流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。 作:正体不明の筆者A
今回の目的地は地底湖。第一層にあるエリアの一つとなります。場所としてはただ洞窟の中に湖が広がっているだけなのですが、ここに生息しているモンスターの素材が中々に有用な素材となるらしいです。
私は生産職ではないため詳しい事は分かりませんが、しばらくこの場所には通い続けることになるでしょう。そしてこの話を私は事前にイズさんから聞いておりました。当然下調べの方は既に済ませております。
「なんて言うか、リーフはいつも通りだよね」
「ふふ、褒め言葉として受け取っておきますよ。それにあの場所は初期のレベル上げとしても最適な場所ですからね」
「ほぇ〜そうなんだ。事前情報を見た感じそんな風には見えなかったけど」
「まだまだ情報も出そろって居ませんからね。ですがここに出てくる魚型のモンスターはSTRの有無にかかわらず簡単に倒す事が出来ますし、経験値量も西の森より多いですから」
これはサリーのレベル上げも兼ねた素材収集だったりします。まぁ私の思惑はサリーの存在をまだ公にする必要は無いと言うだけだったりしますが。
そもそも私やメイプルがここまで有名になってしまった以上、サリーが全くのノーマークになる可能性は0に等しいわけです。それはそれで勝手に話題になってくれるだけ楽なのですがね。
「それで、天下のリーフさんは一体何を企んでるのかなっ?」
「ふふ、さすがにサリーにはバレてしまいますか」
「何年ゲーマー友達やってるって話だよねっ」
「そんなに難しい話ではありませんよ。現地に行けば分かります」
リーフと共に草原を走り抜けること数分。目的地となる地底湖入り口に私達は到着した。さっそく中に入ってみると、入り口からすぐの場所にその名の通り地底湖が存在していた。
「まずは釣りで素材を集めながらレベル上げをしていきましょうか」
「そうだね。あれ、でもリーフ程度なら釣りでちまちまやらなくても良いんじゃ無いの?」
「まったく、私のVITを舐めないで欲しいですね。中で泳いでいる魚に掠っただけで死にましたから」
「さ、さすがVIT−255……」
もはや次元がよく分からないけど、リーフがスペランカー縛りと言うだけはあるのかもしれない。
と言うことでまずは釣りでちまちまと集めていくことにしよう。それにしてもゲームを始めて最初が釣りになるなんてね。まぁこれはこれで乙なものだけど。リアルじゃそう簡単に体験できるものじゃないし。
そこから数十分。確かにリーフの言うとおり負担に割にレベルアップの速度が速い気がしている。確かにこれは初期のレベル上げ場所としては最適かもしれないね。ステータス振りに関してはまだまだ考え中かな。ポイント制だから急いで振る必要がないのも嬉しいところだね。
「釣りはDEX値依存と言うのは本当のようですね……よっと」
「だね〜。っていうかリーフ、事前調査で少しやってたりした?」
「当然です。イズさんの方から必要素材の場所だけは聞いてましたからね」
やっぱりそうなんだ。まぁそもそもこの武器改造を思いついたのはリーフな訳だし。素材も余ったら売っちゃえばお金になるからね。それにリーフならそれくらいの事前調査はしてくるだろうって思ってたから。
メイプルは事前に聞いてたとおりVIT極振りだから、メイプルの効率には正直期待はできない。それなら私達が頑張らないといけないわけだ。なにせ500枚だからね。ちょっと流石に生半可な作業じゃ集まらない量だし。
「サリー。レベル上げの方は順調ですか?」
「うん。やっぱりここの効率結構良いみたいだね」
「そうですか。でしたら、一度私が湖全体を爆破しますので、底に貯まるであろう素材を回収してきてください」
「え、爆破ってどういう「【狂気反転】からの【神龍】!!」うえぇっ!?」
