五条悟になってワンピース世界に転生したけど、エースだけは絶対に死なせない 作:熊々
原作のW7編・アイスバーグ襲撃〜ロビン誘拐〜パッフィングトム出発と並走しつつ、本作のアズールは麦わらの一味と合流せずに動きます。観光客のローブを羽織って屋根の上を移動し、CP9の動きを上から監視する偵察回です。
霧雨だった。
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シャボンディを発って五日。船はガレーラ社の浮かぶ街、ウォーターセブンの外港に滑り込んだ。
水の都と人は呼ぶ。なるほど呼ぶだけのことはある。運河が街そのものを背骨みたいに貫いていて、石畳の通りが水路の縁ぎりぎりまで張り出している。家々は階段を石段に下ろし、その先は直接水に落ちる。船から降りる客は桟橋ではなくヤガラブルの背に乗り換える。馬よりも速い、サメみたいな顔の魚。市場の魚屋がこいつをタクシーに使い、子供がこいつにまたがって学校へ行く。何もかもが水の上に成立している街だった。
俺はゴーグルを首にかけ、フードを浅く被り直した。
霧雨が頬を撫でる。シャボンディの湿気と違ってここの湿気は石の匂いがした。古い港町の匂いだ。何百年ぶんの船底の油と、運河の苔と、霧雨の鉄分が混ざってひとつの呼吸になっている。シャボンディが樹液で固められた人工の湿気なら、ここのは石が呼吸して生まれた本物の湿気だった。
——水の都、観光に来たわけじゃねえんだよな。
口には出さない。思考の縁で軽口だけは絶やさない。緊張のときほど軽口が必要だ。前世の救命医時代に覚えた癖だった。脈が下がっているときに早口の冗談を一発挟むと自分の指先の震えが止まる。脳の表層を遊ばせて深層を仕事に集中させる。今もそれをやっている。
無下限を浅く張る。気配の輪郭を街の湿気と同じ密度に下げる。完全に消すと逆に「気配が無い穴」として目立つ。覇気の使い手は空気の中に空気がない領域を探す習性がある。だからむしろ街の温度に揃える。湿気には湿気で混ざる。霧には霧で紛れる。それが正解だ。
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港の新聞屋には人だかりができていた。
男が新聞を片手に隣の男を指で突いている。「アイスバーグ社長が撃たれたんだぞ」「誰がやった」「麦わらの一味らしい」「嘘だろ」「賞金首五人組が街にいるってよ」「ガレーラのお偉方も総出だ」「鐘塔の警備も増えたって聞いたぜ」
俺は新聞を一部だけ買った。
一面に大きくガレーラ社社長の名前と「銃撃」の二文字。記者の文章は派手だが行間に微妙な濁りがある。誰が書かせている記事かは文体でだいたい分かる。前世で広告代理店のリリース文を読み慣れていた頭は、この世界の新聞も同じように読める。誘導したい方向と書きたくない事実が、活字の余白でせめぎあっている。
——ロビン、もう動いた。
予想より一日早い。原作の流れと数日ズレが出ている。アラバスタで俺が動いた分だけ世界が少しだけ前のめりになっている。誤差は致命的にはならないが油断は出来ない。前のめりになった世界は、どこかで埋め合わせるみたいに別の場所で遅れを取り戻す。だから今の数日のズレを甘く見ると、後でとんでもない場所で時計が合ってしまう。
新聞を畳んで小脇に抱えた瞬間、街の彼方でガレーラ社の鐘が一度だけ鳴った。
——ぐぅん。
低くて長い、石の鐘の音だ。雨に濡れた空気の中でその音だけが妙に芯を持っていた。職人街の労働開始を告げる鐘なのか、それとも別の合図なのか、地元民の何人かが顔を上げてまた下を向いた。下を向いた顔の表情が、ほんの一瞬だけ硬かった気がする。気のせいかもしれない。気のせいじゃないかもしれない。
