戦が行われようとしています。この戦いの勝者が決勝トーナメントに駒を進めることになります」
デンゲキコの実況に、「この戦いは流石にノワール様の勝ちは揺るがないのでは? イストワール様はどう思われますか?」とファミ通がイストワールに質問する。
「分かりませんよ。あんみつさんの攻撃力は侮れませんし、何より別次元とは言えネプテューヌさんですから何かしてくれると言う期待感はあります」
イストワールの答えに、「なるほど、油断大敵と言うことですね」とファミ通が答える。
「そろそろ、試合開始です」
デンゲキコの言葉通り、ノワールのチームも大きいネプテューヌのチームもバトルフィールドの端に配置して審判の開始の合図を待っていた。
「ネプテューヌ殿、折り入ってお願いがあります」
戦闘前、あんみつは大きいネプテューヌに話しかけていた。
「なに? あんみつ。今日の晩御飯だったら、豚の生姜焼きがいいな、味噌汁は濃い目で」
大きいネプテューヌが気楽そうに答えると、「かしこまりました。しかし、お願いとは別のことです」とあんみつが冷静に返す。
「どーしたの? そんな深刻な顔しちゃって」
大きいネプテューヌは相変わらずの態度だ。
「ネプギア殿や皆様のお陰で、プラエ様は大きく成長なされた。もう私の庇護は必要ないでしょう」
あんみつがそう言うと、「さっきのプラエちゃん凄かったよねー! なーんか格ゲーみたいでさー」と大きいネプテューヌが答える。
「後の心配後は、この大会によるシスティーナの存続のみ」
あんみつの言葉に、「わたしもシスティーナが無くなったら困るし、寂しいなー。産地直送の新鮮素材でコンパとあんみつとフィナンシェの豪華料理が食べられるのはココだけだもん」と大きいネプテューヌが返す。
「プラエ様を見守る役目を終えた今。私は命をとして、この戦に臨むつもりです」
あんみつが真剣な声で言う。
「ちょっとちょっとー!? 命をとしてって重すぎない? ネプテューヌってそういう作品じゃないから」
大きいネプテューヌが得意のメタ発言を交えながら言うが、あんみつはゆっくりを首を左右に振り、「私はここを死地と定めました」と静かに言う。
「本気なの? あんみつ……」
流石の大きいネプテューヌも空気を読んでシリアス顔になってしまう。
「一瞬でいいんです。ノワール様に隙を作って下さい」
あんみつが頭を下げて頼むと、「それぐらいお安い御用だよー!」と大きいネプテューヌが笑顔でVサインをする。
「ただし、一つ条件があるよー!」
大きいネプテューヌが右手の人差し指を立てながらあんみつに言う。
「今日の晩御飯のデザートに、特製のプリンを付けること! 勿論、あんみつの手作りで!!」
大きいネプテューヌが腰に両手を当ててドヤ顔そう言うと、あんみつは一瞬キョトンとした顔になるが、直ぐに微笑みを浮かべ、「かしこまりました。必ず生きて帰って、ネプテューヌ殿に最高のプリンをご馳走します」と答えて丁寧に一礼した。
「よし! それじゃあ、行こうか」
大きいネプテューヌがそう言うと同時に、「それでは、ゴッデスファイトぉーー!」と審判が右手を大きく上げる。
「「「「レディィィィ……ゴォォォォ!!!」」」」
ノワールのチームと大きいネプテューヌのチームのメンバーの声が重なり会い、試合が開始される。
「速攻でケリをつけてあげるわ!」
ノワールがそう言いながらバトルフィールドの中央に向かって飛んで行くと、「ノワール、油断は禁物だよ」と言ってケイがその後をついて行く。
「来た来た。さっすがノワール、強気だねー」
