流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。 作:正体不明の筆者A
これはイベント最中の出来事。私がフレデリカ率いる部隊と交戦して、なんやかんや撃退して、メイプルに攻撃をやって貰った後のこと。
「はぁ、はぁ」
私達は集う聖剣の襲撃を受けていた。私達はメイプルの防御を軸にしてなんとか攻勢を凌いでいる状態だった。でもペインの実力がそれを全て打ち消すほどに強烈であった。
「め、メイプル大丈夫?」
「わ、私は全然平気っ!」
メイプルはペインとの一騎打ちに臨んでいた。リーフを除けばゲーム界最強と言われるプレイヤーと、最強の盾であるメイプルの激突。もう既にマイちゃんユイちゃん、カナデくんにイズさんも倒されて、残るは私とクロムさんとカスミだけ。
「ほ〜んと厄介なギルドだよねぇ。私達もこんなに手こずっちゃうなんて」
フレデリカはやれやれと言った具合に私達を見やる。私は彼女の多重結界に阻まれて身動きが取れない状態。状況は最悪と言って良かった。
だけど私はこんな状態でもまだ諦めてはいなかった。もうすでにその布石は打ってある。彼女ならきっとそれを成し遂げてくれるって私は信じていたから。
ペインの必殺の一撃がメイプルに直撃する。メイプルのHPがスキルの効果で1だけ残る。そしてメイプル渾身のカウンター攻撃も、ペインに耐えられてしまう。まさに絶対絶命の状態。でもそんなときだった。
ヒュンっ!
防衛陣地の真ん中に一本の剣が突き刺さった。白い刀身に青い電光を纏った剣。ドレッドがいち早く存在に気づき入り口付近を凝視している。
「ち、何者だっ」
「あらあら。いきなり何者だなんて、乙女の扱い方がなっていませんね」
独特な敬語、濃淡の無い声色。そしてその姿が徐々に明らかになってくる。その人物は、彼女は、まさにそんなときにやって来たのだ。
「ペイン。あなたも隅に置けませんね。うちの盾をここまで削ってしまうだなんて」
「リーフ。随分とお早い到着じゃないか」
「うふふ。随分と派手にギルド総出で私を邪魔しようとしたようですが……」
リーフはそう言って手のひらの上にひとつのオーブを乗せた。ペイン以外の聖剣メンバー達は驚愕したような表情でそれを見つめている。
「くそっ。なんつうバケモノだっ」
「ドラグさんでしたっけ。お褒めにあずかり光栄です。確かに連携が取れた素晴らしいギルドでした。ですが、やはりペインの実力には遠く及びません。あなたでしたら30分は耐えられる攻勢に1分も保たなかったのですから」
リーフはそう言いながらギルドオーブの元に向かう。そして手に持っているオーブをギルドに納品した。リーフは地に突き刺さった剣を抜き改めて聖剣のメンバーを見る。ペインはやれやれと言った表情を、それ以外のメンバーは警戒心を最大にして彼女を見つめていた。
「ペイン。あなたをこんなところで倒してしまうのは私の性に合いません。それにあなたにはまだまだ協力して貰いたいことがあります。ですが……」
「なっ!?」
リーフがドラグの方を一度振り向くと、目にもとまらぬ速度でその胴を剣でなぎ払っていた。この場にいる誰も、いや、恐らくペイン以外はその剣筋を捉える事が出来なかったと思う。この私ですら、今のリーフの一撃を見ることが出来なかったから。
「売られた喧嘩は買うのが道理。古から言われている礼儀作法と言うものです」
リーフはドラグを倒した後、すぐにドレッドの方を見た。彼は咄嗟に危機感を感じたのか【神速】で速攻を狙おうとする。でも攻撃した場所に既にリーフはいなかった。彼女は…すでに彼の後ろにいたのだ。
「素晴らしい。ですが遅いです」
「くそっ…ぐはぁっ!!」
ドレッドに特大の雷魔法が直撃する。彼もまた回避する事が出来ずにポリゴンとなって消えていった。そしてリーフは最後にフレデリカを見つめた。彼女は滝のような汗をだらだらとかき、顔が真っ青になって震えていた。
「あ、あわわわわっ」
「ふふっ。フレデリカ。もう一度泣かせてあげますね」
「ひ、ひええぇぇ〜〜っ!!」
リーフはあっという間にペイン以外全員を倒してしまった。私達は当然あっけにとられたようにしか彼女を見ることが出来ない。レベルが違うと思わされた。そしてこれこそがリーフと言うプレイヤーが成せる強さなのだと思い知らされた。
