新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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088エスーシャチームVSブランチーム

 G.C.2021年5月29日 土曜日の午後

 

ゴッデスファイト予選の終盤。

 

次の注目のカードは予選第三グループの最終戦。

 

高耐久力で接近戦の打ち合いでは無敵を誇るルウィーの守護女神ブランと、的確にそのサポートを行う西沢ミナのチーム。

 

対するのは、中コストでバランスのとれたオールラウンダーのエスーシャと、射程はそこまで長くないが攻撃力が高いバズーカ砲を使うビーシャのチームだ。

 

 

「第三グループの会場では、ホワイトハート様と西沢ミナ様のチーム対エスーシャさんとビーシャさんによる最終戦が行われようとしています。この戦いの勝者が決勝トーナメントに駒を進めることになります」

 

 

 デンゲキコの実況に、「先程のノワール様の例もありますし、守護女神様と言えど油断は禁物でしょうか?」とファミ通がイストワールに質問する。

 

 

「確かに油断は禁物ですね。上手くエスーシャさん達のチームのペースにハマれば勝機は十分あるでしょう」

 

 

 イストワールの答えに、「エスーシャさんチームのペースと言うと?」とファミ通が再度質問をすると、「例えばヒット&アウェイで戦うとか、耐久力は高いですが機動力は高くないブランさんを無視して、ミナさんに狙いを絞るなどですね」とイストワールが答える。

 

 

「そろそろ、試合開始です」

 

 

 デンゲキコの言葉通り、エスーシャのチームもブランのチームもバトルフィールドの端に配置して審判の開始の合図を待っていた。

 

 

「エスーシャ、本当に大丈夫?」

 

 

 戦闘前、ビーシャはエスーシャに話しかけていた。

 

 

「問題ない。そっちこそモノは確かなんだろうな?」

 

 

 エスーシャがそう言うと、「任せて。超自信作だから」とビーシャがサムズアップで答える。

 

 

「ネプテューヌとあんみつは上手くやってくれた。後は私達が成功すればシスティーナは守られるだろう」

 

 

 エスーシャの言葉に、「興味ないオバケのエスーシャがここまで真剣になるなんてね。そんなにシスティーナが気に入った?」とビーシャが茶化すように言う。

 

 

「勘違いするな。がすとの店が無くなったら、イーシャの復活が遠のくからだ」

 

 

 エスーシャはそう言うと、「……だが、住み心地が良いことは認める。イーシャもそう言っている」と付け加える。

 

 

「それでは、ゴッデスファイトぉーー!」

 

 

 審判が右手を大きく上げる。

 

 

「「「「レディィィィ……ゴォォォォ!!!」」」」

 

 

 エスーシャのチームとブランのチームのメンバーの声が重なり会い、試合が開始される。

 

互いにバトルフィールドの中央で接敵するとエスーシャが不意に足を止める。

 

 

「二墜ちだ」

 

 

 足を止めたエスーシャが左手でVサインをしながら言うと、「どういうことだ?」とブランが質問する。

 

 

「この勝負、ホワイトハートを二墜ちさせて私達が勝つ!」

 

 

 エスーシャが右手の片手剣でブランを指しながら自信満々に言い放つと、「ああん!?」とブランがもの凄い形相でエスーシャを睨む。

 

 

「おおっと! エスーシャさん、とんでもないことを言い出しましたー! ホワイトハート様に対して二墜ち宣言です!!」

 

 

 デンゲキコの実況に、「かなり無謀な宣言だと思いますが、イストワール様はどう思いますか?」とファミ通が言う。

 

 

「かなり難しいと思いますよ。ブランさんのHPは12960。それに対してエスーシャさんのチームはHP高いエスーシャさんでもHPが6000。仮に正面から打ち合ってエスーシャさんが三墜ちしたとしても、ブランさんの方が耐久面で圧倒的に有利です」

 

 

 イストワールの解説に、「何か狙いがあるんでしょうか?」とファミ通が質問するが、「分かりません……とりあえず試合を見守りましょう」とイストワールが答える。

 

