流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。 作:正体不明の筆者A
遂に楓の木と言うギルドが開設し、NWOにおいてもギルドの波が訪れ始めました。そんな最中運営から公開されたとあるイベント告知が話題となっております。
「ギルドごとに行われる素材収集イベントですか……」
「あぁ。どうやらイベント専用モンスターがスポーンして、そいつがドロップする素材の数で報酬が増えるとか何とかって感じらしいな」
「ありがちっちゃありがちだねぇ。まぁギルドを促進させるためには必要なイベントかもしれないけど」
それは第三回イベントの告知です。やることはこの第二層に出現する限定モンスターを撃破すること。そのモンスターがドロップする素材でギルドに色んな報酬があると言う、ありきたりと言えばありきたりと言えるイベントです。
開始予定は今日からおよそ1週間後。そこまでにメンバーを集めてイベントに参加する準備を整えてねと言う事みたいですね。今のところ一部少数ギルドを除けば炎帝の国と集う聖剣の二大勢力が幅を利かせる事になるでしょうか。
「今うちのギルドは7人でしょ?今回の結果を踏まえて増員を検討するかを考えるのも良いんじゃ無いかな」
「ふむ……クロムさんとしてはどうでしょうか?私としてはメンバーなど能力さえあれば多少は構わないと考えているのですが」
「まぁリーフの言う事も最もだけど、流石に今の俺たちの戦力で炎帝や聖剣に対抗しようってのはちょっと無理があるんだよな。だがそれはそれとしてメンバーの質を考えると難しいんだよな。ほら、俺が言えた話しじゃないけど女プレイヤー目的の不埒な奴が来ないとも限らないし」
クロムさんの言う事は最もだと思います。やはり最終的に増員の善し悪しを決めるのは質であると私は考えています。特にこのギルドはカナデくんとクロムさん以外女性プレイヤーで構成されたギルドです。当然そう言う不埒な輩が来る可能性は十分に存在します。
ふむ……やはりここはギルドマスターの力を使うのが一番手っ取り早いでしょうね。丁度今日はメイプルもログインしていますので助太刀を買うことにしましょうか。私?私の人脈に期待するのはやめておいた方が良いと思いますよ。
「……ということで、メイプルなんか良い人見つけて来て下さい」
「えぇっ!?」
「そうですね……既に第二層に到達しているプレイヤーを誘うのは現実的ではないでしょう。ここはいっその事第一層に眠る人材を見つけてくるのが良いと思います」
「え、え〜っと……さ、サリーも連れて行っちゃダメかなぁ?」
「えぇ構いませんよ。メイプルだけでは説得も難しいでしょうし」
「そ、それなら別に構わないけど……」
ということで第二層の森にいたメイプルをひっ捕まえて条件を呑ませました。まぁ後でリアルでご褒美でも奢ってあげればご機嫌取りは問題なしでしょう。メイプル特攻のとても美味しいスイーツ屋を最近見つけたのです。
そして数時間後。メイプルから一本の連絡が入りました。どうやら何とか二人ほど人員を連れて行けそうとのことです。おぉさすが我らがギルドマスター。仕事が早くて大変助かります。どうやらその子達はまだまだレベルが低いらしく、メイプルとサリーでキャリーして来てから紹介するとのこと。
「これで取りあえずメンツとしては十分でしょうか……」
「そう言いながら笑みを隠せてないぞリーフ」
「っとと。どうやらサリー曰く面白い人材らしいのでつい心躍ってしまい……カスミは何をしているのですか?」
「武器の手入れだよ。まぁ趣味みたいなものさ」
「私はメイスなので殴れれば何でも良いんですよね……」
「とてもヒーラーとは思えない発言が出たぞ今」
「でも僧侶の武器でメイスは王道ではありませんか?」
「それは否定しないが……リーフを僧侶の枠に入れるのは違うだろ」
ふむ、まぁ今時の僧侶は自衛出来なければ生きていけませんからね。さて、彼らが来るまでの間少し暇ですね。流石に探索するほどの時間もありませんし何か暇つぶしが欲しいのですが……
そう言えばイズが早速何か面白そうな武具を作っているとの噂を聞きました。彼女の元に行くのはかなり面白いかもしれませんね。
「ということで来ましたが……それは何ですか?」
「ん〜?リーフちゃんが沢山レア素材を持ってきてくれたから新しい武器でも作ろうかと思って」
「それは理解していますが……どう見てもそれは銃ですよね?」
「正確には違うわね。これは魔導銃って言う武器で、プレイヤーのMPを弾丸にして発射する魔法武器の一種よ。消費前提の弾丸の生産を省きながら遠距離に対応出来る優れものなの」
魔導銃ですか……私でも聞いたことが無い武器種ですね。一応分類としては杖などに当たるのでしょうが、見た目がどう見てもFPSで見る銃そっくりなのですよ。
