魔導書を手に入れから半年。私達は魔法騎士団の入団試験を受けに来た。
早速魔力が少ない者に群がる鳥「アンチ鳥」が試験を受けに来た人達に群がり始めた。
当然私とユノにはアンチ鳥は寄って来なかったが魔力が無いアスタにはこれでもかというほど群がって来た。
あまりにも群がる鳥を追い払おうと駆けずり回るり周りに迷惑をかけながらいよいよ試験が開始された。
「まずは箒に乗ってどれくらい飛べるか見せてもらうよ」
試験監督の魔法騎士団団長がそれぞれ配った箒に跨り一斉に空に飛び上がった。
魔力のコントロールが苦手で遠距離魔法ができない私は自らの周囲の魔力を完全に支配下に置けるほどのコントロールを獲得し、魔力を流して姿勢制御などをする箒を難なく使いこなした。
一方アスタは飛び立つことすらできずにいた・・・。
それから試験は進み、私とユノは大丈夫だったがアスタはほとんどまともにできず最終試験の実戦が始まった。
「青銅魔法"青銅の防護魔砲球"!!」
アスタの相手をするいかにもチャラそうな男が攻防一体の魔法で迎撃態勢を整えた。
「遠慮しないでかかってきな!!フッハ!」
周りから見ても誰もアスタには期待していない。だが、私は知っているアスタが魔導書を手に入れてから半年、どれだけ鍛えてきたのか。魔法を相手にする場合、アスタの魔法がどんな意味を持つのかを。
一瞬だった。アスタが素早く魔導書から剣を引き抜き魔法ごと対戦相手を叩きのめしたのだ。
「俺は適当に頑張って良い思いする為に魔法騎士団に入るんじゃねえ・・・。死に物狂いで魔法帝になる為だ!!!」
アスタは気絶した対戦相手の男にそう言い放った。
『私も負けてられないわね・・・!!』
「これでも喰らえ!!」
私の対戦相手の男が大雑把に魔法をぶつけてくるが難なく弾き返した。
「今度はこっちの番よ!!海竜の翼撃!!」
水魔法を推進力に飛び出した私はそのまま無防備になっている相手の横腹に拳骨を打ち込んだ。
「ごはぁ!!」
男は何が起きたのか分からない顔で気絶した。
「さあ、次は誰が相手?」
私は大胆不敵に宣言した。
暫くして試験が終了し、結果発表が行われた。
一人一人と呼ばれ入団できる者もいれば入団できなかった者もいる。
ユノは何と九つの騎士団全員から誘われNo.1の魔法騎士団「金色の夜明け」を選んだ。
そして、アスタの番。実戦試験で圧倒的実力を見せたが魔力が無いアスタを誘う騎士団は無かった。だが、試験開始前に会った団長の一人が降りてきた。
「今の俺を前にしてもまだ、魔力の無いお前は魔法帝になるって言えるのか?」
とてつもない魔力に私やユノを含め全員が萎縮している。でも・・・、
「ここで、魔法騎士団に入れなくても、何度コケても、誰に何と言われても、俺はいつか魔法帝になってみせます・・・!!」
アスタはそれでも魔法帝になる夢を諦めなかった。
アスタはそのま魔法騎士団「黒の暴牛」に入ることになった。
そして、私の番。黒の暴牛を含めいくつかの団に誘われたがアスタを迎え入れてくれた黒の暴牛は他の団とは違う輝きが見えた。
「黒の暴牛でお願いします」
私も黒の暴牛に入団する道を選んだ。
色々あったがようやく夢のスタートラインにたどり着いた私達三人はお互い頑張ろうと誓い合った。
暴牛の空間魔道士の空間を抜け黒の暴牛の拠点に来た。
『ここから始まるんだ・・・!』
そう感慨深いことを考えていたその時、いきなり拠点の玄関口が吹き飛んだ。
「いきなり吹き飛んだ!?」
「一体何事!?」
中には団員が大喧嘩してたりよく分からない集団がいた。
「ようこそ最低最悪の魔法騎士団「黒の暴牛」へ」
団長のヤミ・スケヒロのそんな歓迎の言葉に私とアスタはただただ絶句するのだった。