大きいネプテューヌがそう言いながらバトルフィールドの中央に向かって飛んで行くと、「頼みましたぞ、ネプテューヌ殿」とあんみつが声を掛ける。
「かかって来なさい。二人まとめて蹴散らしてあげるわ」
ノワールはそう言うと、バトルフィールドの中央に陣取る。
「突出し過ぎた。ノワール!」
ケイが注意をするが、「問題ないわよ。こんな戦い肩慣らしにもならないわ」とノワールが一蹴する。
「悪いけど、そうも行かないよっ! システィーナ食堂はわたしが守る!」
大きいネプテューヌがそう言いながら、拳銃を撃ちながらノワールの右側に回り込む。
「ふん、食堂ですって? 次元が違ってもネプテューヌはネプテューヌね。食い意地ばかり張って」
ノワールはそう言うと、右手一本で大剣を扇風機のように回して、大きいネプテューヌの撃った弾を全て弾いてしまう。
「好機ッ!!」
その隙に、あんみつが刀を構えてノワールの左側に回り込む。
「好機なんて、私には万に一つもないわ」
ノワールはそう言いながら左手の拳銃を連射する。
「くっ! 流石はユニ殿の姉! 射撃も正確だ!」
あんみつはノワールの放った弾丸を必死で回避する。
「どうしたの? これで終わり? 私はここから一歩も動いてないわよ」
ノワールがつまらなそうに言う。
彼女の言う通り、大きいネプテューヌとあんみつの挟撃にも慌てることなく対応しているのだ。
「おおおっ! 流石はブラックハート様! 格が違う!」
デンゲキコの実況に、「やはり守護女神様の実力は圧倒的ですね」とファミ通が言うと、「そうですね。正攻法ではまず勝てないでしょう」とイストワールが答える。
「終わりならこっちから行くわよ!」
ノワールはそう言うと、両手で大剣を構える。
「えー? 気短過ぎない? せめて、【三分待ってやる】、ぐらいは言って欲しいなー!」
大きいネプテューヌはそう言いながらも、双剣を構えてノワールを迎撃しに行く。
接触したノワールと大きいネプテューヌが互いの武器で打ち合いを始める。
「援護しますぞ。旋風裂剣!」
あんみつがノワールに向けて竜巻を放つ。
「僕のことを忘れてもらっては困るな」
ケイがそう言いながら左手の拳銃を連射すると、弾丸は竜巻に当たり相殺される。
「くっ……的確な援護だ、出来る!」
あんみつがそう言いながらケイに向けて刀を構えると、「あの、じゃじゃ馬守護女神の面倒を見ているんだ。それなりに実力はあるつもりだよ」とケイも片手剣を構える。
「そらそらそらそら!!!」
ノワールが激しい打ち込みを大きいネプテューヌに食らわせる。
大型武器の大剣だが、そのスピードは凄まじく速く、双剣の大きいネプテューヌでも防戦一方だった。
「わわっ!? ちょっとタンマー!」
大きいネプテューヌが焦りの声を上げる。
「待たないわよ! そらっ!」
ノワールはそう言うと、大きいネプテューヌの腹に右回し蹴りを食らわせる。
「ぐふっ!?」
体をくの字に折る大きいネプテューヌ。
その隙にノワールが、「落ちなさい!!」と叫びながら大剣のコンボを大きいネプテューヌに食らわせる。
コンボの締めにまた回し蹴りで大きいネプテューヌを吹き飛ばすと、吹き飛ばされている大きいネプテューヌに向けて左手の拳銃を連射する。
攻撃を受けた大きいネプテューヌに2354のダメージを受けてHPゲージが残り五割になってしまう。
その横ではあんみつとケイが激しい鍔迫り合いを繰り広げていた。
「くっ……! 手強い……」
苦しそうに唸るあんみつ。
「君もかなりの手練れのようだけど、残念ながら疑似プロセッサユニットの性能差だね。パワーは僕の方が上だよ」
対するケイは余裕の態度で、あんみつを押し込む。
カキンッ!!
