新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2021年5月29日 土曜日の夜。
ゴッデスファイト予選が全て終了し、残るは明日の決勝トーナメントの組み合わせを決める抽選会だけだ。
「では、抽選会を開始する」
コロシアムの中央でエフーシャそう言いながら抽選の玉の入った箱を台の上に置く。
その後ろには、予選を勝ち抜いたチームの代表者が居た。
棄権の噂があったノワールもブラックハートに変身して堂々と立っている。
「では、第一ブロックから順番に引いてくれ」
エフーシャの言葉に、変身したネプギアが、「はい」と言って抽選の箱に手を入れて玉を一つ取る。
「8番です」
ネプギアが取り出した玉をエフーシャに見せると、「よし次だ」と言って、今度はユニが抽選の玉を取る。
「1番よ」
その後も次々に代表者が玉を取り決勝トーナメントの組み合わせが決まる。
「さあ! 皆さんお待ちかね。決勝トーナメントの組み合わせが決まりました。オーロラビジョンをご覧下さい!!」
デンゲキコがそう言うと、派手なドラムロールと共に決勝トーナメントの組み合わせがオーロラビジョンに表示される。
【決勝トーナメントの組み合わせ】
第一試合
ユニ&うずめ VS ネプテューヌ&プルルート
第二試合
ノワール&神宮寺ケイ VS ベール&箱崎チカ
第三試合
ブラン&西沢ミナ VS シーシャ&ケーシャ
第四試合
ネプギア&プラエ VS ファルコム&ミリオンアーサー
「イストワール様、この組み合わせはどう思われますか?」
ファミ通がイストワールに質問すると、「そうですね……優勝候補の四女神様が初戦で激突するのが見どころでしょうか?」とイストワールが答える。
「ネプギア。決勝で待ってるわ」
ユニがそう言いながら右手を差し出すと、「うん、お互い勝ち抜こうね」とネプギアも右手を出して握手をする。
「ふん……いい気なものね。飽きた女と馴れ合うの?」
その光景を見ていたノワールが口を挟む。
「え? 飽きた女?」
ネプギアが首を傾げると、「どういうことよ? お姉ちゃん」とユニが不機嫌そうな顔をする。
「かわいそうなユニ。飽きて捨てられたのも気付かないの?」
ノワールが憐れむ視線をユニに向けると、次は敵意むき出しの視線をネプギアに向けて、「いいご身分ね。ユニに飽きたら今度は犯罪組織の女? 節操が無いっていうのは、あなたみたいな子のことを言うのね」とノワールが言う。
「あのっ……私、ノワールさんが何を言ってるのか意味が……」
ネプギアがそこまで言いかけると、「なら体で分からせてあげるわ!!」とノワールが激昂する。
「S-MAX! ブラックパワー!!」
ノワールが叫ぶと同時に一瞬でネクストフォームになったノワールがネプギアに体当たりをする。
「きゃあああああ!?」
打ち上げられるネプギア。
「あああああああああああ!!!」
ノワールがネプギアを追いかけるように急上昇する。
「くうっ!?」
何とか空中で受け身を取るネプギアだが、直ぐに黒い流星になったノワールが突撃してくる。
「アッハハハハハハハ!!! どうしたの? 昂翼でもギアシステムでも使ってみなさいよ!!」
そう言いながらハイテンションで空中で何度もネプギアに体当たりをするノワール。
「何と言うことでしょう!! 場外乱闘が始まってしまいましたーーー!!」
デンゲキコがそう言うと、「イストワール様これは一体!?」とファミ通が言うがイストワールは答えない。
「このままじゃ!?」
焦るネプギアの視界に【Game Endless Absolute Reign System】の文字が浮かび上がると同時にノワールの攻撃予測が見える。
イストワールがギアシステムを発動させたのだ。
「くっ!!」
プロセッサユニットのスラスターを全開にして、ノワールの突撃を避けるネプギア。
「やるじゃないの? ギアシステムね!」
ノワールがそう言って方向転換しようとした瞬間にノワールの手が掴まれる。
「ネプテューヌ!? それにベールも!」
ノワールの手を掴んだのはネクストフォームに変身したネプテューヌとベールだった。
「ノワール。それ以上するならレイヴンズネストに報告して、失格にすると同時に次回以降の参加も禁止するぞ」
エフーシャが冷静な声で言うと、「ちっ……」とノワールが舌打ちして大人しく降りて来る。
「大丈夫? ネプギア」
ネプテューヌがそう言ってネプギアを抱きかかえると、「だ、大丈夫……」と言ってネプギアが答える。
ネプテューヌに抱きかかえられながらコロシアムの中央に降りてくるネプギアにシスティーナの女神達が駆け寄ってくる。
「平気? ネプギア」
ユニが心配そうにネプギアの顔を覗くと、「うん、大丈夫。途中からいーすんさんがギアシステムを使ってくれたから」とネプギアが答える。
「ロムちゃん、ネプギアを回復するわよ!」
「うんっ!」
ロムとラムがネプギアに回復魔法を使い、「ネプギアお姉さん、平気なの?」とプラエが不安そうに尋ねる。
「うん……ありがとうみんな」
ネプギアは仲間達に感謝をするが、その胸中には一つの思いが生まれ始めていた。
***
抽選を終えてゴッデスファイト初日を終えたシスティーナのメンバーはギャザリング城に戻って夕食後を終えて思い思いの時間を過ごしていた。
その中でネプギアは一人テラスで風に当たっていた。
(S-MAX。もの凄い強さだった……それにあの憎しみはもしかしてカオス化?)