 

「興味ないとしか言わねぇと思ったら、とんでもねぇこと言ってくれるじゃねぇか? わたしをゲイムギョウ界最硬のホワイトハートと知ってて言ってるのか?」

 

 

 ブランが更に凄みながらそう言うと、「その通りだ。西沢ミナには一切手出ししない」とエスーシャが冷静に言い返す。

 

 

「いいだろう! その挑戦受けて立ってやる!!」

 

 

 ブランはそう言うと、左手の指を三本立てて、「三墜ちだ。この勝負、テメェを、エスーシャを三墜ちさせて勝負を付けてやる。ビーシャには一切手出ししねぇ!!」と続けて言い放つ。

 

 

「ブラン様! お止めください。安い挑発です!」

 

 

 ミナの言葉に、「ここまでコケにされて引けって言うのか!?」とブランがミナを睨む。

 

 

「しかしながら、ノワール様の決勝トーナメント出場が危ぶまれる状態でブラン様にもしものことがあってはロム様とラム様のご帰還が……」

 

 

 ミナがそう言うと、「問題ねぇ! こいつ等に身の程って奴を教えてやるだけだ! お前もビーシャには手を出すなよ!!」とブランが怒鳴る。

 

 

「……かしこまりました」

 

 

 説得が無理と感じたミナはそう言って大人しく頭を下げる。

 

ブランはエスーシャの方を向くと、「いい度胸だ。その度胸に免じて最初の一発くれてやるよ」と言って腕を組んで仁王立ちになる。

 

 

「後悔するなよ?」

 

 

 エスーシャがそう言うと、「それはこっちの台詞だ。全力で来いよ!」とブランが言い返す。

 

 

「では、遠慮なく行くぞ! 出でよ! 竜王ハバムート!!」

 

 

 エスーシャがそう言って剣を高く掲げると、エスーシャの背後に突然巨大な黒いドラゴンが現れる。

 

 

「キシャァァァァ!!!」

 

 

 ドラゴンの叫びと共に口に大量のエネルギー溜まると、それをブランに向けて発射する。

 

【ハバムート】はゲイムギョウ界に召喚魔法が生まれた時代に登場した最強クラスの召喚獣だ。

 

以前にネプギア達が倒したエンシェントドラゴンより遥かに高い地位にあるドラゴンで、ハバムートが放つ竜言語魔法のガンマフレアの威力は凄まじいの一言だ。

 

 

ドカーーーーーン!!

 

 

 ガンマフレアがブランに命中すると、もの凄い大爆発を起こす。

 

 

「言うだけあっていい攻撃じゃねぇか」

 

 

 ブランは3154のダメージを受けるが、元居た場所から一歩も動いていなかった。

 

HPゲージの減少も二割程だ。

 

 

「今度はこっちから行くぜ!」

 

 

 ブランはそう言うと、プロセッサユニットのブースターを全開にしてエスーシャに向かって行く。

 

 

「ビーシャ!!」

 

 

 エスーシャが叫ぶと、「任せてよ!」とビーシャが言いながらバズーカ砲をブランに向けて放つ。

 

 

「やらせません!! フリジットシェル!」

 

 

 ミナがそう言うと、ブランが球状のバリアに包まれる。

 

バズーカの弾は球状のバリアに命中するがブランへのダメージはゼロだった。

 

【フリジットシェル】は氷属性の防御魔法で一定値以上の遠距離攻撃を無効化する力がある。

 

 

「おらあっ!!」

 

 

 ブランが気合の叫びと共に戦斧を振り下ろす。

 

 

「ぐっ!」

 

 

 直撃を受けたエスーシャは2131のダメージを受けてHPゲージが三割以上減少して吹っ飛ばされる。

 

 

「まだまだ終わりじゃねぇぞ!」

 

 

 ブランはそう言うと、戦斧を吹き飛んでいるエスーシャに向けてブーメランのように投擲する。

 

 

「ヌマン!!」

 

