新・昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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093ハスターと無名都市

 G.C.2021年5月29日 土曜日の夜。

 

オワールこと彩花との話を終えたネプギアは未だにテラスに佇んでいた。

 

 

「彩ちゃんはああ言ったけど、どうやって勝てば……」

 

 

 ネプギアがそう呟くと、「眠れないのですか? ネプギア殿」と声が聞こえて来る。

 

 

「あんみつさん……」

 

 

 ネプギアが振り返りながら言うと、「申し訳ございません。あの時、私がノワール様に勝っていれば……」とあんみつが頭を下げる。

 

 

「いいんです。あんみつさんは精一杯やってくれました。だから私も……」

 

 

 ネプギアがそこまで言うと、「申し訳ないのですが、あのS-MAXの前にはネプギア殿と言えでも勝機は無いでしょう……」とあんみつが答える。

 

 

「でも、私は勝たないといけないんです」

 

 

 ネプギアがはっきりと言うと、「ですが、今の状態では万に一つも……」とあんみつが言いかけると、「どうすれば主様が勝てるようになりますかな?」と初老の男性の声が聞こえてくる。

 

 

「サンジェルマンさん?」

 

 

 ネプギアが声の主の名を呼ぶと、「失礼。レディの会話を盗み聞きとは紳士の風上にもおけませんが、聞き捨てならない話だったのでつい」とサンジェルマンが答える。

 

 

「サンジェルマン殿……ネプギア殿がノワール様に勝つにはあと一年……いや、一か月は必要でしょう」

 

 

 あんみつがそう答えると、「一か月ですか……ならば、このわたくしめに任せてはいただけないでしょうか?」とサンジェルマンが丁寧に一礼しながら答える。

 

 

「気持ちは嬉しいんですけど、決勝トーナメントは明日で……」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「勿論、重々承知した上で言っております。どうでしょう? 信じて下さいますかな?」とサンジェルマンが再び丁寧に礼をする。

 

 

「ネプギア殿……」

 

 

 あんみつが不安気にネプギアを見るが、「分かりました。サンジェルマンさんを信じます。私に一か月の時間を下さい」とネプギアがサンジェルマンに答える。

 

 

「流石は我が主様。そうと決まれば善は急げです。さっそく一か月分の旅支度をしてきて下さい。あんみつさんもです」

 

 

 サンジェルマンがそう言うと、「私もですか?」とあんみつが言うと、「一か月と言ったのは貴女ですよ? ちゃんと責任を持って主様を勝利に導いて下さい」とサンジェルマンが答える。

 

 

「承知した。しかし、一か月も留守となるとフィナンシェに引継ぎをせねば……」

 

 

 あんみつがそう言うと、「その必要はありません。貴女と主様は一か月の時を過ごされますが、ここでは半日も経ちません」とサンジェルマンが余裕の表情で言う。

 

 

「わかった。ネプギア殿が信じると言うのなら、私も信じよう」

 

 

 ネプギアとあんみつはそう言うと、テラスを出て自室に向かって行く。

 

 

「さて……少し忙しくなりますな。バイアキー」

 

 

 サンジェルマンがそう言うと、もの凄いスピードで巨大な蜂に似たような生き物が飛んで来る。

 

 

***

 

 

 暫くすると旅支度を終えたネプギアとあんみつがテラスに戻って来る。

 

そこで彼女達が目にしたのはサンジェルマンがバイアキーと呼んだ巨大な蜂に乗っている姿だった。

 

 

「サンジェルマンさん? その蜂は?」

 

 

 ネプギアがサンジェルマンに尋ねると、「私の僕です。さあ、お乗り下さい」とサンジェルマン手招きをする。

 

 

「わかりました。行きましょう、あんみつさん」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「承知しました」とあんみつが答える。

 

二人はバイアキーの上に乗る。

 

 

「これから、皆様を現実世界に招待します」

 

 

 サンジェルマンの言葉に、「えっ!?」と声を上げるネプギア。

 

 

「時間がありません。お静かに、行けバイアキー」

 

