流行らせたいので縛りプレイをしようと思います。   作:正体不明の筆者A

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 え〜ギャグ回です。誰がなんと言おうとギャグ回です。一人マジになってる人が居ますけどこれはギャグ回なんだ。


幕間:黒聖女と村人A

 

 

 

 <???視点>

 

 そこから俺が見たのは、蹂躙と言う言葉がかすむほどの惨劇だった。俺の周囲に居たモンスターはたちまち黒き回復魔法の前に倒れ、あっという間にスポーン速度を上回る速度で撃破されていった。

 ものの1分足らずでこの辺のモンスターは全滅したと言って良いだろう。その人……いや彼女はゆっくりと俺の前に歩み寄ってくる。やっと痛みが引いて動けるようになった俺はその人の顔を正面から見つめた。

 

「……ふふ。随分と呆けた顔をしていらっしゃいますね。頭でもお打ちになられましたか?」

「え、あ、いえ……大丈夫だ」

「それならば良かったです。あぁここではゆっくり話も出来ませんね。もしよろしければ……あちらの方で如何でしょう?」

 

 彼女……リーフはとある方向を指さした。そこにあったのは一件のボロ小屋。確かスキル【超加速】の取得に必要なクエストが受けられる場所だったはずだ。あそこならモンスターが入ってくる事も無いし確かに話をするには良い場所だろう。

 

「い、いや。別に話したいことなんて何も……」

「うふふ、嘘はいけませんよ?背後にモンスターが迫っているのも分からないくらい、私の事を見ていたのでしょう?」

「なっ……!?」

「ゲームにおいて重要なものは周囲の把握ですからね。あなたがそこの影に隠れていたのには最初から気づいていました。私に聞きたいことがあるのでしょう?今の私は大変機嫌が『悪い』のでなんでも質問に答えて差し上げますよ」

 

 リーフは不機嫌だと言いながらも満面の笑みでそう言ってみせた。これはどうやら逃がして貰えない奴だろうと判断し、俺は素直に彼女に従うことにした。

 小屋の中は机が一つあるだけの質素なものだった。まだ時間外だからクエストのフラグになるNPCの声も聞こえない。その机越しに対面した俺と彼女。

 

「まずは自己紹介からしましょうか。リーフです。まぁあなたはご存じかもしれませんがね」

「あ、あぁ……プレイヤー名はレッドだ」

「レッドさんですね。奇しくも古のRPGの主人公ネーム被りです」

 

 古のRPG……?それって初代ポ○モンの事か?確かにそれっぽい名前だった気がするけど、この見た目年齢でその言葉チョイスは中々センスと言うか同類の気配を感じる。

 

「まぁその話は追々と。さて、まず私の事を観察していた理由を聞いてもよろしいでしょうか?偵察ですか?」

「偵察なんて、そんな高尚なものじゃない」

「ふむ。ではなぜあんなに熱烈な視線を私に向けていたのでしょう?」

「いや……それ本人の前で言えるわけが」

「もしかして……私のファンだったりするのでしょうか?」

 

 あぁまったくもってその通りだよ畜生っ!!なんでこうも察しが良いんだよこの人はっ!

 

「うふふ。そう言うことでしたか。あぁ無理に仰ることは無いですよ。ただ少し、あなたは変わり者だなと思っただけです」

「変わり者て……あんたのファンって思ったより多いんだが?」

「掲示板を徘徊しているのでよく知っていますよ。それはもう皆さん妄想の中で私にヒドイ事をしているご様子」

 

 ファンクラブ(無法地帯ver)の存在本人にバレてて草。Rー18板まで巡回されてるなんてあいつらも冷や汗ものだろうな。

 いやいやそんなことはどうでもいいんだ。

 

「はぁ……で、質問に答えてくれるってのは本当なのか?」

「えぇ。ですがいくつか約束していただきたいことがあります。それを守ってくださるのなら、私からあなたに何か特別な手出しはしないとお約束もしましょう」

「ちなみに約束を破ったら?」

「どうやら第一回イベントはPVPのようですね?しかもリスポーン回数制限がない。あなたのリスポーン地点を特定して超速でリスキルしてキルポイントを稼ぐ刑に処します」

「いや怖いわっ!?」

「ご安心ください。私のスキルを使えば数百通りの殺し方が存在しますので、死に飽きる事はありませんよ?」

「死に飽きるも何もないんだわ」

「そうですか?私は【隻眼】スキルを取るときに死に飽きると言う感覚を味わいましたが」

 

 いや何やってんのこの人!?

