流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。   作:正体不明の筆者A

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 今回はカナデくん回。カナデくんにも色々と好き勝手してもらう予定なので。


黒聖女と魔道士

 

 

 我らがギルドも人数が増えて参りました。これ以上は現状増やす予定はございません。ここから行うべきは各々の強化であり、炎帝や聖剣に戦力で劣らないような育成方針を立てる必要があります。まぁ皆様元々お強いので細かいところを修正するだけでいいとは思っておりますが。

 それと同時にメンバー同士の交流を進めなければなりません。うちは小規模ギルドですから各メンバーの関係もよりよい物にしなければならないのは言うまでもないでしょう。連携も取りやすくなりますしね。

 

「それでボクのところに来たって訳ね」

「今日はサリーを主体とした戦闘訓練をしていますからね。カナデくんはパズルが忙しいのでしょう?」

「うん、そうだよ。もう少しでひとつパズルが解けそうなんだよねぇ」

 

 と言うことで私はカナデくんの元を訪れていました。イズさんは大量の素材を使ってアイテムの制作を、それ以外のメンバーはサリー主体の戦闘訓練に駆り出されています。サリーの立ち回りはやろうと思えば誰でも真似できる基礎の応用で構成されていますからね。

 サリーの強みは潜在的な戦闘センスもありますが、やはり圧倒的な経験値の多さだと思っています。場数の多さで動きをその身にたたき込み、それを的確に出力出来る事が彼女の強さを支えているのです。

 

「見たところ……他にもパズルがあるようですね」

「うん。でもここのパズルは難しいよぉ。最近はずっとここに籠もってばっかりだけど、これを解くのに4日もかかってるからね」

 

 ただいまカナデくんが解いているパズルはミルクパズルなんて言われる代物で、ピース数の多さもさながら、ほぼ白色だけで構成されているのが特徴です。私も時折ジグソーパズルの類いはやりますが、ピースごとの違いがほぼ分からないくらいに同じなのです。これを平然と解いているのが既にすごいと思っています。

 

「リーフもひとつくらい解いてみたら?丁度手頃な難易度のもの知ってるよ」

「ほう?最近は頭を捻っていませんでしたし一つくらいやってみましょうか」

 

 と言うことで私も一つパズルを解いてみることにしました。まぁ手頃と言ってもカナデくん基準でのお手頃と言うだけで、常人からすればろくにピースすら埋まらない代物ではあるのですが。まぁ私も程ほどに出来るとは思いますので。

 

 

 

「うぐぐ……」

 

 そう意気込んでから約二時間後、私は絶賛唸りながらパズルを解いているところです。これ、難しすぎませんか?最低限外周のみは埋まりましたが、そこからさきがさっぱり解ける気がしません。これは少しばかり見る場所を変えなければなりませんね。

 今までやっていたゲームとは違う種類ですが、私は現状生きてきて初めてと言って良い程の苦戦をしています。こんなことなら数独やらパズルゲームをもっとやっておくべきでした。

 

「苦労してるねぇ」

「逆にこれのどこがお手頃なのか教えて頂きたいです」

「だってこれ今ボクが解いてるやつよりピース数が半分だからね」

「そんなことだろうと思いましたよ……」

 

 カナデくんは口をにんまりとして笑みを浮かべています。く、なんだか馬鹿にされている気分ですね。そう言われてしまっては意地でも解かなくてはと思ってしまいます。私のプライド的な何かが崩れそうになりかねません。

 ですが私はこの手のパズルの解き方と言うのを知りません。定石の様な物が多分あると思うのですが、なぜか私はこの手の分野に手を出してこなかったので、それが何なのかが全くと言っていいほど分からないのです。

 

「トッププレイヤーにも完璧にこなせない事ってあるんだねぇ」

「えぇいうるさいですよ。経験が足りないだけです」

「にゅふふ。まぁパズルなんて好き好んでやる人なんてあんまりいないからね。だからこの図書館ってあんまり人も来なくて集中出来るんだよ」

 

 そもそもこの手のパズルが解けるプレイヤーがいないだけの様な気もしますが、逆に言えばここにはまだまだ未知の武器やらが揃っている可能性がありますね。

 まぁ良い機会です。頭を柔らかくする意味合いも込めて少しばかり本腰を入れてパズルに挑戦してみることにしましょうか。決して解けなくて自棄になってる訳ではないのです。

 

 

 

「や、やっと解ける……っ」

「おぉ〜おめでと〜っ」

 

 挑戦し始めてから2日後、ようやく私はパズルの最後のピースをはめる事が出来ました。ひ、久しぶりです。こんなに何かに対して苦戦した経験をするというのは。

 解かれたパズルは光を放って小さく収束し始め、私の目の前に一つのキューブとして再出現しました。どうやらこれがパズル突破の報酬とのことです。見たところカナデくんが持っている武器に近い性質を持っていると思われますが……

 

 魔導原典

【破壊不可】

【召喚魔術】

 

【召喚魔術】

 異世界から魔獣を召喚し使役する事が出来る。

 

「ほう……?」

「面白いスキルだねぇ」

「えぇ。ですがスキル説明が少しばかり曖昧ですね。そこは自分で検証しろということになるのでしょうか」

「多分ねぇ。もしかしたらボクの【神界書庫】みたいにランダムで出現するパターンかも」

「あり得ますね……」

 

 召喚魔術ですか……。今まで使ってこなかった分野ですね。性能次第ではありますが、多分そこそこに優秀なスキルの香りを感じています。後で詳しく検証する必要がありそうですね。

 後ついでにカナデくんも取り組んでいたパズルを解き終わったようです。出てきた武器はやはりルーブックキューブのような代物。何やら【神界書庫】と親和性の高いスキルらしいですが……