 

 エスーシャが叫ぶと同時に、以前に助けたマッチョなスライヌ人間、スライヌマンが現れる。

 

 

「任せろ! エスーシャ!! 見ろこの鋼の肉体を!!」

 

 

 スライヌマンはそう言うと、エスーシャの前に立ち塞がり力強いポージングを決める。

 

 

「ぬあらーーーーーー!!」

 

 

 しかし、ブランの戦斧が命中すると一撃で吹き飛んでしまう。

 

 

「ちっ……ハバムートを呼んだと思えば、ふざけた色物アシスト呼びやがって」

 

 

 戻って来た戦斧を受け止めたブランが、そう言って毒づく。

 

【アシスト】とは本人とは別の一時的なサポートキャラを呼び出して攻撃や防御を行わせるシステム。

 

スライヌマンは一定以上のダメージを請け負う壁として使えるが、ブランの攻撃が強烈過ぎて吹き飛ばされてしまったのだ。

 

 

「来い! レディ!!」

 

 

 エスーシャがそう言うと、今度はナイスバディの女性スライヌ人間、スライヌレディが現れる。

 

 

「行くぞ!!」

 

「はぁ~い!」

 

 

 エスーシャがゴールドフォームに追加されたブースターを全開にしてブランに突っ込んで行くと、何故か推進器も無いスライヌレディもその後に続いて飛んでいく。 

 

 

「超究極武神破斬!!」

 

 

 エスーシャの叫びと共に右手の片手剣で怒濤の連続攻撃をブランに浴びせる。

 

レディはその隣で何故かエスーシャの攻撃に合わせて怒濤のセクシーポーズを決める。

 

【超究極武神破斬】は最高位のソルジャーが使う最強剣技だ。

 

 

「ぐあっ!!」

 

 

 エスーシャ達の攻撃で、ブランは3521のダメージを受けるとHPゲージが半分以下になる。

 

 

「ばぁ~い」

 

 

 レディはそう言うと、手を振りながら投げキッスをしてその場から消滅していく。

 

アシストキャラのレディは何故かエスーシャの近接攻撃に追加ダメージを与える効果がある。

 

 

「ちっ……なかなかやってくれるじゃねぇか!!」

 

 

 ブランがそう言いながら戦斧を横薙ぎにフルスイングする。

 

 

「ぐあっ!!」

 

 

 ブランの攻撃を受けたエスーシャは2535のダメージを受けて吹き飛ばされて行く。

 

 

「……氷よ我が手に集い敵を圧し潰せ……フローズンドレッド!!」

 

 

 ミナが魔法を使うと巨大な氷塊がエスーシャを追撃して1952のダメージを与えるとエスーシャのHPゲージがゼロになって撃墜される。

 

 

「ミナ! 余計なことをするな! お前は補助と防御をしてればいい!!」

 

 

 ブランがミナを叱り飛ばすと、「しかし、ブラン様……」とミナが言うが、「しかしもかかしもあるかっ!! わたしの顔に泥を塗るつもりか!!」とブランが怒鳴る。

 

 

「……申し訳ございません。以後注意します」

 

 

 ミナはそう言うと、深々と頭を下げる。

 

 

「どうした? ビーシャ、攻撃して来てもいいんだぜ」

 

 

 ブランがそう言いながらビーシャを挑発すると、「いいよ、エスーシャが来るまで待つよ」とビーシャが言う。

 

暫くすると、再出撃を終えたエスーシャがやってくる。

 

 

「ふっ……流石は守護女神。約束は違えぬか」

 

 

 エスーシャがそう言うと、「当然だ。さっきは悪かったな、ミナが余計な手出しをした」とブランが詫びを入れる。

 

 

「構わない。試合は二対二のルールだ」

 

 

 エスーシャはそう言いながら片手剣を構える。

 

 

「そいつを聞いて安心したぜ! ミナ! 補助をしろ!」

 

 

