流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。 作:正体不明の筆者A
この話の前にオリ主の設定を軽く書いておきます。筆者である私は万年美術の成績2の貧弱ものなのでAIに頼ってしまいました。許して……許して……
早苗とゲームの流儀?
ゲームとは何か。今となっては大衆に広く知れ渡り、娯楽としての地位を確たるものにしている立派な文化的象徴と言える。
その始まりは1983年のファミコン発売より始まったと言って良い。それ以降も確実にゲームはシェアを伸ばし、時代の進歩に沿ってそのスペックも格段に跳ね上がっていった。
今やそのスペックはフルダイブ型のVRにまで進化を遂げ、ゲームは画面越しではなく入り込んでやる時代になりつつある。人間の意識の科学的証明の成功、それによる人間の意識を機械へと移す技術の開発、脳に影響を与えない限りでの電気刺激による擬似的な体験の実現。ゲームはもはやこの領域にまで到達していたのだ。
そんな移り変わる時代の中、どの世代にも必ずいる存在を知っているだろうか。それは常人では考えられないプレイ、主に縛りプレイを主力とするプレイヤーである。
縛りプレイと言ってもその種類は千差万別。私からすればRTAもタイムという名の縛りを課していると考えている。彼らは一般のプレイヤーが到底クリアすることが不可能なレベルの縛りを課され、でもそれを上回る技量で全て突破してしまうのだ。
縛りプレイの歴史はゲームの歴史でもある。時にはRTA、時には目隠し縛り、グリッチを大量に使った異次元のプレイ。挙げ句の果てにレトロゲーム界隈なんて深淵は私には到底理解の及ばない超人達が大量にいる。
つまり今の私が何を言いたいか。そんなのは今更語るに及ばないだろう。つまり……
「時に理紗。私は思うのです」
「え、急にどしたの改まって」
「もっと世間はこのようなプレイヤー達に目を向け、追随するべきではないでしょうか」
「急に凄いこと言い始めたぞ〜この子」
「要はもっと縛りプレイ特有の魅力というものを発信することが出来れば、私達のゲーム文化はさらなる発展を遂げると思うのです」
「それは人それぞれだと思うけどな〜。ってかそこまで思い入れがあるのって早苗だけだと思うよ」
「え、普段から異次元のプレイをしている理紗が今更言えた話ではないのでは?」
「ナチュラルに退路を塞ぎに来てるっ!?」
現在の時刻、20:00丁度。私こと白峰理紗は友人の一人桜井早苗と通話をしていた。この子、見ての通りちょっと変わった子だったりする。
いやまぁ学校での彼女はすっごく真面目な良い子なんだよ?所謂生徒会長とか委員長になれるタイプって言うのかな。黒髪ロングに身長も高くてスラッとスレンダーなスタイルは男子からも女子からも人気だしさ。
でも、変わってる。何がって?趣味嗜好が。彼女は見た目に寄らずかなりのゲーム好きだ。そりゃ私とこうしてゲームしながら通話するくらいだしね?でも彼女のゲームに対する価値観は大分、だ〜いぶ変わってる。
通話画面に併設してある彼女のゲーム画面にご注目。今彼女がやってるのはソウルライクのいわゆる死にゲーで、ある程度の強化要素があるゲームだ。そして今はラスボスとの熱い戦いを繰り広げているところだったりする。
問題はその装備。さも当然と言わんかの如く防具を身につけておらず、挙げ句の果てに武器は初期武器、言っちゃえば一番弱い武器を使っている。難易度は最高ランクだから一撃でも食らえばお陀仏だっていう極限状態。
彼女曰く、防具無し初期武器縛りでラスボスまで走り抜けるチャレンジ、らしい。もうね、よくわかんない。いや、私もやろうと思えば出来るかもしれないよ?そこまでの間にどれだけの屍を積み重ねるか分からないけどね?