「さてペイン。これでようやく二人きりになれましたね」
「はぁ、後でメンバーに謝っておくんだぞ」
「ふふっ。ではそろそろ潮時と参りましょうか。サリーが考えている策に、私達も便乗させていただきます」
リーフはペインの横に並んでそう言った。私が考えていた策。リーフにはまだ話してなかったけど彼女にはお見通しだったみたい。
「今は聖剣も炎帝も戦力を大幅に消費している状況。ここから先の戦局が混沌を極めるのは分かりきった話です。ふふっ。ならばその混沌に乗じて我々も暴れる時が来たと思いませんか?」
「お生憎、こっちも同じ結論に至るところだったよ。それで、君の案はどうだ?」
「炎帝、聖剣、楓の木。そして私とペイン。私達は一斉蜂起してギルドを徹底的に抹消します。ここからは遠慮の一つもいりません。第1回イベントよりも凄惨な現場を作り上げる時が来たのです」
そうしてリーフとペインは私達に一つ笑みを浮かべて何処かに立ち去っていった。そこから先はNWO史に語られる大殺戮のままだった。私達も大胆に暴れたけれど、やっぱり彼らの活躍には及ばなかったと振り返って思った。
第4回イベントが終わりました。最後は最終フェーズに入った楓の木が炎帝や聖剣と共にイベントを荒らし回り、運営側の超緊急措置によりイベントを大幅短縮させることで終幕となりました。
楓の木はメイプルの【暴虐】をサリーの【陰分身】で増殖し暴れ回っていましたね。楓の木に便乗した炎帝と聖剣も各所で暴れ回っていたと聞きますし、最後はド派手にカオスに終幕となりました。
私は【進天】でペインに私のステータスを共有し、お互いにハイになりながらギルドをプチプチと潰し回っていました。やはりペインも私のスキルをしっかりと使いこなせており、シンプルに私が増殖したような光景はコメント欄にて災厄だの魔王だのラスボスだの散々な言われようでした。
「(今日は珍しく静かですね)」
私は楓の木のギルドにある私室で、最近ブームになっているパズルをやっていました。たまにはこういう静かな時間も悪くありませんね。今日はメイプルもサリーもログインしていませんから、私は珍しく一人でこうして部屋に籠もっているのです。
「(……そう言えば、今日は私の誕生日でしたね)」
私はふとそんなことを思いました。昨年はまだまだサリーと仲良くなって間もない頃でしたから、友達に誕生日を祝って貰うと言う経験をまだしたことが無いのですよね。
そもそも私にとって誕生日とは忌み数にも等しい数でした。私がこの世に生まれ落ちてしまった日だからです。私はほんの1年前までは荒みに荒みきって居ましたから。
ですが今日はメイプルもサリーも用事とやらで留守にしているので、お誕生日会のようなものは後でのんびりするのも良いかもしれませんね。そもそも彼女達に私の誕生日を教えたのかすら分からないのですが。
「出来ました。うむむ、やはりパズルは苦手です」
ようやく解いていたパズルが完成しました。これは別に特別な仕様など全くない普通のパズルです。第3層のインテリアショップに売っていた誰でも購入出来る代物です。
パズルは私が珍しく苦手とする分野だったりします。多分考え方が私の逆を行くものだからではないかと思うのですが、苦手なものは苦手なのですから仕方有りません。ですが頭の体操には良いので続けて居られますね。
「ふぅ……」
作業が一段落した私は、息抜きに部屋の窓を開けて近くに置いてあるチェアから外を眺めることにしました。楓の木のギルドは森の中にあるので凄く景色が良いと言うわけではありませんが、森の息吹をすぐ側で感じられる体験はリアルでは早々出来ることではないでしょう。
第4回イベントが終わって、ゲーム自体も落ち着きを取り戻していました。次に来るのは恐らく第4層だと思いますが、あの第4回イベントの後ですから、皆様もゆっくりとゲームを進めたいことでしょう。
それは私を含めた上位勢も同じでした。そして今日はそんな人々が楓の木に集まる貴重な日。メイプルが今日は絶対打ち上げやるんだぁってニコニコしながら言っていたのを思い出します。
ですがそれがあるのは今日の夜。まだまだ時間はたっぷりあるのです。私は今日は基本ゲームの中にいるつもりです。普段は出来ないのんびりとした時間を過ごすのも悪くないと思いませんか?
