守護者は荒野にある“ソレ”に誰も近づけないように今も徘徊を続けている。
途方もない時間を掛けても、止まることは許されない。
何故なら“ソレ”が起動したら最後、世界は簡単に滅びてしまうのだから。
ブロロロロロロロ…
荒野にバイクのエンジン音が鳴り響いている。
荒野には人っ子一人もおらず、あるのは尖った岩山や大きな岩石だけだった。
そんな殺風景な荒野を一台のバイクらしき乗り物に乗った黒いローブを羽織った一人の少女だと思われる人物が砂埃を上げながら凸凹した大地を走行している。
ブロロロロロロロ…
「………!」
少女は目玉が付いた一輪型のバイクを操縦しながら辺りを警戒するように見渡していた。
数回か辺りを見回していると、何かを見つけたのかバイクの進路を変えてその場所へと向かっていったのである。
少しすると、進行方向の先に複数の人影が見えてきた。
「こんなところまで来たけど、あの話ってデマなんじゃねぇのか?」
「そんなはずはないけどなぁ~…?」
「あーもう、もう少し探して無かったら帰るでいいだろ?さっさと噂になってる伝説の宝とやらを見つけて億万長者になろうぜ。」
そこに居たのは、二輪のバイクに乗った不良らしき人物達であった。
不良達は此方に近づいてきている存在に気付いていないようで、呑気に雑談をしていた。
ブロロロロロロロ…!
「………。」ジャキッ
少女は段々と自身が乗るバイクのスピードを上げていくと、黒いローブの中に片手を突っ込んで黒と空色を象徴とした機関銃を取りだし、不良達がいる方向に狙いを定めた。
「…ん?おい、何か近づいてきてないか?」
「あたし達と目的が同じヤツなんじゃないのか?ちょうど良いから手分けして探して貰おうぜ。」
「いいなソレ。おーい!聞こえるかー!?」
不良達は少女が機関銃の狙いを此方に定めているとは思ってもおらず、逆に此方と同じ目的を持った仲間だと思い込んでおり、不良の一人が少女に向かって手を振っていたが少女はそれを無視しながら更にバイクのスピードを上げていった。
「…お…おい、何かスピード上がってないか?」
「えぇ?あたしの声が聞こえてないのか?おーい!」
「……ちょっとまて、あいつ銃をこっちに向けてないか!?」
不良の一人は少女が此方に敵意を持っていることに気付き、他の仲間に知らせようとしたが、それよりも早く少女が乗るバイクが不良達に突っ込んで来たため、伝えることはできなかった。
「なっ…何ガッ!?」
「お…おい!大丈夫…ギャッ!?」
「くそっ、一体何だってんだよ!?」
砂煙が上がり視界が遮られている中、不良達は着実に一人づつ倒れていき、最後の一人となった不良は底知れない恐怖の中、仲間達を襲った犯人に一矢報いようと持っていたアサルトライフルを構えて反撃の体勢を取っていた。
だが、それも虚しく背後を横切った陰によって呆気なく気絶してしまった。
「………。」カチャッ
ダダダダダダダダダッ!!
舞っていた砂煙が無くなると、そこには不良達の銃を持った少女が立っており、回りには所々火傷のような痕がつき、気絶している不良達がいた。
少女は不良達が持つ銃を1カ所に纏めると、持っていた機関銃の標準を合わせて引き金を引き、銃を全て木っ端みじんになるまで破壊してしまった。
「………。」
ブロロロロロロロ…
気が済んだのか、少女は撃つのを止めると近くに歩み寄るかのように走ってきた一輪型のバイクに股がると、気絶して地面に転がっている不良達を一瞥してから何処かへ向かうかのように走っていったのであった。
ピピピピッ
「……?」
少女がバイクを走らせていると、何処からか電話のような着信音が鳴り響いた。
少女は黒いローブの中に手を突っ込むと大昔の電話に似た形状をしている通信機を取りだした。
通信機に付いているボタンを押すと、少女はそのまま耳と思われる場所に近づけて耳を澄ませた。
『お久しぶりです、わたし。』
「…!」
端末越しに少し幼い少女の声が聞こえてきた。
少女は少し驚くような仕草をしたあと、何かを伝えるかのようにジェスチャーをし始めた。
『…理解しています。わたしの方は今の所問題は無いです。其方はどうですか?』
「………。」
『…なるほど、侵入者が五人…迎撃ご苦労様です。』
「………!」
『分かりました。では、今後もお願いします。』
ツー…ツー…
端末から聞こえていた声は聞こえなくなり、代わりに聞こえるのは通話が終了下と知らせる一定の音のみだった。
少女はその端末を黒いローブの中にしまうと、再び別の場所を目指して一輪型のバイクを走らせるのであった。
──────────────────────────
「…今の所は問題は見当たりませんね。」
建物の殆どが水没している場所にて。
水没を免れている高速道路の上に四足歩行の白い装甲を象徴とするロボットと常人よりも圧倒的な長い黒髪を持つ少女がいた。
ロボットには正方形を何重にも重ねたような形の蒼白く発光するヘイローが浮かんでおり、普通のロボットとは違うことが一目見て分かる。
少女はヘイローの形こそはそのロボットと変わりは無いが、色は所々に赤色が混じった蒼白いヘイローだった。
「他の私の信号は途絶えていないようですが…、またあの砂守は巡回をサボっているみたいですね。」
黒髪の少女が見ている端末の先には辺り一面砂漠の映像が移っており、その砂漠の中心に黒と桃色が混じったような髪をもつ少女と全長は50mを優に超えている蛇のようなロボットが寝そべっていた。
「…まぁ、砂守の活動時間は大体夜ですからね。大目に見てあげましょう。」
そういうと端末の映像を切り替えて、ある場所を映しだした。
そこには、砂埃が舞っていてよく見えないが砂守と呼ばれるロボットとタメを張れる大きさの影が映っており、赤いランプのような光が影の中央付近で薄く点滅していた。
「……私達の役目は、この世界の平穏を保つこと。」
そう呟いた少女はそのまま映像を切り、自身が座っていたロボットから降りると、また端末を弄って背中に機械でできた生物のような翼が顕現された。
「そして、私達の■■であり改造されてしまった■■■■■の稼働を食い止める者。」
少女は高速道路から飛び降りると、背中にある機械仕掛けの翼に付いていたブースターを起動させて飛び立った。
それに続くように、ロボットもまた自身に内蔵されていたワイヤーを使って立体起動装置のようにビルを移動しながら少女の後をついて行ったのであった。
・荒野の少女
あまり喋らない。
荒野にいる■■■■■が起動しないように今日も荒野を自身の相棒である一輪型バイクで駆けている。
たまに気絶した侵入者の持ち物を漁って何か美味しいものがないか探している時もある。
・水没地区にいる少女
まとめ役のような存在で、オペレーターのような役割も兼ね備えている完璧な少女であり、苦労人でもある。
頼れる相棒の内の一人であるロボットをいつも連れている。
最近、砂守が脱水症の女性を拾ったと連絡が来たため、あるはずもない胃を痛めながら適切な処置をするように指示し、元の場所に帰した。
・砂守
砂漠を巡回している少女とロボット。
昼の時は大体砂漠の中心でお昼寝をしてサボることがしばしばあるが、夜になると一変して獲物を狙う鷹のような目になりながら巡回をする。
最近、昼の時間帯の巡回中に脱水症で倒れていた女性を見つけたため、どうしようかとロボットと一緒に悩んで水没地区にいる少女に連絡した。
メンダコが好きらしい。
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