 ブランがそう言うと、「了解しました……偉大なる四大精霊よ……眠れる力を呼び覚ませ……エーテルバースト!!」とミナが魔法を唱える。

 

【エーテルバースト】は地、水、火、風の四大精霊の力を借りる上級の補助魔法で戦闘向けの全てのパラメーターを上げる効果がある。

 

 

「出でよ! 大竜王ハバムート改!!」

 

 

 エスーシャが剣を高く掲げて叫ぶと、先程のハバムートより更に巨大で複数の翼を持った赤黒いドラゴンが現れる。

 

 

「グオオオオオオン!!」

 

 

 ドラゴンが叫ぶとハバムート以上のエネルギーの塊がドラゴンの口に溜まる。

 

 

「ちっ……流石にコイツはヤバいか」

 

 

 ブランはそう言うと防御態勢を取る。

 

 

「行け! デルタフレア!!」

 

 

 エスーシャの指示と共に、ドラゴンの口から極太の光線が放たれる。

 

 

「うおおおおお!!」

 

 

 戦斧を盾にして光線に耐えるブラン。

 

 

「くっ……結構効いたぜ……」

 

 

 光線に耐えきったブランだが2812のダメージを受けて残りHPゲージが三割になる。

 

【ハバムート改】はハバムートの上位種でガンマフレアより更に強力な竜言語魔法デルタフレアを放つ。

 

 

「ここで終わりじゃないよ! わかるぞ……! ハイメガパーツがみんなの力を……! みんなの力がハイメガパーツにっ!!」

 

 

 ビーシャがそう言うと、ビーシャの頭に付いた中央に発射口のあるV字の角パーツに、デルタフレア並みのエネルギーが溜まる。

 

 

「ハイメガカノン・フルパワー!!」

 

 

 ビーシャの叫びと共に、極太の光線が放たれる。

 

 

「ちぃぃぃ!?」

 

 

 慌てて戦斧で防御するブラン。

 

ハイメガカノンがブランを貫く。

 

 

「やったか!?」

 

 

 ビーシャが嬉しそうに言うが、「甘え!!」とブランが叫ぶと同時にエスーシャに向けて猛然とダッシュする。

 

ブランは2912のダメージを受けるがHPゲージはまだ一割残っている。

 

 

「ヌマン!」

 

 

 エスーシャがヌマンを召喚する。

 

 

「任せろ! エスーシャ!! 見ろこの鋼の……」

 

「どけぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 ヌマンの台詞の途中でブランがヌマンに向けて戦斧を横薙ぎに振る。

 

 

「ぬあらーーーーーー!!?」

 

 

 ヌマンは一発で吹き飛んでしまう。

 

 

「ブッ潰してやるぜ! ハードブレイクッ!!」

 

「くっ!」

 

 

 ブランが豪快で力強い連続攻撃を繰り出すとエスーシャは片手剣でそれを防御する。

 

 

「うあああああ!」

 

 

 しかし、エスーシャは防御の上から4584の大ダメージを受けて吹き飛ばされてしまう。

 

 

「逃すかあっ!!」

 

 

 ブランが戦斧をブーメランにして投擲すると、それが直撃したエスーシャは2815のダメージを受けて撃墜されてしまう。

 

これでエスーシャチームのコストが計4000減少して残2000。

 

もう一度エスーシャが撃墜されたらエスーシャチームの負けだ。

 

 

「助かったぜ、ミナ。エーテルバーストが無かったらヤバかった」

 

 

 ブランがミナに向けてそう言うと、「ありがとうございます。ブラン様」とミナが頭を下げる。

 

そしてブランはビーシャの方を向くと、「なかなか面白い手品じゃねぇか。なんだその額のパーツは?」と質問する。

 

 

「これはプラモを参考にしたビルダーズパーツ。プロセッサユニットの更なる強化パーツ! 配置場所や角度、大きさなどを調整できる、私女神の追及には必須パーツだよ。今なら何と10万クレジット!!」

 

 

 ビーシャがそう言うと、サムズアップを決める。

 

 

