流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。   作:正体不明の筆者A

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 我慢出来なかった不出来な私を許してくれ……

ポロンッ(妄想が投下される音)
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黒聖女と開き直り

 

「ふぅ……」

 

 ペインと一通り話し終わり、最後にもう一度しっかり釘を刺しておいたあと、私はログアウトして現実に戻ってきました。時間はまだ午前4時。ベッドでは楓と理紗がぐっすりと眠っておられます。

 

「ふふ……っ」

 

 ペインは私に気を遣ったのでしょう。それほど私は深刻な顔をしていたと。ですが彼との壮絶な決闘を経て、私はすぱっと開き直ることにしました。

 そもそもうじうじ悩むのなんて私らしくないのです。今までもそうやって切り抜けてきたではありませんか。それを忘れかけるなんて私は随分と困惑していたようですね。

 

「理紗、楓……私を変えた責任、取っていただきますよ」

 

 昨日の私は翻弄されてばかりでした。ですがもうそんな私はお終いです。女同士だとかなんて関係ありません。それに昨晩の『お礼』も出来ていませんからね。

 

 

 

「楓……」

「り、理紗……っ」

 

 早苗の様子がおかしい。おかしいって言うか、何か一晩でガラッと雰囲気が変わった気すらする。

 まず朝。私達が目を覚ますとエプロンにバンダナをした早苗が朝の挨拶をしてきた……おはようのちゅ〜付きで。

 当然私と楓はビシィって固まったよね。だってあまりにも自然にやってくるんだもん。反応する暇すら与えて貰えなかった。早苗はどこか悪戯が成功したような表情をすると台所に消えていった。

 そして朝食後、私達は見事に早苗に捕獲されて2人ともしっかり愛でられていた。慈愛の塊みたいな表情をしながら頭を撫でられて、肩を抱き寄せられて。私も楓も何か恥ずかしすぎてずっと顔が真っ赤だったと思う。

 最後に帰る時。玄関までお見送りに来てくれてから、一人ずつぎゅっと抱きしめてからのキスのコンボで私達を撃沈してきた。待って、ほんとに待って欲しい。

 

「もしかして……私達早苗のヤバい側面を覚醒させたんじゃ……っ」

「いや、確かに本気ではあったけどさぁ……あれはちょっとヤバすぎて即落ちしちゃう」

 

 今はそんな出来事があった帰り道。私も楓も生娘みたいに頬を真っ赤にしたまま帰路についていた。寝てから早苗にどんな変化があったのかは分からない。でも確かなことは、私達は眠れる獅子を呼び覚ましてしまったと言う事実があること。

 

「か、楓……っ」

「理紗……っ」

 

「「私達どうなっちゃうの〜〜っ!?」」

 

 朝の街中に私達の声が響き渡った。

 

 

 

 人生にとって、物の見方を変えるというのは新しい見地を持つ上で大事だと何処かの偉人が仰っていた気がします。ものを一側面からしか見ていないと、その領域だけで構築された偏見で思考が阻害されてしまうのだとかなんとか。

 かつての人類が天動説を信じていたのと同じ事です。あれも空ではなく地、つまり地球が動いていると証明されたことで科学はさらなる発展を遂げました。今の宇宙物理学がダークエネルギーやダークマターといった見えない物質を参照せざるを得ないのも、かつて科学者自身が作り出した論文と言う名の固定概念に縛られているから、なんて考えすらあると言われています。

 そんな大げさな話にしなくても、世の中の凝り固まった固定概念を取り払うと世界が広がると実感することが出来ます。私はそれを確かに体験致しました。

 

「あ、あの早苗?」

「ふふ、なんですか理紗?」

「えっと、今休み時間……ふわっ!?」

「あ、あわわわわ……っ」

 

 私は先日の経験から楓や理紗に対するものの見方が変わりました。えぇ、えぇ、皆まで言わなくても分かります。お二人がとても愛らしく守って差し上げたい存在だと気づいてしまったのです。

 これを陳腐な言葉で表すなら、愛と言うのでしょう。そう、私は楓と理紗に愛を抱いてしまったのです。今までは様々な制約でそう思う事を無意識に避けてきました。女同士だからとか、本当に私は2人にとっての親友で居られるのだろうかとか。

 

 ですが気づいてしまったのです。気づかされたといっても良いかもしれません。私はまたひとつ過去の幻影を取り払うことが出来たような気がします。親に依存せざるを得なかった時に得てしまった大いなる枷をひとつ外すことが出来たのです。

 

