流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。 作:正体不明の筆者A
「今回のイベント。思ったより沢山のギルドが参加しているのですね」
<コメント欄>
聖剣と炎帝が最大勢力なのは変わらないけど
想像以上にプレイヤーが多いのよね
聖剣にも炎帝にも属さないギルドって思ったより多いのよね
イベント不参加でリーフちゃんの配信見てるワイ高みの見物
「ふふ。私の配信を見る分には痛い思いもしませんし、苦しむこともありません。まぁちょっとだけゲロっちゃうリスクがあるかもしれませんが、ゲームなので下手な心配をしなくても良いですからね。
お、あそこで中規模ギルド2個が争っていますね。見たところ左のギルドが守りと言う感じでしょうか。こう見るとファンタジーでありがちな防衛戦っぽいですね」
<コメント欄>
中世の戦争っぽさある
わかりみ
武器もそんな最新鋭の武器じゃないし
リーフちゃん的にどっちが勝つと思う?
「どちらが勝つ…ですか。ふむ、ではスキルで占ってみましょう。【
私は試しに索敵スキルを使って眼下の盤面を見定めることにしました。数的にはほぼ五分五分。攻める側も受ける側も一進一退と言ったところでしょうか。
ですが私は見逃しませんでした。そんな戦いに乗じて漁夫の利を狙おうとする存在に。私は視聴者が見やすい様に位置を調整します。ここなら良い感じのそのプレイヤーを見ることが出来るでしょう。
「皆様ご注目。防衛側のオーブをご覧下さい……今です」
<コメント欄>
漁夫られてる〜っ!
これは見事な漁夫の利
隠密適正高過ぎて草
あれ誰だ?フードで誰か分からんかった
「ふふ。あれはサリーです。さすがの策略ですね。恐らくこの争いを間接的に引き起こしたのはサリーでしょう。攻める側のオーブをサリーが奪取。その罪を防衛側になすりつけて争いを誘発。その隙にオーブをちゃっかり奪取。彼女らしい戦法です」
<コメント欄>
はぇ〜すっごい
たち悪すぎて草
あ、今盗まれたことに気づいてて草
いや流石にわからんて
サリーちゃん性格悪そう
「サリーの持ち味は圧倒的PSから展開される速度と対応力にあります。勝ちに貪欲と言う言い方も出来るでしょう。彼女は勝つためならブラフも平気で使ってきますし、彼女を見失うと言うことは死を意味しますからね」
サリーは恐らく先駆けとして単独でのオーブ乱獲をしているのでしょう。彼女らしい大胆な戦略です。そして私はサリーが立てたで有ろう戦略を何となく知ることが出来ました。
彼女は第一にメイプルの温存と言う選択を取ることにしたのでしょう。イベントはゲーム内時間で数日にもわたって行われる大規模イベントです。早々に楓の木の切り札を使ってしまうのは楓の木にとってプラスにはなりません。
よってまずはサリーが先駆けとして盤面を荒らし、中盤戦になってからメイプル達を使って大攻勢に出ると言った具合でしょう。メイプルを温存しているなら他メンバー込みでもギルドを守り切れますし、オーブの獲得効率も高い。彼女らしい戦略と言えるでしょう。
「サリーは私と似たような人種です。彼女は否定していますが、彼女も私みたいに無理をしがちな性格です。よってまず自分が掻き回してギルドを有利にしようと思っているのでしょう」
<コメント欄>
廉価版リーフちゃんと言ったところか?