「もう一発撃ってみな」

 

 

 ブランがそう言うと、「いいの? そんなこと言うと本当に撃っちゃうよ?」とビーシャが言う。

 

 

「いいから撃て!!」

 

 

 ブランが怒鳴ると、「は、はいっ!! ハイメガカノン!!」とビーシャが額から先程よりは細いビームを放つ。

 

ビームはブランに直撃すると2135のダメージが当たる。

 

 

「これで一墜ちだ」

 

 

 ブランはそう言うと撃墜される。

 

 

「……あなた達は何がしたいんですか? わざわざブラン様を挑発するような真似をして」

 

 

 ミナが冷静だが怒気を含んだ声でビーシャを責めるように言う。

 

 

「勝ち目があるからだよ!」

 

 

 ビーシャはミナの態度に怯むことなくサムズアップしながら答える。

 

 

「勝ち目? ここからどう逆転するんですか? 残り一墜ちしか出来ないエスーシャさんのHPでブラン様を墜とすなんて不可能ですよ」

 

 

 変わらず怒気を含んだ声で言うミナ。

 

 

「そこは秘密だよ。何万クレジット積まれても教える訳にはいかないなー」

 

 

 ビーシャが陽気に言い返す。

 

 

「ホワイトハート様が自爆に近い一墜ちをしましたが、この勝負どうなるんでしょうか?」

 

 

 デンゲキコの実況に、「普通に考えたら、エスーシャさんチームの敗色濃厚ですが、どうでしょう? イストワール様」とファミ通がイストワールに質問する。

 

 

「そうですね……エスーシャさんチームが何を考えているか次第ですが、相当な隠し玉が無い限りはこの状況をひっくり返すのは不可能でしょう」

 

 

 イストワールが答えると同時に再出撃を終えた、エスーシャとブランがバトルフィールドの中央に到着する。

 

 

「ここから逆転出来る手があるんだよなぁ? つまらねぇ手だったら承知しねぇぞ!!」

 

 

 ブランがそう言って凄むと、「心配するな。ゲイムギョウ界最硬を一瞬で溶かしてやる」とエスーシャが言い返す。

 

 

「ほう! 言ってくれるじゃねぇか! 後悔するんじゃねぇぞ!!」

 

 

 そう言って更にブランが凄む。

 

 

「……ビーシャ、用意は出来ているか?」

 

 

 エスーシャが小声でビーシャに問いかける。

 

 

「ごめん、あと1分。あと1分だけ待って……」

 

 

 ビーシャが両手を合わせながら小声でエスーシャに言うと、「……了解だ」とエスーシャが答える。

 

 

「行くぞ……」

 

 

 エスーシャがそう言いながら片手剣を構えると、「ハバムートはどうした? 打ち止めか?」とブランがつまらなそうに言う。

 

 

「さっきみたいに防御されたらたまらないからな。確殺出来る状況で使わせてもらう」

 

 

 エスーシャがそう言うと、「確殺だと? 笑わせるな! テメェはこれからわたしに手も足も出せずに蹂躙されるんだよ!」とブランが言い返す。

 

【確殺】とはほぼ相手が倒せる状況を指す。

 

 

「ミナ! エーテルバーストだ!」

 

 

 ブランが指示をすると、「はい……偉大なる四大精霊よ……眠れる力を呼び覚ませ……」とミナが詠唱を始める。

 

 

「とっておきの、ダメ押しってヤツを見せてやるぜ!!」

 

 

 ブランがそう言うと、「エーテルバースト!!」とミナが魔法を発動すると同時に、「チェンジネクストフォーム!!」とブランが叫ぶ。

 

エスーシャの前にはエーテルバーストの七色の光を纏ったネクストフォームのブランが現れる。

 

 

「くっ!! ビーシャ!?」 

 

「あと、30秒!!」

 

 

 焦りながら声を上げるエスーシャとビーシャ。

 

 

「赤っ恥晒して、くたばれよ!!」

 

 