金属音と共にあんみつが鍔迫り合いに負けて態勢を崩す。
「はあっ!」
ケイはその隙を逃さず、片手剣によるコンボを決めると、ノワールと同じように回し蹴りをあんみつに食らわせ、左手の拳銃を連射して追撃する。
攻撃を受けたあんみつは1835のダメージを受けてHPゲージが残り五割以下になってしまう。
「どう? 圧倒的な実力差を見せつけられた気分は。大人しく降参して、ユニに帰り支度をするよう伝えておきなさい」
ノワールがそう言うと、「再就職先なら、ラステイションを用意してあげるよ。君たちの力ならシスティーナの倍の給金を出せると思う」とケイが言う。
「断るっ!! わが剣はプラエ様とシスティーナに掲げたのだ!」
あんみつが力強く断ると、「わたしは、さすらいの昆虫ハンターだからね。どっちかというと自然豊かなシスティーナの方がいいかな?」と大きいネプテューヌも断りの返事をする。
「交渉決裂か……残念だね」
ケイがそう言って首を左右に振ると、「じゃあ、そのまま二人仲良く二墜ちしなさい!!」と言ってノワールがプロセッサユニットのブースターを全開にして接近してくる。
「それもお断りっ!」
大きいネプテューヌがそう言うと、「あなた達に拒否権はないわ!」とノワールが接近しながら言い放つ。
「ところがあるんだなっ!」
大きいネプテューヌはそう言いながら右手を大きく掲げる。
「ネプテューヌ! 覚醒っ!!」
大きいネプテューヌのその言葉と同時に大きいネプテューヌが激しく発光する。
「なに!?」
思わず足を止めるノワール。
光りが収まると、そこにはビキニ姿でシースルーのパーカーを纏い、背中に黒く巨大なプロセッサユニットを装備し、そこから光の翼を生やしている、大きいネプテューヌがいた。
「何だ? 女神化とは違う何か……」
ケイが驚きの声を上げると、「ネプテューヌ殿、その姿は……」とあんみつも驚きの声を上げる。
「わたしの覚醒バージョン! 名付けてジェネレーターユニット!! 詳しく見たい人はアニメOVA2巻を観るか、『超次元ゲイム ネプテューヌ GameMaker R:Evolution』をプレイしてね!」
大きいネプテューヌはそう言いながらウィンクして横ピースを決める。
「そんなハッタリっ!」
ノワールはそう言うと、大きいネプテューヌに向けてブースターを全開にして飛んでいく。
「ところがそうでもないんだなっ!」
大きいネプテューヌはそう言うと、突進して来たノワールに対して回り込むように素早く移動すると、ノワールの側面を突く。
「この私の攻撃を見切った!?」
驚きの声を上げるノワール。
「これはさっきのお返しだよ!」
大きいネプテューヌはそう言うとプロセッサユニットに装備された専用の双剣を抜くと怒涛のコンボを始める。
「ノワール!!」
ケイが拳銃を構えて、大きいネプテューヌを狙ってコンボをカットをしようとするが、「甘いっ!」と一瞬で間合いを詰めて来たあんみつに刀で切り裂かれてしまう。
「ちっ!?」
焦りの声を上げるケイに、「決める! 弧月剣!!」と上昇しながらの斬り上げ攻撃を決める。
「うわっ!?」
ケイは2125のダメージを受けるとHPゲージが四割減少する。
同時に、「これはおまけだよ!」と大きいネプテューヌがさっきのお返しと言わんがばかりに、コンボの締めに回し蹴りをノワールに決めると、拳銃を連射して追撃する。
ノワールは2515のダメージを受けるがHPゲージの減少は二割ちょっとだ。
「うわー! 硬いね。今のコンボ自信あったんだけどなー、流石は守護女神様」
大きいネプテューヌがそう言うと、「ちゃらんぽらんなフリして、そんな隠し玉持ってたなんて、流石はネプテューヌね……」と態勢を整えたノワールが言う。
「主人公の覚醒は最後の最後までとっておくものだよっ!」
大きいネプテューヌがドヤ顔で言い放つ。
「それじゃあ、それで打ち止めって思っていいのね!」
ノワールはそう言いながら、大きいネプテューヌに向かって左手の拳銃を連射しながら突っ込んで行く。
「それはどうかなー? 主人公の二段三段変身はお約束だからね!」