 

「あ、【隻眼】の取得条件はご存じでしょうか?」

「え、知らんが」

「自分の目を自分で200回潰して自殺すると入手出来るんですよ」ニッコリ

「いや怖すぎだろっ!!」

「途中から気が狂いそうになりましたが……これも縛りプレイのためには致し方なかったのです」

「いや縛りプレイに命賭けないで?もっと有意義にゲームを楽しんで?」

「うふふ。縛りプレイも立派なゲームの楽しみ方ですよ?あなたも昔やりませんでした?RPGで仲間を連れずに主人公単独でのゲームクリアとか。あれと同じですよ」

「比較対象にすらならねぇよそれは」

「おかしいですね……主人公短期縛りやアクションゲームの裸初期武器縛りは通過点に過ぎないと思っていたのですが」

 

 いや達成点の間違いだろそれ。通のゲーマーでもそんなプレイするやつは少数派の部類になるだろ。少なくとも俺はやらねぇよ。常識とはほど遠いんだわ。

 

「ふむ……それでは、今私の秘密を聞いてしまったのであなたには約束を守っていただくことが確定しました」

「聞いてしまったじゃなくて勝手にゲロったの間違いだろ」

「細かいことを気にしてはいけません。では約束ですが……他言無用・掲示板投稿禁止・私の敵には絶対にならない・私を怖がって逃げていかない・私のファンで居続ける・私に追いつけるくらい強くなる……あたりでどうでしょうか」

「……もしかして友達少ない系?」

「い、一応親友が二人だけ……同性ですが」

 

 な、なるほど……?なんかさっきまでの狂気的な事実や外観と違って随分と年齢相応って感じだ。ギャップで色んな意味でイカれてしまいそうだ。いや、恥ずかしがってる姿は可愛いんだけどね?

 

「はぁ……まぁ助けられた恩もあるしな」

「ほんとですかっ!?で、では早速フレンド登録を……っ!」

「うぉ勢い強っ!?ちょ、ちょっと待てやっ!」

「はっ!?……こほん、失礼しました。今私大変機嫌が『悪い』もので、感情の制御が上手くいかないのです」

「……なんで機嫌が悪いと感情が制御できないのかもわからないが、なんで不機嫌なんだ?」

「話すと長くなるのですが……」

 

 リーフ曰く、この場所で暴れていたのは不機嫌だったからと言うだけの理由らしい。その理由だが……掲示板で絶壁だの貧乳だの胸で大根おろせそうだの散々な事を言われていたから、らしい。

 

「貧乳の何が悪いというのですかっ!?女性の魅力は胸だけでは無いですよねっ!?なのにみんなそろって胸の話ばっかり……っ!!」

「いや落ち着けよ」

「これが落ち着けようものですかっ!!?小学生の時からワンサイズも大きくなっていないのですよっ!?これで落ち着けるのならとっくに悟りの境地に至っていますっ!!中学の時クラスの男子から私がなんて言われていたか分かりますかっ!?リーフさんは男装がよく似合うよね、ですよっ!?それってつまりそういうことですよねっ!!?!?!」

「クリティカルヒットじゃん」

「しかもそれだけならまだましだったものを……電車の痴漢でさえお尻以外触ってこないで胸には触れさえしなかったんですよっ!?!?!?!?私の胸は痴漢とか言うこの世の癌にすら魅力的に見えないと言いたいのですかっ!?!?!?」

「いやワロタ」

 