いやまぁ最強よりだから脅威なのは変わらない定期
無理しちゃうタイプかぁ
さっきリーフちゃんが言ってた弱点とも連動するタイプかね
「サリーは負けず嫌いです。一度のめり込んだら自分を酷使してでも達成しようとするでしょう。限界を超えようとも彼女は何かを成し遂げるまで止まることはありません。はぁ、だから私は彼女を放っておけないのです」
サリーはもう少し自分が『女の子』だと言うことを自覚すべきだと思います。スタミナも、策略も、サリーは普通の女の子でしかないのです。
ですが彼女は無理が出来てしまうから、彼女の理屈が通ったように見えてしまう。これが彼女最大の弱点です。彼女もまた自分の任務に対して他人を頼ろうとしないタイプです。安定さと危うさを同時に孕んでいる存在なのです。
「サリーのスタミナは保って24時間でしょう。ある程度途中休憩を挟んだとして、36時間後には恐らく限界が来ます。私が干渉するとしたらそのタイミングでしょうね」
私は空を飛びながらサリーの向かう方向を見据えていました。サリーがどこまで動けるかは彼女の頑張り次第でしょう。サリーは強い子ですが、それ以前にまだまだ子供なのです。定期的に彼女の様子を見ておくとしましょう。
続いて私がやって来たのは炎帝や聖剣の領地がある地帯です。ここはやはり二大巨頭が揃っていると言うことで偶発的な戦闘があちらこちらで起きています。
今の段階は炎帝も聖剣も概ね様子見の姿勢を取っていますね。各地で末端の戦闘員による偶発的な戦闘こそ起きていますが、今のところはお互いの出方をうかがっている頃でしょう。
「ふむ……炎帝も聖剣も戦力的には五分五分でしょうか」
<コメント欄>
実力者の数は聖剣、全数では炎帝かね
炎帝はとにかく団結力が最大の強みだからなぁ
聖剣と炎帝は真逆の位置にいるのよね
ペインがどう動くかにもよるけどね
「ペインですか。彼の動向は概ね推察することが出来ます。彼は聖剣のギルマスでありギルド内屈指のメインアタッカーです。彼は生半可なギルドなら1人で全滅させることくらい容易でしょう。
ですがペインを酷使せずとも聖剣には他にも優秀なメンツが揃っています。そして人数も居ますのでそれらの実力者に専属の部隊をつける事も出来るでしょう」
ここからは私の推測に過ぎませんが、聖剣の責め方は大きく分けて3つに分けることが出来ます。まずはペインの独壇場で全てを破壊するパターンA。次に斥候部隊や索敵部隊に実力者を付け、情報収集兼各個撃破を行うパターンB。そして強豪ギルドとの本格戦闘に備えて実力者を固めるパターンC。
Cは最終手段やイベント末期になってから使う戦法でしょう。主にBを主力にしながら適切なタイミングでペインを投入し撃破を狙う。斥候や索敵部隊が強力なのもあって手堅いながらかなり強力な戦い方と言えるでしょう。
<コメント欄>
ありそう
あのギルドペインが強すぎて隠れがちだけど、他メンツも強いしな
ドレッドの速さは脅威
リーフちゃん的に各メンツはどう動きそ?
「ドレッドは概ねサリーと同じ動き方をするでしょう。彼らは奇しくも戦闘スタイルが似通っています。よって取るであろう戦法も同じでしょう。動きやすいと言うのが彼最大の特徴ですからね。
逆にドラグやフレデリカは部隊の一員になることで真価を発揮します。ドラグは前線を切り開く突破役として、フレデリカは豊富な魔法を使って集団を包括的にバックアップする事に長けています」
特に私としてはフレデリカと彼女の部隊が脅威になると思います。フレデリカは音が鳴るおもちゃである以前に部隊随一のサポート職でもあります。【多重詠唱】は攻めにも守りにも使える万能技で、それを使い部隊との連携を駆使して盤面を制圧する術に長けています。
そして恐らくサリーが苦手とするタイプの戦法でしょう。さしものサリーでも物量には不利を取ることは言うまでもありません。フレデリカはサリーにも敗北して闘争心を燃やしているらしいですから、恐らく彼女達が邂逅するのは時間の問題でしょう。
「では皆様に問題です。この場合私はどう動くのが正解でしょうか」
<コメント欄>
いやムズすぎ
正解って言われてもねぇ
リーフちゃんはサポート職だとして……
いやムズいぞ
ヒントplease
「ヒントですか?そうですね……フレデリカの特性を考えると分かりやすいかもしれません」
フレデリカの特性。それは複数戦闘でこそ真価を発揮すると言うことです。逆に言えば単体戦闘では純粋に上の実力者に不覚を取ると言う事になります。