avoid。大きいネプテューヌはスラスターを吹かしてノワールの射撃を回避するとノワールを迎え撃つように接近する。
「これは予想外の展開だー! ブラックハート様チームの圧勝と思われた試合ですが、大きいネプテューヌさんの変身で勝負の行方が分からなくなりましたー!」
デンゲキコの実況に、「これはひょっとしてひょっとしますか?」とファミ通も驚きを隠せない様子だ。
「まだ総合力はノワールさんの方が上かもしれませんが、勝機は十分あると思います。しかし、大きいネプテューヌさんがこんな変身を隠し持っていたなんて……」
イストワールも驚きつつを解説をする。
***
大きいネプテューヌとノワールが一進一退の攻防を繰り返す。
「アーッハハハハハ!! 燃える! 燃えてくるわ! 守護女神以外に私をここまで本気にさせる相手がいるなんて思わなかったわ!!」
ノワールが叫びながらブースターを全開にして飛び回る大きいネプテューヌを追い回す。
追いつき追いつかれ、何度も空中で切り結ぶノワールと大きいネプテューヌ。
切り結ぶ毎に激しい火花が散る。
「おおう!? 思った以上に好戦的かつハイテンション!」
ノワールの様子に驚きつつも彼女の振う大剣を双剣で受け止める大きいネプテューヌ。
「そこっ! 貰ったよ!」
大きいネプテューヌが一瞬の隙を突いて、ノワールに双剣で襲い掛かる。
大きいネプテューヌの双剣の連続攻撃が次々とノワールにヒットする。
「甘いっ!!」
ノワールが叫ぶとダメージを無視して大きいネプテューヌに反撃を繰り出す。
力を込めた大剣の一撃に吹き飛ばされる大きいネプテューヌ。
「いたた……スパアマってズルくない?」
大きいネプテューヌが受け身を取りながら抗議をする。
【スパアマ】とは、スーパーアーマーの略で敵から攻撃を受けてものけぞったり吹き飛んだりせず、行動を中断されずに続けられる状態のことを指す。
力自慢のキャラクターの攻撃モーションのいくつかには、この効果がある。
大きいネプテューヌは2284のダメージを受けるが、大きいネプテューヌの双剣コンボを途中まで受けたノワールも1724のダメージを受ける。
「アレを受けても、まだ生きているの? しぶといわね」
ノワールがそう言うと、「残念でしたー。残HP2のミリ残しだよー! 流石はノワール。ミリ残しの芸術点も高いねー」と大きいネプテューヌが残HPの割には明るい声で言う。
【ミリ残し】とは、ゲームやバトルなどで敵のHPゲージなどを削りきれず、ほんのわずか(1ミリ程度)だけ残してしまった状態を指す事だ。ギリギリであればあるほど芸術点が高いと言われている。
「こっちの次元のネプテューヌにそう言われるならまだしも。あなたにそんなこと言われる筋合いはないわ」
ノワールが素っ気なくそう言うと、「あれ? そう言うことは小さいわたしに言われるのは嬉しい?」と大きいネプテューヌが言う。
「違うわよっ! 私の話聞いてた!? まだしもって言ったよ、まだしもって!!」
ノワールの反論に、「ナイスツンデレっ!」と言いながら大きいネプテューヌがプロセッサユニットのブースターを全開にして接近する。
「あたたたたたたた!!!」
再び双剣でラッシュをするネプテューヌ。
しかし、ノワール先程と同じスーパーアーマーを持った攻撃でネプテューヌの攻撃を耐える。
「あんみつ。先落ちするよ!」
大きいネプテューヌがそう言うと、「承知!」とあんみつが短く返事をする。
それと同時に攻撃モーションが終わったノワールの力を溜めた一撃が大きいネプテューヌを吹き飛ばす。
吹き飛ばされた大きいネプテューヌは2310のダメージを受けて戦闘不能になるが、ノワールも1835のダメージを受ける。
ちなみに【先落ち】とは味方チームの中で一番最初に撃破されることを指す。
「あなたも落ちなさい!!」
大きいネプテューヌの撃破を確認したノワールがケイと戦っているあんみつを側面から襲い掛かる。
「不覚ッ!!」
ノワールの大剣によるコンボで2154のダメージを受けた、あんみつも戦闘不能になる。
コスト2000の大きいネプテューヌとコスト1500のあんみつが撃破されたので大きいネプテューヌ側の残コストは2500だ。