性能としてはまだまだ試験段階のレベルを出ないようですが、威力は並大抵の魔法を凌ぐほどになるとのこと。うちのギルドは遠距離要因になれるプレイヤーがある程度存在しますので、後衛戦力の増強としてはかなり心強いものになるでしょう。
「まぁこれはおもちゃみたいなものよ。本格的なのはも〜っと凄い威力が出るんだから」
「……ちなみに確認しますが、まさかイズさんご自分でご使用になるおつもりで?」
「もちろんよ〜。私生産職だけどある程度戦えないとこれからは大変だろうしね〜。これだけ大量の素材があるから試行錯誤もし放題だし、ほんとリーフちゃんには感謝してるわ〜」
「そ、それは良かったです」
銃を片手に戦場を駆ける生産職とは絵面が中々に世紀末ですね。ま、まぁ味方であればあるほどこういうタイプは心強いとは言いますし、あまり深く追求はしないでおきましょう。
「「は、初めましてっ!」」
「名前を教えて貰っても良いですか?」
「わ、私はマイですっ」
「私はユイって言いますっ」
ということで件のプレイヤーであるマイちゃんとユイちゃんがギルドホームに辿り着きました。二人とも流石に私のことは知っていたのかとても緊張しているご様子です。まぁいきなりメイプルにスカウトされた挙げ句私と対面させられているのですから当然と言えばそうでしょうか。
マイちゃんが姉で黒髪の方、ユイちゃんが妹で白髪の方と覚えておきましょう。少しだけ話しをした感じマイちゃんが慎重派でユイちゃんが積極派と姉妹で性格が綺麗に違うようですね。
「なるほど。それでメイプル。この子達をスカウトしようとした決め手はなんですか?」
「ふっふっふ。まぁ何も言わずに二人のステータスを見てあげなよ」
「ステータスですか?二人とも見せて貰ってよろしいでしょうか?」
「「は、はいっ!!」」
メイプルがどや顔をするステータス画面とは一体何なのでしょうか。まぁ間違い無く碌な物ではないと思い覚悟しながら確認したところ……そこに並んでいた数値は見事なまでの振り切れた光景でした。
まず目を引くのがその異様なSTRの高さ。レベルの割に異常な数値を記録しており火力だけで言ったらピカイチと言って良い程強力でしょう。そしてそれの反比例するかのような他ステータス達。メイプルの数値を見たとき以来のいっそ清々しいがまでの0の羅列。
そう、彼女達はSTR極振りのプレイヤーだったのです。そう言えば第一回イベント終了時に一時期新規プレイヤー間で極振りが流行ったという話しを聞いたことがあります。まぁ極振りのメイプルがあれだけの好成績を収めたのですから試しに挑戦しようと思うプレイヤーがいるのは当然でしょう。
まぁ結果は見えていた通りで、どんなにステータスを偏らせてもスキルとの兼ね合いが無ければ上手く運用出来ないと言うことで多くのプレイヤーがアカウントを作り直すはめになったのだとか。まぁこれにかんしてはメイプルが可笑しいだけで普通のプレイだけしていればそうなるのも当然と言えるでしょう。
「ふふ……メイプル。感謝します。後で一個千円の高いチョコケーキを奢ってあげましょう」
「わ〜いリーフ大好きっ!!」
さぁ、これは相当尖った人材を用意してくれました。こんな類いの興奮を覚えたのはメイプルの数値を見たとき以来です。まぁ奇しくも同じ極振りプレイヤーということで、それはそれは尖ったプレイングが可能と言う事になります。
「マイちゃん、ユイちゃん。よくぞ私達のギルドに来てくれました」
「え、あ、はいっ。ありがとうございますっ」
「私は君たちみたいなとてもとても尖った人材を探していたのです。良いですよね変則的なプレイって。えぇえぇ安心して下さい。私が責任を持って最強にしてあげますからね」
「あ、やべリーフが暴走し始めた。お〜いリーフ戻ってきて〜」
「うふふふふ。メイプル。今度ご家庭の方にお高いギフトを贈っておきますので楽しみにしておいて下さいね」
「や、やばい……リーフが興奮しすぎて散財癖を開花させ始めてる……」
さてさて一体どのようなスタイルで行きましょうか。やっぱり立ち塞がる壁全部ぶっ壊してやりたいですよね。丁度武器もハンマーですので攻城戦最強のプレイヤーに仕立てるのも悪くないでしょう。後投擲での遠距離手段を確保したいですね。最近丁度良さげな武器の情報も入手してきましたので私が強力して取りに行くのもやぶさかでは無いでしょう。
「え、えっと……め、メイプルさ〜んっ!」
「わ、私達じゃ止められません〜っ!!」
「あ、あはは〜……リーフはこうなったら多分止まらないから少し落ち着くまで待ってようね」
「「え、えぇ〜……」」
次回:マイ&ユイ姉妹壊れる。デュエルスタンバイっ。