 ブランがプロセッサユニットのブースターを全開にしてエスーシャに迫る。

 

 

「レディ!!」

 

「はぁ~い!」

 

 

 エスーシャレディを召喚すると同時にレディを伴って、ブランに向かって行く。

 

 

「超究極武神破斬!!」

 

 

 エスーシャの叫びと共に右手の片手剣で怒濤の連続攻撃をブランに浴びせる。

 

レディもその隣でエスーシャの攻撃に合わせて怒濤のセクシーポーズを決める。

 

 

「効かねぇ!!」

 

 

 ブランはスーパーアーマーでその攻撃に耐えると、戦斧をエスーシャに向かって横薙ぎに大きく振る。 

 

 

「ぐああああああああ!?」

 

「いや~~ん」

 

 

 吹き飛ばされるエスーシャとレディ。

 

エスーシャは4351のダメージを受けHPゲージが残り二割近くになり、レディはそのまま消滅してしまう。

 

 

「コイツで終わりだ!!」

 

 

 ブランが戦斧をブーメランのように投擲してエスーシャを追撃する。

 

 

「間に合え! ハイメガカノン!!」

 

 

 ビーシャが額からハイメガカノンを戦斧に向けて撃つ。

 

 

ジジジジジジッ!!!

 

 

 火花を散らしてぶつかり合うハイメガカノンのビームと戦斧。

 

 

カーーン!

 

 

 何とか戦斧を弾き返すことに成功するビーシャ。

 

 

「ちっ……仕留め損なったか」

 

 

 少し悔しそうに言うブランだが、エスーシャの攻撃では1211ダメージしか受けておらずHPも一割も減っていない。

 

 

「おう! 確殺はどこに行ったよ? エスーシャ!」

 

 

 ブランが威圧するようにエスーシャに向かって叫ぶ。

 

 

「はああああ!!」

 

 

 ブランの威圧に負けずに疑似プロセッサユニットのブースターを全開にして突っ込むエスーシャ。

 

 

「ふん……玉砕かよ。ガッカリさせやがる」

 

 

 ブランはそう言うと、プロセッサユニットのブースターを全開にしてエスーシャを迎撃するように直進する。

 

 

「ヌマン!」

 

 

 エスーシャがヌマンを召喚する。

 

 

「任せろ! エス……」

 

「ざけんなぁっ!!!!!!」

 

 

 ヌマンの台詞の途中でブランがヌマンに飛び蹴りを食らわす。

 

 

「ぬあらーーーーーー!!?」

 

 

 またもヌマンは一発で吹き飛んでしまう。

 

 

「月が見えたよ!!」

 

 

 その隙に大声を上げるビーシャ。

 

同時にビーシャが両肩に二本、両脇に二本の計四本の巨大な砲身と背中に激しく発光するリフレクターを召喚する。

 

 

「出でよ! 大竜王神ハバムート零式!!」

 

 

 ビーシャに合わせて声を上げるエスーシャ。

 

エスーシャの声に合わせて、ハバムート改より更に巨大な機械の装甲を纏い無数の翼がある黒いドラゴンが現れる。

 

ドラゴンは翼からブランに向けて無数のレーザーを放つ。

 

ブランはヌマンを蹴り飛ばしたモーションで動けない。

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

 レーザーを受けるとブランが拘束される。 

 

 

「ブラン様!? フリジットシェル!!」

 

 

 慌てて氷のバリアを張るミナ。

 

 

「無駄だ! 放て! イプシロンフレア!!」

 

「行っけぇぇぇぇ!! フォースサテライトカノン!!」

 

 

 エスーシャの声に合わせてドラゴンが口から、ビーシャの声に合わせて四本の砲身が、それぞれブランに向けて超巨大な光線を放つ。

 

ビームはいとも簡単に氷のバリアを貫くとブランに直撃し互いに交差すると激しい大爆発を何度も起こす。

 

 

「これが、私とビーシャの最終合体奥義!!」

 

「名付けて、ハイパーオメガフレア!!」

 

 