ネプギアはそう考えると、「……勝てない。今のままじゃ……どうしたらいいの?」と呟く。
すると、「そうなったら、世界が終わっちゃうよ」と女の子声が聞こえて来る。
「誰?」
ネプギアが周囲を見渡すが、誰もいなかった。
「ここだよ。ここ、あなたの目の前」
ネプギアが言葉通りに正面を見ると、イストワール程の大きさで茶色い髪をロングヘアーにしたセーラー服を着て白い羽を生やした14歳ぐらいの女の子が居た。
「あなたは?」
ネプギアが少女に問いかけると、「私の名前はオワール。またの名をメモリーズオフの真のヒロイン、桧月彩花でーすっ!」と少女が明るい声で答える。
「はあ……?」
清楚で大人しそうな見た目に反した明るい自己紹介に面を食らうネプギアに、「オワールでも、彩花でも彩ちゃんでも好きに呼んでくれていいからね?」と彩花が笑顔で答える。
「じゃあ、彩花さんで……」
ネプギアがそう提案すると、「えー!? 何か他人行儀っぽい。おススメは彩ちゃんだよ。唯笑ちゃんもみなもちゃんもそう呼んでくれてたし」と彩花が頬を膨らませて拗ねてしまう。
好きに呼んで良いと言いながら実際は一択だった。
「じゃあ、彩ちゃん?」
ネプギアが少しぎこちなく言うと、「なに? ギアちゃん」と彩花が笑顔で答える。
「え? 私、名乗りましたっけ?」
ネプギアがそう言って首を傾げると、「ごめんごめん。実はあなたのことはⅤちゃんから聞いてるから」と彩花が答える。
「Ⅴさんのお知り合いなんですか?」
ネプギアの質問に、「うん、Ⅴちゃんとは付き合い長いんだ。智也や唯笑ちゃんより長いかも」と彩花が答える。
「ところで、彩ちゃん。世界が終わるってどういうことですか?」
ネプギアが彩花に質問すると、「そうそう、それそれ。私の【おわりノート】にこの世界の名前が出てきてるの」と彩花が答えると彼女の手に黒いノートが現れる。
そこには【END NOTE】と豪奢な金色の文字書かれてあるが、そこにマジックで二本線が引いてあり、下に可愛らしいピンクの丸文字で【おわりノート】と書かれていた。
「あのー……彩ちゃん、エンドノートって書いてないかな? これ」
ネプギアがそう指摘すると、「嫌。だって可愛くないもん」と彩花が頬を膨らまして、そっぽを向いてしまう。
「可愛くないって……」
ネプギアがそう言うと、「だって、永遠の14歳の少女が黒くて物騒な名前のノートなんて似合わないと思わない?」と彩花が説教っぽく言う。
「確かに似合いませんけど……それより、そのエン……じゃ、なくておわりノートって何なんですか?」
こだわってたら話が進まないと判断したネプギアがそう言うと、「この、おわりノートにはね。終わっちゃった歴史や誰も知らなかったことが書かれているの」と彩花が答える。
「終わった歴史? 誰も知らない歴史?」
ネプギアがそう言って首を傾げると、「例えば、大は恐竜滅亡の真相や、日本なら卑弥呼の姿や義経の死の真相や安土城の本当の姿とか本能寺の真実や竜馬暗殺の謎や太宰治の未発表作とか色々。小は子供が考えた色々な設定とか」と彩花が自慢気に笑いながら答える。
「ええっ!? 凄いことじゃないですか!」
ネプギアが驚くと、「でも、誰にも話せないんだ。それが歴代オワールの役目なの」と彩花が切なそうに答える。
「最近はインターネットとかコンピューターとかが発達して、あんまり仕事がないけど、サービス終了したソーシャルゲームとか書きかけの小説とか、そういうのを記録してるんだ。この作品も一時期オワールちゃん判定されてたけど、何とか復活したんだよ」