そして時間はあっという間に夜。既に楓の木ではメンバーが集まって打ち上げのパーティをやっている最中です。メイプルの好意で聖剣と炎帝のメンバーも集まり、メインルームはいつにない賑わいを見せていました。
私はそんな中今回一度も関わりが無かった炎帝のギルドを訪れています。炎帝はメイプル直々の侵攻を受けていたらしく、その苦労話を色々と聞くことができました。
「リーフ。そう言えば君は私達のところに攻め込んで来なかったな」
「ミィ。私とて無意味に上位勢を潰すような事はしませんよ。聖剣はペインとの兼ね合いでそうなっただけですから」
今目の前に居るのはギルドマスターのミィ。第1回イベントでも好成績を残して強豪プレイヤーです。やはり模擬戦を提案したら断られてしまいました。後でペインに八つ当たりしましょう。サリーもメイプルも私と模擬戦してくれないのが悪いのですよ?
「そう言えばリーフ。うちのマルクスが君に質問したいことがあるらしいぞ」
「えっ!?い、いや確かに僕そう言うこと言ったけど…っ!!」
「えぇ構いませんよ。ですが何となく聞きたいことは分かります。トラップ戦法をもっと強化したいのでしょう?メイプルたちに罠を破られたのが相当悔しいと見ました」
「しかも全部バレてるっ!?」
トラップと言う希少な戦い方はマルクスを除くとかなりピーキーな戦い方として有名です。彼もスキルを駆使して独学で技術を磨いてきたでしょうから、何か新しい一手が欲しいと望むのは当たり前のことでしょう。
「トラップと言うのは主に奇襲目的で使うことが主流だとされています。罠の性質上それは当然のことではありますが、あなたは確か【遠隔設置】というスキルを所有していますね」
「ほう?マルクスの事も調べ上げてあるのか」
「敵を知ることは己を知ることにも繋がりますから。このスキルのお陰で言ってしまえば狙撃などの行動も行えるのがあなたの強みです。ですがやはり問題は圧倒的な強者の前にトラップは無効になりがちという事です」
ですが逆に言えば、マルクスのトラップで撃退出来る相手には強大な力を発揮できる点でしょう。炎帝はただでさえ強力なメンツが揃っています。真の強敵の相手は彼らに任せておけば安心です。
逆に彼がすべきはそんな彼らの負担を極限まで減らすこと。まさに集団戦で効力を発揮する力と言えます。個ではなく全である時に最大の力を発揮できるのです。
「あなたは今炎帝の国の重鎮としてのポジションを確立しています。そして【遠隔設置】と言うスキルはまさに露払いや範囲殲滅をするのに適したスキルと言えるでしょう。崩剣のシンに炎帝のミィと実力者がいるのですから、あなたはその時に合わせた適切なトラップを用意する必要があります」
「適切なトラップを……?」
「えぇ。例えばミィの範囲殲滅を補助するための拘束トラップなどが分かりやすいですね。あなたは今はギルドの一員です。何もかもを自分一人で解決する必要はありません。トラップだけで全てが解決するのなら、それはトラップではなく立派な兵器です。古から罠と言うのは敵を妨害するために使うものですから」
炎帝の国の強みはその団結力です。彼のスキルはそんなギルドだからこそ効力を発揮することができます。彼の力を使えば戦略を効率的に進めることが出来ますし、彼の力があれば全体としてユウリに戦闘を進めることが出来るでしょう。
現状の私でさえ容易に到達出来ない領域を彼は持っていると思います。私の力では妨害と言うより抹消してしまいますからね。力の調整と言うのは難しいでしょう。
「これは他のギルドにも言える事ですが、改めて役割分担をしっかりと確立すべきなのでしょう。各々が得意な分野を今一度洗い直し、さらに上位の戦略を練るための糧とする。今回のイベントでギルドごとの課題がなんなのかは理解出来たでしょう。後はそれを実行するだけで良いのです」