俺もゴーグルの位置をほんの少しだけ整え直した。
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カフェに入った。
カウンター席に座ってコーヒーを一杯。砂糖は使わない。前世の癖だ。砂糖を入れると当直の途中で眠くなる。眠くなる癖が抜けないから今でも砂糖は入れない。店主が水を注ぎながら「観光かい兄ちゃん」と訊いてきた。俺は曖昧に頷いた。
店内のラジオが低くニュースを流している。
「——ガレーラ社、社長アイスバーグ氏襲撃事件は引き続き調査中。容疑者は麦わらのルフィを筆頭とする海賊一味の可能性も……」
カウンターの端の老人が舌打ちした。
「麦わらがやるかよ、ばかが」
「親父さん知り合いか」
「知り合いじゃねえ。けど海賊にも筋ってもんがある」
「筋ねえ」
「ある」
老人は短く答えてグラスを干した。職人の手だった。指の節が太く、爪に塗料の染みが残っている。船大工だ。たぶん下請けの。ガレーラの本流じゃない、街の小さな造船所の親方。こういう男の言葉ほど街の本音に近い。表通りの新聞よりこの一言のほうが情報量が多い。
俺はもう一杯コーヒーを頼んだ。
見聞色を、霧雨の粒に紛らせる。街の音の層がわずかに開く。
ヤガラブルの蹄が水を打つ音。子供の笑い声。市場の魚屋の声。それらの裏側にもう一層、別の気配の網が張ってあった。等間隔で配置されている。歩哨の足取りに似た静かな等間隔。一般人じゃない。商人でも漁師でもない。気配の重心が低くて足音を出さない訓練を受けている人間の歩き方だ。歩き方だけで職業がわかる。それくらい彼らの訓練は均質に整っている。逆に言えば、均質に整いすぎていて見聞色には引っかかる。プロの落とし穴だ。
——CP9、街中に散ってるな。
それから、もう一層奥。さらに低い気配。覇気を使えるレベルの人間が一人、二人、三人。一人は港側、一人はガレーラ本社近く、一人は鐘塔の方向。三人とも気配の重心が違う。誰が誰かまでは絞れないが、ルッチとカクとカリファ、たぶんこの三人で間違いない。
——CP0の影もある。
街の更に奥、霧の更に向こう側に、見聞色が触れただけで指を引っ込めたくなる気配がもうひとつあった。CP9の三人とは桁が違う。背中の体毛が逆立つような種類の重さだ。原作でCP0が表に出てくるのはまだ先のはずだが、政府の手はもうここまで伸びている。アラバスタで俺が七武海を一人潰したことが、政府の態度を硬くしているのかもしれない。
肩がほんの少しだけ重くなる。
コーヒーを半分残してカウンターに代金を置いた。多めに置いた。チップだ。情報をくれた老人への礼でもある。老人は俺の後ろ姿を一度だけ見たが、何も言わなかった。職人は職人を見抜く。俺の歩き方の中に、たぶん職人の何かを老人は見つけたんだろう。前世の救命医も、ある種の職人ではあった。
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路地に入った。
水路の縁に沿って人ひとりがやっと通れるくらいの細道が続いている。石がぬめっていて足音を消すには逆に都合がいい。革底が石の表面で滑る音は水路を流れる水の音に紛れる。古い街は古い街なりに、影に潜む人間のためのインフラを備えている。
角を曲がった。
ぶつかりかけた。
派手なサングラスの男だった。
身長二メートルはある。むき出しの腕に妙に太い前腕。サンダル。アロハシャツの裾。襟の奥に金属の継ぎ目が一瞬見えた——いや、見えた気がした。見えた気がしたところで俺はもう男の脇をすり抜けていた。
「——おっと、わりぃな兄ちゃん! SUPERにわりぃ!」