「ノワール! 冷静なれ。君らしくもない」
ケイがノワールを叱りつけるように言うと、「私は冷静よ!」とノワールが言い返す。
「君の実力なら、ネプテューヌさんをもっと楽に撃破出来ていた筈だ。それをスーパーアーマー戦術を二回も使って余計なダメージを……HPも半分以上減ってるじゃないか」
ケイの指摘に、「使う必要があったから使っただけよ。ケイには分からないでしょうけど、それだけの相手なのよネプテューヌは」とノワールが答える。
「ケイの方こそ苦戦し過ぎなんじゃないの? 何の為に高性能疑似プロセッサユニットを与えたと思ってるの。ちゃんと私のサポートをしてくれないかしら」
ノワールがそう言うと、「……そうだったね。すまない、少し油断し過ぎていたよ」とケイが素直に謝る。
「大きいネプテューヌさん達も善戦しましたが、やはり守護女神様は強い。そう簡単には行きませんでしたね」
ファミ通がそう言うと、「しかし、かなりの善戦であると言えます。ノワールさん、ケイさんのHPを半分以上削ってますし、今後の大きいネプテューヌさんの立ち回り次第では逆転もありえます」とイストワールが答える。
「立ち回り次第と言いますと?」
ファミ通の質問に、「例えば今かそれ以上のペースで戦って、次の出撃でノワールさんとケイさんを撃破した後に、大きいネプテューヌさんが先落ちしてケイさんを墜とせば勝利することもできるでしょう」とイストワールが答える。
イストワールの言うように現在の大きいネプテューヌの残コストが2500なので、大きいネプテューヌが先落ちすれば性能の高い大きいネプテューヌが三回目の出撃を臨めるが、あんみつが先落ちしてしまうと、大きいネプテューヌが撃墜された時点で負けなのだ。
イストワール達の解説の間に再出撃をした大きいネプテューヌとあんみつは接敵するまでの短い時間に会話を交わしてた。
「あんみつー。ノワールの隙作れそうだけど、行ける?」
大きいネプテューヌがそう言うと、「はい、いつでも」とあんみつが答える。
「あいあいさー! じゃあ、ここから主人公の逆転劇見せちゃうよー!」
大きいネプテューヌはそう言いながら、ねぷノートを開く。
***
「ネプテューヌ達の反応が消えた!?」
ノワールが驚きの声を上げる。
あと十数秒で接敵と言うところで、レーダーから大きいネプテューヌとあんみつの反応が消えたのだ。
「これは、もしかして……ケイ! 全周囲警戒!!」
ノワールがそう言った直後、「なっ!?」とケイの叫び声が聞こえて来る。
「いい勘してたけど、コンマ1秒遅かったね!」
「流石はネプテューヌ殿。見事な奇襲です」
突然ケイの背後に大きいネプテューヌとあんみつが現れたのだ。
「ちょいさー!」
「一閃!!」
大きいネプテューヌとあんみつの双剣と刀の同時攻撃が決まり、ケイは振り向く間もなく2751のダメージが受けて戦闘不能になる。
「やってくれたわね。ネプテューヌ!」
怒りをあらわにするノワール。
「言ったでしょ? 主人公の二段三段変身はお約束だって!」
大きいネプテューヌがドヤ顔を決めると、「クロワールの力でしょ!」とノワールが言い返す。
ノワールの言う通り、ねぷノートに入ったクロワールの力を使ってワープしてケイに奇襲を仕掛けたのだ。
「これはわたしとクロちゃんの友情パワーだよっ!!」
大きいネプテューヌはそう言いながら、ブースターを全開にしてノワールに真正面から突っ込んで行く。
「ノワール様、覚悟!!」
更にノワールの右側面から、あんみつが疑似プロセッサユニットのブースターを全開にして接近する。
「いいわ! 二人まとめて蹴散らしてあげる!!」
ノワールはそう言うと大剣に力を籠める。
先程、大きいネプテューヌを二度も圧倒したスーパーアーマー付きの攻撃だ。
突然、大きいネプテューヌがブーストダッシュと急停止させる。
「なにっ!?」
焦りの声を上げるノワール。
しかし、ノワールの腕は既に動いており攻撃を途中で止めることは出来ない。
「この瞬間を待っていたんだーーーー!」
大きいネプテューヌが双剣を構える。
(しまった!? 技を見せすぎた!!)