 そのエピソードはさすがに笑うしかないだろ。確かにまぁ見事な絶壁だけども、魅力が無いわけじゃ無いだろ普通は。もはやそこまで行くとなんかのデバフ的な何かを疑いたくなるレベルなんだが。て言うかなんで俺は女性の貧乳に対する絶叫を聞いているんだろう。一ミリも興奮しねぇや。

 

「うぅ……どうせ私は一生このサイズのままなんですよぉ……」

「……つまり、その貧乳煽りのせいで不機嫌になって暴れていたと」

「はい……普段は感情の起伏が少ないのでこうなることはないのですが……」

 

 つまり不機嫌になって普段通りの行動が出来ないと。だからこそこんなところで一人暴れていたわけだからな。難儀な性格と言うより、巨大なコンプレックスに押しつぶされてるだけって事になる。

 

「まぁ、なんだ……お疲れさん」

「うぅ……色々試してみたり食事量を増やしてみたりと頑張ってはいるのですが、体重もスリーサイズも変わりないんですよね……あ、でもお尻はちょっと大きくなりましたよ」

「どういう反応すればいいのそれは」

「あ、男性に話すようなネタではありませんよね。ごめんなさい。ですがこういった話って女子同士だとなんかし辛くて」

「あ〜……太らないのが羨ましいとかそういう感じか」

「はい。特に私くらいの年齢はそう言うのが気になるお年頃ですので」

 

 その辺はどこも変わらないのか。詰まるところ悩みはあるけど吐き出せる場所がなくて、何かの拍子で爆発したらこうやって制御不能になると。

 

「ふぅ……なんだか私が一方的に話してるだけになってしまいましたね」

「こっちはトッププレイヤーの裏側が聞けて貴重な機会だったよ」

「ふふ、そうですか。はぁ、いい加減彼氏の一人でも作るべきなのでしょうか」

「今現在で必要じゃ無ければ要らないでしょ」

「そういうものなのでしょうか。私はその辺が疎いもので……ん?」

「な、なんだ?」

「……よく考えましたら、創作世界だとここであなたが彼氏立候補しないのって恋愛作品にあるまじき事態ではないですか?」

「そういうのは創作の中だけにしとけ。まだまだ独り身の時間を謳歌したいわ」

 

 そもそも恋愛作品ではないわな。現実は小説より上手く展開は繋がらないものなんだよ。確かにこんな美人の彼女がいたら自己承認欲求も高くなるだろうけど、それとこれとは色々と違うしな。

 

「ふむ……女性の胸は心を許した殿方に揉んでもらえば大きくなると聞いたことがあるのですが」

「そもそも揉めるほどないし初見の俺にそれを言うな」

「あ〜あなたも貧乳弄りするんですかぁっ!?」

「事実を述べただけだが?」

「世の中事実陳列罪と言う言葉もあるんですよぉっ!?」

「あとそう言うのは親友の同性に頼んでくれ。もしくはリアルで彼氏を見つけてくれ」

 

 俺はここで話を聞いてるだけのただの村人Aだからな。主人公様と関わるのは俺の仕事じゃないってだけの話だ。こう言うやりとりって外側から見てるのが面白いのであってわざわざ内部に突っ込むのは面倒なんだよな。

 

「ふぅ……やっと落ち着いてきました」

「そりゃ何より」

「そろそろログインしてる友人からの連絡が来ると思うのですが……お、噂をすればですね」

「それじゃ俺はこの辺で失礼するわ」

「はい。暇つぶしを手伝ってくださりありがとうございました」

 

 俺は彼女にひとつ挨拶を交わすとささっとログアウトボタンを押した。なんか色々と凄い日だったな。この時間は俺の中で大事に保管しておくことにしよう。決して他プレイヤーに対して優越感に浸りたいわけじゃない。あ、ちなみにフレンド登録はしてないから本当のプレイヤーネームはバレてないぞ。本当の名前とか教えるわけないでしょ。

 

 




 AI絵だとそんなに絶壁でもないように見えますが、あれ以上多分絶壁にするのって難しいんですよね初心者の私だと。もっともっと絶壁にしたいのにAIくんが聞いてくれなくて……
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