流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。 作:正体不明の筆者A
これはメタい話になりますが、私は出来る事なら原作の流れを崩さないように良い感じに改変出来るようにと思っていたりします。故にこの小説で書かれているのは原作から変わった箇所のみと言う事になり、描写されていない裏側は原作と同じ流れを進んでいると言うことになったりしています。
いよいよギルド実装後初めてのイベントである第3回イベントが始まります。ですが内容はイベント限定モンスターのドロップを集めると言うシンプルなもの。うちのギルドはなんとあのメイプルが一番苦手とするタイプのイベントだったりします。
何せ相手はメイプルの速度以上で逃げ惑う豚型のモンスター達。幾らメイプルがイカれスペックをしていても攻撃が当たらなければ倒されることはないのです。
「とほほ……私もがんばろ」
「収集の方は私達に任せて下さい。メイプルはついでですので色んなところに探索にいってみては?」
「そうだねぇ…いよっし早速出かけてこよっと!」
メイプルは前向きな子なのでサクッと気を入れ替えるとギルドホームを出て行きました。あの子は最近【身捧ぐ慈愛】というイカれスキルを手に入れたばかりですし、まぁ今日くらいはのんびりしていても良いでしょう。
さて、私は今回マイユイ姉妹と行動を共にします。理由は彼女達のスペックを改めて検証するためです。何せこのイベントはお二人の初陣になるわけですからね。と言うことで……
「では二人ともよろしくお願いします」
「「よろしくお願いしますっ!」」
「良い返事ですね。では早速イベントも始まっていますので狩りに出かけるとしましょう」
「「はいっ!」」
今回の作戦はこうです。まず私は概ね姉妹の移動手段として行動します。今回のメインは姉妹の範囲殲滅力を確認する事にありますので、私はよほどの事が無い限り動く必要は無いのです。
そして戦法ですが、【
では……
「居ました。そこそこ固まって生息しているのでしょう。ではマイちゃんお願いします」
「はいっ!【迫撃】っ!!」
ちゅどぉぉぉ〜〜んっっっっ!!!!
「良い破壊力ですね。今ので30体は吹き飛んだと思います」
「えへへ。ありがとうございますっ」
「それではさくっと回収しまして……次はあの群れに向かいましょう」
ちゅどぉぉぉぉ〜〜んっっっっ!!!!
「ユイちゃんも良い威力です。今回も30体と言ったところでしょう」
「お役に立てて嬉しいですっ」
「さてではこの調子でドンドン数を集めてしまいましょう」
「「はいっ!!」」
「あれは……やばいだろ」
「明らかにカタログスペックより壊れてる気がするのは気のせいかな……?」
「まぁ2人が楽しそうなら良いじゃない。うちのギルドはこれからも安泰ねぇ」
「イズ。お前は少し楽観的すぎやしないか……?」
「味方なら良いのよ、味方ならっ♪」
と言うことで無事最大派閥のギルドに並ぶ数を集めて第3回イベントは終了しました。姉妹のスペックは私の想定通り、もしくはそれ以上の強さを発揮してくれたと思っています。
今回私は、姉妹にステータスバフを付ける補助魔法をかけていました。やっている事はシンプルそのものですが、まさかここまで飛躍的に殲滅力が上がるとは。やはり補助と言うのはバカにならない破壊力を生むのですね。
報酬のトロフィーも無事ゲット出来ましたし予想以上の成果を上げることが出来ました。今後も引き続き姉妹には破壊の限りを尽くして盤面を荒らす仕事をして貰いましょう。
そしてそんなイベントの熱覚めやらぬ中、間髪入れずに運営より新階層の情報が公開されました。次は一転して機械の街がコンセプトと言うことで、今回の目玉はそこで入手出来る乗り物等になるのでしょうか。
そして今日はそんな新階層実装日当日です。私ですか?当然メンテ終了後即時ログインしましたが何か?そしてこれまた事前に予告されているダンジョンボスの洞窟にやって参りました。
「これが新手のストーカーですか?」
「不謹慎な事を言わないでくれ。あと割とシチュエーション的にしゃれになってない」
と言うことで今回も洞窟前でペインとかち合ってしまいました。私はもはや慣れた手つきで彼にパーティ申請を送り、彼もまたそれをサクッと受領すると、ふたりして速攻でダンジョンに突撃する事になりました。
「そうだ。今日はペインに面白いアイテムをあげようかと思いまして」
「君がそういうことを言うのは珍しいな」
「でしょう?最近図書館のパズルを解いて入手したスキルの産物なのですが」
私はそう言って【魔力石生成】によって作り出した魔力石をいくつか彼に投げて手渡します。彼はそれを苦も無くキャッチすると、すぐにそれがマジックアイテムの類いだと気がついたご様子。