「役割分担の再構築……リーフは実際どうなんだ?」
「私ですか?ふふ、何時も言っているではありませんか。私の本職はサポート、補助専門と言っても良いでしょう。集団に属しているのなら、その集団が得られる最大の利益をもたらす事が私の使命です」
確かに私一人で敵を殲滅することは容易でしょう。ですが、私の真の強さは誰かと組んだときに最大化されると思っています。
味方に最適な何かをばら撒き、味方が動きやすくなるように敵を妨害する何かを撒く。味方が動きやすい様に術を使い味方が不自由しない様に敵を殲滅する。私の本質はまさに補助職そのものだったのです。
「まぁあれですね。今度試しにパーティでも組んで何処かのダンジョンに特攻してみましょうか。きっとこの言葉の意味が分かると思いますよ」
「模擬戦さえ避けてくれれば私は一向に構わないが」
「はぁ〜なぜ皆様模擬戦を避けられるのでしょうか。今のところ喜んで私との戦いを引き受けてくださる方がペイン以外いないのですよ。新スキルのお試しも彼以外に出来ないのは流石につまらないと思いませんか?」
「逆にペインはどうしてそこまでするんだ……」
「意地だと思うよ」
楓の木での打ち上げが終わり、私達はログアウトする事になりました。リアルの時間はもう21時を回っていますからね。皆はそれぞれ明日への活動に備えて会は解散になりました。
私もまたリアルに戻り寝る準備を進めていました。お風呂にも入りましたしお夕飯も食べました。お花摘みもしましたし後は本当に眠るだけです。
「(だと言うのに、この子は本当に……)」
ですが私は未だに電気の付いたリビングにいました。理由は私の端末に入った一本の連絡。
『早苗〜っ!!今からそっち行くから待っててね〜っ!!』
「はぁ。花も恥じらう女子高生が夜に外出など」
連絡の相手は理紗でした。どうやら楓もつれてうちに来ると言うのです。私は無理させるつもりなど無かったので当然断ったのですが、理紗がそんな私の意見など聞いてくれる筈もありません。半ば強引に家に来る発言をされた以上大人しく待つしか方法はないでしょう。
ピンポーンっ
「噂をしたらなんとやら、ですね」
そんなことを考えていたらモニターには楓と理紗の姿が。うちはオートロック式なので私はそのロックを解除して彼女達をマンション内に通します。
そこから1分後、改めて私の部屋のチャイムが鳴らされました。ほんとに来る人がいますかとツッコみたい気持ちを抑えて彼女達を出迎えに行きます。
「やっほ〜早苗。約束通り来ちゃった」
「早苗〜私も付いてきちゃったよっ」
「はぁ〜取りあえず中に入ってください。その大荷物では移動も大変でしょう」
「「は〜いっ。お邪魔しま〜すっ!!」」
2人はまるで自分の家の様に躊躇無く入室して来ました。私はあらためて施錠をしっかりした後、2人の後を追いかけてリビングに向かいました。
2人はどうやら何か途中で買い物をしてきたご様子。テーブルに何か大きな箱のような物を置いています。これは……駅前のスイーツ店のでしょうか。またお高そうなものを。
「あっ。あらかじめ言っておくけど私達どっちも親の許可は貰ってるからね」
「そこは心配していませんよ……ただ突然の来訪なので何も準備出来ていないだけです」
「早苗ったら律儀だなぁ。でも今日は私達が早苗をもてなす番だよっ。じゃ〜んっ!」
楓は効果音付きでその箱から何かを取り出し始めました。これは……ホールのショートケーキでしょうか。何やら色々とフルーツが乗ったケーキのようです。まさか…そう言うことなのですか?
