流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。 作:正体不明の筆者A
あぁ別小説が気になる方は私のページ経由でどうぞ。かなりニッチな内容なのと18禁小説なのでお読みになる際はご注意ください。
今日はメイプルとサリーが第2層へのアタックを決行する日。私は悠長に2層の入り口で待っていても良いのですが、2人の攻略時間も考慮して適当に探索をしておきましょうか。
「(前回調べたデータによると、おそらくクエスト受注のトリガーとなりそうなNPCが複数人居ると思われます。その中ですと……)」
いや、まだその時ではありませんか。あのクエストをそう簡単に誰かが攻略できるはずもありませんしね。そもそも受注条件がかなり厳しいのです。ペインに嗅ぎつけられたら終了ですが、その時は全てを投げ打ってでも取得を狙うとしましょう。
「ふむ……やはりシンプルに待つに限りますか」
こう言うときのサリーは大体速攻で追いついてくると相場が決まっています。となると昨日知った第2層のカフェで待つのが無難ですか。サリーにメッセージを一通だけ送り私はさっさと退散しましょうかね。
「(……ん?)」
そう思い私が移動しようとすると、視界の端に何やら蠢くものがかすめたような気がしました。ふむ……今のはただのプレイヤーではなさそうですね。もしや何かのイベントのフラグでしょうか。
それは街の南西方向に向かったようです。サリーには申し訳ありませんが、少しだけお暇を頂くとしましょう。
もしその存在がプレイヤーで無いとするならば、おそらく何かしらのクエストフラグであると見るのが良いでしょう。私でさえ把握していない情報と言いたいですが、所詮は昨日12時間で調べただけの情報に過ぎません。何かしら抜けがあるのは考慮しなければならないでしょう。
「(さて。直感的に後もう少しの筈ですが……)」
「よくやったねジェーンっ。これでボク達助かるよっ」
「わんっ」
私が対象を探し散策をしていると、路地裏からそんな声が聞こえてきました。ふむ、声だけでは誰かが判別しにくいですね。ですがNPCの方が可能性が高いでしょう。今のところペット機能は実装されていませんから。
場所はこの先のT字路を曲がった先のようです。念のため抜刀する構えを取っておきますか。
「あれ?リーフいないね」
「そうだね。あの子の事だから近くで待ってるかと思ったのに」
「だね〜。取りあえずメッセージだけ送っておくよ」
「ありがとメイプル」
私はT字路を曲がってすぐにメイスを抜きその先を見据えます。そこに居たのはみすぼらしい格好をした少年と一匹の犬でした。
「だ、だれ!?」
「それはこちらの台詞ですね。貴方たち、ここで何をしていたのですか?」
「ね、姉ちゃんには関係ないだろっ!?」
「関係ない、ですか。私の視界内であんなに露骨な動きをされたら気になるのは当然のことです」
少年と犬は私を警戒するように見つめています。そんな中私は少年の手に握られたものの存在に気がつきました。それは銀色のメダルと思しき謎のアイテム。これが彼らの求めていたものと言う事になるのでしょうか。
「少年。そのアイテムは何ですか?」
「こ、これか?これはただの銀貨だよっ。俺らこうやって路上暮らしだから、少しでも日銭を稼ごうって思っただけさっ」
「わんっわんっ!!」
「なるほど……ただの銀貨ですか……ふむ?」
<クエスト神の託宣〜序章〜が発生しました。受注しますか?>
「(……ほう?)」
まさかの展開になりましたね。まさかこんなクエストが隠されているなんて思いもしませんでした。そしてこれは思わぬ棚ぼたになるかもしれません。
実はこのクエストとほぼ同名のクエストを私は知っています。それが先ほど述べていたとあるクエストの正体なのです。あちらは序章と言う単語が付いていないただの単発クエストになっていましたが。
簡単な内容としてはとある寺院で特定の動作を行い、それを成功させた上で超高難度のタワーディフェンスを成功させることとなっています。受注条件がまずほぼ解明不能である以前に、このタワーディフェンスがかなりのくせ者でして、私でさえかなり手を焼くレベルでは無いかと推測されています。
ですが恐らく報酬は強力なスキルであろう事はほぼ確定。できる限り誰にもバレずに取得するのが望ましいです。もしこの序章クエストがそのクエストの易化に繋がっているのだとすれば、やらない手はないでしょう。
<受注する>
<クエストが受注されました>
「……おい姉ちゃん。もしかして、このメダルが欲しかったりするのか?」
「(なるほどそう言うことですか)はい。そこまで大事にされていると言う事は、それ相応に貴重なものなのでしょう?言い値で買おうと思います」
「わ、分かったよ……じゃあ100万ゴールドでどうだ?」
価格設定はかなり高めですね。ですがこれがイベントアイテムであることは確実。値切りの余地があるという事はそれによってクエストルートが分岐する可能性もあるという事ですか。幸い100万ゴールドは余裕で払えますので即決で払うことにしましょう。
「分かりました。その値段で買いましょう」
「え、良いのか!?お、俺結構無理な金額を言った気がするんだけど」
「ふふ、私は強者から搾取こそすれど、弱者から搾取をするつもりは到底ありません。貴方は100万ゴールドを元手に何か改善出来る案があるのでしょう」
「ね、姉ちゃん……分かったよ。姉ちゃんがそれで良いって言うんなら交渉成立だ」
私の所持金から100万ゴールドがきっちり消え、少年は私にその銀のメダルらしきものを渡してきました。この辺は持ち逃げとかされない親切設計ですね。まぁ逃げられたところで追いつけるので問題はありませんが。
<聖騎士の銀貨を入手しました>
「そ、それじゃあきっちり渡したからなっ!?後で金返せとか言われてもしらんぷりするからなっ!?」
「うふふ。私がそんな非道な人間に見えるわけがないでしょう?さぁ行きなさい」
NPCは私の言葉を聞いて何処かに走り去っていきました。さて、このどう見てもイベントアイテムな奴ですが、一応詳細を確認出来るらしいので見てみることにしましょう。
【聖騎士の銀貨】
・イベントアイテム
この銀貨を持ってとある場所に行くと……?捨てたり売ることは出来ない。
「ふふ。まぁそういう類いの道具ですよね」
私の予想通りでした。そしてこのとある場所と言うのも大抵予想が付きます。それがこのクエストの次章にあたる『神の託宣』を受注できる寺院でしょう。
この寺院は森林地帯の奥に存在すると私のデータにはあります。クエストの存在もその寺院で掴みましたので間違い無いと思われます。
「では……早速向かうことにしましょうか」
私は不敵な笑みを浮かべて路地裏を後にしました。目指すはクエスト受注場所の寺院です。
こういう変な派生の仕方って原作の【身捧ぐ慈愛】に似たものを感じますね。まぁ元ネタがそこなので当たり前ではあるのですが。
次回。リーフ壊れる(n回目)。デュエルスタンバイッ!()