ノワールがそう思った時にはもう遅かった。
parry
大きいネプテューヌの双剣がノワールの大剣を弾く。
「この刹那に、我が人生の全てを賭けるっ!!」
無防備になったノワールに肉薄したあんみつが刀を構える。
「秘奥義!! 天覇凄煌剣!!!」
巨大なオーラを纏った刀の一撃がノワールに襲い掛かる。
バキーーーーン!!!
激しい金属音と共にノワールの大剣が木っ端微塵に砕け散る。
「おおおおおおおお!!!」
あんみつが雄叫びと共にノワールを袈裟切りに切り裂く。
「きゃああああ!?」
3021のダメージを受けて吹っ飛ばされるノワール。
「な、なにが! 何が起きたんだーーー! ブラックハート様の武器が粉々に!!」
焦りつつも実況をするデンゲキコ。
「あれはネオジェネシスの剣客に伝わる秘奥義、武器破壊技!!」
イストワールが解説すると、「武器破壊って、女神様の……守護女神様の武器ですよ!?」とファミ通が焦りつつ質問をする。
「あんみつさん程の達人ならそれも可能なのでしょう。現に破壊されているんです。これは本当に大きいネプテューヌさん達が勝ってしまうかもしれません」
イストワールの言葉通り、戦局は完全に大きいネプテューヌに傾こうとしていた。
「ぶ、武器が!?」
焦りの声を上げるノワール。
残りHPゲージは二割程しかない上に、大きいネプテューヌとあんみつに囲まれている。
「悪いけど、一気に決めさせてもらうよ!!」
「この勝機、逃すわけには行かない!!」
左から大きいネプテューヌ、右からあんみつがノワールを挟撃する。
「ちっ!」
ノワールはその場を離脱しようとするが一歩遅かった。
大きいネプテューヌとあんみつに同時に左右から斬り抜けられて、2421のダメージを受けると戦闘不能になる。
「私が!? この私が墜ちるっていうの!?」
怒りと驚きの声を上げるノワール。
先程、ケイが撃墜された上にノワールも撃墜されたので、ノワールチームの残りコストは1000だ。
ケイが撃墜された時点でノワールチームの負けになる。
「あんみつ! 速攻だよ!」
大きいネプテューヌはそう言うと、ねぷノートを開く。
「承知!!」
あんみつがそう言うと、大きいネプテューヌとあんみつは次元ゲートに入って行く。
***
「くううううっ!?」
苦悶の声を上げるケイ。
大きいネプテューヌ達がワープした先はケイが再出撃したばかりの地点だ。
突然の奇襲に対してケイは防戦一方だった。
(マズイ! ノワールと合流できなければ負ける!)