「それは魔力石と言うアイテムです。私がスキルで作らせて頂きました」
「またとんちきなスキルを……で効果の程はどうなんだ?」
「能力自体は効果を持つ魔力石を作れると言うだけのスキルですが、これは言ってしまえば消費型のポータブル補助魔法と言えるアイテムです。試しにその青色の魔力石を使ってみて下さい」
「青色と言うと、これか……ほう?これはMP回復の魔力石か?」
「正解です。今ペインに渡したのはMP回復、HP回復、DEX上昇の魔力石です。ステータス上昇に関しては時間制限がありますので適度な補充が必要ですね」
今のところ私が確認出来ているのは、回復、各種ステータスの上昇効果を持つ魔力石です。回復量はおおよそ店売りポーションの2倍弱。ステータス上昇の幅は5%程と言う検証結果が出ています。はい、シンプルに使いやすいスキルでした。
ちなみにイズさんによるアイテム改造にも対応しています。判明し次第イズさんには大量に納品しておきました。彼女のホクホク顔がとても印象的だったのを覚えています。彼女ならきっと思いも寄らない使い方を見いだしてくれるでしょう。
「先日のイベント然り、君は些か裏で暴れすぎじゃないか?」
「ふふ。前にも言いましたよね?私は裏でコソコソするのが大好きなのです」
「うちのフレデリカが胃痛で死なない程度に暴れてくれ」
「フレデリカは叩くと音が鳴る面白いおもちゃみたいなものです。あの程度でへこたれる筈がないでしょう?」
「扱いの差が酷すぎる……」
たまに模擬戦を挑まれる事もありますが、ご丁寧にすりつぶしているので私の勝利は揺るぎません。彼女も負けるのを分かってて突撃してくるのですからもはや狙っているのでしょう。
さて、そんな話をしながらも私達は立ち塞がるモンスター達を蹴散らして最深部に向かっています。私は今回もサポート特化ですが、最近はこのペアで動く事も増えてきましたから少しばかり工夫を凝らしています。
「ほんと君は多芸だな……」
「サポート職とは味方をサポートしてなんぼです。今のペインが殲滅力をお求めならば、私はそれを提供しているだけです」
「それじゃあ次に俺が求めていることは?」
「MP補充とAGI上昇ですね。後ついでに範囲攻撃も欲しいと見ました」
「リーフ。君の方がストーカー呼ばわりされても文句は言えないぞ」
彼はそう言いながらも私が投げた魔力石達をキャッチして使用していきます。サポート職たるもの味方の様子をうかがうのは当然の行為です。
「はぁ……君とパーティを組んでいると色々と感覚が狂って仕方ない」
「ペインがメインアタッカーなのは変わらぬ事実です。私はそんな貴方を如何にバックアップするかだけを考えれば良いので気楽なものですよ。何せ敵を倒すと言うメインを全てお任せ出来ますからね」
「お陰様で快適なNWOライフを送らせて貰っているよ。ギルドのメンバーじゃ満足出来なくなりそうだ」
「ギルマスがそれ言ったらお終いですね」
「それは言わないがお約束だなっ」
私達は軽口を叩きながら疾風迅雷、ダンジョンを駆けていきます。そしてあっという間に最奥のボス部屋に辿り着きました。ボスは樹木の形をした巨大なモンスターです。よく燃えそうですね。よく燃えそうと言うことは……
「ペイン。補助は要りますか?」
「少しだけ燃やしてくれれば後は俺がやる」
「了解です。【付与魔術】」
【付与魔術】
味方一人を対象に、近接攻撃に任意の属性を付与する。
これも図書館のパズルを解いて出てきた魔法です。比較的難易度の低いものを選んだら出てきたので、低い難易度でも有用なスキルが出てくるのは良い知見を得られたような気がします。
今回はペインの攻撃に炎属性を纏わせる事で、ボスに対するダメージを跳ね上げる方向性で行きます。ついでにほんの少し彼のSTRも上げてあげればあら不思議。あっという間にボスがワンパンされて真っ二つになってしまいましたとさ。
「お疲れ様です。流石の威力でした」
「賞賛には及ばない。君のサポートの賜物だよ」
「ご謙遜を。以前に共闘したときよりも明らかに強くなっています。レベルも見たところ20は上がりましたね。何より動きにためらいが無くなってきた気がします」
「はは、ほんとに君に隠し事は通用しないか」
私達は軽くハイタッチをして言葉を交わすと、そのまま第3層の地へと降り立ちました。目の前に広がるのは煙突から煙の立ち上る古びた工業地区。これが今回の舞台である第3層なのです。
「それでは私は一足先に失礼します」
「あぁ。また後で決闘でもしようじゃないか」
「ふふ。あれだけ負けても諦めぬ不屈の精神。私は素直に尊敬いたします。それでは」
パーティを解除してから私は銀翼の羽を開き私達は別れました。さて、では早速新階層を徹底的に調べ上げることに致しましょう。
次回はリアル回になる予定。どんな内容になるかは書いてみてからのお楽しみ。