彩花が笑いながらそう言うと、「じゃあ、その中にこの世界の名前が?」とネプギアが質問をする。
すると彩花が悲しそうな顔で、「うん……ギアちゃんが負けたらそうなっちゃうの」と答える。
「そんな……」
ネプギアが暗い顔をすると、「でも、安心して本当にダメだったらⅤちゃんが全部まとめて救済してくれるから」と彩花が優しい声で言ってくれる。
「Ⅴさんが?」
ネプギアが聞き返すと、「でも、本当にダメな時の最終手段だと思ってね? ああ見えてもⅤちゃんって忙しいから」と彩花が答える。
「あっ……! ごめんね。Ⅴちゃんが呼んでるから行かなきゃ!」
彩花はそれだけ言うと、白い羽根を残して消えてしまう。
***
超次元とは別の世界。
荒廃した世界にⅤが一人で佇んでいた。
そこに先ほど、ネプギアと話していた彩花が現れる。
「ごめーん! 待った?」
彩花が申し訳なさそうにVに声を掛ける。
「特に待っていません。今終わったところです」
Vが素っ気なく答えると、「うんうん、そっかそっか。やっぱりネプギアちゃんは優しいね」と彩花がVに向かって言う。
「オワールさん、その名前は捨てたと何回言えば分かるんですか?」
Vがため息まじりに言うと、「私も何度も彩ちゃんって呼んでって言ったのに、どーして未だにオワールさんなの?」と彩花が不機嫌そうに言う。
「しかし」
Vが何かを言うとすると、「しかしもかかしもなーーい! いい加減そろそろ好感度上がってもいいでしょ? 詩音ちゃんだってもう少し素直だったよ」と彩花が怒りながら言う。
「……はぁ……分かりました。今後は彩ちゃんと呼びますので、二度と私をネプギアと呼ばないで下さい」
Vが諦めた声で言うと、「嫌」と彩花がストレートに拒否する。
「何が不満なんですか? オワ……じゃ、なくて彩ちゃん」
Vが呆れた声で質問すると、「だってお母さんが付けてくれた名前でしょ? 捨てるなんてダメだよ」と彩花が説教っぽく言う。
「私にその名は相応しくないからです」
Vの説明に、「納得いかなーい」と頬を膨らます彩花。
「分かりました。ですが、二人きりの時だけですよ? それ以外の時はちゃんとVと呼んで下さい」
Vの提案に、「うんうん♪ 素直でよろしい」と彩花が笑顔で答える。
「ふぅ……それで彩ちゃん。この世界の救済が終わったので処置をお願いします」
Vがそうに言うと、「オッケー! 任せて」と彩花が笑顔で答える。
同時に彩花は目を閉じて両手を祈るように組むと白い羽根を折り畳む。
「終わってしまった悲しい世界よ……もう悲しまないで、あなた達のことは私が覚えてるから」
彩花が先程の明るい声から一転して優しい聖女のような声で言うと彩花と彩花の座っている本が白く輝く。
「秘術! メモリーズ・オフ!!」
彩花がそう言って羽を広げると世界一面が真っ白になり、辺りに白い羽根が舞い散る。
荒廃した世界も消え去り辺り一面が白くなる。
「お仕事完了っ! 土地も人もみんなドリームランドに送っておいたよ」
彩花が再び明るい声で言うと、「ありがとうございます。彩ちゃん」とVが言う。
「他に仕事は?」
Vがそう尋ねると、「今日のところはこれで終わりかなー?」と彩花が言う。
「じゃあ、帰りましょうか」
Vの言葉に、「そうだね。いーすんちゃんもノーデンスのおじちゃんも待ってるだろうしね」と彩花が答えた。。