何の事前確認だろうと確認する暇も無く、リーフは武器の先から巨大な白い龍を展開して湖に突撃させた。その龍は口から白いブレスを吐き出してる。スキルの衝撃で水が大量に宙に舞い、中でポリゴンの光らしきものが大量に見えた。
「完了です」
「え、え?今のどういうこと?」
「ふふ、ちまちま狩るのは面倒くさいし時間もかかるでしょう?それなら纏めて吹き飛ばして仕舞えば万事解決と言うわけです」
「ただの脳筋だった!?」
「さぁ早く回収して来て下さいサリー。私は取りに向かえませんので」
し、釈然としない……でも手っ取り早いのも間違い無いわけで……むむむ。
取りあえず水中に沈んだ素材を回収しに湖にダイブする。うへ〜こりゃかなりの数があるなぁ。どんだけ派手に暴れていたのかが分かる光景だね。まぁいいや。取りあえず片っ端から回収していこう。
素材がドロップしてる範囲……これ多分湖全域かもなぁ。取りあえず岸から近い場所を始めに回収していこう。素潜りもどうやらスキルがあるらしいから、少しずつレベルをあげれば潜孔時間も延びるしね。
取りあえず近隣の素材を全部回収し、何度か息を吸うために水面に顔を出しながら奥の方の素材も回収していく。これかるく200個はあるんじゃないかなぁ。多分だけど岩陰に隠れてたモンスターもろとも吹き飛んでるかもね。
そうしてある程度素材の回収が終わりそうなタイミングで、私は湖の奥に何か人工物らしきものが見えてきたのに気がついた。あれは……扉?封印らしきものが掛けられていていかにも何かありますよと言わんばかりの場所だね。
「(あれが噂に聞くダンジョンって奴?)」
取りあえず素材全部集めたらリーフに聞いてみないとね。
私が湖に攻撃を当ててからおよそ20分後。サリーが全ての素材を回収し終えたのか陸上に上がってきました。そして何やら私に尋ねたいことがあるご様子。ふふ、やはりアレの存在に気がつきましたか。
「お帰りなさい。数の方はどれほど集まりましたか?」
「300個ってところかなぁ」
「上々と言ったところですね。それと……奥にあるダンジョンの事が気になっている様子ですね」
「やっぱりリーフは知ってたんだね」
私がこの湖を事前に調査していた時でした。湖の奥、丁度向こう岸の壁の辺りに巨大な扉があるのを見つけたのです。試しに内部を調査したところ、これは毒竜の洞窟と同じダンジョンであることが発覚しました。
私は既に十分なスペックの装備を持っていますのでボス撃破は行いませんでした。そして釣りには元々サリーも手伝って貰う予定でしたので、サリーにこのダンジョンを攻略して貰おうと思い立った訳です。
私の見立てが間違っていなければ、ここのボスを撃破してもユニーク装備が獲得出来るはずです。これさえ手に入って仕舞えばサリーの装備を新規に考え直す手間が省けると言うわけです。
「なるほどね。ここならレベル上げもしつつ素材も集まりつつ、未知の装備の入手も出来ちゃうと。リーフったら策士なんだから」
「偶然の産物というものですよ。それにここからはサリーの出番です。攻略するのは私ではなくあなたですからね。それに今回私は意図的にマッピングを行っていません」
「ふぅん……察するに私の初陣と実力確認ってところかな」
ご名答です。サリーの事ですから何も心配はしていませんが、このNWOの世界でどこまで彼女がやれるのかを見るには丁度良い機会だと思いませんか?
サリーは私の贔屓目抜きでゲーム適正が高い子だと思っています。それはリアルの運動神経然り、ゲームに対するある種の天才肌もあるでしょう。
それに彼女はゲーマーです。ゲーマーなら自分で未探索の要素を開拓する事に喜びを抱くことが出来るはずです。何もかも私がやってしまうのでは面白くありませんからね。
「舞台は水中です。地上よりも入念に準備をする必要があるでしょう。ですが、難しいものほど燃えるのが私達ゲーマーですよね?」
「もっちろん!奥にお宝があるとしたら尚更だよねっ!」
良い返事です。それでこそ私が認めた子です。