でも、彼女は笑みすら浮かべながらその鬼畜縛りを難なくこなしていく。私が言うべき事じゃない気がするけど、この映像録画して動画として投稿したらさぞ大量の再生数を稼げるだろうなと思ってしまう。いやもうだって負ける要素がないじゃんこのプレイは。
「ふふ。当たらなければどうということはない。先人は偉大な言葉を残しましたね」
「それ偉大な先人じゃ無くて某赤い彗星だけどね??」
「細かいことを気にしてはいけませんよ。さて、では本日の本題に移りたいのですが」
「あ。このくらいのプレイはお膳立てだと言いたいのかなぁ?この人間卒業プレイヤー」
「大丈夫です。誰でも最初は初心者なのですよ……っと。そんなことを言っている場合ではありませんでした」
なんか一瞬勧誘されかけた気がするけどほうっておくとして、早苗はそう言うと一旦席を立ち何かをごそごそと探し始めた。そしてすぐに何か機械を持って戻ってくる。ん?なんか見覚えのないヘッドギアだ。
「して、ここにNWOのβテスト専用機材があります」
「えっそれ当選したのっ!?」
「ふとお見かけしまして応募してみましたところ、なぜか綺麗に当たってしまいました」
「くぅぅ〜〜っ。私は外れたんだよね〜それ」
彼女が持ってきたのは、これから発売するゲームNWO、New World Onlineのβテスト機材だった。これの存在は私も知っていて、確か抽選で2,000名限定という条件で返還前提のお試し機材を使った体験が出来ると言うイベントがあった。
運営としては今まで前例の無い機材故にかなり大規模のテストを行いたかったらしく、ならばイベント的な要素まで加えて大々的にやろうってことになったらしい。私?当然落選しましたがなにか?こ、これが不平等な社会……っ!
「理紗は当然このゲームがどれほど期待されているはご存じのはずです」
「そうだね。何せフルダイブ型のVRMMOって言う新ジャンルな訳だから」
「ならば、これは私という存在をアピールする場としても活躍出来るのでは無いか、私はそう考えました」
おっと、話の流れが変わってきたぞ〜。そしてものすっごい嫌な予感がするぞ〜。理紗さんこういうちょっと変わった友人があと一人いるから分かっちゃうの悲しいぞ〜。
「とはいえまだβテストの段階ではそこまで出来る事も多くはないでしょう。と言うことで私はこの期間中にNWOの仕様を徹底的に調べ上げてくるつもりです」
「さ、早苗が本気の目をしてる……」
「結果は後で理紗にも共有しましょう。あなたがこのゲームを早く遊びたくなるための餌にします」
「私は動物園で肉を前につるされた猛獣じゃないんだけど」
「でも……欲しいですよね?新作ゲームの情報」
欲しいですっ!!(迫真)でもテストが近いせいですぐに出来ないです大佐っ!!助けてください大佐っ!!
「そしてβテストの段階で私だけが見つけた仕様に関しては、大々的に運営にバレないよう工夫することにしましょう。これもまたプレイスタイルに影響する可能性もありますから」
「報告しなきゃ修正なんてされないもんね〜ってそういう話でも無いんだけど」
「うふふ、バレなければ犯罪ではないのですよ?」
「さっきからちょくちょく言動が古いんだよなぁ……」
「それを理解している理紗も重度のオタクなのですから今更かと」
そ、それを言われると痛い……。でもまぁ楽しみに出来るって点では良い、のかな。私が出来るのは発売からちょっと経ってからになっちゃいそうなんだけどね。
「……と言うことがあって」
「あはは〜早苗も相変わらずだね〜」
「うぅ、楓だけが私の癒しだよ〜……」
「お〜よしよし……」
理紗が大分疲れた様子で私に連絡をしてきた。内容は、まぁいつも通りかな?
私こと本条楓は、何時ものように親友の理紗との通話をしてるところだった。それにしても、まさか早苗あのβテスト当選してたんだね〜。いや、私はそう言うのがあるってのを知ってただけで、ゲームなんて基本やったことすらないんだけどさ。
でも確か日本国民の中からは2,000名限定だったんだよね?確か応募数7,000人近かったらしいってニュースでやってたから、倍率が凄いことになってたはず。素直にすごいな〜って思う。
「まぁ早苗の話はここまでにして……楓、例の件考えてくれた?」
「うぅ、やっぱりやらないとダメ?」
「ダメって事は無いけど、私は楓や早苗と一緒にやりたいなぁって思うんだ」
う、理紗の思いが心にグサグサ刺さってくる。さっきも言ったとおり私はほぼゲームなんてやらないまさに初心者。当然今話題のNWOなんて縁の無い話だとばかり思っていた。
でも理紗から早苗と私と3人でやりたいって誘われちゃったんだよね。曰くこのゲームマルチプレイ?っていうのが出来るらしくて、私が初心者でも二人に教えて貰えるし、サポートだってしてあげるって。
でもやっぱりゲームって苦手なイメージが拭えないんだよね私。いや、食わず嫌いと言われたらそれまでなんだけどさぁ……やっぱり最初の一歩を踏み出すのって難しいものなんだよっ。
「まぁ予約が始まるのはβテスト終了後だし、ゆっくり考えてほしいな。別に無理に戦わなくてもいいように出来てるらしいし、初心者にお勧め出来ると思うから」
「わ、分かったよ〜。じゃあその時だからね?」
「うんっ!」
こんな笑顔を見せられたら断るなんて言えないよ〜。