流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。 作:正体不明の筆者A
ようやくなんとか構成がまとまりモチベも回復しましたので投稿を再開したいと思います。今回こそ最後まで完結させますので、思い出しがてらお読み頂けると幸いです。
私には大前提となる物事があります。それは何よりも楽しむ事です。
物事は楽しめなければ長続きしませんし、マンネリになればやめてしまいます。それは趣味であれば勉強であれ変わりません。楽しむ事こそが一番の幸福なのです。
そして私は自分の幸福を誰かに押しつけようとは思いません。人には人それぞれの幸福の形があるのです。それを見つけられるのは自分だけであり、他人によって見つけられるものではありません。ですから私はあくまで自主性を重んじているのです。
「「可愛い〜っ!!」」
お、遂に卵が孵化しましたか。生まれたモンスターは亀と狐の姿をしていますね。どうやら一緒に現れた指輪のようなものを使って契約をするようです。
こうなると、メイプルとサリーはこの子達のレベル上げやふれあいをしたいと思うでしょう。さて、私は下手に気を回さずにいつも通りに立ち回ることにしましょうか。
「ふふ、それでは私は少々見回りをしてきます」
「「は〜いっ」」
私は空気を読んで二人から一旦距離を取ることにしました。幸いこの場所は洞窟で安全性が高い場所です。洞窟の入り口が見える場所の木にでも陣取ってのんびりするとしましょうか。
手頃な木を見つけて太い枝の上に上り身体を落ち着かせます。ふむ、たまにはこうしてひなたぼっこをするのも悪くないものですね。まぁこのイベントが始まってから私はずっと走り回ってばかりでしたので、少しくらい休んでもバチはあたらないでしょう。
「……」
イベント的には丁度今日で半分を過ぎたところでしょうか。メダルは変わらず20枚を超えたところ。何処かでサリーが狩りに出かけるタイミングがあるでしょうから、そのタイミングでがっぽり集まることを考えますと……
私は無理に動く必要もないかもしれませんね。後はメイプルとサリーの2人だけで集められる量でしょう。そうなりますと、私はやはり2人のサポートをしなければならないようですね。それと新しい戦術の考察もそろそろやっていきたいところです。
「……」
……それにしても、やはりフィールドが広大な影響かあまりプレイヤーと遭遇しませんね。ある程度派閥が分かれているからというのもあるのでしょうが、単独行動組はほとんどいないと言って良いのではないでしょうか。
まぁこのイベントの趣旨は一応メダル集めではありますが、ゲーム内で長い時間を仲間と過ごす事で得られる体験の方を重視している気がしています。この世界はゲームの世界なのですから、普段出来ない事を沢山行って思い出に変える。そんな事を主眼に置いている気がしています。
メイプルなんて最たるものでしょう。彼女はほとんどゲームの経験が無く今回のNWOが初めてと言っても良いくらいでした。そんな彼女が今やイレギュラーな程の活躍をしていると言うのですから、ゲームと言うのはよく分かりません。
ふむ……やはり私も少し普段とは違うことをやりましょうか。せっかく飛翔スキルも入手したのですから、普段では絶対に出来ない経験をしようかなと思います。
NWOは所謂オープンワールドと呼ばれるゲームです。ある程度の指定があるとは言え、広大なマップをロード無しで体験することが出来るのがこのゲームの売りですが……私みたいな変態プレイヤーはこう考えてしまう訳です。
『マップ端とかに行けば何が起こるんだろう』と
マップ端。つまりこの世界の果てに行くと何が起こるのかと。壁になっているのか、何か強大なモンスターが潜んでいるのか、はたまた何もないだけの虚無の世界が広がっているのか。
プレイヤーというものは運営の裏をかこうとします。だからこそオープンワールドならではの事をしようとするのです。私は今までそこまで行くための足を持っていませんでしたが、飛翔スキルはその足になってくれる可能性があるスキルなのです。
「ふぅ……取りあえず限界高度を目指してみましょうか」
まずは飛べると言う事でこのマップの限界高度を調べてみることにしましょう。今のところあの雪山山頂の辺りまでの高度を上ることは出来ていますから、そこからさらにどこまで上を目指せるのかを考える必要があります。
私は【銀翼】を発動し背中に巨大な翼を生やすと、そのまま高速で空へと飛び立ちました。飛翔速度は原則AGIによって変動しますので、私は地上と遜色無いかそれ以上の速度で空中に飛び上がって行きます。まぁ正直空中は期待してはいませんが、やるだけやってみましょう。
「ふむ……やはり限界高度付近では何もなし……と」
取りあえず目視で2,000mくらいまで上がってみましたが、何かボスのようなものがいるという訳ではありませんでした。まぁ予想通りではありましたのでここは良いでしょう。
さてここまで上ってくればこのマップの最外周までをはっきりと視認することが出来ます。ふむ、ここは所謂広大な海上に浮かぶ島のようなものらしいですね。当然マップ端は見たところ海しか見えません。
そして何より現状目視でマップ端を目視することは出来ません。かなりマップ端が遠い場所にある可能性は高いと思います。ですがそれ如きで私の好奇心を止めることは出来ません。遊び心のある運営ですからマップ端に何かを置いているのは間違いないでしょう。
「ふふ、ふふふっ。さぁ早速向かってみましょうか」
まず向かうはここから一番近い東側のマップ端です。さてさて一体どんなボスが出てくるのでしょうか。いかんせん情報が全くありませんから確証が持てないのですよね。