「と言うことで早苗っ」
「ちょっとばかり遅くなっちゃったけどっ」
「「お誕生日おめでとうっ!」」
2人はそう言って私に最高の笑顔を見せてくださいました。私は珍しく目頭が熱くなるような錯覚を覚えます。
「…2人は、今日が私の誕生日だというのを、知っていたの、ですか?」
「当たり前じゃんっ。親友の誕生日を祝わないなんて親友失格だしねっ」
「まぁ私達が知ったのもつい最近だったんだけどね。まったく早苗ったら全然教えてくれないんだから。言ってくれたらもっと豪華にお祝いしたのに」
「ふ、ふたりとも…っ」
私はふたりの眩しく純粋な心にあてられていました。そして自然と目に涙が溜まっていくのを感じてしまいます。
あぁ。こうやって泣いたのはいったいいついらいだったのでしょうか。あの時、親に捨てられたと悟ったとき。そこからもう私は泣かないと、私は強くならなければならないと心に刻んだとき。私が私であろうと思ったときから……
「うっうっ……あ、ありがとう、ございます」
「わっ早苗が泣いてるっ!?お〜よしよし」
年柄にもなく涙を浮かべる私を、楓が優しく受け止めてくれます。私が感じたのは最近まで感じる事が無かった人の温かみでした。
私は孤独でした。私は孤独であり続けました。ですが、今は違います。こうやって誕生日を祝ってくれる親友がいる。私と志を共にしてくれる皆様がいる。そして何より、私と言う存在が誰かに認識されている。その事実が、真実が、私の目から涙となって私に伝わってくるのです。
誕生日は忌むべき日にちでしかありませんでした。私が全てを見限った日も誕生日でした。ですが、今はそんな誕生日が愛おしい。こうして誰かに祝われて、誰かに受け止められて、誰かに温かく接して貰えている。その当たり前とすら言える出来事を、私は今知ることになったのです。
「ふふっ。早苗、ケーキ食べよ?他にも色々と買ってきちゃったんだ〜」
「はい…はいっ」
「私と楓で頑張って考えたんだよ。それで元気が出たら、いっぱいお話ししよ?」
「私も理紗も、もっと早苗の事が知りたいんだ。だって私達、親友だもんねっ」
縛りプレイ。それは己の限界に挑むために使えるものを縛って行う究極のゲームプレイ。
ですが世の中にはそんな縛りプレイをその身に課されながら過ごしている者達が居ました。
身体に不自由を抱える者。事故に遭って障害を負ってしまった者。病気となって日々を苦しみながら生きる者。そして環境に恵まれず苦しんだ者。
私もそんな一人でした。ですが、今私はそんな『縛りプレイ』の一つを解く事が出来ました。
それは奇しくも一度捨てたはずの人とのつながりによって生み出されました。
私の性質はそう簡単に変わることはないでしょう。
私はこれからも縛りプレイを己の人生と結びつけて愛し続ける事でしょう。
ですが、私はもうそれ以外の楽しみを見つけていました。
私が自らを縛り続ける事など、もうしなくても良いのです。
流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。
流行らせたいとは何なのでしょうか。
きっと……私は知ってほしかったのでしょう。
縛りプレイを続ける自分を誰かに知ってほしかった。
だからきっとこう思ったのです。
そして私はある意味でこの目的を達成出来たのだと思います。
完走した感想ですか?
そうですね。
長い道のりでした。ですが、もう良いのです。私は私が求めることを実現出来た。ただそれだけが今の私を満たしているのですから。
少し無理矢理なのは自覚していますが、これでこの小説は一応の最終回となります。
では私も早苗と同じように完走した感想を述べるとしましょうか。
まず第一に、この話は私がリハビリのために書いた一作です。途中で挫折しかけたり文章が安定しなかったりと色々な事がありました。
『防振り』の二次創作が下火になっているのも私にとってはマイナスに働いていました。まぁそれら諸々の言い訳はこの際どうでも良いとして……もう少し書き方を工夫しても良かったのでは無いかと思ってしまいますね。
この話はやろうと思えばもっと膨らませることが出来ました。早苗の過去設定が湧いてきたのはごく最近の事ですし、それが何か良い感じに絡まったから今の設定でまとまったとも言えます。
ですが悲しいことに、『防振り』ってシリアス系の話があんまり似合わないんですよね。そこの温度差を取るのがやっぱり難しかったです。でもね、やっぱりこの作品が書きやすいんですよ。好きだからと言う以上の何かがこの作品にはありましたからね。
あぁ次回作ですか?まだ未定ですね。ですが私の作風は決して変わりません。まぁ今度からは、もっと丁寧に書くことを心がけようと思います。原作描写に介入しないっていうある種の『縛りプレイ』も終わりましたからね。