男は振り返らずに通り過ぎていった。声がでかい。声がでかすぎて誰も気にしない。街の景色に溶けるくらいの派手さだった。派手さでカモフラージュする戦法。賢いと言えば賢いし、馬鹿と言えば馬鹿だ。たぶん本人は無意識でやっている。
俺は二歩進んでから、内心だけで小さく口の端を上げた。
——カットィ・フラム。
——まだ堂々と街を歩けてんのか。
声はかけない。手も出さない。フランキーは麦わらに拾われる男だ。俺がここで干渉する筋合いはない。原作の流れに無闇に手を入れすぎると世界の梁が歪む。エースとロビン以外は原則として原作通りに動かす。それが、俺がこの世界に来てから決めた数少ない自分への戒律だった。戒律というほど立派なものでもない。たぶん俺は単に、自分の手の届く範囲を限定したいだけなのかもしれない。届かない範囲は届かないと認める。前世で何人もの患者を看取って学んだ、たぶん一番大事なことだった。
路地を抜けて、別の屋根に上った。
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アイスバーグの邸宅は街の中央寄りにあった。
ガレーラ社の本社ビルとは別棟になっている。広い前庭、鉄柵、噴水。襲撃の翌日にしては警護が薄い。薄いように見せて屋根の上と煙突の影に二人ずつ伏せている。家政婦のチムニーがガス灯の下で何か叫んでいた。猫みたいな声だった。横で祖母らしき老婆が腕を組んでいる。原作で見た顔そのままだった。
俺は隣の屋根の更にひとつ上、煙突の影に身体を畳んだ。
無下限の薄い幕越しに雨粒が斜めに流れていく。気配の幕は街の湿気に揃えてあるから、邸宅の屋根の見張りからは煙突の影しか見えない。見張りはたぶん覇気を使えない一般CP9職員だ。それでも油断はしない。覇気を使えない人間の目のほうが、変化を捉えるのが鋭いことがある。直感は訓練の有無で消えない。
邸宅の正面玄関に麦わらの帽子の影が一瞬だけ立った。すぐに屋内に消えた。ナミの赤毛がそのあとから入る。チョッパーらしい小さい影。ウソップ。ゾロは一拍遅れた。サンジが煙草の煙を吐いてから入った。
——揃い始めてるな。
ロビンの姿はない。
ロビンは——たぶんもう、街の別の場所にいる。
見聞色の網を細く伸ばす。鐘塔の方角。港の倉庫街。霧の向こう。気配の点がゆっくりと一方向に流れていた。北東。
——汽車駅の方角か。
パッフィングトム。
海列車。
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屋根を二棟ぶん移動した。
雨が屋根瓦を黒く濡らしている。瓦の角を踏むと音が出る。瓦の中央を、足の母指球で抑えるように踏む。前世の救急走行で覚えた、足音を立てない歩き方。覇気の操作と組み合わせるとほぼ無音になる。屋根は無音で歩くと意外と楽しい。前世では絶対に出来ない経験だ。死後に転生してこんな身体能力を手に入れる前提で人生を生きていたら、もう少し別の選択をしていたかもしれない。
煙突の上から下を見た。
ガレーラ社の正門前を二人組が歩いていた。
一人は背の高い、四角い顎の男。職人服を着てハンマーを担いでいる。歩き方が綺麗すぎる。職人にしては腰の落とし方が綺麗すぎる。武術の素養がある人間の歩き方だ。職人の歩きは膝が先に出る。武術家の歩きは丹田が先に出る。腰の動きで一発でわかる。
——カク。
四角い顎が動いた。
「キリンだァ」
口癖がぽろりと出た。隣の男が黙って頷く。隣の男は顔の真ん中に縦の傷跡があり、鳩を肩に乗せていた。表情が一切動かない。職人の仮面というより、仮面そのものが顔に張り付いている男だった。仮面を被っているのではない。仮面で出来ている。
——ルッチ。
俺は息を細く吐いた。
——原作通り、潜伏してるな。
——あの顔、人前では絶対崩さない。