 エスーシャとビーシャが叫ぶ。

 

【ハバムート零式】はハバムート種で最強と言われ、究極の竜言語魔法、イプシロンフレアを放つ。

 

【フォースサテライトカノン】はビルダーズパーツの最強威力を誇るツインサテライトカノンを二つ装備した物。元々チャージ時間の長いツインサテライトカノンのチャージが更に長くなるのが欠点。

 

 

「ぐおおおおおお!!!」

 

 

 ブランの絶叫と共にHPゲージがみるみると減って行く。

 

ブランのHPゲージ二割以下になるが大爆発は未だに収まらない。

 

 

「終わりだ。確殺技、確かに見せてやったぞ」

 

 

 エスーシャがそう言うと、「やったね。大金星」とビーシャがVサインをする。

 

 

「これがエスーシャさんの奥の手……最硬のネクストフォームブランさんをも倒す大技……」

 

 

 イストワールが驚愕すると、「凄まじい威力です……」とファミ通も驚きの声を上げる。

 

 

「そんな……ブラン様……こうなったら!!」

 

 

 ミナはそう言うと、ポケットからリモコンを取り出して素早くボタンを押す。

 

同時にブランの耳に、「外部からのパスワード入力を確認しました。S-MAX、強制発動します」と言う機械音声が聞こえてくる。

 

白く激しく発光するブラン。

 

白い流星と化したブランがもの凄い速度で爆発の中を突っ切って来る。

 

 

「なっ!?」

 

「エス!?」

 

 

 エスーシャとビーシャが驚く間もなく、エスーシャが白い流星に跳ね飛ばされる。

 

 

「えっ!?」

 

 

 実況のデンゲキコも反応出来ない。

 

 

「あれはS-MAX!? やはりラステイションだけではなかった!!」

 

 

 イストワールが叫ぶ。

 

 

「審判!! エスーシャさんを撃墜しました試合終了です!!」

 

 

 ミナが審判にそう言うと、5124のダメージを受けて戦闘不能になったエスーシャが落下していく。

 

 

ビーーーー!!

 

 

 ブザー音がなり、「しょ、勝者! ホワイトハート様チーム!」と審判が右手を上げる。

 

同時にミナがもの凄い勢いでリモコンのパスワードを押すと、疑似プロセッサユニットのブースターを全開にしてブランのところに向かって行きブランを抱き止める。

 

ブランは変身が解かれぐってりとしていた。

 

 

「ブラン様!! しっかりして下さいブラン様!!」

 

 

 必死に叫ぶミナ。

 

 

「……ミナ? 確か声が聞こえて……そう……S-MAXを発動させたのね」

 

 

 ブランがそう言うと、「申し訳ありません。出過ぎた真似とは思いましたが……」とミナが申し訳なさそうに言う。

 

 

「いいわ。ノワールの件で既に感づかれていたでしょうし、あなたの判断は間違っていないわ。ありがとうミナ……」

 

 

 

***

 

 

「S-MAXは、やはりルウィーも開発に関わっていたのですね」

 

 

 対戦が終わった後、イストワールがブランとミナを責めるように言う。

 

 

「言い訳をするつもりは無いわ。危険だと承知で使っているの」

 

 

 ミナに抱きかかえられたブランが落ち着いた声で言う。

 

 

「何故、危険を承知で? もっと研究を重ねて安全を確保できてから実用すれば……」

 

 

 イストワールがそこまで言うと、「その台詞は、あなたの娘に言ってあげてちょうだい」とブランがイストワールの台詞を遮る。

 

 

「ネプギアさんに?」

 

 

 イストワールがそう言うと、「あの子は犯罪神を倒した時もダゴンを倒した時も自らを犠牲にしようとした。候補生だったあの子が自らを犠牲にしようとしたのに、守護女神のわたし達がそれを出来ないなんて許されない。少なくともわたしとノワールはそう考えているわ」とブランが答える。

 

 

「そんな対抗意識で……」

 

 