この速度ならそう時間もかからずにマップ端に辿り着く事が出来るでしょう。私は胸をわくわくとさせながらマップ端に向かいました。
「……いた」
そんな私の前方に、何やら巨大な影らしきものが見えてきました。全長は今まで見てきたモンスターの中でも最大級と評すべき大きさでしょう。見た目は……龍に近いでしょうか。
私とは比較にならない程の巨躯。東洋の龍に見られる長い蛇の様な身体。顔には長いひげが何本も伸び、体色は白色。全長数キロを超える巨体が私の前に現れたのです。
「さながら青龍と言ったところでしょうか。では参りましょうっ」
東方の龍と言えばまさに四獣の青龍がそれに等しいでしょうか。相当強力なボスに違いありません。ですがこんなボスがいるのであれば討伐しなければと考えるもの。私は早速この巨大な魔物に攻撃を始めました。
ですが私は知ることになります。これがまさかこれからの長い旅路の始まりに過ぎないと言う事に。そしてこれが大きな分岐点になっているとも。
青龍は今まで戦ったボスとはまさに比較にならないほどの強さでした。まずもってその巨体が最大の特徴です。彼の攻撃手段はかみつき、突進、なぎ払い、白い炎ブレスと単純ですが、その範囲はどれも桁違いに広いものとなっています。
どれくらいかと言いますと、発動を確認してから私が全速力で退避してようやく回避出来るか否かと言うレベル。少しでも判断が遅れたらその瞬間体力をごっそり持って行かれてしまうのです。
そしてそんな状態でありながらタフネスも中々のものでした。推定体力は1億以上。毎秒300の自動回復を所持しているまさに難攻不落の要塞です。攻撃を回避している間にあっという間に体力を大量に回復されじり貧になるように設計されているのでしょう。
「はは、あはははっ!この感覚、久しぶりじゃないですかぁっ!!」
まさに普通の戦法では歯が立たない相手だとも言えます。まさにマップ端を守る守護神と言ったところでしょう。ですが、私は不可能であればあるほどそれを突き破りたいと思っているだけの人間です。このモンスターにはHPがあり、MPがあり、被弾判定があるのなら、それは確実に討伐可能なのです。
私は久しぶりに恐ろしい回数の死を経験しました。ある時はかみつかれ、ある時は炎に焼かれ、ある時はその巨体に轢かれ、ある時は風圧で吹き飛ばされ。これほどの死は【冥界の理】を取得した時以来ではないでしょうか。
ですが、その屍の先に私はこのモンスターへの回答を導き出しました。そしてそれは至極単純な事でした。用は攻撃に被弾しなければ良いのです。かの軍人は言いました。当たらなければどうということは無いと。それを実戦するだけなのです。
私はまずスキル【オーバーヘイスト】を自身に3回付与します。このスキルは後の検証で重ねがけをすることが可能であると判明し、その発動ごとにAGIの値が10倍になります。今の私のAGIは100万の桁を上限突破しております。
そして【神聖騎士の秘法】を使い基礎的な攻撃性能を爆増させます。このモンスターの有効属性は雷でありますので、私は併用して【魔法剣の心得】によって武器に雷属性を付与、青龍への最大打点を確保します。
後は簡単です。制御不能の速度を制御して青龍に秒間数百発の攻撃をたたき込むだけです。【オーバーヘイスト】によるAGIの増加に伴い間接的に攻撃速度も跳ね上がりましたので、この異次元のDPSをたたき出す事が可能となったのです。
「あははははっ!遅い、遅いんですよぉっ!!」
私は青龍の攻撃を超速度で回避しながらひたすらに攻撃をたたき込んで行きます。今の私は一瞬の油断が死に直結する状態と言って差し支えないでしょう。ですがMPは既に青龍から吸収した分のMPを確保出来ていますので、プログラム上限値の21億まで回復しております。
これで私はMP切れに怯えることはなくなりました。後はこの巨体を地に伏せてしまえば良いだけのことなのです。DPSはおよそ5000程度。自動回復分を差し引いても秒間4,700程のダメージが出ていることになります。
すでに検証の結果青龍に第二形態が無いのは分かっていますので、後はこの超連撃をたたき込むだけです。最初から最後まで気を抜く事は出来ません。ここまで来て最後の最後は私自身のPSだけが物を言うのです。
「はあぁぁ〜〜っっっ!!トドメですっ!!」
私はトドメの一撃を青龍にたたき込みました。青龍はけたたましい咆哮を上げて海に落下していきます。私は発生した高波に巻き込まれないよう高度に避難しました。青龍の身体は徐々にポリゴンと化し、最後には綺麗に消え去っていったのでした。
「リーフが青龍をやりやがったぞ!?」
「「「「「はぁっ!?!?!?」」」」」
「え、あいつマップ端枠でめちゃくちゃな強さにしたんだぞっ!?」
「そもそも攻撃判定バカ広いから回避なんて出来ないだろっ!!」
「そ、それが……リーフの奴自分のAGIをほぼカンストまで持っていって無理矢理回避していたようでして」
「「「「「はぁっ!?」」」」」
「ば、バケモノ過ぎる……」
「AGIって1,000を超えるとほぼ制御不能になるような調整してんだぞこっちは……っ」
「い、いやだが青龍にスキル自体は仕込んでないから倒してもなんのメリットも……」
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本来討伐不可能に設定されたボスの討伐を確認しました。内蔵AIの独自判断により討伐者にスキルを付与します。
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ALERT ALERT ALERT ALERT ALERT
「部長っ!!内蔵AIが……っ!!」
「クソっ!!イベント中だから再起動も出来やしねぇっ!!」
「どうしたら良いんだ〜っっっ!!!」