「さ、早苗……っ。み、みんなに見られちゃうって……っ!」

「ふふ……先日理紗は言ってくださいましたよね?私に彼氏なんて必要ないと。それならば……理紗が私のお相手をしてくださる、と言う事でよろしいですよね?」

「そ、それは……っ!」

「それに……私達は女同士ですよ?これは親友同士のスキンシップであって不埒な事ではありません。ですから見られたところで横指を指される事などないのですよ」

 

 ふふ、理紗ったらそんなに顔を赤くしていらっしゃるなんて。そんな顔今まで見たこともありませんでしたから、私も心なしかドキドキしてしまいます。理紗を膝の上に横抱きで乗せて、その細くも頑丈で柔らかい身体を抱きしめ、理紗の頭をポニーテール越しに撫でているだけです。これはただのスキンシップなのですから。

 

「ふふっ……可愛いですね、理紗」

「やっ耳元で囁かないで……っ」

「良いのですよ?私は理紗にたくさんお返しをして差し上げなければなりませんから。今は取りあえずゆっくり私に身を委ねてくださいな」

 

 高校入学時、最初に私が仲良くなったのが理紗でした。ゲームの話で意気投合し、人間を信頼していなかった私に人を信じるきっかけを与えてくださった女の子。楓とも知り合い3人で行動し、私が少しずつ普通の女子高生になる過程を歩めているのは、ひとえに理紗が私と親友になってくださったお陰なのです。

 

「あ、あわわわわ……っ」

「か、楓……?た、助けて……っ」

「あ、あぇ……っ」

「ふふっ。今日のお昼休みが楽しみですね」

 

 今日は少しだけ張り切ってお弁当を作ってきたのです。私達はいつも3人で昼食を食べていますが、その時に3人で食べられるように少し多めに、です。

 冷食ではない手作りですから少し自信がありませんが、これもまた『お礼』のためですからね。私が楓と理紗のためにする精一杯の感謝を込めました。喜んでいただけると嬉しいのですが。

 

 

 

 早苗の溢れんばかりの感情に押し流された日の夜。私は理紗と通話をしながら今日の1日を振り返っていた。いや、振り返る度に恥ずかしくて悶え苦しんじゃうんだけどねっ!?

 いやぁ……ちょっと恋愛初心者の私には刺激が強すぎる1日だった。やっぱり早苗のリミッターが外れたのはほぼ確実。そしてその犯人は間違い無く私達。当然その被害と言う名の余波を受けるのも私達。

 

「楓……顔がまだ真っ赤だよ?」

「そ、そういう理紗こそ顔真っ赤じゃん」

「い、いやだって〜……っ!」

 

 理紗はそう言って顔を机に押し当てて悶え始めた。まぁ、分かるよ?昼休みなんて絶品のお弁当を私達のためだけに作ってきたと言われてからのあ〜んの連続。実際料亭の料理と見間違いそうな程美味しかったんだけど、早苗の表情がね、もう私達を落とすためだけに顕現したみたいな顔してたの。

 いつもの早苗が絶対見せないような柔らかい表情で、私達が美味しいと言ったら花開くような笑みを見せてくれて、昼休みの余った時間はずっと早苗に抱き寄せられて頭をナデナデされ続け、早苗が気まぐれにしてくるチューに翻弄され。

 

「あ、ぁ……っっ〜〜〜っっ!!!」

 

 あ、あんな表情されたら……早苗の事もっと好きになっちゃうよ〜〜っっっ!!いやおかしいでしょっ!?なんであんな内面隠してたとかはこの際どうでも良くて、早苗が心を許すとあんな感じになっちゃうのっ!?いやもうほんとご馳走様ですっ!?

 そ、そもそもこっちは二人なのにまるで勝てる気がしない……って言うか全てを抱擁されて沼に沈められちゃうし、大体早苗が女の子として美しすぎるしかっこよすぎるよ〜〜っっ!!!え、なんであんなスムーズに肩組みからの頭撫でとか出来ちゃうのっ!?男の子だったらどんな性格の子でも一瞬で完落ちしてガチ恋勢になっちゃうくらいの破壊力だったよっ!?いや実際私達のイチャイチャ見てた男子達顔真っ赤にして固まってたしっ!!

 

「か、楓……私達、どうしたら良いの?」

「い、いやぁ……や、だって、もう、無理、でしょ……っ」

「あ、あんな早苗初めて見たし、そもそも元より心を許してたよりなのがブーストをかけて、なんかもうひたすらに悶えたい……っっ!!」

「げ、ゲームしよゲームっ!!今なんか凄いレベル上げしたい気分だなぁあはははっ!!」

「いやいやゲームなんて早苗に補足されたら逃げ場無いって……っ!」

 

 そ、そうだった……っ!!早苗ゲームじゃトッププレイヤーで無双してたんだった……っ!!いや〜〜リアルにも電子にも逃げ場がないよぉぉ〜〜っっっ!!!

 

 

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