 

「出てきたスキルを魔導書として保管できる……ですか」

「魔導書にするのには相当のMPを支払わないとだけど、【神界書庫】から出てきた魔法を実質保持出来るようになったみたいだね」

「私が以前に話した様なスキルが実際に存在していたと言う事になりますね……」

 

 これでカナデくんは運が絡みますが全ての魔法を使う事が出来るようになりました。また一つギルドの戦力が跳ね上がった事になります。

 それと同時にこの図書館にある高難度パズルを解けば何かしら装備が貰える可能性があることも分かりました。私達が確認しただけでもまだまだパズル自体は沢山ありまして、難易度も上澄みの中でもピンキリと言ったところ。もしかしたらしばらくここに籠もってしまうのも手かもしれませんね。

 

「ふむ……たまにはこうして頭を捻るのも悪くないかもしれませんね」

「でしょ〜?ボクは今後もここで色々とパズルとか解いていこうと思うから、良かったらリーフも来てみると良いよ」

「えぇ。とても良い経験をさせて頂きました」

 

 そして【召喚魔術】の性能も早く検証したいところです。言ってしまえば新しいおもちゃなわけですからね。おもちゃは手に入ったら遊んでみたくなるのがゲーマーというものです。

 

 

 

 自惚れるつもりはありませんが、私は世間的に天才だと言われます。まぁ何をしても並以上に出来てしまうのですからそう言われるのも無理はありません。

 運動も勉強も芸術も、一度取り組んで仕舞えば平均以上の成績を出すことが出来ました。文武両道の才色兼備なんて中学の時に男子から思われていたと後に判明したのも有名な話しです。

 

「うむむ……」

 

 そんな私ですが、このパズル群に限っては攻略するのに時間を要していました。そもそもこれをパズルという領域に収めて良いかという問題があると思いますが、ここで言い訳を述べたところで目の前のパズルピースは一向に埋まってはくれません。

 ですが完成速度は確実に上がってきています。分かるんですよねこう言うのって。目が慣れてくるというのでしょうか。後完成した時の達成感というのを脳が覚えているのもあるでしょう。

 そして完成させたパズルからはやはりキューブ状の武器が出てきました。それは私が事前に持っていた武器と融合させて一つの武器にすることが出来るようで、カナデくんの武器も同様の性質を持っていた事から、恐らくここの武器は全て一つに纏める事が出来るのでしょう。

 

 魔導原典

【破壊不可】

【召喚魔術】

【魔導生成(ウィッチクラフト)】

 

【魔導生成(ウィッチクラフト)】

 MPを消費してマジックアイテムを作ることが出来るようになる。

 

 これまた抽象的な説明文です。最近イズさんが生産職に関連する新装備を入手したようですが、性質はそれに近いでしょうか。生成されるアイテムはランダムであり、MP消費量も常識レベルで考えればかなり多い部類だと思われます。

 まぁ私は未だに四神から吸い上げたMPが残っていますし、定期的にレベル上げのついでに補給もしていますので大した影響ではないのですが。やはりパズルの難易度が低めだとスキルの強さもそれ相応になるという事でしょうか。

 

 あぁ別にこのスキル達が弱いわけではありません。むしろそこらのユニークスキルと比較しても強いとはっきり言えるクラスではあります。【召喚魔術】で召喚されるモンスターは所謂ダンジョンボスが召喚される仕様であり、術者が過去に討伐したボスモンスターを呼び出す事が出来るようです。

 ボスモンスターの分類は所謂ダンジョンや特定クエストで出現するモンスターの事を指していますので、流石に四神を呼び出す事は出来ないようです。まぁプログラム的には四神はボスではなく一般モンスター枠に振られている可能性もありますがね。

 

【魔導生成(ウィッチクラフト)】は回復アイテムやバフアイテム、攻撃アイテムなど消費するタイプのアイテムであれば全て生成することが可能です。ですが消費MPが一律でかつランダム生成と言うところがネックですね。用はガチャです。ガチャは悪い文明です。

 

「あぁここですね……おぉここがハマればするすると解けるではないですか」

 

 パズルやってて一番楽しい瞬間、解法の道筋が立ったとき説を推したいです。なんて言うのでしょう、脳が出しちゃいけない物質出してるような感覚がしませんか?今までひたすら悩んでいたのが一つの解を得たことで続々解けていく快感は何事にも代えがたいです。

 このパズルもそろそろ完成しそうです。さて次は何か面白いスキルが出てくるのでしょうか?もうここまで来たらパズルを解いたと言う達成感だけでお腹いっぱいになってしまいそうですが、私は一応名目上は新武器のためにやっているのですから。

 

「や、やっと解けた……っ!」

 

 そして遂に3個目のパズルを解くことに成功しました。するとやはりパズルはキューブ状の武器へと変化して私が持っていたものと一体化していきます。さてさて今回はどんなスキルなのでしょうか。

 

 魔導原典

【破壊不可】

【召喚魔術】

【魔導生成(ウィッチクラフト)】

【魔力石生成】

 

【魔力石生成】

 特殊な効果をもつ魔力石を生み出す事が出来る。

 

 これまた評価に困る抽象具合ですね。ですが文体を素直に読むとMPを対価に様々な効果を持つ石を作成出来ると言うことでしょうか。効果の具合にもよりますが色々と使い道がありそうなスキルではないでしょうか。

 さて、今日はもうお腹いっぱいなので後はログアウトして明日に備えましょう。最近は頭の使ってない部分を使っているせいか、今まで以上に夜ぐっすり眠れてしまうのですよ。心なしか夢見が悪い気がするのはきっと気のせいです。夢の中でパズルを解いてたなんて口が裂けても言えません。

 

 

 




 
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