ケイはそう思いながら必死に大きいネプテューヌとあんみつの攻撃を回避するが次第にダメージが蓄積していく。
(仮にノワールと合流できたとしても、このダメージでは……しかも、ノワールの武器は破壊されてしまっている)
ケイのHPゲージは残り四割を切っていた。
その時になってようやくノワールが再出撃をするが、ケイとはかなり離れた地点の上に武器も破壊されたままだった。
「くっ! 間に合って! チェンジ・ネクストフォーム!!」
ノワールはそう言うと激しく発光しネクストフォームに変化する。
武器もネクストフォーム専用の物に切り替わるので丸腰ではなくなる。
ノワールはプロセッサユニットのブースターを全開にしてケイの救援に向かうが、ネクストフォームの最大速度でも間に合わない程戦況は悪化していた。
「ブラックハート様がネクストフォームに変身しましたが、これは間に合わないか!?」
デンゲキコの言葉通りケイは撃墜寸前だ。
仮に合流出来ても負けは必至だろう。
「私が、私が負けるなんて、許されないのよぉぉぉぉっ!! S-MAX!! ブラックパワーーーーーーーッ!!!」
ノワールがそう叫ぶと同時に、ノワールは黒いオーラを纏い速度が一気に倍以上になる。
「な、なんですかあれは!?」
ノワールのあまりの速度に驚きの声を上げるファミ通。
「まさか、ネプギアさんの発明したNG粒子によるシェアエネルギー強化をネクストフォームで!? ただでさえ負担大きいネクストフォームでそんな無茶をすれば命に関わります!」
イストワールが解説をしている間に、いきなりあんみつが跳ね飛ばされる。
「あんみつ!?」
驚きの声を上げる大きいネプテューヌだが次の瞬間、大きいネプテューヌも跳ね飛ばされる。
跳ね飛ばしたのは黒いオーラを纏ったノワールだった。
「おおおおおおおおおお!!!!」
ノワールは雄叫びを上げると上空に跳ね飛ばされた、大きいネプテューヌとあんみつに超高速で縦横無尽に体当たりを当て続ける。
その光景はまるでお手玉のようだった。
「あれは、シェアマックス!? 止めるんだノワール!! その力は未完成だ!!」
ケイが必死に叫ぶが、ノワールは止まらない。
「おおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
ノワールは叫びながら、大きいネプテューヌとあんみつをお手玉し続ける。
大きいネプテューヌもあんみつもHPゲージはゼロで撃墜されているがノワール止まらない。
「ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ノワールが一際大きく叫ぶと周囲に大爆発が起きる。
同時にノワールの纏う黒いオーラが無くなり、女神化が解けたノワールが落下してくる。
「ノワールっ!」
ケイはプロセッサユニットのブースターを全開にしてノワールの真下に移動すると彼女をキャッチする。
「しょ、勝者……ブラックハート様チーム……」
我に返った審判がノワール達の勝利を宣言する。
***
「すまなかった。既に勝負はついていたのに」
ケイが大きいネプテューヌとあんみつに頭を下げる。
ノワールの体当たりを何度も受けた、大きいネプテューヌとあんみつだったが怪我は軽傷で済んでいた。
ノワールはあのまま気を失い緊急でラステイションまで運ばれた。
「いいっていいって、気にしない気にしない」
大きいネプテューヌがそう言うと、「私も武士。死合いで果てるなら本望」とあんみつが続く。
「それより何? あの某人型決戦兵器の暴走みたいなのは?」
大きいネプテューヌが尋ねると、「それは私も気になります」といつの間にか司会席からやって来たイストワールが話に加わる。
「あれは、S-MAX【エスマックス】。正式名をシェアマックスと言って、ネプギアさんが作り出したNG粒子のシェア効率化を強化に転用したものをネクストフォーム用にラステイションで研究開発し限界まで高めたものだ」
ケイの答えに、「やはりそうでしたか……しかし、人格があそこまで変化する程の強化を女神様に施すなんて……」とイストワールが責めるように言う。
「僕も止めたさ。世界の危機でも訪れない限りS-MAXは使わないと約束させたんだが、僕の想像以上に彼女は負けず嫌いだったらしい」