 イストワールがそこまで言うと、「あなたが思って思っている以上に、わたし達はあの子を尊敬すると同時に恐れているのよ」とブランが再びイストワールの言葉を遮る。

 

 

「もうよろしいでしょうか? ブラン様はお疲れなので早く休ませてあげたいのですが……」

 

 

 ミナが少し申し訳なさそうに言うと、「……すみませんでした。S-MAXの件は後で資料にして全国に共有して下さい」とイストワールが言う。

 

 

「ええ、わかったわ」

 

 

 ブランはそう言うと、ミナに抱きかかえられて去って行った。

 

 

「……そう……恐れている……災いの芽は早期に摘み取るべき……」

 

 

 ブランの呟きに、「……ブラン様……」とミナが辛そうに答える。

 

 

***

 

 

 その光景を遥か遠くの別次元で監視しているものが居た。

 

イクスとニャルラトホテプだ。

 

 

「くっくっく、いいぜいいぜ。二人共イイ感じで育ってるぜ」

 

 

 イクスが楽しそうに笑うと、「上手く行ってるようだね、イクス」とニャルラトホテプも微笑む。

 

 

「ああ、ニャルラトホテプとロキの旦那のお陰で順調だよ」

 

 

 イクスが視線を向けた先にはもう一人の男が居た。

金髪をオールバックにして黒いスーツを着た強面の青年だが、その眼光は以前にダークドラゴンと共に滅びたと思われていたロキそのものだった。

 

ダークドラゴン消滅時にその力を吸収して今の姿になったのだ。

 

 

「でも、プルルートの時みたいに上手く行くかな? 彼女達の意志の力はとてつもなく強いよ」

 

 

 ニャルラトホテプがそう言うと、「そうだな……それには同感だ。教祖の奴等も侮れん、いつまでも騙しきれんぞ」とロキもそれに続く。

 

 

「およ? 二人とも、もうバレそうなの?」

 

 

 イクスが煽るように言うと、「まさか。千の顔を持つと言われる僕を侮らないで欲しいな」とニャルラトホテプが涼し気に言い、「俺様の変化術は完璧だ。だが、いつまでも奴等を騙しきれんと言っているのだ」とロキが不機嫌そうに言う。

 

 

「まあまあ、ロキの旦那も散々楽しんだ後にラグナロク起こしたっしょ? それとも、ヘマして洞窟に閉じ込められた時もことでも思い出しちゃった~ぷぷぷっ!」

 

 

 イクスが笑うと、「貴様!」とロキが怒りを露わにするが、「イクス。僕達の言葉が伝わってないのかな? 君の仕事を急いで欲しい言っているんだよ」とニャルラトホテプが冷たい声で言う。

 

 

「まあまあ、二人ともやる気だしてこーよ。本番はまだまだ先だよ~ん。心強い援軍もいるから期待しててよ」

 

 

 イクスが陽気に言うと、「その援軍とやらは何時くるんだ?」とロキが変わらず不機嫌そうに言う。

 

 

「それは、ネプギアちゃん次第かな? 大丈夫大丈夫。ネプギアちゃんは優秀だから、きっとあたしの期待どおりに動いてくれるよ」

 

 

 イクスがそう言うと、「わかったよ。もう暫く君に付き合ってあげるよ。利用価値が無くなった時には……分かってるよね?」と言ってニャルラトホテプが姿を消し、「失敗した時は貴様の命を貰うぞ」と言ってロキも姿を消す。

 

 

「おー、怖い怖い」

 

 

 イクスはそうおどけると、再び超次元のゲイムギョウ界を眺める。

 

 

「期待してるぜ、ノワールちゃん、ブランちゃん、そしてうずめちゃん……いや、くろめちゃんと言った方がいいかな? お前達が次にネプギアを苦しめる鍵だ」

 

 

 イクスは楽しそうにそう言うが、次の瞬間表情を怒りに歪ませ、「見てろよネプギアぁ~、テメェを幸福の絶頂から地獄に叩き落としてやるぜ!」と言い放った。

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