見聞色を、二人の唇の動きに集中させる。距離はある。空気の振動はほとんど雨に消されている。だが二人の声には妙に芯がある。訓練を受けた声は遠くまで通る。芯のある声を抜き出すのは、コーヒーから砂糖を分離するより簡単だった。
「——明日、汽車を出す」
カクの口がそう動いた。
「——目標は確保済み」
ルッチが、口だけは動かさなかった。鳩が動いた。鳩の喉が代わりに鳴った。
「マンモーニ」
——その鳩、しゃべるのかよ。
知ってるけど、何度見てもやっぱり変だ。口に出したら負けだから出さない。だがハットリは何度見てもシュールだ。鳩の腹話術師に化けたCP9のスパイ、というツッコミどころが多すぎて誰も突っ込めない構図。原作のセンスのおかしさはこういうところで爆発する。
二人の影が霧の中に消えた。
ガレーラ社の鐘塔の鐘が、また一度だけ鳴った。
——ぐぅん。
街の人々は、もう顔を上げない。日に何度も鳴る鐘の音は、街の生活の輪郭そのものになっている。ただ俺の耳にだけ、その鐘の音は別の意味で響いていた。鐘ひとつ鳴るごとに、汽車の出発時刻が一刻近づく。鐘ひとつ鳴るごとに、ロビンが本物の場所から遠ざかる。
俺は屋根の角度を変えた。
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夜になった。
霧雨が霧そのものに変わっていた。街灯の輪郭が滲んでガス灯と石畳の境目が消えた。水路の水面に灯が映って二重の街になる。本物の街と、水底の街と。どちらが本物か一瞬わからなくなる。シャボンディの夜の街灯が雨に濡れていたのを思い出す。あの夜、俺は屋根の縁で蝋燭の灯を眺めていた。今夜は鐘塔の下でガス灯の滲みを眺めている。場所が変わっても、俺がやっていることは変わらない。
ガレーラ社の鐘塔の下で、俺はもう一度コーヒーを買った。
屋台のおっさんに小銭を渡す。湯気の立つ紙コップの縁を両手で温めた。コーヒーの香りに鉄の匂いが混じる気がした。気のせいかもしれないし気のせいじゃないかもしれない。街の鉄の匂いとこの先で流れる血の匂いが、霧の中で同じ温度になっていた。
屋台のおっさんが顔を上げた。
「兄ちゃん、明日は汽車が出るぞ」
「汽車?」
「パッフィングトム。司法の島行きだ」
「司法の島ねえ」
「乗らねえほうがいい。あれは片道切符だ」
「忠告どうも」
「忠告じゃねえ。事実だ」
おっさんはそれだけ言って湯気の向こうに目を戻した。屋台の親父というのは世界中どこに行っても、街の本音を一番早く拾う商売だ。前世のラーメン屋もそうだった。屋台のおっさんは余計なことを言わない。事実だけを置いて、客が拾うかどうかは客に任せる。
——間に合わせる。
それだけは決めている。
エースを死なせない。そしてロビンも、本物の場所で名前を呼べるようにする。約束はしていない。約束をすると約束を守る義務が発生する。義務で動くと判断が鈍る。だから俺はあの女に約束をしなかった。砂漠で王宮の柱の影で、唇だけで本当の名前を口にしただけだった。
——一度だけ、お前の本物の名前を呼んだ。
——次は本物の場所で呼べるようにする。
紙コップの底に残った最後のコーヒーを飲み干して屋台に返した。
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明け方、霧の濃度がさらに上がった。
汽車駅の屋根、その隣の倉庫の最上階。
俺はそこにいた。
パッフィングトムが蒸気を上げていた。煙突から濃い白煙。海の上を走る汽車。ガレー船の竜骨に車輪をつけたみたいな異形の機関車。その前面でパッフィングトムの愛嬌のある顔が霧の中にぼんやり浮かんでいる。原作で何度も見た絵が今、目の前にある。何度見ても異物感の強い絵だ。海の上を線路が走っていることのおかしさを、この街の人間はもう疑わない。それが文化として根付いた異物の強さだ。