ケイがそう言うと、「あれほどのパワーです。反動も凄まじいでしょう」とイストワールが質問する。
「ああ、恐らく明日の決勝トーナメントは棄権することになるだろう。あんみつさんに武器も破壊されてしまったしね……。ノワールが心配だ、そろそろ失礼させてもらうよ」
ケイはそれだけ言うと足早に去って行った。
(ノワールさんは【S-MAXブラックパワー】と言っていました……もしやS-MAXの研究はラステイションだけではないのでは……)
イストワールはそう思うと嫌な胸騒ぎを覚えていた。
***
「いやー! 負けた負けた。いいところまで行ったんだけどなー」
大きいネプテューヌが両手を後頭部に当てながら気楽そうに言う。
「最後のS-MAXに全部持ってかれちゃったけど、あんみつの武器破壊技も凄かったよー」
大きいネプテューヌがそう言うと、「恐れ入ります」とあんみつが丁寧に頭を下げる。
「負けはしましたが、ノワール様の牙を折ると言う私の目標は達成されました。ネプギア殿やユニ殿達はノワール様との対等な勝負を望んだでしょうが、彼女たちはまだまだ未熟。我らが影となって支えねば」
あんみつがそう言うと、「牙を折るどころか棄権まで追い込んじゃったけどねー」と大きいネプテューヌが答える。
「S-MAX……あの力がネプギア殿達に向けて使われずに良かったです」
あんみつがそう言うと、「おい! 試合は終わったんだろ? そろそろ出せよ」とねぷノートからクロワールの声が聞こえてくる。
「ああ、ごめんごめん。すっかり忘れてたよ」
大きいネプテューヌが悪びれもなくそう言って、ねぷノートからクロワールを解放すると、「おい、あんみつ。俺との約束忘れてないだろうな?」とクロワールがあんみつに言う。
「勿論、覚えてます。クロワール殿の望むフルコースをフィナンシェやコンパ殿と共にご提供します」
あんみつがそう言うと、「頼んだぜ。今日の試合で搾り取られて、パッサパサなんだ。ちゃんと栄養補給させろよ」とクロワールが言う。
「クロちゃんったら、わたしがあんみつ達に胃袋掴まれてるって言うけど、クロちゃんもガッチリ掴まれてるじゃん」
大きいネプテューヌがそう言うと、「ついでだついで。俺の目的はあくまで、おもしれーことを見ることだ。ネプギア達と居ればそれが見られそうだから協力してやってるんだ。そのついでに、うめーモンが食えるなら文句なしだろ?」とクロワールが答える。
「わたしの豚の生姜焼きと濃い目の味噌汁も忘れないでねー。あと、プリン」
大きいネプテューヌがそう言うと、「ふふっ……心得ております」とあんみつが微笑んだ。
***
ここはラステイションのノワールの部屋。
部屋にはベッドで横になるノワールとその側に立つケイが居た。
「嫌よ。棄権なんてしないわ」
ケイからゴッデスファイトの決勝トーナメントを棄権することを聞いたノワールは即答で拒否していた。
「強がりはよすんだ。今だって横になっているだけでも全身痛むんだろ?」
ケイが諭すように言うが、「これぐらいの痛み……棄権する屈辱に比べれば何ともないわ」とノワールが言い返す。
「それに武器も壊されてしまった。あれと同じものを用意するのは少なくとも三日はかかる」
ケイの言葉に、「あれの試作型とか失敗作とかあるでしょ? それを使えるようにしなさい」とノワールが指示をする。
「どうあっても棄権しないと?」
ケイの質問に、「くどいわ。ラステイション守護女神ブラックハートに敵前逃亡の文字はないのよ!」とノワールがキッパリと言う。
「戦略的撤退とは考えてくれないかな?」
ケイの提案に、「撤退の必要なんてないわ。私は勝つ!」とノワールがまたもキッパリと言い放つ。
「ふぅ……相変わらずのじゃじゃ馬ぶりだね。だけど、これだけは約束して欲しい。S-MAXはもう使わないと」
ケイがそう言うと、「それは約束できないわ。私はあの力を使いこなしてみせる!」とノワールが力強く言う。
「無茶を言わないでくれ。あんな危険なものを……」
ケイがそこまで言うと、「ケイ、S-MAXの研究開発費を二倍……いえ、三倍にしてちょうだい」とノワールが指示をする。
「ふぅ……わかったよ。君の負けず嫌いは筋金入りだね。S-MAXにですら負けたくないのかい?」
ケイは根負けしてノワールに従うことにするのだった。