 

 サンジェルマンがそう言うと、バイアキーはもの凄い速度で上昇していく。

 

 

「きゃっ!?」

 

 

 思わず声を上げるネプギアに、「失礼」とサンジェルマンがネプギアの体を小脇に抱える。

 

 

***

 

 

 ものの十数秒で暗かった筈の世界が明るくなる。

 

 

「着きましたよ、主様」

 

 

 サンジェルマンがそう言うと、小脇に抱えたネプギアをゆっくりと下す。

 

 

「ここが現実世界?」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「砂漠しかないですね」とあんみつがそれに続く。

 

 

「ここはアラビア半島。他の国にはちゃんと緑がありますよ」

 

 

 サンジェルマンがそう言うと、バイアキーと呼ばれた蜂が低速で着地する。

 

 

「ここに何があるんですか?」

 

 

 ネプギアがサンジェルマンに尋ねると、「主様にこれをプレゼントいたしましょう」と言ってサンジェルマンが金色のランプをネプギアに手渡す。

 

 

「これは?」

 

 

 ネプギアが首を傾げると、「これは、【アルハザードのランプ】です」とサンジェルマンが答える。

 

 

「あるはざーど?」

 

 

 あんみつが首を傾げると、「どんな効果があるんですか?」とネプギアが尋ねる。

 

 

「こすって見て下さい。主様ならきっと素質があると思います」

 

 

 サンジェルマンが答えると、「わかりました」とネプギアがランプをこする。

 

すると今まで何も無かった筈の場所に石造りの都市が現れる。

 

 

「な、なんと面妖な!?」

 

 

 あんみつが警戒をすると、「大丈夫です。わたくしめの故郷でございます」とサンジェルマンが答える。

 

 

「さあ、行きましょう」

 

 

 サンジェルマンが石造りの都市に入って行くと、「ネプギア殿……」とあんみつが不安そうに尋ねるが、「行きましょう。ここまで来て帰れません」と言ってサンジェルマンの後を付いて行く。

 

 

***

 

 

「ようこそ。無名都市【ネームレスシティ】へ」

 

 

 サンジェルマンがそう言うと、両手を広げてネプギア達を歓迎するポーズを取る。

 

 

「ネームレスシティ?」

 

 

 ネプギアが首を傾げると、「そうです。この都市の中での一ヶ月は超次元ゲイムギョウ界の半日にあたります」とサンジェルマンが一礼しながら答える。

 

 

「なるほど、そういうことですか」

 

 

 あんみつがそう言って納得すると、「そう言う事でございます。お二人はご存分に修行をなさって下ささい」とサンジェルマンが答える。

 

 

「ロイガー、ツァール」

 

 

 サンジェルマンがそう言うと、「お呼びですか。ハスター様」と言って双子の美青年執事が現れる。

 

 

「今はサンジェルマンだよ。ロイガー」

 

 

 サンジェルマンの言葉に、「失礼しました。サンジェルマン様」とロイガーと呼ばれた男性が頭を下げる。

 

 

「サンジェルマン様がお戻りになったと言う事は、彼女がニャルラトホテプと敵対している【殺神鬼】ですか?」

 

 

 もう一人の恐らくツァールと呼ばれた男性執事が質問をすると、「彼女であって彼女では無い存在だよ」とサンジェルマンが答える。

 

 

「殺神鬼?」

 

 

 ネプギアがそう言って首を傾げると、「それはいずれ説明することになるでしょう。今は修行に集中を」とサンジェルマンが答える。

 

 

「それでは、私は行くよ。ロイガー、ツァール、この方は今の私の主だくれぐれも失礼の無いように」

 

 

 サンジェルマンがそう言うと、「「ははっ!!」」と双子執事が頭を下げる。

 

 

「何かあったら、この二人に尋ねて下さい。わたくしはゲイムギョウ界に戻って皆様に説明をしてきますので失礼します」

 

 

そう言うとサンジェルマンは悠々と歩いて無名都市を出て行く。

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