汽車の屋根に影が二つ。
ひとつは女の影だった。長い髪。マント。両手を組むような所作。気配が底のない井戸みたいに静かだった。
——ロビン。
もうひとつの影は男だった——いや。
女だった。
長身。スーツ。襟の形。ジャケットの裾の揺れない歩き方。CP9の制服。
カクではない。ルッチでもない。
カリファだった。
——眼鏡の女、再び。
俺の見聞色が彼女の輪郭の縁を撫でた。
撫でた瞬間、彼女の肩がほんのわずかに動いた。気のせいかもしれない。気のせいじゃないかもしれない。霧の中で眼鏡のレンズが一度だけ光った気がした。光った気がしただけで充分だった。彼女もまた、見聞色とは違う何かで俺の存在を察している。眼鏡というのは便利な道具だ。レンズで気配を反射する女がこの世界にいてもおかしくない。
俺はゴーグルを下ろした。
——次は、本物の場所で。
汽笛が長く尾を引いて街全体に伸びた。煙突の白煙が霧と混ざって霧と煙の境目が消えた。汽車がゆっくりと動き出す。線路は海に向かって伸びている。海の上をレールのある汽車が走る。原作で何度見ても、この絵だけは現実感が薄い。
倉庫の下の街路で麦わらの一味が遅れて駆けつけた音がした。ルフィの叫び声。ナミの怒声。フランキーの「SUPER」。サンジが何かを蹴る音。チョッパーの足音。ウソップ。ゾロの抜刀音はまだない。
「ロビーン!」
ルフィの叫びが霧を裂いた。
汽車は止まらない。
止まるわけがない。CP9が手綱を握っている汽車が、海賊の声で止まる訳がない。ルフィもそれを承知で叫んでいる。叫ぶことで自分に約束させる男だ。叫んだ以上、追いかける義務が自分に発生する。あれが、麦わらのルフィの一番厄介で一番尊い性質だった。義務で判断が鈍るタイプじゃなくて、義務が燃料になるタイプ。前世の俺なら絶対になれない種類の人間。
彼らは彼らの方法で追う。
俺は俺の方法で先回りする。
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倉庫の屋根の縁に立った。
霧の向こうでガレーラ社の鐘がまた鳴った。
——ぐぅん。
二度目の鐘だった。最初の鐘より、わずかに音が深い。湿気を吸った石は音を低くする。三度目はもう鳴らないだろう。鳴るのは別の場所の、別の鐘だ。
俺は刀「闇」の鞘を、軽く撫でた。シャボンディの夜にしたのと同じ動作だった。鞘の握りを確かめる。柄頭を指先で一度だけ叩く。これは前世の救急医時代、手術前に必ずやっていた仕草だった。指先の感覚を自分の体にもう一度結び直す動作。ルーティンの効用は脳科学の論文で何度も読んだ。今この身体でも同じ仕草が同じ効果を生む。脳の仕組みは世界が変わっても、変わらない。
——黙れ。お前みたいなのに割く時間も言葉もない。
汽車の屋根のCP9に向けて、内心だけで言葉を一発、置いた。声には出さない。声に出すと相手に届く前に霧が吸う。今は届かなくていい。届くのは、司法の島に着いてからだ。
霧が流れた。
水の都の鐘が、また鳴った。
次は——、司法の島の鐘だ。
俺は屋根を蹴った。
——次回、第13話「司法の島へ」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
W7編をアズール視点で書くにあたって、いちばん悩んだのが「麦わらの一味と合流させるかどうか」でした。原作通りに合流させると、本作のアズールが強すぎてアイスバーグ襲撃もロビン誘拐も発生しなくなります。物語が壊れる。
だから今回は、合流しないルートを選びました。アズールは屋根の上の観察者に徹して、麦わらたちが原作通り動く余白を残す。彼が動くのは、エニエス・ロビーに突入する瞬間からです。