故に私がするべきことは、彼女の部隊を全滅させて彼女を孤立させることです。フレデリカはサリーとのタイマンでは絶対にサリーに勝てません。ならばその状況を作ってあげれば彼女はあっという間に無力化する事が可能なのです。
「サリーのスタミナは確かに消耗するでしょう。ですがそれはフレデリカも同じです。私自らが手を下さずとも、盤面さえ整えてあげればフレデリカは勝手に倒れるはずです。そもそも私が手を下したら面白くありませんからね」
<コメント欄>
なるへそ
合理的やなぁ
群で強いならメインを叩くなとは
それこそメイプルちゃんとかにも無力よねフレデリカって
「メイプルなんてまさに天敵でしょうね。そもそもフレデリカの魔法ではメイプルにダメージを与えることが出来ません。しかもメイプルのスキルの射程に入らないと安定しない以上、スキルの打ち合いで彼女が勝てる確率はゼロに近いでしょう」
「あぁ私がフレデリカとタイマンした場合ですが、まぁ徹底的にデバフを撒いて彼女をよわよわにしてから、高火力の一撃でドンッとやってお終いです。それはそれは良い悲鳴を上げてくれるのでどんどん模擬戦したいですね」
<コメント欄>
容赦無くて草
なんかフレデリカに当たり強くて草
言ってることヤバすぎwww
表情が怖いですリーフちゃん
遊ばれてて草
そりゃフレデリカは音が鳴るおもちゃですからね。遊ばなくては使いがいがありません。あぁ決して彼女の事を嫌っている訳ではありませんよ。これもまた私なりの親愛の示し方ですからね。
そんなことを話しながら空中を飛んでいると、眼下にペインの姿が見えました。どうやらオーブを収めて次の場所へと向かっているようです。やはり彼もまた精力的に動いていますか。
「そう言えば何処かのコメントで、ペインとどういう関係性だとのコメントを貰いましたね」
<コメント欄>
そりゃトッププレイヤー同士だし
結構パーティ組んでるって噂だしね
二人きりでレベル上げしてる姿とか目撃されてるし
カプ厨としては気になっちゃうよね
「皆様が期待されているようなことは流石にありませんが、まぁペインは良き好敵手と言ったところでしょうか。ちなみに決闘の戦績は50戦50勝です。ふ、まだまだ若い者には負けてられませんよ」
<コメント欄>
草
草
いや草
自称女子高生がなんか言ってらぁ
知ってたけどあのペインに全勝は草
「ですがペインも確実に強くなっています。後もう少し死への恐怖を捨てきることが出来れば、私も加減せずに戦う事が出来ます」
<コメント欄>
確かに最近のペインはやばい
死への恐怖を捨てるってなに!?
なんか物騒なことになってきたな
ペインが強いのは周知の事実やけど
「ペインと私の違いは死を恐れているかいないかです。そもそも私は一撃でも貰ったら即死の超貧弱ですから、何貰っても死ぬならいっその事突撃した方がお得でしょう?そもそも【冥界の理】を入手した時点で死の恐怖は完全に克服しましたので」
<コメント欄>
ヤバすぎ
言ってることヤバすぎ
覚悟の仕方がちげぇや
リーフちゃんの狂気度の高さが分かる瞬間
堕天聖女の名は伊達じゃ無い
「ふふ、褒めても何も出ませんよ。ふむ……ちょっと私も戦いたくなってきましたね」
<コメント欄>
え
え
えっ
何言ってるのこの子
「丁度良い機会です。ここは第一次エキシビションマッチと参りましょう。【神聖騎士の秘法】」
ペインを見るとついつい勝負を仕掛けたくなってしまう今日この頃。私はスキルで装備を変更して空中から剣を抜刀して彼に突撃し始めます。ペインは何かを察知したのか私の方を見ると、私の剣を正面から受け止めてきました。
「ふふ。安直な不意打ちでは無駄でしたか」
「リーフ。今ばかりは少しだけ我慢して欲しいんだが」
「うふふ。良いのですか?今の私達は明確に敵同士。私があなたを倒す大義名分が成立している状態です。話し合いが無意味なのは知っているでしょう?」
「くっ、そもそも君はギルドメンバーと行動しないのかっ?」
「少々訳ありでしてねっ」
私達はつばぜり合いを解除すると剣3つ分の間合いを取ります。私達の間に不気味なまでに静かな空気が流れていきます。
「あぁ勘違いしないでください。私はギルドの意志ではなく私自身の意志で動いています。故にこうやってあなたに勝負をしかけたのは、私の意志であると言うことです」
「ふ、言われずとも分かっているさ」
「であれば、これ以上私達の間に言葉は要りません。代わりに戦いで語り合いましょう」
私達は戦い続ける運命にあります。それは今後も変わることはないでしょう。私達がNWOを続ける限り、この決闘は何者にも妨げられてはなりません。今日は観客もいますので、何時もよりド派手に戦っていきましょうっ!!